(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068777
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】呼出システム、呼出方法、呼出端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20220427BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61G12/00 E
H04M9/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177644
(22)【出願日】2020-10-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207778
【弁理士】
【氏名又は名称】阿形 直起
(72)【発明者】
【氏名】勝間 勇介
(72)【発明者】
【氏名】江口 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】柳津 瞳
(72)【発明者】
【氏名】浦野 憲二
【テーマコード(参考)】
4C341
5K038
【Fターム(参考)】
4C341LL10
5K038AA06
5K038BB01
5K038DD01
5K038DD14
5K038FF01
(57)【要約】
【課題】患者が医療従事者を呼び出す際に、双方にとっての利便性を向上させる。
【解決手段】呼出方法は、患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムにおける呼出方法であって、複数の呼出端末のそれぞれは、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示し、呼出端末を使用する患者によって複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末の識別情報とを含む呼出要求をサーバに送信し、サーバは、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、複数の応答端末のそれぞれは、サーバから呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する、ことを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムであって、
前記複数の呼出端末のそれぞれは、
複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する呼出端末表示部と、
当該呼出端末を使用する患者によって前記複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、前記選択された呼出ボタンに対応する用件と、当該呼出端末の識別情報とを含む呼出要求を前記サーバに送信する呼出端末送信部と、を有し、
前記サーバは、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から前記呼出要求を受信した場合に、前記受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信するサーバ送信部を有し、
前記複数の応答端末のそれぞれは、前記サーバから前記呼出通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する応答端末表示部を有する、
ことを特徴とする呼出システム。
【請求項2】
前記複数の応答端末のそれぞれは、当該応答端末を使用する医療従事者によって前記呼出通知に対応することが入力された場合に、前記呼出通知に対応することを示す対応通知を前記サーバに送信する応答端末送信部をさらに有し、
前記サーバ送信部は、前記複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から前記対応通知を受信した場合に、前記受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末表示部は、前記サーバから前記状況通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に対応中であることを表示する、
請求項1に記載の呼出システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記複数の用件と、各用件に必要な人数とを相互に関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記サーバ送信部は、前記複数の呼出端末のうち、前記受信した呼出要求に含まれる用件に関連付けられた人数と同数の応答端末から対応通知を受信した場合に、前記状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信する、
請求項2に記載の呼出システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記呼出端末から受信した呼出要求と、当該呼出要求について受信した対応通知の数とを相互に関連付けて記憶し、
前記サーバ送信部は、前記受信した対応通知に対応する呼出通知について受信した対応通知の数を含む第2状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末表示部は、前記サーバから前記第2状況通知を受信した場合に、前記対応通知の数を表示する、請求項3に記載の呼出システム。
【請求項5】
前記応答端末送信部は、各応答端末の識別情報を含む前記対応通知を前記サーバに送信し、
前記サーバ送信部は、前記受信した対応通知に含まれる識別情報を含む状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末表示部は、前記サーバから前記状況通知を受信した場合に、前記状況通知に含まれる識別情報を表示する、
請求項2-4の何れか一項に記載の呼出システム。
【請求項6】
前記サーバ送信部は、前記複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から前記対応通知を受信した場合に、前記受信した対応通知に対応する呼出要求を送信した呼出端末に、当該呼出要求に含まれる用件を含む対応開始通知を送信し、
前記応答端末表示部は、前記対応開始通知を受信した場合に、前記受信した対応開始通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する、
請求項2-5の何れか一項に記載の呼出システム。
【請求項7】
前記サーバ送信部は、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から前記呼出要求を受信した場合に、当該呼出端末に、当該呼出要求に含まれる用件を含む受付通知を送信し、
前記応答端末表示部は、前記受付通知を受信した場合に、前記受信した受付通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する、
請求項1-6の何れか一項に記載の呼出システム。
【請求項8】
前記サーバは、
前記複数の用件と、複数の設備のうち各用件に必要な設備とを相互に関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数の設備の位置情報を取得する位置情報取得部と、をさらに有し、
前記サーバ送信部は、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から前記呼出要求を受信した場合に、前記受信した呼出要求に含まれる用件に関連付けられた設備の位置情報を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末表示部は、前記受信した位置情報を表示する、
請求項1-7の何れか一項に記載の呼出システム。
【請求項9】
患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムにおける呼出方法であって、
前記複数の呼出端末のそれぞれは、
複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示し、
当該呼出端末を使用する患者によって前記複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、前記選択された呼出ボタンに対応する用件と、当該呼出端末の識別情報とを含む呼出要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から前記呼出要求を受信した場合に、前記受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記複数の応答端末のそれぞれは、前記サーバから前記呼出通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する、
ことを含むことを特徴とする呼出方法。
【請求項10】
患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムの呼出端末であって、
複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する呼出端末表示部と、
当該呼出端末を使用する患者によって前記複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、前記選択された呼出ボタンに対応する用件と、当該呼出端末の識別情報とを含み、且つ、当該用件及び識別情報を前記複数の応答端末のそれぞれに表示させることを要求する呼出要求を前記サーバに送信する呼出端末送信部と、
を有することを特徴とする呼出端末。
【請求項11】
患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムの呼出端末のプログラムであって、
複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示し、
当該呼出端末を使用する患者によって前記複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、前記選択された呼出ボタンに対応する用件と、当該呼出端末の識別情報とを含み、且つ、当該用件及び識別情報を前記複数の応答端末のそれぞれに表示させることを要求する呼出要求を前記サーバに送信する、
ことを前記呼出端末に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
医療従事者が使用する複数の応答端末と、患者が使用する複数の呼出端末と通信するサーバと、を有する呼出システムであって、
前記サーバは、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から、複数の用件のうち当該呼出端末を使用する患者によって選択された用件及び当該呼出端末の識別情報を含む呼出要求を受信した場合に、前記受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信するサーバ送信部を有し、
前記複数の応答端末のそれぞれは、
前記サーバから前記呼出通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する応答端末表示部と、
当該応答端末を使用する医療従事者によって前記呼出通知に対応することが入力された場合に、前記呼出通知に対応することを示す対応通知を前記サーバに送信する応答端末送信部と、を有し、
前記サーバ送信部は、前記複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から前記対応通知を受信した場合に、前記受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末表示部は、前記サーバから前記状況通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に対応中であることを表示する、
ことを特徴とする呼出システム。
【請求項13】
医療従事者が使用する複数の応答端末と、患者が使用する複数の呼出端末と通信するサーバと、を有する呼出システムにおける呼出方法であって、
前記サーバは、前記複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から、複数の用件のうち当該呼出端末を使用する患者によって選択された用件及び当該呼出端末の識別情報を含む呼出要求を受信した場合に、前記受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記複数の応答端末のそれぞれは、
前記サーバから前記呼出通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示し、
当該応答端末を使用する医療従事者によって前記呼出通知に対応することが入力された場合に、前記呼出通知に対応することを示す対応通知を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から前記対応通知を受信した場合に、前記受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を前記複数の応答端末のそれぞれに送信し、
前記応答端末は、前記サーバから前記状況通知を受信した場合に、前記受信した呼出通知に対応中であることを表示する、
ことを含むことを特徴とする呼出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼出システム、呼出方法、呼出端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療施設に入院する患者が何らかの用件で医療従事者を呼び出すために、所謂ナースコールシステムが用いられている。従来のナースコールシステムでは、患者が各部屋に設けられた呼出ボタンを押下すると、医療従事者が常駐するナースステーションに設置された表示盤に通知がなされる。医療従事者は、表示盤により呼出ボタンが押下された部屋を確認し、その部屋に向かい、患者に用件を確認したうえで対応する。
【0003】
また、特許文献1には、患者が呼出ボタンを押下すると、呼出ボタンが押下された部屋を含む通知が医療従事者の携帯端末に送信されるナースコールシステムが記載されている。特許文献1のナースコールシステムによれば、医療従事者がナースステーションにいない場合にも、呼出ボタンを押下した部屋に直接に向かうことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなナースコールシステムにおいて、医療従事者は、呼出ボタンを押下した患者に用件を確認したうえで、その用件への対応に必要な設備や他の医療従事者を探してから対応する必要があり、煩雑であった。また、患者は、医療従事者にこのような手間をかけさせてしまう可能性から、医療従事者を呼び出すことを躊躇してしまうことがあった。そこで、このようなナースコールシステムを、患者及び利用者の双方にとって利用し易くすることが求められていた。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、患者が医療従事者を呼び出す際に、患者又は医療従事者の利便性を向上させることを可能とする呼出システム、呼出方法、呼出端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る呼出システムは、患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムであって、複数の呼出端末のそれぞれは、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する呼出端末表示部と、呼出端末を使用する患者によって複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末の識別情報とを含む呼出要求をサーバに送信する呼出端末送信部と、を有し、サーバは、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末のそれぞれに送信するサーバ送信部を有し、複数の応答端末のそれぞれは、サーバから呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する応答端末表示部を有する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、複数の応答端末のそれぞれは、応答端末を使用する医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、呼出通知に対応することを示す対応通知をサーバに送信する応答端末送信部をさらに有し、サーバ送信部は、複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から対応通知を受信した場合に、受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末表示部は、サーバから状況通知を受信した場合に、受信した呼出通知に対応中であることを表示する、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、サーバは、複数の用件と、各用件に必要な人数とを相互に関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、サーバ送信部は、複数の呼出端末のうち、受信した呼出要求に含まれる用件に関連付けられた人数と同数の応答端末から対応通知を受信した場合に、状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信する、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、記憶部は、呼出端末から受信した呼出要求と、呼出要求について受信した対応通知の数とを相互に関連付けて記憶し、サーバ送信部は、受信した対応通知に対応する呼出通知について受信した対応通知の数を含む第2状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末表示部は、サーバから第2状況通知を受信した場合に、対応通知の数を表示する、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、応答端末送信部は、各応答端末の識別情報を含む対応通知をサーバに送信し、サーバ送信部は、受信した対応通知に含まれる識別情報を含む状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末表示部は、サーバから状況通知を受信した場合に、状況通知に含まれる識別情報を表示する、ことが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、サーバ送信部は、複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から対応通知を受信した場合に、受信した対応通知に対応する呼出要求を送信した呼出端末に、呼出要求に含まれる用件を含む対応開始通知を送信し、応答端末表示部は、対応開始通知を受信した場合に、受信した対応開始通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する、ことが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、サーバ送信部は、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から呼出要求を受信した場合に、呼出端末に、呼出要求に含まれる用件を含む受付通知を送信し、応答端末表示部は、受付通知を受信した場合に、受信した受付通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する、ことが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る呼出システムにおいて、サーバは、複数の用件と、複数の設備のうち各用件に必要な設備とを相互に関連付けて記憶する記憶部と、複数の設備の位置情報を取得する位置情報取得部と、をさらに有し、サーバ送信部は、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件に関連付けられた設備の位置情報を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末表示部は、受信した位置情報を表示する、ことが好ましい。
【0015】
本発明に係る呼出方法は、患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムにおける呼出方法であって、複数の呼出端末のそれぞれは、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示し、呼出端末を使用する患者によって複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末の識別情報とを含む呼出要求をサーバに送信し、サーバは、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、複数の応答端末のそれぞれは、サーバから呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する、ことを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る呼出端末は、患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムの呼出端末であって、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する呼出端末表示部と、呼出端末を使用する患者によって複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末の識別情報とを含み、且つ、用件及び識別情報を複数の応答端末のそれぞれに表示させることを要求する呼出要求をサーバに送信する呼出端末送信部と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るプログラムは、患者が使用する複数の呼出端末と、医療従事者が使用する複数の応答端末と、サーバと、を有する呼出システムの呼出端末のプログラムであって、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示し、呼出端末を使用する患者によって複数の呼出ボタンのうちの何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末の識別情報とを含み、且つ、用件及び識別情報を複数の応答端末のそれぞれに表示させることを要求する呼出要求をサーバに送信する、ことを呼出端末に実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る呼出システムは、医療従事者が使用する複数の応答端末と、患者が使用する複数の呼出端末と通信するサーバと、を有する呼出システムであって、サーバは、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から、複数の用件のうち呼出端末を使用する患者によって選択された用件及び呼出端末の識別情報を含む呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末のそれぞれに送信するサーバ送信部を有し、複数の応答端末のそれぞれは、サーバから呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する応答端末表示部と、応答端末を使用する医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、呼出通知に対応することを示す対応通知をサーバに送信する応答端末送信部と、を有し、サーバ送信部は、複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から対応通知を受信した場合に、受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末表示部は、サーバから状況通知を受信した場合に、受信した呼出通知に対応中であることを表示する、ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る呼出方法は、医療従事者が使用する複数の応答端末と、患者が使用する複数の呼出端末と通信するサーバと、を有する呼出システムにおける呼出方法であって、サーバは、複数の呼出端末のうちの何れかの呼出端末から、複数の用件のうち呼出端末を使用する患者によって選択された用件及び呼出端末の識別情報を含む呼出要求を受信した場合に、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、複数の応答端末のそれぞれは、サーバから呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示し、応答端末を使用する医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、呼出通知に対応することを示す対応通知をサーバに送信し、サーバは、複数の応答端末のうちの何れかの応答端末から対応通知を受信した場合に、受信した対応通知に対応する呼出通知に対応中であることを示す状況通知を複数の応答端末のそれぞれに送信し、応答端末は、サーバから状況通知を受信した場合に、受信した呼出通知に対応中であることを表示する、ことを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る呼出システム、呼出方法、呼出端末及びプログラムは、患者が医療従事者を呼び出す際に、双方にとっての利便性を向上させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の概要を説明するための模式図である。
【
図2】呼出システム1の概略構成の一例を示す図である。
【
図3】呼出端末2の概略構成の一例を示す図である。
【
図5】応答端末4の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】用件テーブルT1のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】呼出要求テーブルT2のデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】位置情報画面620の一例を示す図である。
【
図11】呼出処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】受付処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の様々な実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0023】
図1は、本発明の概要を説明するための模式図である。本発明に係る呼出システムは、医療施設に入院している患者が医療従事者を呼び出すために用いられる。呼出システムは、複数の呼出端末2、サーバ3及び複数の応答端末4を有する。呼出端末2は、入院している各患者のベッド脇等にそれぞれ設けられ、患者が看護師等の医療従事者を呼び出すために使用する端末である。応答端末4は、医療従事者に携行され、医療従事者が患者による呼出要求に応答するために使用する端末である。
【0024】
複数の呼出端末2のそれぞれは、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する。複数の用件は、通常、患者が医療従事者を呼び出す必要があると想定される用件である。
図1に示す例では、複数の用件は、「くすり」、「水」、「下げ膳」、「点滴」、「痛い」及び「会話」である。
【0025】
患者は、医療従事者を呼び出す場合には、患者が使用する呼出端末2に表示された複数の呼出ボタンのうち、所望の用件に対応する呼出ボタンを選択する。
図1に示す例では、「下げ膳」の用件に対応する呼出ボタンが選択されている。呼出端末2は、患者によって何れかの呼出ボタンが選択された場合に、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末2の識別情報とを示す呼出要求をサーバ3に送信する。
【0026】
サーバ3は、複数の呼出端末2のうちの何れかの呼出端末2から呼出要求を受信した場合、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末4のそれぞれに送信する。
【0027】
複数の応答端末4のそれぞれは、サーバ3から呼出通知を受信した場合に、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する。
図1に示す例では、用件として「下げ膳」が、識別情報として「△号室」が表示されている。また、複数の応答端末4のそれぞれは、受信した呼出通知への対応状況を表示する。
図1に示す例では、対応状況として「未対応」が表示されている。
【0028】
複数の応答端末4のそれぞれは、応答端末4を使用する医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、呼出通知に対応することを示す対応通知をサーバ3に送信する。
図1に示す例では、「下げ膳」の用件及び「△号室」の識別情報を含む呼出通知に対応することが入力されている。
【0029】
サーバ3は、複数の応答端末4のうちの何れかの応答端末4から対応通知を受信した場合に、呼出通知に対応中であることを示す状況通知を複数の応答端末4に送信する。応答端末4は、サーバから状況通知を受信した場合に、呼出通知に対応中であることを表示する。例えば、応答端末4は、呼出通知の対応状況の表示を更新する。
図1に示す例では、「下げ膳」の用件及び「△号室」の識別情報を含む呼出通知の対応状況が「対応中」に更新されている。
【0030】
このように、呼出システムにおいて、応答端末4は、呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する。これにより、呼出システムは、医療従事者が患者に対応する際の利便性を向上させることを可能とする。すなわち、医療従事者は、識別情報に基づいて呼び出しをした患者を特定できるとともに、用件に基づいて薬や水等の必要な物品を事前に準備して患者のもとに向かうことができるため、一度の訪問で用件を完了させることができ、対応が円滑になる。
【0031】
また、呼出システムにおいて、呼出端末2は、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する。これにより、呼出システムは、患者が医療従事者を呼び出す際の利便性を向上させることを可能とする。すなわち、従来の呼出システムでは、入院生活に不慣れな患者はどのようなときに医療従事者を呼び出すべきかわからず、呼び出しを躊躇することがあった。これに対し、呼出端末2があらかじめ複数の用件に対応する呼出ボタンを表示することにより、患者はそれらの用件が生じた際に医療従事者を呼び出してよいと判断することができ、呼び出しをしやすくなる。
【0032】
上述した
図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、以下に説明する種々の実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例は、全て本発明及び本明細書の開示範囲に含まれる。
【0033】
図2は、呼出システム1の概略構成の一例を示す図である。呼出システム1は、複数の呼出端末2と、サーバ3と、複数の応答端末4と、複数の検出端末5と、を有する。呼出端末2、サーバ3、応答端末4及び検出端末5は、インターネット又はイントラネット等のネットワーク6を介して相互に通信可能に接続される。呼出システム1は、医療施設において、入院している患者が医療従事者を呼び出すために用いられる。なお、呼出システム1は、介護施設の利用者又は入居者が職員を呼び出すために用いられてもよいが、以下では医療施設で用いられるものとして説明する。
【0034】
呼出端末2は、例えば、多機能携帯電話、タブレット端末又はノートPC(Personal Computer)等の情報処理端末である。呼出端末2は、入院している各患者のベッド脇等にそれぞれ設けられ、患者が看護師等の医療従事者を呼び出すために使用する端末である。サーバ3は、ワークステーション又はPC等の情報処理装置である。応答端末4は、例えば、多機能携帯電話、タブレット端末又はノートPC等の情報処理端末である。応答端末4は、医療従事者に携行され、医療従事者が患者による呼出要求に応答するために使用する端末である。
【0035】
検出端末5は、Bluetooth Mesh等の近距離無線通信機能を有する端末である。検出端末5は、医療施設内の複数の場所(例えば、各部屋)に設置される。検出端末5は、医療従事者Nによって携行され、又は、点滴棒や車椅子等の可動設備Eに備え付けられたビーコン端末が送信するビーコン信号を検出することにより、検出端末5と医療従事者N及び設備Eとの位置関係を示す検出情報を生成する。検出端末5は、検出情報をサーバ3に送信することにより、後述するように、サーバ3が医療従事者N及び設備Eの位置情報を取得することを可能とする。
【0036】
図3は、呼出端末2の概略構成の一例を示す図である。呼出端末2は、呼出端末記憶部21、呼出端末通信部22、呼出端末表示部23、呼出端末操作部24及び呼出端末処理部25を有する。
【0037】
呼出端末記憶部21は、データ及びプログラムを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。呼出端末記憶部21は、呼出端末処理部25による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。プログラムは、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能且つ非一時的な可搬型記憶媒体から、セットアッププログラムを用いて呼出端末記憶部21にインストールされる。
【0038】
呼出端末通信部22は、呼出端末2を他の装置と通信可能にするための構成であり、例えば通信インタフェース回路を備える。呼出端末通信部22が備える通信インタフェース回路は、LTE(Long Term Evolution)又は無線LAN(Local Area Network)等の無線通信のインタフェース回路である。呼出端末通信部22は、他の装置から受信したデータを呼出端末処理部25に供給するとともに、呼出端末処理部25から供給されたデータを他の装置に送信する。なお、呼出端末通信部22は、呼出端末送信部の一例である。
【0039】
呼出端末表示部23は、画像を表示するための構成であり、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを備える。呼出端末表示部23は、呼出端末処理部25から供給された表示データに基づいて画像を表示する。
【0040】
呼出端末操作部24は、ユーザによる操作入力を受け付けるための構成であり、例えば呼出端末表示部23と一体化されたタッチパネルを備える。呼出端末操作部24は、ユーザによる操作入力に応じた入力データを呼出端末処理部25に供給する。
【0041】
呼出端末処理部25は、呼出端末2の動作を統括的に制御する構成であり、プロセッサ及びその周辺回路を備える。呼出端末処理部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備える。呼出端末処理部25は、呼出端末記憶部21に記憶されたプログラムに基づいて呼出端末2の各構成を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0042】
呼出端末処理部25は、呼出ボタン表示部251、呼出要求送信部252及び変更部253をその機能ブロックとして備える。これらの機能ブロックは、呼出端末処理部25が実行するプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの機能ブロックは、ファームウェアとして呼出端末2に実装されてもよい。
【0043】
図4は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。サーバ3は、サーバ記憶部31、サーバ通信部32、サーバ処理部33を有する。
【0044】
サーバ記憶部31は、データ及びプログラムを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。サーバ記憶部31は、サーバ処理部33による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。プログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能且つ非一時的な可搬型記憶媒体から、セットアッププログラムを用いてサーバ記憶部31にインストールされる。
【0045】
サーバ通信部32は、サーバ3を他の装置と通信可能にするための構成であり、例えば通信インタフェース回路を備える。サーバ通信部32が備える通信インタフェース回路は、LTE又は無線LAN等の無線通信のインタフェース回路である。通信インタフェース回路は、有線LAN等の有線通信インタフェース回路でもよい。サーバ通信部32は、他の装置から受信したデータをサーバ処理部33に供給するとともに、サーバ処理部33から供給されたデータを他の装置に送信する。なお、サーバ通信部32は、サーバ受信部及びサーバ送信部の一例である。
【0046】
サーバ処理部33は、サーバ3の動作を統括的に制御する構成であり、プロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、例えば、CPU、LSI、ASIC、DSP等を備える。サーバ処理部33は、サーバ記憶部31に記憶されたプログラムに基づいてサーバ3の各構成を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0047】
サーバ処理部33は、呼出要求受信部331、受付通知送信部332、呼出通知送信部333、位置情報取得部334、位置情報送信部335、対応通知受信部336、状況通知送信部337、対応済み通知受信部338及び対応終了通知送信部339をその機能ブロックとして備える。これらの機能ブロックは、サーバ処理部33が実行するプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの機能ブロックは、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0048】
図5は、応答端末4の概略構成の一例を示す図である。応答端末4は、応答端末記憶部41、応答端末通信部42、応答端末表示部43、応答端末操作部44及び応答端末処理部45を有する。
【0049】
応答端末記憶部41は、データ及びプログラムを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。応答端末記憶部41は、応答端末処理部45による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0050】
応答端末通信部42は、応答端末4を他の装置と通信可能にするための構成であり、例えば通信インタフェース回路を備える。応答端末通信部42が備える通信インタフェース回路は、LTE又は無線LAN等の無線通信のインタフェース回路である。応答端末通信部42は、他の装置から受信したデータを応答端末処理部45に供給するとともに、応答端末処理部45から供給されたデータを他の装置に送信する。なお、応答端末通信部42は、応答端末受信部及び応答端末送信部の一例である。
【0051】
応答端末表示部43は、画像を表示するための構成であり、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを備える。応答端末表示部43は、応答端末処理部45から供給された表示データに基づいて画像を表示する。
【0052】
応答端末操作部44は、ユーザによる操作入力を受け付けるための構成であり、例えば応答端末表示部43と一体化されたタッチパネルを備える。応答端末操作部44は、ユーザによる操作入力に応じた入力データを応答端末処理部45に供給する。
【0053】
応答端末処理部45は、応答端末4の動作を統括的に制御する構成であり、プロセッサ及びその周辺回路を備える。応答端末処理部45は、例えば、CPU、LSI、ASIC、DSP等を備える。応答端末処理部45は、応答端末記憶部41に記憶されたプログラムに基づいて応答端末4の各構成を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0054】
応答端末処理部45は、呼出通知受信部451、位置情報受信部452、呼出通知表示部453、対応通知送信部454、状況通知表示部455及び対応済み通知送信部456をその機能ブロックとして備える。これらの機能ブロックは、応答端末処理部45が実行するプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの機能ブロックは、ファームウェアとして応答端末4に実装されてもよい。
【0055】
図6は、サーバ記憶部31に記憶される用件テーブルT1のデータ構造の一例を示す図である。用件テーブルT1は、用件、人数及び設備等を相互に関連付けて記憶する。用件は、患者が医療従事者を呼び出す際の用件を示す情報である。人数は、関連付けられた用件に対応するために必要な医療従事者の人数を示す情報である。設備は、関連付けられた用件に対応するために必要な可動設備を示す情報である。これらのデータは、呼出システム1の管理者によってあらかじめ設定される。
【0056】
図6に示す例では、患者が「トイレ」の用件で医療従事者を呼び出した場合、1人の医療従事者が車椅子で患者をトイレに案内する必要があるため、用件「トイレ」には、人数「1」及び設備「車椅子」が関連付けられている。また、患者が「寝返り」の用件で医療従事者を呼び出した場合、設備は必要ないが、2人の医療従事者が協力して患者の体位変換をする必要があるため、用件「寝返り」には、人数「2」が関連付けられ、設備は関連付けられていない。
【0057】
図7は、サーバ記憶部31に記憶される呼出要求テーブルT2のデータ構造の一例を示す図である。呼出要求テーブルT2は、呼出要求識別情報、受信時刻、用件、呼出端末識別情報、応答端末識別情報、対応状況等を相互に関連付けて記憶する。これらのデータは、後述する呼出処理においてサーバ3が呼出端末2から受信した呼出要求のそれぞれについて設定される。
【0058】
呼出要求識別情報は、呼出要求を識別するための情報である。受信時刻は、サーバ3が呼出端末2から呼出要求を受信した時刻を示す情報である。用件は、関連付けられた呼出要求に含まれる用件を示す情報である。呼出端末識別情報は、関連付けられた呼出要求を送信した呼出端末2を識別するための情報である。応答端末識別情報は、関連付けられた呼出要求について対応通知を送信した応答端末4を識別するための情報である。対応状況は、関連付けられた呼出要求への対応の状況を示す情報であり、「未対応」、「対応中」又は「対応済み」の何れかの値をとる。
【0059】
サーバ3が呼出要求を受信すると、
図7の呼出要求識別情報「03」が関連付けられた呼出要求(「呼出要求03」等と称する。)のように、受信時刻、用件及び呼出端末識別情報が呼出要求に関連付けられるとともに、対応状況として「未対応」が関連付けられる。また、サーバ3が対応通知を受信すると、
図7の呼出要求02のように、対応通知に対応する呼出要求に、対応通知を送信した応答端末4の応答端末識別情報がさらに関連付けられるとともに、対応状況が「対応中」に変更される。また、サーバ3が、応答端末4から呼出要求に対応済みであることを示す対応済み通知を受信すると、
図7の呼出要求01のように、対応済み通知に対応する呼出要求の対応状況が「対応済み」に変更される。
【0060】
呼出要求に含まれる用件に関連付けられた人数が複数である場合は、サーバ3が人数と同数の対応通知を受信した場合に、対応状況が「対応中」に変更される。
図6及び
図7に示す例では、呼出要求04及び05の用件「寝返り」には人数「2」が関連付けられている。したがって、呼出要求05のように1個の応答端末4から対応通知を受信しても対応状況は「未対応」のままであるが、呼出要求04のように2個の応答端末4から対応通知を受信した場合には、対応状況が「対応中」に変更される。
【0061】
図8は、呼出端末表示部23に表示される呼出ボタン画面510の一例を示す図である。呼出ボタン画面510は、指示情報511、呼出端末識別情報512及び複数の呼出ボタン513を含む。
【0062】
指示情報511は、患者に呼出ボタン513の選択を促す文字情報である。呼出端末識別情報512は、呼出ボタン画面510を表示している呼出端末2を識別する情報である。
図8に示す例では、呼出端末識別情報512は呼出端末2が設置された部屋の部屋番号である。複数の呼出ボタン513は、複数の用件にそれぞれ対応するオブジェクトであり、患者の操作によって選択可能に表示される。
図8に示す例では、呼出ボタン513の内部には用件を示す文字情報が表示されているが、文字情報に代えて、又は、文字情報とともに、用件に対応するアイコンが表示されてもよい。
【0063】
複数の呼出ボタン513には、未選択呼出ボタン513a、受付中呼出ボタン513b及び対応中呼出ボタン513cが含まれる。未選択呼出ボタン513a、受付中呼出ボタン513b及び対応中呼出ボタン513cは、それぞれ異なる表示態様で表示され、
図8に示す例では異なる背景色及び文字色で表示される。
【0064】
未選択呼出ボタン513aが選択された場合、呼出端末2は、選択された未選択呼出ボタン513aの用件を含む呼出要求をサーバ3に送信する。呼出要求がサーバ3によって受信されると、選択された未選択呼出ボタン513aの表示態様が変更され、受付中呼出ボタン513bとなる。また、呼出要求に対応する対応通知が複数の応答端末4のうちの何れかの応答端末4からサーバ3に送信されると、受付中呼出ボタン513bの表示態様が変更され、対応中呼出ボタン513cとなる。また、呼出要求に対応済みであることを示す対応済み通知が応答端末4からサーバ3に送信されると、対応中呼出ボタン513cの表示態様が変更され、未選択呼出ボタン513aとなる。
【0065】
このように、呼出要求の状況に応じて呼出ボタン513の表示態様が変化することにより、患者は自身の呼び出しがどのように扱われているかを把握することができ、安心感を得ることができる。なお、未選択呼出ボタン513a、受付中呼出ボタン513b及び対応中呼出ボタン513cの間の表示態様の変更は背景色及び文字色の変更に限られず、オブジェクトの大きさや形状の変更や、オブジェクトの内部の文字情報又はアイコンの変更等でもよい。
【0066】
また、受付中呼出ボタン513b及び対応中呼出ボタン513cは、ユーザの操作によって選択できないように設定されてもよい。これにより、患者が同一の用件で呼び出しを繰り返すことが抑止され、医療従事者が呼出要求に対応しやすくなる。
【0067】
図9は、応答端末表示部43に表示される呼出要求画面610の一例を示す図である。呼出要求画面610は、応答端末識別情報611、位置情報表示ボタン612、絞り込みタブ613、呼出要求表示オブジェクト614a~614e(呼出要求表示オブジェクト614と総称することがある。)を有する。
【0068】
応答端末識別情報611は、呼出要求画面610を表示している応答端末4を識別する情報である。位置情報表示ボタン612は、後述する位置情報画面620を表示するためのオブジェクトである。絞り込みタブ613は、選択された絞り込み条件に基づいて、表示される呼出要求表示オブジェクト614を絞り込むためのオブジェクトである。呼出要求表示オブジェクト614は、呼出端末2から送信された呼出要求に関する情報を表示するためのオブジェクトである。呼出要求表示オブジェクト614は、呼出要求を送信した呼出端末2の呼出端末識別情報、呼出要求への対応状況及び対応通知を送信した応答端末4の応答端末識別情報、呼出要求の受信時刻、呼出要求に含まれる用件を表示する。
【0069】
図9に示す例では、絞り込みタブ613の絞り込み条件として、「すべて」、「未対応」及び「自分」が選択可能に表示されている。「すべて」の絞り込み条件が選択された場合、送信された全ての呼出要求が表示される。「未対応」の絞り込み条件が選択された場合、対応状況が「未対応」である呼出要求表示オブジェクト614cのみが表示される。また、「自分」の絞り込み条件が選択された場合、応答端末識別情報が応答端末4自身の識別情報と一致する呼出要求表示オブジェクト614bのみが表示される。なお、「すべて」の絞り込み条件が選択された場合に、対応状況が「対応済み」である呼出要求が表示されないようにしてもよい。また、絞り込み条件は上述した例に限られず、任意に設定されてよい。
【0070】
呼出要求表示オブジェクト614は、応答端末操作部44に対する操作によって選択可能に表示される。呼出要求画面610に表示された呼出要求表示オブジェクト614のうち、対応状況が「未対応」である呼出要求表示オブジェクト614cが選択された場合、応答端末4は選択された呼出要求に対応することを示す対応通知をサーバ3に送信する。また、呼出要求画面610に表示された呼出要求表示オブジェクト614のうち、対応状況が「対応中」であり且つ応答端末識別情報が応答端末4自身の識別情報と一致する呼出要求表示オブジェクト614bが選択された場合、応答端末4は選択された呼出要求に対応済みであることを示す対応済み通知をサーバ3に送信する。
【0071】
図10は、応答端末表示部43に表示される位置情報画面620の一例を示す図である。位置情報画面620は、呼出要求画面610において位置情報表示ボタン612が選択された場合に表示される。位置情報画面620は、応答端末識別情報621、呼出要求表示ボタン622、地図画像623、医療従事者オブジェクト624、医療従事者識別情報625、設備オブジェクト626及び設備識別情報627を含む。
【0072】
応答端末識別情報621は、位置情報画面620を表示している応答端末4を識別する情報である。呼出要求表示ボタン622は、呼出要求画面610を表示するためのオブジェクトである。応答端末操作部44に対する操作によって呼出要求表示ボタン622が選択された場合、呼出要求画面610が表示される。
【0073】
地図画像623は、医療施設内の地図を示す画像である。医療従事者オブジェクト624は、地図画像623における医療従事者の現在位置を示すオブジェクトである。医療従事者識別情報625は、医療従事者オブジェクト624によって現在位置が示される医療従事者を識別するための情報である。設備オブジェクト626は、地図画像623における設備の現在位置を示すオブジェクトである。設備識別情報627は、設備オブジェクト626によって現在位置が示される設備を識別するための情報である。
【0074】
図11は、呼出システム1によって実行される呼出処理の流れの一例を示すシーケンス図である。呼出処理は、呼出端末2、サーバ3及び応答端末4の処理部が、各装置の記憶部に記憶されたプログラムに基づいて各装置の構成と協働することにより実現される。
【0075】
まず、呼出端末2の呼出ボタン表示部251は、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する(S101)。呼出ボタン表示部251は、あらかじめ呼出端末記憶部21に記憶された呼出ボタン画面510の表示データに基づいて、呼出端末表示部23に呼出ボタン画面510を表示する。呼出ボタン画面510の表示データは、サーバ3から取得されてもよい。
【0076】
患者による呼出端末操作部24に対する操作によって呼出ボタンが選択された場合に、呼出要求送信部252は、呼出端末通信部22を介して、選択された呼出ボタンに対応する用件と、呼出端末2の識別情報とを含む呼出要求をサーバ3に送信する(S102)。
【0077】
続いて、サーバ3の呼出要求受信部331は、サーバ通信部32を介して、呼出要求を受信する(S103)。呼出要求受信部331は、呼出要求を受信した時刻、呼出要求に含まれる用件及び識別情報を呼出要求に関連付けて呼出要求テーブルT2に記憶する。
【0078】
続いて、受付通知送信部332は、サーバ通信部32を介して、呼出要求を送信した呼出端末2に対して受付通知を送信する(S104)。受付通知は、受信した呼出要求に含まれた用件を含む。
【0079】
呼出端末2の変更部253は、呼出端末通信部22が受付通知を受信した場合に、受信した受付通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する(S105)。変更部253は、受信した受付通知に含まれる用件に対応する呼出ボタンを未選択呼出ボタンから受付中呼出ボタンに変更した呼出ボタン画面510の表示データを生成し、呼出端末表示部23に表示する。
【0080】
また、サーバ通信部32が呼出要求を受信した場合に、サーバ3の呼出通知送信部333は、サーバ通信部32を介して、受信した呼出要求に含まれる用件及び識別情報を含む呼出通知を複数の応答端末4のそれぞれに送信する(S106)。
【0081】
続いて、位置情報取得部334は、設備及び医療従事者の位置情報を取得する(S107)。位置情報取得部334は、サーバ通信部32を介して、検出端末5がビーコン信号を検出したビーコン端末に関する検出情報を複数の検出端末5のそれぞれから取得する。検出情報は、検出端末5が受信したビーコン信号の強度と、ビーコン信号を送信したビーコン端末の識別情報とを含む。位置情報取得部334は、検出情報に含まれるビーコン信号の強度に基づいて、検出端末5とビーコン端末との距離を算出する。位置情報取得部334は、あらかじめ記憶された検出端末5の設置位置と、算出した各検出端末5とビーコン端末との距離とに基づいて、各ビーコン端末の位置情報を算出する。例えば、位置情報が3次元上座標で表される場合、3つの検出端末5とビーコン端末との距離が算出されれば、ビーコン端末の位置座標が一意に算出される。これにより、位置情報取得部334は、ビーコン端末が備え付けられた設備及びビーコン端末を携行する医療従事者の位置情報を取得する。
【0082】
続いて、位置情報送信部335は、サーバ通信部32を介して、設備及び医療従事者の位置情報を複数の応答端末4のそれぞれに送信する(S108)。
【0083】
応答端末通信部42がサーバ3から呼出通知を受信した場合に、呼出通知表示部453は、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報を表示する(S109)。呼出通知表示部453は、受信した呼出通知に含まれる用件及び識別情報に「未対応」の対応状況を関連付けて応答端末記憶部41に記憶する。呼出通知表示部453は、記憶された用件、識別情報及び対応状況を表示する呼出要求画面610の表示データを生成し、応答端末表示部43に表示する。なお、呼出通知表示部453は、応答端末4が過去に呼出通知を受信している場合には、かかる呼出通知に含まれる用件、識別情報及び対応状況をさらに表示するように呼出要求画面610の表示データを生成する。
【0084】
また、呼出通知表示部453は、医療従事者による操作に応じて、取得した位置情報を表示する。例えば、呼出要求画面610において位置情報表示ボタン612が選択された場合、呼出通知表示部453は、位置情報画面620を表示する。
【0085】
対応通知送信部454は、応答端末4を使用する医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、応答端末通信部42を介して、呼出通知に対応することを示す対応通知をサーバ3に送信する(S110)。呼出通知に対応することが入力された場合とは、呼出要求画面610において、対応状況が「未対応」である呼出要求表示オブジェクト614が選択された場合である。また、対応通知には、対応通知を送信する応答端末4の識別情報が含まれる。
【0086】
続いて、サーバ3の対応通知受信部336は、受付処理を実行する(S111)。受付処理は、対応通知を受信し、呼出通知の対応状況を「対応中」に変更する処理である。受付処理の詳細は後述する。
【0087】
状況通知送信部337は、サーバ通信部32が対応通知を受信した場合に、サーバ通信部32を介して、対応開始通知を送信する(S112)。
【0088】
呼出端末2の変更部253は、呼出端末通信部22が対応開始通知を受信した場合に、対応開始通知に対応する呼出要求に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する(S113)。変更部253は、呼出ボタン画面510において、対応開始通知に対応する呼出要求の用件に対応する呼出ボタンを受付中呼出ボタンから対応中呼出ボタンに変更した呼出ボタン画面510の表示データを生成し、呼出端末表示部23に表示する。
【0089】
また、サーバ通信部32が対応通知を受信した場合、状況通知送信部337は、サーバ通信部32を介して、呼出通知に対応中であることを示す状況通知を複数の応答端末4のそれぞれに送信する(S114)。状況通知には、対応通知を送信した応答端末4の識別情報が含まれる。
【0090】
応答端末4の状況通知表示部455は、サーバ3から状況通知を受信した場合に、呼出通知に対応中であることを表示する(S115)。状況通知表示部455は、呼出要求画面610において、状況通知に対応する呼出要求表示オブジェクト614の対応状況を「未対応」から「対応中」に変更するとともに、対応通知を送信した応答端末4の識別情報を表示する。
【0091】
対応済み通知送信部456は、応答端末4を使用する医療従事者によって呼出通知に対応済みであることが入力された場合に、応答端末通信部42を介して、呼出通知に対応済みであることを示す対応済み通知をサーバ3に送信する(S116)。
【0092】
サーバ3の対応済み通知受信部338は、対応通知を送信した応答端末4から対応済み通知を受信した場合に、呼出要求テーブルT2において、対応済み通知に対応する呼出要求の対応状況を「対応済み」に変更する(S117)。
【0093】
続いて、対応終了通知送信部339は、サーバ通信部32を介して、呼出要求を送信した呼出端末2に、対応終了通知を送信する(S118)。
【0094】
呼出端末2の変更部253は、対応終了通知を受信した場合に、対応終了通知に対応する呼出要求に含まれる用件に対応する呼出ボタンの表示態様を変更する(S119)。変更部253は、受信した対応終了通知に対応する呼出要求の用件に対応する呼出ボタンを対応中呼出ボタンから未選択呼出ボタンに変更した呼出ボタン画面510の表示データを生成し、呼出端末表示部23に表示する。
【0095】
【0096】
まず、サーバ3の対応通知受信部336は、対応通知を受け付ける(S201)。
【0097】
対応通知を受信していない場合(S202-No)、対応通知受信部336は引き続き対応通知を受け付ける(S201)。対応通知を受信した場合(S202-Yes)、対応通知受信部336は、受信した対応通知の数を記憶する(S203)。対応通知受信部336は、呼出要求テーブルT2において、受信した対応通知に含まれる応答端末識別情報を、受信し対応通知に対応する呼出要求に関連付けて記憶する。
【0098】
続いて、対応通知受信部336は、呼出要求に含まれる用件に必要な人数と同数の対応通知を受信したか否かを判定する(S204)。対応通知受信部336は、呼出通知に関連付けて記憶された応答端末識別情報を計数する。対応通知受信部336は、用件テーブルT1において呼出通知に関連付けられた人数と、計数した応答端末識別情報の数とを比較することにより、同数の対応通知を受信したか否かを判定する。
【0099】
同数の対応通知を受信したと判定された場合(S204-Yes)、対応通知受信部336は、呼出要求テーブルT2において呼出通知に関連付けられた対応状況を「対応中」に変更し、受付処理を終了する。
【0100】
同数の対応通知を受信していないと判定された場合(S204-No)、対応通知受信部336は、サーバ通信部32を介して、受信した対応通知の数を含む第2状況通知を複数の応答端末4のそれぞれに送信し(S206)、対応通知を受け付ける(S201)。応答端末4の状況通知表示部455は、応答端末通信部42が第2状況通知を受信した場合、対応通知の数を表示する。状況通知表示部455は、対応通知を送信した応答端末識別情報の数が変更された呼出要求画面610の表示データを生成し、応答端末表示部43に表示する。
【0101】
以上説明したように、呼出システム1において、呼出端末2は、複数の用件にそれぞれ対応する複数の呼出ボタンを選択可能に表示する。これにより、呼出システムは、患者が医療従事者を呼び出す際の利便性を向上させることを可能とする。すなわち、従来の呼出システムでは、入院生活に不慣れな患者はどのようなときに医療従事者を呼び出すべきかわからず、呼び出しを躊躇することがあった。これに対し、呼出端末2があらかじめ複数の用件に対応する呼出ボタンを表示することにより、患者はそれらの用件が生じた際に医療従事者を呼び出してよいと判断することができ、呼び出しをしやすくなる。
【0102】
また、呼出システム1において、応答端末4は、呼出通知に示される用件及び識別情報を表示する。これにより、呼出システム1は、医療従事者が患者の呼び出しに対応する際の利便性を向上させることを可能とする。すなわち、医療従事者は、識別情報に基づいて呼び出しをした患者を特定できるとともに、用件に基づいて薬や水等の必要な物品を事前に準備して患者のもとに向かうことができるため、一度の訪問で用件を完了させることができ、対応が円滑になる。また、対応が円滑になることにより、患者にとっての利便性も向上する。
【0103】
また、呼出システム1において、応答端末4は、医療従事者によって呼出通知に対応することが入力された場合に、サーバ3に対応通知を送信する。また、応答端末4は、対応通知を受信したサーバ3から状況通知を受信した場合に、受信した呼出通知に対応中であることを表示する。これにより、呼出システム1は、複数の医療従事者が患者による呼び出しへの対応の状況を把握することを容易にし、医療従事者の利便性を向上する。
【0104】
また、呼出システム1において、サーバ3は、呼出要求に示される用件に関連付けられた人数と同数の応答端末4から対応通知を受信した場合に、状況通知を複数の応答端末4のそれぞれに送信する。これにより、呼出システム1は、用件に必要な人数の医療従事者を容易に確保し、呼出に円滑に対応することを可能とする。
【0105】
また、呼出システム1において、応答端末4は、対応通知を送信した応答端末4の数、又は、対応通知を送信した応答端末4の識別情報を表示する。これにより、呼出システム1は、医療従事者が他の医療従事者の対応状況を容易に把握することを可能とする。
【0106】
また、呼出システム1において、呼出端末2は、サーバ3から受付通知を受信した場合、及び、サーバ3から対応開始通知を受信した場合に、呼出ボタンの表示態様を変更する。これにより、患者は呼出要求が送信されたことを把握することができ、呼出システム1は、患者に安心感を与えることを可能とする。
【0107】
上述した説明では、呼出処理のS109及びS115において、応答端末表示部43に呼出要求画面610が表示されるものとしたが、表示される画面はこのような例に限られない。
図13は、他の呼出要求画面630の一例を示す図である。呼出要求画面630は、応答端末識別情報631、位置情報表示ボタン632、未対応呼出要求表示オブジェクト633及び対応中呼出要求表示オブジェクト634を含む。
【0108】
応答端末識別情報631は、呼出要求画面630を表示している応答端末4を識別する情報である。位置情報表示ボタン632は、位置情報画面を表示するためのオブジェクトである。未対応呼出要求表示オブジェクト633は、呼出端末2から送信された呼出要求のうち、対応状況が「未対応」である呼出要求に関する情報を表示するためのオブジェクトである。対応中呼出要求表示オブジェクト634は、呼出端末2から送信された呼出要求のうち、対応状況が「対応中」である呼出要求に関する情報を表示するためのオブジェクトである。このように、対応状況が「未対応」である呼出要求と、「対応中」である呼出要求とが同時に表示されることにより、患者からの呼び出しへの対応状況を容易に把握することができる。
【0109】
応答端末4は、あらかじめ記憶された設定、又は、応答端末4の端末種別(例えば、多機能携帯電話であるか、タブレット端末であるか)に応じて、呼出要求画面610及び630のうちの何れを表示するかを決定してもよい。例えば、医療従事者が携行する多機能携帯電話である応答端末4には呼出要求画面610が表示され、ナースステーションに常設されるタブレット端末である応答端末4には呼出要求画面630が表示されてもよい。
【0110】
上述した説明では、呼出処理のS108において、位置情報送信部335は設備及び医療従事者の位置情報を送信するものとしたが、このような例に限られない。位置情報送信部335は、S102において受信した呼出要求に含まれる用件に必要な設備の位置情報のみを複数の応答端末4のそれぞれに送信してもよい。用件に必要な設備は、用件テーブルT1において用件に関連付けられた設備である。この場合、応答端末4の呼出通知表示部453は、受信した設備の位置情報を応答端末表示部43に表示する。これにより、呼出システム1は、医療従事者が用件に必要な設備の位置情報を容易に把握することを可能とする。
【0111】
また、この場合において、位置情報送信部335は、位置情報が所定の範囲に含まれる設備の位置情報のみを複数の応答端末4のそれぞれに送信してもよい。すなわち、設備が患者の部屋にある場合、かかる設備は他の用件に使用されている可能性が高い。他方で、設備が所定の設備置場にある場合、かかる設備は使用可能である可能性が高い。そこで、位置情報送信部335は、所定の設備置場にある設備の位置情報のみを送信する。これにより、医療従事者が使用可能な設備の位置情報を容易に把握することを可能とする。
【0112】
上述した説明では、呼出処理のS107において、位置情報取得部334は検出端末5から受信した検出情報に基づいて設備及び医療従事者の位置情報を算出するものとしたが、このような例に限られない。例えば、位置情報取得部334は、設備に備え付けられ又は医療従事者に携行されるGPS(Global Positioning System)等の位置情報取得機能を有する端末から、ネットワーク6を介して直接に位置情報を取得してもよい。また、この場合において、応答端末4が位置情報取得機能を有し、サーバ3に位置情報を送信してもよい。
【0113】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した各部の処理は、本発明の範囲において、適宜に異なる順序で実行されてもよい。また、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 呼出システム
2 呼出端末
21 呼出端末記憶部
22 呼出端末通信部
23 呼出端末表示部
24 呼出端末操作部
25 呼出端末処理部
3 サーバ
31 サーバ記憶部
32 サーバ通信部
33 サーバ処理部
4 応答端末
41 応答端末記憶部
42 応答端末通信部
43 応答端末表示部
44 応答端末操作部
45 応答端末処理部