(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068599
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60K 6/405 20071001AFI20220427BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20220427BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220427BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20220427BHJP
B60K 6/52 20071001ALI20220427BHJP
B60K 6/54 20071001ALI20220427BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20220427BHJP
【FI】
B60K6/405 ZHV
H02K11/30
H02M7/48 Z
B60K6/48
B60K6/52
B60K6/54
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177370
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】星 秀之
(72)【発明者】
【氏名】岡田 将和
(72)【発明者】
【氏名】廣瀧 敬士
【テーマコード(参考)】
3D202
3D235
5H611
5H770
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202EE00
3D202EE21
3D202EE23
3D202FF01
3D202FF04
3D235AA01
3D235BB17
3D235BB18
3D235CC06
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC32
3D235DD02
3D235DD12
3D235DD19
3D235DD47
3D235FF12
3D235FF22
3D235FF32
3D235FF35
3D235HH05
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT01
5H611UA01
5H770BA02
5H770CA01
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】インバータの配置による、乗員スペースへの影響を抑制することができる車両を提供する。
【解決手段】車両は、縦置きエンジン10、モータ12、トランスミッション13、およびインバータ27を備える。モータ12は、縦置きエンジン10の後方に配置されている。トランスミッション13は、ミッションケース13aを有し。モータ12の後方に隣接配置されている。トランスミッション13は、フロアトンネル1dの下方に配置されている。インバータ27は、フロアトンネル1dの下方であって、且つ、ミッションケース13aの上部13bに取り付けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の気筒を有し、当該複数の気筒が車両前後方向に配列されるように搭載された縦置きエンジンと、
前記縦置きエンジンに対して車両前後方向の後方に配置され、車両走行用の駆動力を発生可能なモータと、
変速機構と、当該変速機構を収容するミッションケースとを有し、前記モータに対して車両前後方向の後方に隣接配置されるとともに、前記モータに連結されたトランスミッションと、
入力された直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力するインバータと、
を備え、
車両のフロアパネルには、車室内に向けて膨出し、車両前後方向に延びるフロアトンネルが形成されており、
前記トランスミッションは、前記フロアトンネルの下方に配置されており、
前記インバータは、前記フロアトンネルの下方であって、且つ、前記ミッションケースの上部に取り付けられている、
車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記モータは、ロータおよびステータと、当該モータおよびステータを収容するモータケースとを有し、
前記ミッションケースの前記上部は、前記モータケースの外周面における上端部よりも車両上下方向で低い位置に配されている、
車両。
【請求項3】
請求項2に記載の車両において、
前記モータケースの外周面における上端部から前記モータにおける回転軸の軸芯に平行な仮想線を引くとき、前記インバータは、前記仮想線よりも下方に収まるように配置されている、
車両。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両において、
前記縦置きエンジンに接続され、当該縦置きエンジンから排出された排気ガスを車両後方に案内して排出する排気管と、
トランスミッションから出力された駆動力を前輪に伝達するためのフロントプロペラシャフトと、
をさらに備え、
前記ミッションケースの周囲においては、車幅方向における一方の側方に前記排気管が配置され、車幅方向における他方の側方に前記フロントプロペラシャフトが配置されている、
車両。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載の車両において、
前記トランスミッションは、前記ミッションケースの下部に取付けられ、作動油を貯留するためのオイルパンをさらに有する、
車両。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の車両において、
入力された直流電力の電圧を変換して前記車両の負荷に出力するDC-DCコンバータをさらに備え、
前記DC-DCコンバータは、前記フロアパネルの下方であって、車幅方向における前記フロアトンネルに隣接する領域に配置されている、
車両。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載の車両において、
前記車両の前部には、エンジンルームが設けられ、
前記フロアトンネルは、前記エンジンルームから車両後方に向けて延びるように形成されており、
前記縦置きエンジンおよび前記モータは、前記エンジンルーム内に搭載されている、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、特に車両走行用の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減などを目的として、車両走行用の駆動源としてエンジンに加えてモータを備えたハイブリッド車が普及してきている。
【0003】
特許文献1には、車両走行用の駆動源としてエンジンとモータとを備えた車両が開示されている。特許文献1に開示の車両において、エンジンは、4気筒のエンジンであり、気筒が車両前後方向に配列された縦置きで車両に搭載されている。モータは、エンジンに対して車両前後方向の後方に配置され、クラッチを介してエンジンの出力軸に接続されている。モータのさらに後方には、トランスミッションが配置されている。
【0004】
特許文献1に開示の車両では、インバータを含む電力変換装置がトランスミッションにおけるミッションケースの側部に取付けられている。バッテリからの直流電力は、インバータで交流電力に変換されてモータへと供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の車両では、電力変換装置がトランスミッションの側部に取付けられているので、車幅方向において乗員スペースが狭くなってしまうという問題がある。即ち、縦置きエンジンを採用する場合には、トランスミッションはフロアトンネルの下方に配置されることになるが、ミッションケースの側部に電力変換装置を取り付けた場合には、その分だけフロアトンネルの幅(車幅方向の寸法)を大きくすることが必要となる。
【0007】
フロアトンネルの幅を大きくした場合には、運転者を含む乗員の足元スペースに影響を及ぼすこととなる。よって、ミッションケースの側部に電力変換装置を取り付けた構造を採用する上記特許文献1の車両では、運転者が操作するペダル位置を、人間工学的に理想的とされる位置からずれた位置にオフセット配置せざるを得なくなる。このため、上記特許文献1に開示の車両を運転した場合には、運転者の疲労が増すことになってしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、インバータの配置による、乗員スペースへの影響を抑制することができる車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る車両は、複数の気筒を有し、当該複数の気筒が車両前後方向に配列されるように搭載された縦置きエンジンと、前記縦置きエンジンに対して車両前後方向の後方に配置され、車両走行用の駆動力を発生可能なモータと、変速機構と、当該変速機構を収容するミッションケースとを有し、前記モータに対して車両前後方向の後方に隣接配置されるとともに、前記モータに連結されたトランスミッションと、入力された直流電力を交流電力に変換して前記モータに出力するインバータと、を備え、車両のフロアパネルには、車室内に向けて膨出し、車両前後方向に延びるフロアトンネルが形成されており、前記トランスミッションは、前記フロアトンネルの下方に配置されており、前記インバータは、前記フロアトンネルの下方であって、且つ、前記ミッションケースの上部に取り付けられている。
【0010】
上記態様に係る車両では、インバータが、フロアトンネルの下方において、ミッションケースの上部に取り付けられている。このため、上記態様に係る車両では、ミッションケースの側部にインバータなどの電力変換装置を取り付けている上記特許文献1に開示の車両に対して、フロアトンネルの幅(車幅方向の寸法)が大きくなるのを抑制することができる。よって、上記態様に係る車両では、乗員の足元スペースが圧迫され難く、運転者が操作するペダル位置を、人間工学的に理想的とされる位置に配置し易い。このため、上記態様に係る車両では、運転者が疲労し難い。
【0011】
上記態様に係る車両において、前記モータは、ロータおよびステータと、当該ロータおよびステータを収容するモータケースとを有し、前記ミッションケースの前記上部は、前記モータケースに外周面における上端部よりも車両上下方向で低い位置に配されている、ことにしてもよい。
【0012】
上記態様に係る車両では、ミッションケースの上部がモータケースの外周面における上端部よりも低い位置に配されている。よって、上記態様に係る車両では、モータケースの外周面における上端部とミッションケースの上部との段差を有効利用してインバータを配置することで高いスペース効率でのインバータの配置を実現することができる。
【0013】
上記態様に係る車両において、前記モータケースの外周面における上端部から前記モータにおける回転軸の軸芯に平行な仮想線を引くとき、前記インバータは、前記仮想線よりも下方に収まるように配置されている、ことにしてもよい。
【0014】
上記態様に係る車両では、インバータが上記仮想線よりも下方に収まるように配置されているので、インバータが配置された部分でフロアトンネルが上方に凸となるようなことを避けることができる。よって、上記態様に係る車両では、車室内において、フロアトンネルの上方に配置される部位(フロントコンソール、センターコンソール)のスペースが圧迫されるのを抑制することができる。
【0015】
上記態様に係る車両において、前記縦置きエンジンに接続され、当該縦置きエンジンから排出された排気ガスを車両後方に案内して排出する排気管と、トランスミッションから出力された駆動力を前輪に伝達するためのフロントプロペラシャフトと、をさらに備え、前記ミッションケースの周囲においては、車幅方向における一方の側方に前記排気管が配置され、車幅方向における他方の側方に前記フロントプロペラシャフトが配置されている、ことにしてもよい。
【0016】
上記態様に係る車両では、ミッションケースの一方の側方に排気管が配置され、他方の側方にフロントプロペラシャフトが配置されているが、インバータがこれらを干渉するのを防ぐことができる。即ち、インバータは、ミッションケースの上部に取り付けられているので、排気管やフロントプロペラシャフトとの干渉が避けられる。また、インバータをミッションケースの上部に取り付け、排気管をミッションケースの側方に配置することで、排気管からの熱がインバータに対して影響を及ぼすのも抑制することができる。
【0017】
上記態様に係る車両において、前記トランスミッションは、前記ミッションケースの下部に取付けられ、作動油を貯留するためのオイルパンをさらに有する、ことにしてもよい。
【0018】
上記態様に係る車両では、ミッションケースの下部にオイルパンが取り付けられているが、インバータはミッションケースの上部に取り付けられているので、インバータとオイルパンとの干渉も避けられる。
【0019】
上記態様に係る車両において、入力された直流電力の電圧を変換して前記車両の負荷に出力するDC-DCコンバータをさらに備え、前記DC-DCコンバータは、前記フロアパネルの下方であって、車幅方向における前記フロアトンネルに隣接する領域に配置されている、ことにしてもよい。
【0020】
上記態様に係る車両では、DC-DCコンバータをフロアトンネルに隣接する領域に配置することにより、DC-DCコンバータを配設するためにフロアトンネルの幅を大きくする必要がない。なお、DC-DCコンバータについては、モータに電力を出力するものではないので、必ずしもモータの近傍領域に配置する必要がない。よって、上記のように、DC-DCコンバータをフロアトンネルに隣接する領域に配置することが可能である。
【0021】
上記態様に係る車両において、前記車両の前部には、エンジンルームが設けられ、前記フロアトンネルは、前記エンジンルームから車両後方に向けて延びるように設けられており、前記縦置きエンジンおよび前記モータは、前記車両の前部に設けられたエンジンルーム内に搭載されている、ことにしてもよい。
【0022】
上記態様に係る車両では、縦置きエンジンおよびモータが車両の前部のエンジンルームに搭載されている。この形態においては、フロアトンネルの下方に配置されたトランスミッションが前席の足元に位置することとなるが、上記のようにインバータをミッションケースの上部に取り付けることにより、前席に着座する乗員(運転者など)の足元スペースが圧迫されるのを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
上記の各態様に係る車両では、インバータの配置による、乗員スペースへの影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す模式図である。
【
図2】車両におけるトランスミッションおよびその周辺構造を斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】車両におけるトランスミッションおよびその周辺構造を斜め下方から見た斜視図である。
【
図4】車両におけるトランスミッションおよびその周辺構造を上方から見た平面図である。
【
図6】モータおよびトランスミッションとインバータとの位置関係を示す模式図である。
【
図7】
図4のVII-VII線断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0026】
以下の説明で用いる図においては、「FR」が車両前方、「RE」が車両後方、「UP」が車両上方、「LO」が車両下方、「RI」が車両右方、「LE」が車両左方をそれぞれ示す。
【0027】
1.車両1の概略構成
本実施形態に係る車両1の概略構成について、
図1を用いて説明する。
【0028】
図1に示すように、車両1は、車両走行用の駆動源としてエンジン10とモータ12とを備える。エンジン10およびモータ12は、車両1の前部に設けられたエンジンルーム1a内に搭載されている。エンジン10は、複数の気筒10aを有し、複数の気筒10aが車両1の前後方向に並ぶように縦置きで配置されている。即ち、本実施形態では、エンジン10は、縦置きエンジンである。
【0029】
なお、本実施形態に係る車両1では、エンジン10として、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンの何れを採用することも可能である。
【0030】
モータ12は、エンジン10に対して、車両1の前後方向における後方に配置されている。そして、モータ12の回転軸は、ダンパ11を介してエンジン10の出力軸に連結されている。エンジン10とモータ12とは、車両1の走行状況に応じて、一方あるいは両方が車両走行用の駆動力を発生する。なお、エンジン10とモータ12との間に設けられたダンパ11は、エンジン10とモータ12との間で衝撃トルクを緩和するためのデバイスである。
【0031】
車両1は、トランスミッション13、トランスファ14、プロペラシャフト15,16、デファレンシャルギヤ17,21、ドライブシャフト18,22、および車輪19,20,23,24も備える。トランスミッション13は、モータ12に連結されている。トランスミッション13は、モータ12からの駆動力に加えて、モータ12を通してエンジン10からの駆動力も入力されるようになっている。トランスミッション13は、走行状況に応じた比に変速してトランスファ14に出力する。
【0032】
なお、本実施形態に係る車両1では、トランスミッション13として、マニュアルトランスミッションあるいはオートマチックトランスミッションの何れを採用することも可能である。
【0033】
トランスファ14は、動力分割装置であって、トランスミッション13から出力された駆動力を前輪23,24への駆動力と後輪19,20への駆動力とに分割するデバイスである。トランスファ14には、リア(R)プロペラシャフト15とフロント(F)プロペラシャフト16とが連結されている。
【0034】
なお、トランスファ14による駆動力の配分は、路面μ等に応じて比率が逐次変更されるようになっていてもよい。
【0035】
Rプロペラシャフト15は、トランスファ14から車両前後方向の後方に向けて延びるように設けられている。Rプロペラシャフト15の後端は、リア(R)デファレンシャルギヤ17に連結されている。Rデファレンシャルギヤ17からは、車幅方向の両側に向けてリア(R)ドライブシャフト18が延びている。Rドライブシャフト18の両端には、後輪19,20が取り付けられている。
【0036】
Fプロペラシャフト16は、トランスミッション13、モータ12、およびダンパ11の車幅方向の側方を通り、車両前後方向に前方に向けて延びるように設けられている。Fプロペラシャフト16の前端は、フロント(F)デファレンシャルギヤ21に連結されている。Fデファレンシャルギヤ21からは、車幅方向の両側に向けてフロント(F)ドライブシャフト22が延びている。Fドライブシャフト22の両端には、前輪23,24が取り付けられている。
【0037】
さらに、車両1は、バッテリ25と電力変換ユニット26とを備える。バッテリ25は、それぞれがリチウムイオンバッテリである複数のバッテリで構成されたバッテリモジュールである。バッテリ25には、電力変換ユニット26が接続されている。
【0038】
電力変換ユニット26は、インバータ27とDC-DCコンバータ28とを有する。インバータ27は、バッテリ25から入力された直流電力を交流電力に変換してモータ12に出力するデバイスである。DC-DCコンバータ28は、バッテリ25から入力された直流電力の電圧を変換(昇降圧)して車両1の各種負荷に出力するデバイスである。
【0039】
2.トランスミッション13およびその周辺構造
車両1におけるトランスミッション13およびその周辺構造について、
図2から
図4を用いて説明する。
【0040】
図2から
図4に示すように、モータ12はモータケース12aを有し、トランスミッション13はミッションケース13aを有する。モータケース12aは、筒状の外殻部材であって、内部にロータおよびステータ(図示を省略。)を収容する。ミッションケース13aは、モータケース12aよりも小径で長尺の筒状の外殻部材であって、内部に変速機構(図示を省略。)を収容する。
【0041】
ミッションケース13aの上部には、インバータ27が取り付けられている。インバータ27は、車両前後方向において、ミッションケース13aに上部に収まるように配置されている。即ち、インバータ27は、ミッションケース13aに対して、車両前後方向や車幅方向にはみ出さないように配置されている。
【0042】
図2および
図4に示すように、ミッションケース13aの上部からモータケース12aの上部にかけての領域には、端子台29が取り付けられている。端子台29は、インバータ27とモータ12とを電気接続するための端子やバスバーが収容された部材である。
【0043】
図2から
図4に示すように、DC-DCコンバータ28は、ミッションケース13aに対して車幅方向の一方の側方に離間し、且つ、ミッションケース13aの下部よりも車両上下方向の下方に配されている。DC-DCコンバータ28の配置形態については、後述する。
【0044】
ミッションケース13aおよびモータケース12aに対して、隙間を空けた状態でFプロペラシャフト16が配設されている。Fプロペラシャフト16は、車幅方向において、DC-DCコンバータ28が配置されたのと同じ側に配置されている。Fプロペラシャフト16は、DC-DCコンバータ28よりもミッションケース13a等に近い領域に配置されている。
【0045】
図4に示すように、ミッションケース13aに対して、車幅方向における、DC-DCコンバータ28およびFプロペラシャフト16が配置された側とは反対側の側方領域には、排気管30が配置されている。詳細な図示を省略しているが、排気管30は、エンジン10のエキゾーストマニホールドに接続されており、車両前後方向の後方に向けて延びるように設けられている。
【0046】
図3に示すように、ミッションケース13aの下部には、オイルパン31が取り付けられている。オイルパン31は、トランスミッション13の作動油を貯留するための容器である。
【0047】
3.フロアトンネル1d内におけるトランスミッション13およびインバータ27の配置
フロアトンネル1d内におけるトランスミッション13およびインバータ27の配置について、
図5および
図6を用いて説明する。
【0048】
図5に示すように、車両1では、エンジンルーム1aと車室とはダッシュパネル1bで仕切られている。車室の下部には、ダッシュパネル1bに連続するフロアパネル1cが設けられている。そして、フロアパネル1cには、車幅方向の中央領域において、車両上下方向の上方(車室内側)に向けて膨出するとともに、車両前後方向に延びるフロアトンネル1dが設けられている。
【0049】
車両1では、エンジン10、ダンパ11、およびモータ12は、エンジンルーム1a内に配置されている。トランスミッション13およびインバータ27は、フロアトンネル1dの下方に配置されている。
【0050】
ここで、
図6に示すように、車両上下方向において、ミッションケース13aの上部13bは、モータケース12aの外周面における上端部12bよりも低い位置に配されている。即ち、ミッションケース13aの上部13bとモータケース12aの外周面における上端部12bとの間には、車両上下方向に段差Gが設けられている。本実施形態に係る車両1では、当該段差Gを有効利用してインバータ27が配置されている。
【0051】
さらに、モータケース12aの外周面における上端部12bから、モータ12の回転軸(図示を省略。)の軸芯Ax12に平行な仮想線LN12を引くとき、インバータ27は、車両上下方向において、仮想線LN12よりも車両上下方向の下方に収まるように、ミッションケース13aの上部13bに取付けられている。本実施形態に係る車両1では、車両上下方向において、段差G内に収まるようにインバータ27を配置しているので、当該インバータ27が配置された部分でフロアトンネル1dを部分的に上方に凸となるように膨らませる必要がない。よって、車両1では、車室内において、フロアトンネル1dの上方に配置される部位(フロントコンソール、センターコンソール)1eのスペースが圧迫されるのを抑制することができる。
【0052】
なお、
図6に示すように、オイルパン31は、ミッションケース13aの下部13cに取付けられているので、フロアトンネル1dに影響を及ぼさない。
【0053】
4.DC-DCコンバータ28、排気管30、およびオイルパン31とインバータ27との配置関係
DC-DCコンバータ28、排気管30、およびオイルパン31とインバータ27との配置関係について、
図7を用いて説明する。
【0054】
図7に示すように、車両1において、インバータ27は、フロアトンネル1dの下方において、ミッションケース13aの上部13bに取付けられている。このため、車両1では、インバータ27をミッションケース13aの側部に取付けることで、当該インバータ27を車幅方向の側方1f,1gに配する場合に比べてフロアトンネル1dの車幅方向での寸法(幅)を大きくしなくてもよい。
【0055】
Fプロペラシャフト16は、フロアトンネル1dの下方であって、ミッションケース13aの側方1gに配置している。これに対して、インバータ27は、ミッションケース13aの上部13bに取付けられているので、Fプロペラシャフト16に干渉することはない。
【0056】
DC-DCコンバータ28は、フロアパネル1cの下方であって、フロアトンネル1dに対して車幅方向の左方近傍領域1hに配置されている。インバータ27は、ミッションケース13aの上部13bに取付けられているので、DC-DCコンバータ28に干渉することはない。
【0057】
排気管30は、フロアパネル1cの下方であって、フロアトンネル1dに対して車幅方向の右方近傍領域1iに配置されている。インバータ27は、ミッションケース13aの上部13bに取付けられているので、排気管30に干渉することもない。また、インバータ27は、フロアトンネル1dの下方において、ミッションケース13bの上部に取り付けられており、フロアトンネル1dに対して車幅方向の右方近傍領域1iに配置された排気管30からの熱の影響を受け難い。
【0058】
オイルパン31は、ミッションケース13aの下部13cに取付けられている。インバータインバータ27は、ミッションケース13aの上部13bに取付けられているので、オイルパン31に干渉することもない。
【0059】
5.効果
本実施形態に係る車両1では、インバータ27が、フロアトンネル1dの下方において、ミッションケース13aの上部13bに取り付けられている。このため、車両1では、ミッションケースの側部にインバータなどの電力変換装置を取り付けている上記特許文献1に開示の車両に対して、フロアトンネル1dの幅(車幅方向の寸法)が大きくなるのを抑制することができる。よって、車両1では、乗員の足元スペースが圧迫され難く、運転者が操作するペダル位置を、人間工学的に理想的とされる位置に配置し易く、運転者が疲労し難い。
【0060】
また、本実施形態に係る車両1では、
図6に示したように、ミッションケース13aの上部13bがモータケース12aの外周面における上端部13bよりも低い位置に配されている。よって、車両1では、モータケース12aの外周面における上端部12bとミッションケース13aの上部13bとの段差を有効利用してインバータ27を配置することで高いスペース効率でのインバータの配置を実現することができる。特に、本実施形態では、インバータ27が仮想線LN12とミッションケース13aの上部13bとの間の領域に収まるように配置されているので、インバータ27が配置された部分でフロアトンネル1dが上方に凸となるようなことを避けることができる。よって、車両1では、車室内において、フロアトンネル1dの上方に配置される部位(フロント/センターコンソール1e)のスペースが圧迫されるのを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る車両1では、
図7に示したように、排気管30がフロアパネル1cの下方における右方近傍領域1iに配置され、Fプロペラシャフト16がフロアトンネル1dの下方におけるミッションケース13aの側方(左方)1gに配置されている。よって、車両1では、ミッションケース13aの上部13bに取付けられたインバータ27が排気管30やFプロペラシャフト16に干渉するのを防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態では、インバータ27を排気管30から離れたミッションケース13aの上部13bに取り付けているので、排気管30からの熱がインバータ27に対して影響を及ぼすのも抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る車両1では、
図6および
図7に示したように、ミッションケース13aの下部13cにオイルパン31が取り付けられているが、インバータ27はミッションケース13aを挟んだ上部13bに取り付けられているので、インバータ27とオイルパン31との干渉も避けられる。
【0064】
また、本実施形態に係る車両1では、
図7に示したように、DC-DCコンバータ28をフロアパネル1cの下方であってフロアトンネル1dに隣接する左方近傍領域1hに配置することにより、DC-DCコンバータ28を配設するためにフロアトンネル1dの幅を大きくする必要がない。なお、DC-DCコンバータ28については、モータ12に電力を出力するものではないので、必ずしもモータ12の近傍領域(フロアトンネル1d内)に配置する必要がない。よって、本実施形態のように、DC-DCコンバータ28を左方近傍領域1hに配置することが可能である。
【0065】
また、本実施形態に係る車両1では、縦置きのエンジン(縦置きエンジン)10およびモータ12が車両1の前部のエンジンルーム1aに搭載されている。このため本実施形態に係る車両1では、トランスミッション13が前席の足元に位置することとなるが、インバータ27をミッションケース13aの上部13bに取り付けることにより、前席に着座する乗員(運転者など)の足元スペースが圧迫されるのを抑制することが可能となる。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る車両1では、インバータ27の配置による、乗員スペースへの影響を抑制することができる。
【0067】
[変形例]
上記実施形態では、
図1に示したように、4気筒のエンジン10を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、5気筒以上のエンジンや、V型の多気筒エンジン、さらにはW型の多気筒エンジンを採用することも可能である。
【0068】
また、上記実施形態では、エンジン10およびモータ12で発生の駆動力を前輪23,24にも伝達する四輪駆動車を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、FR車(フロントエンジン、リヤドライブ)に適用することも可能である。
【0069】
また、上記実施形態では、
図7に示したように、ミッションケース13aの右方に排気管30を配置し、左方にDC-DCコンバータ28を配置することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、排気管30をミッションケース13aの左方に配置し、DC-DCコンバータ28を右方に配置することにしてもよい。また、DC-DCコンバータ28については、必ずしもフロアパネル1cの下方に配置する必要なく、フロアパネル1cの上方に配置してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、エンジン10とモータ12との間にダンパ11を設けることとしたが、当該ダンパ11としては、ハイブリッド車用に採用される種々のダンパを用いることが可能である。例えば、所定のトルクを超えた場合にスリップする機能を有するリミッタ付きダンパを採用することもできる。
【0071】
また、上記実施形態では、電力変換ユニット26がインバータ27とDC-DCコンバータ28とを有することとしたが、本発明では、DC-DCコンバータ28は必須の構成要件ではない。
【0072】
なた、上記実施形態では、エンジン10からモータ12までがエンジンルーム1aに配置されてなる構成を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、モータ12がフロアトンネル1dの下方に配置されてなる形態を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 車両
1c フロアパネル
1d フロアトンネル
10 エンジン(縦置きエンジン)
12 モータ
12a モータケース
12b 上端部
13 トランスミッション
13a ミッションケース
13b 上部
16 フロントプロペラシャフト
27 インバータ
28 DC-DCコンバータ
30 排気管
31 オイルパン