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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068454
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 27/00 20060101AFI20220427BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A01G27/00 504B
A01G27/00 502F
A01G7/00 601Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177135
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】514231295
【氏名又は名称】株式会社テヌート
(71)【出願人】
【識別番号】513144453
【氏名又は名称】藤原 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】藤原 慶太
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】植物の水分吸収状況を踏まえた潅水を可能とする栽培装置を提供する。
【解決手段】植物が定植された培養土11に水を供給する水供給手段Dと、前記培養土11の温度を検出する温度検出手段Sと、前記水供給手段Dを制御する制御手段Cとを備え、前記制御手段Cは、前記温度検出手段Sによって培養土11の温度変化率を算出し、前記温度変化率が所定値以上であることを条件として、前記水供給手段Dの制御により培養土11に潅水を行うよう構成された栽培装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が定植された培養土に水を供給する水供給手段と、前記培養土の温度を検出する温度検出手段と、前記水供給手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって培養土の温度変化率を算出し、
前記温度変化率が所定値以上であることを条件として、前記水供給手段の制御により培養土に潅水を行うよう構成されたことを特徴とする栽培装置。
【請求項2】
前記温度検出手段は、非接触で前記培養土の温度情報を取得可能な撮影装置であることを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。
【請求項3】
さらに、植物が定植された培養土に空気を供給する空気供給手段を備え、
前記制御手段は、前記温度変化率が、前記所定値よりも小なる値である設定基準値以下であることを条件として、前記培養土に空気を供給するように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を栽培する栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、植物が定植された培養土の水分値を水分センサによって検出し、水分値が所定値を下回ると自動で培養土に潅水するように構成された栽培装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-102712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、培養土は、一つの袋体や容器の中であっても、収容されている培地の性質などにより、水分量の分布にはバラツキが生じる。このため、特許文献1等の技術を用いた潅水方法によれば、植物の水分吸収状況(例えば、植物の水分を吸収する速度など)を踏まえた潅水制御は困難であり、その結果、水枯れが発生して植物の品質低下が起こるおそれが存在した。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題を解消し、植物の水分吸収状況を踏まえた潅水を可能とする栽培装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
植物が定植された培養土に水を供給する水供給手段と、前記培養土の温度を検出する温度検出手段と、前記水供給手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって培養土の温度変化率を算出し、
前記温度変化率が所定値以上であることを条件として、前記水供給手段の制御により培養土に潅水を行うよう構成されたことを特徴とする栽培装置を提供する。
【0007】
上記第1の発明によれば、植物が適切に水分を吸収しているタイミングで潅水でき、その結果、植物の水分吸収状況を踏まえた潅水が可能となり、水枯れを好適に防止して、植物Pの品質を向上できる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、
前記温度検出手段は、非接触で前記培養土の温度情報を取得可能な撮影装置であることを特徴とする。
【0009】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、培養土全体の温度変化を迅速かつ的確に取得でき、水枯れをさらに好適に防止することができる。また、植物の病気による吸水の異常を早期に発見することができる。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、
さらに、植物が定植された培養土に空気を供給する空気供給手段を備え、
前記制御手段は、前記温度変化率が、前記所定値よりも小なる値である設定基準値以下であることを条件として、前記培養土に空気を供給するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
上記第3の発明によれば、上記第1または第2の発明の効果に加え、植物Pの吸水が遅い場合には、培養土に空気を供給して、培養土を乾燥させ、根腐れを好適に防止できる。
【0012】
本発明によれば、植物の水分吸収状況を踏まえた潅水を可能とする栽培装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の好ましい第1実施形態に係る栽培装置の概略構成図である。
図2図2は、第1実施形態の制御手段の制御ブロック図である。
図3図3は、第1実施形態の栽培装置1の潅水制御に係る動作例を示すフローチャートである。
図4図4は、潅水後における時間経過に応じた温度検知手段による検知温度の温度変化を示す説明図である。
図5図5(a)は、通常のカメラで培養土を撮影した場合のイメージ図であり、図5(b)は、本発明に係る撮影装置で培養土を撮影した場合のイメージ図である。
図6図6は、第2実施形態に係る栽培装置の概略構成図である。
図7図7は、第2実施形態に係る制御手段の制御ブロック図である。
図8図8は、第2実施形態の栽培装置の潅水制御に係る動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、第3実施形態に係る栽培装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
<1-1.基本構成>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の好ましい第1実施形態に係る栽培装置1の概略構成図である。
図1に示されるように、栽培装置1は、基本構成として、植物P(例えば、トマトなど)が定植された培養土11に、水を供給する水供給手段Dと、培養土11の温度を検出する温度検出手段Sと、前記水供給手段Dを制御する制御手段Cと、を備えている。なお、本実施形態において、培養土11は、栽培容器12に収容されており、この栽培容器12は、赤外線を透過しやすい素材で形成されることが好ましい。
【0015】
温度検出手段Sは、培養土11の温度情報を非接触で取得可能な撮影装置である赤外線サーモグラフィカメラであり、培養土11を撮影して画像データである温度情報を取得し、取得した温度情報を、後述の制御手段Cに無線通信を用いてリアルタイムで送信するよう構成されている。
【0016】
水供給手段Dは、図1に示されるように、水を供給する水供給源(貯水タンク)d1と、該水供源d1と配管接続された供給路d2上に配設された電磁弁Bと、該供給路d2に配管接続され、培養土11中に埋設されて水を供給可能に構成された水供給パイプd3とを備えている。なお、水供給パイプd3は、所謂ポーラスパイプと呼ばれる多孔質管状体で形成されている。この電磁弁Bの開閉制御により、培養土11中への水の供給状態(潅水)と供給停止状態とが切換えられる。
【0017】
図2は、第1実施形態の制御手段Cの制御ブロック図である。
制御手段Cは、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された情報処理装置である。制御手段Cの入力側には、温度検出手段Sである赤外線サーモグラフィカメラが通信可能に接続されている。また、出力側には、電磁弁Bが接続されている。
【0018】
<1-2.潅水制御>
図3は、第1実施形態の栽培装置1の潅水制御に係る動作例を示すフローチャートである。
制御手段Cは、温度検出手段Sから、リアルタイムで温度情報を取得し、所定の時間間隔(例えば、3分)における培養土11の温度変化率Δtの算出を繰り返し、これを記憶する(ステップS1)。
【0019】
次に、制御手段Cは、電磁弁Bを開制御する条件である供給開始条件を充足するか判定する(ステップS2)。ここで、本実施形態において、供給開始条件は、温度変化率Δtが、所定値以上であることを条件としている。これにより、制御手段Cは、温度変化率Δtが、所定値以上となると、電磁弁Bを開制御し、水供給手段Dによって、培養土11に水の供給を開始する(ステップS3)。
【0020】
水の供給開始後、制御手段Cは、電磁弁Bを閉制御する条件である供給終了条件を充足するか判定する(ステップS4)。ここで、本実施形態において、供給終了条件は、水の供給開始から所定時間の経過(例えば、5分)を条件としている。
【0021】
制御手段Cは、供給終了条件が充足されると、電磁弁Bを閉制御して水の供給を停止し(ステップS5)、ステップS1に戻る。
【0022】
<1-3.技術的意義>
次に、本発明の技術的意義について説明する。
図4は、潅水後における時間経過に応じた温度検知手段による検知温度の温度変化を示す説明図である。図4中において、実線Aおよび二点鎖線Bは、温度検知手段Sによる検知温度の温度変化の一例を示している。このうち実線Aは、植物Pが定植されていない培養土11の温度変化(以下「植物無時温度変化A」という)であり、二点鎖線Bは、植物Pが定植された培養土11の温度変化(以下「植物有時温度変化B」という)である。
【0023】
図4に示されるように、潅水後、植物無時温度変化Aは、時間の経過とともに一定の温度変化率Δt1で温度上昇を続けて、常温に到達する。一方、植物有時温度変化Bは、植物Pが水を吸収することにより、植物無時温度変化Aよりも温度変化率Δt2は、大きくなり、培養土11に水分が行き渡っている状態においては、植物Pが水を吸収する速度が速いほど、温度変化率Δt2は大きくなる。
【0024】
そこで、上記実施形態のように、培養土11の温度変化率Δtが所定値以上であることを条件として、潅水を開始する構成によれば、植物Pが適切に水分を吸収しているタイミングで潅水でき、その結果、植物Pの水分吸収状況を踏まえた潅水が可能となり、水枯れを好適に防止して、植物Pの品質を向上できる。
【0025】
なお、図4においては、水温<常温の場合(例えば、夏場)が示されているが、例えば、水温>常温の場合(例えば、冬場)においても、温度変化率Δt1の大きさを監視することにより、同様に、植物Pが適切に水分を吸収しているタイミングで潅水することができる。
【0026】
図5(a)は、通常のカメラで培養土を撮影した場合のイメージ図であり、図5(b)は、本発明に係る撮影装置(赤外線サーモグラフィカメラ)で培養土を撮影した場合のイメージ図である。図5(a)、図5(b)に示されるように、非接触で培養土11の温度情報を取得可能な赤外線サーモグラフィカメラによって、培養土11の温度情報をリアルタイムで取得する構成によれば、培養土11全体の温度変化を迅速かつ的確に取得でき、水枯れをさらに好適に防止することができる。また、植物Pの病気による吸水の異常を早期に発見することができる。
【0027】
[第2実施形態]
<2-1.基本構成>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態に係る栽培装置1の概略構成図である。
なお、第2実施形態のうち、上記第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
【0028】
第2実施形態に係る栽培装置1は、第1実施形態に係る栽培装置1の基本構成に加え、培養土11に空気を供給する空気供給手段D2を備え、さらに、植物Pの培養土11上には、適宜の箇所に、植物G周囲の照度を測定する照度計S2と、培養土11の水分濃度を検出する水分計S3が配されている。
【0029】
空気供給手段D2は、図1に示されるように、空気を供給する空気供給源(空気貯蔵ボンベ)d21と、該空気供源d21と配管接続された第2供給路d22上に配設された第2電磁弁B2と、第2供給路d22に配管接続され、培養土11中に埋設されて空気を供給可能に構成された空気供給パイプd23とを備えている。なお、この空気供給パイプd23は、所謂ポーラスパイプと呼ばれる多孔質管状体で形成されている。この第2電磁弁B2の開閉制御により、培養土11中への空気の供給状態と供給停止状態とが切換えられる。
【0030】
図6は、第2実施形態に係る制御手段Cの制御ブロック図である。
制御手段Cは、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された情報処理装置である。制御手段Cの入力側には、第1実施形態の構成に加え、照度計S2及び水分計S3から測定値を取得可能に通信接続され、また、出力側には、第2電磁弁B2が接続されている。
【0031】
<2-2.潅水制御>
図7は、第2実施形態の栽培装置1の潅水制御に係る動作例を示すフローチャートである。
【0032】
制御手段Cは、温度変化検出手段Sから、リアルタイムで温度情報を取得し、所定の時間間隔(例えば、1分)における培養土11の温度変化率Δtを算出し、これを記憶する(ステップS201)。
【0033】
次に、制御手段Cは、照度計S2から照度の測定値を取得する(ステップS202)。次に、照度の測定値が所定値以上か判定する(ステップS203)、照度の測定値が所定値以上のとき、ステップS204に進み、所定値よりも小さいときは、ステップS201に戻る。
【0034】
次に、照度の測定値が所定値以上のとき、制御手段Cは、水分計S3から培養土11の水分濃度の測定値を取得する(ステップS204)。続いて、制御手段Cは、水分濃度の測定値が所定値(例えば、30%)以下か判定し(ステップS205)、所定値以下であれば、ステップS206に進み、所定値よりも小さければ、ステップS201に戻る。
【0035】
次に、制御手段Cは、電磁弁Bを開制御する条件である供給開始条件を充足するか判定する(ステップS206)。ここで、本実施形態において、供給開始条件は、温度変化率Δtが、所定値以上であることを条件としている。
【0036】
したがって、制御手段Cは、温度変化率Δtが、所定値以上のとき、電磁弁Bを開制御し、水供給手段Dによって、培養土11に水の供給を開始する(ステップS207)。
【0037】
水の供給開始後、制御手段Cは、電磁弁Bを閉制御する条件である供給終了条件を充足するか判定する(ステップS208)。ここで、本実施形態において、供給終了条件は、水の供給開始から所定時間の経過(例えば、5分)を条件としている。
【0038】
制御手段Cは、供給終了条件が充足されると、電磁弁Bを閉制御して水の供給を停止し(ステップS209)、ステップS201に戻る。
【0039】
一方で、ステップS206において、電磁弁Bを開制御する条件である供給開始条件を充足しないと判定した場合、第2電磁弁B2を開制御する条件である空気供給開始条件を充足するか否か判定する(ステップS211)。ここで、本実施形態において、空気供給開始条件は、温度変化率Δtが、供給開始条件の所定値よりも小なる値である設定基準値以下であることを条件としている。なお、上記設定基準値は予め制御手段Cに設定されて記憶されている。
【0040】
したがって、制御手段Cは、温度変化率Δtが、設定基準値以下のとき、第2電磁弁B2を開制御し、空気供給手段D2によって、培養土11に空気の供給を開始する(ステップS212)。一方、温度変化率Δtが、設定基準値より大きいとき、ステップS201に戻る。
【0041】
空気の供給開始後、制御手段Cは、第2電磁弁B2を閉制御する条件である空気供給終了条件を充足するか判定する(ステップS213)。ここで、本実施形態において、供給終了条件は、空気の供給開始から所定時間の経過(例えば、5分)を条件としている。
【0042】
制御手段Cは、供給終了条件が充足されると、第2電磁弁B2を閉制御し(ステップS214)、ステップS201に戻る。
【0043】
<2-3.技術的意義>
次に、本発明の第2実施形態に係る栽培装置1の技術的意義について説明する。
本発明の第2実施形態における栽培装置1は、照度計S2によって植物Pの周囲の照度を測定し、その照度が所定値より小さいときは、潅水を行わないよう構成されている。さらに、水分計S3によって、培養土11の水分濃度を検出し、水分濃度が所定値より大きいときは潅水を行わないよう構成されている。これらの制御によって、培養土11の過湿状態を抑止し、植物Pの根腐れを防止することができる。
【0044】
また、培養土11の温度変化率Δtが、設定基準値以下であることを条件として、培養土11に空気を供給するように構成されている。これにより、植物Pの吸水が遅い場合には、培養土11に空気を供給して、培養土11を乾燥させ、根腐れをさらに好適に防止できる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、第3実施形態のうち、上記第1実施形態、上記第2実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
【0046】
図8は、第3実施形態に係る栽培装置1の概略構成図である。
第3実施形態における栽培装置1は、複数の栽培区画(図示例では4つであり、各栽培区画に、順に、A1、A2、A3、A4と付番している。)毎に、それぞれ、植物Pが定植された培養土11と、水を供給する水供給手段Dと、培養土11の温度を検出する温度検出手段Sと、培養土11に空気を供給する空気供給手段D2と、培養土11の水分濃度を検出する水分計S3と、植物G周囲の照度を測定する照度計S2と、培養土11に紫外線を照射するLEDである紫外線照射手段L1と、殺菌用の薬剤を散布する薬剤散布手段L2が配設されている。さらに、温度検出手段Sである赤外線サーモグラフィカメラは、複数の栽培区画A1~A4全体を撮影し、各栽培区画A1、A2、A3、A4の培養土11の温度を取得するように構成されている。
【0047】
制御手段Cは、温度検出手段Sから画像データである温度情報を取得し、各栽培区画A1、A2、A3、A4毎の培養土11の温度を判断し、これらを記憶することが可能に構成されている。さらに、各栽培区画A1、A2、A3、A4に配された水供給手段D、空気供給手段D2を、各栽培区画A1、A2、A3、A4毎にそれぞれ独立して制御可能に構成されている。
【0048】
さらに、制御手段Cは、各栽培区画A1、A2、A3、A4毎にそれぞれ独立して、図7に示される制御を実行するよう構成されている。これにより、例えば、栽培ハウス内に複数の栽培区画を設けて、それぞれの栽培区画で植物Pを栽培する場合においても、植物の水分吸収状況を踏まえた潅水が可能となり、各培養土11の過湿状態を抑止し、植物Pの根腐れを防止することができる。
【0049】
さらに、制御手段Cは、温度検出手段Sによって、異常な温度変化が検出された栽培区画A1~A4に対し、紫外線照射手段L1によって、紫外線を照射し、殺虫を行うよう構成されている。加えて、薬剤散布手段L2によって、殺菌用の薬剤を散布するよう構成されている。これにより、異常が発生した栽培区画A1~A4の植物Pの生育環境を改善することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 栽培装置
11 培養土
12 栽培容器
B 電磁弁
B2 第2電磁弁
C 制御手段
D 水供給手段
d1 水供給源
d2 供給路
d3 水供給パイプ
D2 空気供給手段
d21 空気供給源
d22 第2供給路
d23 空気供給パイプ
S 温度検出手段
S2 照度計
S3 水分計
L1 紫外線照射手段
L2 薬剤散布手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9