(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068524
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220427BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220427BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20220427BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220427BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20220427BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20220427BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 301D
H02J50/10
B64C27/08
B64C39/02
B64D27/24
B64F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177262
(22)【出願日】2020-10-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、人工知能技術適用によるスマート社会の実現/生産性分野委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】514108263
【氏名又は名称】株式会社ファームシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 由久
(72)【発明者】
【氏名】北島 正裕
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】無人飛行体に容易に充電できる充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置は、無人飛行体に対して充電を行う充電器と、無人飛行体を、充電器に案内するガイド部とを有する。ガイド部は、充電器の周囲を囲む壁部を有し、ガイド部は、充電器の周囲を囲む壁部を有し、壁部は斜面を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体に対して充電を行う充電器と、
前記無人飛行体を、前記充電器に案内するガイド部とを有し、
前記ガイド部は、前記充電器の周囲を囲む壁部を有し、前記壁部は斜面を有する、充電装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記充電器の周囲を囲む壁部を有し、前記壁部により前記充電器に対向する開口部が形成され、前記開口部の面積は、前記充電器に向かうにつれて小さくなる、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記充電器の表面に対して垂直な方向における形状が、円または多角形である、請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記壁部は、平面または曲面で構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記充電器の周囲の一部に壁部が設けられており、前記壁部は斜面を有する、請求項1に記載の充電装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記充電器の周囲の一部に壁部が設けられており、前記壁部は前記充電器を取り囲む方向において、間隔をあけて配置されている、請求項1に記載の充電装置。
【請求項7】
前記壁部は、平面または曲面で構成されている、請求項5または6に記載の充電装置。
【請求項8】
前記充電器は充電電極を有し、前記充電電極が前記無人飛行体の接続電極と接触した状態で、前記無人飛行体に対して充電を行う、請求項1~7のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項9】
前記充電電極は、複数の電極を有する、請求項8に記載の充電装置。
【請求項10】
前記充電電極は、複数の電極を有し、前記複数の電極は、同心円状に配置されている、請求項8に記載の充電装置。
【請求項11】
前記充電電極は、複数の電極を有し、前記複数の電極は、互いに独立して、直線上に並んで配置されている、請求項8に記載の充電装置。
【請求項12】
前記充電器は、前記無人飛行体に対して非接触方式で充電を行う、請求項1~7のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項13】
前記ガイド部は、前記充電器の表面に対して垂直な方向における高さが、前記無人飛行体が前記充電器に着陸したときの高さよりも高い、請求項1~12のいずれか1項に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人飛行体に対して充電する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無人飛行体、いわゆる、ドローンは、農業、および工業等の各種の分野において、様々な用途で用いられている。
無人飛行体は、飛行等の動作後に、例えば、充電装置にセットすることにより、充電装置から内部のバッテリーに充電される。特に、充電装置は、無人飛行体が着陸した後、充電を直ちに実施できれば、無人飛行体の再動作が簡単に行えるようになる。しかし、無人飛行体は、風等の外乱の影響、通信精度の低下、および操作ミス等の要因により着陸精度が低くなることがあり、充電装置の充電可能範囲に確実に着陸できるとは限らない。そこで、例えば、特許文献1の充電装置が提案されている。
特許文献1の充電装置は、無人飛行体に対して充電を行う充電器と、充電器に隣接する位置に配置され、かつ充電器に向かう第1方向に無人飛行体を移動させる第1コンベア部と、第1コンベア部に隣接する位置に配置され、かつ第1方向に直交する第2方向に無人飛行体を移動させる第2コンベア部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1の充電装置では、無人飛行体に対して充電を行うために第1コンベア部または第2コンベア部に、無人飛行体を着陸させる必要がある。このため、高い着陸精度が要求され、充電を容易に行うことができない。
また、特許文献1の充電装置では、第1コンベア部および第2コンベア部を設けることにより、着陸面積が大きくなる。この場合、着陸精度が低くても、着陸でき充電可能になるが、充電装置が大型する。このため、充電装置が設置できる場所が制限され、無人飛行体に容易に充電できない。
本発明の目的は、無人飛行体に容易に充電できる充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明の一態様は、無人飛行体に対して充電を行う充電器と、無人飛行体を、充電器に案内するガイド部とを有し、ガイド部は、充電器の周囲を囲む壁部を有し、壁部は斜面を有する、充電装置を提供するものである。
また、ガイド部は、充電器の周囲を囲む壁部を有し、壁部により充電器に対向する開口部が形成され、開口部の面積は、充電器に向かうにつれて小さくなることが好ましい。
また、開口部は、充電器の表面に対して垂直な方向における形状が、円または多角形であることが好ましい。
また、壁部は、平面または曲面で構成されていることが好ましい。
【0006】
また、ガイド部は、充電器の周囲の一部に壁部が設けられており、壁部は斜面を有することが好ましい。
また、ガイド部は、充電器の周囲の一部に壁部が設けられており、壁部は充電器を取り囲む方向において、間隔をあけて配置されていることが好ましい。
壁部は、平面または曲面で構成されていることが好ましい。
【0007】
例えば、充電器は充電電極を有し、充電電極が無人飛行体の接続電極と接触した状態で、無人飛行体に対して充電を行う。
また、充電電極は、複数の電極を有することが好ましい。
また、充電電極は、複数の電極を有し、複数の電極は、同心円状に配置されていることが好ましい。
また、充電電極は、複数の電極を有し、複数の電極は、互いに独立して、直線上に並んで配置されていることが好ましい。
充電器は、無人飛行体に対して非接触方式で充電を行う形態でもよい。
ガイド部は、充電器の表面に対して垂直な方向における高さが、無人飛行体が充電器に着陸したときの高さよりも高いことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無人飛行体に容易に充電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の充電装置の第1の例を示す模式的断面図である。
【
図2】本発明の実施形態の充電装置の第1の例を示す模式的斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第1の例を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第1の例を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第2の例を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第2の例を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第3の例を示す模式的斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第3の例を示す模式的斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第4の例を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第5の例を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第5の例を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第6の例を示す模式図である。
【
図13】本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第6の例を示す模式図である。
【
図14】本発明の実施形態の充電装置の第2の例を示す模式的断面図である。
【
図15】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第1の例を示す模式的斜視図である。
【
図16】(a)は本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第2の例を示す模式的斜視図であり、(b)は本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第2の例を示す模式的断面図である。
【
図17】(a)は本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第3の例を示す模式的斜視図であり、(b)は本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第3の例を示す模式的断面図である。
【
図18】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第4の例を示す模式的斜視図である。
【
図19】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第5の例を示す模式的斜視図である。
【
図20】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第6の例を示す模式的斜視図である。
【
図21】本発明の実施形態の充電装置の第3の例を示す模式的断面図である。
【
図22】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第7の例を示す模式的斜視図である。
【
図23】本発明の実施形態の充電装置の充電器のガイド部の第8の例を示す模式的斜視図である。
【
図24】本発明の実施形態の充電装置の使用例の第1の例を示す模式図である。
【
図25】本発明の実施形態の充電装置の使用例の第2の例を示す模式図である。
【0010】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の栽培装置を詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態及び図示した内容は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
【0011】
[充電装置の第1の例]
図1は本発明の実施形態の充電装置の第1の例を示す模式的断面図であり、
図2は本発明の実施形態の充電装置の第1の例を示す模式的斜視図である。
図1に示す充電装置10は、無人飛行体11に対して充電を行うものである。充電装置10は、無人飛行体11に対して充電を行う充電器12と、無人飛行体11を、充電器12に案内するガイド部14とを有する。
無人飛行体11は、飛行する飛行体であり、内部にバッテリー(図示せず)を有する。無人飛行体11は、バッテリーの電気エネルギーを利用して、プロペラ等の羽根を回転させて推進力を得て飛行する。
無人飛行体11は、遠隔操作により飛行するか、または予め定められた飛行経路を自立的に飛行するものである。
無人飛行体11は、いわゆる、ドローンと呼ばれるものであり、飛行機能を有する。無人飛行体11は、内部にバッテリーを有する構成であれば、その構成は、特に限定されるものではなく、公知のドローンを用いることができ、プロペラの数等は特に限定されるものではない。
【0012】
充電装置10は、充電器12を用いて無人飛行体11に対して充電を行うものであり、充電装置10は、飛行してきた無人飛行体11に対して充電する。
無人飛行体11が充電装置10に向かって飛行し、ガイド部14の開口部14bから進入してガイド部14により充電器12に案内される。無人飛行体11が充電器12上に着陸すると、自動的に無人飛行体11のバッテリーに充電がなされる。充電については、後により詳しく説明する。
なお、充電装置10の充電方式は、特に限定されるものではなく、非接触方式でもよく、電極等を介した接触方式でもよい。
非接触方式の場合、充電器12は、無人飛行体11に対して非接触で充電を行う。
非接触方式としては、電磁誘導(磁界結合)方式、磁界共鳴方式、電波受信方式、電界結合方式、または直流共鳴方式等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、非接触方式としては、超音波または光といった電波以外のエネルギー伝達方式を用いることもできる。なお、長距離伝達できる電波方式等の方法の場合、飛行中に、無人飛行体11に向け電波を追尾照射することで、飛行中も充電することが可能という利点がある。光の場合、充電器としては光源が、被充電部としては無人飛行体11側に太陽電池等の光電変換素子を設けることになる。この方式は、飛行中も、周辺の光を受けて充電できるといった利点がある。
【0013】
接触方式としては、定電流充電方式、定電圧充電方式、フロート充電方式、トリクル充電方式、または定電圧定電流充電(CVCC)方式等が用いられる。
接触方式の場合、後述するように電極を用いて、バッテリーに充電される。接触方式では、非接触方式で必要なコイル等は不要であり、無人飛行体11および充電器12の構成を簡素化できる。充電器12は、充電方式に応じたものを適宜利用することができる。充電器12は、接触方式でも、バッテリーの種類により充電方式が異なる。例えば、鉛蓄電池ではトリクル充電が用いられ、リチウムイオン電池では定電圧定電流充電(CVCC)方式が用いられる。
【0014】
また、充電器12は、無人飛行体11が着陸したことを検知する検知部を有してもよい。検知部としては、無人飛行体11が充電器12に着陸したことを検知できれば、特に限定されるものではなく、近接センサ、リミットスイッチ、エリアセンサ等を用いることができる。また、充電器12により検知を行ってもよい。接触した電極の導通、抵抗値、またはインピーダンスの計測で、無人飛行体11が充電器12に着陸したことの検知が可能である。また、非接触充電方式の場合でも、インピーダンス等の電極間の立体配置によって変動する電磁相互作用を検出することにより、無人飛行体11が充電器12に着陸したことの検知が可能である。
検知部を設けた場合、検知部により無人飛行体11が検知された場合、無人飛行体11への充電を開始する。
【0015】
ガイド部14は、充電のために、無人飛行体11を充電器12に案内するものである。
ここで、案内とは、飛行中の無人飛行体11がガイド部14と、干渉(例えば、接触)することにより、充電器12の表面12aに向けて降下するように、無人飛行体11の移動経路を規制して、無人飛行体11を充電器12の表面12aに導くことである。
ガイド部14は、無人飛行体11を充電器12に案内することができれば、その構成は、特に限定されるものではない。ガイド部14は、例えば、充電器12の周囲を囲む壁部14aを有する。壁部14aは、充電器12の表面12aに対して傾斜する斜面を有する。壁部14aが斜面を有することにより、無人飛行体11を充電器12に移動させやすくなる。
ガイド部14は,壁部14aにより、開口部14bが形成される。例えば、
図2に示すように壁部14aが曲面で構成されており、開口部14bは、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における形状が円形である。ガイド部14は、円錐台形状である。
図1に示すように、開口部14bは充電器12に対向している。開口部14bの面積は、充電器12に向かうにつれて小さくなる。すなわち、開口部14bは、充電器12に向かうにつれて小さくなっており、これにより、無人飛行体11が充電器12に案内されやすくなる。
【0016】
また、ガイド部14は、例えば、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における高さHgが、無人飛行体11が充電器12に着陸したときの高さHdよりも高い。この場合、充電装置10では、無人飛行体11は、ガイド部14内に収納された状態で充電される。充電装置10では、ガイド部14が無人飛行体11を収納できる大きさであることにより、無人飛行体11は、着陸精度が少々低くても充電器12に案内される。
【0017】
壁部14aの充電器12の表面12aに対する傾斜角θの角度は、特に限定されるものではなく、開口部14bの大きさ、または壁部14aの長さ等により適宜決定されるものである。開口部14bを大きくするため、または充電器12に移動させやすくするために、傾斜角θの角度は90°よりも大きいことが好ましい。傾斜角θの角度は、より好ましくは100°以上であり、さらに好ましくは110°以上であり、最も好ましくは120°以上である。
また、傾斜角θの角度が大きすぎると、開口部14bが大きくなり過ぎるため、充電装置10が大型化する。また、傾斜角θの角度が大きすぎると、無人飛行体11が斜面に沿って、重力で充電器12の中心部に移動する効果が弱まる。このため、傾斜角θの角度の上限としては、170°が好ましく、より好ましくは160°、更に好ましくは150°である。
無人飛行体11を充電する際、充電装置10に対して、無人飛行体11をガイド部14の開口部14bから進入させる。無人飛行体11は、充電器12に対して位置がずれても、ガイド部14の壁部14a(斜面)により、無人飛行体11の動きが規制されて、無人飛行体11の着陸位置が限定され、無人飛行体11がひっくり返ることなく充電器12に案内される。これにより、無人飛行体11に容易に充電できる。
【0018】
図3は本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第1の例を示す模式図であり、
図4は本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第1の例を示す模式図である。
充電器12は、無人飛行体11に充電するための充電電極16(
図3参照)を有し、充電電極16は充電器12の表面12aに設けられている。充電電極16が無人飛行体11(
図1参照)の接続電極18(
図4参照)と接触した状態で、無人飛行体11に対して充電を行う。このため、充電するためには、
図3に示す充電電極16と、
図4に示す無人飛行体11の接続電極18と接触させる必要がある。上述のように、ガイド部14により、無人飛行体11がひっくり返ることなく充電器12に案内さるため、無人飛行体11の接続電極18が、充電器12の表面12aを向いた状態で着陸する。すなわち、充電電極16に対向して着陸させることができる。これにより、充電電極16が無人飛行体11の接続電極18と接触した状態で、無人飛行体11に対して充電を行うことができる。
無人飛行体11の接続電極18の位置は、充電器12の充電電極17に接続可能な位置であれば、特に限定されるものではない。接続電極18は、例えば、無人飛行体11が充電器12と接触する位置に設けられる。
なお、電極同士は接触以外に、後述のように電極同士が嵌合してもよく、さらには磁力を用いて電極同士を接触または篏合させてもよい。電極同士は嵌合の方が電気的接続が優れるため、接触よりも好ましい。
【0019】
図3に示す充電電極16は、第1電極16aと、第2電極16bとを有し、第1電極16aは円形状の電極であり、第2電極16bは、輪郭が円形のリング状の電極である。第1電極16aと第2電極16bとは、互いに独立して同心円状に配置されている。第1電極16aと第2電極16bとは、一方がプラス極であり、他方がマイナス極であり、極性が異なる。また、第1電極16aと第2電極16bとは互いに電気的に絶縁状態にある。
図3に示すように、充電電極16を同心円状とすることにより、無人飛行体11の接続電極18が充電器12の表面12aに向いていれば、無人飛行体11を特定の向きではなくても充電が可能であり、無人飛行体11に、高い着陸精度が要求されない。
【0020】
図4に示す無人飛行体11の接続電極18は、充電器12の充電電極16の第1電極16aと接触する電極18aと、第2電極16bと接触する電極18bとを有し、複数の電極を有する。電極18aと電極18bとは、一方がプラス極であり、他方がマイナス極であり、極性が異なる。第1電極16aと電極18aとが同じ極性であり、第2電極16bと電極18bとが同じ極性である。充電器12の第1電極16aと無人飛行体11の電極18aとが接触し、充電器12の第2電極16bと無人飛行体11の電極18bとが接触した状態で、無人飛行体11に対して充電される。充電の際には、無人飛行体11のバッテリーが充電される。充電に際して、充電電極16と接続電極18とが接触した状態で常に充電できるようにしてもよい。また、検知部により、無人飛行体11の着陸が検知された場合に、充電を開始するようにしてもよい。
電極18aおよび電極18bは、例えば、直線上に互いに独立して配置されているが、充電器12の第1電極16aと第2電極16bに接触するように配置されていれば、電極18aおよび電極18bの配置は、特に限定されるものではない。
なお、充電器12が、上述の検知部を有する構成の場合、検知部により無人飛行体11が検知されると、無人飛行体11への充電を開始する。このとき、充電器12の第2電極16bと無人飛行体11の電極18bとが接触した状態にある。
【0021】
充電器12の充電電極16の電極の数は、例えば、無人飛行体11の電極の数と同じであるが、これに限定されるものではない。
図5は本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第2の例を示す模式図であり、
図6は本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第2の例を示す模式図である。
例えば、
図5に示す充電電極16は、充電器12の表面12aに設けられており、スーパー楕円形状の第1電極16cと、輪郭がスーパー楕円のリング状の第2電極16dとを有する。第1電極16cの外側に間隔をあけて第2電極16dが、互いに独立して配置されている。第1電極16cと、第2電極16dとは、一方がプラス極であり、他方がマイナス極であり、極性が異なる。また、第1電極16cと第2電極16dとは互いに電気的に絶縁状態にある。
【0022】
無人飛行体11の接続電極18は、
図6に示すように、電極18cと、2つの電極18dとが設けられている。電極18cと電極18dとは、一方がプラス極であり、他方がマイナス極であり、極性が異なる。第1電極16cと電極18cとが同じ極性であり、第2電極16dと電極18dとが同じ極性である。
充電器12の第1電極16cと無人飛行体11の電極18cとが接触し、充電器12の第2電極16dと、無人飛行体11の2つの電極18dのうち、少なくとも一方とが接触した状態で、無人飛行体11に対して充電される。
なお、電極18cおよび2つの電極18dは、例えば、直線上に互いに独立し、かつ出互いに電気的に絶縁状態で配置されているが、充電器12の第1電極16cと第2電極16dに接触するように配置されていれば、電極18cおよび電極18dの配置は、特に限定されるものではない。
図5に示すように、充電電極16を、スーパー楕円形状とすることにより、無人飛行体11の接続電極18が充電器12の表面12aに向いていれば、無人飛行体11を特定の向きではなくても充電が可能であり、かつ
図3に示す充電電極16よりも無人飛行体11の位置がずれても充電できる。
【0023】
図7は本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第3の例を示す模式的斜視図であり、
図8は本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第3の例を示す模式的斜視図である。なお、
図7および
図8において、
図3および
図4と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
充電器12の充電電極16は、無人飛行体11の接続電極18と嵌合する構成でもよい。
図7に示すように、充電器12の表面12aに凹部12bを形成し、凹部12bの底面12cに充電電極16を設けてもよい。充電電極16は、上述の
図3に示す充電電極16と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
無人飛行体11は取付部11aを有する。取付部11aの先端部11bに接続電極18が設けられている。接続電極18は、上述の
図4に示す接続電極18と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
取付部11aが、
図7に示す充電器12の凹部12bに嵌合することにより、充電器12の第1電極16aと無人飛行体11の電極18aとが接触し、充電器12の第2電極16bと無人飛行体11の電極18bとが接触する。充電器12の充電電極16が無人飛行体11の接続電極18と接触した状態で、無人飛行体11に対して充電される。
なお、
図7に示す充電電極16と、
図8に示す接続電極18とは、逆でもよく、充電電極16が、充電器12の表面12aから突出するものであり、接続電極18が凹部の底面に配置されたものでもよい。
【0025】
また、電極は、極数が、プラスとマイナスの2つに限定されるものではなく、2以上でもよい。例えば、
図9に示す充電電極16のように、第1電極16eと、第2電極16fと、第3電極16gを有してもよい。第1電極16eは円形状の電極であり、第2電極16f、第3電極16gは、輪郭が円形のリング状の電極である。第1電極16eと、第2電極16fと、第3電極16gとは、互いに独立し、かつ電気的に絶縁状態で同心円状に配置されている。電極の形状は、特に限定されるものではなく、上述の
図5に示すスーパー楕円形状でもよく、三角形、四角形、互角形、六角形等の多角形状でもよい。しかしながら、電極の位置合わせの観点から、対称性が高い形状、例えば、円形状が好ましい。
接続電極18の極数は充電電極16と同じである。接続電極18は、図示はしないが、
図9に示す第1電極16eと、第2電極16fと、第3電極16gと接続して充電等を実施する電極を有する。
第1電極16e、第2電極16f、第3電極16gのうち、例えば、2つの電極が充電に用いられ、1つの電極は無人飛行体11に信号を送るための電極に用いられる。
【0026】
電極の極数を多くすることにより、例えば、無人飛行体11の充電時に、充電以外に、特定の信号を送ることができる。例えば、充電に利用される以外の電極を用いて、制御信号を送り、充電中は無人飛行体11をスリーブ状態にするか、または電源をオフにして無人飛行体11の動作を停止させる。充電完了後に、制御信号を送り、無人飛行体11をスリーブ状態から起動させるか、または無人飛行体11の電源をオンにして起動させる。
【0027】
また、
図10は本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第5の例を示す模式図であり、
図11は本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第5の例を示す模式図である。
図12は本発明の実施形態の充電装置の充電器の充電電極の第6の例を示す模式図であり、
図13は本発明の実施形態の無人飛行体の接続電極の第6の例を示す模式図である。
【0028】
充電器12の充電電極16は、
図10に示すように、例えば、3つの電極16h、16i、16jを有する。3つの電極16h、16i、16jは、例えば、外形が円形状であり、かつ充電器12の表面12aに対して凹んでいる。充電電極16の3つの電極16h、16i、16jは、互いに独立して、直線上に並んで配置されている。また、3つの電極16h、16i、16jは、互いに電気的に絶縁状態にある。3つの電極16h、16i、16jのうち、例えば、2つが充電に用いられ、1つは無人飛行体11に、制御信号等の信号を送るための電極に用いられる。
無人飛行体11の接続電極18は
図11に示すように、3つの電極18h、18i、18jを有する。接続電極18の3つの電極18h、18i、18jは、充電電極16と同様に、互いに独立して、直線上に並んで配置されている。また、3つの電極18h、18i、18jは、互いに電気的に絶縁状態にある。
3つの電極18h、18i、18jは、例えば、先端に向かうにつれて細くなるように突出している。これにより、充電電極16の電極16h、16i、16jと、電極18h、18i、18jとの接続が容易になる。また、電極16h、16i、16jは、電極18h、18i、18jよりも大きいことが好ましい。この場合も、充電電極16の電極16h、16i、16jと電極18h、18i、18jとの接続が容易になる。
【0029】
また、充電電極16は
図12に示すように、電極16h、16i、16jを小さくしてもよい。この場合も、3つの電極16h、16i、16jは、互いに独立して、直線上に並んで配置されている。さらには、無人飛行体11の接続電極18の電極18h、18i、18jも
図13に示すように小さい。このように、充電電極16は、複数の電極を有し、複数の電極が互いに独立して、直線上に並んで配置されている構成でもよい。接続電極18についても、充電電極16と同様に、複数の電極を有し、複数の電極が互いに独立して、直線上に並んで配置されている構成でもよい。3つの電極18h、18i、18jは、上述のように先端に向かうにつれて細くなることに限定されるものではなく、円筒状でもよい。
3つの電極16h、16i、16jは、外形が円形状に限定されるものではなく、楕円形状でもよく、三角形、四角形、互角形、六角形等の多角形状でもよい。しかしながら、電極の位置合わせの観点から、対称性が高い形状である円形が好ましい。
3つの電極18h、18i、18jについても、電極16h、16i、16jと同様に、外形は円形状に限定されるものではなく、楕円形状でもよく、三角形、四角形、互角形、六角形等の多角形状でもよい。しかしながら、電極の位置合わせの観点から、対称性が高い形状である円形が好ましい。
【0030】
なお、充電のために、充電電極16と接続電極18とを接触または嵌合させること以外に、さらに磁力を用いて接触または篏合させてもよい。磁力を用いる場合、例えば、充電電極16と接続電極18とのうち、いずれかに電磁石を設ける。無人飛行体11の軽量化の観点から、充電電極16側に電磁石を設け、接続電極18側に電磁石につく磁性部材を設ける。磁力を用いることにより、充電電極16と接続電極18と強固に接続でき、さらに安定して充電できる。
電磁石を用いることにより、充電時に磁力を発生させ、非充電時に磁力を発生させないことができる。このため、単に磁石を用いた場合に比して、充電後、無人飛行体11が飛行する際に、大きな揚力を必要としない。
【0031】
[充電装置の第2の例]
図14は本発明の実施形態の充電装置の第2の例を示す模式的断面図である。なお、
図14において、
図1に示す充電装置10と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図14に示す充電装置10aは、
図1に示す充電装置10に比して、壁部14aの構成が異なり、それ以外の構成は、
図1に示す充電装置10と同様である。
図14に示す充電装置10aは、壁部14aが曲面で構成されている。壁部14aで形成される開口部14bは、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における形状が円形である。ガイド部14は、楕円放物面形状である。
図14に示す充電装置10aにおいても、
図1に示す充電装置10と同様に、ガイド部14は、例えば、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における高さHgが、無人飛行体11(
図1参照)が充電器12に着陸したときの高さHd(
図1参照)よりも高い。充電装置10aでは、無人飛行体11は、ガイド部14内に収納された状態で充電される。
【0032】
なお、ガイド部14は、
図15に示すように壁部14aを、例えば、4つの平面14cで構成してもよい。4つの平面14cは、充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されている。4つの平面14cで形成される開口部14bは、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における形状が四角形状である。しかしながら、充電器12は円筒状であり、表面12aの外形は円形状である。
また、ガイド部14は、
図16(a)に示すように壁部14aを、例えば、3つの平面14dと、1つの平面14eとの合計4つの平面で構成してもよい。平面14eは、充電器12の表面12aに対して垂直に配置され、3つの平面14dは、充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されており、開口部14bは四角形状である。
図16(b)に示すように、充電器12の表面12aに対する平面14dの傾斜角θ
1と平面14eの傾斜角θ
2とは角度が異なる。上述のように平面14eの傾斜角θ
2は90°である。ガイド部14は、充電器12の表面12aに垂直な線(図示せず)に対して左右非対称である。このように、傾斜角の角度を異なる平面を用いて、ガイド部14を構成することができる。
【0033】
ガイド部14は、
図17(a)に示すように壁部14aを、例えば、1つの平面14fと、2つの平面14gと、1つの平面14hとの合計4つの平面で構成してもよい。壁部14aでは、平面14fと平面14hとが対向して配置され、2つの平面14gが対向して配置されている。平面14f、14g、14hは、いずれも充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されており、開口部14bは四角形状である。
図17(b)に示すように、充電器12の表面12aに対する平面14fの傾斜角θ
3と、平面14gの傾斜角θ
4とは角度が異なり、ガイド部14は、充電器12の表面12aに垂直な線(図示せず)に対して左右非対称である。
なお、
図16(a)、(b)および
図17(a)、(b)でも、
図1に示す充電装置10と同様に、ガイド部14は、例えば、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における高さHgが、無人飛行体11(
図1参照)が充電器12に着陸したときの高さHd(
図1参照)よりも高い。無人飛行体11は、ガイド部14内に収納された状態で充電される。
【0034】
ガイド部14は、充電器12の外縁全周に設けたが、無人飛行体11を充電器12に案内できれば、充電器12の外縁全周に設けることに限定されるものではない。例えば、ガイド部14は、充電器12の周囲の一部に壁部14aが設けられており、壁部14aは充電器12を取り囲む方向rにおいて、間隔をあけて配置される構成でもよい。
【0035】
壁部14aとしては、例えば、
図18に示すように、4つの平面20が、隙間21をあけて、充電器12を取り囲む方向rに配置される構成でもよい。4つの平面20は、いずれも充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されている。例えば、4つの平面20の傾斜角θ(
図1参照)は同じである。なお、傾斜角について、
図16または
図17と同様の構成にしてもよい。
また、壁部14aとしては、
図19に示すように、3つの扇型の面20aが、隙間21をあけて、充電器12を取り囲む方向rに配置される構成でもよい。3つの扇型の面20aは、いずれも、弧が同じ曲率半径に曲げられており、かつ充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されている。
【0036】
壁部14aとしては、壁部14aを、
図18に示す平面、または
図19に示す扇型の面20aで構成することに限定されるものではなく、
図20に示すように、複数の線材22を、隙間21をあけて、充電器12を取り囲む方向rに配置される構成でもよい。複数の線材22は、充電器12の表面12aに対して傾斜して配置されている。線材22の配置は、特に限定されるものではなく、開口部14bの形状は、円または多角形とすることができる。また、線材22以外に、壁部14aを構成する部材として、網目部材を用いることもでき、パンチングメタルおよびエクスパンドメタル等の複数の穴があいた部材を用いることもできる。
また、隙間21をあけて、充電器12を取り囲む方向rに配置する構成の場合、隙間21の合計は、充電器12の周囲の半分以下であることが好ましい。これにより、無人飛行体11を安定に、充電器12に案内できる。
また、隙間21は無人飛行体11よりも狭いことが好ましい。これにより、無人飛行体11が充電装置10から外れることなく、充電器12に案内できる。
【0037】
[充電装置の第3の例]
図21は本発明の実施形態の充電装置の第3の例を示す模式的断面図である。なお、
図21において、
図1に示す充電装置10と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
充電装置においては、壁部14aを充電器12の外縁全周にわたり配置した構成に限定されるものではなく、充電器12の周囲の一部に壁部14aが設けられていればよい。例えば、
図21に示す充電装置10bのガイド部14のように充電器12の周囲のうちの一部に、1つの平面23を設ける構成でもよい。
また、
図22に示すガイド部14のように、充電器12の周囲のうち半分に、2つの平面23を側面23b同士を接合して配置してもよい。
また、
図23に示すガイド部14のように、充電器12の周囲のうち半分に、壁部14aを配置してもよい。
【0038】
図21~
図23に示すガイド部14は、充電器12の周囲の一部に壁部14aが設けられている構成であるため、ガイド部14は側方が開いている。このため、無人飛行体11がガイド部14の側方から進入しても、ガイド部14により充電器12に案内され、無人飛行体11に対して充電できる。
図21~
図23に示すガイド部14の構成は、例えば、充電装置の上方に十分なスペースが取れないような環境で好適に利用できる。
また、
図21~
図23に示すガイド部14のように、充電器12の周囲の一部に設ける構成では、ガイド部14を設ける範囲が多いと、無人飛行体11が側方から進入しにくくなる。このため、ガイド部14を設ける範囲の上限としては、充電器12の周囲の2/3が好ましい。
また、
図21~
図23に示すガイド部14においても、上述の線材、網目部材、およびパンチングメタルおよびエクスパンドメタル等の複数の穴があいた部材等を用いて構成することができる。
また、
図21~
図23に示すガイド部14においても、
図1に示す充電装置10と同様に、ガイド部14は、例えば、充電器12の表面12aに対して垂直な方向における高さHgが、無人飛行体11(
図1参照)が充電器12に着陸したときの高さHd(
図1参照)よりも高い。無人飛行体11は、ガイド部14内に収納された状態で充電される。
【0039】
[充電装置の使用例]
図24は本発明の実施形態の充電装置の使用例の第1の例を示す模式図であり、
図25は本発明の実施形態の充電装置の使用例の第2の例を示す模式図である。
図24に示す植物栽培棚30は、地面B(床面)に据え付けられており、複数段の棚32を有する。各棚32に栽培植物33が配置され、各棚32で植物が栽培されている。例えば、植物栽培棚30の最上段に充電装置10が配置される。なお、充電装置10は、地面Bに配置してもよい。
充電装置10への無人飛行体11の誘導方法は、特に限定されるものではなく、遠隔操作でもよく、マーカを用いてもよい。マーカは、特に限定されるものではなく、公知のものが適宜利用可能であり、公知のQRコード(登録商標)等を用いることができる。無人飛行体11はQRコード(登録商標)を撮像し、画像解析することにより、位置情報を取得することができる。これにより、無人飛行体11は、位置情報に基づいて飛行位置を自立的に調整する。他に、無人飛行体11の位置を検知する方法として、光を含む電磁波を利用する方法、およびSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる画像認識を利用した方法を用いることができる。
また、無人飛行体11と充電器12とで、無線または光通信を行って、着陸制御する方法があり、着陸精度が高いものの、高い技術が必要である。これに対して、充電装置10では、斜面を有するガイド部14を設けることにより、無人飛行体11の着陸精度が、少々低くても、容易に、しかも確実に無人飛行体11に充電できる。
【0040】
植物栽培棚30に対して、無人飛行体11の飛行経路が予め設定される。例えば、第1の飛行経路F1では、無人飛行体11を、植物栽培棚30の第1の区画D1に対して、地面Bから垂直な方向に飛行させ、最も上にある棚32に到達した後、地面Bに平行な方向に移動して第2の区画D2に移り、地面Bに向けて下降する。無人飛行体11が最も下にある棚32に達した後、地面Bに平行な方向に飛行させ、第3の区画D3に移り、上昇し、最も上にある棚32に到達させる。第1の飛行経路F1では、無人飛行体11を充電させる場合、例えば、第3の区画D3の最も上にある棚32に到達した後に、充電装置10に移動させる。
【0041】
また、第2の飛行経路F2では、例えば、無人飛行体11を、第1の区画D1から第3の区画D3の最も上にある棚32と平行に飛行させる。次に、無人飛行体11を下降させ、第3の区画D3から第1の区画D1に向けて飛行させ、第1の区画D1の端に到達した後、下降させて、第1の区画D1から第3の区画D3に向けて飛行させ、第3の区画D3の端に到達した後、無人飛行体11を下降させて、第3の区画D3から第1の区画D1に向けて飛行させる。第2の飛行経路F2では、無人飛行体11が第1の区画D1の最も下の棚32に到達した後に、無人飛行体11を、最上段の充電装置10に向けて上昇させる。
【0042】
また、
図25に示すように、複数の植物栽培棚30が地面Bに、間隔34をあけて配置されているケースでは、例えば、植物栽培棚30の最上段に充電装置10を配置する。植物栽培棚30の側面に沿って、第3の飛行経路F
3が設定される。第3の飛行経路F
3では、充電する場合、無人飛行体11を、植物栽培棚30の最上段に配置された充電装置10に移動させる。
充電のタイミングは、飛行時間で規定してもよく、また、バッテリーの残量をモニタリングしておき、バッテリーの残量が所定値以下になった場合に、充電装置に移動して充電するようにしてもよい。
【0043】
無人飛行体11を上述の第1の飛行経路F
1、第2の飛行経路F
2、または第3の飛行経路F
3で飛行させる際、無人飛行体11に撮像装置を取り付け、植物栽培棚30の栽培植物33の画像を取得し、栽培植物33の生育状態の確認に役立てることができる。
図25に示すように、複数の植物栽培棚30がある場合における栽培植物33の生育状態の確認に好適である。
また、無人飛行体11に、温度センサ、湿度センサ、CO
2等のガス濃度センサ、風速センサ、および光量センサ等を設置することにより、第1の飛行経路F
1、第2の飛行経路F
2、または第3の飛行経路F
3における、温度、湿度、CO
2等のガス濃度、風速、および光量の情報を得ることができる。これにより、栽培植物33の生育環境の情報を得ることができ、例えば、植物栽培棚30が配置された、ビニールハウス内、植物工場内の生育環境の情報を得ることができる。
【0044】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の充電装置について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0045】
10、10a、10b 充電装置
11 無人飛行体
11a 取付部
11b 先端部
12 充電器
12a 表面
12b 凹部
12c 底面
14 ガイド部
14a 壁部
14b 開口部
14c、14d、14e、14f、14g、14h 平面
16 充電電極
16a、16c、16e 第1電極
16b、16d、16f 第2電極
16g 第3電極
16h、16i、16j 電極
18 接続電極
18a、18b、18c、18d、18h、18i、18j 電極
20、23 平面
20a 面
21 隙間
22 線材
23b 側面
30 植物栽培棚
32 棚
33 栽培植物
B 地面
D1 第1の区画
D2 第2の区画
D3 第3の区画
F1 第1の飛行経路
F2 第2の飛行経路
F3 第3の飛行経路
Hd、Hg 高さ
θ、θ1、θ2、θ3、θ4 傾斜角