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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068619
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】製品の加工システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220427BHJP
【FI】
G06Q30/06 320
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177400
(22)【出願日】2020-10-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】504134586
【氏名又は名称】株式会社JAM HOME MADE
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】古屋 修
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
5L049BB58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加工の対象となる製品に対してインターネット環境で加工を施すことにより、新たな加工内容を創り出し、世界に一つしかない製品を製作するシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】ウエブサイトに置かれたサーバーSに、ユーザー情報記録手段Aと、ゲスト情報記録手段Bと、加工情報入力手段Cと、加工情報記録手段Dとを備える。加工情報に基づいて製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するようにすることにより、通信手段を利用して製品を加工する。対象とする製品は、表面の加工、例えば打刻、切削又は着色、によりオリジナルな製品に加工できるものであれば格別の制約はない。例えば、指輪やペンダントなどの装飾品、皿や器などの食器、カトラリー、ハンカチやテーブルクロスのような布製品、Tシャツ等の衣類など幅広い製品に適用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブサイトに、
ユーザー端末から入力されたデータに基づいて、加工する製品の情報を含むユーザー情報が記録されるユーザー情報記録手段と、
ゲスト端末から入力されたデータに基づいて、製品の加工に参加するゲストの情報を、前記ユーザー情報と紐付けて記録するゲスト情報記録手段と、
ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供する加工情報入力手段と、
前記製品の画像に対してゲストが入力した加工情報を記録する加工情報記録手段、
とを備え、
前記加工情報に基づいて製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するようにした、
製品の加工システム。
【請求項2】
ユーザー端末に、ウエブサーバーの接続アドレスが表示され、前記接続アドレスが表示される画面には電子メール送信画面への遷移スイッチが配置してあり、前記電子メール送信画面からコピーされた接続アドレスが送信できるようにした、
請求項1に記載の製品の加工システム。
【請求項3】
ゲスト端末には、ユーザー端末からの電子メールを受信して招待画面が表示され、前記招待画面にはゲスト情報入力画面への遷移スイッチが配置された、
請求項1又は2に記載の製品の加工システム。
【請求項4】
ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に固有の接続アドレスが割り当てられ、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段に接続されると、加工情報入力手段からゲスト毎に固有の加工情報入力画面がゲスト端末に表示されるようにした、
請求項1ないし3の何れかに記載の製品の加工システム。
【請求項5】
ユーザーに、ユーザー情報の入力画面を提供し、ユーザーが入力した加工する製品の情報を含むユーザー情報をユーザー情報記録手段に記録し、前記ユーザー情報記録手段に紐付けて、ゲストにゲスト情報の入力画面を提供し、ゲストが入力したゲストの情報をゲスト情報記録手段に記録し、ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供し、ゲストが入力した加工情報を加工情報記録手段に記録し、前記加工情報に基づいて製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するようにした、
製品の加工プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネット環境を利用して、一つの製品に対して複数の人が個別に加工を施して、加工された製品を共同制作するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
先に出願人は、カップルや仲間たちが1本の線材を切り分けて、自ら製作した指輪を持ち、これを身につけることで、カップルや仲間たちの一体感を増すツールとなり、加えてモノづくりの楽しさを実感できることを目的として、1本の指輪用金属線材を切り分けて複数個の指輪を素人にも製作できるようにした指輪用リングを提案した(実用新案登録第3143127号)。
これは、線材を直接(物理的に)加工して指輪を制作するものであった。
【0003】
上記考案と同様に、複数の人が共同して、世界に一つしかないものを創り出すことを、インターネット環境で実現するならば、指輪に限ることなく、幾多の物品に共同して加工を施すことが可能になる。
【0004】
従来、市場で販売される商品をカスタマイズする提案としては、標準製品に使用可能な1又は複数のカスタム項目の選択候補を提供し、遠隔ブラウザクライアントを介した1又は複数の追加加工項目に対する選択及び選択された1又は複数の追加加工項目に基づいて、選択された追加加工項目に対応する置換データを抽出し、選択した型番の標準製品の製品データと、抽出された追加加工項目の置換データとをマージすることを特徴とするもの(特開2020-95724)等が提案されている。
しかしながら、従来の提案は予め用意されたデータからカスタマイズデータを選択するものであり、新たな加工内容を創り出すものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-95724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、加工の対象となる製品に対してインターネット環境で加工を施すことにより、新たな加工内容を創り出し、世界に一つしかない製品を製作するシステム及びプログラムを得ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明においては、ウエブサイトに、ユーザー情報記録手段と、ゲスト情報記録手段と、加工情報入力手段と、加工情報記録手段とを備え、前記加工情報に基づいて製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するようにすることにより、通信手段を利用して製品を加工する。
この発明が対象とする製品は、表面の加工、例えば打刻、切削又は着色、によりオリジナルな製品に加工できるものであれば格別の制約はない。例えば、指輪やペンダントなどの装飾品、皿や器などの食器、カトラリー、ハンカチやテーブルクロスのような布製品、Tシャツ等の衣類など幅広い製品に適用することができる。
【0008】
前記ユーザー情報記録手段は、ユーザー端末から入力されたデータに基づいて、加工する製品の情報を含むユーザー情報が記録されるものである。
ユーザー情報は、ユーザーがウエブサイトにアクセスすることによってウエブサイトからユーザー端末に提供されるユーザー情報入力画面から、ユーザーが入力する。これをウエブサイトに送信することによって、ユーザー情報記録手段がユーザー毎に生成される。一般的には、ユーザー毎にウエブページが生成され、個別の接続アドレス(URL)が生成される。
生成されたユーザー情報記録手段へのアクセス方法(例えばURL情報)は、ユーザー情報記録手段の生成後、ウエブサイトからユーザー端末に送信される。
なお、この発明の実施場面におけるユーザー端末及びゲスト端末は、主としてスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末であるが、パソコンでもよい。
【0009】
前記ユーザー情報としては、ユーザーの氏名、ユーザーの顔写真その他のアイコン、ユーザーからゲストへのメッセージなどが考えられるが、この発明を実施する場面に合わせて適宜選定する。
【0010】
この発明の実施においては、通常、ユーザーが加工の対象となる製品を購入したうえでユーザー情報を入力する。製品の購入は、前記ユーザー情報入力画面で行うようにすることもできるが、別途購入するための購入サイトを用意して、そこで製品を特定し、購入するようにすることもできる。後者の場合は、その購入サイトで氏名が記録されるので、前記ユーザー情報入力画面で氏名を入力する必要はない。また、購入サイトを設ける場合は、購入サイトにおいて、前記ウエブサイトへのアクセス方法がユーザーに通知されるようにし、製品の購入者のみがウエブサイトにアクセスできるようにすることが好ましい。
【0011】
ユーザーは、ウエブサイトから受信したウエブサイトへのアクセス方法を、製品の加工に参加する者に告知する。告知の手法は任意であるが、ユーザー端末に、ウエブサイトへの接続方法(例えばURL情報)が表示され、前記接続方法が表示される画面に電子メール送信画面への遷移スイッチを配置しておき、前記電子メール送信画面からコピーされた接続方法が送信できるようにすることが好ましい(請求項2)。
前記ユーザーのアクセス先は、プログラムの設計により、ユーザー情報記録手段とすることもできる。
この発明において、「遷移」の語は、画面が切り替わることを意味し、ディレクトリの移動を伴うものも、伴わないものも含まれる。
前記「電子メール」は、相手方の端末に文字情報が表示される通信手段を広く含むものであり、ソーシャルネットワークサービス(SNS)も含まれる。
【0012】
前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト端末から入力されたデータに基づいて、製品の加工に参加するゲストの情報が、前記ユーザー情報と紐付けて記録されるものである。
ユーザーからの告知を受けた者(ゲスト)が、ゲスト端末からウエブサイトにアクセスすると、ゲスト端末にゲスト情報入力画面が表示される。この画面でゲストがゲスト情報、例えば氏名を入力してウエブサイトに送信すると、ユーザー情報記録手段に紐付けられてゲスト情報記録手段が生成される。
前記ゲストは、一人の場合も複数人の場合もある。
【0013】
前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に個別にウエブページを生成し、ゲスト毎に固有の接続アドレスを割り当て、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段にアクセスされると、ゲスト毎に固有の加工情報入力手段からゲスト毎に固有の加工情報入力画面がゲスト端末に表示されるようにすることが好ましい(請求項4)。
この手法により、ゲストは複数回、固有の加工情報入力画面にアクセスし、断続的に加工を行うことができる。
なお、上記の他、一つのゲスト情報記録手段に全てのゲストの情報を記録し、ゲスト情報記録手段においてアクセスされたゲストを識別して、ゲスト毎に固有の加工情報入力手段からゲスト毎に固有の加工情報入力画面がゲスト端末に表示されるようにする手法や、一つのゲスト情報記録手段に全てのゲストの情報を記録し、加工情報入力手段も全てのゲストに共通する一つのみとして、全てのゲスト端末に同じ加工情報入力画面が表示されるようにする手法も可能である。
【0014】
上記において、ゲストが最初にウエブサイトにアクセスした際に、ユーザー情報記録手段に記録されているユーザーからの招待画面が表示されるようにしてもよい。この場合は、前記招待画面にゲスト情報入力画面への遷移スイッチを配置し、製品の加工を希望する者のみにゲスト情報入力画面が表示される(請求項3)。
【0015】
加工情報入力手段は、ゲスト端末に製品の画像と、その画像を対象としてゲストが加工情報を入力できるようにする加工情報入力画面を提供するものである。
ゲストが、ウエブサイト(具体的なアクセス先は設計により、ユーザー情報記録手段、ゲスト情報記録手段又は加工情報入力手段等となる。)にアクセスすると、加工情報入力手段からゲスト端末に加工画面が送信され、ゲスト端末に製品の画像を含む加工情報入力画面が表示される。加工情報入力画面には加工手段を表示し、この画面で加工手段を選択できるようにしてもよい。
前記ゲスト端末への加工情報入力画面の提供経路は、種々の設定が可能である。以下に例示する。
1.ゲストが前記ユーザー情報記録手段にアクセスし、ユーザー情報記録手段においてゲストからのアクセスであることを判別してゲスト情報記録手段にゲストからのアクセス情報を出力し、次いでゲスト情報記録手段から加工情報入力手段にアクセス情報を出力し、これを受けて加工情報入力手段から加工情報入力画面を出力する手法。
2.ゲストがゲスト情報記録手段にアクセスし、ゲスト情報記録手段から加工情報入力手段にアクセス情報を出力し、これを受けて加工情報入力手段から加工情報を出力する手法。
いずれも、ゲスト情報記録手段がゲスト毎に個別に生成されている場合は、ゲスト毎のアクセス情報がゲスト情報記録手段に記録される。また、加工情報入力手段がゲスト毎に個別に生成されている場合は、ゲスト端末にゲスト毎に固有の加工画面が表示される。
【0016】
前記製品の画像は、ゲストがアクセスした時点における製品の加工状況を示す画像である。また加工手段とは、製品を加工するためのプログラムを含むものであり、例えば、製品が指輪やペンダントのような表面を打刻して加工するものであれば、製品を打刻する位置や大きさなどを記録するためのプログラムであり、皿のように色彩を施して加工するものであれば、製品に色彩を施すためのプログラムである。そして、必要により打刻をするための器具の図柄や色彩を選択するためのパレットなどを含める。
【0017】
前記加工情報記録手段は、前記製品の画像に対してゲストが入力した加工情報を記録するものである。
前記加工画面においてゲストが入力した加工情報は加工情報記録手段に記録される。加工情報記録手段は、ゲスト毎に個別に生成するようにしても、全てのゲストの加工情報を一つの加工情報記録手段で記録するようにすることもできる。
前者の場合は、個々のゲストの加工情報が個別に記録されるが、複数のゲストの加工情報を統合するための演算手段が必要である。後者の場合は、加工情報記録手段において、順次入力された複数の加工情報が統合され、製品の情報は逐次更新される。
【0018】
加工情報の入力が完了した際における製品の情報が、最終的な製品の加工情報となり、この加工情報を出力することができる。加工情報の出力形式は、製品が立体物であれば3Dプリンターに対応するデータ形式とすることが好ましいが、紙による出力であってもよい。
【0019】
請求項5の発明は、上記発明を実施するための加工プログラムであり、以下のように構成する。
ユーザーに、ユーザー情報の入力画面を提供し、ユーザーが入力した加工する製品の情報を含むユーザー情報をユーザー情報記録手段に記録し、前記ユーザー情報記録手段に紐付けて、ゲストにゲスト情報の入力画面を提供し、ゲストが入力したゲストの情報をゲスト情報記録手段に記録し、ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供し、ゲストが入力した加工情報を加工情報記録手段に記録し、前記加工情報に基づいて製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の製品の加工情報をデータとして出力するように構成する。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、ユーザーからの告知に対応する一人又は複数人のゲストが、加工の対象となる一つの製品に対して、インターネット環境で加工を施すことができる。したがって、遠隔において、ユーザーが提供する製品に対して加工を行うことができる。複数のゲストが参加することが可能なので、複数のゲストがそれぞれ加工を施すことにより、遠隔にありながらも「仲間が共同して、世界に一つしかない製品を創り上げる」という楽しさを味わうことができる。
そして、最終の製品の加工情報を3Dプリンターに対応するデータ形式で出力するならば、そのまま立体物を3Dプリンターで造形し、製品を完成させることができる。また、データは保存できるので、後日同じ仕様の製品を製作することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施例の概要を示す図
図2】同じくオリジナルページ生成の過程を示す図
図3】同じくゲストの操作の流れを示す図
図4】同じく加工情報を確認する操作の流れを示す図
図5】同じく実施例のフロー図
図6】同じくユーザー情報入力画面
図7】同じく補助画面
図8】招待画面
図9】ゲスト情報入力画面
図10】加工準備画面
図11】加工情報入力画面
図12】メッセージ入力画面
図13】加工情報の確認画面
図14】ゲスト毎の確認画面
【実施例0022】
以下この発明の実施例を、製品「結婚指輪」を、ユーザー及びゲストがスマートフォンを使用して加工する例に沿って説明する。
【0023】
図1はこの実施例の構成の概要を示すものであり、ウエブサイトに置かれたサーバーSにユーザー情報記録手段Aであるウエブページが生成され、ユーザー情報記録手段Aに紐付けられて、ゲスト情報記録手段B、加工情報入力手段C、加工情報記録手段Dが生成される。
【0024】
図2ないし図4は加工の流れを示すものである。
図2はユーザー情報記録手段Aであるユーザーのオリジナルページが生成される過程を示すものである。
ウエブサイトに置かれたサーバーから、製品の購入者であるユーザーの端末(SP)にログイン画面G1が送信され、ユーザーの操作によりログイン画面G1からユーザー情報の入力画面G2に遷移する。ここでユーザーがユーザー情報を入力して完了ボタンをタップすると設定完了画面G3に遷移し、入力した情報はユーザー情報記録手段Aに記録される。
【0025】
図3は、ゲストの操作に伴う流れを示すものである。
ゲストがウエブサイトにアクセスすると、ウエブサイトから、ゲストの端末(スマートフォン)にトップ画面G4が送信され、ゲストの操作によりゲスト情報の入力画面G5に遷移する。ここでゲストがゲストの情報を入力して送信すると、ユーザー情報記録手段Aに紐付けられてゲスト情報記録手段Bが生成される。次いで、ウエブサイトから加工操作の説明画面G6が送信されてゲストの端末に表示される。
ゲストが説明を承諾して返信すると加工のためのプログラムを含む加工情報入力画面(指輪操作画面)がウエブサイトから送信されてゲストの端末に表示される。この画面で、ユーザーは加工情報を入力し、入力終了を返信すると、加工情報は加工情報記録手段Dに記録される。次いで、サーバーからメッセージ入力画面が送信されてゲストの端末に表示される。ここでゲストは、ユーザーへのメッセージを入力してサーバーに送信すると、ゲストが入力した時点での製品の加工状況をウエブサイトから閲覧できる。
【0026】
図4は、ユーザーが加工情報を確認する流れを示すものである。
ユーザーは、自己のトップ画面(オリジナルページ)G4から製品の加工状態を見ることのできる閲覧画面G8にアクセスすることができ、そこから更に特定のゲストが製品の加工に寄与した状況(作業量、作業した部分がどこであるか等のビジュアル表示)を表示する画面G9を閲覧することができる。
【0027】
図5は、この発明実施例の概要を示すフロー図である。
以下、具体的に説明する。
【0028】
ユーザーが、この発明によるサービスを提供する者が設置するウエブサイト(販売サイト)にアクセスし、氏名などを登録し、所望の製品を購入する。結婚指輪の場合、ここでリングの太さやサイズを指定する。そして、適宜の方法で代金が支払われると、ユーザー端末にウエブサイトからユーザー端末にユーザー情報入力画面(マイページ情報入力画面)1が送信される。
図6に示すユーザー情報入力画面1は、ユーザー情報としての画像を設定する、メイン画像設定エリア11を備えており、選択された画像(ユーザー端末に保存されている画像又はユーザー端末で撮影する画像)が表示されるようにプログラムされている。
【0029】
この実施例では、ユーザーの氏名は製品購入時に販売サイトで記録されているのでここでの入力は不要である。
【0030】
ユーザー情報の入力の後、完了ボタン12をタップすると確認画面に遷移し、確認ボタンをタップすると入力されたユーザー情報がウエブサイトに送信され、ユーザー毎に生成されるユーザー情報記録手段Aであるユーザーのオリジナルページが生成される。次いで、オリジナルページからユーザー端末に、ユーザーのオリジナルページができた旨の通知と、オリジナルページのURL情報が送信される。
【0031】
前記送信により、ユーザー端末には、製品の加工に参加する者であるゲストに、製品の加工への参加を求める電子メールを送信するための補助画面2が表示される。
補助画面2には、オリジナルページのURL21,SNSへの短絡ボタン22が表示される。前記オリジナルページのURLは長押しなどの操作によってコピーできるようにしてあり、電子メールでのURL情報の通知が容易になるようにしてある。
【0032】
図8は、前記電子メールでゲスト端末に送信される招待画面3である。ここには、ユーザーからゲストへのメッセージ31,ユーザーのメイン画像32,ゲストに加工への参加を呼びかけるメッセージ33,参加ボタン34が表示される。
前記二つのメッセージ31,33は、製品の購入時に、購入サイトから入力された製品の使用用途に対応して、予めウエブサイトに用意された複数のメッセージから自動的に選択されて表示される。
なお、これらのメッセージは、ユーザー情報入力画面でユーザーが入力できるようにしてもよい。
また、この画面又はこの画面から遷移する画面に、加工の対象となる製品や加工途中の製品の画像が表示されるようにして、この画面に接したゲストが確認できるようにすることが望ましい。
【0033】
ゲストが加工への参加を希望する場合は、前記参加ボタン34をタップする。タップにより参加希望の信号が前記ユーザー情報記録手段A(オリジナルページ)に送信され、オリジナルページからゲスト端末に、ゲスト情報入力画面4が送信され、ゲスト端末に表示される。
前記ゲスト情報入力画面には、氏名入力エリア41,アイコン画像設定エリア42,確認ボタン43が表示される。
前記アイコン画像設定エリアはゲストが選択した任意の画像を入力するエリアである。画像は、端末に記録されているものから選択し、又は端末で新たに撮影する。
【0034】
上記各情報を入力した後、確認ボタン43をタップすると入力されたゲストの情報はオリジナルページに送信され、オリジナルページに連携してゲスト情報記録手段Bに記録される。ゲスト情報記録手段Bにおいて、ゲスト情報ページをゲスト毎に生成されるように構成し、各ゲストは、固有のゲスト情報ページにアクセスすることができるようにすることもできるが、ゲストページはゲスト毎に生成しなくともよい。
【0035】
結婚指輪のように、複数の製品が組になっている場合、組を構成するどの製品を加工するのかを特定するために、ゲスト情報入力画面に付随して製品選択画面を用意する。製品選択画面では、加工の対象となる複数の製品の画像が表示され、ゲストが希望の製品の画像をタップすることにより、加工対象を特定できるようにする。
【0036】
ゲスト情報の入力が完了しゲスト情報が記録されると、ゲスト端末に加工準備画面5が表示される。加工準備画面5には、加工対象を示すための画像51と操作説明52とスタートボタン53が表示される。
ゲスト毎のゲスト情報ページを生成した場合は、ゲストがアクセスを切断した後、再度ゲストがゲスト情報ページにアクセスすることにより、加工準備画面5を表示させ、加工作業を再開することができる。
加工準備画面は、加工開始時刻を特定するために用意されている。
【0037】
この発明では、複数のゲストがいつでも加工作業を行うことができ、その加工データは、加工情報記録手段Dに記録された、加工作業着手の直前のデータに上書きされる。そして、この実施例では、複数のゲスト(AとB)が加工作業をした場合の加工データの扱いを次のように設定している。そこで、作業開始時刻を前記スタートボタン53で特定し、ゲストの端末に表示される加工情報を特定している。
【0038】
前記スタートボタン53をタップすると、加工情報入力画面6に遷移する。
加工情報入力画面6には、加工対象である指輪の直前の加工状態の画像61,加工条件(木槌の大きさなど)を選択するアイコン62,タップ回数の表示63,終了ボタン64が表示される。前記加工状態の画像は3次元CGデータで表示されており、フリックすることにより回転することができる。
選択したタップ位置は画像65として表示され、ゲストは指輪の所望の場所をタップすることで、木槌による打刻が入力される。前記タップ回数は、木槌による打刻の回数を意味する。
加工作業が終了し、ゲストが終了ボタン64をタップすると、入力された加工データが、当該ゲストの加工情報記録ページに記録され、この加工データは演算手段に送られて、他のゲストの加工データと統合され、製品データが更新される。このデータはオリジナルページに記録される。
木槌の大きさの選択は、ゲスト情報入力画面や入力準備画面で行うようにしてもよい。
【0039】
加工中の加工情報は加工情報記録手段Dの仮登録部で管理するようにしてある。なお、加工情報記録手段Dにゲスト毎の加工情報ページを生成し、加工情報をゲスト毎に記録したり、ゲスト毎にゲスト情報ページを生成する場合は、ゲスト情報ページに仮登録するようにしてもよい。
【0040】
この実施例において、複数のゲスト(AとB)が同時に加工作業を行う場合に、加工データは次のように処理される。
ア)AとBとが同時に加工作業を開始した場合は、作業開始直前のデータに基づいて加工情報の画像が双方の端末に表示される。そして、先に加工を終了した者の加工データ、後に加工を終了した者の加工データの順で、二つの加工データが加工情報記録手段Dに記録される。
イ)Aが加工作業中にBが加工作業を開始した場合は、A、B共に、Aの作業開始直前のデータに基づいて加工情報の画像が双方の端末に表示される。そして、先に加工を終了した者の加工データ、後に加工を終了した者の加工データの順で、二つの加工データが加工情報記録手段Dに記録される。
【0041】
加工情報の入力を終了し、前記終了ボタン64をタップすると、メッセージ入力画面7に遷移する。
メッセージ入力画面には、加工された指輪の画像71,ユーザーのアイコン画像72,当該ゲストの累積タップ数73,メッセージ記入エリア74,送信ボタン75が表示される。
前記指輪の画像71は、当該ゲストが加工作業を終了した時点における、全てのゲストの加工データを統合したデータに基づく画像であり、ゲストは最新の加工状況を確認することができる。
指輪の画像71を確認して、追加の加工が不要であると判断した場合は、メッセージを入力して送信ボタン75をタップすると、メッセージはオリジナルページに記録される。
追加の加工を希望する場合に対応するために、戻るボタンを設けることもできる。戻るボタンは、この画面に表示しても、次に表示される送信確認画面に表示してもよい。
【0042】
図13図14はユーザーが閲覧することのできる確認画面である。
図13に示す確認画面8は、最終の加工状態を確認するための画面であり、製品のタイトル81,最終の加工状態を示す画像82,加工に参加したゲストのアイコン83,もう一方の指輪の閲覧画面へのスクロールボタン84が表示される。
図14に示す確認画面9は、個々のゲストの情報を確認するための画面であり、画面8においてアイコン83をタップして確認画面9に表示する確認対象のゲストを選択する。この画面には、製品のタイトル91,最終の加工状態を示す画像92,選択したゲスト加工位置を示す表示92a、選択したゲストのアイコン93,当該ゲストのタップ回数94,当該ゲストからのメッセージ95が表示される。
【0043】
以上の過程を経て、最終的に確定した加工データは加工情報記録手段Dに記録される。そして、パソコンから加工データにアクセスし、3Dプリンターで使用可能なデータ形式に変換して出力する。このデータにより、3Dプリンターで指輪を製造する。
このデータを保存することにより、同じ製品を再度製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明によれば、離れた場所にいる複数の者が共同して、一つの製品を加工し、世界に一つしかない製品を得ることができるものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0045】
1 ユーザー情報入力画面
2 補助画面
3 招待画面
4 ゲスト情報入力画面
5 加工準備画面
6 加工情報入力画面
7 メッセージ入力画面
8 加工情報の確認画面
9 ゲスト毎の確認画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブサイトに、
ユーザー端末から入力されたデータに基づいて、加工する製品の情報を含むユーザー情報が記録されるユーザー情報記録手段と、
ゲスト端末から入力されたデータに基づいて、製品の加工に参加するゲストの情報を、前記ユーザー情報と紐付けて記録するゲスト情報記録手段と、
ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供する加工情報入力手段と、
前記製品の画像に対してゲストが入力した任意の加工情報を記録する加工情報記録手段と、
逐次入力された複数の加工情報を統合するための演算手段
とを備え、
前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に固有の接続アドレスが割り当てられ、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段に接続されると、個別加工情報記録手段に記録されたゲスト毎に固有の加工情報がゲスト端末に表示されるようにし、
前記演算手段によって製品の加工情報を更新し、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するようにした、
製品の加工システム。
【請求項2】
個々のゲストが入力した加工情報を個別に記録する個別加工情報記録手段を備えた、請求項1に記載の製品の加工システム
【請求項3】
加工情報入力画面は、ゲストが製品の画像の所望の位置に打刻して製品を変形する加工情報を入力できるようにプログラムされた、
請求項1又は2に記載の製品の加工システム。
【請求項4】
コンピューターを、
ユーザーに、ユーザー情報の入力画面を提供する手段、
ユーザーが入力した加工する製品の情報を含むユーザー情報を記録するユーザー情報記録手段、
前記ユーザー情報記録手段に紐付けて、ゲストにゲスト情報の入力画面を提供する手段、
ゲストが入力したゲストの情報を記録するゲスト情報記録手段、
ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供する手段、
ゲストが入力した加工情報を記録する加工情報記録手段、
複数のゲストの加工情報を統合するための演算手段、
として機能させ、
加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するように機能させ、
前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に固有の接続アドレスが割り当てられ、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段に接続されると、個別加工情報記録手段に記録されたゲスト毎に固有の加工情報がゲスト端末に表示されるように機能させるものとした、
製品の加工プログラム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
ユーザーは、ウエブサイトから受信したウエブサイトへのアクセス方法を、製品の加工に参加する者に告知する。告知の手法は任意であるが、ユーザー端末に、ウエブサイトへの接続方法(例えばURL情報)が表示され、前記接続方法が表示される画面に電子メール送信画面への遷移スイッチを配置しておき、前記電子メール送信画面からコピーされた接続方法が送信できるようにすることが好ましい。
前記ユーザーのアクセス先は、プログラムの設計により、ユーザー情報記録手段とすることもできる。
この発明において、「遷移」の語は、画面が切り替わることを意味し、ディレクトリの移動を伴うものも、伴わないものも含まれる。
前記「電子メール」は、相手方の端末に文字情報が表示される通信手段を広く含むものであり、ソーシャルネットワークサービス(SNS)も含まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に個別にウエブページを生成し、ゲスト毎に固有の接続アドレスを割り当て、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段にアクセスされると、個別加工情報記録手段に記録されたゲスト毎に固有の加工情報がゲスト端末に表示されるようにする。
この手法により、ゲストは複数回、固有の加工情報入力画面にアクセスし、断続的に加工を行うことができる。
なお、上記の他、一つのゲスト情報記録手段に全てのゲストの情報を記録し、ゲスト情報記録手段においてアクセスされたゲストを識別して、ゲスト毎に固有の加工情報入力手段からゲスト毎に固有の加工情報入力画面がゲスト端末に表示されるようにする手法や、一つのゲスト情報記録手段に全てのゲストの情報を記録し、加工情報入力手段も全てのゲストに共通する一つのみとして、全てのゲスト端末に同じ加工情報入力画面が表示されるようにする手法も可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
上記において、ゲストが最初にウエブサイトにアクセスした際に、ユーザー情報記録手段に記録されているユーザーからの招待画面が表示されるようにしてもよい。この場合は、前記招待画面にゲスト情報入力画面への遷移スイッチを配置し、製品の加工を希望する者のみにゲスト情報入力画面が表示される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
前記加工情報記録手段は、前記製品の画像に対してゲストが入力した加工情報を記録するものである。
前記加工画面においてゲストが入力した加工情報は、加工情報記録手段に記録される。加工情報記録手段は、ゲスト毎に個別に生成するようにしても、全てのゲストの加工情報を一つの加工情報記録手段で記録するようにすることもできる。
前者の場合は、個々のゲストの加工情報が記録された複数の個別加工情報記録手段に記録された加工情報は演算手段で統合されて、加工情報記録手段に記録される。
後者の場合は、加工情報記録手段において、順次入力された複数の加工情報が統合され、製品の情報は逐次更新される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
請求項4の発明は、上記発明を実施するための加工プログラムであり、以下のように構成する。コンピューターを、ユーザーに、ユーザー情報の入力画面を提供する手段、ユーザーが入力した加工する製品の情報を含むユーザー情報を記録するユーザー情報記録手段、前記ユーザー情報記録手段に紐付けて、ゲストにゲスト情報の入力画面を提供する手段、ゲストが入力したゲストの情報を記録するゲスト情報記録手段、ゲストに、製品の画像と共に加工情報入力画面を提供する手段、ゲストが入力した加工情報を記録する加工情報記録手段、複数のゲストの加工情報を統合するための演算手段、として機能させ、加工終了後に最終の加工情報をデータとして出力するように機能させ、前記ゲスト情報記録手段は、ゲスト毎に固有の接続アドレスが割り当てられ、ゲスト端末から対応するゲスト情報記録手段に接続されると、個別加工情報記録手段に記録されたゲスト毎に固有の加工情報がゲスト端末に表示されるように機能させるものとする。