(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068289
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】治療用ペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 7/06 20060101AFI20220426BHJP
C07K 5/00 20060101ALI20220426BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20220426BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20220426BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20220426BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20220426BHJP
A61K 47/52 20170101ALI20220426BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220426BHJP
A61K 47/56 20170101ALI20220426BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20220426BHJP
【FI】
C07K7/06 ZNA
C07K5/00
A61K38/06
A61K38/07
A61K38/08
A61P25/22
A61K47/52
A61K47/54
A61K47/56
A23L33/18
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022022899
(22)【出願日】2022-02-17
(62)【分割の表示】P 2019547723の分割
【原出願日】2018-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2017041181
(32)【優先日】2017-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、農林水産省、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業委託事業、産業技術力強化法第19条に係る特許出願。
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(71)【出願人】
【識別番号】596175810
【氏名又は名称】公益財団法人かずさDNA研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大日向 耕作
(72)【発明者】
【氏名】木村 彩映子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀幸
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗不安様作用を有するペプチド、その塩、ペプチドコンジュゲートおよびその塩を提供する。
【解決手段】ペプチドまたはその塩である化合物であって、前記ペプチドが:(a)3~8のアミノ酸長さであり;(b)アミノ酸配列X1LX2X3VKのN末端またはC末端から、少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、(i)X1がY、F、W、A、I、L、V、またはMであり、(ii)X2が、任意のアミノ酸から選択され、X3がL、I、V、またはAであり;(c)疎水性のN末端アミノ酸を有し;および(d)アミノ酸配列X4LX5、X4LX5EIAR、VYLPR、YLPR、またはVLQRFから構成されず、X4はY、F、W、またはHであり、X5は、Y、F、W、Q、またはLである、化合物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドまたはその塩である化合物であって、前記ペプチドが:
(a)3~20のアミノ酸長さであり;
(b)アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端から、少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
(i)X1が疎水性アミノ酸であり、
(ii)X2およびX3が、任意のアミノ酸からそれぞれ独立に選択され;
(c)疎水性のN末端アミノ酸を有し;および
(d)アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)、X4LX5(配列番号30)、X4LX5EIAR(配列番号31)、VYLPR(配列番号32)、YLPR(配列番号33)、またはVLQRF(配列番号34)から構成されず、X4はY、F、W、またはHであり、X5は、Y、F、W、Q、またはLである、化合物。
【請求項2】
X1が、芳香族アミノ酸である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X1が、Y、F、W、A、I、L、V、またはMである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
X1が、Y、F、またはWである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
X2および/またはX3が、L、I、V、またはAである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記ペプチドが、アミノ酸配列:
(a)X1LX2(配列番号15)、場合により、X1は前記ペプチドのN末端アミノ酸であり;
(b)X3VK(配列番号16):
(c)YLL(配列番号7);または
(d)LVK(配列番号9)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記ペプチドが、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3(配列番号17)、場合により、
X1は前記ペプチドのN末端アミノ酸であり;および/または
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2X3K(配列番号29);
(b)X2X3VK(配列番号18):
(c)YLLV(配列番号10);
(d)LLVK(配列番号11);または
(e)YLVK、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記ペプチドが、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3V(配列番号19)、場合により、X1は前記ペプチドのN末端アミノ酸であり;
(b)LX2X3VK(配列番号27):
(c)YLLVK(配列番号3);
(d)FLLVK(配列番号5);
(e)WLLVK(配列番号6);または
(f)YLLVR(配列番号13)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記ペプチドが、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3VK(配列番号8)、場合により、X1は前記ペプチドのN末端アミノ酸であり;
(b)YLLAVK(配列番号22):または
(c)YLLNNK(配列番号22)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
前記ペプチドが、3~15アミノ酸長さまたは3~10アミノ酸長さである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
前記ペプチドが、4~20アミノ酸長さ、4~15アミノ酸長さ、または4~10アミノ酸長さである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
前記ペプチドが、5~20アミノ酸長さ、5~15アミノ酸長さ、または5~10アミノ酸長さである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
前記ペプチドが、6~20アミノ酸長さ、6~15アミノ酸長さ、または6~10アミノ酸長さである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
前記ペプチドが、7~20アミノ酸長さ、7~15アミノ酸長さ、または7~10アミノ酸長さである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
前記ペプチドが、8~20アミノ酸長さ、8~15アミノ酸長さ、または8~10アミノ酸長さである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
前記ペプチドが、9~20アミノ酸長さ、9~15アミノ酸長さ、または9~10アミノ酸長さである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
前記ペプチドが、アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、FLLVK(配列番号5)、またはWLLVK(配列番号6)からなる請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
ペプチドまたはその塩である化合物であって、前記ペプチドが:
(a)5~20アミノ酸長さであり;および
(b)前記ペプチドのN末端にアミノ酸配列SYLPP(配列番号24)を含む、化合物。
【請求項19】
前記ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPL(配列番号20)、SYLPPLT(配列番号4)、またはSYLPPLTT(配列番号1)を含むかまたはこれからなる、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記ペプチドが、5~15アミノ酸長さまたは5~10アミノ酸長さである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
前記ペプチドが、6~20アミノ酸長さ、6~15アミノ酸長さ、または6~10アミノ酸長さである、請求項18または請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
前記ペプチドが、7~20アミノ酸長さ、7~15アミノ酸長さ、または7~10アミノ酸長さである、請求項18または請求項19に記載の化合物。
【請求項23】
前記ペプチドが、8~20アミノ酸長さ、8~15アミノ酸長さ、または8~10アミノ酸長さである、請求項18または請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
前記ペプチドが、9~20アミノ酸長さ、9~15アミノ酸長さ、または9~10アミノ酸長さである、請求項18または請求項19に記載の化合物。
【請求項25】
前記ペプチドが、10~20アミノ酸長さ、または10~15アミノ酸長さである、請求項18または請求項19に記載の化合物。
【請求項26】
前記ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)またはSYLPPLT(配列番号4)からなる、請求項18に記載の化合物。
【請求項27】
ペプチドまたはその塩である化合物であって、前記ペプチドが:
(a)6~20アミノ酸長さであり;および
(b)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含む、化合物。
【請求項28】
前記ペプチドが、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)からなる、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記ペプチドが、7~20アミノ酸長さ、7~15アミノ酸長さ、または7~10アミノ酸長さである、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
前記ペプチドが、8~20アミノ酸長さ、8~15アミノ酸長さ、または8~10アミノ酸長さである、請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
前記ペプチドが、9~20アミノ酸長さ、9~15アミノ酸長さ、または9~10アミノ酸長さである、請求項27に記載の化合物。
【請求項32】
前記ペプチドが、10~20アミノ酸長さまたは10~15アミノ酸長さである、請求項27に記載の化合物。
【請求項33】
コンジュゲートまたはその塩である化合物であって、前記コンジュゲートが、
(a)ペプチド部分であって、
(i)3~20アミノ酸長さであり;
(ii)アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端からの少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
X1は、疎水性アミノ酸であり、
X2およびX3は、任意のアミノ酸からそれぞれ独立に選択され、および
(iii)場合により、疎水性のN末端アミノ酸を有するペプチド部分と;
ペプチド部分に結合された
(b)1個または複数のコンジュゲート部分、とを含む、化合物。
【請求項34】
X1が、芳香族アミノ酸である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
X1が、Y、F、W、A、I、L、V、またはMである、請求項33に記載の化合物。
【請求項36】
X1が、Y、F、またはWである、請求項33に記載の化合物。
【請求項37】
X2および/またはX3が、L、I、V、またはAである、請求項33~36のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
前記ペプチド部分が、アミノ酸配列:
(a)X1LX2(配列番号15)、場合により、X1は前記ペプチド部分のN末端アミノ酸であり;
(b)X3VK(配列番号16):
(c)YLL(配列番号7);または
(d)LVK(配列番号9)を含む、請求項33~37のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
前記ペプチド部分が、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3(配列番号17)、場合により、
X1は前記ペプチド部分のN末端アミノ酸であり;および/または
前記ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2X3K(配列番号29);
(b)X2X3VK(配列番号18):
(c)YLLV(配列番号10);
(d)LLVK(配列番号11);または
(e)YLVK、を含む、請求項33~37のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
前記ペプチド部分が、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3V(配列番号19)、場合により、X1は前記ペプチド部分のN末端アミノ酸であり;
(b)LX2X3VK(配列番号27):
(c)YLLVK(配列番号3);
(d)FLLVK(配列番号5);
(e)WLLVK(配列番号6);または
(f)YLLVR(配列番号13)を含む、請求項33~37のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
前記ペプチド部分が、アミノ酸配列:
(a)X1LX2X3VK(配列番号8)、場合により、X1は前記ペプチドのN末端アミノ酸であり;
(b)YLLAVK(配列番号22):または
(c)YLLNNK(配列番号22)を含む、請求項33~37のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
コンジュゲートまたはその塩である化合物であって、前記コンジュゲートが、請求項18~32のいずれか1つに記載のペプチドからなるペプチド部分および1個または複数のコンジュゲート部分を含む、化合物。
【請求項43】
前記1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、ポリマー、アミノ基、アシル基、アルキル基、リン酸基、脂質または糖を含む、請求項33~42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
塩である、請求項1~43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか1項に記載の化合物および1種または複数の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤および/または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項46】
請求項1~44のいずれか1項に記載の化合物を添加物として含む、食品。
【請求項47】
不安障害、気分障害、または動機減少障害の治療方法に使用するための、請求項1~44のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
不安障害の治療のための方法に使用するための、請求項47に記載の使用のための化合物。
【請求項49】
気分障害の治療のための方法に使用するための、請求項47に記載の使用のための化合物。
【請求項50】
前記気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、請求項49に記載の使用のための化合物。
【請求項51】
動機減少障害の治療のための方法に使用するための、請求項47に記載の使用のための化合物。
【請求項52】
前記動機減少障害が、
感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、請求項51に記載の使用のための化合物。
【請求項53】
不安障害、気分障害、または動機減少障害の治療方法に使用するための、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項54】
不安障害の治療のための方法に使用するための、請求項53に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項55】
気分障害の治療のための方法に使用するための、請求項53に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項56】
前記気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、請求項55に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項57】
動機減少障害の治療のための方法に使用するための、請求項53に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項58】
前記動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、請求項57に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項59】
不安障害、気分障害、または動機減少障害の治療方法に使用するための、請求項46に記載の食品。
【請求項60】
不安障害の治療のための方法に使用するための、請求項59に記載の使用のための食品。
【請求項61】
気分障害の治療のための方法に使用するための、請求項59に記載の使用のための食品。
【請求項62】
前記気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、請求項61に記載の使用のための食品。
【請求項63】
動機減少障害の治療のための方法に使用するための、請求項59に記載の使用のための食品。
【請求項64】
前記動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、請求項63に記載の使用のための食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月4日に出願の日本特許出願番号2017-041181号の優先権の利益を主張する。この出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
1.技術分野
本発明は、ペプチドおよびペプチドコンジュゲートに関する。本発明はまた、ペプチドおよびペプチドコンジュゲートを含む医薬組成物および食品に関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景技術
日本は、今や、超高齢化社会の最先端に立っているとわかっており、活動的で健康な加齢を実現することが期待されている。咀嚼および嚥下機能の低下に焦点を絞ったいわゆる柔らかい食べ物が、高齢者に適合された食品として、これまで開発されてきた。しかし、加齢による生理学的拒食症、動機づけの減少および心理ストレスなどの神経系の機能の低下に焦点を当てた食品はほとんど存在しない。
【0004】
このような心理ストレスは、生活習慣病を発症するリスクを増やす可能性がある。
【0005】
介護のために、神経機能の低下を遅らせる、停止させるまたは元に戻すことができる次世代機能性食品を開発する必要がある。
【0006】
非特許文献1は、ホウレンソウ由来ルビスコリン-6は、抗不安作用を有すると述べている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Hirata H,Sonoda S,Agui S,Yoshida M,Ohinata K,Yoshikawa M.Peptides.2007 Oct;28(10):1998-2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、抗不安様作用を有するペプチド、およびこのようなペプチドを含む医薬品および食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
3.発明の概要
本発明者らは、心理ストレスを軽減する機能的成分を開発することを目的とし、その結果、抗不安様作用または抗うつ様作用を示すペプチドを特定した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに研究を進めることにより完成するに至った。
【0010】
具体的には、次の実施例は、次の態様を包含する。
【0011】
一態様では、本開示は、ルビスコタンパク質のペプシンおよびペプシン+パンクレアチン消化物由来のペプチド、その塩、ペプチドコンジュゲート、およびその塩(ひとまとめにして「化合物」と呼ぶこともある)、例えば、配列番号1~配列番号6の内のいずれか
のアミノ酸配列を有するペプチド、を提供する。本明細書に記載のある実施形態が「ペプチド」に言及する場合、その実施形態は、その実施形態が表現「またはその塩」または類似表現を明示的に記述しない場合でも、文脈から別義が要求されない限り、ペプチドそれ自体ならびにそのペプチドの塩を包含することを理解されたい。同様に、ペプチドに関する開示は、文脈から別義が要求されない限り、ペプチドのコンジュゲートおよびそのコンジュゲートの塩を包含する。
【0012】
一態様では、本開示は、3~20アミノ酸長さであり、アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端からの少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、X1は、疎水性アミノ酸であり、X2およびX3は、任意のアミノ酸、好ましくは、疎水性アミノ酸から選択されるアミノ酸からそれぞれ独立に選択されるペプチドを提供する。本明細書で使用される場合、「疎水性アミノ酸」は、疎水性の側鎖を有するアミノ酸、例えば、A、I、L、M、V、F、WおよびYを意味する。いくつかの実施形態では、疎水性アミノ酸は、天然のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、1,2、または3個全てのX1、X2、およびX3は、芳香族アミノ酸(例えば、Y、F、またはW)である。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列のN末端またはC末端からの4または5個の連続アミノ酸を含む。したがって、ペプチドは、N末端位置に、X1、L、X2またはX3を含み得る。ペプチドはまた、X1、L、X2またはX3とは別のアミノ酸N末端を有し得る。好ましくは、N末端アミノ酸は、疎水性アミノ酸である。このような配列番号8ベースのペプチドは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20アミノ酸長さとすることができ、または、前述の実施形態のいずれかの対の間の範囲の長さ、例えば、3~10アミノ酸長さ、4~9アミノ酸長さ、4~18アミノ酸長さ、5~12アミノ酸長さ、6~15アミノ酸長さ、6~10アミノ酸長さ、などを有し得る。
【0013】
別の態様では、本開示は、5~20アミノ酸長さのペプチドを提供し、ペプチドのN末端にアミノ酸配列SYLPP(配列番号24)を含む。このような配列番号24ベースのペプチドは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20アミノ酸長さとすることができ、または、前述の実施形態のいずれかの対の間の範囲の長さ、例えば、5~10アミノ酸長さ、5~9アミノ酸長さ、6~18アミノ酸長さ、5~12アミノ酸長さ、6~15アミノ酸長さ、6~10アミノ酸長さ、などを有し得る。
【0014】
別の態様では、本開示は、6~20アミノ酸長さのペプチドを提供し、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含む。このような配列番号2ベースのペプチドは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20アミノ酸長さとすることができ、または、前述の実施形態のいずれかの対の間の範囲の長さ、例えば、6~10アミノ酸長さ、6~9アミノ酸長さ、6~18アミノ酸長さ、6~12アミノ酸長さ、7~15アミノ酸長さ、7~10アミノ酸長さ、などを有し得る。
【0015】
別の態様では、本開示は、本開示のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む医薬組成物および食品を提供する。
【0016】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のペプチド、ペプチドコンジュゲート、医薬組成物、および食品を用いて、気分障害、不安障害、または動機減少障害を治療または予防する方法を提供する。
【0017】
一態様では、本開示は、項目1~項目3と標識された次の実施形態を提供する:
【0018】
項目1.アミノ酸配列XLLVK(配列番号25)からの少なくとも3個の連続アミノ
酸を含むペプチド(配列番号25では、Xは、芳香族アミノ酸)。本明細書で使用される場合、「芳香族アミノ酸」は、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、F、W、およびY)を意味する。
【0019】
項目2.Xが、Y(チロシン)、F(フェニルアラニン)またはW(トリプトファン)である、項目1に記載のペプチド。
【0020】
項目3.次のアミノ酸配列または1~3個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された次のアミノ酸配列から選択される任意のアミノ酸配列を含むペプチド:
(i)アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)、
(ii)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、
(iii)アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、
(iv)アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)、
(v)アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)、および
(vi)アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)。
【0021】
別の態様では、本開示は、次の項目1~項目26と標識された実施形態を提供する。
【0022】
項目1.次記から選択される任意のアミノ酸配列を含むペプチド:
(i)アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)、
(ii)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、
(iii)アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、
(iv)アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)、
(v)アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)、および
(vi)アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)。
【0023】
項目2.項目1に記載のペプチドを有効成分として含む医薬組成物。
【0024】
項目3.項目1に記載のペプチドおよび薬学的に許容可能な希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む医薬組成物。
【0025】
項目4.医薬組成物が不安障害の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0026】
項目5.医薬組成物がうつの治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0027】
項目6.医薬組成物が適応障害の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0028】
項目7.医薬組成物が双極性障害の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0029】
項目8.医薬組成物が意欲障害の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0030】
項目9.医薬組成物が感情鈍麻の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0031】
項目10.医薬組成物が無為症の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0032】
項目11.医薬組成物が無動性無言症の治療薬である、項目2に記載の医薬組成物。
【0033】
項目12.項目2から11のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む経口薬。
【0034】
項目13.項目1に記載のペプチドを含む食品。
【0035】
項目14.項目1に記載のペプチドが添加された食品。
【0036】
項目15.不安症の状態を遅らせる、停止させるまたは元に戻すための、項目13または14に記載の食品。
【0037】
項目16.ペプシンまたはパンクレアチンで処理されたルビスコタンパク質を含む組成物。
【0038】
項目17.項目16に記載の組成物を含む食品。
【0039】
項目18.項目16に記載の組成物で補充された食品。
【0040】
項目19.不安障害または不安に基づく症状を回復させるまたは治療する方法であって、項目1に記載のペプチドを、不安障害のまたは不安に基づく症状のまたはそれに罹患する可能性のある患者に投与するステップを含む方法。
【0041】
項目20.不安障害または不安に基づく症状の回復または治療での使用のための、項目1に記載のペプチド。
【0042】
項目21.不安障害または不安に基づく症状の回復または治療のための医薬品または食品を製造するための、項目1に記載のペプチドの使用。
【0043】
項目22.不安障害または不安に基づく症状の回復または治療での使用のための緑色植物。
【0044】
項目23.モチベーションの低下、うつ、うつ病性気分障害、またはそれに基づく症状を回復させるまたは治療する方法であって、項目1に記載のペプチドを、モチベーションの低下、うつ、うつ病性気分障害、またはそれに基づく症状のまたはそれに罹患する可能性のある患者に投与するステップを含む方法。
【0045】
項目24.うつ、うつ病性気分障害またはそれに基づく症状の回復または治療での使用のための、項目1に記載のペプチド。
【0046】
項目25.うつ、うつ病性気分障害またはそれに基づく症状の回復または治療のための医薬品または食品を製造するための、項目1に記載のペプチドの使用。
【0047】
項目26.うつ、うつ病性気分障害またはそれに基づく症状の回復または治療での使用のための、緑色植物の葉。
【発明の効果】
【0048】
本発明のペプチドを有効成分として含む医薬組成物および食品は、低い有害反応で、高い抗不安様作用を有し、長期使用に好適し、および/または抗うつ様作用(以下、抗うつ様作用は、抗うつ作用を含む)を有する。また、本発明の医薬組成物および食品は、経口投与に好適する。
【0049】
天然の短鎖ペプチドは、食品として摂取され得る。不安症状態の個体の疾患は、これらのペプチドを食品として摂取することにより予防されることが期待できる。
【0050】
本発明のペプチドの一態様は、葉緑体タンパク質の酵素消化物であり、したがって、有
害反応の問題は含まれない。さらに、葉緑体ルビスコタンパク質は、緑色植物中に豊富にあり、したがって、低コストで製造できる。
【0051】
4.図面の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】
図1は、高架式十字迷路試験(EPM)の試験方法を示す。試験は、試料の経口投与の30分後に実施し、評価は、5分の試験時間を基準にして実施した。23~27gのddYマウスを試験用の動物として使用した。オープンアーム中の累積時間が記録され、オープンアーム中の時間のパーセンテージ(%)を抗不安様作用に対する指標として使用した。
【
図2】
図2は、ホウレンソウからのルビスコタンパク質の抽出方法およびSDS-PAGE結果を示す。
【
図3】
図3は、実施例1の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図4】
図4は、実施例2の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図5】
図5は、実施例3の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図6】
図6は、実施例4の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図7】
図7は、実施例5の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図8】
図8は、実施例6の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図9】
図9は、実施例7に記載のように、アンタゴニストを用いて酵素消化物の作用機序を調査した結果を示す。
【
図10】
図10は、実施例8の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図11】
図11は、実施例9の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図12】
図12は、実施例10の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図13】
図13は、実施例11の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図14】
図14は、実施例12の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図15】
図15は、実施例13の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図17】
図17は、実施例15の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図18】
図18は、実施例16の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図19】
図19は、ルビスコの小さいサブユニット(A)および大きなサブユニット(B)中の消化管プロテアーゼによる切断部位を示す。
【
図20】
図20は、実施例18の高架式十字迷路試験の結果を示す。
【
図21】
図21は、実施例19の細胞内cAMPアッセイの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
5.詳細な説明
【0054】
5.1ペプチド
【0055】
一態様では、本開示は、ルビスコタンパク質のペプシンおよびペプシン+パンクレアチン消化物由来のペプチド、その塩、例えば、配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドを提供する。本開示の好ましいペプチドの1つであるアミノ酸配列YLLVK(配列番号3)を有するペプチドは、ホウレンソルビスコタンパク質のペプシンおよびペプシン+パンクレアチン消化物中で特定された。しかし、その後の消化物では、ペプチドYLLVK(配列番号3)は検出されなかった。それにもかかわらず、このペプチドは、実施例に記載のように特性解析を行うと、抗不安様作用を有することが明らかになった。配列番号8、24および28のアミノ酸配列をベースにしたペプチドを含む、配列番号1~6をベースにした例示的ペプチドが本明細書で記載される。
【0056】
5.1.1 配列番号1~6ベースペプチド
【0057】
特定の態様では、本発明のペプチドは、次のアミノ酸配列または次のアミノ酸配列の1~3個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列から選択される任意のアミノ酸配列を含むペプチドである:(i)アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)、(ii)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、(iii)アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、(iv)アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)、(v)アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)、および(vi)アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)。
【0058】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、1つの欠失を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、2つの欠失を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、3つの欠失を有するアミノ酸配列を有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、1つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、2つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、3つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、1つのアミノ酸付加を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、2つのアミノ酸付加を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1~6のいずれか1つに対応するが、配列番号1~6のいずれか1つのアミノ酸配列に比べて、3つのアミノ酸付加を有するアミノ酸配列を有する。
【0061】
別の態様では、本発明のペプチドは、(i)アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)、(ii)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、(iii)アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、(iv)アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)、(v)アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)、および(vi)アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)から選択される任意のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0062】
配列番号1~6のアミノ酸配列をベースにしたペプチドは、それぞれ、配列番号1~6のアミノ酸配列以外のアミノ酸を含んでも、または含まなくてもよい。したがって、種々の実施形態では:
(1)配列番号3、5および6のアミノ酸配列を含む本開示のペプチドは、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大12、最大15、最大18、最大20までのアミノ酸または最大25までのアミノ酸長さであってよく;
(2)配列番号2のアミノ酸配列を含む本開示のペプチドは、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大12、最大15、最大18、最大20までのアミノ酸または最大25までのアミノ酸長さであってよく;
(3)配列番号4のアミノ酸配列を含む本開示のペプチドは、最大7、最大8、最大9
、最大10、最大12、最大15、最大18、最大20までのアミノ酸または最大25までのアミノ酸長さであってよく;
(4)配列番号1のアミノ酸配列をベースにした本開示のペプチドは、最大8、最大9、最大10、最大12、最大15、最大18、最大20までのアミノ酸または最大25までのアミノ酸長さであってよい。
【0063】
アミノ酸残基は、得られるペプチドが上記アミノ酸配列を含む限りにおいて、本発明のペプチドのN末端および/またはC末端側(好ましくはC末端側)に付加できる。付加されるアミノ酸残基の数は限定されず、約20アミノ酸残基、好ましくは約10アミノ酸残基、より好ましくは約5アミノ酸残基、さらに好ましくは4、3、2、または1アミノ酸残基とすることができる。
【0064】
本発明の作用が損なわれない限りにおいて、アミノ酸配列中の1個または複数(例えば、2または3個)、好ましくは1個のアミノ酸残基が同様に、置換できる。本発明の作用が損なわれない限りにおいて、1個または複数(例えば、2または3個)、好ましくは1個のアミノ酸残基が、アミノ酸配列中に挿入できる。本発明の作用が損なわれない限りにおいて、アミノ酸配列中の1個または複数(例えば、2または3個)、好ましくは1個のアミノ酸残基を同様に、欠失させることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、SYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)、SYLPPL(配列番号20)のN末端側に対し、アミノ酸残基が付加されない。
【0066】
本発明の好ましい1つの形態のペプチドには、(i)アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)の8残基アミノ酸配列、(ii)YHIEPV(配列番号2)の6残基アミノ酸配列、(iii)YLLVK(配列番号3)の5残基アミノ酸配列、(iv)SYLPPLT(配列番号4)の7残基アミノ酸配列、(v)FLLVK(配列番号5)の5残基アミノ酸配列、または(vi)WLLVK(配列番号6)の5残基アミノ酸配列からなるペプチドが含まれる。
【0067】
5.1.2 配列番号8ベースペプチド
【0068】
一態様では、本開示は、3~20アミノ酸長さであるペプチドであって、アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端からの少なくとも3個(例えば、3、4、5、または6個)の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、X1は、疎水性アミノ酸であり、X2およびX3は、任意のアミノ酸、好ましくは、疎水性アミノ酸から選択されるアミノ酸からそれぞれ独立に選択されるペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ペプチドは疎水性N末端アミノ酸を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、3~15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、3~10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、4~20アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、4~15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、4~10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、5~20アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、5~15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、5~10アミノ酸長さである。
【0070】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、3アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、4アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、5アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、6アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、7アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、8アミノ酸長さである。
他の実施形態では、ペプチドは、9アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、11アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、12アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、13アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、14アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、16アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、17アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、18アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、19アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、20アミノ酸長さである。
【0071】
X1は、任意の疎水性アミノ酸、例えば、アラニン(A)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、またはチロシン(W)とすることができる。いくつかの実施形態では、X1は、F、W、およびYから選択される芳香族アミノ酸である。いくつかの実施形態では、X1はFである。他の実施形態では、X1はWである。他の実施形態では、X1はYである。
【0072】
X2およびX3は、好ましくは、A、I、L、M、V、F、またはWなどの疎水性アミノ酸である。X2およびX3は、同じまたは異なり得る。いくつかの実施形態では、X2およびX3は、同じである。他の実施形態では、X2およびX3は、異なる。いくつかの実施形態では、X2および/またはX3は、L、I、V、およびAから選択される。いくつかの実施形態では、X2はLである。いくつかの実施形態では、X2はIである。いくつかの実施形態では、X2はVである。いくつかの実施形態では、X2はAである。いくつかの実施形態では、X3はLである。いくつかの実施形態では、X3はIである。いくつかの実施形態では、X3はVである。いくつかの実施形態では、X3はAである。
【0073】
いくつかの実施形態では、ペプチドのN末端アミノ酸は、X1である。いくつかの実施形態では、ペプチドの2個のN末端アミノ酸は、X1L、例えば、YL、FL、またはWLである。
【0074】
いくつかの実施形態では、ペプチドのC末端アミノ酸は、Kである。いくつかの実施形態では、ペプチドの2個のC末端アミノ酸は、VKである。
【0075】
いくつかの実施形態では、ペプチドの第1の2個のN末端アミノ酸は、X1L、例えば、YL、FL、またはWLであり、2個のC末端アミノ酸はVKである。例えば、ペプチドは、アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)、FLLVK(配列番号5)、またはWLLVK(配列番号6)を有し得る。
【0076】
5.1.3 配列番号24ベースペプチド
【0077】
別の態様では、本開示は、5~20アミノ酸長さのペプチドであって、そのペプチドのN末端にアミノ酸配列SYLPP(配列番号24)を含むペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SYLPP(配列番号24)を含むかまたはこれからなる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SYLPPL(配列番号20)を含むかまたはこれからなる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)を含むかまたはこれからなる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)を含むかまたはこれからなる。
【0078】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、5~15アミノ酸長さである。他の実施形態で
は、ペプチドは、5~10アミノ酸長さである。
【0079】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、5アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、6アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、7アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、8アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、9アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、6アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、7アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、8アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、9アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、11アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、12アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、13アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、14アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、16アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、17アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、18アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、19アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、20アミノ酸長さである。ペプチドは、例えば、ルビスコタンパク質中に、配列番号26に示すように、アミノ酸配列SYLPP(配列番号24)、およびSYLPP(配列番号24)配列に対する1個または複数の付加的アミノ酸C末端を含み得る。
【0080】
5.1.4 追加の配列番号2ベースペプチド
【0081】
別の態様では、本開示は、6~20アミノ酸長さの、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含むペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、6~15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、6~10アミノ酸長さである。
【0082】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、6アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、7アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、8アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、9アミノ酸長さである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、10アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、11アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、12アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、13アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、14アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、15アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、16アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、17アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、18アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、19アミノ酸長さである。他の実施形態では、ペプチドは、20アミノ酸長さである。ペプチドは、例えば、ルビスコタンパク質中に、配列番号28に示すように、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、およびYHIEPV(配列番号2)配列に対する1個または複数の付加的アミノ酸N末端および/またはC末端を含み得る。
【0083】
5.1.5 配列番号25ベースペプチド
【0084】
別の態様では、本発明のペプチドは、アミノ酸配列XLLVK(配列番号25)からの少なくとも3個(例えば、3、4、または5個)の連続アミノ酸を含むペプチドであり、Xは芳香族アミノ酸である。
【0085】
別段の指定がない限り、上述の配列番号1~6、8、24、および25のいずれか1つのアミノ酸配列をベースにしたペプチドのアミノ酸残基は、天然および/または非天然の両方のアミノ酸残基を含み得る。天然のアミノ酸には、アラニン、アルギニン、アスパラ
ギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンなどのタンパク質を構成するアミノ酸残基ならびにセレノシステイン、N-ホルミルメチオニン、ピロールリジン、およびピログルタミンなどの他のアミノ酸残基が含まれる。例示的非天然アミノ酸には、限定されないが、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、tert-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロイソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリンが挙げられる。
【0086】
L-アミノ酸、D-アミノ酸、およびDL-アミノ酸(それらが、D-およびL-アミノ酸の混合物である限りにおいて、ラセミ体およびいずれか1つの過剰のエナンチオマーを有するアミノ酸のいずれかを含む)のいずれかは、ペプチドを構成するアミノ酸として使用できる。L-アミノ酸のみまたはD-アミノ酸のみからなるペプチドが好ましい。
【0087】
本発明で使用されるペプチドが、2個以上の不斉炭素原子を含む場合、このペプチドは、任意の形態の任意の比率のそれぞれのエナンチオマーまたはジアステレオマーまたはジアステレオマーであってよい。エナンチオマーおよびジアステレオマーは、よく使われるカラムを用いて分離できる。光学的に活性のカラムを使用する方法、導入された光学的に活性の基を有する形で、光学分割を実施した後、光学的に活性の基を除去することを含む方法、または酸または塩基と光学的に活性な塩を形成し、続けて、光学分割を行うことを含む方法などの任意の既知の方法を用いて分離できる。
【0088】
本発明のペプチドは、塩(酸付加塩または塩基性塩)とすることができる。酸付加塩の例には、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、および過塩素酸塩などの無機塩、およびクエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、およびトリフルオロ酢酸などの有機酸の塩が挙げられる。塩基性塩の例には、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩が挙げられる。塩基付加塩を作製するのに使用できる例示的塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属の塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化カルシウムが挙げられる。薬学的に許容可能な塩を作製できる追加の酸および塩基は、Stahl and Wermuth,eds.,2008,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,Switzerlandに記載されている。この文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0089】
本発明のペプチドは、溶媒和物とすることができる。溶媒和物の例には、水(水和物用)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメトキシエタン、などとの溶媒和物が含まれる。
【0090】
一態様では、本発明のいくつかのペプチドは、リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(ルビスコ)タンパク質のペプシンまたはペプシンとパンクレアチンによる加水分解により得ることができる。
【0091】
したがって、本発明は、ペプシンもしくはパンクレアチン、またはペプシン+パンクレアチンで処理されたルビスコタンパク質を含む組成物を包含する。
【0092】
ルビスコタンパク質は、緑葉による二酸化炭素固定に関与するタンパク質である。このタンパク質は、植物中に豊富にあり、地球上で最も豊富なタンパク質と見なされる。ルビスコタンパク質を含む緑色植物には、食用緑葉部分を有する植物、例えば、ケール、大麦若葉、麦若葉、アシタバ、桑若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、キャベツ、および茶が挙げられる。アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)、またはアミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)を有するペプチドを得るためには、ホウレンソウ由来ルビスコタンパク質が好ましい。アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)またはアミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)を有するペプチドを得るためには、茶由来ルビスコタンパク質が好ましい。アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)は、化学合成または後述の組換え発現により得るのが好ましい。
【0093】
ペプシン(EC.3.4.23.1-3)は、動物の胃中で機能する1つの種類の既知のプロテアーゼである。ペプシンは、日本では、食品添加物として使用できる。商業的に入手できる商品の試薬グレードペプシン、食品添加剤グレードペプシンなどを使用できる。
【0094】
パンクレアチンは、膵臓から分泌される酵素の混合物であり、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、など)、などを含む。パンクレアチンは、日本では、食品添加物として使用できる。商業的に入手できる商品の試薬グレードパンクレアチン、食品添加剤グレードパンクレアチンなどを使用できる。
【0095】
ペプシンまたはペプシンとパンクレアチンで加水分解される基質は、基質がルビスコタンパク質を含む限りにおいて、特に限定されない。その例には、緑色植物それ自体、緑色植物の搾り汁(いわゆる青汁)、および精製されたルビスコタンパク質が挙げられる。
【0096】
ルビスコタンパク質は、ホウレンソウから都合よく抽出され、これは、可溶性タンパク質としての抽出を可能とする。
【0097】
ペプシンまたはペプシンとパンクレアチンによる加水分解は、本発明のペプチドを得ることが可能な条件下で実施される。反応温度は、30~70℃、30~40℃、40~70℃、50~65℃、などから適切に選択できる。反応時間は、約30分~48時間、約1~10時間、約2~8時間、などから適切に選択できる。反応が実施されるpHは、ペプシンの場合は、約pH1.5~3.5、好ましくは約pH2~3、およびパンクレアチンの場合は、約pH6.5~8.5、好ましくは約pH7~8から適切に選択できる。
【0098】
ペプシンとパンクレアチンの両方を用いて加水分解を実施する場合には、それぞれの加水分解反応を別々に実施するのが好ましい。理由は、酵素の最適pHが異なるためである。この場合、ペプシンを用いた加水分解およびパンクレアチンを用いた加水分解の順番は、限定されず、どちらかの反応を最初に実施し得る。
【0099】
必要に応じ、酵素の不活化を可能とする温度まで加熱する(例えば、80℃を超える温度で約5~60分間加熱する)ことにより、それぞれの酵素が不活性化される。
【0100】
加水分解反応生成物は、医薬品用途または食品用に直接使用でき、または有効成分ペプチドを精製により分離して、医薬品用途または食品用に使用できる。
【0101】
あるいは、本発明のペプチドは、任意の既知のペプチド合成法により得てもよい(例えば、Benoiton,N.,2006,Chemistry of Peptide Synthesis,CRC Press,Boca Raton,FL;Howl,J.,ed.,2005,Peptide Synthesis and Applications,Humana Press,Totowa,NJ;Chan and White,eds.,2000,Fmoc Solid Phase Synthesis:A Practical Approach,Oxford University Press,Oxford,UKに記載されているようにして)。ペプチド合成でよく使われる方法である、液相法または固相法では、反応性カルボキシル基を有する出発材料および反応性アミノ基を有する出発材料を、ペプチド合成の一般的方法、例えば、HBTUなどの活性エステルを用いる方法、またはカルボジイミドなどのカップリング剤を使用する方法により縮合させることができる。得られた縮合物が保護基を有する場合は、保護基を除去して、ペプチドを製造できる。
【0102】
この反応方法での反応に関与すべきでない官能基は、保護基で保護される。アミノ基の保護基の例には、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、および9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。カルボキシル基の保護剤の例には、アルキルエステル、ベンジルエステル、などを形成できる基が挙げられる。固相法では、C末端カルボキシル基は、クロロトリチル樹脂、クロロメチル樹脂、オキシメチル樹脂、またはp-アルコキシベンジルアルコール樹脂などのキャリアに結合される。縮合反応は、カルボジイミドなどの縮合剤の存在下で、またはN-保護アミノ酸の活性エステルまたはペプチドの活性エステルを用いて、実施される。
【0103】
縮合反応の完了後、保護基は除去される。固相法では、ペプチドのC末端と樹脂との間の結合がさらに切断される。さらに、本発明のペプチドは、一般的な方法により精製される。その例としては、イオン交換クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、および親和性クロマトグラフィーが挙げられる。合成したペプチドの合成は、エドマン分解法によりC末端からアミノ酸配列を読み取るタンパク質シークエンサー、GC-MS、などにより分析される。
【0104】
本発明のペプチドは、酵素法により合成してもよい(国際公開第2003/010307号を参照されたい)。
【0105】
本発明のペプチドは、本発明のペプチドを生成するように操作された微生物または培養細胞、例えば、このようなペプチドをコードする遺伝子をその中に挿入された微生物または培養細胞から得ても、またはインビトロ翻訳により得てもよい。
【0106】
5.2 ペプチドコンジュゲート
【0107】
本開示は、ペプチド部分およびコンジュゲート部分を含むペプチドコンジュゲートおよびその塩を提供する。コンジュゲート部分のペプチドへの結合により、例えば、非コンジュゲートペプチドに比べて、改善された水溶性、向上した安定性、および低減したクリアランスを提供できる(Hamley,2014,Biomacromolecules 15:1543-1559)。したがって、ペプチドコンジュゲートは、いくつかの事例では、それらの非コンジュゲート相当物に比べて、治療薬としてより好適し得る。ペプチド部分は、本明細書で記載の任意のペプチド、例えば、セクション3またはセクション5.1に記載の任意のペプチドを含むことができる。本明細書に記載のある実施形態が「ペ
プチドコンジュゲート」に言及する場合、その実施形態は、その実施形態が表現「またはその塩」または類似表現を明示的に記述されない場合でも、文脈から別義が要求されない限り、ペプチドコンジュゲートそれ自体ならびにそのペプチドコンジュゲートの塩を包含することを理解されたい。例示的塩には、セクション5.1で記載の酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。
【0108】
ペプチドコンジュゲートは、ペプチド部分に結合した1個または複数のコンジュゲート部分(例えば、1、2、3、4、または5個のコンジュゲート部分)を含む。コンジュゲート部分または複数コンジュゲート部分は、N末端アミノ酸、C末端アミノ酸、N末端アミノ酸でもC末端アミノ酸でもないアミノ酸、またはこれらの組み合わせに結合できる。例えば、ペプチドコンジュゲートは、好ましくは、ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合しているかまたはペプチド部分のC末端アミノ酸に結合している1個のコンジュゲート部分を含むことができる。別の例として、ペプチドコンジュゲートは、好ましくはペプチド部分のN末端アミノ酸に結合している1個および好ましくはペプチド部分のC末端アミノ酸に結合しているもう1個の、2個のコンジュゲート部分を含むことができる。
【0109】
ペプチドコンジュゲートが複数のコンジュゲート部分を含む実施形態では、それぞれのコンジュゲート部分は同じにすることができ、いくつかのコンジュゲート部分が同じで、残りが異なるようにすることもでき、または全てのコンジュゲート部分が異なるようにすることもできる。例えば、2個のコンジュゲート部分を有するペプチドコンジュゲートは、2個の同じコンジュゲート部分を有することができる。あるいは、2個のコンジュゲート部分を有するペプチドコンジュゲートが、2個の異なるコンジュゲート部分を有することもできる。別の例として、3個のコンジュゲート部分を有するペプチドコンジュゲートは、3個の同じコンジュゲート部分を有することができ、3個の異なるコンジュゲート部分を有することもでき、または2個の同じコンジュゲート部分と、1個の異なるコンジュゲート部分を有することもできる。
【0110】
コンジュゲート部分は、ペプチド部分、例えば、ペプチド部分のアミノ酸側鎖の1つに、その主鎖に、そのN末端アミノ基に、またはそのC末端カルボン酸基に結合できる。例えば、コンジュゲート部分は、アミノ酸側鎖に結合して、化学修飾アミノ酸、例えば、メチオニンスルフォキシド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)システイン、S-(カルボキシメチル)システインスルホキシドおよびS-(カルボキシメチル)システインスルホンを形成できる。他の側鎖修飾には、リシンε-アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジンまたはリシンのN-アルキル化、およびグルタミン酸またはアスパラギン酸カルボン酸基のアルキル化が挙げられる。コンジュゲート部分は、ペプチド主鎖、例えば、主鎖中の窒素原子に結合できる(例えば、N-メチルアミノ酸を用いて、メチルコンジュゲート部分をペプチドコンジュゲート主鎖中に導入して、ペプチドを合成できる)。コンジュゲート部分は、ペプチド部分のN末端アミノ基に結合して、例えば、N-低級アルキル、N-ジ-低級アルキル、またはN-アシル修飾を有するN-末端を得ることができる。コンジュゲート部分を、C末端カルボキシ基に結合して、例えば、コンジュゲートのC末端にアミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、または低級アルキルエステルを有するペプチドコンジュゲート得ることができる。低級アルキルは、C1-C4アルキルを意味する。
【0111】
ペプチドコンジュゲートに使用できる代表的コンジュゲート部分には、ポリマー、アミン基(例えば、アミノ(-NH2)、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、アシル基(例えば、ホルミルまたはアセチル)、アルキル基(例えば、C1-C4アルキル)、リン酸基、脂質および糖が挙げられる。
【0112】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上
の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリマーを含む。コンジュゲート部分として使用できる代表的ポリマーには、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー、ポリグルタミン酸、およびポリサッカライドが挙げられる。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリビニルピロリドンを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリ乳酸グリコール酸コポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリグルタミン酸を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ポリサッカライドを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アミン基を含む。代表的アミン基には、アミノ(-NH2)、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノ基が挙げられる。アルキル基は、例えば、C1-C4アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アミノ基を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アルキルアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ジアルキルアミノ基を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アシル基を含む。代表的アシル基には、ホルミル基およびアセチル基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、ホルミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アセチル基を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、アルキル基を含む。例示的実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基、例えば、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、メチル基を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、エチル基を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、例えば、セリン、トレオニン、またはチロシンの側鎖に結合したリン酸基を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上の、または全てのコンジュゲート部分は、脂質を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、ペプチドコンジュゲート中の、少なくとも1個の、2個以上
の、または全てのコンジュゲート部分は、糖を含む。
【0119】
コンジュゲート部分をペプチド部分に結合する方法は、当技術分野において既知であり、本明細書に記載のペプチドコンジュゲートを得るために使用できる(例えば、Basle et al.,2010,Chemistry & Biology 17:213-227;Benoiton,N.,2006,Chemistry of Peptide Synthesis,CRC Press,Boca Raton,FL;Ernst and Leumann,eds.,1995,Modern Synthetic Methods,Verlag Helvetica Chimica Acta,Basel,Switzerland;Hamley,2014,Biomacromolecules 15:1543-1559;Lundblad,R.,1995,Techniques in Protein Modification,CRC Press,Boca Raton,FL、に記載のように)。ペプチドコンジュゲートのカスタム合成はまた、多数の購入業者から商業的に利用可能である(例えば、ABI Scientific(Sterling,VA);AnaSpec(Freemont CA);Pepscan,(Lelystad,Netherlands),Neo Scientific(Cambridge,MA);Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)。これらは、例えば、アセチル基、ホルミル基、脂肪酸、およびアルキルアミノ基などのN末端コンジュゲート部分を有するペプチド;アミド基、アルキルアミノ基、およびアルキル基などのC末端コンジュゲート部分を有するペプチド;脂肪酸にコンジュゲートしたペプチド;ポリエチレングリコールにコンジュゲートしたペプチド;およびリン酸コンジュゲート部分を有するペプチド(例えば、ホスホセリン、ホスホトレオニン、またはフォスフォチロシンを含む)などを種々提供している)。
【0120】
5.3 本開示の化合物の使用
【0121】
本発明のペプチドは、抗不安様作用を有し、不安障害または不安に基づく症状(例えば、不安症およびそれに関連する心理的および/または物理的症状)の治療または回復のために使用できる。本発明のペプチドおよびペプチドコンジュゲートは、抗不安剤、例えば、本明細書に記載の医薬組成物中の有効成分として使用できる。
【0122】
不安障害は、恐怖症、全般性不安障害、パニック障害、および物質誘発性不安障害を包含する。不安障害とは診断されないが、ストレス、などによる不安状態を有する個体(潜在的不安障害罹患者)も回復を求めている対象に含まれる。本発明による治療には、症状の処置、軽減および回復および/または疾患の進行の完全なまたは部分的な抑制が含まれる。
【0123】
ペプチドまたはペプチドコンジュゲートの抗不安様作用は、抗不安剤の選別のための不安症関連行動評価方法として開発され、広く使用されている高架式十字迷路試験により評価できる(
図1)。具体的には、候補物質が各マウスに経口または腹腔内投与される。30分後、マウスは高架式十字迷路中に配置される。抗不安様作用の強さは、オープンアーム中への進入の数およびオープンアーム中での滞在時間の変化を指標として用いて評価できる。
【0124】
後で述べる実施例で示されるように、理論に束縛されるものではないが、本発明の一部のペプチドは、5-HT1A受容体の活性化を介して作用すると考えられ、したがって、抗うつ様作用も同様に有することが期待できる。本発明のペプチドはまた、うつまたはうつ病性気分障害、またはそれに基づく状態(症状)の治療または回復にも使用できる。
【0125】
抗うつ様作用は、尾懸垂試験により評価できる。尾懸垂試験は、抗うつ剤候補を選別す
るために使用される実験方法である(Can et al.,2012,J Vis Exp.,59:e3769)。6分中でマウスが無動である(すなわち、逃避行動を示さない)時間が測定され、無動時間が得られる。イミプラミンなどの抗うつ剤の投与により、無動時間が短縮される。したがって、試験物質の試験で無動時間の短縮が観察されれば、試験物質は抗うつ特性を有すると結論づけることができる。無動は、あきらめ状態と見なされるため、無動時間の短縮はまた、動機づけの高まりを示す(すなわち、試験物質は動機づけを高める特性を有することを示す)。
【0126】
本発明のペプチドおよびペプチドコンジュゲートは、それらの抗不安様作用を基準にして、適応障害、双極性障害、意欲障害(動機減少障害とも呼ばれる)、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を治療するための治療薬(例えば、本明細書に記載の医薬組成物)の有効成分として使用できる。
【0127】
本発明のペプチドおよびペプチドコンジュゲートは、医薬組成物または食品(本明細書では、食品組成物とも呼ばれる)として提供できる。
【0128】
本発明のペプチドもしくはペプチドコンジュゲート、またはペプチドもしくはペプチドコンジュゲートを含む製剤の投与経路は、特に限定されないが、経口投与、非経口的投与(例えば、筋肉内または静脈内投与)、直腸内投与、などを採用できる。それらの中で、高度に効果的であるという観点から、経口投与が好ましい。
【0129】
本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートの投与量は、化合物の種類、投与方法、レシピエントの状態または年齢、などに応じて変化し得るが、通常は、成人で1日当たり、0.01mg/kg~500mg/kg、好ましくは0.05mg/kg~100mg/kg、より好ましくは、0.1~30mg/kgである。本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲート(有効成分)は、製剤用のキャリアと混合することにより調製された医薬組成物の形態で投与できる。製剤の分野でよく使用され、本発明のペプチドと反応しない物質を、製剤用のキャリアとして使用できる。
【0130】
本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、それ自体、医薬品または食品として使用できる。本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、単独でまたは適切な無毒性キャリア、希釈剤または経口摂取用の賦形剤と共に、食品または錠剤(素錠、被覆錠剤、発泡錠、膜被覆錠剤、チュアブル錠、など)、硬カプセルおよび軟カプセルのいずれかを含むカプセル、トローチ剤、粉剤、細顆粒剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、エマルジョン剤、ペースト剤、クリーム剤、注入剤(アミノ酸注入剤および電解質注入剤などの注入剤とのブレンドを含む)、または徐放製剤、例えば、腸溶性コート錠剤、カプセル剤、または顆粒剤などの医薬品用の形成物として調製できる。本開示の医薬組成物は、当該技術分野において既知の技術(例えば、Allen et al.,eds.,2012,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Pharmaceutical Press,London,UKに記載のような)により処方できる。
【0131】
一態様では、本発明は、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートおよび薬学的に許容可能な希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一態様では、本発明は、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品(例えば、添加により、本発明のペプチドを含むことができる食品)を提供する。
【0132】
医薬品または食品中の本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートの含有量は、適切に選択でき、通常、0.01~100重量%(例えば、医薬組成物の重量を基準として、1%~99%、1%~90%、5%~80%、10%~75%、または15%~50%
の範囲、または前述の値の任意の2つを境界とするいずれかの重量パーセント範囲)である。
【0133】
具体的には、医薬品または食品に添加できる製剤用のキャリアまたは経口摂取用のキャリア、希釈剤または賦形剤などの物質の例には、ラクトース、グルコース、マンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、スクロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、滑石、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ワックス、流動パラフィン、白色ワセリン(例えば、ワセリン(登録商標)、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングリコール、および水が挙げられる。
【0134】
剤形の例には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、および注射剤が挙げられる。これらの製剤は、一般的な方法により調製できる。液体製剤は、使用時に、水またはその他の適切な溶媒中に溶解される形態とすることができる。錠剤または顆粒剤は、周知の方法によりコーティングできる。注射剤は、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを水に溶解することにより調製できる。必要に応じ、注射剤は、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを生理食塩水またはグルコース溶液に溶解することにより調製でき、緩衝液または保存剤で補充できる。
【0135】
これらの製剤は、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを、0.01%~100重量%、好ましくは1~90重量%(例えば、重量%で、1%~80%、1%~70%、1%~60%、1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~20%、1%~10%、5%~10%、10%~20%、20%~40%、40%~60%、60%~80%、または前述の値のいずれか2つを境界とするいずれかの範囲)の比率で含むことができる。これらの製剤はまた、治療に有用なその他の成分も含むことができる。
【0136】
経口投与用の固形製剤を作製するために、有効成分を、賦形剤成分、例えば、ラクトース、デンプン、結晶質セルロース、乳酸カルシウム、および無水ケイ酸と混合し、粉剤を調製することができ、または、必要に応じて、結合剤(サッカロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、など)または崩壊剤(カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、など)をさらに補充し、湿式または乾式造粒して顆粒剤を調製できる。錠剤を作製するために、これらの粉剤または顆粒剤を、直接に、またはステアリン酸マグネシウムまたは滑石などの潤滑剤の添加後に圧縮することができる。これらの顆粒剤または錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートまたはメタクリル酸-メチルメタクリレートポリマーなどの腸溶コーティング基剤でコーティング、またはエチルセルロース、カルナウバ蝋、硬化油、などをコーティングして、徐放製剤を調製し得る。カプセル剤を作製するために、粉剤または顆粒剤を硬カプセルシェル中に充填でき、または有効成分を直接に、もしくはグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油、などに溶解後、ゼラチン膜でコーティングして、軟カプセルを調製できる。
【0137】
経口投与用の液体製剤を作製するために、有効成分およびサッカロース、ソルビトール、またはグリセリンなどの甘味料を水に溶解し、透明シロップおよび精油、エタノールなどを補充して、エリキシル剤を調製でき、またはアラビアゴム、トラガント、ポリソルベ
ート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム、などを補充して、エマルジョン剤または懸濁剤を調製できる。これらの液体製剤は、必要に応じ、矯味薬、着色剤、保存剤、などを補充できる。
【0138】
本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品は、例えば、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを既知の食品中に添加することにより作製できる。本発明によるペプチドの添加により作製できる特定の食品の例には、飲料(コーヒー、ココア、ジュース、ソフトドリンク、ミネラル飲料、茶飲料、緑茶、紅茶、ウーロン茶、乳汁飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、その他の非アルコール飲料、アルコール飲料、など)、菓子(飴玉、ガム、グミ、ゼリー、プディング、ムース、ケーキ、キャンディ、クッキー、クラッカー、ビスケット、チョコレート、アイス(アイスクリーム、アイスキャンディ、シャーベット、かき氷、など)、など)、ふりかけトッピング、ドレッシング、調味料、加工肉食品(ハンバーガーのパテ、ミートローフ、ミートボール、つくね(焼き鳥ミートボール)、など)、魚加工食品(蒲鉾(蒸した魚パテ)、竹輪(魚肉ソーセージ)、など)、レトルト加工食品、およびゼリー様食品(ゼリー、寒天、ゼリー様飲料、など)を挙げることができる。本発明によるによるペプチドまたはペプチドコンジュゲートを補充した食品は、それ自体既知の方法により調製できる。
【0139】
また、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品の例には、原材料としての緑色植物から調製された食品、例えば、粉末状緑茶、青汁、および野菜ジュースが挙げられる。本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品は、例えば、原材料としての緑色植物由来の食品(粉末状緑茶、青汁、野菜ジュース、など)を作製する方法に、ペプシンで加水分解するステップまたはペプシンとパンクレアチンで加水分解ステップをさらに含めることにより作製できる。別の態様では、本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品はまた、原材料としての緑色植物由来の食品(粉末状緑茶、青汁、野菜ジュース、など)を作製する方法に、凍結乾燥、酸および/またはアルカリ処理、などにより、本発明のペプチドを形成するステップをさらに含めることにより作製できる。
【0140】
本発明のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを含む食品は、いわゆる健康食品、機能強調表示を有する食品、指定健康使用のための食品、栄養補助食品(例えば、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ゼラチン状カプセル、液剤、または粉剤の形態で、および必要に応じ、ビタミン、ミネラル、ハーブまたはその他の植物性薬品、アミノ酸、タンパク質、繊維、脂肪酸、およびこれらの組み合わせおよびこれらの組み合わせから選択される1種または複数の成分を含む)、サプリメント、病者用食品、病者用複合食品(日本厚生労働省、特別用途食品の1つ)または高齢者用食品(日本厚生労働省、特別用途食品の1つ)であり得る。
【0141】
ルビスコタンパク質のペプシンまたはペプシンとパンクレアチンによる加水分解は、消化管中でも起こると考えられる。このような視点から、本発明は、不安障害または不安に基づく症状の回復または治療における緑色植物(例えば、ケール、大麦若葉、麦若葉、アシタバ、桑若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、キャベツ、および茶)それ自体の使用を包含する。緑色植物は、好ましくはホウレンソウまたは茶、より好ましくはホウレンソウである。
【0142】
いくつかの態様では、本開示は、本開示のペプチド、ペプチドコンジュゲート、医薬組成物、または食品で対象を治療する方法を提供する。
【0143】
本開示は、不安障害に罹患している対象の治療方法を提供し、該方法は、本開示の化合物を、対象を治療するための有効量で対象に投与することを含む。本開示はまた、不安障
害の治療または予防方法を提供し、該方法は、本開示の化合物を含む一定量の食品を、不安障害に罹患する傾向があるまたは不安障害に罹患している対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、不安障害に罹患する傾向がある。他の実施形態では、対象は、不安障害に罹患している。
【0144】
本開示は、動機減少障害に罹患している対象の治療方法を提供し、該方法は、対象に、本開示の化合物を、対象を治療するための有効量で投与することを含む。本開示はまた、動機減少障害の治療または予防方法を提供し、該方法は、本開示の化合物を含む一定量の食品を、動機減少障害に罹患する傾向があるまたは動機減少障害に罹患している対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、動機減少障害に罹患する傾向がある。他の実施形態では、対象は、動機減少障害に罹患している。
【0145】
前の段落で記載の方法のいくつかの実施形態では、動機減少障害は感情鈍麻を含む。前の段落で記載の方法の他の実施形態では、動機減少障害は無為症を含む。前の段落で記載の方法の他の実施形態では、動機減少障害は無動性無言症を含む。
【0146】
本開示は、気分障害に罹患している対象の治療方法を提供し、該方法は、対象に、本開示の化合物または本開示の化合物を含む医薬組成物を、対象を治療するための有効量で投与することを含む。本開示はまた、気分障害の治療または予防方法を提供し、該方法は、本開示の化合物を含む一定量の食品を、気分障害に罹患する傾向があるまたは気分障害に罹患している対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、気分障害に罹患する傾向がある。他の実施形態では、対象は、気分障害に罹患している。
【0147】
前の段落で記載の方法のいくつかの実施形態では、気分障害はうつを含む。前の段落で記載の方法のいくつかの実施形態では、気分障害は双極性障害を含む。前の段落で記載の方法のいくつかの実施形態では、気分障害は適応障害を含む。
【0148】
本明細書記載の方法の対象は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは家庭内ペット(例えば、ネコ、イヌ)が好ましい。対象はどの年齢でもよいが、成体(例えば、18歳以上、25歳以上、35歳以上、45歳以上、55歳以上、などのヒト対象)が好ましい。いくつかの実施形態では、対象は、老体(例えば、65歳以上、70歳以上、75歳以上、または80歳以上のヒト対象)である。
【0149】
本開示の化合物の適切な毎日の投与量は、上述のように、対象の体重を基準にすることができる(例えば、0.01mg/kg~500mg/kgの範囲の投与量)。あるいは、化合物は、例えば、0.1mg~50g/日(例えば、0.1mg~10g、0.1mg~3g、0.1mg~100mg、0.1mg~1mg、0.3mg~3g、または0.3mg~100mg)の範囲の固定用量で投与できる。本開示の化合物を含む医薬組成物の投与に関しては、前述の1つの範囲内の量の化合物を含む医薬組成物の量を投与できる。同様に、化合物を含む1種または複数の食品の投与に関しては、前述の1つの範囲内の量の化合物を含む1種または複数の食品の量を投与できる。
【実施例0150】
6.実施例
【0151】
以下、本発明は、実施例に言及しながらさらに具体的に説明される。しかし、以下の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0152】
<試験方法>
(高架式十字迷路(EPM)試験)
高架式十字迷路は、2つのオープンアーム(25cm×5cm)および2つのクローズドアーム(25cm×5cm×15cm)からなり、これらのアームは、床から50cm高い中央プラットフォームに連結されている(
図1参照)。このような高い位置にも関わらず、クローズドアームはフェンスで囲われているために、マウスは、クローズドアーム中を安全に歩行できる。他方では、オープンアーム中を歩行しているマウスは、オープンアームがフェンスで囲まれておらずオープンなので、高い位置から落下するのではないかと不安に感ずる。したがって、マウスがオープンアーム中に滞在するより長い時間は、マウスの不安感がより多く軽減されていることを意味し、抗不安様作用の指標として機能する。
【0153】
図1の右側の図で示すように、試料は、各マウス(ddYマウス、雄、23~27g)に試験の30分前に投与された。30分後、試験を開始するために、マウスを、オープンアームの1つに向けて中央プラットフォーム上に置いた。5分の試験時間の間、オープンアーム上での累積時間を記録した。オープンアーム中の時間のパーセンテージを抗不安様作用に対する指標として計算した。
【0154】
(統計分析)
試験により得られたデータを、平均の合計および平均値の標準誤差(SEM)で表した。
図1~9、17、18、20、および21に示すデータを、1元配置または2元配置分散分析により分析した。その後、テューキーの検定による多重比較試験を実施した。0.05未満のp値は図中で「*」として、0.01未満のp値は図中で「**」として表記されている。
【0155】
<作製実施例1>
(ルビスコタンパク質の抽出)
ホウレンソウをホモジナイズした。得られたホモジネートのpHを1NのNaOH水溶液でpH11に調節した。得られたホモジネートを2枚のガーゼを通して濾過した。濾液を13,500G、5℃で50分間、遠心分離処理した。遠心分離後、上清を濾過した。得られた濾液のpHを酢酸を用いてpH4.5に調節し、ルビスコタンパク質を沈殿させた。沈殿物をアセトン、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、減圧器中で乾燥し、ルビスコ粉末を得た。
【0156】
このようにして、ホウレンソウから抽出したルビスコタンパク質およびルビスコタンパク質調製物(Sigma-Aldrich Co.LLC)をSDS-PAGEで分析した。結果を、
図2に示す。
【0157】
(酵素消化物)
精製されたルビスコタンパク質の酵素消化物を下記条件下で調製した。
【0158】
使用した酵素、各酵素とタンパク質との混合比、および反応条件は以下の通りとした。
(i)ペプシン消化
ペプシン(Sigma-Aldrich Co.LLC):ルビスコ=1:100(重量比、ルビスコの最終濃度:0.99mg/ml)、反応温度:37℃;反応時間:5時間;反応緩衝液:pH2.0。
(ii)ペプシン+パンクレアチン消化
酵素処理を1)および2)の順に実施した。
1)ペプシン(Sigma-Aldrich Co.LLC):ルビスコ=1:100(重量比、ルビスコの最終濃度:0.99mg/ml)、反応温度:37℃;反応時間:5時間;反応緩衝液:pH2.0。
2)パンクレアチン(Sigma-Aldrich Co.LLC):ルビスコ=1:
20(重量比、ルビスコの最終濃度:0.86mg/ml)、反応温度:37℃;反応時間:5時間;反応緩衝液:pH7.5。
【0159】
上記の反応時間の経過後、試料を沸騰させて(100℃、10分)酵素反応を終了させた。
【0160】
<作製実施例2>
(ペプチド)
ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、YHIEPV(配列番号2)、YLLVK(配列番号3)およびSYLPPLT(配列番号4)を、標準的方法により、通常、Fmoc戦略に基づいて固相法により合成した。
【0161】
<実験および結果>
(実施例1:高架式十字迷路試験(酵素消化物))
ルビスコのペプシン消化物を試料として、3mg/kg、10mg/kgまたは30mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=9~11)。ビークル生理食塩水を単独で投与し、対照として使用した(同じことは、以下の記載にも当てはまる)。
【0162】
結果を、
図3に示す。全投与量の消化物の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高め、10mg/kgの投与量が統計的に有意な結果であった。この結果は、試料として使用したルビスコのペプシン消化物が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0163】
(実施例2:高架式十字迷路試験(酵素消化物))
ルビスコのペプシン+パンクレアチン消化物を試料として、3mg/kg、10mg/kgまたは30mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=9~11)。
【0164】
結果を、
図4に示す。全投与量の消化物の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高め、3mg/kgおよび30mg/kgの投与量が統計的に有意な結果であった。この結果は、試料として使用したルビスコのペプシン+パンクレアチン消化物が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0165】
(実施例3:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)を試料として、0.3mg/kgまたは1mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=13~16)。
【0166】
結果を、
図5に示す。両投与量のペプチドSYLPPLTT(配列番号1)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高め、1mg/kgの投与量が統計的に有意な結果であった。この結果は、試料として使用したペプチドSYLPPLTT(配列番号1)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0167】
(実施例4:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYHIEPV(配列番号2)を試料として、1mg/kg、3mg/kg、10mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5~7)。
【0168】
結果を、
図6に示す。全投与量のペプチドYHIEPV(配列番号2)の経口投与は、
オープンアーム滞在時間の比率を高め、3mg/kgおよび10mg/kgの投与量が統計的に有意な結果であった。この結果は、試料として使用したペプチドYHIEPV(配列番号2)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0169】
(実施例5:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLLVK(配列番号3)を試料として、0.03mg/kgまたは0.1mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5~7)。
【0170】
結果を、
図7に示す。0.03mg/kgおよび0.1mg/kgのペプチドYLLVK(配列番号3)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドYLLVK(配列番号3)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0171】
(実施例6:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドSYLPPLT(配列番号4)を試料として、0.1mg/kg、0.3mg/kgまたは1mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5~13)。
【0172】
結果を、
図8に示す。全投与量のペプチドSYLPPLT(配列番号4)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高め、1mg/kgの投与量が統計的に有意な結果であった。この結果は、試料として使用したペプチドSYLPPLT(配列番号4)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0173】
(実施例7:アンタゴニストを用いて作用機序に関する調査(ペプチド))
ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)またはペプチドSYLPPLT(配列番号4)(投与量:1.0mg/kg)を、セロトニン5-HT1A受容体アンタゴニストWAY100135(投与量:10mg/kg)と組み合わせて使用して、各マウスに経口投与(p.o.)し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=4~6)。
【0174】
結果を、
図9に示す。どちらかのペプチドと阻害剤との組み合わせた使用は、オープンアーム滞在時間の比率を大きく低減させた。この結果は、ペプチドの抗不安様作用は、セロトニン5-HT
1A受容体により媒介されることを示している。
【0175】
図面では、文字aまたはbは、同じ文字を有する平均値間では、有意差(p<0.05)が存在しないことを表す。
【0176】
(参考例1)
ルビスコのペプシン消化物(表中ではペプシン)およびルビスコのペプシン+パンクレアチン消化物(表中では、ペプシン→パンクレアチン)中に含まれるペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)、YHIEPV(配列番号2)、およびYLLVK(配列番号3)をLC-MSにより定量化した。
【0177】
LC-MSを下記条件下で実施した(Waters Corp.による製造)。
LC:Acquity UPLCシステム
カラム:Acquity BEH-C18
MS:Xevo Q-TOF。
【0178】
結果を、表1に示す。数値は、収率mol%および質量(ng)/1mg消化物により示される。
【0179】
【0180】
<作製実施例3>
(ペプチド)
ペプチドFLLVK(配列番号5)、WLLVK(配列番号6)、YLL(配列番号7)、LVK(配列番号9)、YLLV(配列番号10)、LLVK(配列番号11)、YLVK(配列番号12)、YLLVR(配列番号13)、NYLLVKG(配列番号21)、YLLAVK(配列番号22)、YLLNNK(配列番号23)、SYLPPL(配列番号20)を標準的方法により合成した。
【0181】
(実施例8:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLLVK(配列番号3)、FLLVK(配列番号5)およびWLLVK(配列番号6)を試料として、0.1mg/kgを各マウスに経口投与し、その後、高架式十字迷路試験で使用した(n=6)。
【0182】
結果を、
図10に示す。0.1mg/kgのペプチドYLLVK(配列番号3)、FLLVK(配列番号5)およびWLLVK(配列番号6)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドYLLVK(配列番号3)、FLLVK(配列番号5)およびWLLVK(配列番号6)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0183】
(実施例9:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLLVK(配列番号3)、YLL(配列番号7)およびLVK(配列番号9)およびLLVK(配列番号11)を試料として、0.1mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5)。
【0184】
結果を、
図11に示す。0.1mg/kgのペプチドYLLVK(配列番号3)、YLL(配列番号7)およびLVK(配列番号9)およびLLVK(配列番号11)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドYLLVK(配列番号3)、YLL(配列番号7)およびLVK(配列番号9)およびLLVK(配列番号11)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0185】
(実施例10:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLLVR(配列番号13)、NYLLVKG(配列番号21)およびYLLAVK(配列番号22)およびYLLNNK(配列番号23)を試料として、0.1mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5
)。
【0186】
結果を、
図12に示す。0.1mg/kgのペプチドYLLVR(配列番号13)、NYLLVKG(配列番号21)およびYLLAVK(配列番号22)およびYLLNNK(配列番号23)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドYLLVR(配列番号13)、NYLLVKG(配列番号21)およびYLLAVK(配列番号22)およびYLLNNK(配列番号23)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0187】
(実施例11:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLLVK(配列番号3)、YLLV(配列番号10)およびYLVK(配列番号12)およびYLLAVK(配列番号22)を試料として、0.1mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=5)。
【0188】
結果を、
図13に示す。0.1mg/kgのペプチドYLLVK(配列番号3)、YLLV(配列番号10)およびYLVK(配列番号12)およびYLLAVK(配列番号22)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドYLLVK(配列番号3)、YLLV(配列番号10)およびYLVK(配列番号12)およびYLLAVK(配列番号22)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0189】
(実施例12:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドSYLPPL(配列番号20)を試料として、0.3mg/kg、1.0mg/kgまたは10mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=4~6)。
【0190】
結果を、
図14に示す。0.3mg/kg、1.0mg/kgおよび10mg/kgのペプチドSYLPPL(配列番号20)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したペプチドSYLPPL(配列番号20)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0191】
(実施例13:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドYLPPL(配列番号14)を試料として、0.3mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=6)。
【0192】
結果を、
図15に示す。理論に束縛されるものではないが、N末端Sを欠いているペプチドに比べて、配列YLPPL(配列番号14)を含むペプチド上のN末端Sは、活性を増大させると考えられている。
【0193】
(実施例14:尾懸垂試験(ペプチド))
0.03mg/kg、0.1mg/kgまたは0.3mg/kgのペプチドSYLPPLT(配列番号4)をマウス(ddYマウス、雄、24~30g)に経口投与し、30分後、マウスを、尾で6分間ぶら下げた(n=11~14)。
【0194】
結果を、
図16に示す。ペプチドSYLPPLT(配列番号4)を0.03mg/kg、0.1mg/kgまたは0.3mg/kg投与したマウスの無動時間の低減が観察された。
【0195】
この結果は、試料として使用したペプチドSYLPPLT(配列番号4)が、経口投与
した場合、抗うつ様作用を有することを示している。
【0196】
(実施例15:高架式十字迷路試験(酵素消化物))
ルビスコのペプシン消化物を試料として、10mg/kgまたは30mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=18~19)。ルビスコのペプシン-パンクレアチン消化物を試料として、3mg/kg、10mg/kgまたは30mg/kgを各マウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(n=6~14)。
【0197】
結果を、
図17に示す。全投与量の消化物の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。この結果は、試料として使用したルビスコのペプシンおよびペプシン+パンクレアチン消化物が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0198】
(実施例16:高架式十字迷路試験(ペプチド))
ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)およびYHIEPV(配列番号2)を試料として、(i)0.3mg/kgおよび1mg/kg、(ii)0.1mg/kg、0.3mg/kg、および1mg/kg、ならびに(iii)1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kg、をそれぞれマウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用した(それぞれ、n=13~16、5~13、および5~6)。ジアゼパムを試料として、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgをマウスに経口投与し、これをその後、高架式十字迷路試験で使用し(n=11~12)、比較化合物として試験した。
【0199】
結果を、
図18に示す。ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)およびYHIEPV(配列番号2)およびYLLAVK(配列番号22)の経口投与は、オープンアーム滞在時間の比率を高めた。いくつかの投与量で、オープンアーム滞在時間の増加が、ジアゼパムで観察された増加より大きかった。この結果は、試料として使用したペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)およびYHIEPV(配列番号2)およびYLLAVK(配列番号22)が、経口投与した場合、抗不安様作用を有することを示している。
【0200】
(実施例17:ホウレンソウルビスコ切断部位)
ホウレンソウルビスコの小さいサブユニットおよび大きなサブユニットにおけるrALPsの放出に至る消化管プロテアーゼによる切断部位が特定された。小さいサブユニット(A)および大きなサブユニット(B)中の切断部位を
図19に示す。中実矢印は、切断部位を示す。
【0201】
(実施例18:高架式十字迷路試験(ペプチド))
試料として、ペプチドYHIEPV(配列番号2)を、5-HT1A受容体に対し選択性があるアンタゴニストのWAY100135と共にまたはこれを含めないで、高架式十字迷路試験の30分前にマウスに経口投与した(n=13~15)。WAY100135を高架式十字迷路試験の50分前に投与した。別に、試料として、ペプチドYHIEPV(配列番号2)を、δ-オピオイド受容体アンタゴニストのナルトリンドールと共にまたはこれを含めないで、高架式十字迷路試験の30分前にマウスに経口投与した(n=11~15)。ナルトリンドールは、高架式十字迷路試験の50分前に投与された。
【0202】
結果を、
図20に示す。結果は、ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)およびSYLPPLT(配列番号4)の抗不安様作用は、セロトニン5-HT
1A受容体の活性化により媒介され、一方、ペプチドYHIEPV(配列番号2)の抗不安様作用は、セロトニン5-HT
1A受容体の活性化により媒介されないが、δ-オピオイド受容体の活性化に
より媒介されることを示している。
【0203】
(実施例19:細胞内のcAMP上昇(ペプチド))
5-HT
1A受容体およびδ-オピオイド受容体は、Gタンパク質を介してアデニリルシクラーゼを阻害する作用をすることが報告されている。ペプチドSYLPPLTT(配列番号1)、SYLPPLT(配列番号4)およびYHIEPV(配列番号2)を、フォルスコリン(FSK)の存在下、0.3mMおよび1mMの濃度で、Neuro-2a細胞に適用し、ペプチドがフォルスコリン刺激細胞内のcAMP上昇を抑制するかどうかを評価した。
結果を、
図21に示す。結果は、ペプチドが、フォルスコリン刺激細胞内cAMP上昇を抑制することを示唆している。
【0204】
7.具体的実施形態
【0205】
本開示は、下記の具体的実施形態により例示される。
1.ペプチドまたはその塩である化合物であって、ペプチドが:
(a)3~20のアミノ酸長さであり;
(b)アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端から、少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
(i)X1が疎水性アミノ酸であり、
(ii)X2およびX3が、任意のアミノ酸からそれぞれ独立に選択され;
(c)疎水性のN末端アミノ酸を有し;および
(d)アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)、X4LX5(配列番号30)、X4LX5EIAR(配列番号31)、VYLPR(配列番号32)、YLPR(配列番号33)、またはVLQRF(配列番号34)から構成されず、X4はY、F、W、またはHであり、X5は、Y、F、W、Q、またはLである、化合物。
2.X1が芳香族アミノ酸である、実施形態1に記載の化合物。
3.X1がYである、実施形態2に記載の化合物。
4.X1がFである、実施形態2に記載の化合物。
5.X1がWである、実施形態2に記載の化合物。
6.X1がAである、実施形態1に記載の化合物。
7.X1がIである、実施形態1に記載の化合物。
8.X1がLである、実施形態1に記載の化合物。
9.X1がVである、実施形態1に記載の化合物。
10.X1がMである、実施形態1に記載の化合物。
11.X2が疎水性アミノ酸である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の化合物。
12.X2が、L、I、V、およびAから選択される、実施形態11に記載の化合物。
13.X2がLである、実施形態12に記載の化合物。
14.X2がIである、実施形態12に記載の化合物。
15.X2がVである、実施形態12に記載の化合物。
16.X2がAである、実施形態12に記載の化合物。
17.X3が疎水性アミノ酸である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の化合物。
18.X3が、L、I、V、およびAから選択される、実施形態17に記載の化合物。
19.X3がLである、実施形態18に記載の化合物。
20.X3がIである、実施形態18に記載の化合物。
21.X3がVである、実施形態18に記載の化合物。
22.X3がAである、実施形態18に記載の化合物。
23.ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2(配列番号15)を含む、実施形態1~2
2のいずれか1つに記載の化合物。
24.X1がペプチドのN末端アミノ酸である、実施形態23に記載の化合物。
25.ペプチドが、アミノ酸配列X3VK(配列番号16)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
26.ペプチドが、アミノ酸配列YLL(配列番号7)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
27.ペプチドが、アミノ酸配列LVK(配列番号9)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
28.ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2X3(配列番号17)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
29.ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2X3K(配列番号29)を含む、実施形態28に記載の化合物。
30.X1がペプチドのN末端アミノ酸である、実施形態28または実施形態29に記載の化合物。
31.ペプチドが、アミノ酸配列X2X3VK(配列番号18)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
32.ペプチドが、アミノ酸配列YLLV(配列番号10)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
33.ペプチドが、アミノ酸配列LLVK(配列番号11)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
34.ペプチドが、アミノ酸配列YLVK(配列番号12)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
35.ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2X3V(配列番号19)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
36.X1がペプチドのN末端アミノ酸である、実施形態35に記載の化合物。
37.ペプチドが、アミノ酸配列LX2X3VK(配列番号27)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
38.ペプチドが、アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
39.ペプチドが、アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
40.ペプチドが、アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
41.ペプチドが、アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)を含む、実施形態1に記載の化合物。
42.ペプチドが、アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物。
43.ペプチドが、アミノ酸配列YLLAVK(配列番号22)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
44.ペプチドが、アミノ酸配列YLLNNK(配列番号22)を含むかまたはこれからなる、実施形態1に記載の化合物。
45.ペプチドが、3~15アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
46.ペプチドが、3~10アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
47.ペプチドが、4~20アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
48.ペプチドが、4~15アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
49.ペプチドが、4~10アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに
記載の化合物。
50.ペプチドが、5~20アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
51.ペプチドが、5~15アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
52.ペプチドが、5~10アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
53.ペプチドが、3アミノ酸長さである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の化合物。
54.ペプチドが、4アミノ酸長さである、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物。
55.ペプチドが、5アミノ酸長さである、実施形態1~40のいずれか1つに記載の化合物。
56.ペプチドが、6アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
57.ペプチドが、7アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
58.ペプチドが、8アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
59.ペプチドが、9アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
60.ペプチドが、10アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
61.ペプチドが、11アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
62.ペプチドが、12アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
63.ペプチドが、13アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
64.ペプチドが、14アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
65.ペプチドが、15アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
66.ペプチドが、16アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
67.ペプチドが、17アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
68.ペプチドが、18アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
69.ペプチドが、19アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
70.ペプチドが、20アミノ酸長さである、実施形態1~44のいずれか1つに記載の化合物。
71.ペプチドまたはその塩である化合物であって、ペプチドが:
(a)5~20アミノ酸長さであり;および
(b)ペプチドのN末端にアミノ酸配列SYLPP(配列番号24)を含む、化合物。
72.ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPL(配列番号20)を含むかまたはこれからなる、実施形態71に記載の化合物。
73.ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPLT(配列番号4)を含むかまたはこれからなる、実施形態71に記載の化合物。
74.ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPLTT(配列番号1)を含むかまたはこれからなる、実施形態71に記載の化合物。
75.5~15アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載のペプチド。
76.5~10アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載のペプチド。
77.ペプチドが、5アミノ酸長さである、実施形態71に記載の化合物。
78.ペプチドが、6アミノ酸長さである、実施形態71または実施形態72に記載の化合物。
79.ペプチドが、7アミノ酸長さである、実施形態71~73のいずれか1つに記載の化合物。
80.ペプチドが、8アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
81.ペプチドが、9アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
82.ペプチドが、10アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
83.ペプチドが、11アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
84.ペプチドが、12アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
85.ペプチドが、13アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
86.ペプチドが、14アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
87.ペプチドが、15アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
88.ペプチドが、16アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
89.ペプチドが、17アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
90.ペプチドが、18アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
91.ペプチドが、19アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
92.ペプチドが、20アミノ酸長さである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物。
93.ペプチドまたはその塩である化合物であって、ペプチドが:
(a)6~20アミノ酸長さであり;および
(b)アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含む、化合物。
94.ペプチドが、ペプチドのN末端にアミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含む、実施形態93に記載の化合物。
95.ペプチドが、ペプチドのC末端にアミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)を含む、実施形態93に記載の化合物。
96.ペプチドが、アミノ酸配列YHIEPV(配列番号2)からなる、実施形態93に記載の化合物。
97.ペプチドが6~15アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
98.ペプチドが6~10アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
99.ペプチドが、7アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
100.ペプチドが、8アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
101.ペプチドが、9アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
102.ペプチドが、10アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
103.ペプチドが、11アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
104.ペプチドが、12アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
105.ペプチドが、13アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
106.ペプチドが、14アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
107.ペプチドが、15アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
108.ペプチドが、16アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
109.ペプチドが、17アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
110.ペプチドが、18アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
111.ペプチドが、19アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
112.ペプチドが、20アミノ酸長さである、実施形態93~96のいずれか1つに記載の化合物。
113.コンジュゲートまたはその塩である化合物であって、コンジュゲートが、
(a)ペプチド部分であって、
(i)3~20アミノ酸長さであり;
(ii)アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)のN末端またはC末端からの少なくとも3個の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有し、
X1は、疎水性アミノ酸であり、
X2およびX3は、任意のアミノ酸からそれぞれ独立に選択される、ペプチド部分と;
ペプチド部分に結合された
(b)1個または複数のコンジュゲート部分、とを含む化合物。
114.ペプチド部分が:アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)、X4LX5(配列番号30)、X4LX5EIAR(配列番号31)、VYLPR(配列番号32)、YLPR(配列番号33)、またはVLQRF(配列番号34)から構成されず、X4はY、F、W、またはHであり、X5は、Y、F、W、Q、またはLである、実施形態113に記載の化合物。
115.X1が芳香族アミノ酸である、実施形態113または実施形態114に記載の化合物。
116.X1がYである、実施形態115に記載の化合物。
117.X1がFである、実施形態115に記載の化合物。
118.X1がWである、実施形態115に記載の化合物。
119.X1がAである、実施形態113に記載の化合物。
120.X1がIである、実施形態113に記載の化合物。
121.X1がLである、実施形態113に記載の化合物。
122.X1がVである、実施形態113に記載の化合物。
123.X1がMである、実施形態113に記載の化合物。
124.X2が疎水性アミノ酸である、実施形態113~123のいずれか1つに記載の化合物。
125.X2が、L、I、V、およびAから選択される、実施形態124に記載の化合物。
126.X2がLである、実施形態125に記載の化合物。
127.X2がIである、実施形態125に記載の化合物。
128.X2がVである、実施形態125に記載の化合物。
129.X2がAである、実施形態125に記載の化合物。
130.X3が疎水性アミノ酸である、実施形態113~129のいずれか1つに記載の化合物。
131.X3が、L、I、V、およびAから選択される、実施形態130に記載の化合物。
132.X3がLである、実施形態131に記載の化合物。
133.X3がIである、実施形態131に記載の化合物。
134.X3がVである、実施形態131に記載の化合物。
135.X3がAである、実施形態131に記載の化合物。
136.ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2(配列番号15)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
137.X1がペプチド部分のN末端アミノ酸である、実施形態136に記載の化合物。
138.ペプチド部分が、アミノ酸配列X3VK(配列番号16)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
139.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLL(配列番号7)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
140.ペプチド部分が、アミノ酸配列LVK(配列番号9)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
141.ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2X3(配列番号17)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
142.ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2X3K(配列番号29)を含む、実施形態141に記載の化合物。
143.X1がペプチドのN末端アミノ酸である、実施形態141または実施形態142に記載の化合物。
144.ペプチド部分が、アミノ酸配列X2X3VK(配列番号18)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
145.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLLV(配列番号10)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
146.ペプチド部分が、アミノ酸配列LLVK(配列番号11)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
147.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLVK(配列番号12)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
148.ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2X3V(配列番号19)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
149.X1がペプチド部分のN末端アミノ酸である、実施形態148に記載の化合物。
150.ペプチド部分が、アミノ酸配列LX2X3VK(配列番号27)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
151.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLLVK(配列番号3)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
152.ペプチド部分が、アミノ酸配列FLLVK(配列番号5)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
153.ペプチド部分が、アミノ酸配列WLLVK(配列番号6)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
154.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)を含む、実施形態113に記載の化合物。
155.ペプチド部分が、アミノ酸配列X1LX2X3VK(配列番号8)を含む、実施形態113~135のいずれか1つに記載の化合物。
156.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLLAVK(配列番号22)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
157.ペプチド部分が、アミノ酸配列YLLNNK(配列番号22)を含むかまたはこれからなる、実施形態113に記載の化合物。
158.ペプチド部分が、3~15アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
159.ペプチド部分が、3~10アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
160.ペプチド部分が、4~20アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
161.ペプチド部分が、4~15アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
162.ペプチド部分が、4~10アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
163.ペプチド部分が、5~20アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
164.ペプチド部分が、5~15アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
165.ペプチド部分が、5~10アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
166.ペプチド部分が、3アミノ酸長さである、実施形態113~140のいずれか1つに記載の化合物。
167.ペプチド部分が、4アミノ酸長さである、実施形態113~147のいずれか1つに記載の化合物。
168.ペプチド部分が、5アミノ酸長さである、実施形態113~154のいずれか1つに記載の化合物。
169.ペプチド部分が、6アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
170.ペプチド部分が、7アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
171.ペプチド部分が、8アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
172.ペプチド部分が、9アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
173.ペプチド部分が、10アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
174.ペプチド部分が、11アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
175.ペプチド部分が、12アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
176.ペプチド部分が、13アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
177.ペプチド部分が、140アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
178.ペプチド部分が、15アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
179.ペプチド部分が、16アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
180.ペプチド部分が、17アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
181.ペプチド部分が、18アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
182.ペプチド部分が、19アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
183.ペプチド部分が、20アミノ酸長さである、実施形態113~157のいずれか1つに記載の化合物。
184.ペプチド部分が、疎水性N末端アミノ酸を有する、実施形態113~183のいずれか1つに記載の化合物。
185.コンジュゲートまたはその塩である化合物であって、コンジュゲートが、実施形態71~112のいずれか1つに記載のペプチドからなるペプチド部分および1個または複数のコンジュゲート部分を含む、化合物。
186.1個または複数のコンジュゲート部分の少なくとも1個が、ポリマー、アミノ基、アシル基、アルキル基、リン酸基、脂質または糖を含む、請求項113~185のいずれか1項に記載の化合物。
187.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、ポリマーを含む、実施形態186に記載の化合物。
188.ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー、ポリグルタミン酸、またはポリサッカライドを含む、実施形態187に記載の化合物。
189.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、アミン基を含む、実施形態186~188のいずれか1つに記載の化合物。
190.アミン基が、アミノ基、アルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基である、実施形態189に記載の化合物。
191.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、アシル基を含む、実施形態186~190のいずれか1つに記載の化合物。
192.アシル基が、ホルミル基またはアセチル基である、実施形態191に記載の化合物。
193.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、アルキル基を含む、実施形態186~192のいずれか1つに記載の化合物。
194.アルキル基が、メチル基またはエチル基である、実施形態193に記載の化合物。
195.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、リン酸基を含む、実施形態186~194のいずれか1つに記載の化合物。
196.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、脂質を含む、実施形態186~195のいずれか1つに記載の化合物。
197.1個または複数のコンジュゲート部分の内の少なくとも1個が、糖を含む、実施形態186~196のいずれか1つに記載の化合物。
198.単一のコンジュゲート部分を含む、実施形態113~190のいずれか1つに記載の化合物、または実施形態186に依存する範囲で、実施形態191~197のいずれか1つに記載の化合物。
199.コンジュゲート部分が、ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合した、実施形態198に記載の化合物。
200.コンジュゲート部分が、ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合した、実施形態198に記載の化合物。
201.2個以上のコンジュゲート部分を含む、実施形態113~197のいずれか1つに記載の化合物。
202.全てのコンジュゲート部分が同じである、実施形態201に記載の化合物。
203.コンジュゲート部分が全て同じとは限らない、実施形態201に記載の化合物。
204.全てのコンジュゲート部分が異なる、実施形態201に記載の化合物。
205.ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分およびペプチド部分のC末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分を含む、実施形態201に記載の化合物。
206.ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分が、ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分と同じである、実施形態205に記載の化合物。
207.ペプチド部分のN末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分が、ペプチド部分のC末端アミノ酸に結合したコンジュゲート部分とは異なる、実施形態205に記載の化合物。
208.ペプチドまたはその塩である化合物であって、ペプチドが、気分障害、不安障害、または動機減少障害を治療するための、アミノ酸配列YLLVR(配列番号13)からなる、化合物。
209.塩である、実施形態1~208のいずれか1つに記載の化合物。
210.塩が酸付加塩である、実施形態209に記載の化合物。
211.酸が:
(a)塩酸;
(b)硫酸;
(c)硝酸;
(d)リン酸;
(e)臭化水素酸;
(f)過塩素酸;
(g)クエン酸;
(h)コハク酸;
(i)マレイン酸;
(j)フマル酸;
(k)リンゴ酸;
(l)酒石酸;
(m)p-トルエンスルホン酸;
(n)ベンゼンスルホン酸;
(o)メタンスルホン酸;または
(p)トリフルオロ酢酸、である、実施形態210に記載の化合物。
212.塩が塩基付加塩である、実施形態209に記載の化合物。
213.塩基が:
(a)水酸化ナトリウム;
(b)水酸化カリウム;
(c)水酸化リチウム;
(d)水酸化カルシウム;または
(e)水酸化マグネシウムである、実施形態212に記載の化合物。
214.実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物および1種または複数の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤および/または賦形剤を含み、必要に応じ、経口投与用に処方される、医薬組成物。
215.実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物を添加物として含む、食品
。
216.栄養補助食品である、実施形態215に記載の食品。
217.機能性食品である、実施形態215に記載の食品。
218.気分障害、不安障害、または動機減少障害に罹患している対象を治療する方法であって、実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物または実施形態214に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、方法。
219.気分障害を罹患している対象を治療することを含む、実施形態218に記載の方法。
220.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態219に記載の方法。
221.うつを罹患している対象を治療することを含む、実施形態220に記載の方法。
222.双極性障害を罹患している対象を治療することを含む、実施形態220に記載の方法。
223.適応障害を罹患している対象を治療することを含む、実施形態220に記載の方法。
224.不安障害を罹患している対象を治療することを含む、実施形態218に記載の方法。
225.動機減少障害を罹患している対象を治療することを含む、実施形態218に記載の方法。
226.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態225に記載の方法。
227.感情鈍麻を罹患している対象を治療することを含む、実施形態226に記載の方法。
228.無為症を罹患している対象を治療することを含む、実施形態226に記載の方法。
229.無動性無言症を罹患している対象を治療することを含む、実施形態226に記載の方法。
230.化合物または医薬組成物が、経口投与される、実施形態218~229のいずれか1つに記載の方法。
231.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.005mg/kg~500mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.005mg/kg~500mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
232.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.005mg/kg~100mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.005mg/kg~100mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
233.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.005mg/kg~30mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.005mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
234.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.005mg/kg~1mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.005mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
235.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.01mg/kg~30mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.01mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
236.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.01mg/kg~3mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.01mg/kg~3mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
237.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.01mg/kg~1mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.01mg/k
g~1mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
238.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.02mg/kg~5mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.02mg/kg~5mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
239.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.02mg/kg~2mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.02mg/kg~2mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
240.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.02mg/kg~1mg/kgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.02mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
241.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.1mg~50gであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.1mg~50gの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
242.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.1mg~10gであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.1mg~10gの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
243.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.1mg~3gであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.1mg~3gの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
244.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.1mg~100mgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.1mg~100mgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
245.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.1mg~1mgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.1mg~1mgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
246.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.3mg~3gであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.3mg~3gの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
247.対象に投与される1日当たりの化合物の量が0.3mg~100mgであるか、または対象に投与される1日当たりの医薬組成物の量が、0.3mg~100mgの化合物を含む、実施形態230に記載の方法。
248.気分障害、不安障害、または動機減少障害を治療または予防する方法であって、気分障害、不安障害、または動機減少障害に罹患する傾向があるまたは罹患している対象に、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の有効量を投与することを含む、方法。
249.気分障害を治療または予防することを含む、実施形態248に記載の方法。
250.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態249に記載の方法。
251.うつを治療または予防することを含む、実施形態250に記載の方法。
252.双極性障害を治療または予防することを含む、実施形態250に記載の方法。
253.適応障害を治療または予防することを含む、実施形態250に記載の方法。
254.不安障害を治療または予防することを含む、実施形態248に記載の方法。
255.動機減少障害を治療または予防することを含む、実施形態248に記載の方法。
256.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態255に記載の方法。
257.感情鈍麻を治療または予防することを含む、実施形態256に記載の方法。
258.無為症を治療または予防することを含む、実施形態256に記載の方法。
259.無動性無言症を治療または予防することを含む、実施形態256に記載の方法。
260.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.005mg/kg~500mg/kgの化合物を含む、実施形態248~259のいずれか1つに記載の方法。
261.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.005mg/kg~100mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
262.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.005mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
263.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.005mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
264.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.01mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
265.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.01mg/kg~3mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
266.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.01mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
267.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.02mg/kg~5mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
268.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.02mg/kg~2mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
269.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.02mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
270.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.1mg~50gの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
271.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.1mg~10gの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
272.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.1mg~3gの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
273.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.1mg~100mgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
274.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.1mg~1mgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
275.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.3mg~3gの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
276.対象に投与される1日当たりの1種または複数の食品の量が、0.3mg~100mgの化合物を含む、実施形態260に記載の方法。
277.薬物として使用するための、実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物。
278.気分障害の治療のための方法に使用するための、実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物。
279.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態278に記載の使用のための化合物。
280.気分障害が、うつを含む、実施形態279に記載の使用のための化合物。
281.気分障害が、双極性障害を含む、実施形態279に記載の使用のための化合物。
282.気分障害が、適応障害を含む、実施形態279に記載の使用のための化合物。
283.不安障害の治療のための方法に使用するための、実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物。
284.動機減少障害の治療のための方法に使用するための、実施形態1~213のいずれか1つに記載の化合物。
285.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態2
84に記載の使用のための化合物。
286.動機減少障害が、感情鈍麻を含む、実施形態285に記載の使用のための化合物。
287.動機減少障害が、無為症を含む、実施形態285に記載の使用のための化合物。
288.動機減少障害が、無動性無言症を含む、実施形態285に記載の使用のための化合物。
289.方法が、化合物の有効量を対象に経口投与することを含む、実施形態278~288いずれか1つに記載の使用のための化合物。
290.方法が、1日当たり0.005mg/kg~500mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
291.方法が、1日当たり0.005mg/kg~100mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
292.方法が、1日当たり0.005mg/kg~30mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
293.方法が、1日当たり0.005mg/kg~1mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
294.方法が、1日当たり0.01mg/kg~30mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
295.方法が、1日当たり0.01mg/kg~3mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
296.方法が、1日当たり0.01mg/kg~1mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
297.方法が、1日当たり0.02mg/kg~5mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
298.方法が、1日当たり0.02mg/kg~2mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
299.方法が、1日当たり0.02mg/kg~1mg/kgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
300.方法が、1日当たり0.1mg~50gの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
301.方法が、1日当たり0.1mg~10gの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
302.方法が、1日当たり0.1mg~3gの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
303.方法が、1日当たり0.1mg~100mgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
304.方法が、1日当たり0.1mg~1mgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
305.方法が、1日当たり0.3mg~3gの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
306.方法が、1日当たり0.3mg~100mgの化合物を対象に投与することを含む、実施形態289に記載の使用のための化合物。
307.気分障害の治療のための方法に使用するための、実施形態214に記載の医薬組成物。
308.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態307に記載の使用のための医薬組成物。
309.気分障害が、うつを含む、実施形態307に記載の使用のための医薬組成物。
310.気分障害が、双極性障害を含む、実施形態307に記載の使用のための医薬組成物。
311.気分障害が、適応障害を含む、実施形態307に記載の使用のための医薬組成物。
312.不安障害の治療のための方法に使用するための、実施形態214に記載の医薬組成物。
313.動機減少障害の治療のための方法に使用するための、実施形態214に記載の医薬組成物。
314.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態313に記載の使用のための医薬組成物。
315.動機減少障害が、感情鈍麻を含む、実施形態313に記載の使用のための医薬組成物。
316.動機減少障害が、無為症を含む、実施形態313に記載の使用のための医薬組成物。
317.動機減少障害が、無動性無言症を含む、実施形態313に記載の使用のための医薬組成物。
318.方法が、医薬組成物の有効量を対象に経口投与することを含む、実施形態307~317のいずれか1つに記載の使用のための医薬組成物。
319.方法が、1日当たり0.005mg/kg~500mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
320.方法が、1日当たり0.005mg/kg~100mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
321.方法が、1日当たり0.005mg/kg~30mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
322.方法が、1日当たり0.005mg/kg~1mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
323.方法が、1日当たり0.01mg/kg~30mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
324.方法が、1日当たり0.01mg/kg~3mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
325.方法が、1日当たり0.01mg/kg~1mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
326.方法が、1日当たり0.02mg/kg~5mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
327.方法が、1日当たり0.02mg/kg~2mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
328.方法が、1日当たり0.02mg/kg~1mg/kgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
329.方法が、1日当たり0.1mg~50gの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
330.方法が、1日当たり0.1mg~10gの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
331.方法が、1日当たり0.1mg~3gの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
332.方法が、1日当たり0.1mg~100mgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
333.方法が、1日当たり0.1mg~1mgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
334.方法が、1日当たり0.3mg~3gの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
335.方法が、1日当たり0.3mg~100mgの化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与することを含む、実施形態318に記載の使用のための医薬組成物。
336.気分障害の治療または予防のための方法に使用するための、実施形態215~217のいずれか1つに記載の食品。
337.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態336に記載の使用のための食品。
338.気分障害が、うつを含む、実施形態337に記載の使用のための食品。
339.気分障害が、双極性障害を含む、実施形態337に記載の使用のための食品。
340.気分障害が、適応障害を含む、実施形態337に記載の使用のための食品。
341.不安障害の治療または予防のための方法に使用するための、実施形態215~217のいずれか1つに記載の食品。
342.動機減少障害の治療または予防のための方法に使用するための、実施形態215~217のいずれか1つに記載の使用のための食品。
343.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態342に記載の使用のための食品。
344.動機減少障害が、感情鈍麻を含む、実施形態343に記載の使用のための食品。
345.動機減少障害が、無為症を含む、実施形態343に記載の使用のための食品。
346.動機減少障害が、無動性無言症を含む、実施形態343に記載の使用のための食品。
347.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.005mg/kg~500mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
348.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.005mg/kg~100mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
349.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.005mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
350.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.005mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
351.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.01mg/kg~30mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
352.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定
量が、1日当たり0.01mg/kg~3mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
353.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.01mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
354.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.02mg/kg~5mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
355.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.02mg/kg~2mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
356.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.02mg/kg~1mg/kgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
357.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.1mg~50gの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
358.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.1mg~10gの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
359.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.1mg~3gの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
360.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.1mg~100mgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
361.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.1mg~1mgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
362.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.3mg~3gの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
363.方法が、実施形態215~217のいずれか1つに記載の1種または複数の食品の一定量を対象に投与することを含み、対象に投与される1種または複数の食品の一定量が、1日当たり0.3mg~100mgの化合物を含む、実施形態336~346のいずれか1つに記載の使用のための食品。
364.不安障害、気分障害、または動機減少障害の治療方法に使用するための、ペプシンまたはペプシンとパンクレアチンで処理したルビスコタンパク質を含む組成物。
365.ルビスコタンパク質がホウレンソウルビスコである、実施形態364に記載の使用のための組成物。
366.不安障害の治療のための方法に使用するための、実施形態364または実施形態365に記載の使用のための組成物。
367.気分障害の治療のための方法に使用するための、実施形態364または実施形態365に記載の使用のための組成物。
368.気分障害が、うつ、双極性障害、または適応障害を含む、実施形態367に記載の使用のための組成物。
369.動機減少障害の治療のための方法に使用するための、実施形態364または実施形態365に記載の使用のための組成物。
370.動機減少障害が、感情鈍麻、無為症、または無動性無言症を含む、実施形態369に記載の使用のための組成物。
【0206】
8.参照による組み込み
【0207】
本出願で引用された全ての出版物、特許および特許出願ならびにその他の文献は、あたかも、それぞれ個別の出版物、特許または特許出願またはその他の文献が、個別に参照によって本明細書に組み込まれることが示されるのと同程度に、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書に組み込まれた1つまたは複数の文献の教示と、本開示との間に矛盾がある場合には、本明細書の教示を採用する。
【0208】
9.配列表
【0209】
【0210】
前記ペプチドが、アミノ酸配列SYLPPL(配列番号20)、SYLPPLT(配列番号4)、またはSYLPPLTT(配列番号1)を含むかまたはこれからなる、請求項5に記載の化合物。