(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068576
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】照明器具及び吸収部材
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20220427BHJP
F21V 11/02 20060101ALI20220427BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220427BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220427BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20220427BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21V11/02 100
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177331
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】寺田 守
(57)【要約】
【課題】所望の配光角より外側に光が出射されることを効果的に抑制できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、光源300と、反射部材400と、第1吸収部100とを備える。光源300は、光を出射する。反射部材400は、内部空間ANを有し、光源300から内部空間ANに入射した光を反射する。第1吸収部100は、光の一部を吸収する。内部空間ANは、第1空間A1と、第2空間A2とを有する。第2空間A2は、第1空間A1に連通する。第1空間A1は、第2空間A2よりも光源300に近い。第1吸収部100は、第1空間A1に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
内部空間を有し、前記光源から前記内部空間に入射した前記光を反射する反射部材と、
前記光の一部を吸収する吸収部と
を備え、
前記内部空間は、第1空間と、前記第1空間に連通する第2空間とを有し、
前記第1空間は、前記第2空間よりも前記光源に近く、
前記吸収部は、前記第1空間に配置される、照明器具。
【請求項2】
前記吸収部は、前記光源の光軸に対する周方向に沿った略環形状を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記反射部材は、前記光源の光軸に沿って延び、
前記吸収部は、前記反射部材のうちの前記光源に近い側の端部の内面に沿って配置される、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
内部空間を有する反射部材、及び光源を備える照明器具に配置されることの可能な吸収部材であって、
前記内部空間のうちの第1空間に配置され、前記光源の光の一部を吸収し、
前記反射部材は、前記光源から前記内部空間に入射した前記光を反射し、
前記第1空間は、前記内部空間の第2空間に連通し、前記第2空間よりも前記光源に近い、吸収部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具及び吸収部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明器具は、面状光源と、リフレクターと、シャープナーとを備える。面状光源は、発光する。リフレクターは、面状光源からの光を反射させる。シャープナーは、光学コントロール装置であり、リフレクターの内側に挿入される。すなわち、シャープナーは、リフレクターの配光を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具において、シャープナーは、リフレクターの内側のうち、光源に遠い側の空間に配置されている。すなわち、リフレクターの内側のうち、光源に近い側の空間には、シャープナー又はフレアカットルーバー(面状光源から出射される光のフレア成分をカットする部材)が配置されていない。従って、リフレクターの内側のうちの光源に近い側の空間を構成するリフレクターの内面で反射された光が、照明器具から広がって出射される可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の配光角より外側に光が出射されることを効果的に抑制できる照明器具及び吸収部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、光源と、反射部材と、吸収部とを備える。光源は、光を出射する。反射部材は、内部空間を有し、前記光源から前記内部空間に入射した前記光を反射する。吸収部は、前記光の一部を吸収する。前記内部空間は、第1空間と、前記第1空間に連通する第2空間とを有する。前記第1空間は、前記第2空間よりも前記光源に近い。前記吸収部は、前記第1空間に配置される。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記吸収部は、前記光源の光軸に対する周方向に沿った略環形状を有することが好ましい。
【0008】
本願に開示する光源モジュールにおいて、前記反射部材は、前記光源の光軸に沿って延びることが好ましい。前記吸収部は、前記反射部材のうちの前記光源に近い側の端部の内面に沿って配置されることが好ましい。
【0009】
本願に開示する吸収部材は、内部空間を有する反射部材、及び光源を備える照明器具に配置されることが可能である。吸収部材は、前記内部空間のうちの第1空間に配置され、前記光源の光の一部を吸収する。前記反射部材は、前記光源から前記内部空間に入射した前記光を反射する。前記第1空間は、前記内部空間の第2空間に連通し、前記第2空間よりも前記光源に近い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所望の配光角より外側に光が出射されることを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
【
図2】本実施形態に係る照明器具を示す底面図である。
【
図3】本実施形態に係る照明器具から出射される光の一例を示す模式図である。
【
図4】本発明の比較例に係る照明器具から出射される光の一例を示す模式図である。
【
図5】本実施形態に係る第1吸収部及び第2吸収部を示す斜視図である。
【
図6】
図2のA-A線に沿った照明器具の断面図である。
【
図7】本実施形態に係る照明器具から出射される光の他の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。
【0013】
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具1について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具1を示す側面図である。
図2は、本実施形態に係る照明器具1を示す底面図である。照明器具1は、例えばダウンライトであり、天井のような取付面C1に取り付けられることが可能である。より具体的には、照明器具1は取付面C1に形成された埋込穴Chに埋め込まれて固定されることが可能である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、照明器具1は、灯具10と、固定枠20と、取付バネ30と、第1吸収部100と、第2吸収部200と、光源300と、反射部材400とを備える。第1吸収部100は、「吸収部」の一例である。また、第1吸収部100は、「吸収部材」の一例である。以下、説明の便宜のために、灯具10に対して固定枠20が配置される側を「下側」と規定し、固定枠20に対して灯具10が配置される側を「上側」と規定して、上下方向を規定する。つまり、上下方向は、Z方向に平行である。ここで、「上」及び「下」は、取付面C1に照明器具1が取り付けられた状態であるときの「上」及び「下」に対応する。
【0015】
灯具10は、灯具本体11と、光漏洩規制部12と、放熱部13と、軸部材14とを含む。灯具10は、例えば、固定枠20に回転可能に装着されている。具体的には、灯具10の光漏洩規制部12が固定枠20に回転可能に装着されている。光漏洩規制部12は、例えば、固定枠20に対して回転方向R1に回転可能である。
【0016】
灯具本体11は、照明器具1の本体を形成する筐体である。灯具本体11の内部には、第1吸収部100と、第2吸収部200と、光源300と、反射部材400とが配置される。
【0017】
灯具本体11は、例えば、軸部材14によって、光漏洩規制部12に回転可能に装着されている。すなわち、灯具本体11は、光漏洩規制部12に対して傾動することが可能である。灯具本体11は、例えば、軸部材14の軸心を中心として、光漏洩規制部12に対して傾動する。軸部材14は、例えばビスである。
【0018】
光漏洩規制部12は、灯具本体11が光漏洩規制部12に対して傾動した際に灯具本体11と固定枠20との間から光が漏洩することを規制する。具体的には、光漏洩規制部12は、灯具本体11が光漏洩規制部12に対して傾動した際に灯具本体11と固定枠20との間に隙間が生じないようにする。あるいは、光漏洩規制部12は、灯具本体11が光漏洩規制部12に対して傾動した際に灯具本体11と固定枠20との間に生じる隙間をより小さくする。
【0019】
放熱部13は、灯具本体11から熱を放散する。放熱部13は、例えば、複数のフィンを含む。フィンは、熱を放散する。放熱部13は、熱伝導率が高い材料を含む。例えば、放熱部13は、金属製である。具体的には、成形加工の容易性や照明器具1の軽量化を考慮し、放熱部13は、例えば、アルミニウム製、又はアルミニウム合金製であり得る。
【0020】
固定枠20は、下面に開口20aを有する。取付バネ30は、固定枠20に固定される。取付バネ30は、固定枠20を取付面C1に取り付ける。
【0021】
光源300は、光を出射する。光源300から出射された光は、灯具本体11及び固定枠20を通過して、固定枠20の開口20aから照明器具1の外部に出射される。本実施形態において、光源300は、例えば面状光源である。本実施形態において、光源300は、例えば、基板301と、発光素子302とを含む。
【0022】
基板301は、例えば、略矩形形状を有する。また、本実施形態において、基板301は、例えば、略平板形状を有する。基板301には、発光素子302に電力を供給するための配線が形成されている。
【0023】
発光素子302は、光を出射する。発光素子302は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。発光素子302は1つであってもよく、複数であってもよい。また、発光素子302は、有機EL(Electro-Luminescence)素子またはレーザーダイオードを含んでもよい。発光素子302は、基板301に配置される。具体的には、発光素子302は、基板301の実装面に取り付けられている。すなわち、発光素子302は、基板301に実装される。
【0024】
光源300は、複数の発光素子302を基板301の実装面上に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)構造であってもよい。あるいは、光源300は、発光素子302と蛍光体とを一体化したユニットを基板301の実装面上に載置して基板301の導電体に電気的に接続したSMD(Surface Mount Device)構造であってもよい。あるいは、光源300は、いわゆる砲弾型の発光素子302から構成されてもよい。砲弾型の発光素子302から光源300が構成される場合、光源300は、基板301を含んでもよいし、基板301を含まなくてもよい。
【0025】
反射部材400は、光源300の下方に配置される。反射部材400は、略筒形状を有する。具体的には、反射部材400は、側面視において、略円錐台形状を有する。すなわち、反射部材400の直径は、光源300から離れるにしたがって漸次大きくなる。本実施形態において、反射部材400は、光源300の光軸LAに沿って延びる。ここで、本実施形態において、光源300の光軸LAはZ方向に平行であり、光源300の中心を通る。
【0026】
反射部材400は、内部空間ANを有する。内部空間ANは、第1空間A1と、第1空間A1に連通する第2空間A2とを有する。第1空間A1は、第2空間A2よりも光源300に近い。すなわち、光源300が出射した光は、第1空間A1を通過してから第2空間A2を通過する。
【0027】
反射部材400は、開口401h及び開口402hを有する。開口401h及び開口402は、それぞれ、反射部材400の両端に位置する。本実施形態において、開口401hは、開口402hよりも光源300に近い。また、本実施形態において、開口401hは、開口402hよりも小さい。
【0028】
反射部材400は、光源300から内部空間ANに入射した光を反射する。具体的には、光源300から出射された光は、反射部材400の開口401hから反射部材400の内部空間ANに入射する。そして、反射部材400は、内部空間ANに入射した光のうち、反射部材400の内面400nに入射した光を反射する。すなわち、反射部材400の内面400nによって反射された光と内面400nによって反射されない直接光とが、開口402hから出射される。そして、開口402hから出射された光は、固定枠20の開口20aを通過して、照明器具1の外部に出射される。
【0029】
反射部材400の内面400nは、光源300から出射される光を効率良く反射するために、白色塗装、銀色塗装、又は光沢のある金属メッキなどの反射加工が施されていることが好ましい。反射部材400の内面400nの素材が白色又は銀色等の光反射率の高い色彩を有していてもよい。
【0030】
第1吸収部100は、第1空間A1に配置される。第1吸収部100は、光源300から出射される光の特性を制御する。具体的には、第1吸収部100は、光源300から出射される光の一部を吸収する。より具体的には、第1吸収部100は、第1空間A1を通過する光の一部を吸収する。従って、照明器具1に設定された配光角より外側に光が出射されることを効果的に抑制できる。照明器具1に設定された配光角より外側に出射される光は、所謂、フレアである。以下、
図3及び
図4を参照して、比較例と比較しつつ本実施形態の第1吸収部100について説明する。
【0031】
図3は、照明器具1から出射される光の一例を示す模式図である。
図4は、本発明の比較例に係る照明器具1zから出射される光の一例を示す模式図である。本実施形態に係る照明器具1は第1吸収部100を備えているが、比較例に係る照明器具1zは第1吸収部を備えていない。照明器具1及び照明器具1zの各々は、照射面C2に向かって光を出射している。照射面C2は、例えば床面である。なお、発明を理解しやすくするため、
図3及び
図4では、灯具10、固定枠20、及び取付バネ30を省略している。また、図面作成の都合上、照明器具1から照射面C2までの距離を短く示しているが、実際は、照明器具1から照射面C2までの距離は、長くてもよいし、短くてもよい。また、照明器具1zも照明器具1と同様に、照明器具1zから照射面C2までを短く示しているが、実際は、照明器具1zから照射面C2までの距離は、長くてもよいし、短くてもよい。
【0032】
図3に示すように、第1吸収部100は、光源300から出射される光の一部を吸収する。また、反射部材400は、光源300から出射されて、第1吸収部100に入射することなく、反射部材400の内面400nに入射した光を反射させる。なお、第1吸収部100に入射することなく、反射部材400の内面400nに入射する他の光の一例について、
図7を参照して後述する。
【0033】
一方、
図4に示すように、照明器具1zでは、反射部材400は、光源300から出射されて反射部材400の内面400nに入射した光を反射させる。照明器具1zにおいて、第1空間A1で反射した光は、例えば、再度、内面400nで反射されて、照明器具1zから出射されている。
【0034】
本実施形態と比較例とを比較すると、本実施形態では、比較例の照明器具1zから出射される光よりも、照明器具1から出射される光の広がりが抑制されている。つまり、第1吸収部100によって、例えば、照明器具1から出射されるフレアが抑制されている。すなわち、第1吸収部100は、例えば、フレアカットルーバーとして機能する。
【0035】
また、実施形態1と比較例とをさらに比較すると、比較例の照明器具1zの第1空間A1で反射された光よりも、本実施形態の照明器具1の第1空間A1で反射された光の方が広がりを抑制するように照明器具1から出射されている。その結果、照明器具1から出射される光の広がりが大きくなりすぎることを抑制できる。すなわち、本実施形態の照明器具1の配光範囲の方が、比較例の照明器具1zの配光範囲よりも狭い。
【0036】
次に、
図1に戻って、第2吸収部200について説明する。本実施形態において、第2吸収部200は、第2空間A2に配置される。第2吸収部200は、光源300から出射される光の特性を制御する。具体的には、第2吸収部200は、光源300から出射される光の一部を吸収する。より具体的には、第2吸収部200は、第2空間A2を通過する光の一部を吸収する。第2吸収部200は、例えば、照明器具1のオプション部品であり、灯具本体11に対して着脱自在である。また、第2吸収部200は、例えば、フレアカットルーバーとして機能する。つまり、第2吸収部200は、例えば、フレアを抑制する。
【0037】
次に、
図1及び
図5を参照して、第1吸収部100及び第2吸収部200について説明する。
図5は、第1吸収部100及び第2吸収部200を示す斜視図である。詳しくは、
図5は、斜め上方から視た第1吸収部100及び第2吸収部200を示す。なお、発明を理解しやすくするため、
図5では、第1吸収部100及び第2吸収部200が照明器具1に配置される場合の光源300の光軸LAを示している。
図5に示すように、本実施形態において、第1吸収部100と第2吸収部200とは別体である。
【0038】
第1吸収部100は、例えば中空の略円錐台形状を有する部材である。また、第1吸収部100は、光源300の光軸LAに対する周方向R3に沿った略環形状を有する。具体的には、第1吸収部100は、略円環形状を有する。従って、反射部材400の第1空間A1の少なくとも一部において、全周にわたって、光源300から出射される光が吸収される。その結果、第1吸収部100が略環形状を有しない場合と比較して、効果的に、照明器具1から出射される光の広がりを抑制できる。
【0039】
第1吸収部100は、光を吸収し易い色彩を有することが好ましい。具体的には、例えば、第1吸収部100は、黒色素材で形成される。なお、第1吸収部100は、例えば、黒色塗装(具体的には、艶消し黒色塗装等)が施されてもよい。第1吸収部100は、例えば樹脂製である。
【0040】
第2吸収部200は、筒部210と、張出部220と、環状部230と、接続部240とを含む。本実施形態において、第2吸収部200は、複数の接続部240を含む。具体的には、第2吸収部200は、3個の接続部240を含む。本実施形態において、筒部210と、張出部220と、環状部230と、接続部240とは一体成形品である。ただし、筒部210と、張出部220と、環状部230と、接続部240とは、別体であってもよい。
【0041】
第2吸収部200が照明器具1に配置される状態において、筒部210は、光軸LAに沿って延びる。また、第2吸収部200が照明器具1に配置される状態において、張出部220は、筒部210のうちの光源300に近い側の端部210aから張り出す。第2吸収部200が照明器具1に配置される状態において、張出部220は、周方向R3に沿った略環形状を有する。具体的には、張出部220は、略円環形状を有する。
【0042】
環状部230は、環形状を有する。本実施形態において、環状部230は、略円環形状を有する。接続部240は、筒部210と環状部230とを接続する。
【0043】
第2吸収部200は、光を吸収し易い色彩を有することが好ましい。具体的には、例えば、第2吸収部200は、黒色素材で形成される。なお、第2吸収部200には、例えば、黒色塗装(具体的には、艶消し黒色塗装等)が施されてもよい。
【0044】
次に、
図5及び
図6を参照して、本実施形態の照明器具1を更に説明する。
図6は、
図2のA-A線に沿った照明器具1の断面図である。
【0045】
図6に示すように、第1吸収部100の側面100aは、反射部材400の内面400nに沿っている。すなわち、側面100aと内面400nとが光軸LAに交差する方向に対向する。具体的には、側面100aと内面400nとは、光軸LAに対する径方向RDに対向する。
【0046】
第1吸収部100は、反射部材400のうちの発光素子302に近い側の端部400aの内面400anに沿って配置される。具体的には、第1吸収部100の側面100aが、反射部材400の内面400anに沿って配置される。従って、入射角度の小さい光が、反射部材400によって反射されることを抑制できる。その結果、所望の配光角より外側に光が出射されることを効果的に抑制できる。すなわち、照明器具1から出射される光の広がりが大きくなりすぎることを効果的に抑制できる。なお、内面400anは、反射部材400の内面400nを構成する。ここで、光の入射角度とは、光が入射するときの方向と、光が入射する面の法線とがなす角度のことである。
【0047】
本実施形態において、第1吸収部100は、例えば、接着剤によって反射部材400の内面400nに接着される。ただし、第1吸収部100は、ネジのような締結部材によって反射部材400に固定されてもよい。また、第1吸収部100は、第1吸収部100の弾性力によって、第1空間A1に配置されてもよい。この場合、第1吸収部100は、例えば、弾性を有する。加えて、第1吸収部100の直径は、反射部材400の内面400nのうちの第1空間A1を構成する領域の直径よりも大きい。その結果、第1吸収部100の広がろうとする弾性力によって、第1吸収部100は、反射部材400の内面400nを押圧し、第1吸収部100は、第1空間A1に配置される。
【0048】
ここで、本実施形態において、反射部材400から出射される光のうち、固定枠20で遮られる成分が極力少なくなるように、照明器具1が光学設計されている。例えば、反射部材400の内面400n及び/又は光源300の位置が設計されている。具体的には、例えば、内面400nの湾曲の程度が設計されている。
【0049】
照明器具1は、支持部250をさらに含む。支持部250は、反射部材400を支持している。支持部250は、例えば弾性体である。具体的には、支持部250は、例えば、円弧形状(具体的には優弧形状)を有するバネである。また、支持部250の外径は、灯具本体11の内径よりも大きい。従って、支持部250の広がろうとする弾性力によって、支持部250は、灯具本体11の内面を押圧し、支持部250は、灯具本体11に係合する。
【0050】
本実施形態において、第2吸収部200は、支持部250に取り付けられる。具体的には、第2吸収部200の環状部230は、支持部250に取り付けられる。例えば、第2吸収部200は、接着剤によって支持部250に接着される。より具体的には、第2吸収部200の環状部230は、接着剤によって支持部250に接着される。
【0051】
固定枠20は、反射部材21と、枠台22とを含む。反射部材21は、枠台22の内側に配置される。反射部材21は、例えば、枠台22に着脱自在である。灯具本体11を通過して、固定枠20に進入した光の一部は、反射部材21で反射して、固定枠20の開口20aから照明器具1の外部に出射される。以下、
図7を参照して、灯具本体11を通過して固定枠20に進入する光について説明する。
【0052】
図7は、照明器具1から出射される光の他の一例を示す模式図である。なお、発明を理解しやすくするため、
図7では、灯具10、固定枠20の枠台22及び取付バネ30を省略している。また、図面作成の都合上、照明器具1から照射面C2までの距離を短く示しているが、実際は、照明器具1から照射面C2までの距離は、長くてもよいし、短くてもよい。
【0053】
図7に示すように、反射部材400の内面400nを反射する光のうち、光軸LAを挟んで、光軸LAに対する径方向RDに互いに対向する位置で反射する光は、例えば、交差する。具体的には、例えば、反射部材400の内面400nを反射する光のうち、光軸LAを挟んで、光軸LAに対する径方向RDに互いに対向する位置で反射する光は、例えば、反射部材21の内部で交差する。なお、反射部材400の内面400nを反射する光のうち、光軸LAを挟んで、光軸LAに対する径方向RDに互いに対向する位置で反射する光は、反射部材21の下方で交差してもよい。また、交差する光は、光軸LA上で交差してもよいし、光軸LAと異なる位置で交差してもよい。
【0054】
本実施形態において、固定枠20は、上面に開口20bを有する(
図6参照)。開口20bの直径は開口20aの直径よりも短いため、開口20bの近傍で、反射部材400から出射された光が遮られる可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、反射部材400の内面400nを反射する光は、例えば、反射部材21の内部、または反射部材21の下方で交差するため、内面400nを反射する光が開口20bの近傍で遮られる可能性を低減できる。すなわち、照明器具1の光効率の低下を抑制できる。
【0055】
ここで、
図6を参照して上述したように、反射部材400から出射される光のうち、固定枠20で遮られる成分が極力少なくなるように、照明器具1が光学設計されている。具体的には、例えば、
図7に示すように、反射部材400の内面400nを反射する光は、固定枠20で遮られることなく、照明器具1から出射されている。なお、照明器具が第1吸収部を備えない場合、反射部材の上側の端部の近傍で反射される光は、広がって反射部材から出射されるため、固定枠で遮られる可能性が高い。すなわち、照明器具が第1吸収部を備えない場合、固定枠から出射される光の量が減少して、照明器具の光効率が低下する可能性がある。
【0056】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態及び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素のD、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
(1)
図5を参照して説明したように、本実施形態において、第1吸収部100は中空の略円錐台形状の部材であった。ただし、第1吸収部100が反射部材400の第1空間A1に配置される限り、第1吸収部100の形態は、特に限定されない。例えば、第1吸収部100は、反射部材400の内面400nに形成された塗装領域、またはテープであってもよい。塗装領域及びテープは、例えば、光を吸収し易い色彩を有する。具体的には、塗装領域及びテープには、黒色塗装(具体的には、艶消し黒色塗装等)が施されてもよい。
【0058】
(2)
図6を参照して説明したように、第2吸収部200は、接着剤によって支持部250に接着された。ただし、第2吸収部200が磁石を含み、磁石の磁力によって、第2吸収部200と支持部250とが接続されてもよい。また、第2吸収部200は、ネジのような締結部材によって反射部材400に固定されてもよい。この場合、照明器具1は、支持部250を備えなくてもよい。
【0059】
(3)
図1を参照して説明したように、第1吸収部100は、第1空間A1に配置された。ただし、第1吸収部100が第1空間A1に配置される限り、光軸LAに沿った方向における第1吸収部100の長さは特に限定されない。例えば、第1吸収部100の一部が第1空間A1に配置され、第1吸収部100の他の一部が第2空間A2に配置されてもよい。また、第1吸収部100の一部が第1空間A1に配置され、第1吸収部100の他の一部が第1空間A1よりも光源300に近い側の空間に配置されてもよい。光軸LAに沿った方向における第1吸収部100の長さを調整することで、照明器具1から出射される光の広がりの程度を調整できる。すなわち、照明器具1の配光範囲を調整できる。
【0060】
(4)
図5を参照して説明したように、第1吸収部100は、光源300の光軸LAに対する周方向R3に沿った略環形状を有した。ただし、第1吸収部100が第1空間A1に配置される限り、第1吸収部100は、端の無い連続した略環形状を有していてもよいし、一部途切れた円環形状を有していてもよい。
【0061】
(5)
図6を参照して説明したように、第1吸収部100は、反射部材400の内面400anに沿って配置された。ただし、第1吸収部100が第1空間A1に配置される限り、第1吸収部100は、端部400aから離れた位置に配置されていてもよい。
【0062】
(6)
図5を参照して説明したように、本実施形態において、環状部230は、略円環形状を有した。ただし、環状部230の形状は特に限定されない。例えば、環状部230は、略多角環形状を有していてもよい。例えば、環状部230は、略四角環形状を有していてもよい。
【0063】
(7)
図5を参照して説明したように、第2吸収部200の環状部230は、支持部250に取り付けられた。ただし、接続部240の先端が支持部250に取り付けられてもよい。具体的には、例えば、接続部240の先端が支持部250に接着されてもよい。この場合、第2吸収部200は、環状部230を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0064】
(8)
図5を参照して説明したように、本実施形態において、接続部240は、3個の接続部240を含んだ。ただし、接続部240が筒部210と環状部230とを接続する限り、接続部240は、単数であってもよい。また、接続部240は、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、照明器具及び吸収部材の分野に利用可能であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0066】
1 照明器具
100 第1吸収部(吸収部、吸収部材)
300 光源
400 反射部材
AN 内部空間
A1 第1空間
A2 第2空間
LA 光軸