(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068693
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】カテーテル用バルーン及びバルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20220427BHJP
【FI】
A61M25/10 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177507
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】591245624
【氏名又は名称】株式会社東海メディカルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】村木 康宏
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 隆明
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA07
4C267AA08
4C267AA09
4C267BB03
4C267BB08
4C267BB12
4C267BB28
4C267CC08
4C267DD01
4C267HH19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルーンが血管内に密着した状態であっても、バルーンが血管内を完全に閉塞し血流を遮断することなく、本来の治療目的を達成することができるカテーテル用バルーン及びバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテル用バルーンは、中央部11及び中央部11の両側に形成されるテーパー部12を有するバルーンカテーテル用のカテーテル用バルーン10において、中央部11は、2つ以上に分割された拡張部15を有し、カテーテル用バルーン10の拡張時に隣接した拡張部10の間に血流を確保することができる血流用空間16が形成され、かつテーパー部12は、血流を確保するため、カテーテル用バルーン10の拡張時に血流用空間16と連通する凹溝17を備えていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部及び前記中央部の両側に形成されるテーパー部を有するカテーテル用バルーンにおいて
前記中央部は、2つ以上に分割された拡張部を有し、前記カテーテル用バルーンの拡張時に隣接した前記拡張部の間に血流を確保することができる血流用空間が形成され、
かつ前記テーパー部は、血流を確保するため、前記カテーテル用バルーンの拡張時に前記血流用空間と連通する凹溝を備えていることを特徴とするカテーテル用バルーン。
【請求項2】
前記拡張部は、拡張時において、半円形又は扇形の断面であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル用バルーン。
【請求項3】
前記拡張部内のすべてのルーメンは、テーパー部で連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル用バルーン。
【請求項4】
前記カテーテル用バルーンは、ポリウレタン、NY、エラストマー又はシリコンゴムからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカテーテル用バルーン。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のカテーテル用バルーンと、
前記カテーテル用バルーンの遠位側端部に設けられる中空部を有する先端チップと、
前記カテーテル用バルーンの近位側端部に設けられるバルーン拡張用流体を流すバルーンルーメンと前記先端チップの中空部と連通するインナーチューブと、
を備えたシャフトが接続されていることを特徴とするバルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル用バルーン及びバルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
大動脈内で大動脈の内径に近い大きさ若しくは内径を超えて拡張し、治療することを目的としたバルーンカテーテルがある。こうしたバルーンカテーテルは、拡張時又は留置時に血流によって血管の下流・末梢方向に押し流され、所望する設置位置から下流側にずれてしまうことがある。
【0003】
これは、例えば、大動脈の治療に用いられるステントグラフトの留置時に、ステントグラフトと血管の間又はステントグラフト同士の間に隙間ができないように、血管壁に密着させるためのバルーンカテーテルで発生する。こうしたステントグラフト配置用のバルーンカテーテルの多くは、伸縮性の高い素材を使用して拡張時に球形に近い状態となり、ステントグラフトを血管の壁面に押し付ける必要がある。この際に一時的に血管内の血流を完全に遮断してしまうため、血流による血圧によりバルーンが押し流され位置ずれを起こしてしまうのである。
【0004】
また、バルーンによって心臓を拡張する大動脈弁バルーン形成術(BAV)を行う際にも上述した現象が起こりやすい。なぜなら、弁を拡張させる際に、拡張したバルーンによって血流を遮断することから、血液が排出されず心臓内の圧力が高くなり、バルーンの位置ずれを起こしたり、心臓への負荷を増加・低下させたりするなどの問題を生じさせる可能性がある。
【0005】
さらに、外傷などで臓器出血や、骨盤出血した場合に、大動脈内の出血箇所よりも心臓に近い位置でバルーンカテーテルを拡張して大動脈内を閉塞して血流を遮断し、出血を抑える治療(REBOA:Resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta)に使用されるバルーンカテーテルがある。かかるバルーンカテーテルにおいても、バルーン拡張時に血流に押されて位置ずれを起こすことがあり、また、この治療では、完全に血流を長時間遮断することにより出血箇所以外の虚血によるダメージを緩和するため、意図的に拡張径を完全閉塞ではなく、部分的に閉塞させ、末梢に血流を確保する場合がある(partial-REBOA)。その際もバルーンと血管壁との密着が弱くなるため位置ずれを起こし意図しない位置にバルーンが押し出されることがあった。
【0006】
かかる問題は、治療の目的から拡張時は血管壁や弁にある程度の圧でバルーン膜が押し付けられる必要があるが、バルーンが血管内で拡張された際に、血管内を完全に閉塞してしまうことにより、心臓側の血圧が高くなり、バルーンが血圧により末梢側に押し流されることにより発生する。
【0007】
そこで、血管内でバルーンを膨張させても血流を確保できるカテーテルが提案されている。特許文献1では、バルーン表面に溝を設け、設けられた溝により血流をそのまま確保できるバルーンカテーテルが提案されている(特許文献1)。しかしながら、かかるバルーンカテーテルは、バルーンが中心で分割されていないため、周囲にかかる圧力が小さく効果的に血管内に固定することができないという問題点があった。また、完全に血管内を閉塞させたい場合には閉塞させることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、バルーンが血管内に密着した状態であっても、バルーンが血管内を完全に閉塞し血流を遮断することなく、血流による圧力増加を抑えてバルーンの位置ずれを防止しつつ、血管内や大動脈弁に適切な圧力を加え、本来の治療目的を達成することができるカテーテル用バルーン及びバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0011】
本発明にかかるカテーテル用バルーンは、
中央部及び前記中央部の両側に形成されるテーパー部を有するバルーンカテーテル用のカテーテル用バルーンにおいて
前記中央部は、2つ以上に分割された拡張部を有し、前記カテーテル用バルーンの拡張時に隣接した前記拡張部の間に血流を確保することができる血流用空間が形成され、
かつ前記テーパー部は、血流を確保するため、前記カテーテル用バルーンの拡張時に前記血流用空間と連通する凹溝を備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明にかかるカテーテル用バルーンは、中央部に、それぞれ分割されて独立した拡張部を有し、カテーテル用バルーンを拡張した場合でも独立した拡張部の間に血流用空間を確保することができるように形成されている。そのためカテーテル用バルーンを血管内に密着させた状態であっても、血流用空間により血管内を完全に閉塞して血流を遮断することを防止することができる。従って、血流によるバルーンの位置ずれを防止しつつ、血管内や大動脈弁に適切な圧力を加えることができる。また、完全に血管内を封鎖したい場合には、さらに圧力を加え膨張させることで、隣接する拡張部が接触し、血流用空間を閉鎖することで達成することができる。
【0013】
また、本発明にかかるカテーテル用バルーンにおいて、
前記拡張部は、拡張時において、半円形又は扇形の断面であることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、バルーン拡張時において、確実に血流用空間を確保することができ、さらに、血管内を閉塞したい場合にさらに圧力を加え膨張させることで、隣接する拡張部が接触して密閉しやすくなり確実に血管内を閉塞させることができる。
【0015】
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンにおいて、
前記拡張部内のすべてのルーメンは、テーパー部で連通していることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
かかる構成を採用することにより、カテーテル用バルーン内に連通するバルーンルーメンを1箇所設定すれば、カテーテル用バルーンの拡張部全体を拡張させることができ、かつ、それぞれの拡張部の圧力を同じ圧力にすることができるため、血管の周囲に同じ圧力を加えることができる。
【0017】
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンにおいて、
前記カテーテル用バルーンは、ポリウレタン、NY、エラストマー又はシリコンゴムからなることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
かかる材料を使用することによって、伸縮性があるので効果的にバルーン拡張時において、確実に血流用空間を確保することができ、さらに、血管内を閉塞したい場合にさらに圧力を加え膨張させることで、隣接する拡張部が接触して密閉しやすくなり確実に血管内を閉塞させることができる。
【0019】
また、本発明は、前述したカテーテル用バルーンと、
前記カテーテル用バルーンの遠位側端部に設けられる中空部を有する先端チップと、
前記カテーテル用バルーンの近位側端部に設けられるバルーン拡張用流体を流すバルーンルーメンと前記先端チップの中空部と連通するインナーチューブと、
を備えたシャフトが接続されていることを特徴とするバルーンカテーテルを提供する。
【0020】
かかるバルーンカテーテルによれば、前述した効果に加え、従来の複数のバルーンを持つカテーテルに比べて、バルーン以外の構造を一般的なコアキシャル構造で製造することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかるカテーテル用バルーン及びバルーンカテーテルによれば、バルーンが血管内に密着した状態であっても、バルーンが血管内を完全に閉塞し血流を遮断することなく、血流によるバルーンの位置ずれを防止しつつ、血管内や大動脈弁に圧力を加え、本来の治療目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるバルーンカテーテル100の一部拡大側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン10の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン10の
図2のA-A部の断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン10の別実施形態を示す側面図及び断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン10の使用状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン10の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明にかかるカテーテル用バルーン10及びバルーンカテーテル100について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0024】
(実施形態)
本発明にかかるカテーテル用バルーン10及びカテーテル用バルーン10が取り付けられたバルーンカテーテル100の一部拡大側面図が
図1に示されている。
【0025】
本発明にかかるバルーンカテーテル100は、
図1に示すように、主として、カテーテル用バルーン10と、カテーテル用バルーン10の近位側に取り付けられるシャフト20と、カテーテル用バルーン10の先端に設けられる先端チップ30と、先端チップ30からカテーテル用バルーン10の内部及びシャフト20内に配置されるインナーチューブ40と、を備えている。
【0026】
カテーテル用バルーン10は、
図1に示すように、中央部11と、中央部11の両側に形成されるテーパー部12と、を有している。カテーテル用バルーン10の中央部11は、2つ以上に分割して形成されて、複数の拡張部15を有している。例えば、2つに分割し、2つの拡張部15a、15bを有する例1が
図2に示されている。この例1では、中央部11は
図3のA-A断面図に示すように、略半円形に形成された2つの拡張部15に分割されている。拡張部15aと拡張部15bとの間には、カテーテル用バルーン10を拡張させた状態の場合に、血流を流すための血流用空間16が形成される。一方、テーパー部12には、
図2に示すように、カテーテル用バルーン10を拡張させた形態の場合に、血流用空間16から連通するように凹溝17が形成されており、血流を流すための空間が確保されている。拡張部15aと拡張部15bの内部のルーメン13は、カテーテル用バルーン10のテーパー部12で連通しており、テーパー部12に拡張流体を注入することで、すべての拡張部15aと拡張部15bを拡張させることができる。また、
図4には、3つに分割し、3つの拡張部15を有する例2が示されている。この3つの拡張部15c、15d、15eを有する場合は、
図4のB-B断面図に示すように、断面が扇形に形成された拡張部15を有している。拡張部15cと拡張部15d及び拡張部15eとの間には、カテーテル用バルーン10を拡張させた状態の場合に、血流を流すための血流用空間16が形成される。テーパー部12は、例1と同様に、カテーテル用バルーン10を拡張させた形態の場合に、血流用空間16から連通するように凹溝17が形成されており、同様に血流を流すための空間が確保されている。中央部11をいくつに分割するかは限定するものではなく、4つ以上に分割した拡張部15を設けても良い。4つ以上に分割した場合には、拡張部の断面はすべて扇形に形成される。なお、カテーテル用バルーンは、ポリウレタン、ナイロン、エラストマー又はシリコンゴム等の伸長率の高い素材で作製することが好ましい。伸張性の高い素材を使用することによって、高い圧力を加えた場合に血管内をカテーテル用バルーン10で密閉させやすくなる。なお、バルーンのサイズは、バルーン径が2mm~40mm(大動脈以外では主に3mm~10mm、大動脈では好ましくは15mm~30mm)、バルーン膜厚は10μm~500μm、好ましくは50μm~200μm、バルーンの平坦部長が5mm~50mm、好ましくは10mm~40mm)、テーパー部分の角度が15°~120°、好ましくは、25°~90°、カテーテルの太さとしては0.5mm~4.0mm、好ましくは1.0mm~3.0mmである。
【0027】
シャフト20は、
図1に示すように、カテーテル用バルーン10の近位側に取り付けられており、カテーテル用バルーン10を拡張するための拡張流体を送るためのバルーンルーメン21と、バルーンルーメン21内に挿通されているインナーチューブ40とを備えている。シャフト20の近位端には、バルーンルーメン21に拡張流体を送ったり、インナーチューブ40にガイドワイヤや治療器具等を挿入したりするためのハブ又はコネクタ等(図示しない。)が設けられている。
【0028】
先端チップ30は、カテーテル用バルーン10の遠位端に取り付けられている。先端チップ30は、中空の筒状に作製されており、カテーテル用バルーン10内でインナーチューブ40の遠位端と接続されている。先端チップ30は、X線不透過性の素材で作製してもよい。
【0029】
インナーチューブ40は、手元側のハブからシャフト20のバルーンルーメン21内を通り、カテーテル用バルーン10のいずれかの拡張部15を通過し、先端チップ30に接続されている。従って、インナーチューブ40は、手元側のハブから先端チップ30まで連通しているので、インナーチューブ40内を通過させたガイドワイヤや治療器具は、先端チップ30の先端から延出させることができる。このように、本発明はカテーテル用バルーン10以外の構造は、一般的なコアキシャル構造で製造することが可能である。
【0030】
こうして作製されたバルーンカテーテル100は、限定するものではないが、主として、(1)血管内で拡張時に血管壁又は血管内に留置されるステントやステントグラフトを血管内に密着させることを目的としたバルーンカテーテル、(2)心臓の弁形成術に用いられるバルーンカテーテル、(3)緊急時の出血抑制用に血管に挿入し、拡張して血流をコントロールするバルーンカテーテル、として効果的に使用することができる。
【0031】
本発明にかかるバルーンカテーテル100は、前述した治療を行う際には、ガイドワイヤ等を利用して、治療領域の血管内にカテーテル用バルーン10を到達させ、その後、血管内に留置するために、カテーテル用バルーン10内に拡張用流体を注入する。これにより、拡張部15を拡張させて血管内に留置する。この際に、中央部11の拡張部15の断面形状が円ではなく、2つの独立した半円形又は、3つ以上の独立した扇形をしている。カテーテル用バルーン10は、拡張流体を充填し拡張した時には、隣接する拡張部15との間に空間部分が連通するように形成される。また、中央部11と連結されたテーパー部12は、中央部11の血流用空間16と連通した凹溝17を有し、カテーテル用バルーン10が血管壁に接触した場合でも中央部11の血流用空間16へ血液の流入が可能となる入り口を確保している。従って、カテーテル用バルーン10に拡張流体(
図5A,Bの斜線部)を充填し、血管内で拡張し、密着した状態であっても、
図5Aに示すように、カテーテル用バルーン10が血管内を完全に閉塞し、血流を遮断することが防止され、血流によるカテーテル用バルーン10の位置ずれを防止しながら血管内や大動脈弁に圧力を加えて、本来の治療目的を達成することができる。特に本発明では、中央部11に完全に分割された拡張部15を有し、それぞれの拡張部15の断面が半円形又は扇形に形成されているため、カテーテル用バルーン10の拡張用流体にさらに圧力を加え、カテーテル用バルーン10の中央部11の拡張部15をさらに膨張させることによって、
図5Bに示すように、それぞれの拡張部15が接触して血流用空間16を埋めるまで膨張させると、拡張圧を逃すことなく、血管内壁やステントグラフトに圧着させることが可能となる。しかも、このように血流を確保するための血流用空間16がなくなってしまった場合であっても、血流用空間16が閉じる直前ですでに血管内で血流によって移動しない程度の必要な圧力は確保されているため、位置ずれを起こすことなく治療を行うことが可能である。
【0032】
また、REBOAにおいても、Partial時の血流を確保しつつ血管壁への押し付け圧を確保することができるため、位置ずれ防止をしつつ血液のフローコントロールを行うことが可能となる。すなわち、
図6に示すように、中央部11の血流用空間16の大きさをコントロールすることができ、流量を調整することができる。そのため、位置ずれを起こすことなく血流量のコントロールを行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、(1)血管内で拡張時に血管壁又は血管内に留置されるステントやステントグラフトを血管内に密着させることを目的としたバルーンカテーテル、(2)心臓の弁形成術に用いられるバルーンカテーテル、(3)緊急時の出血抑制用に血管に挿入し、拡張して血流をコントロールするバルーンカテーテルとして産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10…カテーテル用バルーン、11…中央部、12…テーパー部、13…ルーメン、15、15a、15b、15c、15d、15e…拡張部、16…血流用空間、17…凹溝、20…シャフト、21…バルーンルーメン、30…先端チップ、40…インナーチューブ、100…バルーンカテーテル