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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068534
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ソケット管及び排水ソケット
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/16 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
E03D11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177273
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】横塚 裕也
(72)【発明者】
【氏名】神谷 昭範
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC03
2D039AD02
2D039CB02
(57)【要約】
【課題】他のソケット管に対するソケット管の位置ずれを防止できる技術を提供する。
【解決手段】床排水仕様の排水管10と便器16を繋ぐ排水ソケットに用いられるソケット管であって、便器16に接続される便器接続部52と、上下方向に延びる縦管部48と、を有する本体管40を備え、縦管部48は、その管軸方向に亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部78を備え、異形断面部78を切断したとき、異形断面部78に設けられる切断端部92は、排水ソケットを構成する他のソケット管に嵌合可能な管接続部56を構成するソケット管。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床排水仕様の排水管と便器を繋ぐ排水ソケットに用いられるソケット管であって、
前記便器に接続される便器接続部と、上下方向に延びる縦管部と、を有する本体管を備え、
前記縦管部は、その管軸方向に亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部を備え、
前記異形断面部を切断したとき、前記異形断面部に設けられる切断端部は、前記排水ソケットを構成する他のソケット管に嵌合可能な管接続部を構成するソケット管。
【請求項2】
本ソケット管は、
第1仕様の前記排水ソケットに用いるとき、前記他のソケット管を介して、第1排水芯を持つ前記排水管に繋ぐことができ、
第2仕様の前記排水ソケットに用いるとき、前記第1排水芯とは異なる第2排水芯を持つ前記排水管に前記縦管部の下流側端部を接続可能である請求項1に記載のソケット管。
【請求項3】
前記本体管は、前後方向に延びるアジャスタ管部を有し、
前記便器接続部は、前記アジャスタ管部の上流側端部に設けられる請求項2に記載のソケット管。
【請求項4】
床排水仕様の排水管と便器を繋ぐ排水ソケットに用いられるソケット管であって、
前記便器に接続される便器接続部と、上下方向に延びる縦管部と、を有する本体管を備え、
前記縦管部は、その管軸方向に亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部を備え、
前記異形断面部の下流側端部は、前記排水ソケットを構成する他のソケット管に嵌合可能な管接続部を構成するソケット管。
【請求項5】
前記縦管部は、前記異形断面部よりも下流側に設けられる円形断面部を備える請求項1から4のいずれか1項に記載のソケット管。
【請求項6】
前記本体管は、
前記縦管部の上流側端部から前方に延びる前管部と、
前記前管部と前記縦管部とがなす屈曲箇所の内部に設けられる屈曲水路と、を備え、
前記屈曲水路の曲げ内側の角部における所定の位置を原点とし、前方向を正とするX軸と上方向を正とするY軸とからなる直交座標系を想定し、前記X軸に対して120°~150°の角度範囲で、前記原点を中心として切断面を回転させる場合に、前記切断面において最小となる水路断面積をS0というとき、
前記異形断面部の水路断面積S1は、前記水路断面積S0よりも小さくなる請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット管。
【請求項7】
前記本体管は、
前記縦管部の上流側端部から前方に延びる前管部と、
前記前管部と前記縦管部とがなす屈曲箇所の内部に設けられる屈曲水路と、を備え、
前記屈曲水路の曲げ内側の角部における所定の位置を原点とし、前方向を正とするX軸と上方向を正とするY軸とからなる直交座標系を想定し、前記X軸に対して120°~150°の角度範囲で、前記原点を中心として切断面を回転させる場合に、前記切断面において最小となる水路断面積をS0というとき、
前記異形断面部の水路断面積S1は、前記水路断面積S0よりも大きくなる請求項1から5のいずれか1項に記載のソケット管。
【請求項8】
前記異形断面部は、左右寸法よりも前後寸法の小さい断面形状である請求項1から7のいずれか1項に記載のソケット管。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のソケット管である第1ソケット管と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の他のソケット管であり、前記第1ソケット管の前記管接続部に接続される第2ソケット管と、を備える排水ソケット。
【請求項10】
前記第1ソケット管は、請求項8に記載のソケット管であり、
前記第2ソケット管は、
前記第1ソケット管の前記管接続部が嵌合される管受け部と、前後方向に延びるアジャスタ管部を有する第1管部材と、
前記第1管部材の前記アジャスタ管部が挿入される管挿入部を有する第2管部材と、を備える請求項9に記載の排水ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ室には汚物を下水設備に排出するための排水管が設置される。この排水管と便器は、通常、排水ソケットによって繋がれる。
【0003】
特許文献1は、排水ソケットの一例を開示する。この排水ソケットは、便器に接続されるソケット管と、排水管に接続される他のソケット管とを備える。ソケット管は、便器に接続される便器接続部と、上下方向に延びる縦管部とを備える。他のソケット管は、排水管に接続される排水管接続部と、縦管部の下流側端部が嵌合される管受け部とを備える。ソケット管の縦管部と他のソケット管の管受け部は、通常、接着剤等によって固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-37789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1の開示技術の検討を進めた結果、次の新たな認識を得るに至った。ソケット管の縦管部と他のソケット管の管受け部は、通常、円形断面である。よって、縦管部の中心軸線周りにソケット管が回転することによって、他のソケット管に対するソケット管の位置ずれが生じ得る。この位置ずれが生じたまま、ソケット管と他のソケット管が固定されてしまうと、排水ソケットによって便器と排水管を繋ぐことができなくなり得る。特許文献1の排水ソケットは、この観点から工夫を講じたものではなく、改良の余地を残していた。
【0006】
本開示の目的の1つは、他のソケット管に対するソケット管の位置ずれを防止できる技術を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のソケット管は、床排水仕様の排水管と便器を繋ぐ排水ソケットに用いられるソケット管であって、前記便器に接続される便器接続部と、上下方向に延びる縦管部と、を有する本体管を備え、前記縦管部は、その管軸方向に亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部を備え、前記異形断面部を切断したとき、前記異形断面部に設けられる切断端部は、前記排水ソケットを構成する他のソケット管に嵌合可能な管接続部を構成する。
【0008】
本開示の他のソケット管は、床排水仕様の排水管と便器を繋ぐ排水ソケットに用いられるソケット管であって、前記便器に接続される便器接続部と、上下方向に延びる縦管部と、を有する本体管を備え、前記縦管部は、その管軸方向に亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部を備え、前記異形断面部の下流側端部は、前記排水ソケットを構成する他のソケット管に嵌合可能な管接続部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の便器装置の側面断面図である。
図2】複管仕様の排水ソケットを周辺構造とともに示す側面断面図である。
図3】第1実施形態の第1ソケット管の側面断面図である。
図4図3のIV-IV断面図である。
図5図2のV-V断面図である。
図6】寸法等方性構造と寸法異方性構造の説明図である。
図7】単管仕様の排水ソケットを周辺構造とともに示す側面断面図である。
図8】第1対応形態の第1ソケット管と第2対応形態の第1ソケット管の説明図である。
図9】直交座標系に関する説明図である。
図10】第2実施形態の便器装置の一部を示す側面断面図である。
図11】第3実施形態の第1ソケット管の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0011】
(第1実施形態)図1を参照する。以下、各構成要素の位置関係に関して、互いに直交する三つの方向を用いて説明する。この方向とは、前後方向A、左右方向B及び上下方向Cである。便器をトイレ室に設置した状態にあるとき、理想的には、前後方向A及び左右方向は水平方向となり、上下方向Cは鉛直方向となる。前後方向A及び左右方向Bは、便器に搭載される便座(不図示)に通常の姿勢で座るユーザの前後左右と対応する。
【0012】
建物には排水管10が設置される。本実施形態の排水管10は、トイレ室の床Fに設置される床排水仕様である。排水管10の排水芯Laは現場毎に変化する。排水芯Laとは、トイレ室の壁部Wから排水管10の上流端開口部10aの開口中心までの前後方向Aでの距離をいう。
【0013】
排水ソケット12が用いられる便器装置14は、排水ソケット12の他に、便器16を備える。
【0014】
本実施形態の便器16は陶器を素材とする。便器16の素材は特に限定されず、例えば、樹脂、金属等でもよい。便器16は、汚物を受けるための便鉢部18と、便鉢部18の底部に接続される便器排水路20と、を備える。
【0015】
便器排水路20は、便鉢部18から排出される汚物の通り道となる。便器排水路20は、便器排水路20の下流側端部に設けられる筒状の被接続部22と、封水Wを貯溜可能な封水貯溜部24と、を備える。本実施形態の被接続部22は、下流側に向かうに連れて後方に直線状に延びている。封水Wは、便器排水路20内における流れ方向での気体の流れを遮断する。
【0016】
本実施形態の便器装置14は、便鉢部18の外周側に設けられる外周壁部26と、外周壁部26の内側に形成される空洞部28と、を備える。本実施形態の外周壁部26は、便器16の一部として便器16に設けられる。空洞部28は、空洞部28を後向きに開放する後側開口部28aと、空洞部28を下向きに開放する下側開口部28bとを備える。後側開口部28a及び下側開口部28bは、外周壁部26に開口する。後側開口部28aは、下向きに開放するように下側開口部28bに連続する。本実施形態の排水ソケット12は、便器装置14の空洞部28内に配置される。排水ソケット12は、便器16を動かしたとき、開口部28a、28bを通して、空洞部28に対して出し入れ可能である。
【0017】
図2を参照する。排水ソケット12は、床排水仕様の排水管10と便器16の便器排水路20とを繋ぐことができる。排水ソケット12は、便器排水路20に接続される第1ソケット管30と、排水管10に接続される第2ソケット管32とを備える。
【0018】
排水ソケット12は、排水管10に接続される筒状の排水管接続部34を備える。排水管接続部34は、排水ソケット12の下流側端部によって構成され、下向きに開放する筒状をなす。排水管接続部34は、予め定められた複数の接続方式の中から何れかの接続方式を用いて排水管10に接続される。実際に用いられる接続方式は、例えば、便器16の設置される国に応じて選択される。複数の接続方式には、例えば、フランジ方式、スリップイン方式(後述する)等が含まれる。
【0019】
フランジ方式では、床フランジ36を用いて排水ソケット12を排水管10に接続する。本実施形態では、このフランジ方式を説明する。床フランジ36は、排水管10の上流端開口部10aの周縁部において床F上に配置される。床フランジ36は、ボルト等を用いて床Fに固定される。
【0020】
フランジ方式に対応する排水管接続部34は、その外周面から突き出るソケット側フランジ部34aを備える。ソケット側フランジ部34aは、排水管10の周縁部を上方から覆うように設けられる。フランジ方式に対応する排水管接続部34は、ボルト(不図示)を介して、ソケット側フランジ部34aを床フランジ36に固定することで排水管10に接続される。
【0021】
フランジ方式に対応する排水管接続部34は、第1シール部材38を介して、排水管10に水密に接続される。第1シール部材38は、ソケット側フランジ部34aと床フランジ36との間に配置され、これらの間をシールする。フランジ方式に対応する第1シール部材38は、ガスケット等の弾性部材である。
【0022】
図2図4を参照する。第1ソケット管30は、本体管40と、本体管40に取り付けられる第2シール部材42と、第2シール部材42を本体管40に固定する押さえ部材44と、を備える。第2シール部材42は、ゴムパッキン等の弾性部材である。
【0023】
本実施形態において、本体管40は、硬質素材によって構成される。この硬質素材とは、例えば、非ゴム系樹脂、金属等である。ここでの非ゴム系樹脂とは、例えば、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリプロピレン等である。
【0024】
本体管40の内部には、便器16から排出される汚物の通り道となる第1内部水路45が形成される。以下、第1ソケット管30の構成要素を説明するとき、第1内部水路45の流れ方向における上流側、下流側を用いて説明する。本体管40は、本体管40の上流側に設けられる前管部46と、前管部46よりも下流側に設けられる縦管部48と、を備える。本実施形態の本体管40は、この他に、ボルト(不図示)によってトイレ室の壁部Wに固定されるボルト固定部50を備える。
【0025】
本体管40は、便器排水路20の被接続部22に接続される筒状の便器接続部52を備える。便器接続部52は、前管部46の上流側端部、つまり、本体管40の上流側端部によって構成される。便器接続部52の内部には第1内部水路45の一部が形成される。便器接続部52は、その内側に便器排水路20の被接続部22を挿入した状態で、第2シール部材42を介して、便器排水路20に水密に接続される。
【0026】
前管部46は、前後方向Aに延びる第1アジャスタ管部54を構成する。第1アジャスタ管部54は、全体として直線状をなす。本実施形態の第1アジャスタ管部54は、縦管部48の上流側端部から前方に延びている。第1アジャスタ管部54は、切断することで、その管軸方向での長さを調整可能である。第1アジャスタ管部54の外周面には第2シール部材42を引っ掛けるための複数の凸部54aが形成される。複数の凸部54aは第1アジャスタ管部54の管軸方向に間隔を空けて形成される。
【0027】
縦管部48は、上下方向Cに延びており、全体として直線状をなす。本実施形態の縦管部48は、下流側に向かって鉛直下向きに延びている。縦管部48は、縦管部48の下流側端部によって構成され、第2ソケット管32に接続される管接続部56を備える。縦管部48の詳細は後述する。
【0028】
第1ソケット管30は、前管部46の下流側端部における上側部分及び横側部分のそれぞれから前管部46の径方向内側に延びる第1段部58を備える。縦管部48は、第1段部58を介して、前管部46に連続している。
【0029】
第2ソケット管32の内部には便器16から排出される汚物の通り道となる第2内部水路60が形成される。以下、第2ソケット管32の構成要素を説明するとき、第2内部水路60の流れ方向における上流側、下流側を用いて説明する。
【0030】
第2ソケット管32は、排水ソケット12を構成する他のソケット管として設けられる。第2ソケット管32は、前述の排水管接続部34の他に、第1ソケット管30の管接続部56が嵌合される筒状の管受け部62を備える。
【0031】
管受け部62は、第2ソケット管32の上流側端部に設けられる。管受け部62の内部には第2内部水路60の一部が形成される。本実施形態の管受け部62には、縦管部48の管接続部56が挿入される。管受け部62は、縦管部48の外周側に配置される筒状の周壁部62aと、縦管部48が突き当てられる第2段部62bと、を備える。縦管部48と管受け部62は、接着剤、凹凸嵌合等を用いて固定される。本実施形態では、管受け部62の内周面と縦管部48の外周面とを接着する接着剤が用いられる。第2段部62bは、周壁部62aの下流側端部から縦管部48の径方向内側に延びている。
【0032】
本実施形態の第2ソケット管32は、第2内部水路60を構成する複数の管部材64、66を備える。複数の管部材64、66は、第2ソケット管32において上流側に設けられる第1管部材64と、第2ソケット管32において第2管部材66とを含む。複数の管部材64、66は硬質素材によって構成される。第2ソケット管32は、第1管部材64に設けられる脚部68と、第2管部材66に設けられるソケット側フランジ部34aとを床Fに載せることによって、床Fによって支持される。
【0033】
第1管部材64は、前述の管受け部62の他に、管受け部62よりも下流側に設けられる第1屈曲管路部70を備える。第1屈曲管路部70は、下流側に向かって下向きから前向きに屈曲する。
【0034】
第1管部材64は、第1屈曲管路部70よりも下流側に設けられる第2アジャスタ管部72を備える。第2アジャスタ管部72は、前後方向Aに延びており、全体として直線状をなす。第2アジャスタ管部72は、切断することで、その管軸方向での長さを調整可能である。第2ソケット管32は、第2アジャスタ管部72の長さを調整することによって、対応できる排水芯Laを調整可能である。
【0035】
第2管部材66は、前述の排水管接続部34の他に、第2アジャスタ管部72の下流側端部が挿入される筒状の管挿入部74を備える。第1管部材64は、第2管部材66の管挿入部74に第1管部材64の第2アジャスタ管部72を挿入した状態で、接着剤等を用いて第2管部材66に固定される。
【0036】
第2管部材66は、管挿入部74よりも下流側に設けられる第2屈曲管路部76を備える。第2屈曲管路部76は、下流側に向かって前向きから下向きに屈曲する。
【0037】
図2図3図5を参照する。以上の第1ソケット管30の縦管部48は、その管軸方向Daに亘る範囲の少なくとも一部に設けられる異形断面部78を備える。本実施形態の異形断面部78は、縦管部48と前管部46とがなす屈曲箇所80の内角部80aから下流側に連続するように設けられる(図3参照)。第1ソケット管30の管接続部56は、縦管部48の異形断面部78によって構成される。
【0038】
異形断面部78は、中空の異形断面形状をなし、その内部に第1内部水路45の一部を形成する。ここでの「断面形状」とは、縦管部48の管軸方向Daに直交する断面をいう。ここでの「異形断面」とは、円とは異なる断面形状であることを意味する。異形断面は、縦管部48の中心軸線CL1から外周面までの周方向での距離分布に変化のある断面形状、つまり、その距離分布が非一様な断面形状であるとも捉えられる。
【0039】
本実施形態の異形断面部78は、扁平断面形状である。本明細書での「扁平」とは、短径Lc1に対する長径Lc2の比であるアスペクト比を1.0超とする形状をいう。ここでの「短径Lc1」とは、短軸方向Pでの寸法をいい、「長径Lc2」とは、長軸方向Qでの寸法をいう。「長軸方向Q」とは、縦管部48の中心軸線CL1に直交する断面において、最大寸法を持つ方向をいい、「短軸方向P」とは、その断面において、長軸方向Qに直交する方向をいう。本実施形態では、アスペクト比を1.1以上とする扁平断面形状となる。このアスペクト比の上限値は、製造上現実的に得られる大きさとなり、例えば、10.0である。
【0040】
本実施形態の異形断面部78は、回転対称性を有さない断面形状である。異形断面部78の断面形状は、その中心軸線CL1周りに360°未満の回転角で回転させたときに、もとの図形に重ならない形状ということである。異形断面部78によって構成される管接続部56(後述する)と第2ソケット管32を接続する場合を考える。この場合に、異形断面部78を回転対称性のない断面形状とすることで、管接続部56に対する第2ソケット管32の向きを誤って組み付けてしまう誤組み付けを防止することができる。
【0041】
本実施形態の異形断面部78は、扁平断面形状を規定する短軸方向Pを前後方向Aに揃えるように配置される。このように配置される異形断面部78は、左右寸法Lb2よりも前後寸法Lb1の小さい断面形状となる。ここでの「前後寸法」とは、異形断面部78の管軸方向Daに直交する断面における前後方向Aでの寸法をいい、「左右寸法」とは、左右方向Bでの寸法をいう。
【0042】
本実施形態の異形断面部78の断面形状は、円形断面形状の一部を径方向内側に潰した潰れ部分82と、その中心軸線CL1を挟んで潰れ部分82と反対側に設けられる一定曲率の円弧部分84と、を備える。異形断面部78は、その潰れ部分82において円形断面形状よりも平たくなる。本実施形態において、潰れ部分82は、異形断面部78の前側部分に設けられ、円弧部分84は異形断面部78の後側部分に設けられる。本実施形態の潰れ部分82には平坦部分86が設けられる。
【0043】
第2ソケット管32の管受け部62は、第1ソケット管30の異形断面部78によって構成される管接続部56を嵌合可能である。管受け部62は、異形断面部78を嵌合可能な断面形状であるともいえる。これにより、第2ソケット管32に対する第1ソケット管30の相対位置として、縦管部48の中心軸線CL1周りでの相対位置を決めることができる。異形断面部78によって構成される管接続部56は管受け部62に対して回転不能に嵌合されることになる。
【0044】
以上の排水ソケット12の効果を説明する。
【0045】
(A)第1ソケット管30の異形断面部78の一部は第2ソケット管32に嵌合可能な管接続部56を構成する。よって、これらの嵌合によって、縦管部48の中心軸線CL1周りでの第1ソケット管の回転を規制でき、第2ソケット管32に対する第1ソケット管30の位置ずれを防止できる。ひいては、これらの位置ずれに起因して、排水ソケット12によって便器16と排水管10を繋ぐことができなくなる事態を回避できる。
【0046】
(B)この他に、排水管10の接続方式に対応する第2ソケット管32を用いることで、対応できる接続方式にも自由度を持たせることができる。例えば、排水管10の接続方式がフランジ方式の場合、これに対応する第2ソケット管32を用いることで実現できる。この他にも、排水管10の接続方式がスリップイン方式の場合、これに対応する第2ソケット管32を用いることで実現できる。
【0047】
(C)異形断面部78は、左右寸法Lb2よりも前後寸法Lb1の小さい断面形状である。この利点を説明する。図6を参照する。左右寸法Lb2と前後寸法Lb1が同じ断面形状は寸法等方性構造88という。左右寸法Lb2よりも前後寸法Lb1の小さい断面形状は寸法異方性構造90という。図6においては、寸法等方性構造88の前後寸法Lb1よりも寸法異方性構造90の前後寸法Lb1が間隔Gだけ小さくなる。
【0048】
寸法等方性構造88及び寸法異方性構造90のそれぞれにつき、トイレ室の壁部Wから同じ前後寸法L1を空けた箇所に第1ソケット管30を配置する場合を考える。この場合に、寸法異方性構造90によれば、寸法等方性構造88と比べ、第1管部材64の管受け部62の前端位置62cを後側に間隔Gだけずらすことができる。これに伴い、第2管部材66の管挿入部74を後側に寄せることができる。ひいては、寸法異方性構造90によれば、寸法等方性構造88と比べ、対応できる排水芯Laの範囲の下限を間隔Gだけ広くできる。これは、排水ソケット12によって対応できる排水芯範囲の前後方向Aでの調整幅を広くできることを意味する。
【0049】
第2ソケット管32の管受け部62と第1ソケット管30の管接続部56は接着剤を用いて接続される。よって、パッキンを用いて接続する場合と比べ、老朽化に伴う止水性の低下の影響を排除できる。ひいては止水性に関する信頼性を高めることができる。
【0050】
以上の排水ソケット12の関連する工夫点を説明する。図2図7図8を参照する。図8は、次に説明する第1ソケット管30の側面図でもある。第1ソケット管30は、第1仕様Sa(以下、複管仕様Saともいう)の排水ソケット12と、第2仕様Sb(以下、単管仕様Sbともいう)の排水ソケット12との両方に共用できる。複管仕様Saの排水ソケット12は、第1ソケット管30と第2ソケット管32の両方を用いて構成される。単管仕様Sbの排水ソケット12は、第1ソケット管30と第2ソケット管32のうちの第1ソケット管30のみを用いて構成される。
【0051】
第1ソケット管30は、複管仕様Saに対応する第1対応形態Faと、単管仕様Sbに対応する第2対応形態Fbとのうちのいずれかの形態で使用可能である。第1対応形態Faにあるとき、第2対応形態Fbにあるときよりも、縦管部48の長さが短くなる。図2図6では、複管仕様Faの排水ソケット12、第1対応形態Faの第1ソケット管30を説明した。
【0052】
第2対応形態Fbにあるとき、縦管部48の下流側端部によって排水管接続部34が構成される。本実施形態の異形断面部78は、第2対応形態Fbにある縦管部48において排水管接続部34よりも上流側に設けられる。本実施形態の縦管部48は、第2対応形態Fbにあるとき、異形断面部78よりも下流側に設けられる円形状の円形断面部94を備える。本実施形態の円形断面部94は、縦管部48において、排水管接続部34から異形断面部78までの管軸方向に亘る範囲に設けられる。
【0053】
第2対応形態Fbにあるとき、縦管部48の異形断面部78を切断することによって、第2対応形態Fbから第1対応形態Faに切り替えることができる。図8では、この切断位置Paを示す。このとき、異形断面部78の切断によって、縦管部48において排水管接続部34から上流側にかけての一部を切除することになる。異形断面部78を切断したとき、つまり、第1対応形態Faにあるとき、異形断面部78の切断面側には切断端部92が設けられる。切断端部92は、第2ソケット管32に嵌合可能な管接続部56を構成する。第1対応形態Faにあるとき、縦管部48の異形断面部78によって管接続部56が構成されることになる。
【0054】
図2を参照する。複管仕様Saの排水ソケット12に用いるとき、第1対応形態Faにある第1ソケット管30は、第2ソケット管32を介して、第1排水芯La1を持つ排水管10に繋ぐことができる。このとき、排水ソケット12の排水管接続部34は、第2ソケット管32の下流側端部によって構成される。この排水管接続部34の内部には第2内部水路60の一部が形成される。複管仕様Saに用いるとき、本実施形態の排水管接続部34は、前述の通り、フランジ方式によって排水管10に接続される。
【0055】
図7を参照する。単管仕様Sbの排水ソケット12に用いるとき、排水ソケット12の排水管接続部34は、第2対応形態Fbにある第1ソケット管30の下流側端部によって構成される。この排水管接続部34の内部には第1内部水路45の一部が形成される。このとき、第1ソケット管30は、第1排水芯La1とは異なる第2排水芯La2を持つ排水管10に排水管接続部34を接続可能となる。
【0056】
単管仕様Sbに用いるとき、本実施形態の排水管接続部34は、スリップイン方式によって排水管10に接続される。スリップイン方式は、排水管接続部34を排水管10に挿入した状態で、第1シール部材38を介して、排水管10に水密に接続する方式である。スリップイン方式に用いられる第1シール部材38はパッキン等の弾性部材である。
【0057】
このように、第1ソケット管30は、複管仕様Saの排水ソケット12に用いるとき、第2ソケット管32を介して、第1排水芯La1の排水管10に繋ぐことができる。この他に、第1ソケット管30は、単管仕様Sbの排水ソケット12に用いるとき、第2排水芯La2の排水管10に接続できる。よって、現場の排水芯Laに応じて単管仕様Sbと複管仕様Saを使い分けることで、対応できる排水芯Laに自由度を持たせることができる。
【0058】
この他に、複管仕様Sa及び単管仕様Sbの両方の排水ソケット12で第1ソケット管30を共用できる。よって、両方の仕様の排水ソケット12を専用品のみで構成する場合と比べ、部品点数を削減できる。ひいては、両方の仕様の排水ソケット12を用いるうえで、製品コストの削減を企図できる。
【0059】
第1ソケット管30は、第1アジャスタ管部54を備える。よって、複管仕様Sa及び単管仕様Sbの何れに用いるときも、第1アジャスタ管部54の長さを調整することで、対応できる排水芯Laの範囲を広げることができる。
【0060】
第2対応形態Fbにあるとき、縦管部48は円形断面部94を備え、その円形断面部94によって、単管仕様Sbにおける排水管接続部34を構成できる。よって、スリップイン方式等によって円形状の排水管10と排水管接続部34を接続するうえで、それらの間に配置される第1シール部材38を全周に亘る範囲で均等に変形させ易くなる。ひいては、異形断面部78によって排水管接続部34を構成する場合と比べ、アダプタを用いることなく、第1シール部材38によって安定したシール性能を得易くなる。
【0061】
排水ソケット12の他の工夫点を説明する。図9を参照する。図9は、図2と同じ視点から第1ソケット管30の一部を見た側面断面図でもある。本体管40は、前管部46と縦管部48とがなす屈曲箇所80の内部に設けられる屈曲水路96を備える。屈曲水路96は、第1内部水路45の一部として設けられ、下流側に向かって後向きから下向きに屈曲する。
【0062】
屈曲水路96の曲げ内側の角部96aにおける所定の位置を原点Oとする直交座標系を想定する。この直交座標系は、前方向を正とするX軸と、上方向を正とするY軸とからなる。X軸は前後方向軸と平行であり、Y軸は上下方向軸と平行である。
【0063】
本実施形態の角部96aは、縦管部48の中心軸線CL1を通るXY平面(以下、基準平面という)上において曲面状をなす。図9は、この基準平面を示す図でもある。前管部46の中心軸線CL2は、理想的には、基準平面上に設けられる。この場合、原点Oを規定する「所定の位置」とは、基準平面上において、角部96aのなす線における中点位置M0が用いられる。この中点位置M0とは、角部96aと前管部46の境界位置M1と、角部96aと縦管部48の境界位置M2とのそれぞれから、角部96aのなす線において等距離にある位置をいう。この境界位置M1、M2は、例えば、管部46、48と角部96aのなす変曲点となる。この他に、角部96aが尖状をなす場合、「所定の位置」とは、尖状をなす角部96aの尖端をいう。
【0064】
この直交座標系において、X軸に対して120°~150°の角度範囲Rθで、原点Oを中心として切断面を回転させる場合を想定する。ここでの角度とは、X軸の正の部分を始線として、X軸に対して切断面のなす角度をいう。この切断面とは、XY平面と直交するとともに原点Oを通る平面をいう。この角度範囲Rθを通る切断面は、屈曲水路96を通り、その水路断面積を示す指標となる。
【0065】
この場合に、切断面において角度範囲Rθのなかで最小となる水路断面積をS0[mm]という。ここでの「水路断面積」とは、切断面における第1内部水路45の断面積をいう。水路断面積S0は、例えば、X軸に対して150°の角度となる位置を通る切断面の水路断面積である。このとき、異形断面部78の水路断面積S1[mm]は、水路断面積S0よりも小さくなる。この条件を満たす場合、水路断面積S1の下限値は、例えば、便器排水路20において水路断面積が最小となる箇所での水路断面積となる。この他に、円形断面部94の水路断面積S2は異形断面部78の水路断面積S1よりも大きくしてもよい。ここでの水路断面積S1。S2とは、縦管部48の管軸方向Daに直交する断面における第1内部水路45の面積をいう。
【0066】
これにより、異形断面部78の水路断面積S1を水路断面積S0と同じにする場合と比べ、異形断面部78において水流の占める範囲を大きくできる。ひいては、異形断面部78の内部において、サイフォン現象を促進できる。
【0067】
この他にも、異形断面部78の水路断面積S1は、水路断面積S0よりも大きくともよい。この条件を満たす場合、水路断面積S1の上限値は、例えば、前管部46において水路断面積が最大となる箇所での水路断面積となる。この条件を満たす場合、円形断面部94の水路断面積S2は、異形断面部78の水路断面積S1よりも小さくしてもよい。
【0068】
これにより、異形断面部78の水路断面積S1を水路断面積S0と同じにする場合と比べ、異形断面部78において水流の占める範囲を小さくできる。ひいては、異形断面部78の内部において、サイフォン現象を抑制できる。この他に、異形断面部78の内部における異物の詰まりを抑制できる。
【0069】
(第2実施形態)図10を参照する。本実施形態の第2ソケット管32は、第2内部水路60を構成する単数の管部材98を備える。詳しくは、管部材98は、管受け部62と、排水管接続部34の他に、管受け部62の中心軸に対して偏心する偏心管部100とを備える。偏心管部100は、上下方向Cに延びており、全体として直線状をなす。排水管接続部34は、偏心管部100の下流側端部によって構成される。
【0070】
このように、第2ソケット管32の第2内部水路60は、複数の管部材98によって構成されてもよいし、単数の管部材98によって構成されてもよい。複数の管部材98によって構成する場合、いずれかの管部材98はアジャスタ管部72を備えていなくともよい。
【0071】
(第3実施形態)図11を参照する。図11は、第2対応形態Fbの第1ソケット管30を示す。第2対応形態Fbにある第1ソケット管30は、第1実施形態と異なり、円形断面部94を備えていない。この代わりに、第2対応形態Fbにある第1ソケット管30の排水管接続部34は異形断面部78によって構成される。
【0072】
このように、第2対応形態Fbにあるとき、第1ソケット管30の円形断面部94は必須ではない。この場合、第1ソケット管30の排水管接続部34は、アダプタを介して、排水管10に接続されてもよい。
【0073】
各構成要素の他の変形形態を説明する。
【0074】
排水管10の上流端開口部10aの向きは特に限定されない。壁実施形態では、排水管10の中心軸線CL1が鉛直に設けられる例を説明した。この他にも、排水管10の中心軸線CL1は鉛直線に対して僅かに傾斜していてもよい。
【0075】
便器16は、実施形態において床置き式を説明した。この他にも、便器16は、壁掛け式でもよい。
【0076】
便器16の被接続部20aは、下流側に向かうに連れて下方に直線状に延びていてもよい。この場合、排水ソケット12の便器接続部52は、例えば、縦管部48の上流側端部に設けられる。
【0077】
第1ソケット管30のボルト固定部50は、トイレ室の壁部Wではなく、便器16に固定されてもよい。
【0078】
(A)、(B)で説明した効果を得るうえで、第1ソケット管30の異形断面部78の切断は必須とはならない。つまり、第1ソケット管30は、実施形態とは異なり、単管仕様Sbには使われず、複管仕様Saの排水ソケット12に専用に使われていてもよい。この場合、第1ソケット管30は、第1対応形態Faでのみ用いることができればよく、第2対応形態Fbで用いることができなくともよい。
【0079】
単管仕様Sbの排水ソケット12において、第1ソケット管30の排水管接続部34の接続方式は特に限定されない。たとえば、単管仕様Sbの場合もフランジ方式等が用いられてもよい。
【0080】
複管仕様Saの排水ソケット12において、第2ソケット管32の排水管接続部34の接続方式は特に限定されない。例えば、複管仕様Saの場合もスリップイン方式等が用いられてもよい。この他にも、複管仕様Saの排水ソケット12において、DFC(Direct Floor Connection)方式が用いられてもよい。DFC方式では、床フランジ36を用いることなく、フランジ方式で用いられる第2ソケット管32を床Fに直接に固定することで、排水ソケット12を排水管10に接続する。第2ソケット管32は、そのソケット側フランジ部34aと床Fの間に配置される粘着剤を用いて床Fに固定される。
【0081】
異形断面部78は前後寸法Lb1よりも左右寸法Lb2の小さい断面形状であってもよい。(C)で説明した効果を得るうえで、異形断面部78は短軸方向Pを前後方向Aに揃えるように配置されていなくともよい。
【0082】
第1ソケット管30は第1アジャスタ管部54を備えていなくともよい。これは、たとえば、縦管部48の上流側端部に便器接続部52が設けられる場合を想定している。
【0083】
第2ソケット管32の管受け部62及び第1屈曲管路部70は、第2アジャスタ管部72を備える第1管部材64に設けられる例を説明した。この他にも、これらは、第1管部材64とは別体の管部材に設けられてもよい。
【0084】
異形断面部78の水路断面積S1は、実施形態とは異なり、水路断面積S0と同じであってもよい。
【0085】
以上の実施形態及び変形形態は例示に過ぎない。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造には、製造誤差等を考慮すると同一とみなすことができる誤差の分だけずれた構造も当然に含まれる。
【0086】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…排水管、12…排水ソケット、16…便器、30…第1ソケット管、32…第2ソケット管、40…本体管、46…前管部、48…縦管部、52…便器接続部、54…第1アジャスタ管部、56…管接続部、62…管受け部、64…第1管部材、66…第2管部材、72…第2アジャスタ管部、74…管挿入部、78…異形断面部、80…屈曲箇所、92…切断端部、94…円形断面部、96…屈曲水路、96a…角部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11