(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068805
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】UV-C LEDを用いた室内表面及び空気殺菌浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220427BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20220427BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20220427BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20220427BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20220427BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/18
A61L2/24
A61L9/20
A61L9/16 F
A61L9/14
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190679
(22)【出願日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0137297
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520450662
【氏名又は名称】エイデン ハイジーン エンタープライズ
【氏名又は名称原語表記】ADEN HYGIENE, ENT.
【住所又は居所原語表記】A-20, 3F, 194-25, Osongsaengmyeong 1-ro, Osong-eup, Heungdeok-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do 28160, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】チェ ウソン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ミョンファン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソクウ
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058BB07
4C058BB09
4C058DD11
4C058DD13
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058KK02
4C180AA07
4C180CA01
4C180CB01
4C180DD03
4C180DD09
4C180EA53X
4C180EA58X
4C180EB06X
4C180EB15X
4C180EB17X
4C180HH05
4C180HH19
4C180KK04
4C180LL04
(57)【要約】
【課題】UV-C LEDを用いた室内表面及び空気殺菌浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明は、室内殺菌浄化装置に係り、室内空間の空気に存在する微生物粒子を殺菌浄化する空間殺菌機能と、室内空間の物体表面を殺菌消毒する表面殺菌機能とを両方とも同時に行うことができて、室内空間に対する殺菌性能を向上させることができ、たとえ室内空間に存在する物体の形状及び配置状態が複雑であっても、移動上のこれといった支障なしに物体への殺菌光の近接照射が可能であり、殺菌光の死角地帯に消毒剤を自ら噴射して殺菌機能を向上させることのできる室内殺菌浄化装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間を自動的に走行するように、下部に複数のキャスターを含む駆動部と、
前記駆動部に搭載され、殺菌光を照射する複数のメイン殺菌光ランプを含み、前記メイン殺菌光ランプが消毒対象物に近接して位置するように前記メイン殺菌光ランプの配置位置が調節可能なように形成され、対象物とメイン殺菌光ランプとの間の殺菌領域にUV-Cを照射する殺菌消毒モジュールと、
前記駆動部に搭載され、空気を吸い込んで空気の内部の塵埃又は微生物粒子をろ過又は殺菌して排出する循環浄化モジュールと、
室内空間に存在する物体との距離を検知するように前記駆動部及び前記殺菌消毒モジュールに装着される距離検知センサーと、
前記距離検知センサーの検知結果に応じて、前記駆動部及び殺菌消毒モジュールの移動を動作制御する制御部と、を含み、
前記メイン殺菌光ランプは、200~280nmの波長のUV-C LEDシステム又はUV-Cランプであることを特徴とする、室内殺菌浄化装置。
【請求項2】
前記循環浄化モジュールは、前記駆動部の上部に配置され、
前記殺菌消毒モジュールは、前記循環浄化モジュールの上部及び側面の空間を包み込む形態に上下動自在に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項3】
前記循環浄化モジュールは、
前記駆動部の上部に装着され、一方の側及び他方の側に空気吸込口及び空気排出口が形成される空気浄化ケースと、
前記空気浄化ケースの内部に装着されて前記空気吸込口を介して吸い込まれた空気をろ過する空気フィルターと、
前記空気吸込口を介して吸い込まれた空気に含有されている微生物粒子を殺菌するように前記空気浄化ケースの内部空間に殺菌光を照射する空気殺菌光ランプと、
前記空気吸込口及び前記空気排出口を介して空気が吸入及び排出される空気の流れが形成されるように作動する送風ファンと、
前記空気排出口の後端に設けられた消毒剤噴射モジュールと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項4】
前記空気フィルターは、円筒状に側面から中心方向に空気が通過するように形成され、
前記空気殺菌光ランプは複数装着され、少なくとも一つは前記空気フィルターの中心部に挿入される形態に配置され、
前記空気殺菌光ランプは、200~280nmの波長のUV-C LEDシステム又はUV-Cランプであることを特徴とする、請求項3に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項5】
複数の前記空気殺菌光ランプは、それぞれ平板状のランプ基板に多数のUV-Cランプ又はUV-C LEDが装着される形態に形成されて前記空気浄化ケースの内部に装着され、
複数の前記空気殺菌光ランプのうちの少なくとも二つは、前記空気フィルターの上部に互いに上下に離れるように配置されて前記空気フィルターを通過した空気の流れをジグザグ方向に導くように形成されることを特徴とする、請求項4に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項6】
前記殺菌消毒モジュールは、
前記空気浄化ケースの上部に配置される殺菌ベースボディと、
前記殺菌ベースボディを上下動させるメイン駆動部と、
前記殺菌ベースボディの外周縁に沿って複数配置されて前記殺菌ベースボディとともに上下動し、上下方向に長く延び、外側方向に向かって殺菌光を照射できるように外側面に
発光面が形成されるメイン殺菌光ランプと、
前記殺菌ベースボディの上部、UV-C LEDシステムの上端又は前記メイン殺菌光ランプの一つの末端に設けられた消毒剤噴射モジュールと、を含み、
前記メイン駆動部及びメイン殺菌光ランプは、前記制御部により動作制御されることを特徴とする請求項2に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項7】
複数の前記メイン殺菌光ランプは、その上端が前記殺菌ベースボディに水平回転軸を中心としてそれぞれ回転可能に結合され、
前記殺菌ベースボディには複数の前記メイン殺菌光ランプを前記水平回転軸を中心としてそれぞれ独立的に回転移動させる回転駆動部が装着されて前記制御部により動作制御され、
前記メイン駆動部は、前記殺菌ベースボディを中心部の垂直回転軸を中心として回転移動させることを特徴とする、請求項6に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項8】
前記メイン殺菌光ランプは、上下方向に長く配置された状態でランプの外周面がすべて光を透過できる材質からなって360°に殺菌光をすべて照射可能であることを特徴とする、請求項7に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記循環浄化モジュールを作動させる空間殺菌モードと、前記殺菌消毒モジュールを作動させる表面殺菌モードとが同時に又はどちらか一方のみが選択的に作動するように動作制御することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記空間殺菌モードの作動状態で前記駆動部を移動させていきながら前記メイン殺菌光ランプを作動させて室内空間に存在する物体の表面に殺菌光が照射されるようにする表面殺菌モードが行われるように動作制御し、
室内空間に存在する物体の下面に対する表面殺菌モード過程において、
前記殺菌ベースボディが前記物体の下面から基準距離だけ離れた状態となるように上昇移動し、前記メイン殺菌光ランプが水平方向に回転移動して前記物体の下面に殺菌光を照射するように前記制御部により動作制御されるか、あるいは、
前記メイン殺菌光ランプが水平回転移動して殺菌光を照射中である状態で前記殺菌ベースボディが前記メイン駆動部により垂直中心軸を中心として回転するように前記制御部により動作制御されることを特徴とする、請求項9に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項11】
室内空間に存在する物体の上面に対する表面殺菌モード過程において、
前記殺菌ベースボディが前記物体の上面から一時設定距離だけ離れた状態となるように上昇移動し、この状態で前記メイン殺菌光ランプが水平方向に回転移動した後、前記殺菌ベースボディが前記物体の上面から前記一時設定距離よりも短い基準距離だけ離れた状態となるように下降移動して前記メイン殺菌光ランプによる殺菌光が前記物体の上面に照射されるように前記制御部により動作制御されることを特徴とする、請求項9に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項12】
前記消毒剤噴射モジュールは、消毒剤に応じて、微細噴霧又はスチーム噴射の方式により噴霧可能であることを特徴とする、請求項3又は6に記載の室内殺菌浄化装置。
【請求項13】
請求項1に記載のメイン殺菌光ランプ又は請求項3に記載の空気殺菌光ランプは、275nmの波長を含むピークのみを選択的に放出することを特徴とする、室内殺菌浄化装置。
【請求項14】
前記UV-C LEDシステムの一つ以上のモジュールの上に一つ以上のモスアイレンズが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の室内殺菌浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV-C LEDを用いた室内表面及び空気殺菌浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2000年以来、重症急性呼吸器症候群(SARS)、新型インフルエンザ(H1N1)、中東呼吸器症候群(MERS)と最近の新型コロナウィルス(COVID-19)など強力な感染病が発生して全世界的に伝播され、感染者数と死亡者数などが非常に多いため周期的に社会的なイッシュとなっている。各感染病の発生周期がだんだん短くなっているため、感染病の予防への関心が益々高まりつつある。関連法令である感染病予防法の適用対象が拡大され、消毒基準が強化されているため、感染病などに最も脆弱な医療機関及び療養機関の認証評価基準もまた強化されている。
【0003】
このような感染性伝染病は、大きく、飛沫感染、空気感染、接触感染などに分けられる。飛沫感染は、感染者の体液がせきなどで飛び出て他人の呼吸器に流れ込んで感染が行われることを意味し、韓国粒子エアロゾル学会資料によれば、飛沫内での微生物の生存期間は、微生物の種類によって異なるが、コロナウィルスの変種ウィルスは24時間まで生存可能であると推定する。空気感染は、飛沫核と呼ばれるウィルス粒子(5μm以下)が空気中に浮遊していて人間に吸い込まれて発生する。接触感染は、患者、保菌者、又は病原体が付いた衣服、物品などに直接的に触れて肌や粘膜で感染される。
【0004】
したがって、感染性伝染病を予防するためには、ほとんどの感染経路に対応できるように空気感染源に対する殺菌及び浄化と、空間及び物体の表面の消毒を同時に行うことのできる殺菌消毒装置が効果的であるといえる。
【0005】
最近には、各種の様々な室内空間に対する空気浄化装置及び殺菌消毒装置などが開発されているが、従来、室内殺菌浄化装置は、一般に、空気浄化機に殺菌機能を発揮する構成要素を付加する程度に開発されるか、あるいは、紫外線などの殺菌光を照射する殺菌光ランプを室内空間にかなりの時間の間に配置して室内空間を殺菌消毒する程度に非常に単純な形態に留まっている。
【0006】
このような単純な空気殺菌浄化機の場合にも、微小粒子状物質を除去して空気を浄化する機能の他に、殺菌能の効率は相対的に高くなく、塵埃を濾し出すメンブレインフィルターに空気中に存在していた微生物が濾されて特別な処理なしに感染力を失わないままで存在するという問題があり、通常の室内殺菌浄化装置は、殺菌光が照射される殺菌光ランプの近くの領域では殺菌機能の効率が相対的に高く現れるが、殺菌光ランプから遠ざかるにつれて殺菌機能の効率が急激に下がって室内空間に対する全体的な殺菌効果に乏しいという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、自律走行機能付き殺菌装置に関する技術が盛んに開発されている。下記特許文献2は、自律走行機能付き滅菌装置に関する技術を開示しているが、蛍光灯の短い寿命により頻繁な取り替えを余儀なくされ、蛍光灯の取り替え及び廃棄の過程において生じる水銀により環境汚染を引き起こし、紫外線によるオゾンの発生により大気汚染を解決することができないという問題及び微生物殺菌現況のモニターリング技術がないため十分な殺菌が成し遂げられたか否かが分からないという欠点があった。
【0008】
また、下記特許文献1には、第1のスペクトルで汚染の有無を判断し、紫外線を照射して汚染物質を殺菌した後、反射光の第2のスペクトルを得てさらなる殺菌有無を判断する
自律走行機能付き知能型自動防疫装置に関する技術が開示されているが、これは、光源の構造からみて、殺菌範囲が物体の側面に過ぎず、物体の上面及び下面などに対する殺菌を行い難い他、反射光を用いる技術であるため大気中の汚染の有無を判断することができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-2093161号
【特許文献2】中国実用新案CN209529745U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の技術の問題を解決するために案出されたものであり、その目的は、室内空間の空気に存在する微生物粒子を殺菌浄化する空間殺菌機能と、室内空間の物体の表面を殺菌消毒する表面殺菌機能とを両方とも同時に行うことができて、室内空間に対する殺菌性能を向上させることのできる室内表面及び空気殺菌浄化装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、物体の表面を殺菌消毒する表面殺菌の作動に際してメイン殺菌光ランプを物体の表面に近接移動させて殺菌光を照射したり、消毒剤噴射モジュールを介して消毒剤を噴射したりすることが可能であることから、物体に対する殺菌能を強化させることができ、たとえ室内空間に存在する物体の形状及び配置状態が複雑であるとしても、移動上のこれといった支障なしに物体に対する殺菌光の近接照射又は消毒剤噴射が可能であることから、殺菌機能を向上させることのできる室内表面及び空気殺菌浄化装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、室内空間の空気を殺菌浄化する過程において空気浄化ケースを通過する微生物粒子に対する殺菌光の露出時間を増やして空気殺菌性能をさらに向上させることのできる室内表面及び空気殺菌浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、室内空間を自動的に走行するように、下部に複数のキャスターを含む駆動部と、前記駆動部に搭載され、室内の空気を吸い込んで室内の空気に含まれている塵埃又は微生物粒子をろ過、殺菌又は浄化して排出する循環浄化モジュールと、前記駆動部に搭載され、殺菌光を照射する複数のメイン殺菌光ランプを含み、前記メイン殺菌光ランプが消毒対象物に近接して位置するように前記メイン殺菌光ランプの配置位置が調節可能なように形成され、対象物とメイン殺菌光ランプとの間の殺菌領域にUV-Cを照射する殺菌消毒モジュールと、室内空間に存在する物体との距離を検知するように前記駆動部及び前記殺菌消毒モジュールに装着される距離検知センサーと、前記距離検知センサーの検知結果に応じて、前記駆動部及び殺菌消毒モジュールを動作制御する制御部と、を含み、前記メイン殺菌光ランプは、200~280nmの波長のUV-C LED又はUV-Cランプであることを特徴とする室内殺菌浄化装置を提供する。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記メイン殺菌光ランプは、275nmの波長を含むピークのみを選択的に放出してよい。
【0015】
本発明の室内殺菌浄化装置は、遠距離空間の除菌力を保証する。光源放射部に光学レンズを適用して、光を集光させて遠距離空間殺菌を可能にする。前記光学レンズとしてはモスアイレンズ(moth eye lens)を使用可能であり、各発光ダイオード(LED)の上に一つ以上のモスアイレンズが設けられてもよく、好ましくは、一つのモスア
イレンズが設けられ、隣接するLED光源から紫外線が同時に照射される際にモスアイレンズの相互の集光作用が発生する。光学レンズを設けない場合、有効距離(Wd)が約30mmであるが、光学レンズを適用した場合は、有効距離が10倍以上に増加して遠距離殺菌能力を最大限に高める。本発明の殺菌モジュールを用いて所望の領域の光パワーを最大化したFar UV-C殺菌装置に適用可能である。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記循環浄化モジュールは、前記駆動部の上部に配置され、前記殺菌消毒モジュールは、前記循環浄化モジュールの上部及び側面の空間を包み込む形態に上下動自在に配置されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記循環浄化モジュールは、前記駆動部の上部に装着され、一方の側及び他方の側に空気吸込口及び空気排出口が形成される空気浄化ケースと、前記空気浄化ケースの内部に装着されて前記空気吸込口を介して吸い込まれた空気をフィルタリングする空気フィルターと、前記空気吸込口を介して吸い込まれた空気に含有されている微生物粒子を殺菌するように前記空気浄化ケースの内部空間に殺菌光を照射する空気殺菌光ランプと、前記空気吸込口に吸い込まれ、かつ、空気排出口から排出される空気の流れが形成されるように作動する送風ファンと、を含んでもよく、前記メイン殺菌光ランプは、200~280nmの波長のUV-C LED又はUV-Cランプであってもよい。
【0018】
従来、UV-C LEDがチップの形で挿入された小型家電製品は、広く市販されているが、UV-C LEDチップの高発熱性のために、表面、空間殺菌用大型製品には使用されていないのが現状である。本発明では、UV-C LEDチップの高発熱性の問題を解決することで、表面、空間殺菌用大型製品に搭載して高い殺菌能を保証する。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記空気フィルターは、円筒状に側面から中心方向に空気が通過するように形成され、前記空気殺菌光ランプは複数装着され、少なくとも一つは前記空気フィルターの中心部に挿入される形態に配置されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、複数の前記空気殺菌光ランプは、それぞれ平板状のランプ基板に多数のUV-Cランプ又はUV-C LEDが装着される形態に形成されて前記空気浄化ケースの内部に装着され、複数の前記空気殺菌光ランプのうちの少なくとも二つは、前記空気フィルターの上部に互いに上下に離れるように配置されて前記空気フィルターを通過した空気の流れをジグザグ方向に導くように形成されてもよい
本発明の一実施形態において、前記殺菌消毒モジュールは、前記空気浄化ケースの上部に配置される殺菌ベースボディと、前記殺菌ベースボディを上下動させるメイン駆動部と、前記殺菌ベースボディの外周縁に沿って複数配置されて前記殺菌ベースボディとともに上下動し、上下方向に長く延び、外側方向に向かって殺菌光を照射できるように外側面に発光面が形成されるメイン殺菌光ランプと、を含み、前記メイン駆動部及びメイン殺菌光ランプは、前記制御部により動作制御されてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態において、複数の前記メイン殺菌光ランプは、その上端が前記殺菌ベースボディに水平回転軸を中心としてそれぞれ回転可能に結合され、前記殺菌ベースボディには複数の前記メイン殺菌光ランプを前記水平回転軸を中心としてそれぞれ独立的に回転移動させる回転駆動部が装着されて前記制御部により動作制御されてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記メイン駆動部は、前記殺菌ベースボディを中心部の垂直回転軸を中心として回転移動させてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記メイン殺菌光ランプは、上下方向に長く配置された
状態で、外側方向及び内側中心方向にそれぞれ殺菌光を照射できるように外側面及び内側面にそれぞれ発光面が形成されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記メイン殺菌光ランプは、上下方向に長く配置された状態でランプの外周面がすべて光を透過できる材質からなって360°に殺菌光をすべて照射可能なものであってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記循環浄化モジュールを作動させる空間殺菌モードと、前記殺菌消毒モジュールを作動させる表面殺菌モードとが同時に又はどちらか一方のみが選択的に作動するように動作制御されてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、室内空間において前記空間殺菌モードが連続して行われるように動作制御し、前記空間殺菌モードの作動状態で前記駆動部を移動させていきながら前記メイン殺菌光ランプを作動させて室内空間に存在する物体の表面に殺菌光が照射されるようにする表面殺菌モードが行われるように動作制御されてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記循環浄化モジュールを作動させる空間殺菌モードが連続して行われるように動作制御し、前記空間殺菌モードの作動状態で前記駆動部を移動させていきながら前記メイン殺菌光ランプを作動させて室内空間に存在する物体の表面に殺菌光が照射されるようにする表面殺菌モードが行われるように動作制御し、室内空間に存在する物体の下面に対する表面殺菌モード過程において、前記殺菌ベースボディが前記物体の下面から基準距離だけ離れた状態となるように上昇移動し、前記メイン殺菌光ランプが水平方向に回転移動して前記物体の下面に殺菌光を照射するように前記制御部により動作制御されてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態において、室内空間に存在する物体の下面に対する表面殺菌モード過程において、前記メイン殺菌光ランプが水平回転移動して殺菌光を照射中である状態で前記殺菌ベースボディが前記メイン駆動部により垂直中心軸を中心として回転するように前記制御部により動作制御されてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態において、室内空間に存在する物体の上面に対する表面殺菌モード過程において、前記殺菌ベースボディが前記物体の上面から一時設定距離だけ離れた状態となるように上昇移動し、この状態で前記メイン殺菌光ランプが水平方向に回転移動した後、前記殺菌ベースボディが前記物体の上面から前記一時設定距離よりも短い基準距離だけ離れた状態となるように下降移動して前記メイン殺菌光ランプによる殺菌光が前記物体の上面に照射されるように前記制御部により動作制御されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態において、前記循環浄化モジュールは、前記空気排出口の後端に設けられた消毒剤噴射モジュールをさらに含んでいてもよい。
【0031】
本発明の一実施形態において、前記殺菌消毒モジュールは、前記殺菌ベースボディの上部に設けられた消毒剤噴射モジュールをさらに含んでいてもよく、前記メイン殺菌光ランプの一つの末端に設けられた消毒剤噴射モジュールをさらに含んでいてもよい。UV-C
LEDを用いた室内表面または空間殺菌装置の場合、LEDの光の届かない死角地帯が発生することがあり、当該区域の微生物を死滅させる殺菌が困難であるため、消毒剤を微細噴霧又はスチーム噴射する方式のモジュールを搭載することにより死角地帯が発生しないように補完する。
【0032】
本発明の一実施形態において、前記消毒剤噴射モジュールは、消毒剤に応じて、微細噴霧又はスチーム噴射の方式により噴霧されてもよい。噴霧粒子のサイズが大きい場合、む
しろ微生物が増殖する環境を造成する可能性があるので、液滴を形成しない噴霧形態で微細噴霧又はスチーム噴射の方式などを採用してもよい。
【0033】
本発明の消毒剤としては、化学的毒性や副作用などが報告されていない、人体などに安全な噴霧剤を使用し、前記消毒剤は、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、陽イオン界面活性剤、クロルヘキシジン、過酸化水素、塩化ベンザルコニウムからなる群より選択されるいずれか一つ以上であってもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、室内空間の空気に存在する微生物粒子を殺菌浄化する空間殺菌機能と、室内空間の物体の表面を殺菌消毒する表面殺菌機能とを両方とも同時に行うことができて、室内空間に対する殺菌性能を向上させることができるという効果がある。
【0035】
また、物体の表面を殺菌消毒する表面殺菌の作動に際してメイン殺菌光ランプを物体の表面に近接移動させて殺菌光を照射することにより、物体に対する殺菌能を強化させることができ、たとえ室内空間に存在する物体の形状及び配置状態が複雑であるとしても、移動上のこれといった支障なしに物体に対する殺菌光の近接照射が可能であることから、殺菌機能を向上させることができるという効果がある。
【0036】
さらに、室内空間の空気を殺菌浄化する過程において空気浄化ケースを通過する微生物粒子に対する殺菌光の露出時間を増やして空気殺菌性能をさらに向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の外形を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の構成を概念的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の自動移動状態を例示的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る循環浄化モジュールの内部構造を概念的に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの作動構造を概念的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの物体の下面に対する殺菌消毒動作状態を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの物体の上面に対する殺菌消毒動作状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付するに当たって、同じ構成要素に対しては、たとえ異なる図面の上に示されているとしても、できる限り同じ符号を付してある。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の外形を概略的に示す斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の構成を概念的に示す図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置の自動移動状態を例示的に示す図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係る循環浄化モジュールの内部構造を概念的に示す図である。
【0040】
本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置は、室内空間に対する空気浄化機能である空間殺菌機能と、室内空間の表面に対する殺菌消毒機能である表面殺菌機能とを同時に行うことができる装置であって、駆動部100と、循環浄化モジュール200と、殺菌消毒モジュール300と、距離検知センサー400と、制御部500と、を含んでなる。
【0041】
駆動部100は、室内空間を自動走行できる移動体であって、使用者の運転操作なしにも自ら障害物などを検知して自動走行できるように構成される。下部には移動のためのキャスター(脚輪)120が装着されてもよく、一側には使用者の作動操作などのためのボタン及びディスプレイのための操作表示部110が装着されてもよい。
【0042】
また、駆動部100には、キャスター120を作動させるための駆動部(図示せず)など自動走行のための様々な部品が装着されてもよく、特に、室内空間に存在する物体20との距離を検知するように複数の距離検知センサー400が装着されてもよい。制御部500は、距離検知センサー400の検知結果に基づいて、駆動部100の移動経路を算出することができ、駆動部100が室内空間10の物体20などの障害物にぶつかることなく移動するように動作制御することができる。
【0043】
このような駆動部100は、様々な産業分野において広く用いられているため、これについての詳細な説明は省略する。
【0044】
循環浄化モジュール200は、駆動部100に搭載されて駆動部100とともに移動し、室内の空気を吸い込んで室内の空気に含有されている微細粒子及び微生物粒子を殺菌浄化するように構成される。
【0045】
殺菌消毒モジュール300は、駆動部100に搭載されて駆動部100とともに移動し、殺菌光を照射する複数のメイン殺菌光ランプ310を含んでなる。このとき、メイン殺菌光ランプ310が消毒対象物体20に近接して位置するようにメイン殺菌光ランプ310の配置位置調節可能に形成される。殺菌消毒モジュール300にも距離検知センサー400が装着されてもよく、制御部500は、距離検知センサー400の検知結果に基づいて、メイン殺菌光ランプ310の消毒対象物体20への近接移動距離を調節することができる。
【0046】
一方、制御部500は、室内空間10において循環浄化モジュール200を作動させて空気を浄化する空間殺菌モードと、殺菌消毒モジュール300を作動させて物体20の表面に対する殺菌消毒作業を行う表面殺菌モードとが同時に又はどちらか一方のみ選択的に作動するように動作制御することができる。
【0047】
このような構成により、本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置30は、循環浄化モジュール200を用いた空間殺菌モードと、殺菌消毒モジュール300を用いた表面殺菌モードを同時に行って室内空間10に対する空間殺菌及び表面殺菌を同時に行うことができる。
【0048】
より具体的には、循環浄化モジュール200を連続的に作動させて空間殺菌モードが連続して行われるようにするとともに、空間殺菌モードの作動状態で駆動部100を移動させていきながらメイン殺菌光ランプ310を作動させて室内空間10に存在する物体20の表面に殺菌光が照射されるようにする表面殺菌モードが行われるようにすることができる。このとき、表面殺菌モードでは、メイン殺菌光ランプ310を消毒対象物体20の表面に近接移動させて殺菌光を消毒対象物体20の表面に近接して照射することにより、物体の表面に対する殺菌消毒効果を向上させることができる。
【0049】
例えば、
図3に示すように、室内空間10に複数の物体20が存在する場合、本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置30は、距離検知センサー400などを用いて物体20を検知し、検知結果に基づいて、制御部500は駆動部100の移動経路を算出して、
図3に矢印にて示すように、当該移動経路に沿って物体20に近接して位置するように室内空間10の全体の領域を移動することができる。
【0050】
このように、室内殺菌浄化装置30が室内空間10の全体の領域をすべて移動することにより、メイン殺菌光ランプ310の殺菌光が室内空間10のすべての物体20に対して近接照射されるので、物体20の表面に対する殺菌消毒機能が漏れなく完璧に行われる。
【0051】
一方、循環浄化モジュール200は、
図1及び
図2に示すように、駆動部100の上部に配置され、殺菌消毒モジュール300は、空気殺菌浄化モジュール200の上部及び側面空間を包み込む形態に上下動自在に配置され得る。
【0052】
まず、本発明の一実施形態に係る循環浄化モジュール200の構成についてさらに詳しく説明する。
【0053】
循環浄化モジュール200は、
図2及び
図4に示すように、駆動部100の上部に装着され、一側及び他側に空気吸込口211及び空気排出口212が形成される空気浄化ケース210と、空気浄化ケース210の内部に装着されて空気吸込口211を介して吸い込まれた空気をフィルタリングする空気フィルター220と、空気吸込口211を介して吸い込まれた空気に含有されている微生物粒子を殺菌するように空気浄化ケース210の内部空間に殺菌光を照射する空気殺菌光ランプ230と、空気吸込口211に吸い込まれ、かつ、空気排出口212から排出される空気の流れが形成されるように作動する送風ファン240と、を含んで構成できる。送風ファン240及び空気殺菌光ランプ230は、制御部500により動作制御される。
【0054】
空気吸込口211は、空気浄化ケース210の下端部の側面に形成され、空気排出口212は、空気浄化ケース210の上端部に形成されることにより、外部の空気が空気浄化ケース210の下端部の側面を介して内部空間に流れ込んでフィルタリングされた後、上端部を介して外部に排出されることが可能である。
【0055】
このとき、空気フィルター220としては、微小粒子状物質及び微生物粒子をすべてフィルタリングできるフィルターが採用可能であり、円筒状に側面から中心方向に空気が通過するように形成されてもよい。
【0056】
空気殺菌光ランプ230は、空気フィルター220においてフィルタリングされた微生物粒子及び空気フィルター220においてフィルタリングされなかった微生物粒子を空気浄化ケース210の内部においてすべて殺菌できるように複数備えられてもよいが、少なくとも一つは、空気フィルター220の中心部に挿入される形態に、空気フィルター220に向かって殺菌光を照射するように配置されてもよい。残りの複数の空気殺菌光ランプ230は、空気フィルター220の上部に配置されて空気フィルター220を通過した微生物粒子を殺菌するように配置されてもよい。
【0057】
このような空気殺菌光ランプ230は、
図4に示すように、平板状のランプ基板231に紫外線(UV)を照射できる多数のUV LED232が装着される形態に形成されてもよく、空気フィルター220の上部に配置される複数の空気殺菌光ランプ230は、空気フィルター220の上部に互いに上下に離れるように配置されて空気フィルター220を通過した空気の流れをジグザグ方向に導くように形成されてもよい。
【0058】
このために、複数の空気殺菌光ランプ230は、空気浄化ケース210の内部に上下方向に互いにずれるように配置されてもよい。
【0059】
このような構造により、空気フィルター220においてフィルタリングされた微生物粒子は、空気フィルター220の中心部に挿入配置された空気殺菌光ランプ230により殺菌処理され、空気フィルター220を通過した微生物粒子は、複数の空気殺菌光ランプ230により、
図4に示すように、上向きジグザグ方向に流れるため、空気浄化ケース210の内部に留まる時間が長引き、これにより、空気殺菌光ランプ230により照射される殺菌光露出時間が増加して殺菌機能が向上する。
【0060】
次いで、本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュール300の構成について、主として
図5から
図7に基づいてさらに詳しく説明する。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの作動構造を概念的に示す図であり、
図6は、本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの物体の下面に対する殺菌消毒動作状態を概略的に示す図であり、
図7は、本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュールの物体の上面に対する殺菌消毒動作状態を概略的に示す図である。
【0062】
本発明の一実施形態に係る殺菌消毒モジュール300は、空気浄化ケース210の上部に配置される殺菌ベースボディ320と、殺菌ベースボディ320を上下動させるメイン駆動部330と、殺菌ベースボディ320の外周縁に沿って複数配置されて殺菌ベースボディ320とともに上下動しながら上下方向に長く延び、外側方向に向かって殺菌光を照射できるように外側面に発光面が形成されるメイン殺菌光ランプ310と、を含んでなる。メイン駆動部330及びメイン殺菌光ランプ310は、制御部500により動作制御される。
【0063】
メイン殺菌光ランプ310は、その上端が殺菌ベースボディ320に水平回転軸340を中心としてそれぞれ回転可能に結合され、殺菌ベースボディ320には、複数のメイン殺菌光ランプ310を水平回転軸340を中心としてそれぞれ独立的に回転移動させる回転駆動部360が装着されて、制御部500により動作制御される。
【0064】
また、メイン駆動部330は、殺菌ベースボディ320を上下動させるだけではなく、殺菌ベースボディ320を中心部の垂直回転軸350を中心として回転移動させるように構成されてもよい。
【0065】
このとき、メイン殺菌光ランプ310は、上下方向に長く配置された状態で、外側方向及び内側中心方向にそれぞれ殺菌光を照射できるように外側面及び内側面にそれぞれ発光面が形成されてもよい。例えば、
図5に拡大図にて示すように、中心部に上下方向に長く形成されたランプ基板311が配置され、ランプ基板311の両面にそれぞれ紫外線(UV)を照射できる多数のUV LED312が装着され、外部にはこれを保護できる透明カバー313が装着される形態に形成されてもよい。
【0066】
このような構成により、メイン殺菌光ランプ310は、殺菌ベースボディ320の外周面に沿って円周方向に互いに離れるように複数配置され、それぞれのメイン殺菌光ランプ310は、内側中心方向及び外側方向に向かって殺菌光を照射することができる。
【0067】
メイン殺菌光ランプ310が、外側方向だけではなく、内側中心方向にも殺菌光を照射することができるため、メイン殺菌光ランプ310の内側中心方向に配置された循環浄化モジュール200の空気殺菌機能を行うように構成されてもよい。
【0068】
メイン殺菌光ランプ310は、ランプの外周面がすべて光を透過できる材質からなって、360°に殺菌光をすべて照射可能なものであってもよい。
【0069】
例えば、循環浄化モジュール200の空気浄化ケース210を透明材質から形成し、空気浄化ケース210の内部空間に殺菌光を照射する空気殺菌光ランプ230を別途に備えることなく、殺菌消毒モジュール300のメイン殺菌光ランプ310を介して空気浄化ケース210の内部空間に殺菌光を照射するようにしてもよい。この場合、メイン殺菌光ランプ310の外側方向の殺菌光は、物体の表面に対する殺菌消毒機能を行い、内側方向の殺菌光は、空気浄化ケース210を通過する微生物粒子に対する殺菌消毒機能を行う。
【0070】
このように、メイン殺菌光ランプ310の殺菌光が外側方向及び内側方向の両方ともに照射されるように構成されても、前述した空気殺菌光ランプ230が空気浄化ケース210の内部に別途に装着されてもよいことはいうまでもない。
【0071】
本発明の一実施形態に係る室内殺菌浄化装置30は、前述したように、空間殺菌モードと表面殺菌モードが同時に行われてもよいが、物体20の表面に対する表面殺菌モード過程において、物体20の表面に近接した位置から、メイン殺菌光ランプ310を介して殺菌光を照射するように構成される。
【0072】
例えば、室内空間に存在する消毒対象物体20の下面に対する表面殺菌モード過程において、
図6の(a)及び(b)に示すように、殺菌ベースボディ320が物体20の下面から基準距離dだけ離れた状態となるように上昇移動し、この状態で、
図6の(c)に示すように、メイン殺菌光ランプ310が回転駆動部360により水平回転軸340を中心として水平方向に回転移動して物体20の下面に殺菌光を照射するように制御部500により動作制御されてもよい。このとき、メイン殺菌光ランプ310は、複数がいずれも水平回転してもよく、一部のみが選択的に水平回転してもよいなど、消毒対象物体20の空間配置状態に応じて種々に調節可能である。
【0073】
さらに、この状態で、殺菌ベースボディ320がメイン駆動部330により垂直中心軸350を中心として回転するように制御部500により動作制御されてもよい。
【0074】
このような殺菌消毒モジュール300の作動状態に応じて、物体20の下面に基準距離dだけ近づいた状態で殺菌光を照射することができて、物体20の下面に対する殺菌消毒機能が向上し、これとともに、メイン殺菌光ランプ310が垂直中心軸350を中心として回転することにより、相対的に広い領域にわたって同時に殺菌光を照射することができて、殺菌消毒時間を短縮することができる。
【0075】
一方、室内空間に存在する消毒対象物体20の上面に対する表面殺菌モード過程において、
図7の(a)に示すように、殺菌ベースボディ320が物体20の上面から一時設定距離d1だけ離れた状態となるように上昇移動し、この状態で、メイン殺菌光ランプ310が水平方向に回転移動した後、
図7の(b)に示すように、殺菌ベースボディ320が物体20の上面から一時設定距離d1よりも短い基準距離dだけ離れた状態となるように下降移動してメイン殺菌光ランプ310による殺菌光が物体20の上面に近接照射されるように制御部500により動作制御されてもよい。
【0076】
このとき、メイン殺菌光ランプ310は、複数がいずれも水平回転移動してもよいが、
図7に示すように、一部のみが水平回転移動した状態で、物体20の上面に近接して移動してもよく、この状態で、駆動部100が移動して物体20の上面の全体の領域に殺菌光を照射するように制御されてもよい。
【0077】
このような様々な制御方式を通じて、たとえ室内空間の物体20の形状及び配置状態が複雑であっても、移動上のこれといった支障なしに物体20の上面及び下面への殺菌光の近接照射を行うことができるので、殺菌機能を向上させることができる。
【0078】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を外れない範囲内で様々な修正および変形が可能であるだろう。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0079】
100 駆動部
200 循環浄化モジュール
210 空気浄化ケース
211 空気吸込口
212 空気排出口
220 空気フィルター
230 空気殺菌光ランプ
240 送風ファン
300 殺菌消毒モジュール
310 メイン殺菌光ランプ
320 殺菌ベースボディ
330 メイン駆動部
340 水平回転軸
350 垂直回転軸
360 回転駆動部
370 消毒剤噴射モジュール
400 距離検知センサー
500 制御部