(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068531
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】指補助具及び手袋
(51)【国際特許分類】
A63B 71/14 20060101AFI20220427BHJP
A61F 13/10 20060101ALI20220427BHJP
A41D 13/08 20060101ALI20220427BHJP
A41D 19/015 20060101ALN20220427BHJP
【FI】
A63B71/14
A61F13/10 B
A61F13/10 D
A41D13/08 107
A41D19/015 210A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177270
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】507396161
【氏名又は名称】株式会社TECone
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100221718
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 誠悟
(72)【発明者】
【氏名】上田 秀夫
【テーマコード(参考)】
3B011
3B033
【Fターム(参考)】
3B011AA06
3B011AB11
3B011AC17
3B033AA27
3B033AA29
3B033AB02
3B033AB08
3B033AB10
(57)【要約】
【課題】 軸体を把持する際に安定して該軸体を把持することを目的とする。
【解決手段】 指補助具200は、裏面に、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着する粘着面を備える指補助具200であって、指補助具200の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッド210と、基節部パッド210よりも先端側に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッド220と、基節部パッド210の表面及び中節部パッド220の表面を表側から覆うとともに表面が防滑面に構成されてなる防滑シート230と、防滑シート230の左右端から外方に延出してなり、裏面が粘着面に構成されてなる左片体240及び右片体250と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着する粘着面を備える指補助具であって、
前記指補助具の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、
前記基節部パッドよりも先端側に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、
前記基節部パッドの表面及び前記中節部パッドの表面を表側から覆うとともに表面が防滑面に構成されてなる防滑シートと、
前記防滑シートの左右端から外方に延出してなり、裏面が前記粘着面に構成されてなる左片体及び右片体と、
を備える指補助具。
【請求項2】
手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着することで装着する際に、前記基節部パッドは前記手の指の基節部に配置され、前記中節部パッドは前記手の指の中節部に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の指補助具。
【請求項3】
手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着することで装着する際に、前記基節部パッド及び前記中節部パッドは、手のひらの正面側の面に配置される
ことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の指補助具。
【請求項4】
前記基節部パッド及び前記中節部パッドは、前記基節部パッドの先端縁と前記中節部パッドの基端縁との間に隙間を形成するように離間して配設されてなり、
前記隙間の位置において屈曲可能に構成されてなる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の指補助具。
【請求項5】
前記防滑シートの先端から前記中節部パッドの先端縁よりも先端側へ延出してなり、裏面が粘着面に構成されてなるとともに表面が防滑面に構成されてなる末節部片体を備える
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の指補助具。
【請求項6】
前記中節部パッドの板厚は、前記基節部パッドの板厚よりも薄く形成されてなる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の指補助具。
【請求項7】
前記左片体は、左端縁から右側に向かう切れ目が形成されることで、基端側左片体及び先端側左片体に分割されてなり、
前記右片体は、右端縁から左側に向かう切れ目が形成されることで、基端側右片体及び先端側右片体に分割されてなる
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の指補助具。
【請求項8】
前記左片体及び前記右片体のそれぞれの前記粘着面は、再剥離性を有する粘着剤によって構成されてなる
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の指補助具。
【請求項9】
筒状に形成された指収容部を備える指補助具であって、
前記指収容部の基端部の内周面に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、
前記指収容部の内周面であって前記基節部パッドの先端側の位置に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、を備え、
前記指収容部の外周面が防滑面に構成されてなる
ことを特徴とする指補助具。
【請求項10】
本体部と、前記本体部から外方に突出して設けられてなる筒状の5本の指収容部とを備える手袋であって、
前記指収容部のうち少なくとも一の指収容部の内周面の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、
前記基節部パッドが配設された前記一の指収容部の内周面の中間部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、を備え、
前記一の指収容部の外周面が防滑面に構成されてなる
ことを特徴とする手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのグリップ、テニス若しくはバドミントン等のラケットのグリップ、重量挙げのバーベル、又は釣り竿、その他の軸体を把持する際に使用される指補助具及び手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明として、特許文献1に記載の発明が知られていた。
【0003】
特許文献1には、以下の発明が記載されている。
「指先に巻装するテーピング材であって、当該テーピング材は、裏面に粘着剤層をもち、全体形状が略長方形を呈し、短辺方向に非伸縮性であって長手方向に伸縮可能な布地の繊維構成をもち、左右の短辺略中央部にそれぞれ長手方向に設けた所定寸法の切込部を備え、短辺の寸法を3~5cm、長辺の寸法を8cmを中心として+/-2cmに設定することを特徴とするゴルフ用の防滑テープ。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術は、ゴルフクラブを把持してスイングする際に軸体であるグリップ部を安定して把持することができるものではなかった。すなわち、従来技術による場合は、折り曲げた指と前記グリップ部との間に隙間が生じることがあり、十分にグリップ部を押さえつけて保持することができるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係る指補助具は、裏面に、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着する粘着面を備える指補助具であって、前記指補助具の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、前記基節部パッドよりも先端側に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、前記基節部パッドの表面及び前記中節部パッドの表面を表側から覆うとともに表面が防滑面に構成されてなる防滑シートと、前記防滑シートの左右端から外方に延出してなり、裏面が前記粘着面に構成されてなる左片体及び右片体と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着することで装着する際に、前記基節部パッドは前記手の指の基節部に配置され、前記中節部パッドは前記手の指の中節部に配置されることとしてもよい。
【0008】
また、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着することで装着する際に、前記基節部パッド及び前記中節部パッドは、手のひらの正面側の面に配置されることとしてもよい。
【0009】
前記基節部パッド及び前記中節部パッドは、前記基節部パッドの先端縁と前記中節部パッドの基端縁との間に隙間を形成するように離間して配設されてなり、前記隙間の位置において屈曲可能に構成されてなることとしてもよい。
【0010】
前記防滑シートの先端から前記中節部パッドの先端縁よりも先端側へ延出してなり、裏面が粘着面に構成されてなるとともに表面が防滑面に構成されてなる末節部片体を備えることとしてもよい。
【0011】
前記中節部パッドの板厚は、前記基節部パッドの板厚よりも薄く形成されてなることとしてもよい。
【0012】
前記左片体は、左端縁から右側に向かう切れ目が形成されることで、基端側左片体及び先端側左片体に分割されてなり、前記右片体は、右端縁から左側に向かう切れ目が形成されることで、基端側右片体及び先端側右片体に分割されてなることとしてもよい。
【0013】
前記左片体及び前記右片体のそれぞれの前記粘着面は、再剥離性を有する粘着剤によって構成されてなることとしてもよい。
【0014】
また、本発明に係る他の指補助具は、筒状に形成された指収容部を備える指補助具であって、前記指収容部の基端部の内周面に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、前記指収容部の内周面であって前記基節部パッドの先端側の位置に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、を備え、前記指収容部の外周面が防滑面に構成されてなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る手袋は、本体部と、前記本体部から外方に突出して設けられてなる筒状の5本の指収容部とを備える手袋であって、前記指収容部のうち少なくとも一の指収容部の内周面の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッドと、前記基節部パッドが配設された前記一の指収容部の内周面の中間部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッドと、を備え、前記一の指収容部の外周面が防滑面に構成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る指補助具によれば、軸体を把持する際に安定して該軸体を把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1における指補助具100の表面図である。
【
図2】(a)は、実施形態1における指補助具100のA-A線断面図である。(b)は、実施形態1における指補助具100のB-B線断面図である。
【
図3】(a)は、実施形態1における指補助具100を手袋Gをはめた手指に装着した状態の説明図である。(b)は、実施形態1における指補助具100のC-C線断面図である。
【
図4】実施形態1における指補助具100を素手Hに装着して軸体Sを握った状態の説明図である。
【
図5】実施形態2における指補助具200の表面図である。
【
図6】実施形態2における指補助具200のD-D線断面図である。
【
図7】実施形態3における指補助具300を素手Hに装着した状態の説明図である。
【
図8】実施形態3における指補助具300のE-E線断面図である。
【
図9】実施形態4における手袋400を装着した状態の説明図である。
【
図10】実施形態4における手袋400のF-F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下に示す実施形態は、いずれも本発明を実施する際の実施形態の一例を示すものであり、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の発明に限定されるものではない。
【0019】
(実施形態1)
まず初めに、
図1及び
図2に基づいて、一例としての実施形態1に係る指補助具100の構成を説明する。
図1は指補助具100を表側から見た図であり、
図2は
図1で示されたA-A線及びB-B線における断面図である。
【0020】
実施形態1に係る指補助具100は、裏面に、手の指に対して直接に又は手袋を介して間接に粘着する粘着面141,151を備える指補助具100であって、指補助具100の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッド110と、基節部パッド110よりも先端側に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッド120と、基節部パッド110の表面及び中節部パッド120の表面を表側から覆うとともに表面が防滑面に構成されてなる防滑シート130と、防滑シート130の左右端から外方に延出してなり、裏面が粘着面141,151に構成されてなる左片体140及び右片体150と、を備えることを特徴とする。
なお、実施形態1に係る指補助具100は、全体構成として表面と裏面とを有する一枚の板状体に構成されてなる。説明にあたっては、この板状体の平面中心から見て基節部パッド110が配設されてなる方向を基端側、基端側の反対方向を先端側、基端から先端方向を見た際の右方向を右側、右側の反対方向を左側として便宜上説明する。しかしながら、この方向はあくまで相対的な位置関係を説明するために便宜上実施形態において定義するものであって、本発明の絶対的な位置関係を規定するものではない。
【0021】
基節部パッド110は、表面と裏面とを有する板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる。基節部パッド110は、指補助具100を全体として一枚の板状体と見立てた場合における該板状体の基端部に配設されてなる。
例えば、基節部パッド110は矩形の板状に形成されてなり、厚みを有する柔軟な弾性体によって構成されてなることが好ましい。
基節部パッド110の形状は、板状に形成されてなればよく、矩形の板状、円形の板状、多角形の板状など様々な板状に形成することができる。また、基節部パッド110は弾性体に構成されてなればよく、種々の素材を採用することができる。例えば、基節部パッド110の素材としては、シリコン、ゴム、エラストマー、又はスポンジ等を使用することができる。
【0022】
中節部パッド120は、表面と裏面とを有する板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる。中節部パッド120は、指補助具100を全体として一枚の板状体と見立てた場合において基端部よりも先端側に配設されてなる。
例えば、中節部パッド120は矩形の板状に形成されてなり、柔軟な弾性体によって構成されてなることが好ましい。
中節部パッド120の形状は、板状に形成されてなればよく、矩形の板状、円形の板状、多角形の板状など様々な板状に形成することができる。中節部パッド120の形状は、基節部パッド110の形状と同一の形状としてもよく、基節部パッド110の形状と異なる形状としてもよい。また、中節部パッド120の大きさ、厚みについても基節部パッド110と同一であっても異なるものであってもよい。また、中節部パッド120は弾性体に構成されてなればよく、種々の素材を採用することができる。例えば、中節部パッド120の素材としては、シリコン、ゴム、エラストマー、又はスポンジ等を使用することができる。また、中節部パッド120の素材は、基節部パッド110と同一であっても異なるものであってもよい。
【0023】
防滑シート130は、基節部パッド110の表面及び中節部パッド120の表面を表側から覆う。防滑シート130は、基節部パッド110及び中節部パッド120を覆った際に、基節部パッド110及び中節部パッド120と対向する裏面と裏面の反対面である表面とを有する。防滑シート130の表面は、防滑面に構成されてなる。また、防滑シート130の裏面には基節部パッド110及び中節部パッド120が配設される。
例えば防滑シート130は、表面が対候性合成ゴム、又はナイロン、ポリウレタン、若しくはポリエステル、若しくはこれらの複合素材等によって構成することが好ましい。
防滑シート130は、基節部パッド110の表面及び中節部パッド120の表面を一枚の防滑シート130によって覆ってもよく、複数枚の防滑シート130を組み合わせて使用することで基節部パッド110の表面及び中節部パッド120の表面を覆うこととしてもよい。すなわち、防滑シート130は基節部パッド110の表面及び中節部パッド120の表面を覆うものであればよく、何枚の防滑シート130で覆うかを限定するものではない。防滑シート130の表面は防滑面によって構成されればよく、防滑面としては種々の素材及び構造を採用することができる。例えば、防滑面の構成としては、各種のゴム、ウレタン、若しくはシリコン等の防滑素材層を設ける構成、又は複数の凹凸を表面に形成する構成等種々の構成を採用することができる。
【0024】
左片体140は、防滑シート130の左端から左方向に延出してなり、裏面が粘着面141に構成されてなる。
例えば左片体140は、右片体150とともに指補助具100を指若しくは手袋の指収容部に対して固定するための表面積と粘着力を有することが好ましい。
左片体140は、指補助具100を指若しくは手袋の指収容部に対して固定することができるものであればよい。左片体140は、防滑シート130と異なる部材として防滑シート130の左端に接続されるものであってもよく、防滑シート130の左端が左方向に延び出ることで防滑シート130と一体成型されるものであってもよい。左片体140の粘着面141としては、アクリル系、ゴム系、又はシリコン系等の種々の粘着剤を使用することができる。
【0025】
右片体150は、防滑シート130の右端から右方向に延出してなり、裏面が粘着面151に構成されてなる。
例えば右片体150は、左片体140とともに指補助具100を指若しくは手袋の指収容部に対して固定するための表面積と粘着力を有することが好ましい。
右片体150は、指補助具100を指若しくは手袋の指収容部に対して固定することができるものであればよい。右片体150は、防滑シート130と異なる部材として防滑シート130の右端に接続されるものであってもよく、防滑シート130の右端が右方向に延び出ることで防滑シート130と一体成型されるものであってもよい。右片体150の粘着面151としては、アクリル系、ゴム系、又はシリコン系等の種々の粘着面151を採用することができる。また、右片体150の形状、大きさ、及び粘着面151の構成は、左片体140と同一若しくは対称の構成によることが限定されるものではない。
【0026】
次に、
図3及び
図4に基づいて実施形態1における指補助具100の装着方法を説明する。
図3では手袋をはめた手指に対して指補助具100を装着した状態を、
図4では素手の手指に対して指補助具100を装着して軸体Sを握った状態を表している。
【0027】
図3に示すように、指補助具100は、手袋をはめた手指又は素手の手指の外周に沿って左片体140及び右片体150を粘着することで装着される。装着する際には、基節部パッド110が指の基節部の手のひら側の面に位置するように配設され、中節部パッド120が指の中節部の手のひら側の面に位置するように配設される。なお、指の基節部とは指の第二関節と第三関節とによって画定された領域を、指の中節部とは指の第一関節と第二関節とによって画定された領域をいう。
【0028】
ここで、指補助具100を装着する手指は小指に限定されるものではなく、その他の人さし指、中指、又は薬指に対して装着してもよい。また
図3及び
図4においては左手の小指に指補助具100を装着する例を示したが、装着する手は左手に限定されるものではなく、右手の手指に装着することとしてもよい。
【0029】
また、
図3では指補助具100を、手袋をはめた手の指に装着(手袋の指収容部に粘着といってもよい。)することとしたが、
図4に示すように、素手の手指に直接装着することとしてもよい。
【0030】
次に、
図4に基づいて指補助具100の作用及び効果について説明する。
【0031】
指補助具100は、手指に装着し、任意の軸体Sを把持することができる。この場合、指補助具100は、基節部パッド110及び中節部パッド120がそれぞれ板状の弾性体に構成されてなることにより、基節部パッド110及び中節部パッド120に対して指及び軸体Sから圧力が加わり、基節部パッド110及び中節部パッド120が軸体Sの外周に沿った形状に弾性変形する。この基節部パッド110及び中節部パッド120の弾性変形に伴い、基節部パッド110及び中節部パッド120を覆う防滑シート130が基節部パッド110及び中節部パッド120の表面の形状に沿って変形する。
また、この際には基節部パッド110及び中節部パッド120の復元力が防滑シート130を介して軸体Sに加わるとともに防滑シート130と軸体Sの外周面との間の摩擦力が増強される。
これによって、指補助具100によれば、軸体Sを把持する際に安定して軸体Sを把持することができる。
【0032】
(実施形態2)
次に、
図5及び
図6に基づいて、他の例としての実施形態2に係る指補助具200について説明する。
図5は指補助具200を表側から見た図、
図6は
図5におけるD-D線断面図である。なお、以下では実施形態1と同様の部分については、説明を省略することがある。
【0033】
まず初めに、以下で実施形態2に係る指補助具200の構成を説明する。
指補助具200は、基節部パッド210と、中節部パッド220と、防滑シート230と、左片体240と、右片体250と、末節部片体260とを備える。左片体240は、左片体240の左端縁から表面視右側に向かって切れ目243が形成されることによって、基端側左片体241と先端側左片体242とに分割されてなる。右片体250は、右片体250の右端縁から表面視左側に向かって切れ目253が形成されることによって、基端側右片体251と先端側右片体252とに分割されてなる。また、左片体240、右片体250、及び末節部片体260は、防滑シート230と一体として形成されてなる。
なお、実施形態2において、単に左片体240と記載した場合は、基端側左片体241と先端側左片体242とを区別することなく意味するものとし、単に右片体250と記載した場合は、基端側右片体251と先端側右片体252とを区別することなく意味するものとする。さらに、実施形態2において、単に防滑シート230と記載した場合は、防滑シート230と一体形成された左片体240、右片体250、及び末節部片体260を含むものとする。
【0034】
基節部パッド210は、表面と裏面とを有する矩形の板状に形成されてなる。基節部パッド210の表面及び裏面の広さは、指の基節部の手のひらの正面側の面の面積、又は、把持しようとする軸体の大きさに応じた広さに形成することができる。基節部パッド210は、縦横ともに20mm程度の矩形に形成されてなる。基節部パッド210は、厚さが2mmに形成されてなる。なお、「手のひらの正面側の面」とは、所定の平面に対して手のひらを押し当てたときに、該所定の平面に対向する手のひらの面をいう。したがって、「手のひらの正面側の面」という概念からは手や指の側面が除かれている。
基節部パッド210は、柔軟な弾性体に構成されてなる。基節部パッド210は、柔軟な弾性体であるシリコンにより形成されてなる。
基節部パッド210は、指補助具200を全体として一枚の板状体と見立てた場合における該板状体の基端部に配設されてなる。基節部パッド210は、基節部パッド210の基端縁が指補助具200の基端縁と一致して配設されてなる。
基節部パッド210の裏面(すなわち、装着時に手のひらの正面側の面と対向することとなる面)は、粘着面に構成されてなる。基節部パッド210の粘着面は、再剥離性を有する粘着剤270により構成されてなる。この粘着剤270として、種々の粘着剤を採用することができるが、例えば、再剥離性を有する粘着剤であることが好ましい。
【0035】
中節部パッド220は、表面と裏面とを有する矩形の板状に形成されてなる。中節部パッド220の表面及び裏面の広さは、指の中節部の手のひらの正面側の面の面積、又は、把持しようとする軸体の大きさに応じた広さに形成することができる。中節部パッド220は、縦横ともに20mm程度の矩形に形成されてなる。中節部パッド220は、厚さが基節部パッド210の厚さよりも薄く形成されてなる。中節部パッド220は、厚さが1mmに形成されてなる。
中節部パッド220は、柔軟な弾性体に構成されてなる。中節部パッド220は、基節部パッド210と同一の素材で形成されてなる。中節部パッド220は、シリコンにより形成されてなる。
中節部パッド220は、指補助具200を全体として一枚の板状体と見立てた場合において、基節部パッド210よりも先端側に配設されてなる。基節部パッド210の先端縁と中節部パッド220の基端縁とは、互いに平行に配設されてなる。中節部パッド220は、基節部パッド210の先端縁と中節部パッド220の基端縁との間に隙間を形成するように離間して配設されてなる。中節部パッド220は、基節部パッド210の先端縁と中節部パッド220の基端縁との間の隙間を手指の第二関節に合わせて指補助具200を装着した際に、基節部パッド210若しくは中節部パッド220が指の曲げ伸ばしを阻害しないように互いに離間して配設されてなる。すなわち、中節部パッド220と基節部パッド210とは、装着時において指の第二関節に対応することとなる部分を隔てて離間してなる。基節部パッド210の先端縁と中節部パッド220の基端縁とは、2mm以上離間して配設されてなる。また、それぞれ離間して配設された基節部パッド210及び中節部パッド220の隙間において、指補助具200は屈曲可能とされている。
中節部パッド220の裏面(すなわち、装着時に手のひらの正面側の面と対向することとなる面)は、粘着面に構成されてなる。中節部パッド220の粘着面は、再剥離性を有する粘着剤270により構成されてなる。この粘着剤270として、種々の粘着剤を採用することができるが、例えば、再剥離性を有する粘着剤であることが好ましい。
【0036】
防滑シート230は、基節部パッド210の表面及び中節部パッド220の表面を表側から覆ってなり、表面が防滑面に構成されたシート状体に構成されてなる。防滑シート230は、基節部パッド210及び中節部パッド220を覆うシート本体領域231を備えるとともに、シート本体領域231から左方向に延出してなる左片体240と、シート本体領域231から右方向に延出してなる右片体250と、シート本体領域231から先端方向に延出してなる末節部片体260とを備える。また後述するように、左片体240は切れ目243が形成されることで基端側左片体241及び先端側右片体252に、右片体250は切れ目253が形成されることで基端側右片体251及び先端側右片体252に分割されてなる。これにより、防滑シート230は全体として表面視において土の字状に形成されてなる。
防滑シート230は、左片体240、右片体250、及び末節部片体260、並びにシート本体領域231の表面の全てが防滑面に構成されてなる。防滑シート230の防滑面は、対候性ゴム、又は、ナイロン、ポリウレタン、及びポリエステルの複合素材によって構成される。しかしながら、防滑面の構成はこれに限られるものではなく、種々の防滑素材及び防滑構造を適宜採用することができる。
防滑シート230は、左片体240、右片体250、及び末節部片体260、並びにシート本体領域231の裏面の全てが粘着面に構成されてなる。防滑シート230は、基節部パッド210及び中節部パッド220を覆うシート本体領域231が粘着面に構成されてなることで、シート本体領域231に対して基節部パッド210及び中節部パッド220を固定してなる。すなわち、基節部パッド210の表面及び中節部パッド220の表面は、防滑シート230の裏面に固定されてなる。さらに具体的には、基節部パッド210の表面及び中節部パッド220の表面は、防滑シート230のシート本体領域231の裏面に形成されてなる粘着面と粘着することで、防滑シート230のシート本体領域231に固定されてなる。防滑シート230の粘着面は、再剥離性を有する粘着剤270により構成されてなる。この粘着剤270として、種々の粘着剤を採用することができるが、例えば、再剥離性を有する粘着剤であることが好ましい。
防滑シート230は、基端から先端までの長さが50mm~70mmに形成されてなる。左片体240の左端から右片体250の右端までの長さが50mm~70mmに形成されてなる。防滑シート230の大きさは、手の大きさによって適宜調整することが好ましいため、大きさはこれに限られるものではなく、手の大きさに応じて調節が可能である。また、指補助具200の購入者が自己の指の長さ、太さに応じて調節が可能となるように、防滑シート230を切断可能な素材によって構成してもよい。
【0037】
左片体240は、表面視において防滑シート230のシート本体領域231の左横に配設されてなる。左片体240は、防滑シート230のシート本体領域231の左端から外方へ向かって延出する防滑シート230の一部分として構成されてなる。左片体240は、左片体240の左端縁からシート本体領域231に向かう切れ目243が形成されることにより、基端側左片体241及び先端側左片体242に分割されてなる。左片体240の切れ目243は、防滑シート230の左端縁からシート本体領域231に向かって略三角形状に切り欠かれることによって形成されてなる。左片体240の切れ目243は、指補助具200を指に装着した際に、指の第二関節と沿うこととなる部分に設けられてなる。
基端側左片体241は、表面視において基節部パッド210の左横に配設されてなる。先端側左片体242は、表面視において中節部パッド220の左横に配設されてなる。
左片体240は、表面が防滑面に構成されてなる。左片体240は、裏面が粘着面に構成されてなる。
【0038】
右片体250は、表面視において防滑シート230のシート本体領域231の右横に配設されてなる。右片体250は、防滑シート230のシート本体領域231の右端から外方へ向かって延出する防滑シート230の一部分として構成されてなる。右片体250は、右片体250の右端縁からシート本体領域231に向かう切れ目253が形成されることにより、基端側右片体251及び先端側右片体252に分割されてなる。右片体250の切れ目253は、防滑シート230の右端縁からシート本体領域231に向かって略三角形状に切り欠かれることによって形成されてなる。右片体250の切れ目253は、指補助具200を指に装着した際に、指の第二関節と沿うこととなる部分に設けられてなる。
基端側右片体251は、表面視において基節部パッド210の右横に配設されてなる。先端側右片体252は、表面視において中節部パッド220の右横に配設されてなる。
右片体250は、表面が防滑面に構成されてなる。右片体250は、裏面が粘着面に構成されてなる。
【0039】
末節部片体260は、表面視において防滑シート230のシート本体領域231の先端側に配設されてなる。また、末節部片体260は、表面視において、中節部パッド220の先端縁の先端側に配設されてなる。末節部片体260は、防滑シート230のシート本体領域231の先端から外方に向かって延出する防滑シート230の一部分として構成されてなる。末節部片体260は、シート本体領域231の先端から15mm~30mm程度の長さを有して延出する片体に構成されてなる。
末節部片体260は、厚さが中節部パッド220の厚さよりも薄く形成されてなる。末節部片体260は、例えば厚さが0.5mm以下に形成されてなる。
末節部片体260は、表面が防滑面に構成されてなる。末節部片体260は、裏面が粘着面に構成されてなる。
【0040】
また、防滑シート230、基節部パッド210、及び中節部パッド220のそれぞれの裏面に形成された粘着面は、素手の手指若しくは手袋の指収容部(実施形態2においては図示していない)に指補助具200を固定するために十分な粘着力を有することが好ましい。
【0041】
また、防滑シート230、基節部パッド210、及び中節部パッド220のそれぞれの裏面に形成された粘着面に対しては、剥離紙(図示しない)を粘着させておくことが好ましい。
【0042】
実施形態2に係る指補助具200を手の指に装着する際は、指補助具200は、実施形態1に係る指補助具200と同様に、手袋をはめた手指又は素手の手指の外周に沿って左片体240及び右片体250を粘着することで装着される。なおこの際には、基節部パッド210が指の基節部の手のひら側の面に位置するよう配設し、中節部パッド220が指の中節部の手のひら側の面に位置するよう配設する。
【0043】
実施形態2に係る指補助具200で軸体を把持する場合にあっては、指補助具200は、基節部パッド210及び中節部パッド220がそれぞれ板状の弾性体に構成されてなることにより、基節部パッド210及び中節部パッド220に対して指及び軸体から圧力が加わり、基節部パッド210及び中節部パッド220が軸体の外周に沿った形状に弾性変形する。この基節部パッド210及び中節部パッド220の弾性変形に伴い、基節部パッド210及び中節部パッド220を覆う防滑シート230が基節部パッド210及び中節部パッド220の表面に沿って変形する。
また、この際には基節部パッド210及び中節部パッド220の復元力が防滑シート230を介して軸体に加わるとともに防滑シート230と軸体外周面との間の摩擦力が増強される。
これによって、指補助具200によれば、軸体を把持する際に安定して軸体を把持することができる。
さらに、実施形態2に係る指補助具200にあっては、この効果に加えて、以下で説明する各種効果を得ることができる。
【0044】
実施形態2に係る指補助具200にあっては、左片体240及び右片体250に加えて、末節部片体260の裏面、基節部パッド210の裏面、及び中節部パッド220の裏面にも粘着面が形成されてなる。これにより、装着する際には、末節部片体260の裏面が指の末節部の手のひら側の面に粘着される。さらに、装着する際には、基節部パッド210の裏面が指の基節部の手のひら側の面に粘着される。さらに、装着する際には、中節部パッド220の裏面が指の中節部の手のひら側の面に粘着される。
なお、実施形態2に係る指補助具200にあっては、指補助具200の装着する際に手の指と接触する部分がすべて粘着面に構成されてなる。これにより、指補助具200を、手の指若しくは手袋の指収容部に対して強固に固定することができる。
【0045】
実施形態2に係る指補助具200にあっては、指補助具200に形成された粘着面が、再剥離性を有する粘着剤270によって構成されてなる。
指補助具200は手袋の指収容部に対して装着することができるが、指補助具200の装着手段である粘着面が再剥離性を有する粘着剤270によって構成されていることで、指補助具200を手袋から取り外す際に、粘着剤270が手袋に付着した状態で残りにくい。これにより、手袋を汚す心配がなく、指補助具200を安心して手袋の指装着部に対して装着することができる。
なお、この構成によれば、素手の手指に指補助具200を装着する際にも、手指に粘着剤270が残ってしまうことによる不快感を防止することができる。
【0046】
また、実施形態2に係る指補助具200の場合にあっては、左片体240は切れ目243によって基端側左片体241と先端側左片体242とに分割されてなり、右片体250は切れ目253により基端側右片体251と先端側右片体252とに分割されてなる。さらに、基端側左片体241及び基端側右片体251は表面視において基節部パッド210の左右に存在し、先端側左片体242及び先端側右片体252は表面視において中節部パッド220の左右に存在する。
したがって、装着する際には、基端側左片体241と基端側右片体251とが指の基節部を巻回して指に粘着される。さらに、装着する際には、先端側左片体242と先端側右片体252とが指の中節部を巻回して指に粘着される。
この際には、左片体240及び右片体250の切れ目243,253が指の第二関節に沿うこととなる。これにより、指の屈曲が左片体240及び右片体250に妨げられることなく、容易に指の曲げ伸ばしをすることができる。さらに、左片体240及び右片体250の粘着面が、指の曲げ伸ばしにより剥離することを抑制することができる。
【0047】
またさらに、実施形態2に係る指補助具200の場合にあっては、基節部パッド210の先端縁と中節部パッド220の基端縁とが隙間を形成するように離間して配設されてなるとともに、この隙間が装着時において指の第二関節に沿うこととなる。これにより、指の屈曲が基節部パッド210及び中節部パッド220に妨げられることなく、特に容易に指の曲げ伸ばしをすることができる。
【0048】
実施形態2に係る指補助具200は、基節部パッド210の厚さよりも中節部パッド220の厚さが薄く形成されてなる。これにより、軸体を把持する際に、軸体の握りやすさが向上する。
またさらに、実施形態2に係る指補助具200は、中節部パッド220の厚さよりも末節部片体260の厚さが薄く形成されてなることで、基端部から先端部にかけて段階的に厚さが薄くなっている。これにより、軸体を把持する際に、さらに軸体の握りやすさが向上する。
【0049】
実施形態2に係る指補助具200は、防滑シート230のシート本体領域231の先端側に末節部片体260が延出してなる。したがって、指補助具200を指に装着した際に、末節部片体260が指の末節部の手のひらの正面側の面に配設されることとなる。さらに、末節部片体260は、表面が防滑面に構成されてなる。
これにより、基節部パッド210及び中節部パッド220を覆う防滑シート230のシート本体領域231の表面と末節部片体260の表面とが合わさって、把持する軸体の表面との間により強い摩擦を生じさせることができる。これによって、より安定して軸体を保持することが可能となる。
【0050】
また、指補助具200は、手の小指の長さ及び太さに合わせて形成されてなることが好ましい。
小指は手指の中で最も指の力が弱く、軸体を保持する際には小指の力が弱いことに起因して、軸体がずれ動いたり、十分に安定して軸体を保持することができないことがある。
しかしながら、指補助具200を手の小指の長さ及び太さに合わせて形成し、指補助具200を手の小指若しくは手袋の指収容部のうち小指の指収容部に装着することで、上述の問題を解決し、安定して十分に軸体を保持することが可能となる。
【0051】
(実施形態2に記載の指補助具の実施例)
以下、実施形態2で説明した指補助具200を用いて、ゴルフクラブのグリップを握り、ゴルフボールを打った実施例をデータに基づいて説明する。
【0052】
まず、実験の条件を説明する。
実験では、7番アイアンと1番ウッドを用いて、実施形態2に係る指補助具200をゴルフグローブの左手の小指の指収容部に装着した場合のデータと、該ゴルフグローブのみを装着して指補助具200を装着しなかった場合のデータとを取得した。なお、実施者は、右利きであり、右打ちで実験を行った。
【0053】
実験の結果、以下の表1の結果を得ることができた。表の2行目及び3行目は7番アイアンを用いて実験を行い、2行目は指補助具200なし3行目は指補助具200ありで行った実験のデータを示している。表の4行目及び5行目は1番ウッドを用いて実験を行い、4行目は指補助具200なし5行目は指補助具200ありで行った実験のデータを示している。
また、1回目から10回目と記載された列は、それぞれの実験条件におけるn打目の結果を表す列である。
また、取得したデータの種類として、ヘッドスピード(m/s)、飛距離(yard)、ミート率(ボールスピード/ヘッドスピード)、打球方向、ショット状況がある。なお、ショット状況において「OK」と記載している部分は、スイートスポットに当たった感触があったショットを表している。
なお、ヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、及びミート率の測定に際しては、株式会社セガが販売する「飛ばしヤード(登録商標)」を用い、打球方向及びショット状況は実施者が測定した。
【0054】
【0055】
また、この実験結果をグラフとしてまとめると、以下の結果が分かった。表2は各値の平均値を棒グラフで示したもの、表3は各値の標準偏差を棒グラフで表したものである。
なお、表2及び表3におけるボールスピードは、表1におけるヘッドスピードにミート率を乗ずることで求めることができる。
【0056】
【0057】
【0058】
以上の実験から、指補助具200はゴルフを行う際に利き手ではない方の手の小指につけてスイングをおこなうと、スイングがより安定し、種々のメリットを得ることができることが分かった。以下、得られたそれぞれのメリットを説明する。
【0059】
まず、表1より、指補助具200を装着してスイングを行うことで、指補助具200を装着しない場合と比較して、打球方向が安定して正面方向となることが分かった。
【0060】
次に、表1より、指補助具200を装着してスイングを行うことで、指補助具200を装着しない場合と比較して、スイートスポットにおけるショットが打てる確率が上がることが分かった。
【0061】
次に、表2より、指補助具200を装着してスイングを行うことで、指補助具200を装着しない場合と比較して、ヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、及びミート率が、いずれも向上することが分かった。
【0062】
次に、表3より、指補助具200を装着してスイングを行うことで、指補助具200を装着しない場合と比較して、ボールスピード、飛距離、及びミート率に関するショットのデータのばらつきが減少することが分かった。
【0063】
これらの結果は、いずれも、指補助具200がゴルフクラブのグリップを把持することを補助したことにより生じたものである。
特に、基節部パッド210及び中節部パッド220がゴルフクラブのグリップの外周に沿って変形しつつ厚み方向に押し縮められることで、ゴルフクラブと指補助具200を装着した利き手の反対の手の小指との間で摩擦力が増強されて滑りにくくなるとともに、グリップの保持力が増強されたことに伴って、安定したスイングが実現されたことによる。
さらに、各種ショットデータの向上に加えて、本実施例で示したように、ショットごとのデータのばらつきを抑えることができる効果が生じた。
【0064】
(実施形態3)
次に
図7及び
図8に基づいて、他の例としての実施形態3に係る指補助具300について説明する。
図7は指補助具300を表側から見た図、
図8は
図7におけるE-E線断面図である。なお、以下では実施形態1若しくは実施形態2と同様の部分については説明を省略することがある。
【0065】
まず初めに、以下で実施形態3に係る指補助具300の構成を説明する。
指補助具300は、筒状に形成された指収容部330を備える指補助具300であって、指収容部330の基端部の内周面に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッド310と、指収容部330の内周面であって基節部パッド310の先端側の位置に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッド320と、を備え、前記指収容部330の外周面が防滑面に構成されてなることを特徴とする。
【0066】
指収容部330は、筒状に形成されてなる。指収容部330は、手指に対して装着可能に形成されてなる。指収容部330は、手指に対して装着可能に筒状に形成されてなり、基端が開口されてなる。指収容部330は、指収容部330が指から抜けてしまうことを防止する抜止部331を有してなる。指収容部330は、基端の開口縁において抜止部331が形成されてなる。抜止部331は、例えば筒状に形成された指収容部330の基端部を先端側に向かって巻き上げることによって構成してもよい。
また、指収容部330は、外周面が防滑面に構成されてなる。
例えば本実施形態においては、指収容部330は、防滑性を有する樹脂製の筒状体に構成されてなる。
指収容部330は、手指に対して装着可能な筒体であれば種々の構成を採用することができる。本実施形態においては先端が閉口された筒状体に構成された指収容部330の例を説明したが、先端は開口されていてもよい。また指収容部330の材質は樹脂に限られるものではなく、例えば皮革、繊維等種々の素材を採用することができる。
【0067】
基節部パッド310は、既に実施形態1若しくは2において説明したものと同様のものを使用することができる。
基節部パッド310は、指収容部330の基端部の内周面に配設されてなる。
【0068】
中節部パッド320は、既に実施形態1若しくは2において説明したものと同様のものを使用することができる。
中節部パッド320は、指収容部330の内周面であって基節部パッド310の先端側の位置に配設されてなる。
【0069】
実施形態3における指補助具300にあっても、軸体を把持する際に安定して該軸体を把持することができる。
また、実施形態3の指補助具300に対して既に述べた実施形態1若しくは2に記載の構成を追加することによって、実施形態3の指補助具300も同様に前述の各種効果を発揮することができる。
【0070】
また、実施形態3における指補助具300は、
図7及び
図8で示すように素手Hの手指に対して装着してもよく、手袋を装着した手指に対して、手袋の上から装着してもよい。
【0071】
(実施形態4)
次に、
図9及び
図10に基づいて、他の例としての実施形態4に係る手袋400について説明する。
図9は手袋400を表側から見た図、
図10は
図9におけるF―F線断面図である。
なお、以下では実施形態1、2、若しくは3と同様の部分については、説明を省略することがある。
【0072】
まず初めに、以下で実施形態4に係る手袋400の構成を説明する。
手袋400は、本体部と、本体部から外方に突出して設けられてなる筒状の5本の指収容部430とを備える手袋400であって、指収容部430のうち少なくとも一の指収容部430の内周面の基端部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる基節部パッド410と、基節部パッド410が配設された一の指収容部430の内周面の中間部に配設されてなり、板状に形成されてなるとともに弾性体に構成されてなる中節部パッド420と、を備え、一の指収容部430の外周面が防滑面に構成されてなることを特徴とする。
【0073】
手袋400は、本体部と、本体部から外方に突出して設けられてなる筒状の5本の指収容部430とを備える。本体部は、人体の手首よりも先端側であって指を除く範囲を被覆する。5本の指収容部430は、それぞれ親指、人さし指、中指、薬指、及び小指を収容する。
【0074】
指収容部430のうち少なくとも一の指収容部430の内周面の基端部には、基節部パッド410が配設されてなる。実施形態3においては、例えば、小指を収容する指収容部430の内周面の基端部に基節部パッド410が配設されてなる。特に、基節部パッド410は、小指を収容する指収容部430の内周面のうち、手のひら側の基端部に配設されてなる。
【0075】
基節部パッド410が配設された小指を収容する指収容部430の内周面の中間部には、中節部パッド420が配設されてなる。実施形態3においては、中節部パッド420は、指収容部430の内周面において、基節部パッド410よりも先端側の位置に配設されてなる。特に、中節部パッド420は、小指を収容する指収容部430の内周面のうち、手のひら側の中間部に配設されてなる。
【0076】
また、基節部パッド410及び中節部パッド420が配設されてなる指収容部430の外周面は防滑面に構成されてなる。
【0077】
実施形態4における手袋400にあっても、軸体を把持する際に安定して該軸体を把持することができる。
また、実施形態4の手袋400に対して既に述べた実施形態1、2、若しくは3に記載の構成を追加することによって、実施形態4の手袋400も同様に前述の各種効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 指補助具
110 基節部パッド
120 中節部パッド
130 防滑シート
140 左片体
141 粘着面
150 右片体
151 粘着面