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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006875
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20220105BHJP
【FI】
F24H1/00 602S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109428
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 俊輝
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC09
3L024CC27
3L024DD06
3L024DD13
3L024DD17
3L024DD22
3L024DD27
3L024EE03
3L024FF04
3L024FF15
3L024FF18
3L024GG07
3L024GG28
3L024GG41
3L024GG47
3L024HH22
3L024HH58
(57)【要約】
【課題】追い焚き中の空焚きの発生を抑制する。
【解決手段】給湯システム1は、燃焼動作を行うガスバーナ54と、循環動作を行う循環ポンプ62と、配管66内に湯水が流れていることを検知する検知状態と非検知状態とに切り替わる水流スイッチ63と、追い焚き制御部と、を備える。追い焚き制御部は、追い焚き開始条件が成立した場合に、循環ポンプ62に循環動作を開始させ且つガスバーナ54に燃焼動作を開始させる追い焚き制御を行う。さらに、追い焚き制御部は、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63が検知状態となるか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを生じさせる燃焼動作を行うバーナと、
伝熱管を有し、前記伝熱管の内部を通る湯水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、
浴槽から引き込まれる湯水を前記伝熱管に導く第1配管と、
前記伝熱管を通過した湯水を前記浴槽に導く第2配管と、
前記第1配管又は前記第2配管に設けられ、前記浴槽内の湯水が前記第1配管、前記伝熱管及び前記第2配管を通って前記浴槽内に戻るように湯水を循環させる循環動作を行うポンプと、
前記第1配管、前記伝熱管、及び前記第2配管を有する管路に湯水が流れていることを検知する検知状態と非検知状態とに切り替わる水流検知部と、
追い焚き開始条件が成立した場合に、前記ポンプに前記循環動作を開始させ且つ前記バーナに前記燃焼動作を開始させる追い焚き制御を行う追い焚き制御部と、
を備え、
前記追い焚き制御部は、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記非検知状態となるか否かを判定する
給湯システム。
【請求項2】
前記管路内の湯水の温度を検出する温度検出部を備え、
前記追い焚き制御部は、
前記燃焼動作が継続している状態で前記温度検出部によって検出された温度が第1閾値を超えた場合、前記燃焼動作を一時的に停止させる一時停止制御を行い、
前記一時停止制御によって前記燃焼動作が停止しているときに前記温度検出部によって検出された温度が前記第1閾値よりも低い第2閾値を下回った場合、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記非検知状態となるか否かを判定した後に、前記燃焼動作を再開させる
請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記追い焚き制御部は、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記検知状態となっていると判定した場合に、異常の報知を行い、前記燃焼動作を禁止する
請求項1又は請求項2に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、風呂熱交換器を備えた給湯器が開示されている。給湯器は、風呂リモコンの追い焚きスイッチの操作に応じて、ポンプを作動させ、風呂熱交換器と浴槽との間で湯を循環させる。風呂熱交換器と浴槽との間で循環する風呂循環水は、風呂熱交換器の風呂伝熱管を流れる際にバーナの燃焼排気と熱交換されて設定温度まで追い焚きされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-95160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この給湯器では、追い焚き中に、配管内の湯水が無くなって空焚きが行われるおそれがあり、空焚きが行われると配管が破損するおそれがある。
【0005】
そこで、本開示では、追い焚き中の空焚きの発生を抑制し得る技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つである給湯システムは、燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを生じさせる燃焼動作を行うバーナと、伝熱管を有し、前記伝熱管の内部を通る湯水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、浴槽から引き込まれる湯水を前記伝熱管に導く第1配管と、前記伝熱管を通過した湯水を前記浴槽に導く第2配管と、前記第1配管又は前記第2配管に設けられ、前記浴槽内の湯水が前記第1配管、前記伝熱管及び前記第2配管を通って前記浴槽内に戻るように湯水を循環させる循環動作を行うポンプと、前記第1配管、前記伝熱管、及び前記第2配管を有する管路に湯水が流れていることを検知する検知状態と非検知状態とに切り替わる水流検知部と、追い焚き開始条件が成立した場合に、前記ポンプに前記循環動作を開始させ且つ前記バーナに前記燃焼動作を開始させる追い焚き制御を行う追い焚き制御部と、を備え、前記追い焚き制御部は、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記非検知状態となるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る給湯システムは、追い焚き中の空焚きの発生を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る給湯システムを例示する概略回路図である。
図2図2は、第1実施形態に係る給湯システムを構成するコントローラ及びリモートコントローラを概略的に例示するブロック図である。
図3図3は、第1実施形態の給湯システムで行われる追い焚き用制御の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、給湯システムの実施形態の一例に関する。なお、以下で示される〔1〕~〔3〕の特徴は、矛盾しない態様でどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを生じさせる燃焼動作を行うバーナと、伝熱管を有し、前記伝熱管の内部を通る湯水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、浴槽から引き込まれる湯水を前記伝熱管に導く第1配管と、前記伝熱管を通過した湯水を前記浴槽に導く第2配管と、前記第1配管又は前記第2配管に設けられ、前記浴槽内の湯水が前記第1配管、前記伝熱管及び前記第2配管を通って前記浴槽内に戻るように湯水を循環させる循環動作を行うポンプと、前記第1配管、前記伝熱管、及び前記第2配管を有する管路に湯水が流れていることを検知する検知状態と非検知状態とに切り替わる水流検知部と、追い焚き開始条件が成立した場合に、前記ポンプに前記循環動作を開始させ且つ前記バーナに前記燃焼動作を開始させる追い焚き制御を行う追い焚き制御部と、を備え、前記追い焚き制御部は、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記非検知状態となるか否かを判定する給湯システム。
【0011】
空焚きは、上記管路内に湯水が流れていない状態で燃焼動作が行われることで生じうる。このため、管路内に湯水が流れていない状態では燃焼動作を行わないようにすることで、空焚きを防止することができる。しかし、管路内に湯水が流れていることを検知する水流検知部が故障している場合には、湯水が流れていないにも関わらず、燃焼動作を行ってしまう可能性がある。この点、上記〔1〕の給湯システムは、循環動作を停止させた状態で水流検知部が検知状態となるか否かを判定することができる。つまり、この給湯システムは、循環動作を停止させたにも関わらず水流検知部が非検知状態とならないという異常が生じた場合に、この異常を検出することができる。したがって、この給湯システムは、追い焚き中における水流検知部の異常を検出することができるので、追い焚き中の空焚きの発生を抑制することができる。
【0012】
〔2〕前記管路内の湯水の温度を検出する温度検出部を備え、前記追い焚き制御部は、前記燃焼動作が継続している状態で前記温度検出部によって検出された温度が第1閾値を超えた場合、前記燃焼動作を一時的に停止させる一時停止制御を行い、前記一時停止制御によって前記燃焼動作が停止しているときに前記温度検出部によって検出された温度が前記第1閾値よりも低い第2閾値を下回った場合、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記非検知状態となるか否かを判定した後に、前記燃焼動作を再開させる〔1〕に記載の給湯システム。
【0013】
上記〔2〕の給湯システムは、追い焚き中に管路内の水温が第1閾値を超えた場合には、燃焼動作を一時的に停止させ、第2閾値を下回ると燃焼動作を再開させる。これにより、この給湯システムは、追い焚き中に管路内の湯水の温度が過度に高くなることを防止することができる。しかも、この給湯システムは、管路内の湯水の温度が第2閾値を下回った場合、循環動作を停止させた状態で水流検知部が非検知状態となるか否かを判定した後に、燃焼動作を再開させる。したがって、この給湯システムは、追い焚き中に管路内の湯水の温度が過度に高くなることを防止しつつ、過度な温度上昇を防止するために燃焼動作を停止させる際に水流検知部の異常を効率的に検出することができる。
【0014】
〔3〕前記追い焚き制御部は、前記循環動作を停止させた状態で前記水流検知部が前記検知状態となっていると判定した場合に、異常の報知を行い、前記燃焼動作を禁止する〔1〕又は〔2〕に記載の給湯システム。
【0015】
上記〔3〕の給湯システムは、水流検知部の異常を検出した場合に、この異常の報知を行い、燃焼動作を禁止することができる。したがって、この給湯システムは、空焚きを防止しつつ、水流検知部の異常をユーザに知らせることができる。
【0016】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に関する。
(基本構成)
図1で示す給湯システム1は、浴槽60への給湯機能と浴槽内の湯水の加熱機能とを備えた風呂・給湯システムとして構成され、主として、給湯側回路2と風呂側回路3とを備える。給湯側回路2は、入水管12、出湯管10、ガスバーナ4(給湯側バーナ)、給湯側熱交換器6などを備え、外部から供給された水道水を加熱し出湯させる経路として機能する。風呂側回路3は、ガスバーナ54(バーナ)、風呂側熱交換器56(熱交換器)、配管66、循環ポンプ62(ポンプ)、サーミスタ64,65などを備え、自動湯張りの際の循環加熱、風呂の追い焚き等に利用される。
【0017】
給湯側回路2では、入水管12、給湯側伝熱管8a、配管20、給湯側伝熱管7a、出湯管10によって構成される経路が給湯側通水路として機能する。入水管12は、水入口16からの水が流れ込む経路として構成され、出湯管10は、出湯口18へ湯を送り出す経路として構成される。ガスバーナ4は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気を発生させる部分である。給湯側熱交換器6は、熱交換器の一例に相当し、給湯側通水路(入水管12、給湯側伝熱管8a、配管20、給湯側伝熱管7a、出湯管10によって構成される経路)を通る水にガスバーナ4で生じた熱を伝達して湯を沸かす部分であり、給湯側通水路の途中の位置に設けられ、給湯側通水路の内部を通る水に対してガスバーナ4での燃焼によって生じた熱を伝えるように機能する。給湯側熱交換器6は、一次熱交換器7及び二次熱交換器8を備え、一次熱交換器7は、給湯燃焼室90内においてガスバーナ4の燃焼排気経路の上流側に配置され、二次熱交換器8は、給湯燃焼室90内において燃焼排気経路の下流側に配置されている。
【0018】
給湯側回路2において、二次熱交換器8の入口には、水道水を供給する構成で入水管12が接続されている。入水管12には、入水管12を通る水の温度(即ち、通水管における熱交換器よりも上流側の位置の水温)を検出する水温検出部としてのサーミスタ25と、入水管12内の通水量(即ち、通水管を流れる水の量)を検出する水量検出部としての水量センサ34とが設けられている。入水管12の下流側には、二次熱交換器8の給湯側伝熱管8aが接続され、更にその下流側には、二次熱交換器8の給湯側伝熱管8aと一次熱交換器7の給湯側伝熱管7aとを連結する配管20が接続される。この配管20に連結された構成で一次熱交換器7の給湯側伝熱管7aが接続され、一次熱交換器7の出口には、一次熱交換器7で加熱された湯を出湯する構成で出湯管10が接続されている。出湯管10には、出湯管10内の湯水の温度を検出するサーミスタ26が設けられている。本構成では、入水管12、給湯側伝熱管8a、配管20、給湯側伝熱管7a、出湯管10が、給湯システム1の外部に設けられた図示しない水道から導入された水を通す流路として機能する。
【0019】
給湯側熱交換器6は、一次熱交換器7によって燃焼排気の顕熱を回収した後、二次熱交換器8によって潜熱を回収するように機能する。具体的には、一次熱交換器7は、一次熱交換器7内の通水経路となる給湯側伝熱管7aを備えており、給湯側伝熱管7a内を通る水に対してガスバーナ4で発生した燃焼排気に含まれる燃焼熱を伝熱し、顕熱の熱エネルギーを通水に伝達する形で熱交換する。また、二次熱交換器8は、二次熱交換器8内の通水経路となる給湯側伝熱管8aを備えており、給湯側伝熱管8a内を通る湯水に対し、ガスバーナ4で発生した燃焼排気が一次熱交換器7を通過した後の燃焼熱を伝熱し、潜熱の熱エネルギーを通水に伝達するように熱交換する。
【0020】
入水管12と出湯管10との間をバイパスする通水経路として、給湯側熱交換器6とは異なる通水経路として構成されたバイパス路14が設けられている。バイパス路14には、バイパス路14の通水を遮断した閉塞状態と、この閉塞状態よりも開度を増大させた開放状態とに移行可能なバイパス弁32が設けられている。入水管12において、バイパス路14が連結する分岐位置よりも上流側には、通水量制御弁33が設けられている。通水量制御弁33は、コントローラ22からの指示を受けて駆動軸の回転角度が制御されるモータを備え、入水管12を閉塞状態と全開状態との間で様々な開度に連続的に変更できる構成となっている。本構成では、通水量制御弁33が、通水管を流れる湯水の量を調節するように機能する。
【0021】
ガスバーナ4へのガスの供給を行うガス管40には、上流側からガス元電磁弁42、給湯ガス比例制御弁44、各ガスバーナ4への分岐管ごとの給湯切替電磁弁46,46・・が夫々設けられている。また、給湯燃焼室90の下方には、燃焼用空気を各ガスバーナ4(バーナ)及びガスバーナ54(風呂側バーナ)へ供給するファン48が設けられている。ガスバーナ54(風呂側バーナ)に接続されるガス管からの分岐管には、切替電磁弁53が設けられている。給湯ガス比例制御弁44、給湯切替電磁弁46は、ガスバーナ4へのガス量を調整するように機能する。
【0022】
風呂側熱交換器56は、風呂一次熱交換器57及び風呂二次熱交換器58を備え、風呂一次熱交換器57は、給湯燃焼室90内においてガスバーナ54の燃焼排気経路の上流側に配置され、風呂二次熱交換器58は、給湯燃焼室90内において燃焼排気経路の下流側に配置されている。風呂側熱交換器56は、風呂一次熱交換器57によって燃焼排気の顕熱を回収した後、風呂二次熱交換器58によって潜熱を回収するように機能する。具体的には、風呂一次熱交換器57は、風呂一次熱交換器57内の通水経路となる風呂側伝熱管57aを備えており、風呂側伝熱管57a内を通る湯水に対してガスバーナ54で発生した燃焼排気に含まれる燃焼熱を伝熱し、顕熱の熱エネルギーを通水に伝達する形で熱交換する。また、風呂二次熱交換器58は、風呂二次熱交換器58内の通水経路となる風呂側伝熱管58aを備えており、風呂側伝熱管58a内を通る湯水に対し、ガスバーナ54で発生した燃焼排気が風呂一次熱交換器57を通過した後の燃焼熱を伝熱し、潜熱の熱エネルギーを通水に伝達するように熱交換する。
【0023】
配管66は、管路の一例に相当し、戻り配管67と、風呂側伝熱管57aと、配管21と、風呂側伝熱管58aと、往き配管68とを有する。戻り配管67は、第1配管の一例に相当し、浴槽60から引き込まれる湯水を風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)に導く経路となっている。往き配管68は、第2配管の一例に相当し、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)を通過した湯水を浴槽60に導く経路となっている。配管21は、風呂側伝熱管57aと風呂側伝熱管58aとを連結する経路となっている。つまり、配管66は、一端側及び他端側が浴槽60内に連通するとともに浴槽60から出た湯水を通過させて浴槽60内に戻す経路として構成される。この配管66は、例えば追い焚き動作時や沸かしあげ動作時に浴槽60から引き込まれる湯水を戻り配管67によって風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)に導き、この風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)を通過した湯水を往き配管68によって浴槽60に導くように循環させる経路となっている。ガスバーナ54は、バーナの一例に相当し、燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを生じさせる燃焼動作を行う部分である。風呂側熱交換器56は、配管66を通る湯水にガスバーナ54(バーナ)で生じた熱を伝達するように機能する。
【0024】
戻り配管67は、浴槽60と風呂二次熱交換器58が有する風呂側伝熱管58aとの間に配置されており、この戻り配管67には、循環ポンプ62と戻り配管67を通る湯水の温度を検出するサーミスタ64(風呂サーミスタ)が設けられている。サーミスタ64は、浴槽60から排出される湯水の水温(即ち、浴槽60内の水温)を検出するように機能する。循環ポンプ62は、ポンプの一例に相当し、配管66内の湯水を流動させる装置である。循環ポンプ62は、浴槽60側から湯水を引き込み、引き込んだ湯水を風呂側熱交換器56側に向けて排出するように機能する。つまり、循環ポンプ62は、戻り配管67、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)、及び往き配管68を通って浴槽60内に戻るように湯水を循環させる循環動作を行いうる。
【0025】
循環ポンプ62の下流側には、水流スイッチ63が設けられている。水流スイッチ63は、水流検知部の一例に相当し、戻り配管67、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)、及び往き配管68を有する管路(配管66)に湯水が流れていることを検知する検知状態と非検知状態とに切り替わる。例えば、水流スイッチ63は、配管66に湯水が流れている場合にON状態(検知状態)となり、湯水が流れていない場合にOFF状態(非検知状態)となる。
【0026】
往き配管68は、風呂一次熱交換器57が有する風呂側伝熱管57aと浴槽60との間に配置される。往き配管68には、往き配管68を通る湯水の温度を検出するサーミスタ65が設けられている。サーミスタ65は、温度検出部の一例に相当し、後述するコントローラ22とともに、往き配管68内の湯水の温度を検出する機能を有する。サーミスタ65は、往き配管68内に湯水が流れている場合には往き配管68内の湯水の温度を検出し、往き配管68内に湯水が流れていない場合には往き配管68内の雰囲気温度を検出する。なお、サーミスタ65が検出した温度を、以下では「風呂往き温度」ともいう。
【0027】
往き配管68には、出湯管10から分岐された落とし込み管70が接続され、落とし込み管70には、給湯用電磁弁72及び落とし込み水量センサ74が設けられている。そして、落とし込み管70に設けられた給湯用電磁弁72を開弁させることで、給湯側回路2で加熱された湯を浴槽60へ供給することが可能となっている。落とし込み水量センサ74は、落とし込み管70を介して浴槽60へと供給される供給水量を検出する機能を有する。
【0028】
落とし込み管70は、給湯側回路2の給湯側通水路から風呂側回路3の配管66(循環路)へと湯を通す経路となっている。具体的には、落とし込み管70は、出湯管10より分岐するとともに戻り配管67に連通し、給湯側通水路を通って給湯側熱交換器6で加熱された湯水を浴槽60に導くように機能する。
【0029】
給湯システム1には、図1図2で示すコントローラ22が設けられる。図2で示すコントローラ22は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部22Aと、公知の半導体メモリ等として構成されるメモリ22Bと、外部との通信を行うためのインタフェースとして構成される通信部22Cとを備える。コントローラ22は、給湯側回路2や風呂側回路3に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成され、給湯側回路2や風呂側回路3に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る。
【0030】
図2のように、複数のリモートコントローラ80は、コントローラ22(温度検出部、追い焚き制御部)と通信し得る構成で配置される。図1図2の例では、複数のリモートコントローラ80として、浴室内に設けられる第1リモートコントローラ81と、浴室とは異なる場所(例えば台所等)に設けられる第2リモートコントローラ82とが設けられる。
【0031】
図2のように、第1リモートコントローラ81は、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部81Aと、液晶表示装置等として構成される表示部81Bと、押圧ボタン等の公知のスイッチが複数設けられてなる操作部81Cと、コントローラ22や第2リモートコントローラ82と通信を行う通信部81Dと、音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部81Eとを備える。操作部81Cは、複数の操作部によって構成されており、電源のオンオフ状態を切り替える入力操作、設定温度を切り替える入力操作などに用いられる。
【0032】
第2リモートコントローラ82も同様であり、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部82Aと、液晶表示装置等として構成される表示部82Bと、押圧ボタン等の公知のスイッチが複数設けられてなる操作部82Cと、第2リモートコントローラ82で生成された信号等をコントローラ22に伝達するための通信部82Dと、音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部82Eとを備える。
【0033】
第2リモートコントローラ82は第1リモートコントローラ81と同様の構成、或いは簡略化された構成をなし、第1リモートコントローラ81と同様の設定が可能である。両リモートコントローラ80は、オンオフ状態が連動するようになっている。両リモートコントローラ80において、一方で設定された内容は、相互に反映される。
【0034】
コントローラ22は、温度検出部、追い焚き制御部の一例に相当する。コントローラ22は、追い焚き開始条件が成立した場合に、循環ポンプ62に循環動作を開始させ且つガスバーナ54に燃焼動作を開始させる追い焚き制御を行う。例えば、コントローラ22は、点火処理として、図示しないイグナイタを作動させ、図示しない給湯点火プラグから放電させる。そして、コントローラ22は、ガス元電磁弁42及び切替電磁弁53を開き、ガスバーナ54に点火させる。これにより、燃焼動作が開始される。コントローラ22は、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63(水流検知部)がOFF状態(非検知状態)となるか否かを判定する。「循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63が非検知状態となる」は、「循環動作を停止させた時点で水流スイッチ63がOFF状態となっている場合」だけでなく、「循環動作を停止させたことによって水流スイッチ63がOFF状態に切り替わった場合」も含む。コントローラ22は、例えば、循環動作を停止させる際にタイマを作動させ、所定時間が経過するまでに水流スイッチ63がOFF状態となった場合、あるいは所定時間が経過した時点で水流スイッチ63がOFF状態となっている場合に、「循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がOFF状態となる」と判定する。逆に、コントローラ22は、例えば、循環動作を停止させる際にタイマを作動させ、所定時間が経過した時点で水流スイッチ63がON状態となっている場合に、「循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がOFF状態となっていない」、つまり、「循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がON状態となっている」と判定する。
【0035】
コントローラ22は、燃焼動作が継続している状態でサーミスタ65によって検出された温度が第1閾値(例えば97℃)を超えた場合、燃焼動作を一時的に停止させる一時停止制御を行う。例えば、コントローラ22は、例えば、ガス元電磁弁42及び切替電磁弁53がガス管40内の流路を閉塞するように制御することで燃焼動作を一時的に停止させる。そして、コントローラ22は、一時停止制御によって燃焼動作が停止しているときにサーミスタ65によって検出された温度が第2閾値(例えば80℃)を下回った場合、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がOFF状態となるか否かを判定した後に、燃焼動作を再開させる。燃焼動作の再開は、例えば、上述した燃焼動作の開始と同様に行われる。なお、第2閾値は、第1閾値よりも低い値である。また、再開するときの燃焼動作は、燃焼動作を再開する際に給湯側のガスバーナ4による燃焼が行われているか否かに応じて異ならせるようにしてもよい。例えば、コントローラ22は、ガスバーナ4が燃焼している場合には強燃焼で再開し、ガスバーナ4が燃焼していない場合にはマイルド運転で再開するようにしてもよい。
【0036】
コントローラ22は、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63が検知状態となっていると判定した場合に、異常の報知を行い、燃焼動作を禁止する。異常の報知は、例えば、「表示部81B,82Bによって行う異常であることを示す表示」、「音声出力部81E,82Eによって行う異常であることを示す音声情報の出力」などである。コントローラ22は、報知終了条件が成立した場合に、異常の報知を終了する。報知終了条件は、例えば「操作部81C,82Cによって報知終了操作が行われたこと」、「所定時間が経過したこと」などであってもよいし、別の条件であってもよい。燃焼動作の禁止は、例えば、燃焼動作を再開しないことである。コントローラ22は、禁止解除条件が成立した場合に、燃焼動作の禁止を解除する。禁止解除条件は、例えば、「操作部81C,82Cによって禁止解除操作が行われたこと」であってもよいし、別の条件であってもよい。
【0037】
(追い焚き用制御)
コントローラ22は、例えば図3のような流れで追い焚き用制御を行う。コントローラ22は、電源投入後、図3の追い焚き用制御を実行し、S11にて追い焚き開始条件が成立したか否かを判定する。追い焚き開始条件は、例えば、「操作部81C,82Cによって追い焚き開始操作が行われたこと」であってもよいし、「自動落とし込み制御が終了したこと」であってもよいし、別の条件であってもよい。
【0038】
ここで、「自動落とし込み制御」とは、自動落とし込み開始条件の成立に応じて、浴槽60内に設定量の湯水を落とし込むための制御のことである。「自動落とし込み開始条件」は、例えば「操作部81C,82Cによって自動落とし込み開始操作が行われたこと」であってもよいし、「予め設定された時刻になったこと」であってもよい。コントローラ22は、自動落とし込み制御において、例えば落とし込み管70に設けられた給湯用電磁弁72を開弁させることで、落とし込み管70を介して浴槽60内へ湯水を供給する。そして、コントローラ22は、供給水量が設定量に到達すると給湯用電磁弁72を閉弁させて湯水の供給を停止させる。コントローラ22は、自動落とし込み終了条件が成立した場合に、自動落とし込み制御を終了する。「自動落とし込み終了条件」は、例えば「浴槽60への供給水量が設定量に到達したこと」であってもよいし、別の条件であってもよい。
【0039】
コントローラ22は、追い焚き開始条件が成立していないと判定した場合(S11:No)、S11の処理に戻る。つまり、コントローラ22は、追い焚き開始条件が成立したと判定するまでS11の処理を繰り返す。
【0040】
コントローラ22は、追い焚き開始条件が成立したと判定した場合(S11:Yes)、S12にて故障チェック不要条件が成立しているか否かを判定する。故障チェック不要条件は、以下で説明される具体例では、「水流スイッチ63がOFF状態であること」、および「故障チェック不要フラグがセットされていること」である。なお、この具体例に限定されるわけではなく、故障チェック不要条件は、これらのうちのいずれか一方の条件であってもよいし、別の条件であってもよい。
【0041】
以下の具体例では、故障チェック不要フラグは、例えば、上述の自動落とし込み制御中に水流スイッチ63がOFF状態であると判定された場合にセットされる。この構成においては、自動落とし込み制御中に水流スイッチ63がOFF状態であると判定されて故障チェック不要フラグがセットされ、この自動落とし込み制御の終了に伴って追い焚き開始条件が成立した場合に、「故障チェック不要フラグがセットされていること」を原因として、S12にて故障チェック不要条件が成立していると判定される。セットされた故障チェック不要フラグは、例えば追い焚き用制御が終了するとき(例えば、浴槽60内の水温が目標温度に到達した場合)に消去(リセット)される。
【0042】
コントローラ22は、いずれかの故障チェック不要条件が成立していると判定した場合(S12:Yes)、水流スイッチ63の故障をチェックする故障チェック処理(S13)を行うことなく、S16に移る。つまり、コントローラ22は、水流スイッチ63がOFF状態である場合又は故障チェック不要フラグがセットされている場合には、水流スイッチ63が故障していないと判断して、故障チェック処理(S13)を行うことなく、追い焚き制御(S16)を実行する。例えば、コントローラ22は、上述の自動落とし込み制御の終了を条件としてステップS11からステップS12に処理を進め、その後にステップS16の追い焚き制御に移行する場合、追い焚き制御の前段階で行われた自動落とし込み制御中に水流スイッチ63の正常な切り替え動作(水流スイッチ63がOFF状態に切り替わる動作)が確認されている場合には、自動落とし込み制御の終了後、ステップS13、S14の処理を行うことなく、追い焚き制御に移行する。これにより、迅速に追い焚き制御に移行し得る。
一方、コントローラ22は、追い焚き制御の前段階で行われた自動落とし込み制御中に水流スイッチ63の正常な切り替え動作(水流スイッチ63がOFF状態に切り替わる動作)が確認されていない場合には、自動落とし込み制御の終了後、ステップS13、S14の処理を行い、ステップS13、S14において水流スイッチ63の正常を確認してから追い焚き制御に移行する。これにより、追い焚き制御前に水流スイッチ63の正常を確認しておくことができる。
【0043】
コントローラ22は、故障チェック不要条件が成立していないと判定した場合(S12:No)、S13にて故障チェック処理を行う。水流スイッチ63の故障をチェックする理由は以下の通りである。風呂側熱交換器56の空焚きは、配管66(より具体的には、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管))に湯水が流れていない状態で燃焼動作が行われた場合に生じうる。つまり、コントローラ22は、配管66内の流路に湯水が流れていない状態では、燃焼動作を禁止する構成であれば、空焚きを防止することができる。そこで、コントローラ22は、図3のフローチャートでは省略しているが、水流スイッチ63のオンオフ状態によって配管66内の流路に湯水が流れているか否かを判定し、湯水が流れていないと判定した場合には、燃焼動作を禁止する構成となっている。燃焼動作の禁止は、非燃焼動作中であれば、燃焼動作の開始を禁止することであり、例えば上述した点火処理を行わないようにすることである。また、燃焼動作中であれば、燃焼動作の禁止は、燃焼動作を中止して、再度の燃焼動作の開始も禁止することである。なお、燃焼動作の禁止状態は、禁止解除条件が成立した場合に解除される。禁止解除条件は、例えば、「操作部81C,82Cによって禁止解除操作が行われること」である。
【0044】
しかし、コントローラ22は、配管66内の流路に湯水が流れていない状態において、燃焼動作を禁止する構成であっても、水流スイッチ63の動作に異常があると、配管66内の流路に湯水が流れていない状態を検知できないおそれがある。例えば、水流スイッチ63は、水流を検知してON状態となった後、髪の毛などの異物が引っ掛かり、水流が止まった後もON状態のままに維持されるという事態が生じるおそれがある。そこで、コントローラ22は、水流スイッチ63の異常の有無を検知することで、水流スイッチ63の故障をチェックする構成とされている。
【0045】
コントローラ22は、故障チェック処理(S13)において、循環ポンプ62を停止させ(つまり、循環ポンプ62による循環動作を停止させ)、水流スイッチ63がON状態となっているか否か(つまり、水流スイッチ63がOFF状態となるか否か)を判定する。コントローラ22は、例えば循環ポンプ62を停止させてから所定時間が経過してもON状態のままである場合に、水流スイッチ63がON状態となっていると判定し、循環ポンプ62を停止させてから所定時間が経過するまでにOFF状態に切り替わった場合に、水流スイッチ63がOFF状態となったと判定する。
【0046】
コントローラ22は、故障チェック処理(S13)において、水流スイッチ63がON状態となっていると判定した場合に(S14:Yes)、S15にてエラー処理を行う。エラー処理は、異常が発生した場合に行う処理であり、例えば、上述した異常の報知、燃焼動作の禁止などを行う処理である。
【0047】
コントローラ22は、故障チェック処理(S13)において、水流スイッチ63がOFF状態に切り替わったと判定した場合(S14:No)、S16にて追い焚き制御を行う。コントローラ22は、追い焚き制御(S16)において、循環ポンプ62に循環動作を開始させ、且つガスバーナ54に燃焼動作を開始させる。これにより、浴槽60内の湯水が風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)に導かれ、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)に導かれた湯水がガスバーナ54の燃焼ガスによって過熱され、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)で加熱された湯水が浴槽60に戻される。その結果、浴槽60内の湯水が温められる。
【0048】
コントローラ22は、追い焚き制御(S16)を開始した後、S17にてサーミスタ65で検出された風呂往き温度が第1閾値(例えば97℃)を超えたか否かを判定する。コントローラ22は、風呂往き温度が第1閾値を超えていないと判定した場合(S17:No)、S17の処理に戻り、S17の処理を繰り返す。コントローラ22は、風呂往き温度が第1閾値を超えたと判定した場合(S17:Yes)、S18にて上述した一時停止制御を行う。つまり、コントローラ22は、燃焼動作を一時的に停止させる。これにより、風呂往き温度が過度に高くなることが防止される。
【0049】
コントローラ22は、一時停止制御(S18)を行った後、S19にて風呂往き温度が第2閾値(例えば80℃)を下回ったか否かを判定する。コントローラ22は、風呂往き温度が第2閾値を下回っていないと判定した場合(S19:No)、S19の処理に戻り、S19の処理を繰り返す。コントローラ22は、風呂往き温度が第2閾値を下回ったと判定した場合(S19:Yes)、S13の処理に戻る。そして、コントローラ22は、故障チェック処理(S13)を行い、故障チェック処理(S13)の結果に応じてエラー処理(S15)又は追い焚き制御(S16)を行う。
【0050】
以上のように、コントローラ22は、追い焚き開始条件が成立した場合に、必要に応じて故障チェック処理(S13)を行ってから、追い焚き制御(S16)を行う。そして、コントローラ22は、追い焚き制御(S16)において、循環ポンプ62に循環動作を開始させ、且つガスバーナ54に燃焼動作を開始させる。コントローラ22は、追い焚き中(循環動作の実行中且つ燃焼動作の実行中)に、風呂往き温度が第1閾値を超えた場合に、燃焼動作を一時的に停止させ、風呂往き温度が第1閾値を下回った場合に燃焼動作を再開する。これにより、給湯システム1は、風呂往き温度が過度に高くなることを防止しつつ、追い焚き制御(S16)を継続的に行うことができる。
【0051】
ところで、配管66(より具体的には、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管))内の湯水は、燃焼動作中に循環動作が停止したとき直ちに無くなるのではない。燃焼動作中に循環動作が停止した直後は、配管66内に湯水が溜まった状態となっており、その後も燃焼動作が継続されると、配管66内に溜まった湯水が蒸発によって徐々に減少していく。配管66内に溜まった湯水が徐々に減少していく過程では、コントローラ22は、風呂往き温度が第1閾値を超えるごとに、燃焼動作を一時的に停止させて風呂往き温度が第2閾値を下回ると燃焼動作を再開させるという制御を繰り返す。そして、浴槽60内の湯水が無くなると、空焚きが行われる。但し、コントローラ22は、風呂往き温度が第1閾値を超えて燃焼動作を一時的に停止させる場合、燃焼動作を再開させる前に故障チェック処理(S13)を行う。つまり、コントローラ22は、循環ポンプ62による循環動作を停止させ、水流スイッチ63がOFF状態となるか否かを判定する。そして、コントローラ22は、水流スイッチ63がON状態のままであると判定した場合、水流スイッチ63が異常であると判断し、燃焼動作を禁止する。これにより、コントローラ22は、空焚きの発生を抑制することができる。
【0052】
ちなみに、空焚きを判定する方法としては、配管66(例えば、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管))にバイメタルスイッチ(サーモスタット)を取り付けて、このバイメタルスイッチによって空焚きを検出することも考えられる。しかし、この給湯システム1によれば、バイメタルスイッチを別途設けることなく、空焚きを検出することができ、しかも、実際に空焚きが生じる前の段階で空焚きの発生を抑制することができる。
【0053】
なお、図3のフローチャートでは図示を省略しているが、コントローラ22は、追い焚き終了条件が成立した場合に、燃焼動作及び循環動作を停止して、図3に例示する追い焚き用制御を終了する。追い焚き終了条件は、例えば「浴槽60内の水温(例えばサーミスタ64によって検出された温度)が目標温度に到達したこと」であってもよいし、別の条件であってもよい。コントローラ22は、追い焚き用制御を終了した後、すぐに追い焚き用制御を再開することで、追い焚き用制御を繰り返し実行する。但し、コントローラ22は、追い焚き用制御を再開した後、次に追い焚き開始条件が成立するまでは、ステップS12以降の処理は行わない。
【0054】
次の説明は、本構成の効果の一例に関する。
空焚きは、配管66内に湯水が流れていない状態で燃焼動作が行われることで生じうる。このため、配管66内に湯水が流れていない状態では燃焼動作を行わないようにすることで、空焚きを防止することができる。しかし、配管66内に湯水が流れていることを検知する水流スイッチ63が故障している場合には、湯水が流れていないにも関わらず、燃焼動作を行ってしまう可能性がある。この点、この給湯システム1は、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がOFF状態となるか否かを判定することができる。つまり、この給湯システム1は、循環動作を停止させたにも関わらず水流スイッチ63がOFF状態とならないという異常が生じた場合に、この異常を検出することができる。したがって、この給湯システム1は、追い焚き中における水流スイッチ63の異常を検出することができるので、追い焚き中の空焚きの発生を抑制することができる。
【0055】
さらに、給湯システム1は、追い焚き中に配管66内の水温が第1閾値を超えた場合には、燃焼動作を一時的に停止させ、第2閾値を下回ると燃焼動作を再開させる。これにより、この給湯システム1は、追い焚き中に配管66内の水温が過度に高くなることを防止することができる。しかも、この給湯システム1は、配管66内の水温が第2閾値を下回った場合、循環動作を停止させた状態で水流スイッチ63がOFF状態となるか否かを判定した後に、燃焼動作を再開させる。したがって、この給湯システム1は、追い焚き中に配管66内の水温が過度に高くなることを防止しつつ、過度な温度上昇を防止するために燃焼動作を停止させる際に水流スイッチ63の異常を効率的に検出することができる。
【0056】
さらに、給湯システム1は、水流スイッチ63の異常を検出した場合に、この異常の報知を行い、燃焼動作を禁止することができる。したがって、この給湯システム1は、空焚きを防止しつつ、水流スイッチ63の異常をユーザに知らせることができる。
【0057】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更してもよい。
【0058】
上述した実施形態では、水流スイッチ63(水流検知部)を循環ポンプ62の下流側に設ける構成としたが、戻り配管67、風呂側伝熱管57a,58a(伝熱管)、及び往き配管68を有する管路(配管66)に湯水が流れていることを検知することができるのであれば、別の位置(例えば、循環ポンプ62の上流側)に設ける構成としてもよい。
【0059】
循環ポンプ62は、戻り配管67(第1配管)ではなく、往き配管68(第2配管)に設けられていてもよい。
【0060】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0061】
1…給湯システム
22…コントローラ(温度検出部、追い焚き制御部)
54…ガスバーナ(バーナ)
56…風呂側熱交換器(熱交換器)
57a、58a…風呂側伝熱管(伝熱管)
60…浴槽
62…循環ポンプ(ポンプ)
63…水流スイッチ(水流検知部)
65…サーミスタ(温度検出部)
66…配管(管路)
67…戻り配管(第1配管)
68…往き配管(第2配管)
図1
図2
図3