(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068298
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】ウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
E05F 11/48 20060101AFI20220426BHJP
E05F 15/689 20150101ALI20220426BHJP
B60J 1/17 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
E05F11/48 D
E05F15/689
B60J1/17 C
B60J1/17 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024228
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2018029821の分割
【原出願日】2018-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000146434
【氏名又は名称】株式会社城南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏原 英夫
(72)【発明者】
【氏名】西沢 猛
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕規
(72)【発明者】
【氏名】山崎 将英
(57)【要約】
【課題】小型化を図ることができるウインドレギュレータを提供する。
【解決手段】本実施の形態に係るウインドレギュレータ1は、ガイドレール2と、キャリアプレート3と、上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42と、モータ50と、ドラム51と、モータ50及びドラム51を保持するハウジング52と、を備え、キャリアプレート3は、上昇側スプリング収容穴31と、下降側スプリング収容穴32と、を有し、キャリアプレート3の底面は、ストッパ面30aと、下降側スプリング収容穴32から下降側ケーブル42が外部に導出される導出面30bと、を含み、導出面30bがストッパ面30aよりも下方に設けられ、キャリアプレート3には、段差面30cが形成され、ハウジング52には、窓ガラス90の全開状態におけるキャリアプレート3の位置で段差面30cと接触する抑え面52aが形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、
前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
前記キャリアプレートを上昇方向に牽引する上昇側ケーブル、及び前記キャリアプレートを下降方向に牽引する下降側ケーブルと、
モータと、
前記モータによって回転駆動するドラムと、
前記モータ及び前記ドラムを保持するハウジングと、を備え、
前記キャリアプレートは、前記上昇側ケーブルの一端及び前記上昇側ケーブルに張力を付与する上昇側スプリングを収容する上昇側スプリング収容穴と、前記下降側ケーブルの一端及び前記下降側ケーブルに張力を付与する下降側スプリングを収容する下降側スプリング収容穴と、を有し、
前記キャリアプレートの底面は、前記窓ガラスの全開状態における前記キャリアプレートの位置で前記キャリアプレートが前記ハウジングと接触するストッパ面と、前記下降側スプリング収容穴から前記下降側ケーブルが外部に導出される導出面と、を含み、
前記導出面が前記ストッパ面よりも下方に設けられ、
前記キャリアプレートには、前記導出面から前記ストッパ面まで延在する段差面が形成され、
前記ハウジングには、前記窓ガラスの全開状態における前記キャリアプレートの位置で前記段差面と接触する抑え面が形成されている、
ウインドレギュレータ。
【請求項2】
前記キャリアプレートは、前記窓ガラスを保持するための保持穴を更に有し、
前記上昇側スプリング収容穴は、前記保持穴及び前記下降側スプリング収容穴に対し、上下方向と前記キャリアプレートの板厚方向とに直交する方向において重ならないように配置されている、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項3】
車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、
前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
前記キャリアプレートを上昇方向に牽引する上昇側ケーブル、及び前記キャリアプレートを下降方向に牽引する下降側ケーブルと、
モータと、
前記モータによって回転駆動するドラムと、
前記モータ及び前記ドラムを保持するハウジングと、を備え、
前記キャリアプレートは、前記上昇側ケーブルの一端及び前記上昇側ケーブルに張力を付与する上昇側スプリングを収容する上昇側スプリング収容穴と、前記下降側ケーブルの一端及び前記下降側ケーブルに張力を付与する下降側スプリングを収容する下降側スプリング収容穴と、前記窓ガラスを保持するための保持穴と、を有し、
前記上昇側スプリング収容穴は、前記保持穴及び前記下降側スプリング収容穴に対し、上下方向と前記キャリアプレートの板厚方向とに直交する方向において重ならないように配置されており、
前記キャリアプレートの底面は、前記窓ガラスの全開状態における前記キャリアプレートの位置で前記キャリアプレートが前記ハウジングと接触するストッパ面と、前記下降側スプリング収容穴から前記下降側ケーブルが外部に導出される導出面と、を含み、
前記導出面が前記ストッパ面よりも下方に設けられている、
ウインドレギュレータ。
【請求項4】
前記保持穴が、1つだけ設けられている、
請求項2又は3に記載のウインドレギュレータ。
【請求項5】
前記保持穴は、前記上下方向に長い長孔状に形成されている、
請求項4に記載のウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、ガイドレールに摺動して案内されるキャリアプレートと、キャリアプレートを牽引するワイヤと、ガイドレールの下端に設けられてモータ及びドラムを保持するハウジングと、を備えるウインドレギュレータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の車両ドアの薄型化及び軽量化に伴って、ウインドレギュレータが格納されるドアパネル内の収容スペースが狭くなるため、小型軽量のウインドレギュレータが望まれている。
【0005】
そこで、本発明では、小型化を図ることができるウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを上昇方向に牽引する上昇側ケーブル、及び前記キャリアプレートを下降方向に牽引する下降側ケーブルと、前記ガイドレールの下端側に設けられ、モータによって回転駆動することによって、前記上昇側ケーブル及び前記下降側ケーブルの巻き取り及び繰り出しを行うドラムと、を備え、前記キャリアプレートは、前記上昇側ケーブルの一端及び前記上昇側ケーブルに張力を付与する上昇側スプリングを収容する上昇側スプリング収容穴と、前記下降側ケーブルの一端及び前記下降側ケーブルに張力を付与する下降側スプリングを収容する下降側スプリング収容穴と、前記窓ガラスを保持するための保持穴と、を有し、前記保持穴及び前記下降側スプリング収容穴が上下方向に沿って並んでおり、かつ、前記保持穴の一部が前記下降側スプリング収容穴と車両前後方向において重なるように配置されており、前記上昇側スプリング収容穴は、前記上下方向に沿って並んだ前記保持穴及び前記下降側スプリング収容穴に対し、前記上下方向と前記キャリアプレートの板厚方向とに直交する方向において重ならないように配置されており、前記上昇側ケーブルは、前記ドラムの回転軸方向に沿ってみた場合に、前記上昇側スプリング収容穴に収容されている側が前記ガイドレールと重ならないように配策されていると共に、前記下降側ケーブルは、前記ドラムの回転軸方向に沿ってみた場合に、前記下降側スプリング収容穴に収容されている側が前記ガイドレールと重ならないように配策されている、ウインドレギュレータを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るウインドレギュレータによれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びウインドレギュレータが設けられる車両のドアを示す全体概略図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るウインドレギュレータの構成を示す正面図である。
【
図3】
図3(a)~(e)は、キャリアプレートの構成を示す平面図である。
【
図4】
図4は、キャリアプレート及びハウジングの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態の要約)
本実施の形態に係るウインドレギュレータ1は、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレール2と、ガイドレール2と摺動して窓ガラス90と共に移動するキャリアプレート3と、キャリアプレート3を上昇方向に牽引する上昇側ケーブル41、及びキャリアプレート3を下降方向に牽引する下降側ケーブル42と、を備え、キャリアプレート3は、上昇側ケーブル41の一端及び上昇側ケーブル41に張力を付与する上昇側スプリング61を収容する上昇側スプリング収容穴31と、下降側ケーブル42の一端及び下降側ケーブル42に張力を付与する下降側スプリング62を収容する下降側スプリング収容穴32と、窓ガラス90を保持するための保持穴3aと、を有し、保持穴3a及び下降側スプリング収容穴32が上下方向に沿って並んでおり、かつ、保持穴3aの一部が下降側スプリング収容穴32と車両前後方向において重なるように配置されている。
【0010】
このウインドレギュレータ1は、窓ガラスを保持するための保持穴の一部が下降側スプリング収容穴と上下方向に沿って重なって配置されていない構成を有するウインドレギュレータに比較して、キャリアプレート3の車両前後方向における寸法を短縮化することができる。これにより、ウインドレギュレータ1の小型化を図ることができる。
【0011】
[実施の形態]
本実施の形態に係るウインドレギュレータは、例えば自動車のドアの窓ガラスを昇降するための装置であり、自動車のドアパネルに取り付けられて使用される。
【0012】
(ウインドレギュレータ1の概要)
図1は、本実施の形態に係るウインドレギュレータ1、及びウインドレギュレータ1が設けられる車両のドア9を示す全体概略図である。
図2は、ウインドレギュレータ1の構成を示す全体図である。
図3(a)~(e)は、キャリアプレートの構成を示す平面図であり、(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は右側面図であり、(e)は底面図である。
図4は、キャリアプレート及びハウジングの構成を示す説明図である。
【0013】
なお、
図1は、窓ガラス90の全閉状態を示し、ドア及び窓枠を二点鎖線で示す。またさらに
図1において、紙面の左側を車両前後方向の前方側、紙面の右側を車両前後方向の後方側とする。
【0014】
図1及び
図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、車両のドア9に設けられた図略のドアパネル内に格納され、窓ガラス90の昇降方向に沿って設けられたガイドレール2と、ガイドレール2と摺動して窓ガラス90と共に移動するキャリアプレート3と、キャリアプレート3を牽引する上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42と、上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の巻き取り及び繰り出しを行うための駆動力を発生する駆動部5と、を備えて概略構成されている。なお、以下の説明では、キャリアプレート3がガイドレール2上を移動する方向を上下方向とし、ガイドレール2の上端側に向かう方向を上方向とし、ガイドレール2の下端側に向かう方向を下方向とする。
【0015】
(ガイドレール2の構成)
ガイドレール2は、長板状の金属板を所定の曲率で折り曲げて形成され、ドア9に対して車両前後方向の後方側に傾いて配置されている。
【0016】
(キャリアプレート3の構成)
キャリアプレート3は、例えばポリアセタール等の樹脂によって形成された板状の部材である。キャリアプレート3は、
図3(a)及び(e)、並びに
図4に示すように、上昇側ケーブル41の一端及び上昇側ケーブル41に張力を付与する上昇側スプリング61を収容する上昇側スプリング収容穴31(
図4で示す破線部)と、下降側ケーブル42の一端及び下降側ケーブル42に張力を付与する下降側スプリング62を収容する下降側スプリング収容穴32(
図4で示す破線部)と、を有している。
【0017】
キャリアプレート3には、窓ガラス90を保持するための保持穴3aが形成されている。保持穴3aは、キャリアプレート3の板厚方向に貫通した穴であり、この保持穴3aに窓ガラス90を保持する図略のガラスホルダーがボルト等の固定部材によって締結される。
【0018】
(上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の構成)
上昇側ケーブル41は、一端部がキャリアプレート3に連結され、ガイドレール2の上端に配置されたプーリー20を介して、他端部が後述する駆動部5のドラム51に連結されている。下降側ケーブル42は、一端部がキャリアプレート3に連結され、他端部がドラム51に連結されている。プーリー20は、ガイドレール2の上端に固定されたプーリーブラケット200に軸支されている。プーリーブラケット200は、図略のドアパネルに固定されている。
【0019】
上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42は、ドラム51の回転軸方向に沿ってみた場合に、ガイドレール2と重ならないように配策されている。
【0020】
(駆動部5の構成)
駆動部5は、減速機付きのモータ50と、モータ50によって回転駆動され、回転することにより上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラム51(
図2で示す破線部)と、ガイドレール2の下端に設けられ、モータ50の一部を収容すると共にモータ50を保持するモータハウジング520、及びドラム51を収容するドラムハウジング521からなるハウジング52を有している。
【0021】
モータ50は、モータハウジング520に保持されて、ドラム51の回転軸を回転中心として所定の角度だけ傾いて配置されている。モータ50の出力軸にはウォームホイール等からなる減速ギヤが噛み合うように連結され、この減速ギヤがモータハウジング520に収容されている。
【0022】
モータハウジング520とドラムハウジング521とは、複数の固定部521c,521dによって相互に固定されている。ドラムハウジング521には、ハウジング52をドアパネルに固定するためのパネル固定部521a、521bが設けられている。
【0023】
(キャリアプレート3の詳細)
次に、キャリアプレート3の詳細について
図3及び
図4を参照して説明する。
【0024】
図3(e)に示すように、上昇側スプリング収容穴31は、上方側に開口した筒状であり、当該開口を通じて外部を臨む底面を有する有底円筒状である。この上昇側スプリング収容穴31の底面には、上昇側スプリング61の一端が接触する。また、上昇側スプリング収容穴31には、上下方向に延在したスリット31a(
図4に示す)が形成されている。このスリット31aは、上昇側ケーブル41を上昇側スプリング収容穴31内に挿入するための挿入口として形成されている。また、上昇側スプリング収容部31の底面には、上昇側ケーブル41を外部に導出するための導出穴31aが形成されている。
【0025】
図3(a)に示すように、下降側スプリング収容穴32は、下方側に開口した筒状であり、当該開口を通じて外部を臨む底面を有する有底円筒状である。この下降側スプリング収容穴32の底面には、下降側スプリング62の一端が接触する。また、下降側スプリング収容穴32には、上下方向に延在したスリット32a(
図4に示す)が形成されている。このスリット32aは、下降側ケーブル42を下降側スプリング収容穴32内に挿入するための挿入口として形成されている。また、下降側スプリング収容部32の底面には、下降側ケーブル42を外部に導出するための導出穴32aが形成されている。
【0026】
図3(b)及び
図4に示すように、キャリアプレート3の底面は、窓ガラス90の全開状態におけるキャリアプレートの位置(以下、このキャリアプレート3の位置を下死点という)でキャリアプレート3がハウジング52と接触するストッパ面30aと、下降側スプリング収容穴32から下降側ケーブル42が外部に導出される導出面30bと、を含み、キャリアプレート3の導出面30bがストッパ面30aよりも下方に設けられている。この構成により、下降側スプリング収容穴32の上下方向における上方に保持穴3aの設置スペースを確保することができ、キャリアプレート3の車両前後方向における寸法の短縮化を図ることができる。つまり、ウインドレギュレータ1の小型化を図ることができる。
【0027】
本実施の形態では、上昇側スプリング収容穴31と下降側スプリング収容穴32とが上下方向に沿ってずれるように配置され、下降側スプリング収容穴32が上昇側スプリング収容穴31よりも下方に位置している。
【0028】
図3(b)に示すように、キャリアプレート3のストッパ面30aには、先端が逆三角形状に形成された弾性体7が設けられている。弾性体7は、その先端部がストッパ面30aから突出するように配置されている。これにより、キャリアプレート3とハウジング52との接触による衝撃が緩和されている。
【0029】
窓ガラス90を全開状態にする際に、キャリアプレート3がガイドレール2上を下降して下死点に到達すると、キャリアプレート3のストッパ面30aがハウジング52と接触して窓ガラス90の重量を受けると共に、ストッパ面30aとハウジング52とが接触する接触点を起点とした回転モーメントがキャリアプレート3に作用する。
【0030】
より詳細に述べると、キャリアプレート3が下死点に到達する直前においてキャリアプレート3の段差面30cはハウジング52の一側面52aとは非接触の状態であり、キャリアプレート3が下死点に到達した時点においてキャリアプレート3のストッパ面30aとハウジング52の上面52bとが接触する。そして、キャリアプレート3のストッパ面30aとハウジング52の上面52bとの接触に伴って上記した回転モーメントがキャリアプレート3に作用し、キャリアプレート3の段差面30cがハウジング52の一側面52aと接触する。これにより、キャリアプレート3が下死点に到達した際において、キャリアプレート3に作用する回転モーメントによってキャリアプレート3がガタつくことが抑制される。つまり、ハウジング52の一側面52aは、キャリアプレート3の下死点において、キャリアプレート3の傾きに伴うガタツキを抑える抑え面として形成され、キャリアプレート3の段差面30cは、上記抑え面に接触する接触面として形成されている。
【0031】
図3(a)及び
図3(e)に示すように、キャリアプレート3には、ガイドレール2が嵌合する嵌合溝3bが形成されている。キャリアプレート3は、嵌合溝3bにガイドレール2を嵌合させると共にガイドレール2の側端部に摺動して、ガイドレール2上を移動する。
【0032】
図3(a)及び
図4を示すように、キャリアプレート3の保持穴3a(
図3(a)に示す破線部)及び下降側スプリング収容穴32が上下方向に沿って並んでおり、かつ、保持穴3aの一部が下降側スプリング収容穴32と車両前後方向において重なるように配置されている。これにより、保持穴3aが下降側スプリング収容穴32と上下方向に沿って並んでおらず、かつ、車両前後方向において重ならないように配置されている場合に比較して、保持穴3aの設置スペースを省スペース化することができ、キャリアプレート3の車両前後方向における寸法を短縮することができる。すなわち、ウインドレギュレータ1の小型化を図ることができる。
【0033】
またさらに、上記の構成により、キャリアプレート3の保持穴3aの位置をガイドレール2側に近づけることができる。これにより、例えばキャリアプレート3の下死点からキャリアプレート3が上昇する際におけるモーメントを低減することができる。つまり、保持穴がガイドレール2から車両前後方向において遠ざかるほどキャリアプレート3がガイドレール2を把持しているキャリアプレート3の嵌合溝3bと保持穴3aとの間の距離が大きくなり嵌合溝3bを起点とした回転モーメントが増加するが、本実施の形態ではこのモーメントの増加を抑えるができている。これにより、キャリアプレート3の上昇時における窓ガラス90の挙動を安定化することができる。
【0034】
本実施の形態では、窓ガラス90を保持するための保持穴3aが1つだけ設けられている。この構成により、例えば保持穴が複数設けられている場合に比較して、部品点数の削減及び組付工程の短縮化を図ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…ウインドレギュレータ
2…ガイドレール
3…キャリアプレート
3a…保持穴
3b…嵌合溝
5…駆動部
7…弾性体
9…ドア
30a…ストッパ面
30b…導出面
30c…段差面
31…上昇側スプリング収容穴
32…下降側スプリング収容穴
41…上昇側ケーブル
42…下降側ケーブル
50…モータ
51…ドラム
52…ハウジング
52a…一側面
61…上昇側スプリング
62…下降側スプリング
90…窓ガラス
200…プーリーブラケット
520…モータハウジング
521…ドラムハウジング