(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068455
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】栽培施設
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20220427BHJP
A01G 9/24 20060101ALI20220427BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20220427BHJP
【FI】
A01G7/00 601
A01G9/24 A
A01G31/00 612
A01G31/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177136
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】514231295
【氏名又は名称】株式会社テヌート
(71)【出願人】
【識別番号】513144453
【氏名又は名称】藤原 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】藤原 慶太
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
2B314
【Fターム(参考)】
2B022DA11
2B022DA15
2B022DA20
2B029MA06
2B029MA07
2B029SF08
2B314MA39
2B314MA42
2B314MA51
2B314NA01
2B314NA32
2B314PA04
2B314PA15
2B314PB18
2B314PB20
2B314PD36
2B314PD41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各栽培ベッドに気体等の各種資源を均等に供給できる栽培施設を提供する。
【解決手段】複数の栽培ベッドAと、前記複数の栽培ベッドAにそれぞれ配設され、前記栽培ベッドAに各種資源を供給する複数の資源供給パイプa4、a5と、前記複数の資源供給パイプa4、a5に各種資源を供給する資源供給源Tと、前記資源供給源Tと前記複数の資源供給パイプa4、a5との間に、前記資源供給パイプa4、a5毎にそれぞれ、制御装置Cによって開閉制御される電磁弁が介設された栽培施設。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の栽培ベッドと、
前記複数の栽培ベッドにそれぞれ配設され、前記栽培ベッドに各種資源を供給する複数の資源供給パイプと、
前記複数の資源供給パイプに各種資源を供給する資源供給源と、
前記資源供給源と前記複数の資源供給パイプとの間に、前記資源供給パイプ毎にそれぞれ、制御装置によって開閉制御される電磁弁が介設されたことを特徴とする栽培施設。
【請求項2】
前記制御装置は、前記複数の栽培ベッドのうち各種資源の供給対象となる一つの前記栽培ベッドを決定し、前記複数の栽培ベッドに順番に各種資源を供給するよう前記電磁弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の栽培施設。
【請求項3】
前記複数の栽培ベッド上を移動可能な移動手段を備えたセンサユニットを備え、
前記センサユニットが測定した測定値に応じて、前記制御装置が前記各種資源の供給時間を決定すること特徴とする請求項2に記載の栽培施設。
【請求項4】
前記制御装置は、前記複数の栽培ベッドのうち各種資源の供給対象となる一つの前記栽培ベッドを決定すると、
決定された栽培ベッド上に、前記センサユニットを前記移動手段により移動させ、
前記センサユニットが測定した二酸化炭素濃度の測定値の情報を取得し、
取得した二酸化炭素の測定値の情報から、前記決定された栽培ベッドへの二酸化炭素の供給時間を決定することを特徴とする請求項3に記載の栽培施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を栽培する栽培施設に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の栽培ベッドのそれぞれに配された気体供給用の枝ダクトから、植物に温風や二酸化炭素等の気体を送り込む気体送出装置を備えた栽培施設が開示されている。
【0003】
上記気体送出装置は、各栽培ベッド上を延びる枝ダクトのそれぞれが、主ダクトと連結されており、温風機によって主ダクトへと気体を送出する。これにより、送出された気体が、それぞれの枝ダクトに設けられた小穴から吹き出されて、各栽培ベッドに供給される仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記気体送出装置の構成によれば、温風機から離れた枝ダクトほど気体の流量が低下し、各栽培ベッドに供給される気体の量に斑が生じる問題が存在する。その結果、例えば、枝ダクトから二酸化炭素等の植物生育促進用の気体を供給する場合、植物の生育に斑が生じ、品質にバラツキが生じる原因となる。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解消し、各栽培ベッドに気体等の各種資源を均等に供給できる栽培施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
複数の栽培ベッドと、
前記複数の栽培ベッドにそれぞれ配設され、前記栽培ベッドに各種資源を供給する複数の資源供給パイプと、
前記複数の資源供給パイプに各種資源を供給する資源供給源と、
前記資源供給源と前記複数の資源供給パイプとの間に、前記資源供給パイプ毎にそれぞれ、制御装置によって開閉制御される電磁弁が介設されたことを特徴とする栽培施設を提供する。
【0008】
上記第1の発明によれば、前記資源供給パイプ毎にそれぞれ設けられた電磁弁の開閉制御によって、各栽培ベッドへの各種資源の供給量を均一化することができる。これにより、各栽培ベッドに供給される各種資源の量に斑が生じる問題が解消される。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、
前記制御装置は、前記複数の栽培ベッドのうち各種資源の供給対象となる一つの前記栽培ベッドを決定し、前記複数の栽培ベッドに順番に各種資源を供給するよう前記電磁弁を制御することを特徴とする。
【0010】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、各栽培ベッドに順番に各種資源を供給するよう制御されることにより、各栽培ベッドに供給される各種資源の量を、さらに良好に均一化できる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明の構成に加え、
前記複数の栽培ベッド上を移動可能な移動手段を備えたセンサユニットを備え、
前記センサユニットが測定した測定値に応じて、前記制御装置が前記各種資源の供給時間を決定すること特徴とする。
【0012】
上記第3の発明によれば、上記第2の発明の効果に加え、各栽培ベッドにセンサユニットをそれぞれ設ける場合と比べ、設備コストを大幅に削減できる。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明の構成に加え、
前記制御装置は、前記複数の栽培ベッドのうち各種資源の供給対象となる一つの前記栽培ベッドを決定すると、
決定された栽培ベッド上に、前記センサユニットを前記移動手段により移動させ、
前記センサユニットが測定した二酸化炭素濃度の測定値の情報を取得し、
取得した二酸化炭素の測定値の情報から、前記決定された栽培ベッドへの二酸化炭素の供給時間を決定することを特徴とする。
【0014】
上記第4の発明によれば、上記第3の発明の効果に加え、
二酸化炭素を効率的に各栽培ベッドに供給して、植物の生育を促進できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各栽培ベッドに気体等の資源を均等に供給できる栽培施設を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る栽培施設1の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図1の制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<1.全体構成>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る栽培施設1の概略斜視図である。
図1に示されるように、栽培施設1は、鉄骨等の骨組みで組み立てられたプラスチックハウスHの内部空間に、所定方向を長手とする略長方形の領域を有する栽培ベッドA(A1~A4)が並列配設されており、栽培ベッドAの間は、栽培対象である植物Tの自動収穫装置や作業者が通る通路Rが形成されている。なお、植物Gは、例えば、トマト等の農作物である。
【0018】
<2.栽培ベッドの構成>
図2は、
図1の栽培ベッドA周辺の概略縦断面図である。
栽培ベッドAは、
図2に示されるように、高設ベンチa1に培地a2を収容した栽培容器a3が載置固定され、さらに、培地a2の地中を貫通するように埋設された地中供給パイプa4と、培地a2の地上に配設された地上供給パイプa5とを備えて構成されている。なお、以下では、栽培ベッドAが4列である場合について説明するが、本発明の実施形態は、これに限定されない。
【0019】
この地中供給パイプa4及び地上供給パイプa5は、植物Gへ生育用の各種資源を供給する資源供給パイプとして機能するものであり、所謂ポーラスパイプと呼ばれる多孔質管状体で形成されている。
【0020】
また、地中供給パイプa4及び地上供給パイプa5は、栽培ベッドAの長手方向に沿って延びるように設けられており、管内を通過する水等の液体や、二酸化炭素等の気体を管外に放出して栽培ベッドAの全域に供給可能となっている。
【0021】
さらに、各栽培ベッドA(A1~A4)上を跨ぐように横架されたフレームFが設けられており、該フレームF上には、ピニオンラック機構PGにより、該フレームFに敷設されたレールpg1に沿って移動可能に構成されたスライダpg2が設けられており、該スライダpg2にセンサユニットSが載置固定されている。
【0022】
<3.供給手段の構成>
図3は、栽培施設1内の模式的平面図である。
図3に示されるように、各種資源を供給する資源供給源Tとして、主供給管a6に、水を供給する水供給源T1、液肥を供給する液肥供給源T2、抗体菌を供給する抗体菌供給源T3、炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給源T4、空気を供給する空気供給源T5、酸素を供給する酸素供給源T6が、制御装置Cによって開閉制御可能な電磁弁B(B1~B6)を介して、主供給管a6と配管接続されている。
【0023】
主供給管a6は、電磁弁B7,B8を介して、第1供給管a7及び第2供給管a8にそれぞれ配管接続されている。この第1供給管a7及び第2供給管a8には、双方向から栽培ベッドA(A1~A4)へと気体や液体が供給できるよう、複数の地上供給パイプa5と複数の地中供給管a4の両側が配管接続されており、複数の地上供給パイプa5と複数の地中供給管a4の両側には、それぞれ、電磁弁B(B9~B24)が介設されている。これにより、圧力損失などや流量不足にならないように双方向から地上供給パイプa5及び地中供給管a4に気体や液体が供給できる。
【0024】
このような構成によって、栽培施設1は、制御装置Cによる電磁弁B(B1~B24)の開閉制御により、各栽培ベッドA(A1~A4)に、地中供給パイプa4及び/または地上供給パイプa5から、水、液肥、抗体菌、炭酸ガス、空気、酸素のいずれかを、適宜のタイミングで供給することが可能となっている。その結果、栽培施設1は、各栽培ベッドA(A1~A4)のうち特定の1列を選択して、地中供給パイプa4及び/または地上供給パイプa5から、水、液肥、抗体菌、炭酸ガス、空気、酸素のいずれかを供給することが可能となっている。
【0025】
例えば、
図3における左から1列目の栽培ベッドA1に、液体である水、液肥、抗体菌のいずれかを供給するとき、制御装置Cは、電磁弁B1、電磁弁B2、または電磁弁B3を開制御し、さらに、電磁弁B7,B8,B11,B12を開制御し、その他の電磁弁Bを閉制御する。これにより、左から1列目の栽培ベッドA1の地中供給パイプa4から、水、液肥、抗体菌のいずれかが供給される。
【0026】
また、例えば、左から2列目の栽培ベッドA2に気体である炭酸ガス、空気、酸素のいずれかを供給するとき、制御装置Cは、電磁弁B4、電磁弁B5、または電磁弁B6を開制御し、さらに、電磁弁B7,B8,B15,B16を開制御し、その他の電磁弁Bを閉制御する。これにより、左から2列目の栽培ベッドA2の地中供給パイプa4から、炭酸ガス、空気、酸素のいずれかが供給される。
【0027】
また、左から2列目の栽培ベッドA2に気体である炭酸ガス、空気、酸素のいずれかを供給するとき、制御装置Cは、上記制御に代え、電磁弁B4、電磁弁B5、または電磁弁B6を開制御し、さらに、電磁弁B7,B8,B15,B16を開制御し、その他の電磁弁Bを閉制御してもよい。これにより、左から2列目の栽培ベッドA2の地上供給パイプから、炭酸ガス、空気、酸素のいずれかが供給される。
【0028】
また、左から2列目の栽培ベッドA2に気体である炭酸ガス、空気、酸素のいずれかを供給するとき、制御装置Cは、上記制御に代え、電磁弁B4、電磁弁B5、または電磁弁B6を開制御し、さらに、電磁弁B7,B8,B13,B14,B15,B16を開制御し、その他の電磁弁Bを閉制御してもよい。これにより、左から2列目の栽培ベッドA2の地中供給パイプa4及び地上供給パイプa5から、炭酸ガス、空気、酸素のいずれかが供給される。
【0029】
<4.制御装置の構成>
図4は、制御装置Cの制御ブロック図である。
制御装置Cは、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された情報処理装置である。制御装置Cの入力側には、センサユニットS、計時部C1が接続されている。また、出力側には、電磁弁B(B1~B16)、ピニオンラック機構PGが接続されている。
【0030】
センサユニットSは、栽培施設1内の温度や湿度、照度、二酸化炭素濃度等の植物Gの生育に関連する環境を数値として測定するための複数のセンサを備えた測定センサ群であって、各測定値の情報を制御装置Cへ送信するよう構成されている。
【0031】
計時部C1は、特定時点からの経過時間の計測等を行う電子装置であり、計測結果を制御装置Cへ送信するよう構成されている。なお、計時部C1は、現在の時刻を計時する時計機能及び現在の月日を特定するカレンダー機能を備えていてもよい。
【0032】
電磁弁Bは、電気的に制御可能なアクチュエータやボールバルブ等の機構を備え、各ポートの連通・遮断を切換え可能となっている。
【0033】
ピニオンラック機構PGは、図示しない電動モータを備え、この電動モータが制御装置Cと電気的に接続されて正逆回転制御可能に構成されている。この電子モータの回転により、栽培ベッドA上方に横架されたフレームF上に敷設されたレールpg1をスライダpgが移動可能となっており、その結果、該スライダpgに載置固定されたセンサユニットSが各栽培ベッドA(A1~A4)上に移動可能となっている。このようにして、制御装置Cは、センサユニットSの位置を制御可能となっている。
【0034】
<5.制御装置による制御方法>
図5は、制御装置Cの動作例を示すフローチャートである。
図5においては、各栽培ベッドAに1列ずつ順番に炭酸ガスを供給する際の動作例が示されている。なお、図示例において、供給対象となっている栽培ベッドAをN列目、栽培ベッドAの総数をM列とする。
【0035】
制御装置Cは、変数Nに1をセットし、炭酸ガスの供給対象となる栽培ベッドAを1列目に決定する(ステップS1)。
【0036】
制御装置Cは、ピニオンラック機構PGを制御し、N列目の栽培ベッドA上にセンサユニットSを移動させる。そして、センサユニットSによって、N列目の植物G近傍の二酸化炭素濃度を測定し、測定された測定値の情報を取得する(ステップS2)。
【0037】
制御装置Cは、取得した測定値の情報を参照し、二酸化炭素濃度が基準値以下であるか否かを判定し、基準値以下である場合、二酸化炭素が不足していると判断されるため、N列目の栽培ベッドAと地中供給パイプa4及び/または地上供給パイプa5の電磁弁B、その他の必要な電磁弁Bを開制御して、N列目の栽培ベッドAに炭酸ガスを供給する(ステップS3でYES)。
【0038】
次に、制御装置Cは、計時部C1により時間をカウントし、所定時間が経過するまで、N列目の栽培ベッドAへの炭酸ガスの供給を継続する(ステップS5)。この所定時間は、予め制御装置に設定されているが、センサユニットSによって測定された日射量に応じて増減するよう構成されてもよい。例えば、日射量が所定値以上の場合に、所定時間を5分から3分に短縮するように構成されてもよい。これにより、栽培ベッドAに効率よく炭酸ガスを供給できる。
【0039】
続いて、制御装置Cは、所定時間が経過すると、必要な電磁弁Bを制御し、N列目の栽培ベッドAへの炭酸ガスの供給を停止する。そして、一連の処理を終了する処理終了条件(例えば、日没時間の経過など)を満たすか判定する(ステップS1)。
【0040】
処理終了条件を満たす場合、一連の処理を終了し(ステップS6でYES)、満たさない場合、変数Nを1増加し、次の列の栽培ベッドAを炭酸ガスの供給対象として(ステップS7)、ステップS2に戻る。なお、このとき、変数Nの値がMより大きくなると、最終列の栽培ベッドA4が二酸化炭素の供給対象となっていたと判断されるため、ステップ2ではなくステップS1に戻り、変数Nに再び1をセットして初期化する(ステップS8)。
【0041】
図6は、制御装置Cの動作例を示すフローチャートである。
図6においては、各栽培ベッドAに1列ずつ順番に水を供給する際の動作例が示されている。
【0042】
制御装置Cは、変数Nに1をセットし、炭酸ガスの供給対象となる栽培ベッドAを1列目に決定する(ステップS21)。
【0043】
制御装置Cは、ピニオンラック機構PGを制御し、N列目の栽培ベッドA上にセンサユニットSを移動させる。そして、センサユニットSによって、N列目の植物G近傍の沿う度を測定し、測定された測定値の情報を取得する(ステップS22)。
【0044】
制御装置Cは、取得した測定値の情報を参照し、測定値に応じて水を供給する供給時間(例えば、3~5分)を設定する(ステップS23)。
【0045】
次に、制御装置Cは、N列目の栽培ベッドAと地中供給パイプa4の電磁弁B、その他の必要な電磁弁Bを開制御して、N列目の栽培ベッドAに水を供給する(ステップS24)。
【0046】
続いて、制御装置Cは、計時部C1により時間をカウントし、設定された供給時間が経過するまで、N列目の栽培ベッドAへ水の供給を継続する(ステップS25)。これにより、栽培ベッドAに効率よく水を供給できる。
【0047】
続いて、制御装置Cは、設定時間が経過すると、必要な電磁弁Bを制御し、N列目の栽培ベッドAへの水の供給を停止する。そして、一連の処理を終了する処理終了条件(例えば、日没時間の経過など)を満たすか判定する(ステップS26)。
【0048】
供給終了条件を満たす場合、一連の処理を終了し(ステップS26でYES)、満たさない場合、変数Nを1増加し、次の列の栽培ベッドAを水の供給対象として(ステップS27)、ステップS22に戻る。なお、このとき、変数Nの値がMより大きくなると、最終列の栽培ベッドA4が二酸化炭素の供給対象となっていたと判断されるため、ステップ22ではなくステップS21に戻り、変数Nに再び1をセットして初期化する(ステップS8)。
【0049】
<7.技術的意義>
上記実施形態によれば、前記資源供給パイプa4,a5毎にそれぞれ設けられた電磁弁Bの開閉制御によって、各栽培ベッドAへの各種資源の供給量を均一化することができる。これにより、各栽培ベッドAに供給される各種資源の量に斑が生じる問題が解消される
【0050】
また、制御装置Cは、各栽培ベッドAに1列ずつ順番に各種資源を供給するよう制御するため、さらに良好に、各栽培ベッドAに各種資源を均等に供給できる。同時に、これらの資源の消費量を抑え、効率よく供給することができる。
【0051】
また、ピニオンラック機構PGを制御し、N列目の栽培ベッドA上にセンサユニットSを移動させるによう構成されたため、各栽培ベッドAにセンサユニットSをそれぞれ設ける場合と比べ、設備コストを大幅に削減できる。
【0052】
<8.変形例>
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0053】
例えば、
図5のフローチャートにおいては、制御装置Cによって、炭酸ガスを供給する動作例を示したが、これに限定されず、ステップS2、ステップS3において、センサユニットSによって測定される各種測定値を参照し、その測定値に基づいて、ステップS4、ステップS5において、電磁弁Bを開閉制御して、水、液肥、抗体菌、空気、酸素を最適なタイミングで供給するように構成されてもよい。
【0054】
また、
図1、
図4において、ピニオンラック機構PGにより、センサユニットSが各栽培ベッドA上を移動可能とした構成を示したが、これに加えて、電動アクチュエータ等の移動機構の追加により、センサユニットSを各栽培ベッドAの長手方向に沿って所定範囲で移動可能としてもよい。これにより、各栽培ベッドAにおいて広範囲な測定が可能となり、より細かい制御が可能となる。
【0055】
<8.変形例>
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上記に説明した実施形態等に限定されるものではない。したがって、本発明の要旨の範囲内において、実施形態は、種々の変形又は変更が可能である。
例えば、
図5において、栽培ベッドA1~A4に1列ずつ順番に二酸化炭素濃度を取得して炭酸ガスを供給する構成を示したが、N列目の栽培ベッドの二酸化炭素濃度が十分に大きいときは、1列飛ばしてN+2列目の栽培ベッドについて、炭酸ガス供給の処理を行うこともできる。
【符号の説明】
【0056】
1 栽培施設
A 栽培ベッド
a1 高設ベンチ
a2 培地
a3 栽培容器
a4 地中供給パイプ
a5 地上供給パイプ
a6 主供給管
a7 第1供給管
a8 第2供給管
C 制御装置
C1 計時部
B 電磁弁
H プラスチックハウス
PG ピニオンラック機構
T1 水供給源
T2 液肥供給源
T3 抗体菌供給源
T4 炭酸ガス供給源
T5 空気供給源
T6 酸素供給源