(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068758
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】金融商品購入システム、金融商品購入方法、取引サーバ、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20220427BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177610
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】520153291
【氏名又は名称】Hash DasH Holdings株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120813
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】林 和人
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】積立投資に用いる資金の振替手数料の削減を図ると共に、積立投資対象の臨時的な購入も可能にする。
【解決手段】証券会社サーバ10が、一ヶ月等の所定期間における積立投資の購入回数に基づいて所定期間分の積立投資に用いる合計額を算出し、その算出した合計額の振替を金融機関システム2へ要求することで、ユーザが証券会社に開設した取引口座には、所定期間分の積立投資用資金が一度に入金される。それにより、取引口座への振替は、所定期間ごとになり、振替回数を抑制して手数料も削減される。また、ユーザU1が、通信端末T1に積立投資対象に対して所望の金額を設定し購入操作を行えば、積立投資対象の臨時的な購入を容易に行える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入システムにおいて、
前記取引サーバは、
所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出する手段と、
算出した合計額を示す合計額情報を前記預金管理システムへ送信する手段と
を備え、
前記預金管理システムは、
合計額情報を受信した場合、受信した合計額情報で示される合計額を預金口座から取引口座へ振り替える手段を備え、
前記取引サーバは、
前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行う手段を備えることを特徴とする金融商品購入システム。
【請求項2】
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する端末装置を備え、
前記端末装置は、
前記金額受付画面で金額を受け付けた場合、受け付けた金額を示す金額情報を前記取引サーバへ送信する手段を備え、
前記取引サーバは、
金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行う手段と、
記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知する手段と、
蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行う手段と
を備える請求項1に記載の金融商品購入システム。
【請求項3】
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する端末装置を備え、
前記端末装置は、
前記金額受付画面で金額を受け付けた場合、受け付けた金額を示す金額情報を前記取引サーバへ送信する手段を備え、
前記取引サーバは、
金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行う手段を備える請求項1に記載の金融商品購入システム。
【請求項4】
預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入方法において、
前記取引サーバは、
所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、
算出した合計額を示す合計額情報を前記預金管理システムへ送信するステップと
を実行し、
前記預金管理システムは、
合計額情報を受信した場合、受信した合計額情報で示される合計額を預金口座から取引口座へ振り替えるステップを実行し、
前記取引サーバは、
前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップを実行することを特徴とする金融商品購入方法。
【請求項5】
外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う取引サーバにおいて、
所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出する手段と、
算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信する手段と、
前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行う手段と
を備えることを特徴とする取引サーバ。
【請求項6】
前記所定期間は連続しており、
連続する所定期間ごとに、それぞれの所定期間に係る合計額を算出する請求項5に記載の取引サーバ。
【請求項7】
前記所定期間は一ヶ月であり、
前記所定期間の中で前記金融商品を購入する回数は、一ヶ月の日数にしてある請求項5又は請求項6に記載の取引サーバ。
【請求項8】
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行う手段と、
記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知する手段と、
蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行う手段と
を備える請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の取引サーバ。
【請求項9】
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行う手段を備える請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の取引サーバ。
【請求項10】
外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入方法において、
前記取引サーバは、
所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、
算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信するステップと、
前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップと
を実行することを特徴とする金融商品購入方法。
【請求項11】
前記取引サーバは、
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行うステップと、
記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知するステップと、
蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行うステップと
を実行する請求項10に記載の金融商品購入方法。
【請求項12】
前記取引サーバは、
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行うステップを実行する請求項10に記載の金融商品購入方法。
【請求項13】
コンピュータに、外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、
算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信するステップと、
前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行うステップと、
記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知するステップと、
蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行うステップと
を実行させる請求項13に記載のするコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータに、
金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行うステップを実行させる請求項13に記載のするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品の積立投資に関するものであり、特に、積立投資として所定期間の中で複数回の金融商品の購入処理を行うと共に、積立投資対象の臨時的な購入も行えるようにした金融商品購入システム、金融商品購入方法、取引サーバ、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投資信託や株式のような金融商品を定期的に購入することを続ける積立投資に関するサービスが行われており、このような投資手法は、いわゆるドルコスト平均法に応じた投資効果を狙ったものになっている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1では、投信信託やETF(Exchange Traded Fund 株価指数連動型上場投資信託)の積立投資に関する記載がある。また、下記の特許文献2では、定期的に行う株式等の売買に関する内容が記載されており、定期的な売買の周期として、毎日、毎週、毎月、3ヶ月置き、半年置き、毎年が例示される(特許文献2の段落0047の記載参照)。
【0004】
また、上述した積立投資とは別に、臨時的な資金に基づく投資サービスも従来から行われている。例えば、下記の特許文献3では、釣り銭を投資に用いることが開示されており、下記の特許文献4でも、お釣りを投資に運用するサービスの記載がある(特許文献4の段落0038、
図6、7等参照)。なお、特許文献4には、ユーザの口座間の資金移動の回数を少なくことにも言及されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-71823号公報
【特許文献2】特開2010-55186号公報
【特許文献3】特開2003-178194号公報
【特許文献4】特開2018-97856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金融商品の購入には通常、ユーザが証券会社等に開設した金融商品取引用の取引口座に入金されている資金を使用することになり、このことは金融商品を定期的に購入する積立投資の場合も同様である。ユーザの取引口座への入金は、銀行等に開設したユーザの預金口座に入っている資金を、そのユーザの取引口座へ振り替えることにより行うが、一般に預金口座から取引口座への振替には手数料(例えば、振替元の口座を管理する金融機関等に対する手数料)が発生する。積立投資では複数回の購入機会が生じるので、預金口座から取引口座への振替回数も増加傾向となるため、積立投資では、口座間の振替に伴う手数料が高額になりやすいという問題がある。
【0007】
一方、ユーザの取引口座へ予め多めの資金を入れておき、その資金で積立投資に係る複数回の購入資金を賄うことも可能であるが、取引口座に入金されている資金は、積立投資の他に、様々な金融商品の購入にも使用可能であり、取引口座の入金額について、積立投資の使用分と、他の投資の使用分をユーザは区別して把握しにくいという問題があり、それに伴い、積立投資の結果(投資によるパフォーマンス)も確認しにくくなるという問題がある。
【0008】
また、投資とは別に、コーヒーを飲む代わりに、コーヒー代を貯金することや(コーヒーを飲んだつもりでコーヒー代を貯金)、タクシーに乗る代わりに、タクシー代を貯金する(タクシーに乗ったつもりでタクシー代を貯金)等と云った少額を貯蓄していく「つもり貯金」という貯金の仕方が一部に広まっている。しかし、このような「つもり貯金」は、単に少額の資金を適宜、貯金していくだけに留まり、積極的にお金を増やす方向の行為となる投資にまで連携していないという問題がある。なお、上述した特許文献3、4に係る発明は、釣り銭(お釣り)を投資に用いるものなので、「つもり貯金」により浮いたお金を投資に回すことへは、そのまま適用できない。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの口座間の振替に係る手数料を削減した上で、所定期間に用いる額をユーザが把握しやすくして、投資結果のパフォーマンスも確認しやすくした金融商品購入システム、金融商品購入方法、取引サーバ、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、「つもり貯金」のように臨時的なタイミングで発生する少額の資金をスムーズに投資へ回せるようにした金融商品購入システム、金融商品購入方法、取引サーバ、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入システムにおいて、前記取引サーバは、所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出する手段と、算出した合計額を示す合計額情報を前記預金管理システムへ送信する手段とを備え、前記預金管理システムは、合計額情報を受信した場合、受信した合計額情報で示される合計額を預金口座から取引口座へ振り替える手段を備え、前記取引サーバは、前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行う手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する端末装置を備え、前記端末装置は、前記金額受付画面で金額を受け付けた場合、受け付けた金額を示す金額情報を前記取引サーバへ送信する手段を備え、前記取引サーバは、金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行う手段と、記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知する手段と、蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する端末装置を備え、前記端末装置は、前記金額受付画面で金額を受け付けた場合、受け付けた金額を示す金額情報を前記取引サーバへ送信する手段を備え、前記取引サーバは、金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行う手段を備えることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明は、預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入方法において、前記取引サーバは、所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、算出した合計額を示す合計額情報を前記預金管理システムへ送信するステップとを実行し、前記預金管理システムは、合計額情報を受信した場合、受信した合計額情報で示される合計額を預金口座から取引口座へ振り替えるステップを実行し、前記取引サーバは、前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップを実行することを特徴とする。
【0014】
本発明は、外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う取引サーバにおいて、所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出する手段と、算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信する手段と、前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記所定期間は連続しており、連続する所定期間ごとに、それぞれの所定期間に係る合計額を算出することを特徴とする。
さらに、本発明は、前記所定期間は一ヶ月であり、前記所定期間の中で前記金融商品を購入する回数は、一ヶ月の日数にしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明は、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行う手段と、記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知する手段と、蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行う手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明は、外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき金融商品の購入処理を行う取引サーバが、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行う金融商品購入方法において、前記取引サーバは、所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信するステップと、前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップとを実行することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記取引サーバが、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行うステップと、記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知するステップと、蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行うステップとを実行することを特徴とする。
さらに、本発明は、前記取引サーバが、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行うステップを実行することを特徴とする。
【0019】
本発明は、コンピュータに、外部の預金管理システムで管理される預金口座から金融商品取引用の取引口座へ振り替えられた資金に基づき、同一の金融商品を複数回、購入する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、所定期間の中で前記金融商品を購入する回数に基づき、前記所定期間に係る購入分に応じた合計額を算出するステップと、算出した合計額を示す合計額情報を外部の預金管理システムへ送信するステップと、前記所定期間の中で前記金融商品の購入時期が到来するごとに、前記合計額情報の送信により取引口座に振り替えられた前記合計額の中の金額を用いて前記金融商品の購入処理を行うステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記コンピュータに、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信するごとに、受信した金額情報で示される金額の記憶を行うステップと、記憶による蓄積金額が基準額以上になったか否かを検知するステップと、蓄積金額が基準額以上になったことを検知した場合、蓄積金額で前記金融商品の購入処理を行うステップとを実行させることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記コンピュータに、金額の受付が可能な金額受付画面を表示する外部の端末装置から、その金額受付画面で受け付けた金額を示す金額情報を受信した場合、受信した金額情報で示される金額で、前記金融商品の購入処理を行うステップを実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては取引サーバが、所定期間の中で複数回の金融商品の購入に必要な合計額を算出して預金管理サーバへ通知(送信)し、それに応じて、預金管理サーバは、通知された合計額を預金口座から取引口座へ振り替えて、その振り替えられた合計額の中の金額を用いて、取引サーバは積立投資に係る各回の金融商品の購入処理を行うので、所定期間におけるユーザの口座間の振替回数は1回で済み、それに伴い、購入ごとに振替を行う場合に比べて、振替に係る手数料が削減されると共に、所定期間において積立投資に用いる金額が明確となり、積立投資の結果に係るパフォーマンス等もユーザは把握しやすくなる。
【0022】
なお、本発明における金融商品とは、一般に積立投資が可能な「有価証券」及び「派生商品(金融デリバティブ)」等を含むものを意味し、「有価証券」の具体例としては、株式、債券、不動産証券、投資信託等があり、「派生商品(金融デリバティブ)」の具体例としては、先物取引、CFD(Contract for Difference)、新株予約権等がある。さらに本発明に係る積立投資が可能な金融商品としては、上述した以外にも広義の意味合いの金融商品の適用が可能であり、例えば、転換社債、信用取引、国内債券、外国債券、MMF、中期国債ファンド、MRF、REIT、ETF、ETN、金、プラチナ、商品先物、投資信託、各種保険、金銭信託、仮想通貨(暗号資産)、トークン(ブロックチェーンで発生させるトークンを含む)等がある。さらにまた、本発明は、証券会社等による相対取引、及び委託取引の両方に適用できる。また、本発明では、金融機関口座(例えば、預金口座)から証券会社口座(例えば、取引口座)への資金移動を振替(振り替え)と称しており、同一名義人の口座間の資金移動を振替となる。
【0023】
また、本発明にあっては、連続する所定期間ごとに、それぞれの所定期間に係る合計額を算出するので、一週間、一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月、半年、又は一年等と云ったカウントしやすい(覚えやすい)単位の期間を所定期間とした場合に、連続する各所定期間の中で複数回の購入に用いる合計額をユーザが把握しやすくなり、それに伴い、所定期間ごとの投資パフォーマンス等もユーザが確認しやすくなる。
【0024】
さらに、本発明にあっては、所定期間を一ヶ月にすると共に、その一ヶ月の中で金融商品を購入する回数を一ヶ月の日数と同じにしたので、連続する各月の日数が、29日(又は28日)、30日、若しくは31日というように月ごとに異なっても、月単位の資金振替に基づく毎日投資を行うことが可能となる。それにより、積立投資の時間分散の程度を、毎日のレベルにまで細分化したときでも、月単位で投資パフォーマンスを確認しやすくなると共に、一年の振替回数も12回に抑えられ、ユーザは、月単位で積立投資に使う額を把握できるようになる。
【0025】
また、本発明にあっては、一日の中でも複数回の購入処理を行うことも可能であり、このようにすることで、積立投資の時間分散の具合を毎日のレベルより更に細分化可能となり、時間分散の程度を、日単位より短くすることを好むユーザにも対応可能となる。なお、一日の中で数回(複数回)の購入処理を行うパターンとしては、午前中に一回および午後の時間帯に一回というように一日に二回の例や、3時間ごと、2時間ごと、1時間ごとと云った時間単位で購入処理を行うパターンや、45分ごと、30分ごと、20分ごと、10分ごと、5分ごと、4分ごと、2分ごと、1分ごとと云った分単位で購入処理を行うパターンや、45秒ごと、30秒ごと、20秒ごと、10秒ごと、5秒ごと、4秒ごと、2秒ごと、1秒ごとと云った秒単位で購入処理を行うパターン等が想定される。分単位や秒単位での購入処理を行うパターンでは、1日の購入回数が多くなるので、時間分散の細分化を進められる点がメリットになる。
【0026】
さらに本発明にあっては、ユーザにより設定操作された金額を取引サーバが受信すると、受信した金額を随時、蓄積して記憶するので、「つもり貯金」のように、ユーザが何らかのことにお金を使ったつもりで、その使う予定であった金額を容易に貯めて蓄えておけるようになり、さらに、蓄積した金額が基準額に達すると、取引サーバは金融商品の購入を行うので、蓄積した金額をスムーズに投資へ回せるようになる。このように基準額に達してから金融商品を行うことで、一定量の金融商品を購入できるようになり、上述した積立投資と併用すれば、積立投資と並行して一定量の金融商品を臨時的に購入できる状況を作り出すことが可能となる。
【0027】
さらにまた、本発明にあっては、ユーザにより設定操作された金額を取引サーバが受信すると、受信した金額で積立投資対象となる金融商品と同じ金融商品を購入するので、金額の設定操作を行うだけで、積立投資を補うような臨時的な購入が可能となる。そのため、いわゆる「つもり貯金」にする1回ごとの金額を、そのまま積立投資と同じ金融商品の購入に用いて、積立投資と連携した臨時購入をスムーズに行える。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、所定期間の単位でユーザの口座間の振替処理を行うので、所定期間の中で複数回の金融商品の購入を行っても、ユーザの口座間の振替回数を所定期間において1回に抑えることができ、振替手数料を削減できると共に、所定期間の単位で積立投資に用いる金額を明確にでき、積立投資の結果に係るパフォーマンス等の確認も所定期間の単位で容易に行える。
【0029】
本発明では、連続する各所定期間の中で複数回の購入に用いる合計額を所定期間単位で把握することを容易にでき、月単位を所定期間とした場合などに対して好適な積立投資環境を提供できる。
また本発明では、所定期間を一ヶ月にして、金融商品の購入回数の一ヶ月の日数と同じにしたので、毎日投資を毎月続けるのに良好な積立投資環境を提供でき、月単位での投資パフォーマンスの確認を容易にできる。
さらに本発明では、1日に複数回の購入処理を行うことにより、積立投資の時間分散の具合を毎日のレベルより更に細分化でき、時間分散の程度を、日単位より短くすることを好むユーザに好適な積立投資環境を提供できる。
【0030】
本発明では、「つもり貯金」のような資金を基準額まで蓄積して、その蓄積した資金をスムーズに投資へ回すことができる。
また、本発明では、「つもり貯金」にする1回ごとの金額を、そのまま積立投資と同じ金融商品の購入に使用でき、このような臨時的な金融商品の購入により、積立投資を補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態に係る金融商品取引システムの全体的な構成を示す概略図である。
【
図2】金融機関サーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図3】金融機関ユーザテーブルの中身の一部の例を示す図表である。
【
図4】(a)は金融機関口座DB装置の内部構成の概要を示すブロック図、(b)は、あるユーザ用の預金口座テーブルの中身の一部の例を示す図表である。
【
図5】(a)は証券会社口座DB装置の内部構成の概要を示すブロック図、(b)は、あるユーザ用の取引口座テーブルの中身の一部の例を示す図表である。
【
図6】証券会社サーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図7】金融商品銘柄DB(データベース)の一部の例を示す図表である。
【
図10】ユーザ取引DBの概要を示す概略図である。
【
図11】あるユーザの取引テーブルの中身の一部の例を示す図表である。
【
図12】積立投資による金融商品の積立状況を示すグラフである。
【
図13】ユーザ端末の一例であるスマートフォン(通信端末装置)の主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図15】(a)は一つの積立投資を行っている場合の積立投資トップページ画面の一例を示す概略図、(b)は積立投資を始めていない場合の積立投資トップページ画面の概略図である。
【
図16】(a)は金融商品選択画面の一例を示す概略図、(b)は金額設定画面の一例を示す概略図である。
【
図17】(a)は口座等設定画面の一例を示す概略図、(b)は間隔設定画面の一例を示す概略図である。
【
図18】(a)は曜日指定画面の一例を示す概略図、(b)は日指定画面の一例を示す概略図、(c)は月日指定画面の一例を示す概略図である。
【
図19】開始日指定画面の一例を示す概略図である。
【
図20】積立投資確認画面の一例を示す概略図である。
【
図21】(a)は臨時投資画面の一例を示す概略図、(b)は臨時購入確認画面の一例を示す概略図である。
【
図22】(a)は臨時購入完了画面の一例を示す概略図、(b)は臨時購入予約画面の一例を示す概略図である。
【
図23】(a)、(b)は金融商品個別画面の各状態の例を示す概略図である。
【
図24】(a)は積立売却画面の一例を示す概略図であり、(b)は項目編集画面の一例を示す概略図である。
【
図25】金融商品購入方法のログインに係る処理手順を含む第1フローチャートである。
【
図26】金融商品購入方法の積立投資の新規申込みに係る処理手順を含む第2フローチャートである。
【
図27】金融商品購入方法の預金口座から取引口座への振替に係る処理手順を含む第3フローチャートである。
【
図28】金融商品購入方法の積立投資を開始する最初の購入に係る処理手順を含む第4フローチャートである。
【
図29】金融商品購入方法の積立投資における二回目以降の購入に係る処理手順を含む第5フローチャートである。
【
図30】金融商品購入方法の臨時購入に係るユーザ端末側の処理手順を含む第6フローチャートである。
【
図31】金融商品購入方法の臨時購入に係る証券会社サーバ側の処理手順を含む第7フローチャートである。
【
図32】変形例の金額設定画面の一例を示す概略図である。
【
図33】変形例の金融商品購入方法の臨時購入に係る証券会社サーバ側の処理手順を含む第8フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例0032】
図1は、本発明の実施形態に係る金融商品取引システム1(本発明の金融商品購入システムに相当)の全体的な概要の構成を示している。金融商品取引システム1は、各種金融商品に関する投資サービスを提供する証券会社が構築する証券会社システム9と、各種投資サービスを享受する各ユーザU1~U3が使用する通信端末装置(ユーザ端末T1~T3)を、ネットワークNWを介して通信可能にしている。また、金融商品取引システム1の証券会社システム9は、各ユーザの預金が入っている金融機関口座(預金口座)の維持管理等を行う金融機関システム2(本発明の預金管理システムに相当)とも通信可能になっている。本発明では、金融商品の積立投資と、その積立投資対象となる金融商品の臨時的な少額投資(例えば、「つもり貯金」を投資に利用できるようにしたもの)に関する処理が行われる。
【0033】
なお、
図1では、図の内容が煩雑になるのを防ぐため、3人のユーザU1~U3(投資家)を示すに留めるが、実際のサービス運営状況では3人より遙かに多くのユーザが存在する。各ユーザ(投資家)は、証券会社が提供する各種投資サービスの提供を受けるにあたり、取引用の口座を証券会社に対して開設する。具体的には、ユーザが、証券会社の提供するサービスを申し込むにあたり、口座開設に必要なユーザ情報が証券会社へ伝えられることで、そのユーザの取引口座(金融商品取引用の証券会社口座)が開設され、また、取引口座の開設に伴い、ユーザを識別するユーザIDが証券会社から発行される。ユーザは、開設された取引口座に、そのユーザ(取引口座のユーザと同一のユーザ)の金融機関口座等からの振替等により予め取引用の資金を入れておき、その取引口座に入っている資金を用いて、金融商品の購入を行い(積立投資も含む)、ユーザが所有している金融商品を売却すれば、売却額がユーザの取引口座へ入金される。
【0034】
また、
図1では、一つの金融機関システム2を示すに留まるが、これも図の内容が煩雑になるのを防ぐためであり、実際には、証券会社システム9に係る証券会社の取引口座(証券会社口座)との間で資金の振替が可能な様々な金融機関のシステムを適用できる。以下の説明では、これらの金融機関のシステムの代表として、
図1に示す金融機関システム2を用いるものとする。なお、本発明に適用される金融機関のシステムには、証券会社の投資サービスの提供を受けるユーザ(投資家)の金融機関口座(預金口座)が開設されているものとし、開設された口座の残高等に係る情報は、金融機関システム2に含まれる金融機関口座DB(データベース)装置4に格納されている。
【0035】
このような金融機関口座の具体例としては、各種銀行(大手銀行、地方銀行、信託銀行、郵便局に応じた銀行等)、信用金庫、信用組合、金融公庫、ネット専業銀行等に開設した口座(金融サービス系の口座、郵便局で扱われる口座も含む)が該当する。また、スマートフォン等に所定のアプリをインストールすることで各種支払等を行える決済サービスを提供する決済サービス会社の口座(決済サービス系の口座)等も本発明に係る金融機関口座として適用できる。さらに、ユーザが所持する各種カード(信用販売制度で使用されるクレジットカードや、デビットカード、及びプリペイドカード等)からも、ユーザの証券会社口座に入金できる場合は、これらの各種カードも本発明に係る金融機関口座として適用できる。なお、以下では、銀行を金融機関にした場合で説明する。
【0036】
さらに、
図1では、上述した証券会社の取引口座(証券会社口座)の維持管理を行う証券会社口座DB(データベース)装置7を示しており、この証券会社口座DB装置7も金融商品取引システム1に含まれることになる。この証券会社口座DB装置7に関する金融商品取引システム1のシステム構成としては、様々なバリエーションが想定できる。具体的には、証券会社口座DB装置7が、
図1に示す金融機関システム2に含まれる場合、
図1に示す金融機関システム2とは異なる他の金融機関システムに含まれる場合、又は、証券会社システム9に含まれる場合、又は、独立したシステムに証券会社口座DB装置7が含まれる場合等が考えられる。このように証券会社口座DB装置7に係るシステム構成は、想定できる様々なパターンが適用可能であるため、
図1では、証券会社口座DB装置7を独立したシステム構成の状態で示している。
【0037】
さらに、証券会社システム9は、金融商品を取り扱う市場に係る取引所システム6とも通信可能になっている。この取引所システム6は、市場にて取引される各種金融商品の随時変化する市場価格を秒単位でプッシュ配信しており、証券会社システム9は、取引所システム6から配信される金融商品の市場価格を随時受信して取得し保存する。なお、本発明において、市場価格とは、金融商品の取引市場で変動する価格を意味し、例えば、金融商品が株式の場合は株価、金融商品が投信信託の場合は基準価額、金融商品がETFの場合は市場価格又は基準価額を意味する。
【0038】
図1では、一つの取引所システム6示すに留まるが、証券会社が取り扱う金融商品の数又は種類に応じて、取引所システムの数が増加することも生じる。証券会社システム9は、取引所システム6から取得した市場価格に基づき、ユーザの指定した金額で買い付ける金融商品の数(購入数)、又はユーザが所持する金融商品の売却額などを決定する。取引所システム6から配信される市場価格は、様々な市場要因に基づき変動しており、最新の市場価格は数秒単位で配信されるので、証券会社システム9は、配信される最新の市場価格に基づき、金融商品の購入数又は売却数を算出し、取引市場の閉場時間帯では、取引所システム6から配信される市場価格の更新も止まるので、取引市場の閉場時間帯では、市場価格の終値などを用いて、購入数又は売却数等を算出することになる。なお、取引所システム6は、金融商品取引システム1に含まれない。
【0039】
また、本実施形態では、証券会社が相対取引に基づき金融商品の取引処理を行う。相対取引を行うため、証券会社は予め、取引対象となる金融商品(例えば、各種銘柄の株式、投信信託、ETFなど)を所定数、買い込んでストックしており、ストックしている金融商品をユーザの購入用に提供する。このような仕組みにすることで、金額指定による金融商品(例えば株式)の購入(買付)を行った場合に、購入数が整数でなく、小数点以下を含むものになっても(例えば、購入株数が2.6枚になった場合など)、証券会社は、ストックする金融商品の数に、小数点以下の値を適宜、割り当てる処理を行うことで、小数点以下の数を含む金融商品の購入を行えるようにしている。さらに相対取引では、金融商品の取引市場が閉場している時間帯であっても、ユーザが金融商品の買付を行える機会を提供することも可能となる。以下、本発明の実施形態を詳説していく。
【0040】
図2は、
図1に示す金融機関システム2に含まれる金融機関サーバ3(本発明の預金管理サーバに相当)を示す。この金融機関サーバ3は、同じく金融機関システム2に含まれる金融機関口座DB装置4が記憶するユーザの金融機関口座(預金口座)の情報の維持管理等を行うと共に、外部のシステムからの要求に応じて、他の口座との連携処理(振替処理)等の制御を行う。なお、
図1では、金融機関システム2の中に1つの金融機関サーバ3を示すに留めるが、分散処理等を行うことで複数のサーバコンピュータ等を組み合わせて金融機関サーバ3を構成してもよく、このような複数装置による構成の場合も、本発明に係る金融機関サーバ3(預金管理サーバ)に相当する。
【0041】
本実施形態における金融機関サーバ3には、一般的なサーバコンピュータ(サーバ装置)を適用しており、全体的な制御及び各種処理を行うMPU3aに、各種モジュール・デバイス等を内部接続線3hで接続している。各種モジュール・デバイス等には、通信モジュール3b、RAM3c、ROM3d、入力インタフェース3e、出力インタフェース3f、記憶部3g等がある。
【0042】
通信モジュール3bは、ネットワークとの接続モジュールに相当する通信デバイス(通信手段)であり、所要の通信規格に応じたものである(例えばIEEEに応じたLANモジュール)。通信モジュール3bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークと接続されており、本実施形態では、証券会社システム9等の他のシステム(データベースシステム等も含む)との通信を可能にしている。
【0043】
RAM3cは、MPU3aの処理に伴う内容、ファイル、データ等を一時的に記憶するものであり、ROM3dは、MPU3aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶する。入力インタフェース3eは、金融機関システム2のシステム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード3i、マウス(図示せず)等が接続されるものであり、システム管理者等から受け付けた操作指示等をMPU3aへ伝える。出力インタフェース3fは、ディスプレイ3j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU3aの処理に伴う内容をディスプレイ3jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
【0044】
記憶部3gは、プログラム及びテーブル等の各種データや情報等を記憶するものであり、本実施形態ではシステムプログラムP1、金融機関処理プログラムP2、及び金融機関ユーザテーブル3k等を記憶する。システムプログラムP1は、サーバ用のオペレーションシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU3aが実行することで、金融機関サーバ3はサーバコンピュータとしての機能を発揮する。
【0045】
金融機関処理プログラムP2は、金融機関システム2を直接又は間接的に管理運営する金融機関に、口座を開設しているユーザの登録情報の維持管理、及び口座への入出金に係る制御処理等をMPU3aに実行させることを規定した内容になっている。例えば、金融機関(銀行等)にユーザが口座を開設する場合に必要な情報(ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の情報)を、金融機関サーバ3が、通信モジュール3bを介して受信すると、そのユーザに応じた口座番号を発行すると共に、発行した口座番号と受信したユーザの情報をセットにして、金融機関ユーザテーブル3kに記憶する処理をMPU3aに実行させることを、金融機関処理プログラムP2は規定する。
【0046】
また、金融機関処理プログラムP2は、ユーザの他の口座(同一名義人の口座)と連携する要求や口座振替等の要求を金融機関サーバ3が、通信モジュール3bを介して受信すると、金融機関ユーザテーブル3kの中に、そのユーザの口座番号と対応付けて連携先や口座振替先等を示す情報を格納する処理をMPU3aに実行させることを規定する。
【0047】
さらに、金融機関処理プログラムP2は、他の口座(例えば、証券会社に開設された取引口座)への振替の要求を通知する振替要求情報(本発明の合計額情報に相当。この情報には、振替先機関を示す番号、振替先の口座番号、及び振替額等が含まれる)を金融機関サーバ3が、通信モジュール3bを介して受信すると、通知された情報に含まれる振替額(金額)を、そのユーザの預金口座(金融機関口座DB4に含まれるユーザの預金口座)から振替先の口座(例えば、そのユーザと同一名義人の口座)へ振り替えて移動させる処理(振替処理)をMPU3aに実行させることを規定する。
【0048】
また、金融機関処理プログラムP2は、ユーザの預金口座への入金の要求を通知する情報を金融機関サーバ3が、通信モジュール3bを介して受信すると、入金に係る金額を、そのユーザの預金口座(金融機関口座DB4に含まれるユーザの預金口座)へ入金移動させる処理をMPU3aに実行させることも規定する。
【0049】
図3は、記憶部3gに記憶される金融機関ユーザテーブル3kの中身の概要を示す。金融機関ユーザテーブル3kは、金融機関(銀行)に口座を開設したユーザに係る情報を格納したものであり、口座番号に対応づけてユーザ情報を格納したものになっている。口座番号は、上述したように、金融機関処理プログラムP2によって、ユーザごとに発行されたものであり、ユーザ情報は、口座開設時にユーザから金融機関へ提供された情報であり、ユーザの氏名(漢字、カタカナ)、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、職業等のユーザを特定する情報がユーザ情報に含まれる。また、上述したように、金融機関サーバ3が、登録されているユーザに関して、連携先の情報(同一ユーザの他の口座や、口座振替の対象となる口座)を受信した場合は、そのユーザの口座番号に対応付けて、提携先の情報(提携先の機関や口座を特定する情報)が金融機関ユーザテーブル3kに格納される。
【0050】
図4(a)は、
図1に示す金融機関システム2に含まれる金融機関口座DB装置4の概要を示す。本実施形態の金融機関口座DB装置4は、汎用的なデータベース装置を適用しており、金融機関に口座(預金口座等)を開設した各ユーザの口座の入出金等に関する情報を日時に関連づけて記憶するものであり、制御部4a、通信部4b、及びDB部4c等を有する。制御部4aは、金融機関口座DB装置4に関する全体的な各種制御処理を行うものであり、通信部4bは、外部との通信を行って金融機関口座に関する情報の送受を行う。
【0051】
DB部4cは、データベース(DB)を記憶するものであり、本実施形態では、金融機関口座DB5を記憶する。この金融機関口座DB5は、金融機関口座(預金口座)を開設したユーザごとに、そのユーザの金融機関口座の入出金情報を格納したテーブルを含む。
図4(a)では、金融機関口座DB5は、ユーザA用の預金口座テーブル5a、ユーザB用の預金口座テーブル5c、ユーザC用の預金口座テーブル5c等を含む場合を示す。これらの各ユーザ用の預金口座テーブル5a等は、ユーザの金融機関口座(預金口座)に該当し、ユーザが金融機関に口座開設を申し込んだことにより、金融機関口座DB5の中に作成される。
【0052】
図4(b)は、金融機関口座DB5に含まれる各ユーザ用の預金口座テーブル5a、5b、5c等の一例として、ユーザA用の預金口座テーブル5aの中身の一部の概要を示す。この預金口座テーブル5aは、上方の概要欄5abの中にユーザAの氏名、口座番号、及び現在の口座入金額を含むと共に、上方の概要欄5abの下方の入出金欄5acの中に、日時と対応づけて、ユーザAの預金口座への入出金の情報(入出金額)を格納しており、このような預金口座テーブル5aへの情報の格納は、通信部4bで受信した情報に基づき、制御部4aの制御処理により行われる。
【0053】
例えば、通信部4bが、ユーザAの口座番号及び入金額(金額)等を示す入金情報を受信すると、制御部4aは、受信した入金情報に含まれるユーザAの口座番号を手がかかりにして、DB部4cに記憶される金融機関口座DB5の中から、ユーザA用の預金口座テーブル5aを特定し、その特定したユーザA用の預金口座テーブル5aに、入金情報の受信日時と共に、入金情報に含まれる金額を入金として格納する制御処理を行う。このような入金に係る制御処理により、その入金に係る金額がユーザA用の預金口座テーブル5aの入出金欄5acの中に日時と対応づけて自動的に追加されると共に、概要欄5abに含まれる現在の口座入金額も更新される。
【0054】
また、通信部4bが、ユーザAの預金口座の番号、出金額(金額)、及び出金先等を示す出金情報(出金情報の例として、本発明の合計額情報がある)を受信した場合、制御部4aは、受信した出金情報に含まれるユーザAの口座番号を手がかかりにして、DB部4cに記憶される金融機関口座DB5の中から、ユーザA用の預金口座テーブル5aを特定し、その特定したユーザA用の預金口座テーブル5aの現在の口座入金額が、受信した出金情報に含まれる金額以上であるかを比較して確認する。現在の口座入金額が、受信した出金情報に含まれる金額以上である場合、出金情報に含まれる金額を、出金する額としてユーザA用の預金口座テーブル5aの入出金欄5acの中に日時と対応付けて格納する制御処理を行うと共に、出金額及び出金先等を示す情報を生成して、出金情報の送信元へ通信部4bから送信する制御処理を行う。なお、このような出金の処理が行われると、ユーザA用の預金口座テーブル5aの現在の口座入金額(概要欄5abに含まれる残高の額)も、出金額が自動的に減額されて更新されることになる。
【0055】
一方、上述した比較により、ユーザA用の預金口座テーブル5aの現在の口座入金額が、受信した出金情報に含まれる金額未満である場合、出金情報に含まれる金額を出金できないので、制御部4aは、ユーザAの預金口座の入金額が不足して出金できないことを示す出金不可情報を生成し、出金情報の送信元へ通信部4bから送信する制御処理を行う。
【0056】
上述した各例は、ユーザA用の預金口座テーブル5aを用いた場合で説明したが、金融機関口座DB5に格納される他のユーザ用の預金口座テーブルについても同様となる。また、対象となる金融機関が複数の支店等を持つ場合は、上述した金融機関口座DB5のようなデータベースが、支店等ごとに設けられることになり、この場合は、支店等を識別する情報が、支店ごとのデータベースに付されて、各データベースに格納される各ユーザの預金口座テーブルを特定し、上述した通信部4bから送受される入金又は出金情報にも支店等を識別する情報が含まれようになる。
【0057】
図5(a)は、
図1に示す金融商品取引システム1で用いられる証券会社口座DB装置7の概要を示し、この証券会社口座DB装置7は、証券会社システム9により金融商品の取引(売買)が行われる場合に用いられるユーザの金融商品取引用の口座(取引口座)に関する情報を格納するための取引口座DB8を記憶する。証券会社口座DB装置7は、上述した
図4(a)に示す金融機関口座DB装置4と同様に、汎用的なデータベース装置を適用しており、制御部7a、通信部7b、及びDB部7c等を有する。制御部7aは、証券会社口座DB装置7に関する各種制御処理を行い、通信部7bは、外部との通信を行って証券会社口座(取引口座)に関する情報の送受を行う。
【0058】
DB部7cは、取引口座DB8を記憶する。この取引口座DB8は、証券会社口座(取引口座)を開設したユーザごとに、そのユーザの取引口座の入出金情報を格納したテーブルを含み、
図5(a)では、ユーザA用の取引口座テーブル8a、ユーザX用の取引口座テーブル8b、ユーザY用の取引口座テーブル8c等を示す。これらの各ユーザ用の取引口座テーブル8a等が、ユーザの証券会社口座(取引口座)に該当し、ユーザが証券会社に口座開設を申し込んだことにより、取引口座DB8の中に作成される。具体的には、ユーザの証券会社口座の開設申込みに伴い、証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、そのユーザ用の口座開設指示を証券会社口座DB装置7へ送り、証券会社口座DB装置7は、その口座開設指示の受信に基づき、制御部7aの制御によって、口座開設を申し込んだユーザ用の取引口座(取引口座テーブル)が取引口座DB8の中に作成される。
【0059】
なお、上述した金融機関と、上述した証券会社の両方に口座開設を申し込んだユーザ(例えば、ユーザA)は、金融機関口座DB装置4の金融機関口座DB5に預金口座(預金口座テーブル)を有すると共に、証券会社口座DB装置7の取引口座DB8に取引口座(取引口座テーブル)を有し、預金口座と取引口座との間で入出金が可能になる(預金口座から取引口座への振替、取引口座から預金口座への振替など)。
【0060】
図5(b)は、取引口座DB8に含まれる各ユーザ用の取引口座テーブル8a、8b、8c等の一例として、ユーザA用の取引口座テーブル8aの中身の一部の概要を示す。この取引口座テーブル8aは、上方の概要欄8abの中にユーザAの氏名、口座番号、及び最新の取引口座残高(積立用の入金額を含む残高)を含むと共に、下方の入出金欄8acの中に、日時と対応づけて、ユーザAの取引口座への入出金の情報(入出金額)を格納しており、このような取引口座テーブル8aへの情報の格納は、通信部7bで受信した情報に基づき、制御部7aの制御処理により行われる。
【0061】
具体的には通信部7bが、ユーザAの取引口座の番号及び入金額(金額)等を示す入金情報(振替情報)を受信すると、制御部7aは、受信した入金情報に含まれるユーザAの取引口座番号を手がかかりにして、DB部7cに記憶される取引口座DB8の中から、ユーザA用の取引口座テーブル8aを特定し、その特定したユーザA用の取引口座テーブル8aに、入金情報の受信日時と共に、入金情報に含まれる金額を入金として格納する制御処理を行う。このような入金に係る制御処理により、その入金に係る金額がユーザA用の取引口座テーブル8aの入出金欄8acの中に日時と対応づけて自動的に追加されると共に、上方の概要欄8abに含まれる現在の口座残高も更新される。
【0062】
また、通信部7bが、ユーザAの取引口座の番号、出金額(金額)、及び出金先等を示す出金情報を受信した場合、制御部7aは、受信した出金情報に含まれるユーザAの取引口座番号を手がかかりにして、DB部7cに記憶される取引口座DB8の中から、ユーザA用の取引口座テーブル8aを特定し、その特定したユーザA用の取引口座テーブル8aの現在の口座残高が、受信した出金情報に含まれる金額以上であるかを比較して確認する。現在の口座残高が、受信した出金情報に含まれる金額以上である場合、出金情報に含まれる金額を、出金する額としてユーザA用の預金口座テーブル8aの入出金欄8acの中に日時と対応付けて格納する制御処理を行うと共に、出金額及び出金先等を示す情報を生成して、出金情報の送信元へ通信部7bから送信する制御処理を行う。
【0063】
上記のような出金の処理が行われると、ユーザA用の取引口座テーブル8aの現在の口座残高額(概要欄8abに含まれる残高の額)も、出金額が自動的に減額されて更新される。なお、上記のような振替に係る出金処理は、実際の運用面において出金の手数料(証券会社の手数料)が発生する。また、上記の出金処理は、ユーザ(例えば、ユーザA)の取引口座(証券会社口座)に入っている資金を、同一ユーザ(例えば、ユーザA)又は他人(他社)の預金口座(金融機関口座)へ出金(振替)する場合の他に、ユーザが金融商品(株式、投資信託、ETF等)を購入する際の購入資金として出金される場合にも行われる(金融商品を購入する場合、出金先は購入費用の支払先となる証券会社の口座になる)。
【0064】
一方、上述した比較により、ユーザA用の取引口座テーブル8aの現在の口座残高(口座入金額)が、受信した出金情報に含まれる金額未満である場合、出金情報に含まれる金額を出金できないので、制御部7aは、ユーザAの取引口座の残高(入金額)が不足して出金できないことを示す出金不可情報を生成し、出金情報の送信元へ通信部7bから送信する制御処理を行う。
【0065】
なお、上述した各内容は、ユーザA用の取引口座テーブル8aの場合で説明したが、取引口座DB8に格納される他のユーザ用の取引口座テーブルについても同様となる。また、各ユーザ用の取引口座テーブル8a、8b、8c等に入出金があると、証券会社口座DB装置7の制御部7aは、入出金情報(入金額又は出金額と、口座残高と、ユーザの取引口座番号等を含む情報)を通信部7bから証券会社サーバ10へ送信して通知する。さらに、証券会社サーバ10から残高照会情報(ユーザの取引口座番号等を含む情報)を通信部7aで受信すると、制御部7aは、照会のあったユーザの取引口座残高を、DB部7cの中の取引口座テーブルから特定し、その特定した残高を示す残高情報を証券会社サーバ10へ返信する。さらにまた、本実施形態では、各ユーザ用の取引口座テーブル8a、8b、8c等に入金されている資金は、本発明に係る積立投資の購入に用いられる他に、積立投資以外の一般的な金融商品の購入にも使用され、口座入金額の中において、積立投資に使用される資金の額は、証券会社システム9に含まれる証券会社サーバ10にて区別して管理される。次に、証券会社システム9証券会社サーバ10について説明していく。
【0066】
図6は、
図1に示す証券会社システム9に含まれる証券会社サーバ10(本発明の取引サーバに相当)の基本的な内部構成を示す。この証券会社サーバ10は、証券会社システム9の基幹部分を構成し、ユーザの金融機関口座(預金口座)から、同一ユーザの証券会社口座(取引口座)へ振り返られた資金に基づき金融商品の購入を行う。本発明に係る証券会社サーバ10は、特に、ユーザの指定した金額で同一の金融商品を複数回、購入して積み立てる処理(積立処理)、及び、「つもり貯金」のように、臨時的な資金を金融商品の購入に充てる処理等を行うことが特徴になっている。
【0067】
なお、
図6では1台の証券会社サーバ10を示すに留めるが、例えば、証券会社サーバ10が行う各種処理について分散処理等を行うことで複数のサーバコンピュータ及びデータベースシステム等を組み合わせて証券会社サーバ10を構成してもよく、このような複数装置による構成の場合においても、本発明に係る証券会社サーバ10(取引サーバ)に相当する。なお、証券会社サーバ10にとって、
図1に示す自己以外のシステム、装置、端末等(例えば、金融機関システム2、金融機関サーバ3、金融機関口座DB装置4、取引所システム6、及びユーザ端末T1~T3等)は、外部のシステム、装置、端末等に該当する。
【0068】
本実施形態における証券会社サーバ10には汎用的なサーバコンピュータ(サーバ装置)を適用しており、全体的な制御及び各種処理を行うMPU10a(サーバ制御部10a)に、各種モジュール・デバイス等を内部接続線10hで接続したものになっている。各種モジュール・デバイス等には、通信モジュール10b、RAM10c、ROM10d、入力インタフェース10e、出力インタフェース10f、大容量記憶システム(例えば、HDDシステム)10g等がある。
【0069】
通信モジュール10bは、ネットワークとの接続モジュールに相当する通信デバイス(通信手段)であり、所要の通信規格に応じたものである(例えばIEEEに応じたLANモジュール)。通信モジュール10bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワーク(証券会社システム9の内部ネットワーク又は外部のネットワーク)と接続されており、ユーザ端末T1~T3等、及び他のシステムや装置等(金融機関システム2、金融機関サーバ3、取引所システム6、証券会社口座DB装置7等)との通信を可能にする。
【0070】
RAM10cは、MPU10aの処理に伴う内容、ファイル、データ等を一時的に記憶するものであり、ROM10dは、MPU10aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶する。入力インタフェース10eは、証券会社システム9のシステム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード10i、マウス(図示せず)等が接続されるものであり、システム管理者等から受け付けた操作指示等をMPU10aへ伝える。出力インタフェース10fは、ディスプレイ10j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU10aの処理に伴う内容をディスプレイ10jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
【0071】
大容量記憶システム10g(記憶媒体手段に相当)は、プログラム及びデータベース(DB)等を記憶するものであり、本実施形態ではシステムプログラムP10、取引プログラムP11、金融商品銘柄DB(データベース)11、市場価格DB(データベース)12、ユーザDB(データベース)13、及びユーザ取引DB14(データベース)等を記憶している。
【0072】
システムプログラムP11は、サーバ用のオペレーションシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU10aが実行することで、証券会社サーバ10はサーバコンピュータとしての各機能を実現する。なお、システムプログラムP11が規定する内容として、日付を管理・検出するカレンダー機能、時間を管理・検出するクロック機能等があり、これらのシステムプログラムP11に基づく機能をMPU10aは各種手段(例えば、時期検出手段、日時検出手段等)として、様々な処理で実行することになる。大容量記憶システム10gに記憶されるプログラムの中で、取引プログラムP11の説明は後述し、先に、金融商品銘柄DB11等について説明する。
【0073】
図7は、大容量記憶システム10gに記憶される金融商品銘柄DB11の中身の概要を示す。金融商品銘柄DB11は、相対取引を行うために証券会社システム9でストックされる各種金融商品の銘柄に関する情報(銘柄ごとのストック数、ユーザ買付数、残分等)を格納したものである。上述したように、証券会社システム9に係る証券会社は、相対取引を行うために予め取引対象となる各金融商品を所定数、買付してストックしており、ストックする金融商品の数等が、金融商品銘柄DB11に格納される。
【0074】
具体的には、各金融商品についての総ストック数(例えば、金融商品が株式のときはストックしている株数)、ユーザ買付数、及び残数に応じた数値が、金融商品銘柄DB11に格納されるようになっている。総ストック数は、ストックされている金融商品ごとの数を示し、ユーザ買付数は、その時点において、総ストック数の中でユーザが買付した分の数を示し、残数は、総ストック数の中でユーザに買付されていない数を示す。なお、金融商品銘柄DB11に格納される数値は、ユーザによる買付処理や、新たなストックのための証券会社による新たな金融商品の買付や、ストック分(ユーザ買付分を含む)の取引市場への売却などにより随時、更新される。
【0075】
図8は、大容量記憶システム10gに記憶される市場価格DB12の中身の一部の概要を示す(
図8は、金融商品の中の株式に関する部分を示す)。市場価格DB12は、取引所システム6からネットワークを通じて取得(受信)された市場価格を、受信日時と対応づけて記憶蓄積したものとなっており、証券会社サーバ10(MPU10a)は、通信モジュール10bで、取引所システム6から配信される各金融商品の市場価格を受信(取得)し、その取得した各市場価格を、金融商品の銘柄ごとに大容量記憶システム10gの中の市場価格DB12に記憶する処理を行う。なお、受信される市場価格は、市場価格DB12の中で、日ごとに分けて記憶されていく。
【0076】
すなわち、市場価格DB12は、左縦列に、各金融商品の銘柄の欄(
図8では、A社株式欄12a、B社株式欄12b、C社株式欄12c等)といった銘柄ごとの欄を有し、最上方の行は、日の欄(例えば、2020年の6月22日の欄12x、6月23日の欄12y、6月24日の欄12z等)等を有した格子状のテーブルになっている。
【0077】
取引所システム6は、秒単位の間隔で(例えば、0.5秒、1秒、1.5秒、2秒、3秒、4秒、5秒等の間隔)、各銘柄の最新の市場価格(例えば、株価)を配信するので、そのような配信に合わせて証券会社サーバ10も、秒単位間隔で配信される各銘柄の市場価格を取得し(一日に多数回(複数回)取得することになる)、取得した市場価格の情報を、市場価格DB12の中で、取得した日の欄における各銘柄に応じた欄に、取得した時刻と共に記憶する処理を行う。
【0078】
このような処理により、例えば、2020年6月22日の欄12xにおけるA社株式の欄12aに対応する箇所には、9:00の株価(始値)から15時(終値)までの各取得時刻の株価が蓄積される。なお、
図8の市場価格DB12は、2020年6月23日13時28分19秒時点の状況を示すものになっており、それゆえ、6月23日の欄12yの最新取得時刻が13時28分19秒になっていると共に、6月24日の欄12z以降が空欄になっているが、この最新の時刻以降も、市場価格DB12の中身は最新の株価や他の種類の金融商品の市場価格(又は基準価額)の取得に伴い随時更新されていく。
【0079】
また、
図8の市場価格DB12は、金融商品として株式の部分を示すに留まり、金融商品がETFの場合も株式の場合と同等に、金融商品の価格に係る情報(ETFの市場価格)が取得されて市場価格DB12に格納される。ただし、金融商品が投資信託等の場合は、取得される時間間隔が株式の場合と異なり、各金融商品に応じた間隔になる以外は、取得された価格に係る情報が随時、市場価格DB12に記憶される(例えば、投資信託では、基準価額(市場価格に相当)が1日1回取得されて市場価格DB12に記憶される)。
【0080】
図9は、大容量記憶システム10gに記憶されるユーザDB13の中身の一部の概要を示している。ユーザDB13は、証券会社システム9を管理運営する証券会社が提供する金融商品取引サービスに登録して取引用の口座を開設したユーザの各種情報を格納したデータベースであり、申込・登録等の完了にあわせて、ユーザを識別するユーザIDが証券会社システム9(証券会社)から各ユーザに付与されており、ユーザDB13では、付与されたユーザIDに対応付けてユーザの各種情報を格納する。
【0081】
具体的にユーザDB13は、ユーザIDごとに、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、UID(ユーザ端末の識別情報)、職業、PW(パスワード)、証券会社で開設したユーザの取引口座の口座番号等を記憶している。なお、本実施形態では、登録されたメールアドレスをログイン時のログインIDとして用いており、また、PWはユーザ登録時にユーザ自身が設定した英数字情報を用いている。
【0082】
また、本発明に係る積立投資に係るサービスを申し込んでいるユーザについては、ユーザDB13の積立投資欄13aに積立投資に係る情報が格納される。積立投資欄13aに格納される情報としては、購入対象となる金融商品の銘柄、積立開始日、1回当たりの積立額(購入額)、購入頻度(購入間隔)、振替元になる金融機関の口座情報等があり、これらの情報が積立投資を申し込んでいるユーザのユーザIDに対応付けて記憶される。
【0083】
例えば、0103というユーザIDのユーザが、積立投資として、A社株式を2020年6月1日から毎日100円購入し、金融機関としてX銀行の11XXX10という口座番号の預金口座を振替元にすることを設定した場合、ユーザIDが0103の行の積立投資欄13aには「A社株式、2020.06.01、100円/回、毎日、X銀行口座11XXX10、・・・」という積立投資に係る情報が格納される。また、積立投資を申し込んでいないユーザの欄は空欄になっている(例えば、ユーザIDが0104の行の積立投資欄13aの列に応じた欄を参照)。
【0084】
なお、積立投資に係る情報は、後述する
図16等に示す画面43等で、ユーザにより指定(設定)されて、ユーザDB13に格納されることになると共に、一旦、指定した後も、変更可能(編集可能)になっている(投資対象の金融商品の銘柄、一回の積立分の購入額(買付金額)、購入頻度(積立間隔)、取引に用いる銀行口座情報等は変更可能)。また、複数の積立投資を申し込んでいるユーザの積立投資欄13aには、複数の積立投資に応じた情報が格納される。
【0085】
さらに、ユーザDB13の取引口座欄13bには、ユーザからの証券会社への口座開設の申し込みに応じて、証券会社が開設した口座の口座番号が、証券会社の発行したユーザIDに対応付けて自動的に格納される。
【0086】
また、ユーザDB13のオプション決済欄13cには、金融商品の購入に用いることが可能な決済サービスに係る情報が格納される。本実施形態では、上述したように、金融機関口座(預金口座)から証券会社口座(取引口座)へ振り替えられた資金を用いて金融商品の購入を行うことを基本とするが、それ以外のオプションの決済サービスによる購入方式にも対応している。預金口座から証券会社口座(取引口座)へ振替を行わずに、金融機関口座(預金口座)に入金されている資金を直接用いて金融商品の購入を行うことや(リアルタイム口座振替サービスを用いた購入)、クレジットカード(信用販売制度に応じた購入に係るカード)、デビットカード(預金口座からの即時決済に応じた購入に係るカード)、プリペイドカード(前払式の決済制度に応じた購入に係るカード)等の各種カードを用いた金融商品の購入にも対応しており、これらのオプションの決済サービスの購入方式を設定したユーザのオプション決済欄13cには、設定されたオプションの決済サービスによる購入方式の情報が格納される。なお、オプションの決済サービスによる購入方式を設定していないユーザのオプション決済欄13cは空欄になっている。
【0087】
さらに、ユーザDB13の取引口座残高欄13dには、各ユーザの取引口座の残高と、積立投資を行っているユーザについては、取引口座残高の中で、積立投資用の資金の残高が格納されるようになっている(上段に取引口座の全残高、下段に積立投資用の残高が区別して格納されている)。例えば、ユーザIDが0103のユーザの場合、取引口座残高欄13dにおいて、取引口座の全残高(取引口座残高)として12,000円が格納されていると共に、積立投資要の残高として2,700円が格納されていることが、
図9で示される。取引口座残高は、証券会社口座DB装置7から送られてくる取引残高を含む情報等により随時更新されており、また、積立投資用の資金残高は、後述する金融機関システム2からの振替処理に伴う入金、及び積立投資に係る金融商品の購入に伴う出金等に応じて、随時更新される。
【0088】
図10は、大容量記憶システム10gに記憶されるユーザ取引DB14の概要を示している。ユーザ取引DB14は、登録ユーザ(ユーザID)ごとの金融商品の取引(売買)に係る情報を格納するユーザ取引テーブル9000、9001、9002等の集合体になっている。ユーザ(投資家)は、金融商品の取引として、金融商品の買付(購入)及び売却を行うので、このような取引を示す情報、及び各取引によってユーザが所持している金融商品の買付額(市場価格を反映した評価額)を示す情報等が格納されている。金融商品の取引の内容としては、一般的な金融商品の売買の他に、本発明の特徴である積立投資及び臨時的な積立投資銘柄の購入に係る内容があり、各ユーザ取引テーブル900等は、上述した一般的な売買取引と、本発明の特徴である積立投資及び臨時的な積立投資銘柄の購入・売却に係る内容を区別できるようにして記憶する。
【0089】
図11は、ユーザ取引DB14に格納されるユーザ取引テーブルの一例として、ユーザIDが0103のユーザ取引テーブル9103の中身の一部の概要を示す(2020年6月1日からA社株式の積立投資を開始した例)。
図11に示すユーザ取引テーブル9103の部分は、本発明に係る積立投資に応じた範囲となる。このユーザ取引テーブル9103の範囲では、上方に位置する上方欄9103aを含むと共に、その上方欄9103aの下方に、左から順に日付欄9103b、積立購入欄9103c、売却欄9103d、及び評価額欄9103eを含んでいる。
【0090】
ユーザ取引テーブル9103は、全体としてユーザIDが0103のユーザの取引内容を全て含んだ構成になっており、
図11に示すのは、全ての取引内容における積立投資に関する部分(範囲)の一部となり、この
図11が示す部分の他に、通常の売買を示す部分(金融商品(例えば、株式の銘柄)を指定して買付又は売却を行った内容を示す部分)も含む。このようなテーブル構成にすることで、積立投資の結果を、他の投資の結果と区別可能となり、積立投資によるパフォーマンス等を判断しやすくなる。また、上述したようなテーブル構成は、他のユーザIDに応じたユーザ取引テーブルでも同様である。
【0091】
ユーザ取引テーブル9103の上方欄9103aには、ユーザID、取引対象となる金融商品の銘柄(
図11ではA社株式)、及び積立投資によって所有する金融商品(A社株式)の総数(総株数)に対する最新の評価額(取引所システム6から証券会社サーバ10が取得した市場価格の中で最新の市場価格に基づいた評価額)が格納される。なお、市場開場時は、取引所システム6から送られる最新の市場価格を証券会社サーバ10が受信するごとに、評価額は随時更新され、市場閉場時は終値に基づいた評価額が格納される。そして、ユーザ取引テーブル9103の格納情報が更新されると、ユーザ取引テーブル9103に係るユーザがログイン中であれば、更新された情報がログイン中のユーザの使用するユーザ端末へ証券会社サーバ10から送信される。
【0092】
ユーザ取引テーブル9103の日付欄9103bには、年と月日に応じた情報が格納される。ユーザ取引テーブル9103の積立購入欄9103cには、購入を行った日付欄9103bの日付に対応する欄に、積立投資の対象となる金融商品の購入に係る情報(購入時刻、購入費用、購入数)が格納される。
図11に示す例は、2020年6月1日からユーザが毎日100円の購入を行う積立投資を開始することを設定した内容に応じた情報が積立購入欄9103cに記憶される状況を示す(なお、購入時刻は、例えば、11時00分に設定されているものとする)。
【0093】
本実施形態では、毎日購入(例えば、毎日100円購入)を設定すると、市場閉場日に応じた分も変則的に市場開場日に購入することになる。そのため、一ヶ月(所定期間)の中で金融商品(例えば、A社株式)を購入する回数は、一ヶ月の日数と同じになる(例えば、2020年6月は30日あるので、一ヶ月の購入回数も30回となり、6月に続く7月は31日あるので、一ヶ月の購入回数も31日となり、7月に続く8月も31日あるので、一ヶ月の購入回数も31日になる。以下同様)。
【0094】
市場閉場日に対する具体的な購入形態として、市場閉場日である土曜日の分は、その土曜日の前日の金曜日の市場開場時間の最終取引時間(例えば、15時前の最終取引時刻)に購入され、市場閉場日である日曜日の分は、その日曜日の次の月曜日の市場開場時間の最初の取引時間(例えば、9時過ぎの最初の取引時刻)に購入される。また、祝日も市場閉場日であるため、連休とならない祝日の場合は、上記の土曜日と同様の場合と同様に、祝日の前日に購入が行われ(購入時間も上記の土曜日と同じ)、祝日等により二連休(市場も閉場、以下同様)となる場合は、二連休の最初の日は上記の土曜日と同様の購入が行われ、二連休の最後の日は上記の日曜日と同様の購入が行われる。祝日等により三連休となる場合は、三連休の最初及び二番目の日は、上記の土曜日と同様の購入が2回行われ、三連休の最後の日は上記の日曜日と同様の購入が行われる。また、祝日等により四連休となる場合は、四連休の最初及び二番目の日は、上記の土曜日と同様の購入が2回行われ、四連休の三番目及び最後の日は上記の日曜日と同様の購入が2回行われる。祝日等により五連休以上となる場合は、上記に準じた購入が行われる(上記の購入形態は一例)。
【0095】
したがって、
図11に示すように、2020年6月1日(月)から4日(木)のそれぞれに対応する積立購入欄9103cには、その日の11時00分にA社株式を100円分購入したことの情報を記憶するが、2020年6月5日の金曜日に対応する積立購入欄9103cには、通常の11時00分の購入と、6月6日の土曜日分として14時59分の購入の計2回分の購入(計200円の購入)が記憶される。また、2020年6月6日及び7日は土曜日及び日曜日にあたるため、これらの日付に対応する積立購入欄9103cは空欄になっている。2020年6月8日(月)に対応する積立購入欄9103cには、上述したように、7日の日曜日分の9時00分10秒の購入と、通常分の11時00分の計2回分の購入(計200円の購入)が記憶される。なお、将来的に、土日や祝日も市場が開場となれば、上述した市場閉場日に応じた変則的な購入を行わずに、土日や祝日等に関係なく、毎日、同じように購入することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態では、積立投資の対象となる金融商品(この例では、A社株式)を臨時的に購入することも可能となっており(「つもり貯金」に準じた投資)、このような臨時的な購入に係る情報も積立購入欄9103cに格納(記憶)されるようになっている。具体的には、2020年6月16日(火)に対応する積立購入欄9103cには、通常分の11時00分の100円による購入に加えて、13時53分の臨時的な1,500円の購入も格納されている。
【0097】
上述した積立購入欄9103cの各欄には、金額(購入に用いた金額)を示す情報に加えて、その金額で購入した金融商品の数を示す情報も格納される。例えば、2020年6月1日に対応する積立購入欄9103cには、積立(買付)に用いた100円という情報に加えて、その100円で買付(購入)した金融商品の数(0.21097というA社株式の株数)も記憶される。このように記憶される金融商品の数は、購入に用いる費用(例えば、100円)を、その取引時(買付時)のリアルタイムの金融商品の単位価値(例えば、取引所システム6から取得した直近の市場価格)で割った数値(除算した数値)になり、本実施形態では、小数点以下第5位までの数値を用いる(小数点第6位を四捨五入)。なお、上記のように求められる金融商品の数の記憶は、他の欄(売却欄9103d及び評価額欄9103e)でも同様である。
【0098】
なお、
図11に示す状態では、購入したA社株式の売却を行っていないので、売却欄9103dの各欄(縦の欄)は空欄になっているが、売却を行った場合は、売却日に対応する欄に、売却時刻、売却額、及び売却数(例えば、売却したA社の株式の数)が記憶される。
【0099】
また、評価額欄9103eには、その日ごとに、積立投資により購入された金融商品の総数(その時点までに購入したA社株式の総数)と、その総数に応じた総価値(積立額)が記憶される。この欄に記憶される総価値(積立額)は、市場が開場している時間帯であれば、リアルタイムの金融商品の単位価値(市場価格)によって変化し、市場が閉場すると、その日の終値に基づいた積立額(評価額)が記憶される。
【0100】
なお、ユーザが積立投資を複数行っているときは、そのユーザに応じたユーザ取引テーブル9000等には、
図11に示すようなテーブル内容が、積立投資ごとに複数、含まれることになる。例えば、あるユーザが、A社の株式、SZ投信、及びb&bETFという3つの金融商品のそれぞれについて、計三つの積立投資を行っている場合、そのユーザのユーザ取引テーブルは、それらの3つの積立投資ごとに、
図11に示すような構成のテーブル内容を含んだものになる。
【0101】
図12は、
図11のユーザ取引テーブル9103に格納されている評価額欄9103eに格納されている日付に対する情報(積立額)の概要状況をグラフ化したものである。
図12に示すように、
図11のユーザ取引テーブル9103に係る積立購入では、2020年6月1日からユーザがA社株式について毎日100円の積立投資(定期的な購入)を行うので、階段状(ステップ状)に積立額(蓄積額)が毎日約100円単位で上昇することが、
図12のグラフで表される。なお、蓄積額は市場価格(A社の株価)を反映したものなので(評価額)、各日の上昇の程度は、その時々の株価の影響により、上下に変動する。これら
図11、12に示す例では、毎日100円の少額で積立投資を行っているので、ユーザが気楽に投資を続けられると共に、細かい時間間隔でドルコスト平均法による投資効果も狙えるようになっている。
【0102】
次に、証券会社サーバ10における大容量記憶システム10gに記憶される取引プログラムP11(本発明に係るサーバ用のコンピュータプログラムに相当)が規定する処理内容について説明する。本実施形態の取引プログラムP11は、光ディスク等の記憶媒体を介して大容量記憶システム10gにインストールされており、ユーザのログイン、売買取引(積立投資に係る購入、臨時的な購入等も含む)、及び取引に係る決済等に関して、MPU10aが各種手段として実行する処理内容を規定したものになっている。
【0103】
まず、ユーザのログインについて、ユーザ端末から送信されてきたユーザのログイン情報(ユーザのメールアドレス、パスワード等)を通信モジュール10bで受信すると、受信したログイン情報について、
図9のユーザDB13の中に一致する情報が格納されているか否かを判断する処理(ログイン処理)をMPU10aが行う。
【0104】
受信したログイン情報(ユーザログイン情報)がユーザDB13に格納されていないと判断した場合、ログイン情報不一致の旨を示すログイン不可通知をログイン情報の送信元のユーザ端末へ通信モジュール10bを用いて送信する制御をMPU10aが行う。
【0105】
一方、受信したログイン情報がユーザDB13に格納されていると判断した場合、そのログイン情報に応じたユーザIDについてログイン完了として、そのユーザIDをログイン中の状態に設定し、ログイン中の状態であることを示すログイン状態情報をRAM10c等に記憶すると共に、ログイン情報を送信してきたユーザ端末へログイン完了の旨と、ログインの完了したユーザのユーザ取引テーブル(
図11参照)に格納されている積立投資に関する情報(積立投資対象の金融商品、購入額、購入数、評価額等)を含むログイン完了通知の送信処理をMPU10aが行う。なお、ログイン状態情報は、一定時間が経過してもユーザ端末から何の情報も受信しない場合、又はユーザ端末からのログオフ情報を受信した場合を除いて、RAM10cにユーザIDと共に記憶されることなり、それによりユーザのログイン状態も維持される。
【0106】
ログイン状態となったユーザについては、以降、証券会社システム9が提供するサービスが利用できるようになり、それに伴い、ユーザが希望する金融商品の売買処理、及び各種設定等を行える。
【0107】
次に、取引プログラムP11が規定する売買取引に係る処理の中で、積立投資(積立購入)等に係る内容について説明する。本発明に係る積立投資を行うには、事前に各種項目の設定等が必要になり、設定項目の例としては、金融商品の種類・銘柄、積立額(一回あたりの購入額)、積立開始日、購入間隔(積立間隔)等がある。また、金融商品の購入の支払いに用いる各種口座(振替元になる金融機関(銀行等)の預金口座等)やカード(クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等)をいずれにするかも設定(指定)の対象になる。
【0108】
これらの設定された内容を表す情報(積立投資に係る設定情報)が、ログイン中のユーザのユーザ端末T1等から送信されて、証券会社システム9の証券会社サーバ10で受信されると、MPU10aは、受信した情報を、上述した
図9に示すユーザDB13の中で、ログイン中のユーザIDと対応づけた積立投資欄13aに格納する処理を行う。このような処理により、ユーザDB13は随時更新される。
【0109】
また、取引プログラムP11は、取引所システム6から送られてくる最新の市場価格を受信することや、各ユーザが金融商品の取引を行うことなどで、各DB(市場価格DB12、ユーザ取引DB14等)を更新する処理をMPU10aが行うことも規定している。また、ユーザ取引DB14を更新した場合で、その更新した内容がログイン中のユーザに関するものであれば、ログイン中のユーザが使用するユーザ端末へ、更新内容を示す情報を送信する制御処理をMPU10aが行うことも規定する。
【0110】
さらに、取引プログラムP11は、積立投資の処理対象を特定選別する処理を規定しており、この規定により、MPU10aは先ず、ユーザDB13の中で、積立投資欄13aに積立投資に係る設定情報を格納しているユーザ(ユーザID)を特定し、それから、システムプログラムP10の規定に基づくカレンダー機能(月日と曜日を判断する機能)及びクロック機能(時刻を判断する機能)等を利用して、その時点において、特定したユーザの積立投資に係る設定情報の中で、積立開始日が過ぎていないユーザの積立投資に係る設定情報と、積立開始日以降になっているユーザの積立投資に係る設定情報を検出して選別する。積立開始日が過ぎていない設定情報は、その選別の時点での積立投資の対象外となり、積立開始日が到来するまで待機対象となる。
【0111】
一方、積立開始日以降になっているユーザの積立投資に係る設定情報をMPU10aは、積立投資の処理対象として特定する。特定した処理対象の中で、その時点において、初めて積立開始日が到来したユーザの積立投資に係る設定情報については、そのユーザのユーザIDに対応付けてユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている設定情報に含まれる金融商品の銘柄及び積立額に基づき、設定(指定)されている金融商品を、設定(指定)されている積立額で買付(購入)する処理を、MPU10aは、そのユーザの取引口座に入金されている積立投資用の資金(その月用に振り返られた合計額)の中の資金を用いて実行する。
【0112】
また、特定した処理対象の中で、積立開始日を経過している設定情報については、各積立投資欄13aに格納される購入間隔(積立間隔)に基づき、二回目以降の金融処理の購入時期が到来した否かをカレンダー機能及びクロック機能に基づきMPU10aは判断する。判断の時点で、二回目以降の積立日に到来していない設定情報については、二回目以降の積立日が到来するまで待機対象となる。そして、二回目以降の積立日に到来した設定情報については、初めて積立開始日が到来した場合と同様に、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている設定情報に含まれる金融商品の銘柄及び積立額に基づき、設定(指定)されている金融商品を、設定(指定)されている積立額で、そのユーザの取引口座に入金されている積立投資用の資金(その月用に振り返られた合計額)の中の資金を用いて買付(購入)する処理をMPU10aは実行する。
【0113】
上記のような購入処理を取引プログラムP11の規定に従ってMPU10aが実行することにより、結局、積立投資に係る複数回の購入処理を行う一ヶ月の中で、金融商品の購入時期が到来するごとに、そのユーザの取引口座に振り替えられた資金(合計額)の中で、一回当たりの購入に用いる金額を用いて、MPU10aは金融商品の購入処理を自動で行うことになり、それ以降も、ユーザが積立投資を中止するまで、月が変わる毎に、同様な処理が自動で継続して行われる。
【0114】
なお、上記の購入処理で、例えば、購入間隔として毎日積立(毎日購入)等を設定しているユーザの場合、土曜日、日曜日、又は祝日については、
図11のユーザ取引テーブル9103に関して説明した購入の仕方をMPU10aは行うことになる。また、MPU10aは、積立投資により購入した金融商品の蓄積額(評価額)の更新処理も随時行っている(
図11のユーザ取引テーブル9103の上方欄9103aや評価額欄9103eに格納される評価額を示す情報に対する処理)。具体的に、市場開場時の時間帯であれば、取引所システム6から取得した最新の市場価格に基づき、上方欄9103aや、評価額欄9103eにおける最新の日付に対応する欄に格納される評価額を更新する処理をMPU10aは行い、市場閉場時の時間帯に入ると、その日の終値に基づいて算出した額に、それまで変動していた評価額を固定する処理をMPU10aは行う。
【0115】
また、MPU10aは、積立投資に関連して、「つもり貯金」に応じた臨時的な金融商品の購入処理も、取引プログラムP11の規定に従って行う。具体的には、ログイン中のユーザ(積立投資を行っているユーザ)のユーザ端末より、積立投資対象の金融商品に対して金額を指定した購入指示を示す購入指示情報(本発明の金額情報に相当)を証券会社サーバ10が受信すると、受信した購入指示情報で示される金融商品を、受信した購入指示情報に含まれる金額で購入する処理をMPU10aは行う。この際、購入指示情報を受信したときが市場開場時であれば、購入指示情報を受信したときの直近で、取引所システム6から受信した市場価格(リアルタイムの市場価格)に基づいて金融商品の数を算出し、この算出した数の金融商品の購入処理をMPU10aは行う。
【0116】
また、証券会社サーバ10で購入指示情報を受信したときが市場閉場時であれば、その購入指示情報による購入指示は購入予約の扱いとなり、MPU10aは、購入指示情報の送信元のユーザ端末へ、臨時購入処理を市場が開場になれば行う旨の通知(購入待ち通知)を送信すると共に、購入指示情報を受信した日から直近となる市場開場日の開場に合わせて、証券会社サーバ10が取引所システム6から取得した市場価格に基づき、MPU10aは購入処理を行うことになる(購入指示情報で示される金融商品を、その購入指示情報で示される金額で購入)。
【0117】
上述した各購入処理(積立処理の購入、及び臨時的な購入の処理)において購入する金融商品の数(例えば、金融商品が株式のときは、購入する株数)は、取引所システム6から取得した金融商品の市場価格の中で、その取引時点において最新の市場価格(直近に取得した市場価格。リアルタイムの市場価格に相当)を用いてMPU10aが算出する。例えば、設定されている1回当たりの買付額が100円であり、リアルタイムの市場価格が400円であれば、0.25口の金融商品を買付することになる(金融商品が株式の場合であれば、0.25株を購入)。また、1回当たりの買付額が100円で、リアルタイムの市場価格が427円であれば、0.23419口の金融商品を買付することになる(金融商品が株式の場合であれば、0.23419株を購入)。
【0118】
本発明では上述したように、証券会社は相対取引で金融商品の取引処理を行うので、整数以外の小数点以下を含む数での取引を可能にしており、本実施形態では、小数点第6位を四捨五入して、小数点第5位までの数を求めるようにしている。そして、MPU10aは、各ユーザについて購入処理を行った額(買付額)、取引数、買付により蓄積された額(累積投資額)、及び蓄積された金融商品の数等をユーザ取引DB14の中の該当するユーザに応じた各ユーザ取引テーブル9000等に記憶する処理を行う。また、MPU10aは、このような積立投資に係る毎回の購入処理を行うごとに、ユーザDB13の取引残高欄13dの積立投資用資金の残高を購入額分だけ減らす更新処理を行う。
【0119】
なお、上記では、購入処理に関してリアルタイムの市場価格を用いることを説明したが、売却処理においても、売却に係る金融商品の数を求める際のリアルタイムの市場価格(売却数を求めるときの直近に取引所システム6から取得した市場価格)を用いる。また、上述した「つもり貯金」に関連した臨時的な金融商品の購入処理が完了すると、MPU10aは、購入指示情報の送信元のユーザ端末へ、臨時購入処理の完了通知を送信する。
【0120】
さらに、取引プログラムP11は積立投資に用いる資金の振替処理も規定しており、本実施形態では、この取引プログラムP11の規定に基づきMPU10aは、積立投資を行うユーザの金融機関口座(預金口座)から証券会社口座(取引口座)への振替処理を月単位で行う(1ヶ月が、本発明の所定期間に該当)。月の初め(その月の1日)から積立投資を行う場合、その月で最初の購入処理を行う前までに、その月の中で購入処理を行う全回数(全日数分)に応じた費用(合計額)を、ユーザの証券会社口座(取引口座)へ入金するための処理がMPU10aにより行われる。
【0121】
一例として、ユーザAが2020年6月1日からA社株式を毎日100円、購入するという積立投資の設定を2020年5月18日に行った場合、MPU10aは、その設定内容をユーザDB13の積立投資欄13aの中を随時、検出することで確認する。本実施形態では、積立投資を行う月の前月の26日(26日が金融機関の休業日にあたるときは、26日より後で直近となる金融機関の営業日)に振替処理を行うようになっている(この例では、積立投資を開始する2020年6月1日の前月となる2020年5月26日に振替処理を行う)。
【0122】
MPU10aは、システムプログラムP10の規定に基づくカレンダー機能に基づき、振替処理を行う日(この例では5月26日)が到来したか否かを検出する。振替処理を行う日が到来したことを検出した場合、MPU10aは、ユーザDB13の積立投資欄13aより購入間隔(積立間隔)を特定し、その特定した購入間隔より、積立投資を行う月(所定期間に相当。上記の例では6月)の中の購入回数を特定し、その特定した購入回数に基づき、6月という一ヶ月(所定期間)に係る全購入分に必要な資金の額(所定期間に係る購入分に応じた合計額)を算出する。
【0123】
上記のユーザAの設定内容の場合、購入間隔が毎日であり、積立投資を開始する6月の日数は30日であることから、MPU10aは、6月における購入回数として30回を特定する。そして、上記のユーザAの設定内容では1回当たりの購入額が100円であることから、MPU10aは、6月分の全30回の購入に必要な合計額として3,000円(30回×100円)を算出する。それからMPU10aは、算出した合計額の3,000円をユーザAの証券会社口座(取引口座)へ振り替える旨を要求する振替要求情報(本発明の合計額情報に相当)を生成し、ユーザDB13において、ユーザAが振替元として設定しているユーザAの金融機関口座(預金口座)に応じた金融機関(例えば、
図1に示す金融機関システム2の金融機関サーバ3)へ送信する。このように送信される振替要求情報の中には、振替額(この例では合計額の3,000円)、振替元の預金口座の番号、振替先の取引口座の番号、その他、通信を行うのに必要な一般的な情報(送信元を示す情報、送信先を示す情報等)が含まれる。
【0124】
上記の振替要求情報を金融機関システム2(金融機関サーバ3)へ送信すると、上述したように、金融機関サーバ3の制御指示により、要求した金額(この例では、3,000円)が、ユーザAの預金口座から同一ユーザであるユーザAの取引口座へ振り替えられる。以降、このような振替処理を月が変わるごとに継続し、積立投資を行うための資金は、一ヶ月単位(本発明の所定期間に相当)での振替になるため、一ヶ月に金融商品を複数回、購入(例えば、毎日購入)するような積立投資を行っても、振替にかかる手数料も月一回の発生に留まるため、何度も購入を行う積立投資に対して振替手数料の抑制に役立てられると共に、積立投資に用いる月単位の資金が明確となるので、積立投資の投資効率も把握しやすくなる。
【0125】
上記の振替処理は、金融機関の営業時間帯であれば、上述した通知情報を送信した日に完了するので、上記の例の場合では、2020年5月26日中に振替処理は完了し、2020年6月1日から積立投資を行うのに十分間に合うことになる。また、上記の例では、振替処理を、積立処理を行う月の前月の26日行うようにしたが、振替処理を行う日は26日に限定されるものではなく、当月最初の積立処理を行うまで、振替処理が完了していれば良い。そのため、例えば、積立処理の購入を行うのが午前11時に設定されている場合であれば、当月最初の積立処理を行う日(例えば、2020年6月1日)の午前9時に振替処理を行っても、午前11時までに2時間あるので、振替処理を完了することができ、当月最初の積立処理用の購入処理に間に合わせられる。
【0126】
本発明においては、積立投資を対象にしており、また、一ヶ月の中で複数回の購入を行うという処理を、その後の継続する月において順次行うと共に(上記の例では、6月以降に継続する7月、8月、9月等にも順次同様の処理を行う)、上述した振替処理も毎月、継続して行うことになる(6月、7月、8月、9月等という連続する月(所定期間)に係る一月(ヒトツキ)単位で、それぞれの月に係る合計額を算出して振替を行う)。
【0127】
また、上述した例では、積立投資の開始を月初めから行うようにしていたが、月の途中から積立投資を開始することも勿論可能である。例えば、あるユーザが、積立投資に必要な設定や準備を2020年5月8日に完了し、積立投資の開始を2020年5月18日に希望した場合(その他の設定内容は上述したユーザAの例と同様)、MPU10aは、積立投資の開始日(2020年5月18日)の5日前(一例)を目処に、上述した振替処理を行う。振替処理では、5月の購入回数(5月18日から31日までの14日分に応じた14回)をMPU10aは特定し、その特定した回数に1回当たりの購入額(100円)を乗じた1,400円の振替を指示する通知情報を金融機関システムへ送信する。なお、この例においても、振替処理を積立投資の開始日の5日前に行うことは一例であり、上述したユーザAの例の場合と同様に、積立処理を開始する時点までに、振替処理が完了していれば良い。
【0128】
このような振替処理により、5月18日の最初の購入処理を行う時点では、あるユーザの取引口座(取引口座テーブル)には、5月分の積立投資に用いる資金(1,300円)が入金されているので、MPU10aは、この入金額を用いて5月18日から、設定された金融商品を毎日100円で購入する処理(購入処理)を行うことになる。以降は、上述した例と同様であり、5月26日が到来すると、MPU10aは6月分の振替処理を行うことになる。また、上述した振替処理に伴って、証券会社口座DB7から振替による入金が有った旨を示す情報(入金額を示す情報)を証券会社サーバ10が受信すると、MPU10aは、ユーザDB13の取引残高欄13dの積立投資用資金の残高を、入金情報が示す金額だけ増やす更新処理を行う。
【0129】
なお、上述した積立投資に係る購入処理では、金融機関口座(預金口座)から証券会社口座(預金口座)へ振り替えた資金(金額)を用いて行ったが、積立投資に係るユーザの設定が、プリペイドカード、デビットカード、又はクレジットカードのようなカード等を用いる内容になっていれば、MPU10aは、このような設定内容に従って、積立投資に係る購入処理において、上述したカード等を適宜用いて、購入に係る決済を行うことになる(ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている設定情報として、上述したカード等が決済手段として設定されていることをMPU10aは検出して、各カード等により決済処理を行う)。
【0130】
また、取引プログラム11は、積立投資に関するオプション的な処理として「つもり貯金」に準じた投資に係る臨時的に積立対象の金融商品を購入(臨時購入処理と称する)に係る振替処理も規定する。臨時購入処理は、ログイン中のユーザが操作するユーザ端末T1等(
図1参照)から証券会社サーバ10へ購入指示情報(本発明の金額情報に相当)が送信されることが開始のトリガーになる。なお、購入指示情報とは、後述するように、臨時的な金融商品の購入に用いる金額を示す情報であり、ログイン中のユーザのユーザ端末から送られて、そのログイン中のユーザを識別できるようになっている(ユーザID等の識別情報、購入対象の金融商品、購入金額等が購入指示情報に含まれる)。
【0131】
証券会社サーバ10(MPU10a)は、通信モジュール10bを通じて、購入指示情報を受信すると、臨時購入処理を割り込み的に優先して処理するか、又は他の処理と並行的に臨時購入処理を開始することになる。そして、MPU10aは、受信した購入指示情報で示される金額を、そのユーザの取引口座(取引口座テーブル)へ振り替える旨を要求する振替要求情報を生成し、ユーザDB13の積立投資欄13aの中に格納されている金融機関システム(例えば、
図1に示す金融機関システム2の金融機関サーバ3)へ送信する。例えば、購入指示情報に1,750円の金額を示す情報が含まれていると、MPU10aは、1,750円を振り返る指示に応じた振替要求情報を生成して送信する。
【0132】
上述した振替要求情報の送信に応じて、その振替要求情報で要求した金額がユーザの預金口座(預金口座テーブル)へ振替が行われたかをMPU10aは検知しており、振替を検出すると、MPU10aは、受信した購入指示情報に含まれる金融商品(積立対象と同一の金融商品、例えば、積立対象がA社株式であれば、臨時購入の銘柄もA社株式になる)を特定し、その特定した金融商品を、振り替えられた資金で購入するという臨時の購入処理を行う。
【0133】
なお、上記の振替が完了したときが市場開場時であれば、振替を検出して購入を開始する時点で、取引所システム6から送信された直近の市場価格(リアルタイムの市場価格)に基づいて、購入する金融商品の数をMPU10aが算出し、その算出した数の金融商品(例えば、A社株式)の購入を行う。一方、振替が完了したときが市場閉場時であれば、MPU10aは、この臨時購入処理を予約購入として受け付けることになり、その時点から直近の市場開場時になったときに、取引所システム6から送信される直近の市場価格(リアルタイムの市場価格)に基づいて、購入する金融商品の数(例えば、A社株式)をMPU10aが算出し、その算出した数の金融商品の購入を行う。
【0134】
ただし、ユーザの証券会社口座(取引口座)に、上述した積立投資用に振り替えた金額の他に、通常投資用の金額の入金がある場合で、その通常投資用の入金額(全残高から積立用の残高を差し引いた額)が、購入指示情報で示される金額以上であるときは、上述した振替要求情報を生成せずに、その通常投資用の入金額を用いて臨時の購入処理が行われる。すなわち、MPU10aは、臨時購入に係る購入指示情報を受信すると、ユーザDB13の取引残高欄13dにおいて、口座残高(全残高)から積立投資用資金残高を差し引いた残高(通常投資用の入金額に相当)が、購入指示情報で通知される金額以上であるかを検知し、通常投資用の入金額が足りないことを検出した場合(通常投資用残高が購入指示情報で通知される金額未満の場合)は、上述した振替要求情報の生成及び送信を行うことで、振り替えた額で臨時の購入処理を行う。
【0135】
一方、取引口座に通常投資用の入金額で足りることを検出した場合(通常投資用残高が購入指示情報で通知される金額以上の場合)、MPU10aは、上述した振替要求情報の生成及び送信を行わずに、取引口座の通常投資用の入金額を用いて臨時の購入処理を行う。なお、取引口座の通常投資用の入金額を用いた臨時の購入処理においても、市場開場時又は市場閉場時の対応の仕方は、上述した場合と同様である。MPU10aが上述したような処理を行うことで、取引口座に臨時購入処理を行うのに十分な入金があれば、振替処理を行わずに済み、振替手数料の削減を図れると共に、スピーディーな購入処理を行うことができる。
【0136】
なお、臨時購入処理においても、積立投資に係るユーザの設定が、プリペイドカード、デビットカード、又はクレジットカードのようなカード等を用いる内容になっていれば、MPU10aは、このような設定内容に従って、臨時購入処理においても、上述したカード等を適宜用いて購入に係る決済を行うことになる。
【0137】
また、証券会社サーバ10(証券会社システム9)は、取引所システム6から、金融商品の市場価格を取得するごとに、各ユーザの買い付けた金融商品についての評価額(総評価額など)を更新するので、この更新を行うごとに、評価額を含む各種情報をログイン中のユーザ端末T1へ送信することも行う。さらに証券会社サーバ10は、取得した最新の市場価格をログイン中のユーザ端末T1へ送信することに加えて、そのユーザの積立投資中の平均市場価格や市場価格の上昇率も、最新の市場価格の取得に合わせて算出し、ログイン中のユーザ端末T1へ送信することも行う。
【0138】
図13は、
図1に示すユーザ端末(T1、T2、T3等)の一例であるスマートフォン30(通信端末装置に相当)の主要な内部構成を示す。スマートフォン30は、プログラムに従って各種処理を行う一種のコンピュータ(通信手段及び記憶手段を具備したコンピュータ)に該当する。スマートフォン30は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU30a(端末制御部30a)に、内部接続線30iを介して、通信・通話モジュール30b(通信手段に相当)、RAM30c、ROM30d、入出力インタフェース30e、操作部30h、記憶部(記憶手段に相当)30g等の各種モジュール・デバイス等を接続したものになっている。なお、ユーザ端末がスマートフォン以外の通信端末装置であっても(通信機能を有するコンピュータ、又はタブレット等)、基本的な構成は、
図13に示す内容と同等になるので、
図13は、本発明に適用可能な種類の通信端末装置の概要を示すものになる。
【0139】
本発明では、スマートフォン30(端末装置、通信端末装置)が、ユーザが積立投資において希望する金融商品の種類や銘柄、1回あたりの積立額(購入額)、積立開始日、購入間隔(積立間隔)、金融商品購入の支払いに用いる口座情報(金融機関名、支店名、口座番号等)又は金融商品購入の支払いに用いるカード情報(クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等のカード番号、有効期限等)の設定をユーザ操作に基づき受け付けるようになっており、また、積立投資が開始されると、スマートフォン30で積立投資の状況を示す画面を表示してユーザが確認できるようにすると共に、一度設定した内容もスマートフォン30を適宜操作することで編集・変更できるようにしている。なお、スマートフォン(通信端末装置)では、上述した積立投資以外に、金融商品を指定して購入する通常の投資処理も行うことも勿論可能である。
【0140】
スマートフォン30の通信・通話モジュール30bは、ネットワークを介した無線通信処理に加えて、CPU30aの制御に従って所定の電話番号へ電話をかける機能(発呼機能)及び電話を受ける機能(着呼機能)等を有する。RAM30cは、CPU30aの処理に伴う内容、ファイル、データ、情報等を一時的に記憶するものである。ROM30dは、CPU30aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶すると共に、スマートフォン30を識別する識別情報(UID)等も格納している。なお、このUIDは、上述した通信・通話モジュール30bで通信(送信)する際、送信内容に含まれるようになっている(例えば、送信パケットのヘッダ等にUIDを含めて送信が行われる)。
【0141】
入出力インタフェース30eは、タッチパネル機能を具備したディスプレイ30fを接続するインタフェースであり、CPU30aの制御処理により生成された各種画面(
図14~24等に示す各画面参照)をディスプレイ30fに出力する処理を行い、それにより、出力した画面内容がディスプレイ30fに表示される。また、入出力インタフェース30eは、ディスプレイ30fの表面をユーザがタッチすることで受け付けた操作内容をCPU30aへ送る処理も行う。なお、ユーザがディスプレイ30fの表面をタッチすることで受け付ける操作内容は、表示している画面内容に応じて適宜、変化する。
【0142】
操作部30hは、スマートフォン30の筐体に設けられたハードウェア的なボタンであり、操作部30hが操作されると、操作された旨がCPU30aに伝えられる。操作部30hの操作による意味合いは、スマートフォン30の処理状況により様々なものになり、例えば、アプリを起動している状況で、操作部30hが操作されると、アプリを終了する動作が行われるので、この場合、操作部30hの操作は、アプリの終了指示をユーザから受け付けることになる。本実施形態の場合、金融商品の積立投資サービス用の積立投資アプリP21(記憶部30gにインストールされているもの)を用いた例となるので、積立投資アプリP21を起動している状態で、操作部30hが操作されると、積立投資アプリP21の終了指示をスマートフォン30が受け付けたことになって、積立投資アプリP21のログオフ指示が証券会社システム9へ送信されることになる。
【0143】
記憶部30gは本実施形態において、OSプログラムP20、積立投資アプリP21、及びその他の各種アプリ(積立投資でない通常の金融商品取引用のアプリ等を含む)のプログラム等を記憶(インストール)する。OSプログラムP20は、オペレーティングシステムに相当する基本プログラムであり、スマートフォン30が一種のコンピュータとして機能するためにCPU30aが実行する各種処理を規定する。OSプログラムP20が規定する基本的な処理の一つとして、スマートフォン30が使用できる状態になったときに、最初にディスプレイ30fにホーム画面を表示することが挙げられ、このホーム画面においては、記憶部30gにインストールされている各種アプリに応じたアイコン等を配置することも、OSプログラムP20の規定する処理によるものとなっている。
【0144】
記憶部30gに記憶される積立投資アプリP21は、証券会社システム9が提供元となる本発明の金融商品購入方法に係るアプリケーションプログラム(本発明に係る通信端末装置用のコンピュータプログラムに相当)であり、積立投資に係る各種処理(積立投資に係る各種画面の表示処理や、積立投資の購入処理、積立投資の決済処理等)をCPU30aに実行させるプログラムを規定する(CPU30aは、積立投資アプリP21の規定に基づき各種手段として機能する)。
【0145】
積立投資アプリP21により表示される画面としては、設定画面や、投資結果の確認画面等があり、設定画面においては、その画面を通じて設定された内容を証券会社システム9へ送信する処理をCPU30aが行うことも積立投資アプリP21は規定する。なお、積立投資アプリP21は、処理を規定したプログラムの内容に加えて、各画面の中で用いられる画面パーツ(背景画面、ボタン等)及びテキスト(各画面で配置されるテンプレートテキスト、金融商品の銘柄を示すテキスト等)に応じた画面用データも含んでいる。
【0146】
積立投資アプリP21は、ダウンロード又は記憶媒体等を通じてスマートフォン30に取得されて、ユーザ操作に基づき記憶部30gにインストールされる。インストールが完了すると、OSプログラムP20に基づくホーム画面の中に、積立投資アプリP21を起動させるための積立投資アイコンが選択可能に配置されることになる。そして、この積立投資アイコンを選択するユーザ操作をスマートフォン30が受け付けると、CPU30aは、積立投資アプリP21を起動し、起動した積立投資アプリP21の規定に基づき、ログイン用の画面を生成してディスプレイ30fに表示する処理を行う。
【0147】
図14は、ディスプレイ30fに表示されるログイン画面35の一例を示し、CPU30aの処理により、ログイン画面用の画面データに基づき生成される。ログイン画面35は、メールアドレス入力欄35a、パスワード入力欄35b、及び選択可能なログインボタン35cを配置している。このように配置された各部に応じたパーツのデータも、ログイン画面用の画面データは含んでいる。ログイン画面35を表示した状態で、上述したOSプログラムP20が規定する処理に応じた機能により、ディスプレイ30fにソフトキーボード31を配置し、このソフトキーボード31に含まれる各キーをユーザが操作することで、各入力欄35a、35bに所定の内容を入力していくことになる。なお、入力するパスワード(パスコード)は、金融商品取引サービスへのユーザ登録時に、ユーザごとに定められたものである(
図9のユーザDB13参照)。
【0148】
そして、各入力欄35a、35bへ所定の内容が入力された状態で、ログインボタン35cの選択操作をスマートフォン30が受け付けると、入力された内容がユーザのログイン情報として、証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ向けて送信されるように、ログイン画面35は作り込まれている。このような作り込みの内容等を規定したデータ(スクリプト系言語等で記載されたデータ)も、ログイン画面用の画面データに含まれる(このような選択ボタン等に関する作り込みの内容は、他の画面データでも同様である)。
【0149】
上記のログイン画面35を介したログイン情報の送信に応じて、証券会社システム9からログイン不可通知をスマートフォン30が受信すれば、再度の入力機会を確保するために、パスワードが一致しなかった旨を示すログイン画面(構成的には
図14と同等のもの)をディスプレイ30fに表示する処理をCPU30aは行う。
【0150】
図15(a)は、ユーザのログイン操作によってログインが完了した場合に、ディスプレイ30fに表示される積立投資トップページ画面40(積立投資の内容に係る情報を示す積立投資画面に相当)を示す。ログインが完了すると、証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、ログイン情報の送信元のユーザ端末T1等へ取引情報等の各種情報を含むログイン完了通知を送信するので、CPU30aは、ログイン完了通知を通信端末装置30が受信したことをトリガーにして、画面データと、受信したログイン完了通知に含まれる取引情報等を用いて積立投資トップページ画面40を生成し、
図14のログイン画面35から、生成した積立投資トップページ画面40へ画面内容を切り替えてディスプレイ30fに表示する処理を行う。
【0151】
なお、ユーザ端末T1等は、証券会社システム9(証券会社サーバ10)から受信した取引情報等をRAM30c等に記憶すると共に、ログイン完了後も、証券会社システム9(証券会社サーバ10)からは、最新の市場価格、蓄積額等を示す各種情報が随時送信されてくるので、これらの情報も、適宜受信してRAM30c等に記憶する。
【0152】
積立投資トップページ画面40は、ユーザが行っている積立投資に関する情報を有し、画面上方から、合計欄41及び取引一覧部42を含むと共に、画面下方には左側より、タップ操作等により選択可能な新規設定ボタン40a、カレンダーボタン40b、及び一覧ボタン40cを含む構成になっている。
【0153】
なお、ディスプレイ30fに、積立投資トップページ画面40のようなアプリ(積立投資アプリP21)に基づく画面が表示されるときは、ディスプレイ30fの最下方に、OSプログラムP20に基づく、戻るボタン39a(左向きの三角形の図柄)、アプリ画面を閉じるボタン39b(円の図柄)、アプリ終了ボタン39c(四角の図柄)が選択可能に配置される。戻るボタン39aが選択されると、ディスプレイ30fの表示が、一つ前に表示していた画面内容に切り替わり、閉じるボタン39bが選択されると、ディスプレイ30fの表示がホーム画面に切り替わり、アプリ終了ボタン39cが選択されると、起動しているアプリ(例えば、積立投資アプリP21)の終了の指示操作が可能な画面がディスプレイ30fに表示される。このようなOSプログラムP20に基づく各ボタン30a~39cは、他の画面でも同様に表示されて、同様の機能を有するが、
図15以外の画面では、各ボタン30a~30cの図示を省略している。
【0154】
積立投資トップページ画面40の合計欄41は、積立投資の状況を示す積立投資情報を含み、具体的には、ログイン中のユーザが行っている積立投資(複数の積立投資も含む)に対して、その時点までに購入した金融商品の最新の市場価格に基づく評価額の合計(総評価額合計)、投資元本(今までの積立投資に用いた総額)、及び含み益(総評価額の合計額から投資元本を引いた額)を示す情報を含む。なお、上述したように積立投資に係る評価額(蓄積額)は、市場価格の変化に伴って、更新された評価額が証券会社サーバ10からログイン中のユーザ端末T1等へ送られてくるので、更新された評価額がユーザ端末T1等で受信されるごとに、合計欄41の各数値も、その受信された最新の数値に随時、更新される。
【0155】
積立投資トップページ画面40の取引一覧部42は、ユーザが積立投資を行っているそれぞれの取引内容を示すものであり、各取引内容の情報を個別に示す個別取引内容欄42a、42b、42c等を有する。
図15(a)は、ユーザが、一つの積立投資(第1積立投資)を行っている例を示し、取引一覧部42が含む一つ目の個別取引内容欄42aのみに、一つ目の積立投資(第1積立投資)の内容を表す情報(1つ目の積立投資対象となる金融商品の名称や、その時点での評価額など)が配置され、他の個別取引内容欄42b、42cは空欄になっている。
【0156】
なお、二つの積立投資を並行して行っているユーザの場合は、二つ目の個別取引内容欄42bに二つ目の積立投資(第2積立投資)の内容を表す情報が配置され、三つの積立投資を並行して行っているユーザの場合は、三つ目の個別取引内容欄42cに三つ目の積立投資(第3積立投資)の内容を表す情報が配置される。そして、四つ以上の積立投資を行っているユーザの場合、取引一覧部42は、
図15(a)における上下方向に沿ったフリック又はスワイプのような画面操作によりスクロールされて現れる四つ以上の個別取引内容欄に、四つ目以降の積立投資(第4積立投資以降)の内容を表す情報が配置される。
【0157】
図15(a)に示すように、一つ目の個別取引内容欄42aに配置される情報としては、積立投資の対象となる金融商品の名称(例えば、A社株式、TY投信、b&bETF等)、複数回の購入により積み立てた金融商品の評価額(蓄積額)、投資元本(積み立てた金融商品の購入に用いた総額。例えば、その金融商品について積立投資で購入した合計から売却により得た総合計を引いた額、売却を行っていない時期では、その金融商品の積立投資の買付に用いた総合計額)、及び含み益(評価額の合計額から投資元本を引いた数値)の各額に加えて、積立投資に係る1回当たりの購入額(1回の積立額)、積立開始日、積立の間隔などがある。積立投資トップページ画面40は、合計欄41及び各個別取引内容欄42a等に上述した情報を配置することで、この積立投資トップページ画面40を見れば、現在の積立投資の全体的な状況(複数の金融商品の積立投資を行っているときの全体的な状況)及び金融商品ごとの状況をスムーズに把握できるようになっている。
【0158】
また、積立投資の内容を表す情報が配置される一つ目の個別取引内容欄42aの中には、選択可能な臨時投資ボタン420が配置されている。この臨時投資ボタン420は、積立投資を行っている金融商品(
図15(a)に示す場合では、個別取引内容欄42aで積立対象になっているA社株式)を、ユーザが「つもり貯金」に応じた臨時的な投資(つもり投資)として購入する場合に選択されるものであり、後述するように、臨時投資ボタン420が選択されると、ディスプレイ30fの表示が、臨時投資画面(
図21(a)参照)に切り替わる。
【0159】
このような臨時投資ボタン420は、そのボタンが配置される個別取引内容欄42aの積立投資対象(金融商品)とヒモ付けられており、積立投資の設定完了に応じて個別取引内容欄42aの中で選択可能状態になる(アクティブになる)。
図15(a)に示す場合では、二つ目以降の積立投資が設定されていないので、二つ目以降の個別取引内容欄42b、42c以降に配置される臨時投資ボタン421、422等は、いずれの積立投資対象(金融商品)とヒモ付けられておらず、選択可能状態になっていない(アクティブになっていない。
図15(a)(b)ではアクティブになっていない状態を破線で示す)。
【0160】
また、上記のように積立投資の内容を表す情報が配置された個別取引内容欄42a~42c等は、ユーザによるタップ操作等により選択可能になっており、情報の配置された個別取引内容欄42a等のいずれか一つが選択されると、その選択された欄に配置された金融商品の取引内容に係る個別内容の画面に、ディスプレイ30fの表示が切り替わる(
図23(a)に示す金融商品個別画面55を参照)。
【0161】
図15(b)は、ユーザが未だ金融商品の積立投資を開始していない状況でディスプレイ30fに表示されるに示す積立投資トップページ画面40′を示す(積立投資をスタートする前の画面内容を示す)。積立投資が開始されていないため、
図15(b)の積立投資トップページ画面40′は、合計欄41′及び取引一覧部42′の各欄42a′~42c′が空欄になっている。なお、この積立投資トップページ画面40′でも、
図15(a)の積立投資トップページ画面40と同様に、画面下方に新規設定ボタン40a′、カレンダーボタン40b′、及び一覧ボタン40c′を含む。
【0162】
新規設定ボタン40a、40a′は、新たに金融商品の積立投資を行う場合に選択されるものであり、カレンダーボタン40b、40b′は、1ヶ月又は1週間のカレンダー形式で積立投資を行う曜日を示す画面を表示する場合に選択されるものであり、一覧ボタン40c、40c′は、
図15(a)(b)に示す一覧部42を含む積立投資トップページ画面40、40′を表示するものである。そのため、上述したように、ログイン完了に伴い積立投資トップページ画面40、40′が表示されるときは、一覧ボタン40c、40c′が選択不可の状態となっており、この状態では、新規設定ボタン40a′、又はカレンダーボタン40b′のいずれかが選択可能となる(
図15(a)(b)では、一覧ボタン40c、40c′が選択不可であることを、ボタン背景に格子の柄を示すことで表している)。
【0163】
図16(a)は、上述した新規設定ボタン40a、40a′が選択された場合に、ディスプレイ30fに表示される金融商品選択画面43を示す。CPU30aは、新規設定ボタン40a、40a′が選択された旨を受け付けると、積立投資に必要な項目の設定が開始されることになり、必要な画面パーツを読み出して、金融商品選択画面43を生成し、ディスプレイ30fに表示出力する処理を行う。金融商品選択画面43は、証券会社が扱う積立投資可能な金融商品の種類・銘柄を選択可能に配置した一覧内容になっており、複数の選択欄43a~43f等を含む。本実施形態では、積立投資可能な金融商品として、株式、投資信託、又はETF等を扱うので、株式に応じたA社株式欄43a、B社株式欄43b、及びC社株式欄43cと、投資信託に応じたTY投資信託欄43d及びSZ投資信託欄43eと、ETFに応じたb&bETF欄43f等を有する。
【0164】
ユーザは、この金融商品選択画面43で示される複数の金融商品の中から、ユーザの希望する積立投資の対象にする金融商品を一つ選択して指定する。具体的には、積立投資を希望する金融商品の名称が示された選択欄43a~43f等のいずれか一つを、タップ操作等により、ユーザが選択操作を行うことになる。
【0165】
図16(b)は、金融商品選択画面43においてA社株式欄43aが選択された場合に、ディスプレイ30fに表示される金額設定画面44を示す。CPU30aは、金融商品選択画面43に含まれる選択欄43a~43f等のいずれかが選択された操作を受け付けると、その選択された選択欄43a~43f等に応じた金融商品向けの各パーツを読み出して、金額設定画面44を生成してディスプレイ30fに表示出力する処理を行う。なお、
図16(b)は、A社株式用の金額設定画面44を示すが、他の金融商品(B社株式やTY投資信託など)が選択された場合も、構成的には、
図16(b)の金額設定画面44と同等な画面が表示されることになる。この金額設定画面44は、テキスト部44a、金額設定部45、次へボタン44d、及び戻るボタン44eを含む構成になっている。
【0166】
金額設定画面44のテキスト部44aは、選択銘柄部44b及び定型部44cを含む。選択銘柄部44bには、
図16(a)の金融商品選択画面43で、選択された金融商品の銘柄を示すテキストが示され(
図16(b)の場合は「A社株式」)、定型部44cは、予め作成されているテンプレートのテキスト文章が積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から読み出されて配置される。金額設定部45は、積立投資の1回当たりの積立額(買付額、購入額)をユーザが指定するものであり、金額設定欄45aに、1~0等の数字キーの入力に対応した数字キーボード45bの選択操作を受け付けることで、金額を入力(設定)できるようになっている。なお、本実施形態では、100円以上の金額を10円単位で入力可能になっているが、このような入力仕様は一例であり、例えば、最も詳細な仕様としては、1円以上の金額を1円単位で入力するようにしてもよく、あるいは、千円以上の金額を100円単位で入力する仕様や、1万円以上の金額を千円単位で入力可能にする例なども考えられる。
【0167】
金額設定画面44の戻るボタン44eは、画面表示を、
図16(a)の金融商品選択画面43に戻すためのボタンであり、積立対象にする金融商品を選び直す場合に選択されるものとなる。次へボタン44dは、上述した金額設定部45が最小設定単位以上(例えば、100円以上)の数値に設定されると、アクティブになって選択可能となる。ユーザのタップ操作によって次へボタン44dが選択されて、その選択の旨がCPU30aへ伝えられると、選択された金融商品の銘柄を示す情報と金額設定部45で設定された買付額(購入額)を示す情報が一旦、RAM30cに記憶され、それにより、ユーザの指定した情報(金融商品の銘柄及び買付額)をCPU30a(スマートフォン30)は受け付けたことになる。また、上記の情報を受け付けると、CPU30aは、積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から所定の画面データを読み出して、取引に用いる口座等の設定画面を生成し、ディスプレイ30fに表示する処理を行う。
【0168】
図17(a)は、ディスプレイ30fに表示された口座等設定画面46を示す。口座等設定画面46は、金融商品の買付(購入)でユーザが用いる口座等を指定(設定)するものである。本実施形態では、証券会社に開設した証券会社口座(取引口座)を用いることを基本にするが、本実施形態の証券会社は、決済手段として、証券会社口座以外の手段も対応していることから、他の決済手段の設定(選択)も可能にしている。具体的には、直接、銀行の口座を指定することや(オンライン口座振替の即時審査サービスを利用)、決済サービスを指定することや、クレジットカード・プリペイドカード・デビットカード等の各種カード会社発行のカードを指定することを、本実施形態では可能にしている。そのため、
図17(a)の口座等設定画面46では、証券会社自身の口座に応じた証券会社口座欄46aに加えて、オンライン口座振替に応じたX銀行欄46b及びY銀行欄46c、決済サービスに応じたZ決済サービス欄46d、並びに各種カードに応じたABCカード欄46e、及びEFGカード欄46f等を選択できるようになっている。
【0169】
この口座等設定画面46で、ユーザは自身が取引で用いる口座等に応じた欄46a~46fのいずれか一つをタップ操作等により選択することになる。いずれか一つの欄がユーザにより選択されて、その選択の旨がCPU30aへ伝えられると、選択された欄に応じた口座等を示す情報が一旦、RAM30cに記憶されると共に、積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から所定の画面データを読み出して、積立投資(定期買付)に係る間隔の設定画面を生成し、ディスプレイ30fに表示する処理を行う。なお、本発明に係る口座振替手数料の抑制対象となるのは、金融商品の購入に証券会社口座欄46aが指定された場合になる。
【0170】
図17(b)は、ディスプレイ30fに表示された間隔設定画面47を示す。間隔設定画面47は、自動で定期的に積立投資を行うときの間隔(定期間隔、購入間隔)をユーザが指定するものであり、本実施形態では毎日、週単位(例えば、毎週)、月単位(例えば、毎月)、又は年単位(例えば、毎年)などの期間で積立間隔を指定できるようにしている。
【0171】
図17(b)の間隔設定画面47は、毎日という積立間隔に応じた毎日指定欄47a、毎週という積立間隔に応じた毎週指定欄47b、毎月という積立間隔に応じた毎月指定欄47c、及び毎年という積立間隔に応じた毎年指定欄47dを選択可能に有する。この間隔設定画面47で、ユーザが希望する間隔に応じた欄47a~47dのいずれか一つをタップ操作等により選択することになる。いずれか一つの欄がユーザにより選択されて、その選択の旨がCPU30aへ伝えられると、選択された欄に応じた期間を示す情報を一旦、RAM30cに記憶されると共に、積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から所定の画面データを読み出して、以下の
図18(a)~(c)に示すように、取引を行う時期の設定画面を生成してディスプレイ30fに表示する処理を行う。なお、生成する取引時期の設定画面の内容は、指定された期間(定期間隔)に応じて異なっている。
【0172】
図18(a)は、
図17(b)の間隔設定画面47で、間隔として「毎週(毎週指定欄47b)」が選択された場合にディスプレイ30fに表示される曜日指定画面48を示す。曜日指定画面48は、金融商品の市場が開場している月曜日から金曜日を選択できるようにするため、月曜選択欄48a、火曜選択欄48b、水曜選択欄48c、木曜選択欄48d、及び金曜曜選択欄48eを選択可能に含むと共に、次へボタン48fを含む。
【0173】
この曜日指定画面48で、ユーザの購入希望の曜日に応じた欄48a~48eのいずれか一つをタップ操作等により選択することになる。いずれか一つの欄がユーザにより選択されると、次へボタン48fが選択可能な状態となり、次へボタン48fが選択されると、選択された欄に応じた曜日を示す情報がCPU30aへ伝えられて、RAM30cに一旦、記憶されると共に、積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から所定の画面データ等を読み出し、取引の開始日の設定画面(
図19参照。以下同様)を生成してディスプレイ30fに表示する処理をCPU30aが行う。
【0174】
図18(b)は、
図17(b)の間隔設定画面47で、間隔として「毎月(毎月指定欄47c)」が選択された場合にディスプレイ30fに表示される日指定画面49を示す。日指定画面49は、1ヶ月の中の1日から末日(28、29、30、31日のいずれか)までの範囲で、ユーザの購入を希望する一つの日を選択できるようになっている日指定部49a、及び、次へボタン49bを含む。この日指定画面49において、ユーザが購入を希望する日が日指定部49aで指定された状態で(「毎月」と「日」の文字に挟まれた数字がユーザにより指定された日になる)、次へボタン49bが選択されると、指定された日を示す情報がCPU30aへ伝えられて、RAM30cに一旦、記憶されると共に、
図18(a)の曜日指定画面48の場合と同様に、取引の開始日の設定画面を生成してディスプレイ30fに表示する処理をCPU30aが行う。
【0175】
図18(c)は、
図17(b)の間隔設定画面47で、間隔として「毎年(毎年指定欄47d)」が選択された場合にディスプレイ30fに表示される月日指定画面50を示す。月日指定画面50は、1年の中でユーザが購入を希望する月日を選択できるようにするため、1月から12月までのいずれか一つの月を選択できるようになっている月指定部50a、1日から末日までのいずれか一つの日を選択できるようになっている日指定部50b、及び、次へボタン50cを含む。この月日指定画面50において、ユーザが取引を希望する月日が月指定部50a及び日指定部50bで指定された状態で(「毎年」と「月」の文字に挟まれた数字がユーザにより指定された月になり、「月」と「日」の文字に挟まれた数字がユーザにより指定された日になる)、次へボタン50cが選択されると、指定された月日を示す情報がCPU30aへ伝えられて、RAM30cに一旦、記憶されると共に、
図18(a)の曜日指定画面48の場合と同様に、取引の開始日の設定画面を生成してディスプレイ30fに表示する処理をCPU30aが行う。
【0176】
図19は、
図18(a)の曜日指定画面48で取引を希望する曜日が指定された場合にディスプレイ30fに表示される開始日指定画面51を示す。この
図18(a)に示す開始日指定画面51は、
図18(a)の曜日指定画面48で月曜日が選択された場合に応じた内容になっており、その時点における直近の月曜日(
図19の例では2020年5月18日(月))から、その先の1年間の範囲における月曜日となる月日が選択対象になっている月日指定部51a、及び、次へボタン51bを含む。
【0177】
この開始日指定画面51において、取引開始を希望する月日が月日指定部51aで指定された状態で(月日指定部51aで、他より大きく表示された状態になっている文字及び数字が指定された月日になる)、次へボタン51bが選択されると、指定された月日を示す情報がCPU30aへ伝えられて、RAM30cに一旦、記憶されると共に、積立投資アプリP21に含まれる画面データの中から所定の画面データ等を読み出し、積立投資に対してユーザが設定(指定)した内容を示す確認画面(
図20参照)を生成してディスプレイ30fに表示する処理を行う。
【0178】
なお、
図19に示す開始日指定画面51は上述したように、
図18(a)の曜日指定画面48で月曜日が指定された場合の内容であるが、月曜日以外の曜日が指定された場合も、その指定された曜日における直近の曜日から1年間の範囲における月日を指定できる内容の月日指定部51aが表示されることになる。また、
図18(b)の日指定画面49で日が指定された場合は、その時点において、日指定画面49の指定に係る日(例えば、10日)に応じた直近の月日(例えば、2020年6月10日)から1年範囲となる日(2021年6月10日)のいずれかを指定できる月日指定部51を含む開始日指定画面51が生成されて表示されることになる。さらに、
図18(c)の月日指定画面50で月日が指定された場合は、その時点において、月日指定画面50の指定に係る月日から1年範囲となる月日のいずれかを指定できる月日指定部51を含む開始日指定画面51が生成されて表示されることになる。
【0179】
さらにまた、
図17(b)の間隔設定画面47で、間隔として「毎日(毎日指定欄47a)」が選択された場合も、上述した
図19の開始日指定画面51が、CPU30aの制御によりディスプレイ30fに表示されるようになっている(毎日指定欄47aが選択された場合は、
図18(a)~(c)に示すような各指定画面48~50が表示されることなく、開始日指定画面51が表示される)。間隔として「毎日」が選択された場合も、その時点の翌日から3ヶ月程度の範囲内の任意の月日が、月日指定部51aで、積立投資の開始日として指定可能になった開始日指定画面51が表示される。上述したように、各指定画面48~50のいずれかの表示を経て開始日指定画面51が表示された場合、又は、間隔設定画面47において「毎日」が選択されることで開始日指定画面51が表示された場合のいずれにおいても、上述したように、取引開始希望の月日が指定された状態で、次へボタン51bが選択されると、指定月日を示す情報がCPU30aへ伝えられて、RAM30cに一旦、記憶されると共に、確認画面(
図20参照)の表示に切り替わる。
【0180】
図20は、
図19の開始日指定画面51で積立投資の開始月日が指定された場合にディスプレイ30fに表示される積立投資確認画面53を示す。積立投資確認画面53は、上述した
図16(a)~19に至る各画面43~51のユーザ設定操作によりユーザが指定した積立投資に係る各事項(積立投資に係る項目の情報等)の内容を示し、上方から順に、積立投資の対象となる金融商品の内容(種類・銘柄等)の情報を示す金融商品欄53a、1回当たりの積立額(買付額、購入額)の情報を示す積立額欄53b、積立投資状況(積立投資の間隔、積立投資を行う日)の情報を示す積立投資日欄53c、積立投資の開始日(積立開始日)の情報を示す開始日欄53d、及び積立投資の支払い手段の情報を示す支払い手段欄53eを含むと共に、その下方に申込みボタン53f及びキャンセルボタン53gを選択可能に含む。これら各欄53a~53eで示される各情報は、一時的に各情報を記憶したRAM30cから読み出されたものである。
【0181】
積立投資確認画面53の各欄53a~53eに示される各情報を確認したユーザが、確認内容で積立投資を行うことを希望する場合は、申込みボタン53fをタップ操作等で選択することになる。申込みボタン53fの選択がCPU30aへ伝えられると、上述した
図16(a)~19に示す各画面43~51で指定された各情報の設定をCPU30aが受け付けたことになり、CPU30aは、RAM30cに一時的に記憶されている各情報(金融商品の名称、一回あたりの購入額、購入間隔、購入開始日、使用する口座などを示す各情報)を、設定情報として、
図1に示す証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ通信・通話モジュール30bから送信する処理を行うと共に、設定を受け付けた各情報の内容を示す積立投資トップページ画面40を生成して、ディスプレイ30fの表示を積立投資確認画面53から積立投資トップページ画面40(
図15(a)参照)に切り替えて表示する処理を行う。
【0182】
よって、例えば、
図15(b)に示す積立投資が未設定の積立投資トップページ画面40′において、新規設定ボタン40a′が選択されて、
図16(a)の金融商品選択画面43が表示されて、以下、上述した各画面43~53でのユーザ指示を経て設定を行うと、
図15(a)に示すような取引一覧部42の中の一つ目の個別取引内容欄42aに、設定された積立投資に係る情報を配置した積立投資トップページ画面40がディスプレイ30fに表示される。また、上述した新規設定ボタン40aの選択から各画面43~53でのユーザ指示による設定を繰り返すことで、複数の積立投資の内容を設定することが可能になる。なお、
図20に示す積立投資確認画面53のキャンセルボタン53gは、確認した設定内容で積立投資を行うことをユーザが最終的に希望しない場合に選択されるものであり、このキャンセルボタン53gが選択されると、RAM30cに一時的に記憶されていた設定情報が削除されて、ディスプレイ30fの表示が積立投資トップページ画面40、40′に戻る。
【0183】
上述した積立投資の内容の設定受付に伴い、CPU30a(スマートフォン30)が、設定された積立投資の内容を示す設定情報を証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信することで、証券会社システム9(証券会社サーバ10)では上述したように、送信された積立投資の内容を示す設定情報が、
図9に示すユーザDB13の積立投資欄13aへログイン中のスマートフォン30のユーザIDに対応付けて記憶される。それにより、証券会社サーバ10は上述したように、積立投資欄13aに記憶される設定情報に従って、積立投資を自動で実行する。なお、証券会社サーバ10は、ユーザ端末から送られてきた設定情報をユーザDB13の積立投資欄13aに記憶すると、設定完了の通知する情報(設定完了通知を、設定情報の送信元のユーザ端末へ送信する処理を行う。
【0184】
また、一人のユーザが複数の積立投資の内容を設定した場合、積立投資に係る設定の受付ごとに、スマートフォン30から設定情報が証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信されて、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されるので、複数の積立投資を設定したユーザのユーザIDに対応する積立投資欄13aには、複数の積立投資の内容を示す設定情報が記憶される。証券会社サーバ10は、これら記憶される複数の積立投資の内容を示す設定情報に従って、そのユーザの複数の積立投資を並行的に自動で進める。
【0185】
一方、
図21(a)は、ディスプレイ30fに表示された臨時投資画面60(本発明の金額受付画面に相当)を示す。この臨時投資画面60は、上述したように
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40において、一つ目の個別取引内容欄42aの中に含まれる臨時投資ボタン420がユーザ操作により選択された場合に表示されるようになっており、臨時投資ボタン420が配置される個別取引内容欄42bの積立投資対象となる金融商品(この場合はA社株式)と同じ金融商品を臨時的に購入するための画面である。なお、仮に、積立投資トップページ画面40の二つ目の個別取引内容欄42bの中に臨時投資ボタンが配置されている場合で、その臨時投資ボタンの選択操作が行われたときは、二つ目の個別取引内容欄42bの積立投資対象となる金融商品用の臨時投資画面が表示されることになる。
【0186】
CPU30aは、
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40で、一つ目の個別取引内容欄42aの中の臨時投資ボタン420の選択操作を受け付けると、一つ目の個別取引内容欄42aの積立投資対象となる金融商品(臨時投資ボタン420とヒモ付けられた金融商品。
図21(a)ではA社株式)用の臨時投資画面データを生成し、ディスプレイ30fの表示を、積立投資トップページ画面40から臨時投資画面60へ切り替える制御を行う。
【0187】
臨時投資画面60は、臨時の金融商品の購入に係る金額(購入額)の設定操作を受け付ける画面であり(本発明の金額受付画面)、上部にテキスト欄60aを有し、その下方に購入金額設定欄60bを有し、さらにその下方に数値の選択操作が可能なソフトキーボード60cを配置し、最下方の左側には戻るボタン60dを配置すると共に、最下方の右側には次へボタン60eを配置した構成になっている。テキスト欄60aは、購入対象となる金融商品の名称(
図21(a)の例では、A社株式)のテキストを含むと共に、購入額の入力をユーザへ指示する旨のテンプレートテキストを含んでおり、これらのテキストは、上述した臨時投資ボタン420の選択に応じてCPU30aが記憶部30gから読み出して配置したものになっている(テキスト欄60a用のテキスト・テンプレートが積立投資アプリP21に含まれている)。
【0188】
購入金額設定欄60bは、ソフトキーボード60cを適宜、選択操作を行うことで、ユーザ所望の購入額を100円以上の単位で入力(設定)の受付が可能になっている。なお、本実施形態では、購入金額設定欄60bへの入力を100円以上の単位にしているが、10円以上の単位又は1円以上の単位の入力仕様にすることも可能である。
【0189】
また、臨時投資画面60において、最下方左側の戻るボタン60dは、
図15(a)の積立投資トップページ画面40にディスプレイ30fの表示を戻すためのボタンである。最下方右側の次へボタン60eは、購入金額設定欄60bで100円以上の金額が入力されると選択可能になるボタンであり、選択可能状態で次へボタン60eの選択操作を受け付けると、購入金額設定欄60bへ入力された金額をスマートフォン30(CPU30a)が受け付けたことになり、CPU30aは、受け付けた金額をRAM30cへ一時的に記憶すると共に、ディスプレイ30fの表示を臨時購入確認画面61(
図21(b)参照)へ切り替える処理を行う。
【0190】
図21(b)の臨時購入確認画面61は、
図21(a)の臨時投資画面60で指定した購入内容をユーザに確認させるための画面であり、確認テキスト部61aと、その下方左側の戻るボタン61e及び下方右側の購入ボタン61fを有する。確認テキスト部61aは、購入対象を示す金融商品名称テキスト61b(
図21(b)では「A社株式」)、購入金額を示す購入額テキスト61c(
図21(b)では「1,700円」)、及びテンプレートテキスト61d(
図21(b)では「・・・を・・・円で購入します。よろしいですか?」というテキスト。最初の「・・・」に金融商品名称テキスト61bが入り、二つ目の「・・・」に購入額テキスト61cが入るように作り込まれている)を含んでいる。
【0191】
確認テキスト部61aの中の金融商品名称テキスト61bは、CPU30aの制御により、
図21(a)の臨時投資画面60の中のテキスト欄60aにおける金融商品名称が引き継がれて使用されたものであり、確認テキスト部61aの中の購入額テキスト61cは、臨時投資画面60でユーザにより入力された額に相当し、RAM30cから読み出されたものであり、テンプレートテキスト61dは、積立投資アプリP21に含まれる画面用データから読み出されたものである。
【0192】
確認テキスト部61aの下方左側の戻るボタン61eは、
図21(a)の臨時投資画面60にディスプレイ30fの表示を戻すためのボタンであり、確認テキスト部61で示される内容をユーザが確認することで、購入額の修正や、臨時投資自体の中止等を行う場合に選択されるものである。確認テキスト部61aの下方右側の購入ボタン61fは、確認テキスト部61で示される内容をユーザが確認することで、臨時購入を決定した場合に選択されるものであり、CPU30aは、購入ボタン61fの選択操作を受け付けると、確認テキスト部61aで示される金融商品を、確認テキスト部61aで示される購入額(臨時投資画面60で受け付けた金額に相当)で購入する指示に応じた購入指示情報(本発明の金額情報)を生成して、証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する処理を行う。
【0193】
図22(a)は、
図21(b)の臨時購入確認画面61での購入ボタン61fの選択操作に従って、ディスプレイ30fに表示された臨時購入完了画面62を示す。スマートフォン30(通信端末装置、ユーザ端末T1等)が、証券会社システム9(証券会社サーバ10)から送られてくる臨時購入処理の購入完了通知を受信すると、CPU30aは、臨時購入完了画面データを生成し、ディスプレイ30fの表示を臨時購入確認画面61から臨時購入完了画面62へ切り替える制御を行う。
【0194】
臨時購入完了画面62は、臨時投資(臨時購入)が完了したことをユーザへ通知するための画面であり、購入完了テキスト部62a及びOKボタン62dを有する。購入完了テキスト部62aは、購入対象を示す金融商品情報テキスト62b(
図22(a)では「A社株式」という金融商品名称と「1,700円」という臨時購入額が相当)、及びテンプレートテキスト62c(
図22(a)では(「・・・の臨時購入が完了しました。」というテキスト。「・・・」の部分に金融商品情報テキスト62bが入るように作り込まれている)を含んでいる。金融商品情報テキスト62bは、CPU30aの制御により、
図21(b)の臨時購入確認画面61の中の確認テキスト部61aにおける金融商品名称及び購入額テキスト61cにおける購入額が引き継がれて使用されたものであり、テンプレートテキスト62cは、積立投資アプリP21に含まれる画面用データから読み出されたものである。
【0195】
また、下方のOKボタン62dは、ユーザが臨時購入の完了を確認した場合に選択されるボタンであり、OKボタン62dの選択操作を受け付けると、CPU30aはディスプレイ30fの表示を、臨時購入完了画面62から
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40へ切り替える処理を行う。なお、このように切替表示される積立投資トップページ画面40は、臨時購入の内容を反映したものに更新された状態になっている(完了通知に含まれる取引情報により、評価額や投資元本等が更新される)。
【0196】
また、
図22(b)は、ディスプレイ30fに表示された臨時購入予約画面63を示し、
図21(b)の臨時購入確認画面61で購入ボタン61fが選択操作されたときが、市場閉場時のため、直ちに購入できなかった場合に表示される画面となる。この場合、購入ボタン61fの選択操作に伴い、証券会社システム9(証券会社サーバ10)から購入待ち通知が送られてくるので、スマートフォン30(通信端末装置、ユーザ端末T1等)が、購入待ち通知を受信すると、CPU30aは、臨時購入予約画面データを生成し、ディスプレイ30fの表示を臨時購入確認画面61から臨時購入予約画面63へ切り替える制御を行う。
【0197】
臨時購入予約画面63がディスプレイ30fに表示されたときは、ユーザによる購入指示(臨時購入の指示)を受けても直ちに購入処理を行えないので、次に、市場が開場したときに購入を行うという購入予約を行った状態となる。
【0198】
臨時購入予約画面63は、購入予約テキスト部63a及びOKボタン63dを有する。購入予約テキスト部63aは、購入対象を示す金融商品名称及び購入額を含む金融商品情報テキスト63b(
図22(b)では「A社株式」「1,700円」が相当)、及びテンプレートテキスト63c(
図22(b)では(「・・・を市場が開場しましたら購入します。」というテキスト。「・・・」の部分に金融商品情報テキスト63bが入るように作り込まれている)を含んでいる。金融商品情報テキスト63bは、CPU30aの制御により、
図21(b)の臨時購入確認画面61の中の確認テキスト部61aにおける金融商品名称及び購入額テキスト61cにおける購入額が引き継がれて使用されたものであり、テンプレートテキスト63cは、積立投資アプリP21に含まれる画面用データから読み出されたものである。
【0199】
下方のOKボタン63dは、ユーザが購入予約になることを確認した場合に選択されるボタンであり、OKボタン63dの選択操作を受け付けると、CPU30aはディスプレイ30fの表示を、臨時購入予約画面63から
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40へ切り替える処理を行う。なお、上記の臨時購入予約画面63に係る購入予約に従った購入処理が、市場の開場に伴って証券会社サーバ10で行われると、証券会社サーバ10から購入処理の完了通知がプッシュ配信で送られてくるので、この完了通知をスマートフォン30(通信端末装置、ユーザ端末T1等)が受信すると、CPU30aはプッシュ配信に応じた表示処理を行う(ディスプレイ30fの画面上部に臨時購入処理の旨を表示)。
【0200】
図23(a)は、
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40において、積立投資に係る情報が配置された一つ目の個別取引内容欄42aが選択されたることで、CPU30aの制御処理により、ディスプレイ30fに表示される金融商品個別画面55を示す。金融商品個別画面55は、画面の約上半分を示す金融商品情報欄55aの下方に、選択可能な積立休止ボタン55b、売却ボタン55c、編集ボタン55d、取引終了ボタン55e、グラフボタン55f、及び売買履歴ボタン55gを有する構成になっている。金融商品情報欄55aは、
図15(a)の積立投資トップページ画面40の取引一覧部42の中で、選択された個別取引内容欄42aに配置された情報と同等の情報を含んでいる。
【0201】
金融商品情報欄55aの下方の積立休止ボタン55bは、積立投資に係る定期購入(定期買付)を一時的に止めることをユーザが希望する場合に選択されるボタンである。この積立休止ボタン55bの選択操作が行われて、ボタン選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、積立投資に係る定期購入を一時的に止めることをユーザに確認する旨の積立休止確認画面(図示せず)をディスプレイ30fに表示する。
【0202】
この積立休止確認画面の所要操作により、ユーザの積立休止の意向を確認できると、CPU30aは、積立投資に係る購入処理の休止を受け付けたことになり、積立投資の購入処理の休止指示(積立休止指示。ログイン中のユーザによる積立投資中の金融商品の購入休止を指示するもの)を証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する。なお、証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、積立休止指示を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに、積立休止の情報を記憶し、直近の積立日から積立投資に係る購入を休止し、この情報が記憶されている間、金融商品(この場合は、A社株式)の積立投資を休止する(積立投資用の購入を行わない)。
【0203】
また、
図23(b)の金融商品個別画面55′は、
図23(a)の金融商品個別画面55で積立休止ボタン55bの選択が行われた場合に、それ以降、
図23(a)の金融商品個別画面55の替わりにディスプレイ30fに表示される画面内容を示す。この金融商品個別画面55′は、
図23(a)の金融商品個別画面55において積立休止ボタン55bになっていた箇所が、積立再開ボタン55b′に置き換わっている以外は、
図23(a)の金融商品個別画面55と同様の構成になっている。
【0204】
図23(b)の金融商品個別画面55′において、積立再開ボタン55b′の選択操作が行われて、ボタン選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、休止中の定期買付の再開をユーザに確認する旨の積立再開確認画面(図示せず)をディスプレイ30fに表示する。この積立再開確認画面の所要操作により、ユーザの積立再開の意向を確認できると、CPU30aは、積立再開の指示(休止中の金融商品の積立購入の再開を指示するもの)を証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する。なお、証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、積立再開の指示を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶される積立休止の情報を削除して、積立購入を行うという記憶状態に戻す。それにより、証券会社システム9(証券会社サーバ10)では、その時点における直近の積立日から積立投資に係る購入処理を再開する。
【0205】
上述したような積立休止ボタン55bにより、積立投資(定期買付)を行うには、あまりにも積立投資の対象となる金融商品(例えば、A社株式)の市場価格(例えば、A社株式の株価)が急騰しているときなどにはユーザの判断で積立購入を休止できるので、投資効率が低下するような状況を回避できる。また、一旦、休止した積立購入は、上述した積立再開ボタン55b′の選択操作により、いつでも再開できるので、例えば、積立投資の対象となる金融商品の市場価格が高値状態から回復したとユーザが判断すれば、休止中の積立投資を再開して継続できる。
【0206】
また、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中の売却ボタン55cは、積立投資による購入で積み立てた金融商品を売却することをユーザが希望する場合に選択されるボタンである。この売却ボタン55cの選択操作が行われて、ボタン選択の旨をCPU30aが受け付けると、積み立てた金融商品の売却を行うための積立売却画面(
図24(a)参照)がディスプレイ30fに表示される。
【0207】
図24(a)に示す積立売却画面56は、
図23(a)の金融商品個別画面55の売却ボタン55cの選択操作によりディスプレイ30fに表示されたものであり、ユーザの積み立てたA社株式の最新総評価額を示す第1欄56a、A社株式の買付に用いた額(投資元本)を示す第2欄56b、買い付けたA社株式による生じた利益又は損失の含み損益の額(証券会社サーバ10側で算出された値)を示す第3欄56c、A社株式を1株買付するのに必要な額(市場価格又は市場価格に証券会社の手数料等を加えた額、以下同様)を示す第4欄56d、そのユーザが今までの積立投資でA社株式を買い付けたときの平均買付価格(証券会社サーバ10側で算出された値)を示す第5欄56e、そのユーザが今までの積立投資でA社株式を買い付けた間に上昇したA社株式の上昇率(証券会社サーバ10側で算出された値)を示す第6欄56fを有する。そして、積立売却画面56は、第6欄56fの下方左側に戻るボタン56gを配置すると共に、第6欄56fの下方右側に売るボタン56hを配置する。
【0208】
定期商品売却画面56の各欄56a~56fに示される各情報を確認して、ユーザは、積立投資により積み立てた金融商品(
図24(a)の場合はA社株式)を売却するか否かを最終的に判断することになる。売却しないというユーザの判断の結果、戻るボタン56gの選択操作が行われた場合、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を、積立売却画面56から
図23(a)の金融商品個別画面55に戻す制御を行う。
【0209】
一方、売却するというユーザの判断の結果、売るボタン56gの選択操作が行われた場合、CPU30aは、売却確認画面(図示せず)をディスプレイ30fに表示し、ユーザの最終的な売却の意向を確認できると、そのユーザが所有する金融商品(この場合はA社株式)の売却指示を証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する。なお、証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、このような売却指示を受信すると、そのユーザのユーザIDに係る金融商品を最新評価額で売却する処理を行い、売却額をユーザ指定の口座(例えば、取引口座)へ入金する処理を行う。なお、このような売却の後も、積立投資に係る購入は継続される(売却により、積立ゼロの状態から積立投資を行うことになる)。
【0210】
さらに、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中の編集ボタン55dは、
図16~20に示す各画面40~53でユーザにより指定(設定)された積立投資に係る各項目(取引条件等の各設定項目)の変更をユーザが希望する場合に選択されるボタンである。この編集ボタン55dの選択操作が行われて、ボタン選択の旨がCPU30aに伝えられると、
図24(b)に示す項目編集画面57をディスプレイ30fに表示する処理をCPU30aは行う。
【0211】
図24(b)の項目編集画面57は、上から順に、金融商品編集欄57a、積立額編集欄57b、口座等編集欄57c、間隔編集欄57dを選択可能に有し、間隔編集欄57dの下方左側に戻るボタン57eを配置すると共に、間隔編集欄57dの下方右側には変更申込ボタン57fを配置すると
【0212】
金融商品編集欄57aは、その時点で積立投資の対象になっている金融商品から、その金融商品とは異なる別の金融商品へ取引対象を変更することをユーザが希望する場合に選択されるものである。金融商品編集欄57aには、その時点において設定されている金融商品の名称が示されており、ユーザによる金融商品編集欄57aの選択操作が行われて、その選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、
図16(a)に示す金融商品選択画面43と同等の画面構成の金融商品編集画面(証券会社が扱う複数の金融商品の中から一つを選択可能になっている画面)をディスプレイ30fに表示する処理を行う。この金融商品編集画面で、ユーザが変更を所望する金融商品(現在の金融商品とは別の金融商品)を選択すると、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を
図24(b)に示す項目編集画面57に戻し、その表示が戻った項目編集画面57における金融商品編集欄57aに、変更後の金融商品の名称を示すようにしている。
【0213】
また、項目編集画面57における積立額編集欄57bは、その時点において設定されている積立の一回当たりの積立額(購入額)が示されており、ユーザによる積立額編集欄57bの選択操作が行われて、その選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、
図16(b)に示す金額設定画面44と同等の画面構成の積立額編集画面をディスプレイ30fに表示する処理を行う。この積立額編集画面で、ユーザが変更を所望する金額を新たに設定すると(金額指定後、次へボタンを選択)、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を
図24(b)に示す項目編集画面57に戻し、その表示が戻った項目編集画面57における積立額編集欄57bに、変更後の金額の値を示すようにしている。
【0214】
さらに、項目編集画面57における口座等編集欄57cは、その時点において、取引に用いることが設定されている口座又はカードの名称が示されており、ユーザによる口座等編集欄57cの選択操作が行われて、その選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、
図17(a)に示す口座等設定画面46と同等の画面構成の口座等編集画面をディスプレイ30fに表示する処理を行う。この口座等編集画面で、ユーザが変更を所望する口座(証券会社、金融機関、又は決済サービス会社の口座)若しくはカードを新たに設定すると、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を
図24(b)に示す項目編集画面57に戻し、その戻った項目編集画面57における口座等編集欄57cに、変更後の口座等の名称を示すようにしている。
【0215】
さらにまた、項目編集画面57における間隔編集欄57dは、その時点において設定されている積立投資の間隔が示されており、ユーザによる間隔編集欄57dの選択操作が行われて、その選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、
図17(b)に示す間隔設定画面47と同等の画面構成の間隔編集画面をディスプレイ30fに表示する処理を行う。この間隔編集画面等(
図18(a)-(c)等参照)を経て、ユーザが変更を所望する積立投資に係る間隔を新たに指定すると、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を
図24(b)に示す項目編集画面57に戻し、その戻った項目編集画面57における間隔編集欄57dに、変更後の間隔を表す情報を示すようにしている。
【0216】
間隔編集欄57dの下方左側に配置された戻るボタン57eは、項目の編集をキャンセルするためのボタンであり、選択されると、CPU30aは、ディスプレイ30fの表示を、項目編集画面57から
図23(a)の金融商品個別画面55へ戻す制御を行う。
【0217】
また、間隔編集欄57dの下方左側に配置された変更申込ボタン57fは、項目の編集した内容を反映するためのボタンである。上述した各欄57a~57dのいずれかの選択操作と、新たな内容への変更設定を行ってから、変更申込ボタン57fの選択操作をユーザが行い、そのボタン選択の旨をCPU30aが受け付けると、CPU30aは、変更された各項目の情報を受け付けたことになり、項目編集画面57の各欄57a~57dに示される情報を、変更された項目の情報も含めて証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する(変更設定情報として送信)。
【0218】
証券会社システム9(証券会社サーバ10)は、各項目の変更設定情報(変更された項目の情報も含む。以下同様)を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに、その変更設定情報を上書き保存する。上書き保存されると、その後、証券会社システム9(証券会社サーバ10)では、その上書き保存された情報(変更設定情報)に基づいて積立投資に係る購入処理を行う。例えば、現在の金融商品(例えば、A社株式)から別の金融商品(例えば、B社株式)へ変更する旨の情報(変更金融商品情報)を、証券会社サーバ10が受信した場合、その情報が示す別の金融商品に、積立投資の購入対象を変更し、変更した後は、その別の金融商品に対して積立投資の購入処理を行う。
【0219】
このように一旦、各項目について積立投資に係る設定を行っても、その後、金融商品や、取引条件の各項目(積立額、口座等、間隔)については、上述した操作を行うことで、いつでも変更できるので、金融商品の市場状勢情勢の変化、ユーザの投資計画の変更等に合わせて柔軟に各項目の設定内容を変更できる。
【0220】
また、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中の取引終了ボタン55eは、積立投資の終了をユーザが希望する場合に選択されるボタンである。この取引終了ボタン55eの選択操作が行われて、ボタン選択の旨をCPU30aが受け付けると、積立投資が終了となる。
【0221】
すなわち、取引終了ボタン55eの選択操作が行われると、現在進行中の積立処理の終了を通知する積立終了情報が証券会社サーバ10へ送信されて、証券会社サーバ10での自動積立処理が終了する。なお、積立処理が終了した後は、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中の売却ボタン55cの操作により、ユーザの希望する時期に(例えば、株価の上昇した時期)、積み立てた金融商品を売却できる。なお、積み立てた金融商品の売却が全て完了すると、証券会社サーバ10が、ユーザDB13の積立投資欄13aから、積立終了情報に応じた積立投資に係る情報を削除し、積立投資に関する全ての処理が終了となる。なお、このような積立投資に関する全ての処理が終了すると、その終了となった積立対象の情報は、
図15(a)の積立投資トップページ画面40からも削除される。
【0222】
さらに、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中のグラフボタン55fの選択操作が行われると、ディスプレイ30fの表示が、金融商品個別画面55に係る金融商品の今までの積立投資情報を示すグラフを示すグラフ画面に切り替わる。このグラフ画面で示されるグラフは、
図12に示すように横軸に期間(例えば、月日)、縦軸に購入した金融商品の評価額(蓄積評価額)を示す棒グラフになっており、証券会社サーバ10から取得した今までの売買履歴を示す情報により、CPU30aがグラフを生成することになる。積立投資の期間が長くて、ディスプレイ30fの画面内に今までの状況を一度で表示できないときは、横方向のスワイプ等の操作により、横軸方向へ表示内容をスクロールして所望の期間のグラフをディスプレイ30fに表示できるようになっている。
【0223】
さらにまた、
図23(a)に示す金融商品個別画面55の中の売買履歴ボタン55gの選択操作が行われると、金融商品個別画面55に係る金融商品の今までの積立投資に関する売買履歴(積立処理、又はその積み立てた金融商品の売却処理に係る内容に応じた情報)を示す画面がCPU30aにより生成されて、その画面にディスプレイ30fの表示が切り替わる。この売買履歴を示す画面は、
図11に示すユーザ取引テーブル9103のように、縦方向で取引時期に応じた購入額、売却額、蓄積額(蓄積評価額)を示す内容になっている。この画面においても、積立投資の期間が長くて、ディスプレイ30fの画面内に今までの状況を一度で表示できないときは、縦方向のスワイプ等の操作により、縦方向へ表示内容をスクロールして所望の期間の売買履歴等をディスプレイ30fに表示できるようになっている。
【0224】
次に、上述した証券会社システム9(証券会社サーバ10)及びユーザ端末T1等(例えば、スマートフォン30)がそれぞれ実行する内容による積立投資の処理の流れ(積立投資に係る金融商品購入方法の内容)を、
図25~31の第1フローチャートから第7フローチャートに基づき説明していく。
【0225】
図25の第1フローチャートは、ユーザがユーザ端末T1を用いて、金融商品の積立投資に係るサービスを提供する証券会社システム9(証券会社サーバ10)へログインを行う場合の処理手順を示したものであり、ユーザ端末T1等ではホーム画面を表示してから
図15(a)(b)に示す積立投資トップページ画面40、40′を表示するに至るまでの処理を示す。まず、ユーザ端末(CPU10aと同意。以下同様)は、ホーム画面に配置される複数のアイコンの中から、積立投資に係るアイコン(積立投資アイコン)の選択操作を受け付けたか否か判断する(S1)。選択操作を受け付けていない場合(S1:NO)、積立投資アイコンの選択待ちの状態となり、一方、選択操作を受け付けた場合(S1:YES)、ユーザ端末T1等は積立投資アプリを起動し、
図14に示すログイン画面35を表示する(S2)。
【0226】
このログイン画面35において、メールアドレスの入力操作、パスワードの入力操作、及びログインボタン35cの選択操作というログイン操作の有無を、ユーザ端末は判断する(S3)。ログイン操作が無い場合(S3:NO)、ログイン操作待ちの状態となり、また、ログイン操作が有った場合(S3:YES)、ログイン情報(入力されたメールアドレス及びパスワード、並びにユーザ端末を識別するUID等を含む情報)を証券会社システム9へユーザ端末T1等は送信する(S4)。
【0227】
証券会社システム9の証券会社サーバ10(MPU10aと同意。以下同様)は、第1フローチャートの始まる段階(S10)で、ログイン情報を受信したか否かを判断する状態になっており、ログイン情報を受信しない場合(S10:NO)、受信待ちの状態となる。また、ログイン情報を受信した場合(S10:YES)、受信したログイン情報に含まれるメールアドレス、パスワード等が、
図9に示すユーザDB13に格納されるユーザ情報(メールアドレス、パスワード等)の中で一致するものがあるか否かを証券会社サーバ10は判断する(S11)。
【0228】
一致する情報が格納されていない場合(S11:NO)、証券会社サーバ10はログイン不可通知をアクセス元のユーザ端末T1等へ送信し(S13)、その後は、最初のログイン情報の受信判断段階(S10)へ戻ることになる。
【0229】
一方、一致する情報が格納されていた場合(S11:YES)、証券会社サーバ10はログイン完了通知をアクセス元のユーザ端末へ送信する(S12)。なお、この際、証券会社サーバ10は、ログインの完了したユーザが積立投資を行っているか否かを、ユーザDB13の積立投資欄13aに積立投資に係る設定情報が記憶されているか否かで判断しており、積立投資を行っていると判断した場合は、ユーザ取引DB14に格納されるログインの完了したユーザのユーザ取引テーブル900等及びユーザDB13の積立投資欄13aに記憶される情報(売買履歴や設定情報等に応じた積立投資情報に相当)を読み出して、その読み出した情報を含ませたログイン完了通知をアクセス元のユーザ端末へ送信することになる。また、証券会社サーバ10は、最新となる金融商品の市場価格等の更新情報もログインの完了したユーザ端末へ随時送信する。
【0230】
ユーザ端末T1等は、S4の段階のログイン情報の送信後、ログイン完了通知又はログイン不可通知のいずれを受信したかを判断しており(S5)、ログイン不可通知を受信した場合(S5:不可)、S2の段階へ戻ってログイン画面35を表示し、再度のログインの機会をユーザに提供する。また、ログイン完了通知を受信した場合(S5:完了)、ユーザ端末は
図15(a)、(b)に示す積立投資トップページ画面40、40′を生成して表示する(S6)。
【0231】
この積立トップページ画面表示において、ログインの完了したユーザが、積立投資を開始している場合(又は積立投資に係る設定の完了済みの場合)、
図15(a)に示す積立投資トップページ画面40(積立投資画面に相当)に応じた画面(取引一覧部42の各個別取引内容欄42a等に積立投資に係る内容の情報が示される画面)を表示することになる。この積立投資トップページ画面40に含まれる個別取引内容欄42aに示される情報(金融商品の名称、現在の評価額、投資元本、含み益、1回の積立額、積立開始日等)は、証券会社サーバ10から送信された積立投資情報に基づいて生成されている。また、ログインの完了したユーザが積立投資に係る設定を行っていない場合は、
図15(b)に示す積立投資トップページ画面40′に応じた画面(各個別取引内容欄に積立投資に係る内容の情報が配置されていない画面)を表示することになる。
【0232】
図26の第2フローチャートは、ログイン完了後にユーザが積立投資の新規設定を行う場合の処理手順を示す。まず、ユーザ端末T1等において表示される積立投資トップページ画面40、40′(
図15(a)(b)参照)において、新規設定ボタン40a、40a′が選択されたか否かを判断する(S20)。新規設定ボタン40a、40a′が選択されていない場合(S20:NO)、ユーザ端末T1等は、新規設定ボタン40a、40a′の選択待ちの状態になる。
【0233】
新規設定ボタン40a、40a′が選択された場合(S20:YES)、ユーザ端末T1等は、
図16~19に示す各画面43~51を順次表示して、積立投資を行う上で設定が必要な各項目についてユーザが指定する情報(設定情報)を受け付けてRAM30cに保存する(S21)。それからユーザ端末T1等は、
図20に示す積立投資確認画面53を表示し(S22)、申込みボタン53fが選択されたか否かを判断する(S23)。申込みボタン53fが選択されていない場合(S23:NO)、ユーザ端末T1等は、申込みボタン53fの選択待ちの状態になる。
【0234】
申込みボタン53fが選択された場合(S23:YES)、各画面43~51でユーザにより指定された各項目に係る設定情報をRAM30cから読み出して、証券会社サーバ10へ送信する(S24)。
【0235】
証券会社サーバ10では、第2フローチャートの最初の段階(S30)で、ログイン中のユーザ端末T1等からの設定情報を受信したか否かを判断する状態になっており、設定情報を受信していない場合(S30:NO)、受信待ちの状態になる。また、設定情報を受信した場合(S30:YES)、証券会社サーバ10は、受信した設定情報を、ログイン中のユーザIDに対応づけて、
図9に示すユーザDB13の積立投資欄13aに記憶する(S31)。それから、証券会社サーバ10は、設定完了の通知する情報(設定完了通知を、設定情報の送信元のユーザ端末T1等へ送信する(S32)。この段階で、証券会社サーバ10(MPU10a)における積立投資の設定に関する処理は一旦終了となる。以降、設定された内容に従って、証券会社サーバ10(MPU10a)は、積立投資に関する処理を基本的に自動で行っていくことになる(
図27~29の第3~5フローチャート参照。ただし、臨時購入に関する処理等は、ユーザ端末側からの指示に基づき行う)。
【0236】
ユーザ端末T1等は、S24の段階で、設定情報を証券会社サーバ10へ送信した後、
証券会社サーバ10から送られてくる設定完了通知を受信したか否かを判断する状態となる(S25)。設定完了通知を受信していない場合(S25:NO)、設定完了通知の送信待ちの状態になる。また、設定完了通知を受信した場合、ユーザ端末T1等は、受信した設定完了通知に含まれる情報を反映し、新たな積立投資の情報を配置した個別取引内容欄を含む積立投資トップページ画面40を生成して表示する(S26)。
【0237】
なお、S26以降の段階で、積立投資において新たな取引対象の設定や編集等がなければ、ユーザは積立投資アプリの起動を終了することになる。よって、積立投資の処理に関し、ユーザ端末T1等側で必要な処理は、
図26の第2フローチャートにおけるS26の段階までであり(但し、臨時購入、各項目のユーザによる編集、休止・終了等のユーザ指示等に基づく処理は除く)、この後は、基本的に証券会社サーバ10側での処理になる。
【0238】
図27の第3フローチャートは、証券会社サーバ10が積立投資用の資金の振替を金融機関システム2(金融機関サーバ3及び金融機関口座DB装置4)に要求するときの処理手順を示したものである。この第3フローチャートの処理は、金融商品の購入に取引口座(証券会社口座)を用いることを設定したユーザが対象になり、このような設定を行った各ユーザの取引口座に関して第3フローャートの処理が行われる。
【0239】
第3フローチャートにおいて、証券会社サーバ10は、ユーザDB13の積立投資欄13aに格納された情報に基づき、システムプログラムP10のカレンダー機能を利用して振替処理日が到来したか否かを検出する(S40)。なお、本実施形態において、月初めから積立投資を行う場合の振替到来日は、積立投資を行う月の前月の25日(金融機関の休業日のときは、25日以降で直近の金融機関営業日)となるが、例外的に、積立投資の開始を月の途中から行う場合は、ユーザDB13の積立投資欄13aに、積立投資に係る設定情報が記憶されたときが最初の振替処理日になる。
【0240】
振替処理日が到来していない場合(S40:NO)、証券会社サーバ10は、振替処理日が到来するのを待つことになる。一方、振替処理日が到来した場合(S40:YES)、証券会社サーバ10は、カレンダー機能を利用して、ユーザDB13の積立投資欄13aに格納された間隔(積立間隔)の情報より、積立投資の対象となる所要期間(例えば、一ヶ月単位)における購入回数を特定する(S41)。なお、上述した積立投資の開始を月の途中から行う場合は、月の途中の積立開始日から、その月の末日までの期間に対して、設定された間隔より購入回数を特定することになる。
【0241】
そして、証券会社サーバ10は、特定した購入回数、及びユーザDB13の積立投資欄13aに格納された購入金額(積立投資における1回の購入に用いる金額)より、積立投資の対象となる月(所要期間、単位期間)の積立投資に必要な合計額を算出する(S42)。なお、このS42の段階でも、上述した積立投資の開始を月の途中から行う場合は、月の途中の積立開始日から、その月の末日までの期間に対する積立投資に必要な合計額を算出することになる。
【0242】
それから、証券会社サーバ10は、S42の段階で算出した合計額の振替を要求する振替要求情報(合計額情報)を金融機関システム2(金融機関サーバ3)へ送信する(S43)。なお、この振替要求情報には、ユーザDB13に記憶されているユーザの取引口座の口座情報(口座人の名義及び口座番号等の情報)や、ユーザの金融機関口座の口座情報(口座人の名義及び口座番号の情報))も含まれている。
【0243】
金融機関システム2(金融機関サーバ3及び金融機関口座DB装置4)は、第3フローチャートの最初の段階(S50)で、証券会社サーバ10からの振替要求情報(合計額情報)を受信したか否かを検出しており、振替要求情報を受信していない場合(S50:NO)、受信待ちの状態になる。一方、振替要求情報を受信した場合(S50:YES)、金融機関システム2は、受信した振替要求情報に含まれる合計額を、振替元となる預金口座(ユーザの金融機関口座)から、振替先となる取引口座(同一ユーザの証券会社口座)への振替処理を実行する(S51)。なお、この振替処理に係る手数料は、振替元になる預金口座(ユーザの金融機関口座)から差し引かれる。
【0244】
本発明では上述した第3フローチャートに示す処理を行うことにより、積立投資に必要な資金の振替に伴う手数料を所定期間において一度(例えば、月一度)の発生に抑制できるので、積立投資に係る手数料を低減できる。また、上記の第3フローチャートの処理により、所定期間(例えば、一ヶ月)における積立投資の複数回の購入に対する準備が整ったことになる。なお、第3フローチャートに示す振替に係る処理は、積立投資が続けられる限り、連続する所定期間(一ヶ月)が変わって、振替処理日(所定の処理日)が到来するごとに、積立対象の所定期間(単位期間)における購入回数に従って自動で行われる(購入回数は一定でなく、所定期間の日数により変わり、それにより、振替額も一定でなく、所定期間に応じて変わる)。
【0245】
図28、29の第4、5フローチャートは、積立投資の設定を行った各ユーザに係る積立投資の金融商品の購入処理の手順を示す(取引口座を用いる場合の処理手順を示す)。
図28の第4フローチャートは、積立投資における初回の購入処理に対応したものであり、
図29の第5フローチャートは、積立投資における二回目以降の購入処理に対応したものであり、これら二つのフローチャートは、最初の段階の判断内容が異なる点を除き、基本的な処理の流れは同等になっている。
【0246】
第4フローチャートにおいて、まず、証券会社サーバ10は、MPU10aのカレンダー機能を利用して、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている積立開始日が到来したか否かを判断する(S60)。積立開始日が到来していない場合(S60:NO)、積立開始日の到来を待つことになる。
【0247】
また、積立開始日が到来した場合(S60:YES)、MPU10aは、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている積立投資の対象となる金融商品(例えば、A社株式)と一回当たりの購入額(例えば、100円)、及び取引所システム6から送られてきた最新の市場価格を参照して、一回あたりの購入額を用いて、最新の市場価格で購入できる金融商品の購入数(例えば、A社株式の購入できる株数)を算出する(S61)。
【0248】
そして、MPU10aは、算出した購入数を、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている取引口座(例えば、取引口座の入金額)の中で、積立投資用の入金から一回あたりの購入額に応じた資金(例えば、100円)を用いて購入する処理を行い(S62)、購入した内容を示す情報(購入日、購入した金融商品名、購入数、購入金額等)をユーザ取引DB14の中の該当するユーザ取引テーブルに記憶する処理を行う(S63)。なお、このような購入に係る処理の完了に伴い、MPU10aは、購入完了の通知を、購入処理対象のユーザの使用するユーザ端末へプッシュ配信しており、それにより、ユーザは、積立投資における各購入を、その都度、確認できるようになっている。
【0249】
また、
図29の第5フローチャートでは、MPU10aのカレンダー機能を利用して、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶されている購入の間隔を参照することで、以前の購入時期との間隔より、積立投資の購入時期が到来したか否かをMPU10aは判断する(S70)。購入時期が到来していない場合(S70:NO)、証券会社サーバ10は購入時期の到来を待つことになる。
【0250】
購入時期が到来した場合(S70:YES)、以降、上述した第4フローチャートのS61~S63の段階と同じ処理を証券会社サーバ10は行うことになり、購入数算出(S71)、購入処理(S72)、購入内容記憶(S73)を行う。このような第5フローチャートの処理内容は、積立投資が終了するまで継続して繰り返し行われるため、購入時期が到来するごとに購入が行われることにより、購入された金融商品が継続的に自動で積み立てられていく(蓄積されていく)。
【0251】
よって、上述した第3~5フローチャートに係る処理を証券会社サーバ10は自動で行うので、ユーザは積立投資に係る設定を行えば、金融機関の預金口座に必要な金額を入金しておくことで、振替手数料を抑制して積立投資を続けていくことができる。特に、本実施形態では、100円単位での積立投資も可能なので、毎日100円を貯金するような感覚で、毎日100円の積立投資を続けやすくなっている。また、本実施形態では、第3フローチャートに示す処理で、所要期間の単位(例えば、一ヶ月)で振替処理を行い、その所定期間用として振り替えた資金を用いて、第4、5フローチャートに示す所定期間(単位期間)に対する複数回の購入処理を繰り返すので、所定期間用の資金で購入した分の金融商品が明確となり、積立投資の効率の結果(パフォーマンス)も確認しやすくなっている。なお、第3~5のフローチャートに示す処理は、積立投資の設定を行った各ユーザに対して行われるので、各ユーザに対する第3~5のフローチャートが証券会社サーバ10等において並行的に行われる。
【0252】
図30、31に示す第6、7フローチャートは、「つもり貯金」に応じた「つもり投資」に係る臨時購入の処理手順を示し、第6フローチャートは主にユーザ端末T1等の処理内容を示し、第7フローチャートは主に証券会社サーバ10での処理内容を示す。
【0253】
図30の第6フローチャートは、ログインの完了したユーザ端末T1等で、
図15(a)に示すような積立投資トップページ画面40を表示した状態からの処理を示す。積立投資トップページ画面40において、一つ目の個別取引内容欄42bの中に配置された臨時投資ボタン420の選択操作を受け付けたかをユーザ端末T1等は判断しており(S80)、臨時投資ボタン420の選択操作を受け付けていない場合(S80:NO)、選択操作待ちの状態になる。
【0254】
一方、臨時投資ボタン420の選択操作を受け付けた場合(S80:YES)、ユーザ端末T1等は、その選択操作に係る臨時投資ボタン420にヒモ付けられた金融商品(例えば、A社株式)に応じた臨時投資画面60(
図21(a)参照)を生成して表示する(S81)。そして、表示した臨時投資画面60(金額受付画面に相当)において、購入金額設定欄60bに、ユーザが「つもり貯金(つもり投資)」の額として入力する金額を受け付けて、次へボタン60eの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末T1等は判断する(S82)。
【0255】
次へボタン60eの選択操作を受け付けていない場合(S82:NO)、戻るボタン60dの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末T1等は判断し(S83)、戻るボタン60dの選択操作を受け付けた場合(S83:YES)、ユーザ端末T1等は、S80の段階に処理を戻し、臨時投資画面60から積立投資トップページ画面40へ画面表示を切り替える。
【0256】
また、戻るボタン60dの選択操作を受け付けていない場合(S83:NO)、S82の段階に戻り、金額入力に伴って次へボタン60eの選択操作を受け付けたか否かを判断する。次へボタン60eの選択操作を受け付けた場合(S83:YES)、
図21(b)に示す臨時購入確認画面61を生成して表示する(S84)。この臨時購入確認画面61で、購入ボタン61fの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末T1等は判断する(S85)。購入ボタン61fの選択操作を受け付けていない場合(S85:NO)、臨時購入確認画面61で戻るボタン61eの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末T1等は判断し(S86)、戻るボタン61eの選択操作を受け付けた場合(S86:YES)、ユーザ端末T1等は、S81の段階に処理を戻し、臨時購入確認画面61から臨時投資画面60へ画面表示を切り替える。
【0257】
臨時購入確認画面61で戻るボタン61eの選択操作を受け付けていない場合(S86:NO)、S85の段階に戻り、購入ボタン61fの選択操作を受け付けたか否かを判断する。購入ボタン61fの選択操作を受け付けた場合(S85:YES)、ユーザ端末T1等は、臨時購入対象の金融商品、購入額、及びログイン中のユーザを示すユーザID等を含む購入指示情報(金額情報)を生成して証券会社システム9(証券会社サーバ10)へ送信する(S87)。
【0258】
図31の第7フローチャートは、最初の段階(S100)において、証券会社サーバ10が、ユーザ端末T1等からの購入指示情報(金額情報)を受信したか否かを判断している。購入指示情報を受信していない場合(S100:NO)、購入指示情報が送られてくるのを待つ状態になる。一方、購入指示情報を受信した場合(S100:YES)、購入指示情報に含まれるユーザ(ユーザID)に応じた取引口座(証券会社口座)の残高(入金額)が、積立投資用の資金を除いて、購入指示情報で示される購入額以上であるかを、証券会社サーバ10は検知する処理を行う(S101)。なお、この検知は、ユーザDB13の取引口座残高欄13dにおいて、取引口座残高から積立投資用の資金残高を減じた額が、購入指示情報で指示される購入額以上であるかを比較することで行うが、証券会社口座DB装置7の取引口座DB8における該当ユーザの取引口座テーブルを直接サーチして、上記の比較検知を行っても良い。
【0259】
取引口座の積立投資用残高を除いた入金額が購入額未満である場合(S101:NO)、臨時購入を行う資金が足りないので、証券会社サーバ10は、購入額に応じた金額を、臨時購入指示を行ったユーザ(購入指示情報に含まれるユーザIDに応じたユーザ)の取引口座へ振り替える要求を示す振替要求情報(振替元のユーザの預金口座情報を含む)を金融機関システム2(
図1参照)へ送信する(S102)。この振替要求情報の送信により、ユーザの取引口座に、振替要求情報で要求した金額の振替が有ったか否かを、証券会社サーバ10は取引口座DB8における該当ユーザの取引口座テーブルをサーチ(検知)することで判断しており(S103)、振替が無い場合(S103:NO)、振替待ちの状態になる。
【0260】
振替が有った場合(S103:YES)、又は上述したS101の段階で、ユーザの取引口座の積立投資用以外の残高が、購入指示情報で示される購入額以上である場合(S101:YES)、証券会社サーバ10は、市場開場時のように、金融商品を購入できる時間帯であるか否かを、MPU10aのクロック機能を利用して判断する(S104)。
【0261】
金融商品の購入可能時間帯であると判断した場合(S104:YES)、この後は、上述した第4、5フローチャートのS61~S63、S71~73の段階と同じ処理を証券会社サーバ10は行うことになり、購入数算出(S105)、購入処理(S106)、購入内容記憶(S107)を行う。そして、証券会社サーバ10は、臨時購入が完了した旨を通知する購入完了通知(臨時の購入完了通知)を、購入指示情報の送信元のユーザ端末T1等へ送信する(S108)。
【0262】
また、S104の段階で、金融商品の購入可能時間帯でないと判断した場合(S104:NO)、証券会社サーバ10は、金融商品の購入可能となる時間帯まで臨時購入を待つ旨を通知する購入待ち通知を、購入指示情報の送信元のユーザ端末T1等へ送信する(S109)。そして、証券会社サーバ10は、金融商品の購入可能時間帯になったか否かを、MPU10aのクロック機能を利用して判断し(S110)、購入可能時間帯にならない場合(S110:NO)、購入可能時間帯が到来するのを待つ状態となる。
【0263】
購入可能時間帯になった場合(S110:YES)、証券会社サーバ10の処理は、S105の段階へ飛び、以降、上述した場合と同様に、証券会社サーバ10は、購入数算出(S105)、購入処理(S106)、購入内容記憶(S107)、購入完了通知(臨時の購入完了通知)の送信を行う(S108)。
【0264】
図30の第6フローチャートに戻り、ユーザ端末T1等はS87の段階で購入指示情報を送信した後、証券会社サーバ10からの購入完了通知を受信したか否かを判断している(S88)。購入完了通知を受信しない場合(S88:NO)、ユーザ端末T1等は、次に購入待ち通知を受信したか否かを判断する(S90)。購入待ち通知も受信しない場合(S90:NO)、S88の段階へ戻り、購入完了通知を受信したかを判断する。
【0265】
購入完了通知を受信した場合(S88:YES)、ユーザ端末T1等は、
図22(a)に示す臨時購入完了画面62を生成して表示する(S89)。また、S90の段階で、購入待ち通知を受信した場合(S90:YES)、ユーザ端末T1等は、
図22(b)に示す臨時購入予約画面63を生成して表示する(S91)。
【0266】
ユーザ端末T1等及び証券会社サーバ10は、上述した第6、7フローチャートに示す処理を協働して行うことで、「つもり貯金」に応じた「つもり投資」に係る臨時購入を実現でき、それにより、例えば、コーヒーを飲んだつもりで、コーヒー代の350円や、タクシーに乗ったつもりで、タクシー代の1200円などをスムーズに投資に回すことが可能となる。
【0267】
なお、本発明の実施形態は、上述した説明内容に限定されるものではなく、様々な変形例の適用が可能になっている。例えば、上述した説明では、証券会社等による相対取引で積立投資を行うようにしたが、委託取引等で積立投資を行うことも可能である。また、積立投資において取引対象となる金融商品の数を算出するときには、リアルタイムの金融商品の市場価格(基準価額)を用いる以外に、前日終値、前場の終値等を用いて、証券会社サーバ10の処理負担を低減するようにしてもよい。また、相対取引で行う場合などには市場閉場時間帯に行うようにして、証券会社サーバ10の処理負担(リアルタイムの市場価格を用いることによる処理負担など)を低減するようにしてもよい(市場閉場時間帯に売買処理を行うときは、閉場時の市場価格を用いて、売買数に係る算出処理を行う)。
【0268】
また、積立対象となる金融商品としては、A社株式のような株式の他に、
図16(a)の金融商品選択画面43で示すように、投信信託やETF(Exchange Traded Funds)等も適用可能である。但し、投信信託やETF等を適用した場合、取引所システム6から送られてくる基準価額を参照して、購入額に応じた購入数や評価額を算出することになる。さらには、積立対象の選択種類を減らすこと(株式のみ、投信信託のみ等のように選択対象に一種類にすること、株式と投信信託、株式とETF等のように選択対象を二種類にすること)、逆に積立対象の選択種類を増やすことも可能である(株式、投資信託、ETF以外の種類の金融商品も選択対象に含ませるなど)。
【0269】
選択対象の種類に含ませることが可能な金融商品としては、「有価証券」及び「派生商品(金融デリバティブ)」等に属する商品があり、「有価証券」の例としては、上述した株式、投信信託の他に、債券、不動産証券等があり、「派生商品(金融デリバティブ)」の例としては、先物取引、CFD(Contract for Difference)、新株予約権等がある。さらに積立対象の選択種類に含ませることが可能な金融商品(積立投資が可能な金融商品)としては、上述した以外にも広義の意味合いの金融商品の適用が可能であり、転換社債、信用取引、国内債券、外国債券、MMF、中期国債ファンド、MRF、REIT、CFD、ETN、金、プラチナ、商品先物、各種定期預金、各種仕組預金、各種貯金、各種貯蓄、各種保険、金銭信託、仮想通貨(暗号資産)、トークン(ブロックチェーンで発生させるトークン(STO等)を含む)等がある。
【0270】
さらに、上述した積立対象の選択種類に含ませることが可能な各種金融商品は、日本国内の商品だけでなく、上述した各種類に応じた海外の金融商品も積立対象にしてもよい。但し、海外の金融商品を積立対象にする場合は、海外の金融商品の市場価格(基準価額)及び外国為替の変動も処理内容に加える必要がある。
【0271】
具体的には、証券会社サーバ10は、海外の金融商品の市場価格を配信する外部のシステムから海外の金融商品の市場価格を取得する処理を行うと共に、為替相場(外国為替市場)の情報(日本円と海外通貨の変換レート等を示す情報)を配信する外部のシステムから、通貨変換レート等を示す情報を取得する処理を行う。そして、証券会社サーバ10(MPU10a)は、取得した情報(海外商品の市場価格及び通貨変換レート等)より、取引対象となる金融商品の価格を日本円に換算し、日本円をベースにして積立投資の処理を行う。
【0272】
上述した通貨変換レートについては、証券会社の利益を確保するために、ユーザが購入する際と売却する際に用いる為替レートに差を付けてもよい。例えば、購入の為替レート(海外単位通貨に対する円表記の購入為替レート。例えば、111円)を、売却の為替レート(海外単位通貨に対する円表記の売却為替レート。例えば、110.3円)より高くすること等が想定できる。また、海外の金融商品の積立投資を行った場合は、取引時に用いた海外通貨での金融商品の市場価格、為替レートを示す情報等も一緒にユーザ取引DB14の各ユーザ取引テーブル9000等に記憶し、これらの情報も適宜、ユーザが確認できるようにすることが好ましい。
【0273】
なお、上述した海外の金融商品の積立投資を行う時間帯は、海外の金融商品の市場開場時に取引を行う場合と、市場閉場時に取引を行う場合の二通りが想定されるが、本発明では上述したように相対取引を行うことから、いずれの場合も対応可能となる。また、市場開場時に取引を行うとき、MPU10aは、取得したリアルタイムの市場価格を用いて取引に係る算出処理(取引対象となる金融商品の商品数を求める計算処理など)を行うことになり、市場閉場時に取引を行うときは、その日の市場価格の終値を用いて取引に係る算出処理を行うことになる。
【0274】
さらに、上述した例では、積立間隔として「毎日」を選択した場合で、土曜日、日曜日、祝日のような購入不可日に該当する日は、その日の直前又は直後の購入可能日に購入するようにしていたが、このことは、間隔設定画面47(
図17(b)参照)で「毎週」、「毎月」、「毎年」などを選択した場合で、購入日が土曜、日曜、祝日等の購入不可日に該当する場合も同様であり、そのような土曜、日曜、祝日等の直前又は直後の購入可能日に、購入不可日分の購入処理を行うことになる。
【0275】
一方、購入不可日は、購入を行わない仕様にすることも可能である。例えば、
図17(b)の間隔設定画面47で「毎日」を選択した場合、土曜日、日曜日、祝日は購入を行わないようにすることも可能である。このような仕様にした場合、一ヶ月単位の購入回数も、上述した内容と異なり、土曜日、日曜日、祝日に応じた回数を除外して、一ヶ月単位の購入回数に応じた購入額を算出することになる。なお、将来的に市場開場が毎日の365日で24時間になって、閉場している時間帯が無くなれば、上述した購入不可日に関する問題が解消され、設定した間隔に従って積立投資に係る各回の購入を行うことが可能となる。そして、市場閉場時間帯が将来的に無くなれば、「つもり貯金」に係る臨時的な購入の処理で、
図30の第6フローチャートにおけるS90、91に係る処理等、及び
図31の第7フローチャートにおけるS104、109、110に係る処理等も省略できる。
【0276】
また、積立間隔は「毎日」より更に細かい単位にすることも可能であり、1日に複数回の購入を行うような間隔を設定できるようにしてもよい。例えば、「午前の時間帯及び午後の時間帯」のように1日に2回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で1時間毎」というように1日に6回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で30分毎」というように1日に12回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で10分毎」というように1日に36回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で1分毎」というように1日に360回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で30秒毎」というように1日に720回購入を行う場合や、「午前9時から午後3時までの範囲で1秒毎」というように1日に2160回購入を行う場合などが想定できる。
【0277】
上記のように積立間隔を1日に複数回に設定する場合は、
図17(b)の間隔設定画面47において、毎日指定欄47aが選択されると、次に、ディスプレイ30fの表示を回数指定画面(図示せず)に切り替えて、この回数指定画面で、1日に購入を行う回数として、1回、2回、3回、4回、5回、6回、・・・、12回、・・・、36回、・・・、360回、・・・、720回、・・・、2160回等のユーザが希望する指定の回数の受付を可能にする。
【0278】
そして、回数指定画面で受け付けた1日当たりの回数は、
図20の積立投資確認画面53において、申込みボタン53fの選択が行われることで、設定情報に含まれてスマートフォン30から証券会社サーバ10へ送信される。証券会社サーバ10は、そのような設定情報を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶し、その記憶した設定情報(1日あたりの購入回数を含む情報)に基づき、
図29の第5フローチャートに示す積立投資に係る金融商品の購入処理が行われる。そのため、第5フローチャートにおけるS70の段階での購入時期の到来を、積立投資欄13aに記憶される情報(1日あたりの回数)に基づいて判断され、第5フローチャートに示す購入処理を1日に複数回行えることになる。
【0279】
このように1日に複数回の購入を行う場合は、積立投資に係る購入機会が更に細かく分散されることになり、ドルコスト平均法による効果を一段と進められることになる。なお、1日に複数回の購入を行うと、所定期間(例えば、一ヶ月)の単位で購入に用いる合計額が高額になりやすいので、高額になることを抑えられるようにするには、
図16(b)の金額設定画面44で設定できる最低額を100円未満の10円や1円の金額にすると共に、10円又は1円単位の細かい額を設定可能にすることが好適である。
【0280】
また、積立間隔は、均等にする以外に不均等にすることも可能である。例えば、所定期間(単位期間)の一ヶ月において、毎週一回(例えば、毎週水曜日)の購入を基本としながら、その月の最終週だけは毎日購入するという不均等な間隔の設定の例や、一週間の略前半となる日曜日から水曜日までの範囲は火曜日だけ購入し、一週間の後半となる木曜日から土曜日までの範囲は毎日購入するという不均等な間隔の設定が考えられる。
【0281】
上記のように積立間隔を不均等にする場合は、
図17(b)の間隔設定画面47において、不均等指定欄を新たに選択可能に設けて、その不均等指定欄が選択されると、次に、ディスプレイ30fの表示を不均等間隔指定画面に切り替える。この不均等指定画面は、一ヶ月に応じたカレンダー部(1日から末日までの各日を選択可能に配置したもの)を含み、この不均等指定画面のカレンダー部で、ユーザが購入を希望する日を全て選択することになる(カレンダー部は、日単位で選択可能になっており、不均等な積立間隔も自由に選択できる)。
【0282】
そして、上述の不均等指定画面で、ユーザの選択操作により受け付けられた不均等な積立間隔は、
図20の積立投資確認画面53において、申込みボタン53fの選択が行われることで、設定情報に含まれてスマートフォン30から証券会社サーバ10へ送信される。証券会社サーバ10は、そのような設定情報を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶し、その記憶した設定情報(不均等な積立間隔を含む情報)に基づき、
図29の第5フローチャートに示す積立投資に係る金融商品の購入処理が行われる。すなわち、第5フローチャートのS70の段階での購入時期の到来は、積立投資欄13aに記憶される不均等な間隔に基づいて判断され、それにより、第5フローチャートに示す購入処理を不均等な間隔で行えることになる。
【0283】
このような積立間隔を不均等にした変形例は、一ヶ月の最後の週は値下がりする傾向のある金融商品や、一週間の中で後半が値下がりする傾向のある金融商品等に対して、購入できる金融商品の数(例えば、A社株式の購入株数)を、間隔を均等にした場合に比べて多くしやすいというメリットがある。
【0284】
さらにまた、1回あたりの購入額も、均等にする以外に不均等にすることも可能である。例えば、毎日購入を設定した場合で、一ヶ月における最終週以外は一回あたりの購入額を50円に設定する一方、最終週は一回あたりの購入額を150円に設定する例や、毎日購入を設定した場合で、一週間の略前半となる日曜日から水曜日までの範囲は一回あたりの購入額を50円に設定する一方、一週間の後半となる木曜日から土曜日までの範囲は一回あたりの購入額を150円に設定する例などが考えられる。
【0285】
図32は、上記のような不均等な購入額を設定できるようにするための変形例の金額設定画面440(不均等設定の金額を受け付ける画面に相当)を示す(ディスプレイ30fに映った状態の画面)。この変形例の金額設定画面440は、
図16(b)の金額設定画面44に比べて、所定期間に応じた複数の日付を含むカレンダー部441(例えば、一ヶ月分のカレンダー、
図32は、2020年6月分のカレンダーを示す)を配置したことが特徴になっている。このカレンダー部441は、それに含まれる各日が、一日単位や、一週間単位や、毎週水曜日単位など、様々な範囲の単位で選択可能になっており、選択した単位ごとに1回あたりの購入額を設定できるようになっている(例えば、カレンダー部441で日に応じた範囲を二回選択すると、購入額も選択単位ごとに二回設定することになり、カレンダー部441で三回選択すると、購入額も選択単位ごとに三回設定することになる)。
【0286】
具体的には、このカレンダー部441において、最終週を除いた残りの複数の日を選択した状態で、数字キーボード443を操作して金額設定欄442に50円を入力し、OKボタン444を選択すると共に、さらに、カレンダー部440において、最終週の各日を選択した状態で、数字キーボード443を操作して金額設定欄442に150円を入力し、OKボタン444を選択してから、完了ボタン445を選択することにより、上述した前者の例に応じた各購入額を設定できる(一ヶ月における最終週以外は一回あたりの購入額を50円に設定する一方、最終週は一回あたりの購入額を150円に設定する例)。
【0287】
また、このカレンダー部440において、各週の日曜日から水曜日までの複数の日を選択した状態で、数字キーボード443を操作して金額設定欄442に50円を入力し、OKボタン444を選択すると共に、さらに、カレンダー部440において、木曜日から土曜日までの複数の日を選択した状態で、数字キーボード443を操作して金額設定欄442に150円を入力し、OKボタン444を選択してから、完了ボタン445を選択することにより、上述した後者の例に応じた購入額を設定できる(一週間の略前半となる日曜日から水曜日までの期間は一回あたりの購入額を50円に設定する一方、一週間の後半となる木曜日から土曜日までの期間は一回あたりの購入額を150円に設定する例)。
【0288】
上述したように完了ボタン445が選択されると、選択された日の範囲ごとに設定された各購入額がスマートフォン30で受け付けられて、RAM30cに一旦記憶され、このように記憶された情報は、
図20の積立投資確認画面53に準じた画面で表示されることでユーザは確認可能になっており、申込みボタン53fの選択が行われると、設定情報に含まれてスマートフォン30から証券会社サーバ10へ送信される。証券会社サーバ10は、選択された日の範囲ごとに設定された購入額に係る情報を含む設定情報を受信すると、ユーザDB13の積立投資欄13aに記憶する。
【0289】
この変形例の場合、証券会社サーバ10は、積立投資欄13aに記憶した設定情報に基づき
図27の第3フローチャートのS41の段階で、上述した不均等な各購入額のそれぞれに対して、所定期間(例えば、一ヶ月)の中の各不均等な購入額ごとの購入回数を特定し、S42の段階で、不均等な各購入額、及び各購入額のそれぞれの購入回数より、所定期間に係る合計額を算出する。また、
図29の第5フローチャートに示す積立投資に係る処理は、購入時期の到来ごとに繰り返されるが、不均等な購入額の設定により、S72の段階における購入処理は、到来した購入時期によって購入額が変化することになる。このような一回あたりの購入額を不均等にした変形例も、一ヶ月の最後の週は値下がりする傾向のある金融商品(前者の例の設定が好適)や、一週間の中で後半が値下がりする傾向のある金融商品(後者の例の設定が好適)に対して、購入できる金融商品の数(例えば、A社株式の購入株数)を、一回あたりの購入額を均等にした場合に比べて多くしやすいというメリットがある。
【0290】
さらに、上述した例では、振替を行う間隔の期間(本発明の所定期間に相当)を、一ヶ月にしたが、これに限定されるものではなく、一ヶ月より短い半月や一週間の単位で振替を行う仕様にすることも可能であり、一方、一ヶ月より長い一ヶ月半や、二ヶ月、三ヶ月、又は半年のような単位の期間を、本発明の所定期間として適用する仕様も可能である。振替間隔の期間として、一ヶ月より短い期間を適用する場合は、一ヶ月を振替期間にする場合に比べて基本的に振替額を小さくできるので、金融機関口座に多額の入金を行わないユーザに好適となる。また、振替間隔の期間として一ヶ月より長い期間を適用する場合は、一ヶ月を振替期間にする場合に比べて振替の回数を少なくできるので、更に手数料の削減を図れるメリットがある。
【0291】
なお、上述した変形例も含む様々な振替間隔の期間(所要期間)は、
図16~19に示すような各項目の設定画面43~51と同様な設定画面を設けて、ユーザの意思で設定できるようにしてもよい。このように振替間隔の期間をユーザの設定項目にすると、ユーザの使い勝手に応じた振替間隔を適用できる。さらに、上述した積立間隔を不均等にすることと、1回あたりの購入額を不均等にすることは組み合わせることも可能であり、このように組み合わせる場合は、上述した積立間隔の不均等に係る処理と、1回あたりの購入額を不均等にする処理の両方が組み合わされて行われることになる。
【0292】
また、上述した「つもり貯金」に応じた臨時的な金融商品の購入において、処理の簡略化を図りたい場合などは、
図31の第7フローチャートでS101の段階の処理(取引口座に入っている積立投資用残高を除いた残高が購入額以上であるかを比較する処理)を省略して、常にS102の段階の振替要求を送信する仕様にしてもよい。
【0293】
さらに、
図33の第8フローチャートは、「つもり貯金」に応じた臨時的な金融商品の購入における別の変形例の処理(証券会社サーバ10側の処理)を示す。この第8フローチャートに係る変形例は、ユーザが「つもり貯金」に応じた投資を行うごとに、積立対象の金融商品の臨時的な購入を行うのではなく、複数回の「つもり貯金」を蓄積し、その蓄積した額が基準額を超えた時点で、積立対象の金融商品の臨時的な購入を行うようにしたことが特徴になっている。
【0294】
このような変形例を行うために、証券会社サーバ10には基準額(例えば1万円という額)を予め大容量記憶システム10gに記憶しておくと共に、ユーザDB13には、ユーザIDに対応付けて、「つもり貯金」に応じた蓄積されていく額を記憶できる欄が設けられており、取引プログラムP11の処理内容も、この変形例に応じた処理内容を規定しておくことになる。
【0295】
また、この変形例では、スマートフォン30のディスプレイ30fに表示される臨時投資画面60(
図21(a)参照)及び臨時購入確認画面61(
図21(b)参照)においても、テキストの内容が一部変更されたものになる。具体的に、
図21(a)の臨時投資画面60(金額受付画面に相当)のテキスト欄60aは、積立対象の金融商品(例えば、A社株式)について、臨時購入のために蓄積する金額(臨時購入用の額)の入力をユーザへ指示する旨の内容となり、また、
図21(b)の臨時購入確認画面61の確認テキスト部61bにおけるテンプレートテキスト61dは「・・・を臨時購入するため、・・・円を貯めます。よろしいですか?」という内容になる(最初の「・・・」に金融商品名称テキスト61bが入り、二つ目の「・・・」に購入額テキスト61cが入るように作り込まれる)。
【0296】
そして、第8フローチャートに示す処理では、ユーザ端末T1等からの購入指示情報(本発明の金額情報に相当)を受信したか否かを証券会社サーバ10は判断し(S200)、購入指示情報を受信していない場合(S200:NO)、購入指示情報が送られてくるのを待つ状態になる。一方、購入指示情報を受信した場合(S200:YES)、証券会社サーバ10は、受信した購入指示情報で示される金額(臨時購入用の額)を、ユーザDB13のユーザID(購入指示情報を送信してきたユーザ端末を使用するログイン中のユーザのユーザID)に対応付けて記憶する(S201)。
【0297】
そして、証券会社サーバ10は、ユーザDB13に記憶した額の蓄積額が、基準額(例えば、1万円)以上になったか否かを検知し(S202)、記憶した額(蓄積金額)が、基準額を超えていない場合(S202:NO)、購入指示の額を貯めた旨を通知する貯蓄情報(貯蓄した額を含む情報)を、購入指示情報の送信元のユーザ端末へ送信する(S203)。なお、貯蓄情報を送信することで、ユーザ端末側の画面表示は、
図21(a)に示す臨時購入確認画面61から、設定した額は貯蓄された旨を示す貯蓄画面(図示せず)に切り替えられる。また、この貯蓄画面には、確認ボタンが設けられており、確認ボタンがユーザにより選択されると、
図15(a)の積立投資トップページ画面40に切り替わるように作り込まれている。
【0298】
貯蓄情報を送信した後は、最初のS200の段階に戻り、証券会社サーバ10は、ユーザ端末から購入指示情報が送られてくるのを待つ状態となる。それにより、証券会社サーバ10は、購入指示情報を受信するごとに、受信した購入指示情報で示される金額を記憶して蓄積していくことになる。そして、記憶した額(蓄積金額)が基準額以上になったことをMPU10aが検知した場合(S202:YES)、証券会社サーバ10は、
図31の第7フローチャートに示すS101の段階以降の処理を進めていくことになり、それにより、最終的に、蓄積金額で、積立対象となる金融商品(例えば、A社株式)を臨時的に購入する処理が証券会社サーバ10で行われる。なお、この変形例の場合、第7フローチャートのS108、109の段階で購入完了通知、購入待ち通知がスマートフォン30へ送信されたときは、スマートフォン30はプッシュ配信を受信した状態となり、各通知がディスプレイ30fの上部でプッシュ配信内容として表示される。
【0299】
なお、臨時投資画面で設定した額によっては、一度の設定した購入額(例えば、1万2千円)で基準額(例えば、1万円)以上になる場合もあり、このようなときは、一度の設定により受け付けた金額で臨時的な購入処理が実行される。また、上述した基準額は、予め決められた額(例えば、1万円)を用いる以外に、
図16~19の各種設定画面のように、基準額の設定画面をユーザ端末に表示して、ユーザ側で設定可能にすることも考えられる。このようにユーザ側で基準額を設定可能にすると、ユーザの使い勝手に応じた臨時投資が可能となり、例えば、低めの基準額(例えば、2千円)を設定した場合は、臨時投資の頻度を高めることができ、一方、高めの基準額(例えば、1万5千円)を設定した場合は、臨時投資に係る振替回数の頻度を抑制でき、その結果として、臨時投資に係る振替の手数料の抑制を図れる。
【0300】
また、本発明に係る「つもり貯金」に応じた積立対象の金融商品の臨時的な購入の内容(変形例の内容も含む)は、本発明に係る積立投資以外の他の仕様の積立投資(例えば、従来の一般的な積立投資)に組み合わせることも可能である。この場合も、積立投資対象になっている金融商品を、「つもり貯金」に準じて臨時的に購入することなり、様々なタイプの積立投資に対して、「つもり貯金」のイメージに準じた投資をスムーズに適用できることになる。
【0301】
さらに、
図16(a)~20等に示すような各画面43~53等を表示して積立投資の申込みを行う際には、法規的な観点において、各種事項(個人情報等の利用目的に関する事項、証券会社の約款・規定に関する事項、反社会的勢力でないこと、インサイダー取引者でないこと等の確認に関する事項、契約締結前交付書面等に関する事項)に関する同意・確認の内容を適宜表示し、このような同意・確認の内容に対して、ユーザの同意・確認の旨を受け付けないと、最終的に積立投資の申込を行えない仕様にすることが現実的には好ましい。
【0302】
また、ユーザが設定した積立投資に係る各種設定情報は、上述したように
図6に示すユーザDB13の積立投資欄13aに記憶するようにしたが、新たにデータベース装置を設けて、取引条件等に係る設定情報をユーザIDごとに、各ユーザの設定した積立投資等に係る設定情報を記憶するにしてもよい。なお、このようなユーザの設定情報を記憶する手段としては、データベース装置以外に、ブロックチェーンを用いることも可能であり、このようにブロックチェーンを用いる場合は、ユーザDB13の他に、
図6の証券会社サーバ10の大容量記憶システム10gに記憶する金融商品銘柄DB11、市場価格DB12、ユーザ取引DB14等もブロックチェーンに記憶するようにしてもよい。
【0303】
また、
図23(a)の金融商品個別画面55に配置される積立休止ボタン55bは、一度選択されると、
図23(b)の金融商品個別画面55′に配置される積立再開ボタン55b′が選択されるまで、積立投資の購入が休止されるものになっていたが、積立休止ボタン55bは選択されると、次の回の購入(買付)が1回のみ休止される仕様にして、
図23(b)に示す積立再開ボタン55b′を廃止した変形例を適用することも可能である。この場合、例えば、2回続けて積立投資の購入を休止することを希望するときは、積立休止ボタン55bの選択操作を行うことで、休止された購入の回の時期が経過してから、再度、積立休止ボタン55bの選択操作を行うことで、続けて2回の購入が休止される。そして、その後、積立休止ボタン55bの選択操作を行わなければ、次の積立投資の回から積立用の購入(買付)が再開される。さらに、上述した説明では、
図23(a)の金融商品個別画面55に配置される売却ボタン55cが選択されると、その時点において積み立てられた金融商品(例えばA社株式)を全て売却するようにしたが、金額指定で売却する仕様にしてもよい。このような仕様にする場合、売却ボタン55cが選択されると、売却する額をユーザが設定する画面(
図21(a)に示す臨時投資画面60と同等の画面)を表示して、ユーザが売却する額を設定し、その設定額を売却するようにする(但し、設定できる売却額は、その時点の現在の評価額の範囲内になる)。
【0304】
さらにまた、本発明は、上述した例において、ユーザ端末T1等(例えば、
図13のスマートフォン30)に積立投資アプリP21をインストールして、ユーザ端末T1等(スマートフォン30)のCPU30aを各種手段として機能させて、積立投資に係る各種画面(
図14~25に示す画面35~63等)を表示し、各項目の指定、及び各種情報の表示などを行えるようにしたが(アプリベースで本発明を実施する場合)、これらの内容を、ブラウザプログラムによりウェブサイトに係る各種ウェブページ画面を介して行う仕様にすることも可能である(ウェブサイトベースで本発明を実施する場合に相当)。
【0305】
上記のようにアプリベースではなく、ウェブサイトベースで本発明を実施する場合は、まず、上述した証券会社システム9を構成する証券会社サーバ10を、ウェブサーバとして機能させて、積立投資に係るウェブサイトをネットワーク上に構築する。このウェブサイトは、上述した
図14~24、32等に示す各画面35~63、440等をウェブページとして含む構成になっており、このウェブサイトへアクセスしたユーザ端末T1等の通信端末装置(スマートフォン30等)へ、上述した各画面35~63、440等と同等の内容を有するウェブページ画面を証券会社サーバ10は、各種ユーザ端末(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等)へ配信することになる。
【0306】
一方、ユーザ端末T1(通信機能を具備する通信端末装置。例えば、スマートフォン30や、その他にも通信機能を有するパソコン、タブレット等も適用可能)は、ブラウザプログラム(ブラウザアプリ)をインストールし、上述したウェブサーバとして機能する証券会社サーバ10がネットワーク上に構築するウェブサイトに係るURL(Uniform Resource Locator)へアクセスすることで、証券会社サーバ10から順次配信される各画面35~63、440等に応じたウェブページ画面を、ブラウザプログラムを介し、ウェブサイト画面としてディスプレイ30fに表示する処理を行う。なお、このようなユーザ端末T1にインストールされるブラウザプログラムが、本発明における積立投資アプリ(端末コンピュータプログラム)として機能を担うことになる。
【0307】
ユーザ端末T1等でウェブページ画面として表示される各画面は、画面内容、設定できる項目、及び操作内容等は、上述したアプリベースの場合と同様である。そのため、ユーザは、ウェブページ画面である各画面を通じて、ログイン操作、積立対象となる金融商品の指定や、その他の各項目の指定、及び積立投資に係る各種情報の表示(ユーザ取引テーブルに格納される情報や、
図12に示すグラフ的な情報などの表示も含む)の確認等を行えると共に、積立対象となる金融商品の臨時購入も行える。
【0308】
なお、ウェブサイトを通じて各画面を提供する場合、証券会社システム9側の証券会社サーバ10は、ウェブサーバとして機能するために応じたハード構成になると共に、大容量記憶システム10gに記憶されると引きプログラムP11(本発明のコンピュータプログラムに相当)もウェブサイトでの積立処理に応じた処理を規定したものとなり、さらに、各画面に応じたウェブページ画面に応じたサイト画面データも記憶する。そして、証券会社サーバ10(MPU10a)は、アクセスしてきたユーザ端末T1等に、サイト画面データを適宜送信して、所要の各画面を表示すると共に、これらの各画面でユーザの操作内容及び指定された情報を受け付けて、所要の画面に表示が切り替わるように、順次、各画面データを送信する処理を行うことになる。
【0309】
それにより、ウェブサイトベースで本発明を実施する場合でも、
図25~31、33の第1~8フローチャートに示す処理内容が行われ、証券会社サーバ10及びユーザ端末T1等の間で必要な情報の送受が行われ、証券会社サーバ10及びユーザ端末T1等は、各フローチャートで示される処理を実行する各種手段として機能する。なお、各画面35~63等を通じて取得したユーザによる設定情報(積立対象にする金融商品や、取引条件に係る各項目の設定情報)等は、上述したアプリベースの場合と同様に、ユーザDB等に記憶する。
【0310】
このようにウェブサイトベースで本発明を構成する場合は、ユーザ端末用の積立投資アプリを不要にでき、また、積立投資アプリが不要になることで、ユーザ端末側のOSプログラムや、ユーザ端末の種類(スマートフォン、タブレット、パソコン等)に限定されることなく、スムーズに本発明を提供できる点もメリットになる。なお、上述した様々な各種変形例に係る内容は、単独で適用する以外に、複数の変形例の内容を適宜組み合わせて用いることも勿論可能である。
本発明は、金融商品の積立投資を行うにあたり、ユーザの金融機関口座からの振替に係る手数料の削減や、積立投資対象の金融商品を臨時的に追加で購入することを希望するユーザにとって、好適に利用可能である。