(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006830
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】イチゴ狩りシステム
(51)【国際特許分類】
A01G 22/05 20180101AFI20220105BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20220105BHJP
【FI】
A01G22/05 A
A01G9/00 J
A01G9/00 B
A01G9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109336
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】393027729
【氏名又は名称】株式会社カンネツ
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】荒木 努
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AB15
2B327NA10
2B327ND01
2B327TA02
2B327TA22
2B327TA27
2B327TC17
(57)【要約】
【課題】イチゴ栽培所以外の好適な場所でイチゴ狩りを行うことができるイチゴ狩りシステムを提供する。
【解決手段】培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所に設置して、イチゴ狩りユニットUから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムである。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所で再生して、再度、イチゴ狩り所に設置し、イチゴ狩りユニットUから客にイチゴ狩りをさせ、イチゴ近傍栽培所に於ける再生と、イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを、繰り返す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポッド(3)に植えたイチゴ(2)を、所定の栽培所にて成育して、該栽培所とは異なるイチゴ狩り所(A)にて、イチゴ(2)の実(6)が熟したポッド(3)から、客(G)にイチゴ狩りさせることを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項2】
ポッド(3)に植えたイチゴ(2)を、所定の栽培所にて成育して、イチゴ(2)の実(6)が熟したポッド(3)を、上記栽培所とは異なるイチゴ狩り所(A)に、一日の間で複数回にわたって順次供給して、上記イチゴ狩り所(A)にて、客(G)にイチゴ狩りさせることを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項3】
栽培所とは異なるイチゴ狩り所(A)にて客(G)にイチゴ狩りされて、熟した実(6)が取り去られたポッド(3)を、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴ(2)を再生することによりイチゴ(2)の実(6)が熟したポッド(3)を、上記イチゴ狩り所(A)に供給し、客(G)にイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項4】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)で再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所(N)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを、繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項5】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)で再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニット(U)がイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニット(U)を遠くのイチゴ主栽培所(E)にて、再生して、上記イチゴ狩りユニット(U)を、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ主栽培所(E)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項6】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)、又は、上記イチゴ狩り所(A)の遠くに設けてイチゴ(2)の主栽培を行うイチゴ主栽培所(E)に於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
1台の配送車(C)にて、上記イチゴ主栽培所(E)、上記イチゴ近傍栽培所(N)、及び、上記イチゴ狩り所(A)を巡回し、上記イチゴ狩り所(A)又はイチゴ近傍栽培所(N)に於て、上記イチゴ主栽培所(E)にて栽培してイチゴ(2)の実(6)が熟した上記イチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)と交換し、イチゴ(2)の実(6)が熟した上記イチゴ狩りユニット(U)を、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りさせ、
上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ主栽培所(E)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項7】
上記少数個とは、3個以上10個以下である請求項4,5又は6記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項8】
上記イチゴ狩り所(A)が、店舗(S)の内部であって、上記イチゴ近傍栽培所(N)が、上記店舗(S)が所在する敷地内又は上記店舗(S)の流通倉庫内である請求項4,5,6又は7記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項9】
上記ポッド枠(4)の底部(5)がネット状である請求項4,5,6,7又は8記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項10】
上記イチゴ狩りユニット(U)の重さを、18重量kg以下に設定した請求項4,5,6,7,8又は9記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項11】
上記イチゴ主栽培所(E)と、上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ狩り所(A)との間で、上記イチゴ狩りユニット(U)を移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニット(U)をひとつの長尺移送ケース(7)に収納したイチゴ狩り結合ユニット(U1 )の状態下で移送する請求項5,6,7,8,9又は10記載のイチゴ狩りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴ狩りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イチゴ狩りは、イチゴ栽培所(ビニールハウス、畑、植物工場等)で栽培したイチゴを、そのイチゴ栽培所内をイチゴ狩り所として行われる(例えば、特許文献1参照)。即ち、イチゴ栽培所とイチゴ狩り所とが、同一である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載のイチゴ狩りシステムは、イチゴ栽培所以外の所望の好適な場所でイチゴ狩りを行うことができないという問題がある。そこで、本発明は、イチゴ栽培所以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができるイチゴ狩りシステムを提供することを目的とする。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴを狩って食することが可能となる。また、イチゴの株が弱らないうちに、短時間でイチゴをイチゴ狩り所へ配送設置することができるイチゴ狩りシステムを提供することを他の目的とする。さらに、イチゴの株を、イチゴ狩り所以外の場所で再生して、何回もイチゴ狩りをさせることを可能とするイチゴ狩りシステムを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るイチゴ狩りシステムは、ポッドに植えたイチゴを、所定の栽培所にて成育して、該栽培所とは異なるイチゴ狩り所にて、イチゴの実が熟したポッドから、客にイチゴ狩りさせるものである。
また、ポッドに植えたイチゴを、所定の栽培所にて成育して、イチゴの実が熟したポッドを、上記栽培所とは異なるイチゴ狩り所に、一日の間で複数回にわたって順次供給して、上記イチゴ狩り所にて、客にイチゴ狩りさせるものである。
また、栽培所とは異なるイチゴ狩り所にて客にイチゴ狩りされて、熟した実が取り去られたポッドを、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴを再生することによりイチゴの実が熟したポッドを、上記イチゴ狩り所に供給し、客にイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すものである。
【0006】
また、本発明に係るイチゴ狩りシステムは、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所で再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを、繰り返すものである。
【0007】
また、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所で再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニットがイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニットを遠くのイチゴ主栽培所にて、再生して、上記イチゴ狩りユニットを、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ主栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを繰り返すものである。
【0008】
また、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所、又は、上記イチゴ狩り所の遠くに設けてイチゴの主栽培を行うイチゴ主栽培所に於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、1台の配送車にて、上記イチゴ主栽培所、上記イチゴ近傍栽培所、及び、上記イチゴ狩り所を巡回し、上記イチゴ狩り所又はイチゴ近傍栽培所に於て、上記イチゴ主栽培所にて栽培してイチゴの実が熟した上記イチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットと交換し、イチゴの実が熟した上記イチゴ狩りユニットを、再度、上記イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りさせ、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ主栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを繰り返すものである。
【0009】
また、上記少数個とは、3個以上10個以下である。
また、上記イチゴ狩り所が、店舗の内部であって、上記イチゴ近傍栽培所が、上記店舗が所在する敷地内又は上記店舗の流通倉庫内である。
また、上記ポッド枠の底部がネット状である。
また、上記イチゴ狩りユニットの重さを、18重量kg以下に設定したものである。
また、上記イチゴ主栽培所と、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ狩り所との間で、上記イチゴ狩りユニットを移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニットをひとつの長尺移送ケースに収納したイチゴ狩り結合ユニットの状態下で移送するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のイチゴ狩りシステムによれば、イチゴ栽培所以外の好適な場所でイチゴ狩りを行うことができる。特に、効率良く(1日の間で)何回も、イチゴの実が熟した状態で、イチゴ狩りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のイチゴ狩りユニットを示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す簡略説明図である。
【
図4】イチゴ狩りの様子を示す一部破断側面図である。
【
図5】イチゴ近傍栽培所に於けるイチゴの再生状態を示す斜視図である。
【
図7】イチゴ主栽培所の一例を示す簡略斜視図である。
【
図8】イチゴ狩り結合ユニットを示す一部破断側面図である。
【
図10】第3の実施の形態を示す簡略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1は、本発明のイチゴ狩りシステムに用いられるイチゴ狩りユニットUを示す。イチゴ狩りユニットUは、培養土1を入れてイチゴ(の株)2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したものである。ここで、「少数個」とは、例えば、3個以上10個以下とする。さらに望ましくは、4個以上8個以下とする。ポッド枠4は、プラスチック又は金属から成る。
図1・
図2に示すように、ポッド枠4の底部5がネット状である。ポッド枠4を、底部5がネット状のプラスチック枠体とすれば、軽量かつ水はけが良いので、望ましい。培養土1とは、植物を栽培するのに適した土、又は、植物系繊維や合成樹脂繊維等の植物を植える対象をいうものとする。
【0013】
イチゴ狩りユニットUの重さを、5重量kg以上18重量kg以下に設定する。望ましくは8重量kg以上15重量kg以下に設定する。イチゴ狩りユニットUの重さが上記重量を超えると、人が一人でイチゴ狩りユニットUを持運ぶことが困難になる。
【0014】
図3は、本発明の第1の実施の形態を示す。
図3、及び、
図1、
図4に示すように、このイチゴ狩りシステムは、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるものである。イチゴ狩り所Aは、例えば、店舗Sの内部である。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N(
図5参照)で再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせる。イチゴ近傍栽培所Nは、例えば、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内である。すなわち、
図3に於て、「近く」とは、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内のように、人がイチゴ狩りユニットUを持運べる程度の距離をいう。「再生」とは、例えば、給水・通風・温度等を適切にコントロールしつつ、各イチゴの株2の果房における青い未熟な実が、数日掛けて、イチゴ狩りに適した赤い実6に熟するまで育成する等を言う。また、イチゴ狩りユニットU内の一部のイチゴの株2が特に傷んでいる場合や、実6の熟成が遅れている場合に、ポッド3の交換を行うことも、前記「再生」に含むものとする。このように、イチゴ狩りユニットUの再生に際して、ひとつのイチゴ狩りユニットU中の複数の全てのポッド3に於けるイチゴの株2を、同等の育ち具合の物とすることが、好ましい。イチゴ近傍栽培所Nに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを、繰り返す。なお、イチゴ近傍栽培所Nに於て、各種配管、給液設備、温調設備を設けることも望ましい。
【0015】
図6は、第2の実施の形態を示す。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットU(
図1参照)を、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客G(
図4参照)にイチゴ狩りをさせる。複数回のイチゴ狩り(及びイチゴ近傍栽培所Nでのイチゴ2の再生)によって、イチゴ狩りユニットUがイチゴ狩りに適さなくなった際(例えば、未熟な実6のみになった際)、
図7に示すように、イチゴ狩りユニットUを遠くのイチゴ主栽培所Eにて、(例えば、培養土1(
図1参照)を替えることにより)再生して、イチゴ狩りユニットUを、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせる。なお、
図7に於て、イチゴ2を図示省略する。
【0016】
第2の実施の形態(及び後述の第3の実施の形態)に於て、「近く」とは、(イチゴ狩り所Aとイチゴ主栽培所Eとの距離との比較において)イチゴ狩り所Aとイチゴ主栽培所Eとの距離よりも近い距離をいい、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内のように、人がイチゴ狩りユニットUを持運べる程度の距離が望ましい。また、「遠く」とは、イチゴ狩り所Aとイチゴ近傍栽培所Nとの距離よりも遠い距離をいい、主に、人がイチゴ狩りユニットUを持運ぶのが困難で、配送車Cによって運搬するのが適切な距離をいう。一又は複数のイチゴ狩り所A(例えば、同一地域のコンビニエンスストアチェーン)に対して、ひとつのイチゴ近傍栽培所Nにてイチゴ狩りユニットUの再生を行う。
【0017】
イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返す。イチゴ主栽培所Eに於けるイチゴ狩りユニットUの「再生」は、例えば、枯れた葉や茎を取除き、培養土1を替えたり、肥料を施して、日数をかけて、イチゴの株2を充分に生育して、イチゴ2の実6を熟させ、再度イチゴ狩り可能とすることを言う。また、イチゴ狩りユニットU内の一部のイチゴの株2が特に傷んでいる場合や、実6の熟成が遅れている場合に、ポッド3の交換を行うことも、前記「再生」に含むものとする。
【0018】
図7は、イチゴ主栽培所Eを示す。
図7及び
図8に於て、複数のイチゴ狩り結合ユニットU
1 が、複数列に配設される。イチゴ狩り結合ユニットU
1 は、複数(
図7・
図8では4つ)のイチゴ狩りユニットUをひとつの長尺移送ケース7に収納したものである。イチゴ狩り結合ユニットU
1 を、基台8に載置する。
【0019】
イチゴ主栽培所Eの床面に、複数本の平行なレール9が敷設されている。イチゴ狩り結合ユニットU1 を吊上可能な吊上台車10が、レール9上を走行自在に載置されている。レーン交換を人力で行うことができるようにするために、吊上台車10の重量を、大人二人で持上げ可能な重量に設定するのが、好ましい。なお、電動方式としても良い。
【0020】
図7に於て、図示省略するが、溶液点滴用潅水配管、クラウン温度調節配管、培地冷却配管等が、配設される。溶液点滴用潅水配管は、外部に設置された給液設備と接続される。クラウン温度調節配管及び培地冷却配管は、外部に設置された温度設備と接続される。
【0021】
イチゴ近傍栽培所N(
図6参照)へイチゴ2を移送するには、イチゴ狩り結合ユニットU
1 に配設されている各種配管の接続を解除する。次に、イチゴ狩り結合ユニットU
1 の図示省略の水平状突起部に、吊上台車10の吊上用ロープ14を引掛けて、イチゴ狩り結合ユニットU
1 を吊上げる。吊上台車10をレール9上にて走行させて、所定位置まで移動し、キャスター付き台車11に載置して、ストックヤード12まで搬送し、フォークリフト13にて、配送車C(
図9参照)へ移動する。
【0022】
イチゴ主栽培所Eと、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、イチゴ狩りユニットUを移送する際、
図9に示すように、複数のイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り結合ユニットU
1 (
図8参照)の状態下で移送する。また、イチゴ主栽培所Eに於ける主栽培の際にも、イチゴ狩り結合ユニットU
1 の状態にて栽培する。なお、
図9に於いて、イチゴ2を図示省略する。
【0023】
図10は、第3の実施の形態を示す。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットU(
図1参照)を、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N、又は、イチゴ狩り所Aの遠くに設けてイチゴ2の主栽培を行うイチゴ主栽培所Eに於て、再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置して、
図4に示すように、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムである。
【0024】
1台の配送車Cにて、イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N、及び、イチゴ狩り所Aを巡回し、イチゴ狩り所A又はイチゴ近傍栽培所Nに於て、イチゴ主栽培所Eにて栽培してイチゴ2(
図1参照)の実6が熟したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットUと交換する。その後、イチゴ2の実6が熟したイチゴ狩りユニットUを、再度、イチゴ狩り所Aに設置して、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りさせる。イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返す。その他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
【0025】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ主栽培所Eと、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、移送する際、(イチゴ狩り結合ユニットU1 として扱うのではなく、)イチゴ狩りユニットU単体を、配送車Cに予め付設した設置棚の上に載せて、移送しても良い場合もある。また、ポッド枠4の底部5が、多数の水抜き小孔を有する平板を用いるも良い。
【0026】
ところで、
図1~
図10に基づき、第1~第3の実施の形態を、具体的構成をもって、以上説明した。しかしながら、本発明は、第1~第3の実施の形態の具体的構成に限定されず、基本的に、以下のようなイチゴ狩りシステムについての技術思想であると、言うこともできる。
【0027】
即ち、本発明の基本的構成は、ポッド3に植えたイチゴ2を、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所E等の所定栽培所にて、成育して、実6を熟させ、そのように熟した実6を有するイチゴ2のポッド3を、上記栽培所とは異なる狩り所Aに、配送車Cや台車や人力にて、移動させ、そのイチゴ狩り所Aに於て客Gに熟した実6のイチゴ狩りをさせるシステムであると、言える。なお、人力にてポッド3を移動させる際に、1個ずつポッド3を手で運ぶことも可能な場合(栽培所がイチゴ狩り所Aに極めて近距離の場合)もあり得る。
【0028】
ところで、ポッド3内のイチゴ1株で成熟している実6は、せいぜい3~5個である。イチゴ狩り所Aにおいて客Gによって、比較的短時間内で、全部のポッド3から前記実6が狩り取られてしまうと、その日のイチゴ狩り(営業)は終了とせざるを得なくなる。このような問題に対応して、本発明は、イチゴ近傍栽培所N等の所定栽培所から、一日の間に複数回にわたって、イチゴ狩り所Aへ順次供給して、途切れることなく客Gに熟した実6を狩ることを可能とするシステムである。
【0029】
言い換えると、1日の間で複数回にわたり(何回も)ポッド3を素早く入れ替え、熟したイチゴの実6を提供可能なシステムである。
さらに、本発明に係るイチゴ狩りシステムは、栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて客Gにイチゴ狩りされて、熟した実6が取り去られたポッド3を、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴ2を再生することによりイチゴ2の実6が熟したポッド3を、イチゴ狩り所Aに供給し、客Gにイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すシステムである。
【0030】
本発明は、以上詳述したように、ポッド3に植えたイチゴ2を、所定の栽培所にて成育して、該栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて、イチゴ2の実6が熟したポッド3から、客Gにイチゴ狩りさせるシステムであるので、常に新鮮で瑞々しい熟したイチゴの実6を、客Gは、楽しみつつイチゴ狩りできる。しかも、イチゴ狩り所Aは、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等の好適な場所を選定自在であり、株に実ったままの新鮮なイチゴの実6を狩って食することができる。言い換えれば、「どこでもイチゴ狩り」できるということができる。
【0031】
また、ポッド3に植えたイチゴ2を、所定の栽培所にて成育して、イチゴ2の実6が熟したポッド3を、上記栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aに、一日の間で複数回にわたって順次供給して、上記イチゴ狩り所Aにて、客Gにイチゴ狩りさせるシステムであるので、イチゴ狩り所Aには、途切れることなく、常時、赤く熟したイチゴの実6を狩って食することが可能となり、イチゴ狩り所Aの経営に関しても、営業中断の虞れもなくなる。
【0032】
また、栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて客Gにイチゴ狩りされて、熟した実6が取り去られたポッド3を、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴ2を再生することによりイチゴ2の実6が熟したポッド3を、上記イチゴ狩り所Aに供給し、客Gにイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すシステムであるので、イチゴ狩り所Aでは、赤く熟したイチゴの実6を、営業時間内は、途切れることなく、継続して提供することが、可能となる。
【0033】
また、本発明は、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所Nに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを、繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ近傍栽培所N)以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができる。好適な場所とは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。
【0034】
また、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニットUがイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニットUを遠くのイチゴ主栽培所Eにて、再生して、上記イチゴ狩りユニットUを、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N)以外の所望の(好適な)場所にてイチゴ狩りを行うことができる。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。また、イチゴの株2をイチゴ近傍栽培所Nのみでなくイチゴ主栽培所Eにても再生するので、長期にわたって、イチゴ狩りを客Gに楽しませることができる。
【0035】
また、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N、又は、上記イチゴ狩り所Aの遠くに設けてイチゴ2の主栽培を行うイチゴ主栽培所Eに於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、1台の配送車Cにて、上記イチゴ主栽培所E、上記イチゴ近傍栽培所N、及び、上記イチゴ狩り所Aを巡回し、上記イチゴ狩り所A又はイチゴ近傍栽培所Nに於て、上記イチゴ主栽培所Eにて栽培してイチゴ2の実6が熟した上記イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUと交換し、イチゴ2の実6が熟した上記イチゴ狩りユニットUを、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りさせ、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N)以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができる。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。また、イチゴの株2をイチゴ近傍栽培所Nのみでなくイチゴ主栽培所Eにても再生するので、長期にわたって、イチゴ狩りを客Gに楽しませることができる。
【0036】
また、上記少数個とは、3個以上10個以下であるので、人が容易に持ち運ぶことができる。
また、上記イチゴ狩り所Aが、店舗Sの内部であって、上記イチゴ近傍栽培所Nが、上記店舗Sが所在する敷地内又は上記店舗Sの流通倉庫内であるので、イチゴ狩りユニットUのイチゴ2の実6が熟した際、すぐにイチゴ狩りユニットUを店舗Sの内部に運んで設置することにより、適切な時期に(イチゴ2が傷まないうちに)、客Gにイチゴ狩りをさせることができる。
【0037】
また、上記ポッド枠4の底部5がネット状であるので、水はけが良い。すなわち、通気性が良く、イチゴ2の生育条件が良い。また、ポッド3をポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUの状態で、ネット状の底部5の下方から養液供給することができる。
【0038】
また、上記イチゴ狩りユニットUの重さを、18重量kg以下に設定したので、人が一人で、イチゴ狩りユニットUを容易に持運ぶことができる。
【0039】
また、上記イチゴ主栽培所Eと、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、上記イチゴ狩りユニットUを移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニットUをひとつの長尺移送ケース7に収納したイチゴ狩り結合ユニットU1 の状態下で移送するので、効率良くイチゴ狩りユニットUを移動させることができて至便である。
【符号の説明】
【0040】
1 培養土
2 イチゴ(の株)
3 ポッド
4 ポッド枠
5 底部
6 実
7 長尺移送ケース
A イチゴ狩り所
C 配送車
E イチゴ主栽培所
G 客
N イチゴ近傍栽培所
S 店舗
U イチゴ狩りユニット
U1 イチゴ狩り結合ユニット
【手続補正書】
【提出日】2021-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)で再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所(N)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを、繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項2】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)で再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニット(U)がイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニット(U)を遠くのイチゴ主栽培所(E)にて、再生して、上記イチゴ狩りユニット(U)を、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置し、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ主栽培所(E)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項3】
培養土(1)を入れてイチゴ(2)を植えた少数個のポッド(3)を、ひとつのポッド枠(4)にて保持したイチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせ、
イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)を、上記イチゴ狩り所(A)の近くに設けたイチゴ近傍栽培所(N)、又は、上記イチゴ狩り所(A)の遠くに設けてイチゴ(2)の主栽培を行うイチゴ主栽培所(E)に於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、
1台の配送車(C)にて、上記イチゴ主栽培所(E)、上記イチゴ近傍栽培所(N)、及び、上記イチゴ狩り所(A)を巡回し、上記イチゴ狩り所(A)又はイチゴ近傍栽培所(N)に於て、上記イチゴ主栽培所(E)にて栽培してイチゴ(2)の実(6)が熟した上記イチゴ狩りユニット(U)を、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニット(U)と交換し、イチゴ(2)の実(6)が熟した上記イチゴ狩りユニット(U)を、再度、上記イチゴ狩り所(A)に設置して、該イチゴ狩りユニット(U)から客(G)にイチゴ狩りさせ、
上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ主栽培所(E)に於ける再生と、上記イチゴ狩り所(A)に於けるイチゴ狩りとを繰り返すことを特徴とするイチゴ狩りシステム。
【請求項4】
上記少数個とは、3個以上10個以下である請求項1,2又は3記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項5】
上記イチゴ狩り所(A)が、店舗(S)の内部であって、上記イチゴ近傍栽培所(N)が、上記店舗(S)が所在する敷地内又は上記店舗(S)の流通倉庫内である請求項1,2,3又は4記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項6】
上記ポッド枠(4)の底部(5)がネット状である請求項1,2,3,4又は5記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項7】
上記イチゴ狩りユニット(U)の重さを、18重量kg以下に設定した請求項1,2,3,4,5又は6記載のイチゴ狩りシステム。
【請求項8】
上記イチゴ主栽培所(E)と、上記イチゴ近傍栽培所(N)又はイチゴ狩り所(A)との間で、上記イチゴ狩りユニット(U)を移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニット(U)をひとつの長尺移送ケース(7)に収納したイチゴ狩り結合ユニット(U
1
)の状態下で移送する請求項2,3,4,5,6又は7記載のイチゴ狩りシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴ狩りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イチゴ狩りは、イチゴ栽培所(ビニールハウス、畑、植物工場等)で栽培したイチゴを、そのイチゴ栽培所内をイチゴ狩り所として行われる(例えば、特許文献1参照)。即ち、イチゴ栽培所とイチゴ狩り所とが、同一である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載のイチゴ狩りシステムは、イチゴ栽培所以外の所望の好適な場所でイチゴ狩りを行うことができないという問題がある。そこで、本発明は、イチゴ栽培所以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができるイチゴ狩りシステムを提供することを目的とする。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴを狩って食することが可能となる。また、イチゴの株が弱らないうちに、短時間でイチゴをイチゴ狩り所へ配送設置することができるイチゴ狩りシステムを提供することを他の目的とする。さらに、イチゴの株を、イチゴ狩り所以外の場所で再生して、何回もイチゴ狩りをさせることを可能とするイチゴ狩りシステムを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るイチゴ狩りシステムは、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所で再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを、繰り返すものである。
【0006】
また、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所で再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニットがイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニットを遠くのイチゴ主栽培所にて、再生して、上記イチゴ狩りユニットを、再度、上記イチゴ狩り所に設置し、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ主栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを繰り返すものである。
【0007】
また、培養土を入れてイチゴを植えた少数個のポッドを、ひとつのポッド枠にて保持したイチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせ、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットを、上記イチゴ狩り所の近くに設けたイチゴ近傍栽培所、又は、上記イチゴ狩り所の遠くに設けてイチゴの主栽培を行うイチゴ主栽培所に於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、1台の配送車にて、上記イチゴ主栽培所、上記イチゴ近傍栽培所、及び、上記イチゴ狩り所を巡回し、上記イチゴ狩り所又はイチゴ近傍栽培所に於て、上記イチゴ主栽培所にて栽培してイチゴの実が熟した上記イチゴ狩りユニットを、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットと交換し、イチゴの実が熟した上記イチゴ狩りユニットを、再度、上記イチゴ狩り所に設置して、該イチゴ狩りユニットから客にイチゴ狩りさせ、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ主栽培所に於ける再生と、上記イチゴ狩り所に於けるイチゴ狩りとを繰り返すものである。
【0008】
また、上記少数個とは、3個以上10個以下である。
また、上記イチゴ狩り所が、店舗の内部であって、上記イチゴ近傍栽培所が、上記店舗が所在する敷地内又は上記店舗の流通倉庫内である。
また、上記ポッド枠の底部がネット状である。
また、上記イチゴ狩りユニットの重さを、18重量kg以下に設定したものである。
また、上記イチゴ主栽培所と、上記イチゴ近傍栽培所又はイチゴ狩り所との間で、上記イチゴ狩りユニットを移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニットをひとつの長尺移送ケースに収納したイチゴ狩り結合ユニットの状態下で移送するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のイチゴ狩りシステムによれば、イチゴ栽培所以外の好適な場所でイチゴ狩りを行うことができる。特に、効率良く(1日の間で)何回も、イチゴの実が熟した状態で、イチゴ狩りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のイチゴ狩りユニットを示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す簡略説明図である。
【
図4】イチゴ狩りの様子を示す一部破断側面図である。
【
図5】イチゴ近傍栽培所に於けるイチゴの再生状態を示す斜視図である。
【
図7】イチゴ主栽培所の一例を示す簡略斜視図である。
【
図8】イチゴ狩り結合ユニットを示す一部破断側面図である。
【
図10】第3の実施の形態を示す簡略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1は、本発明のイチゴ狩りシステムに用いられるイチゴ狩りユニットUを示す。イチゴ狩りユニットUは、培養土1を入れてイチゴ(の株)2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したものである。ここで、「少数個」とは、例えば、3個以上10個以下とする。さらに望ましくは、4個以上8個以下とする。ポッド枠4は、プラスチック又は金属から成る。
図1・
図2に示すように、ポッド枠4の底部5がネット状である。ポッド枠4を、底部5がネット状のプラスチック枠体とすれば、軽量かつ水はけが良いので、望ましい。培養土1とは、植物を栽培するのに適した土、又は、植物系繊維や合成樹脂繊維等の植物を植える対象をいうものとする。
【0012】
イチゴ狩りユニットUの重さを、5重量kg以上18重量kg以下に設定する。望ましくは8重量kg以上15重量kg以下に設定する。イチゴ狩りユニットUの重さが上記重量を超えると、人が一人でイチゴ狩りユニットUを持運ぶことが困難になる。
【0013】
図3は、本発明の第1の実施の形態を示す。
図3、及び、
図1、
図4に示すように、このイチゴ狩りシステムは、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるものである。イチゴ狩り所Aは、例えば、店舗Sの内部である。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N(
図5参照)で再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせる。イチゴ近傍栽培所Nは、例えば、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内である。すなわち、
図3に於て、「近く」とは、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内のように、人がイチゴ狩りユニットUを持運べる程度の距離をいう。「再生」とは、例えば、給水・通風・温度等を適切にコントロールしつつ、各イチゴの株2の果房における青い未熟な実が、数日掛けて、イチゴ狩りに適した赤い実6に熟するまで育成する等を言う。また、イチゴ狩りユニットU内の一部のイチゴの株2が特に傷んでいる場合や、実6の熟成が遅れている場合に、ポッド3の交換を行うことも、前記「再生」に含むものとする。このように、イチゴ狩りユニットUの再生に際して、ひとつのイチゴ狩りユニットU中の複数の全てのポッド3に於けるイチゴの株2を、同等の育ち具合の物とすることが、好ましい。イチゴ近傍栽培所Nに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを、繰り返す。なお、イチゴ近傍栽培所Nに於て、各種配管、給液設備、温調設備を設けることも望ましい。
【0014】
図6は、第2の実施の形態を示す。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットU(
図1参照)を、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客G(
図4参照)にイチゴ狩りをさせる。複数回のイチゴ狩り(及びイチゴ近傍栽培所Nでのイチゴ2の再生)によって、イチゴ狩りユニットUがイチゴ狩りに適さなくなった際(例えば、未熟な実6のみになった際)、
図7に示すように、イチゴ狩りユニットUを遠くのイチゴ主栽培所Eにて、(例えば、培養土1(
図1参照)を替えることにより)再生して、イチゴ狩りユニットUを、再度、イチゴ狩り所Aに設置し、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせる。なお、
図7に於て、イチゴ2を図示省略する。
【0015】
第2の実施の形態(及び後述の第3の実施の形態)に於て、「近く」とは、(イチゴ狩り所Aとイチゴ主栽培所Eとの距離との比較において)イチゴ狩り所Aとイチゴ主栽培所Eとの距離よりも近い距離をいい、店舗Sが所在する敷地内又は店舗Sの流通倉庫内のように、人がイチゴ狩りユニットUを持運べる程度の距離が望ましい。また、「遠く」とは、イチゴ狩り所Aとイチゴ近傍栽培所Nとの距離よりも遠い距離をいい、主に、人がイチゴ狩りユニットUを持運ぶのが困難で、配送車Cによって運搬するのが適切な距離をいう。一又は複数のイチゴ狩り所A(例えば、同一地域のコンビニエンスストアチェーン)に対して、ひとつのイチゴ近傍栽培所Nにてイチゴ狩りユニットUの再生を行う。
【0016】
イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返す。イチゴ主栽培所Eに於けるイチゴ狩りユニットUの「再生」は、例えば、枯れた葉や茎を取除き、培養土1を替えたり、肥料を施して、日数をかけて、イチゴの株2を充分に生育して、イチゴ2の実6を熟させ、再度イチゴ狩り可能とすることを言う。また、イチゴ狩りユニットU内の一部のイチゴの株2が特に傷んでいる場合や、実6の熟成が遅れている場合に、ポッド3の交換を行うことも、前記「再生」に含むものとする。
【0017】
図7は、イチゴ主栽培所Eを示す。
図7及び
図8に於て、複数のイチゴ狩り結合ユニットU
1 が、複数列に配設される。イチゴ狩り結合ユニットU
1 は、複数(
図7・
図8では4つ)のイチゴ狩りユニットUをひとつの長尺移送ケース7に収納したものである。イチゴ狩り結合ユニットU
1 を、基台8に載置する。
【0018】
イチゴ主栽培所Eの床面に、複数本の平行なレール9が敷設されている。イチゴ狩り結合ユニットU1 を吊上可能な吊上台車10が、レール9上を走行自在に載置されている。レーン交換を人力で行うことができるようにするために、吊上台車10の重量を、大人二人で持上げ可能な重量に設定するのが、好ましい。なお、電動方式としても良い。
【0019】
図7に於て、図示省略するが、溶液点滴用潅水配管、クラウン温度調節配管、培地冷却配管等が、配設される。溶液点滴用潅水配管は、外部に設置された給液設備と接続される。クラウン温度調節配管及び培地冷却配管は、外部に設置された温度設備と接続される。
【0020】
イチゴ近傍栽培所N(
図6参照)へイチゴ2を移送するには、イチゴ狩り結合ユニットU
1 に配設されている各種配管の接続を解除する。次に、イチゴ狩り結合ユニットU
1 の図示省略の水平状突起部に、吊上台車10の吊上用ロープ14を引掛けて、イチゴ狩り結合ユニットU
1 を吊上げる。吊上台車10をレール9上にて走行させて、所定位置まで移動し、キャスター付き台車11に載置して、ストックヤード12まで搬送し、フォークリフト13にて、配送車C(
図9参照)へ移動する。
【0021】
イチゴ主栽培所Eと、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、イチゴ狩りユニットUを移送する際、
図9に示すように、複数のイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り結合ユニットU
1 (
図8参照)の状態下で移送する。また、イチゴ主栽培所Eに於ける主栽培の際にも、イチゴ狩り結合ユニットU
1 の状態にて栽培する。なお、
図9に於いて、イチゴ2を図示省略する。
【0022】
図10は、第3の実施の形態を示す。イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットU(
図1参照)を、イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N、又は、イチゴ狩り所Aの遠くに設けてイチゴ2の主栽培を行うイチゴ主栽培所Eに於て、再生して、再度、イチゴ狩り所Aに設置して、
図4に示すように、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムである。
【0023】
1台の配送車Cにて、イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N、及び、イチゴ狩り所Aを巡回し、イチゴ狩り所A又はイチゴ近傍栽培所Nに於て、イチゴ主栽培所Eにて栽培してイチゴ2(
図1参照)の実6が熟したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り後のイチゴ狩りユニットUと交換する。その後、イチゴ2の実6が熟したイチゴ狩りユニットUを、再度、イチゴ狩り所Aに設置して、イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りさせる。イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返す。その他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
【0024】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ主栽培所Eと、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、移送する際、(イチゴ狩り結合ユニットU1 として扱うのではなく、)イチゴ狩りユニットU単体を、配送車Cに予め付設した設置棚の上に載せて、移送しても良い場合もある。また、ポッド枠4の底部5が、多数の水抜き小孔を有する平板を用いるも良い。
【0025】
ところで、
図1~
図10に基づき、第1~第3の実施の形態を、具体的構成をもって、以上説明した。しかしながら、本発明は、第1~第3の実施の形態の具体的構成に限定されず、基本的に、以下のようなイチゴ狩りシステムについての技術思想であると、言うこともできる。
【0026】
即ち、本発明の基本的構成は、ポッド3に植えたイチゴ2を、イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所E等の所定栽培所にて、成育して、実6を熟させ、そのように熟した実6を有するイチゴ2のポッド3を、上記栽培所とは異なる狩り所Aに、配送車Cや台車や人力にて、移動させ、そのイチゴ狩り所Aに於て客Gに熟した実6のイチゴ狩りをさせるシステムであると、言える。なお、人力にてポッド3を移動させる際に、1個ずつポッド3を手で運ぶことも可能な場合(栽培所がイチゴ狩り所Aに極めて近距離の場合)もあり得る。
【0027】
ところで、ポッド3内のイチゴ1株で成熟している実6は、せいぜい3~5個である。イチゴ狩り所Aにおいて客Gによって、比較的短時間内で、全部のポッド3から前記実6が狩り取られてしまうと、その日のイチゴ狩り(営業)は終了とせざるを得なくなる。このような問題に対応して、本発明は、イチゴ近傍栽培所N等の所定栽培所から、一日の間に複数回にわたって、イチゴ狩り所Aへ順次供給して、途切れることなく客Gに熟した実6を狩ることを可能とするシステムである。
【0028】
言い換えると、1日の間で複数回にわたり(何回も)ポッド3を素早く入れ替え、熟したイチゴの実6を提供可能なシステムである。
さらに、本発明に係るイチゴ狩りシステムは、栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて客Gにイチゴ狩りされて、熟した実6が取り去られたポッド3を、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴ2を再生することによりイチゴ2の実6が熟したポッド3を、イチゴ狩り所Aに供給し、客Gにイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すシステムである。
【0029】
本発明は、以上詳述したように、ポッド3に植えたイチゴ2を、所定の栽培所にて成育して、該栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて、イチゴ2の実6が熟したポッド3から、客Gにイチゴ狩りさせるシステムであるので、常に新鮮で瑞々しい熟したイチゴの実6を、客Gは、楽しみつつイチゴ狩りできる。しかも、イチゴ狩り所Aは、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等の好適な場所を選定自在であり、株に実ったままの新鮮なイチゴの実6を狩って食することができる。言い換えれば、「どこでもイチゴ狩り」できるということができる。
【0030】
また、ポッド3に植えたイチゴ2を、所定の栽培所にて成育して、イチゴ2の実6が熟したポッド3を、上記栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aに、一日の間で複数回にわたって順次供給して、上記イチゴ狩り所Aにて、客Gにイチゴ狩りさせるシステムであるので、イチゴ狩り所Aには、途切れることなく、常時、赤く熟したイチゴの実6を狩って食することが可能となり、イチゴ狩り所Aの経営に関しても、営業中断の虞れもなくなる。
【0031】
また、栽培所とは異なるイチゴ狩り所Aにて客Gにイチゴ狩りされて、熟した実6が取り去られたポッド3を、所定の栽培所に返送し、該栽培所にてイチゴ2を再生することによりイチゴ2の実6が熟したポッド3を、上記イチゴ狩り所Aに供給し、客Gにイチゴ狩りさせ、該イチゴ狩りと上記返送と上記再生と上記供給を、繰り返すシステムであるので、イチゴ狩り所Aでは、赤く熟したイチゴの実6を、営業時間内は、途切れることなく、継続して提供することが、可能となる。
【0032】
また、本発明は、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所Nに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを、繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ近傍栽培所N)以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができる。好適な場所とは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。
【0033】
また、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所Nで再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、複数回のイチゴ狩りによって、上記イチゴ狩りユニットUがイチゴ狩りに適さなくなった際、該イチゴ狩りユニットUを遠くのイチゴ主栽培所Eにて、再生して、上記イチゴ狩りユニットUを、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置し、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N)以外の所望の(好適な)場所にてイチゴ狩りを行うことができる。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。また、イチゴの株2をイチゴ近傍栽培所Nのみでなくイチゴ主栽培所Eにても再生するので、長期にわたって、イチゴ狩りを客Gに楽しませることができる。
【0034】
また、培養土1を入れてイチゴ2を植えた少数個のポッド3を、ひとつのポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせ、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUを、上記イチゴ狩り所Aの近くに設けたイチゴ近傍栽培所N、又は、上記イチゴ狩り所Aの遠くに設けてイチゴ2の主栽培を行うイチゴ主栽培所Eに於て、再生して、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りをさせるイチゴ狩りシステムであって、1台の配送車Cにて、上記イチゴ主栽培所E、上記イチゴ近傍栽培所N、及び、上記イチゴ狩り所Aを巡回し、上記イチゴ狩り所A又はイチゴ近傍栽培所Nに於て、上記イチゴ主栽培所Eにて栽培してイチゴ2の実6が熟した上記イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り後の上記イチゴ狩りユニットUと交換し、イチゴ2の実6が熟した上記イチゴ狩りユニットUを、再度、上記イチゴ狩り所Aに設置して、該イチゴ狩りユニットUから客Gにイチゴ狩りさせ、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ主栽培所Eに於ける再生と、上記イチゴ狩り所Aに於けるイチゴ狩りとを繰り返すので、イチゴ栽培所(イチゴ主栽培所E、イチゴ近傍栽培所N)以外の好適な場所にてイチゴ狩りを行うことができる。例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等のチェーン店、飲食店、ホテル等で、株に実ったままの新鮮なイチゴ2の実6を狩って食することが可能となる。
また、イチゴの株2が弱らないうちに、短時間でイチゴの株2をイチゴ狩り所Aへ配送設置することができる。さらに、イチゴ狩りユニットUを、イチゴ狩り所A以外の場所で再生するので、イチゴ狩り所Aに於て、イチゴ狩り後の実6が無いイチゴの株2をコンビニエンスストア等の客Gに(長期にわたって)見せることなく、イチゴ狩りに適した状態(イチゴ2の実6が熟した状態)のみを見せることができ、客Gのイチゴ狩りへの意欲を促進することができる。そして、効率良く何回もイチゴ狩りをさせることができる。また、イチゴの株2をイチゴ近傍栽培所Nのみでなくイチゴ主栽培所Eにても再生するので、長期にわたって、イチゴ狩りを客Gに楽しませることができる。
【0035】
また、上記少数個とは、3個以上10個以下であるので、人が容易に持ち運ぶことができる。
また、上記イチゴ狩り所Aが、店舗Sの内部であって、上記イチゴ近傍栽培所Nが、上記店舗Sが所在する敷地内又は上記店舗Sの流通倉庫内であるので、イチゴ狩りユニットUのイチゴ2の実6が熟した際、すぐにイチゴ狩りユニットUを店舗Sの内部に運んで設置することにより、適切な時期に(イチゴ2が傷まないうちに)、客Gにイチゴ狩りをさせることができる。
【0036】
また、上記ポッド枠4の底部5がネット状であるので、水はけが良い。すなわち、通気性が良く、イチゴ2の生育条件が良い。また、ポッド3をポッド枠4にて保持したイチゴ狩りユニットUの状態で、ネット状の底部5の下方から養液供給することができる。
【0037】
また、上記イチゴ狩りユニットUの重さを、18重量kg以下に設定したので、人が一人で、イチゴ狩りユニットUを容易に持運ぶことができる。
【0038】
また、上記イチゴ主栽培所Eと、上記イチゴ近傍栽培所N又はイチゴ狩り所Aとの間で、上記イチゴ狩りユニットUを移送する際、複数の上記イチゴ狩りユニットUをひとつの長尺移送ケース7に収納したイチゴ狩り結合ユニットU1 の状態下で移送するので、効率良くイチゴ狩りユニットUを移動させることができて至便である。
【符号の説明】
【0039】
1 培養土
2 イチゴ(の株)
3 ポッド
4 ポッド枠
5 底部
6 実
7 長尺移送ケース
A イチゴ狩り所
C 配送車
E イチゴ主栽培所
G 客
N イチゴ近傍栽培所
S 店舗
U イチゴ狩りユニット
U1 イチゴ狩り結合ユニット