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特開2022-68819管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068819
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/06 20060101AFI20220427BHJP
   B01D 17/00 20060101ALI20220427BHJP
   B01D 17/025 20060101ALI20220427BHJP
   B01D 17/028 20060101ALI20220427BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
B01D17/06 502B
B01D17/00 503B
B01D17/025 504
B01D17/028 E
B01D19/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049137
(22)【出願日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】202011135729.1
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 新福
(72)【発明者】
【氏名】李 清平
(72)【発明者】
【氏名】王 優強
(72)【発明者】
【氏名】劉 春花
(72)【発明者】
【氏名】▲はお▼ 忠献
(72)【発明者】
【氏名】劉 峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 基
(72)【発明者】
【氏名】于 広海
(72)【発明者】
【氏名】呉 暁明
(72)【発明者】
【氏名】王 筱磊
【テーマコード(参考)】
4D011
【Fターム(参考)】
4D011AA02
4D011AA16
4D011AB10
4D011AC01
4D011AC04
4D011AC06
4D011AD01
4D011AD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】含ガス含水原油の効率的な分離に適用される、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置を提供する。
【解決手段】第1段の脱気器1は、第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業を実施し、含ガス含水原油のガス及び水の一部を除去して1段原油とし、第2段の脱気器2は、第2段の仰角式高効率脱気作業を実施し、1段原油の残りのガスを除去して2段原油とし、棒状電極4は高周波高電圧動的電界を構成し、仰角脱水器とともに第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を実施し、原油乳化液の残りの水を除去して合格の原油とし、排油器3は合格の原油を均一な流れに調整するとともに、排水器6は2段汚水について流動方向を調整して安定した流れに整合することで渦巻の発生を防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置であって、
第1段の脱気器、第2段の脱気器、排油器、棒状電極、仰角脱水器、及び排水器を含み、前記第1段の脱気器は上排液管と下排液管を含み、前記第2段の脱気器は上給液管と下給液管を含み、前記仰角脱水器は混流管を含み、前記棒状電極は同心円式層状かごアレイ型を用い、高周波高電圧動的電界を構成し、電極エンドカバー、高電圧絶縁複合電極、及び接地裸電極を含み、
前記第1段の脱気器と第2段の脱気器は、上排液管と下排液管及び上給液管と下給液管を介して一体に接続され、全体として略H字形を呈し、第2段の脱気器は、混流管を介して仰角脱水器に接続され、全体として略Y字形を呈し、排油器と排水器はフランジを介してそれぞれ仰角脱水器の上端と底端に固定され、棒状電極は電極エンドカバーを介して仰角脱水器に接続され、高電圧絶縁複合電極と接地裸電極は仰角脱水器に内蔵される、ことを特徴とする管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項2】
前記第1段の脱気器は、台形継ぎ目付きテーパ管、衝突オーバーフロープレート、柱状緩衝管、1段排水管、及び1段排気管をさらに含み、
台形継ぎ目付きテーパ管は連通式変径細径管を用い、柱状緩衝管と同軸心に配設され、柱状緩衝管に固定して接続され、1段直管段と1段テーパ管段を組み合わせたものであり、1段テーパ管段の管壁には周方向に均等に分布している台形継ぎ目が設けられ、衝突オーバーフロープレートは、円周溶接により柱状緩衝管の管壁に固定され、衝突オーバーフロープレートの上部鋼板において柱状緩衝管の周方向に沿って均等に配列されているオーバーフロー孔が開けられ、柱状緩衝管は、両端が密閉された太い長管を用い、傾斜して配設され、衝突オーバーフロープレートにより衝突脱気内腔と緩衝脱水内腔との2つの内腔に分割され、1段排気管は衝突脱気内腔の中央部に位置し、上排液管及び下排液管はそれぞれ緩衝脱水内腔の上部と中央部に位置し、1段排水管は柱状緩衝管の底部に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項3】
前記第2段の脱気器は、傾斜式脱気管と2段排気管をさらに含み、
傾斜式脱気管は、上端が密閉された太い長管を用い、傾斜して配設され、その軸方向に沿って上から下へ2段脱気内腔、2段給液内腔及び2段排液内腔の3つの内腔に順次分けられ、2段排気管は、2段脱気内腔の最上部に位置し、縦方向に上向きに配設され、上給液管と下給液管は傾斜式脱気管の2段給液内腔の両側に位置し、縦方向に下向きに配設される、ことを特徴とする請求項2に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項4】
前記棒状電極は、端子柱と環状仕切り板をさらに含み、
端子柱の多分岐銅製丸管の各分岐管が銅製本体丸管に集まり、高電圧ケーブルに接続され、高電圧絶縁複合電極と接地裸電極はいずれも径方向に等間隔で積層配列され、各層が同軸心に交差して配設され、接地裸電極は銅製長い裸丸棒を用い、高電圧絶縁複合電極は高電圧電極棒と絶縁コーティングを複合したものであり、高電圧電極棒は外部に絶縁コーティングが塗布された長い銅製丸棒を用い、非金属材質の絶縁ナットを介して端子柱に接続され、絶縁コーティングの上部には円錐状クランプが設けられ、高電圧絶縁複合電極を軸方向に位置決めし、円錐状クランプの先端には電極エンドカバーの円形穴にはめ込まれた絶縁ブッシュが配置され、絶縁コーティングの下部には円筒形スナップリングが設けられ、高電圧電極環状板を軸方向に位置決めし、絶縁コーティングの底端には電極位置決め端が設けられ、接地裸電極は、一端が電極エンドカバーの各止まりネジ孔と嵌合し、他端が締まり嵌めにより接地電極環状板に接続され、電極エンドカバーは、高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極の母板として機能し、環状仕切り板は高電圧電極環状板及び接地電極環状板を含み、高電圧電極環状板及び接地電極環状板は径方向に順次同軸心に複数配列され、それぞれには周方向に均等に分布している高電圧電極円形孔及び接地電極円形孔が設けられ、高電圧電極環状板及び接地電極環状板の層ごとに環状流路が形成され、径方向の外部環形面及び内部環形面の両方にアーチ形孔付き流路が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項5】
前記仰角脱水器は、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、傾斜式沈降管、薬剤管、及び油排出管をさらに含み、
傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管及び傾斜式沈降管は、上から下へ同軸心に傾斜して配設され、傾斜式脱気管と逆方向に交差して配設され、傾斜式電気脱水管には高電圧絶縁複合電極と接地裸電極が内蔵されてかごアレイ型電気脱水領域が形成され、傾斜式給液管と2段排液内腔とが連通して乳化液緩衝領域が形成され、傾斜式沈降管と排水器とが連通して仰角沈降領域が形成され、混流管は、太くて長い等径エルボを用い、入口排液管段、原油方向変更管段及び出口混流管段の3つの部分からなり、薬剤管は等径細径直管を用い、油排出管は等径短直管を用いる、ことを特徴とする請求項4に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項6】
前記排油器は、原油吐出管、流体安定化ロッド及び流体安定化羽根車を含み、原油吐出管及び油排出管のフランジを介して仰角脱水器に一体に接続され、
原油吐出管の入口管段には流体安定化羽根車と流体安定化ロッドが嵌め込まれ、その出口管段が水平に配置され、流体安定化羽根車は締まり嵌めにより軸方向に固定され、流体安定化ロッドの外環形面に均等に配設された流体安定化羽根からなり、流体安定化羽根がフィン式構造を用い、流体安定化ロッドの両端面はいずれも円錐面を用いる、ことを特徴とする請求項5に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項7】
前記排水器は、2段排水管、変径給液管、渦巻き防止棒、及び渦巻き防止羽根車を含み、変径給液管及び傾斜式沈降管のフランジを介して仰角脱水器に一体に接続され、
2段排水管は変径給液管の流体安定化直管段に同軸心に配設され、変径給液管は断面可変エルボを用い、変径圧力調整管段、排水エルボ段及び流体安定化直管段を組み合わせたものであり、変径圧力調整管段は変径給液管と2段排水管との間の流動圧力を調整し、渦巻き防止棒の両端面はいずれも円錐面が使用され、渦巻き防止羽根車は、渦巻き防止棒の外環形面に均等に配設された渦巻き防止羽根からなり、締まり嵌めにより軸方向に固定され、渦巻き防止羽根は、螺旋羽根式構造を用い、その輪郭ラインの位置する螺旋ラインのピッチが渦巻き防止棒の軸方向に徐々に増大している、ことを特徴とする請求項6に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項8】
台形継ぎ目付きテーパ管の1段直管段は、含ガス含水原油が第1段の脱気器に入る入口通路として機能し、台形継ぎ目付きテーパ管の各台形継ぎ目がその長手方向に沿って台形継ぎ目付きテーパ管の軸線に平行に保持され、各台形継ぎ目が台形継ぎ目付きテーパ管の径方向において内部から外部に向かうに従って太くなり、含ガス含水原油の一部が台形継ぎ目付きテーパ管の各台形継ぎ目を経て柱状緩衝管の衝突脱気内腔に流れ、
前記柱状緩衝管の衝突脱気内腔は、台形継ぎ目付きテーパ管及び1段排気管のそれぞれと連通し、柱状緩衝管の緩衝脱水内腔は、上排液管、下排液管及び1段排水管と連通する、ことを特徴とする請求項7に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項9】
第1段の脱気器の衝突オーバーフロープレートはアーチ状曲面鋼板を用い、衝突オーバーフロープレートの上部鋼板が柱状緩衝管の径方向において扇形となり、その下部鋼板が柱状緩衝管の軸方向において半円形となり、衝突オーバーフロープレートのオーバーフロー孔として円形流路が使用され、台形継ぎ目付きテーパ管の1段テーパ管段の大径端の円形面の半径が衝突オーバーフロープレートの上部鋼板の柱状緩衝管の径方向における高さよりも小さい、ことを特徴とする請求項7に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【請求項10】
前記2段排水管は、細長い等径直管を用い、渦巻き防止棒及び渦巻き防止羽根車の一方側を内蔵しており、変径給液管の変径圧力調整管段の内外管壁はいずれも円錐面が使用され、流体安定化直管段は水平に配設され、渦巻き防止棒及び渦巻き防止羽根車の他方側がその内部に嵌め込まれ、渦巻き防止棒は短細径棒を用い、渦巻き防止羽根が渦巻き防止棒の径方向に沿う内側端に溶接されることにより渦巻き防止羽根車と渦巻き防止棒が固定され、渦巻き防止羽根車の渦巻き防止棒の径方向における外環形面に沿って位置する柱面と流体安定化直管段の管壁との間に締まり嵌めを採用し、渦巻き防止羽根車の外環形面の位置する柱面と2段排水管の管壁との間に隙間嵌めを採用し、渦巻き防止羽根の輪郭ラインは渦巻き防止棒の外環形面に展開する螺旋ラインであり、渦巻き防止羽根の輪郭ラインの位置する螺旋ラインの両端点での接線はいずれも渦巻き防止棒の軸線に平行に保持される、ことを特徴とする請求項7に記載の管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油ガス田の開発及び採掘工事分野における効率的な分離装置に関し、特に、複数のT字形管を組み合わせた管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、陸上の油ガス田の開発は中後期の段階に入っており、中国の原油産量の増加分が主にオフショア石油ガス由来であり、オフショア石油ガス井戸の採出液は通常、電動水中ポンプによりプラットホームに掬い上げられて石油/ガス/水三相分離を行う。オフショア石油ガスの開発に使用される脱気脱水器には、構造がシンプルであり、体積が小さく、重量が小さく、分離効率が高く、安全性及び信頼性が高いなどの特徴が必要とされ、また、さまざまな多相流動状態に適用でき、スラグによる深刻な干渉を抑制し、原油乳化液を効率よく処理する能力が必要である。
【0003】
石油/ガス/水三相分離技術について中国の国内外で研究した結果から分かるように、組み合わせ式横型脱気脱水器は最も広く使用されており、その作動原理は、従来の重力沈降分離器内に石油/ガス/水三相分離に有利な内部部品を取り付け、その入口部品で採出液内のガスを予備分離し、整流部品で油液の波動や干渉を低減させる。凝集部品には主に凝集フィラーが使用され、石油/水二相と凝集材料の表面との潤湿作用の相違を利用して、離散相としての小粒径油滴を凝集部品の表面に絶えず付着させ、油滴粒径を徐々に大きくし、それにより、採出液の脱水工程を加速し、また、設計された渦巻き防止カバー、デミスター、分液器などの内部部品により各種の分離技術を有機的に組み合わせて、構造を最適化させ、それにより、石油/ガス/水三相分離性能を高める目的を達成させる。国外では水粒子の凝集成長と重力沈降との2つの過程を分離する脱水手段、即ち、コンパクト型原油脱水技術が提案されており、製品の代表例として、米国のFMC Technologies社製のインラインエレクトロコアレッサー(In Line Electro Coal escer)、ノルウェーのKvaerner Process Systems社製のコンパクト静電コアレッサ(Compact Electrostatic Coalescer)などがある。このような技術には、コンパクト型脱水タンクが通常横型とされ、電界中に凝集して多くなる水粒子が剪断作用により再度破裂する恐れがあり、後続の重力沈降などの分離過程や分離効果に悪影響を与えるという欠陥がある。さらに、中国国内では、中国国内のごく少数の科学研究機関はここ数年、高効率コンパクト石油/ガス/水三相分離技術に注目し始め、その中でも、コンパクト型脱気脱水設備や技術についての研究はまだ試験段階である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の油ガス田の開発及び採掘工事に使用される組み合わせ式横型原油脱気脱水処理施設に存在する欠陥及び欠点を解決し、中国国内のコンパクト型原油高効率脱気脱水分離技術がまだ試験段階にあるという研究の現状を改善するために、本発明の目的は、油ガス田の開発及び採掘工事の分野に適している含ガス含水原油の効率的な分離用の、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置を提供することである。該3段脱気脱水装置は、縦型、横型及び仰角式のT字形管を組み合わせた管路網式の3段脱気脱水技術及び棒状電極からなるかごアレイ型高周波高電圧動的電界脱水技術を用い、第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業、第2段の仰角式高効率脱気作業、及び第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を順次実施し、それにより、石油/ガス/水三相を効率よく分離することができ、油中の含水率及びガス含有率が低く、水中の含油率が低いなどの特徴を有し、含ガス含水原油の効率的な分離という問題を効果的に解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明がその技術的課題を解決するために使用される技術的解決手段は、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置を開発することであり、この脱気脱水装置は、主に第1段の脱気器、第2段の脱気器、仰角脱水器、棒状電極、排油器、及び排水器からなり、第1段の脱気器、第2段の脱気器、及び仰角脱水器の本体部品の材質がすべて超二相ステンレス鋼を用い、第1段の脱気器と第2段の脱気器は、上排液管と下排液管及び上給液管と下給液管を介して一体に接続され、全体として略H字形を呈し、第2段の脱気器は、混流管を介して仰角脱水器に接続され、全体として略Y字形を呈し、排油器と排水器はフランジを介してそれぞれ仰角脱水器の上端と底端に固定され、棒状電極は電極エンドカバーを介して仰角脱水器に接続され、高電圧絶縁複合電極と裸電極は傾斜式電気脱水管の腔体に内蔵される。
【0006】
第1段の脱気器は、台形継ぎ目付きテーパ管及び衝突オーバーフロープレートにより第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業の第1段の脱気工程を実施し、柱状緩衝管により含ガス含水原油の緩衝及び第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業の第1段の脱水工程を行い、含ガス含水原油中の一部のガス及び水を除去して1段原油とし、第1段の脱気器は、エポキシ樹脂がライニングされており、台形継ぎ目付きテーパ管、衝突オーバーフロープレート、柱状緩衝管、上排液管、下排液管、1段排水管、及び1段排気管を含む。
【0007】
台形継ぎ目付きテーパ管は連通式変径細径管を用い、柱状緩衝管と同軸心に配設され、1段直管段と1段テーパ管段を組み合わせたものであり、1段直管段は含ガス含水原油が第1段の脱気に入る入口通路となり、1段テーパ管段の管壁には周方向に均等に分布している台形継ぎ目がターンミリングされ、各台形継ぎ目は、その長手方向において台形継ぎ目付きテーパ管の軸線に平行に保持され、台形継ぎ目付きテーパ管の径方向において内部から外部に向かうに従って太くなり、含ガス含水原油の一部が台形継ぎ目付きテーパ管の各台形継ぎ目を経て柱状緩衝管の衝突脱気内腔に流れる。
【0008】
衝突オーバーフロープレートはアーチ状曲面鋼板を用い、円周溶接により柱状緩衝管の管壁に固定され、衝突オーバーフロープレートの上部鋼板は柱状緩衝管の径方向において扇形となり、その上部鋼板において柱状緩衝管の周方向に均等に配列されているオーバーフロー孔が開けられ、オーバーフロー孔として円形流路が使用され、衝突オーバーフロープレートの下部鋼板は柱状緩衝管の軸方向において半円形となり、衝突オーバーフロープレートの下部鋼板の軸線が台形継ぎ目付きテーパ管の1段テーパ管段の中心線と重なり、また、台形継ぎ目付きテーパ管の1段テーパ管段の大径端の円形面の半径が、衝突オーバーフロープレートの上部鋼板の柱状緩衝管の径方向における高さよりも小さく、それにより、衝突オーバーフロープレートを経て飛散された含ガス含水原油がすべて柱状緩衝管の衝突脱気内腔に戻る。
【0009】
柱状緩衝管は、両端が密閉された太い長管を用い、傾斜して配設され、一端がブラインドフランジとされ、他端のフランジに円形孔が設置され、円周溶接により台形継ぎ目付きテーパ管と柱状緩衝管が固定され、柱状緩衝管は、衝突オーバーフロープレートにより衝突脱気内腔と緩衝脱水内腔との2つの内腔に分割され、柱状緩衝管の衝突脱気内腔はそれぞれ台形継ぎ目付きテーパ管及び1段排気管と連通し、一方、緩衝脱水内腔は上排液管、下排液管、及び1段排水管と連通する。
【0010】
上排液管及び下排液はいずれも太くて短い三方向等径管を用い、上排液管及び下排液管は、第1段の脱気及び第1段の脱水後の1段原油を第2段の脱気器に送り、1段排水管は、細長い三方向等径管を用い、1段排水管は第1段の脱水後の1段汚水を集めて排出し、1段排気管は細長い三方向変径管を用い、1段排気管は第1段の脱気後の1段ガスを集めて排出する。1段排気管の軸線、上排液管の軸線、下排液管の軸線及び1段排水管の軸線が、互いに平行に保持されながら、柱状緩衝管の軸線と交差し、1段排気管は柱状緩衝管の衝突脱気内腔の中央部に位置し、上排液管及び下排液管はそれぞれ柱状緩衝管の緩衝脱水内腔の上部及び中央部に位置し、1段排気管、上排液管及び下排液管は管径が順次増大し、いずれも縦方向に上向きに配設され、1段排水管は柱状緩衝管の底部に位置し、縦方向に下向きに配設される。
【0011】
第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業工程としては、含ガス含水原油が第1段の脱気器に入り、含ガス含水原油の一部が台形継ぎ目付きテーパ管の各台形継ぎ目から外へ流動するにつれて隙間が大きくなり、それにより、台形継ぎ目内の油圧が絶えず下がり、それにより初期脱気が行われ、残りの含ガス含水原油が、台形継ぎ目付きテーパ管の右側から吐出されて衝突され、衝突オーバーフロープレートに集まり、次に、この部分の含ガス含水原油が素早く流動方向及び流動速度を変えることにより二次脱気が実現され、第1段の脱気作業が完了し、第1段の脱気後の1段ガスが1段排気管を介して排出されながら、第1段の脱気後の油液が衝突オーバーフロープレートの各オーバーフロー孔から柱状緩衝管の緩衝脱水内腔内に入り緩衝し、緩衝脱水内腔内の油液のうち比重の大きい大粒子水滴が重力作用により沈降し、柱状緩衝管の管壁に沿って下方へスライドして1段排水管に集まり1段汚水となり、1段汚水が1段排水管から排出されると、第1段の脱水作業は完了し、第1段の脱水後の1段原油が上排液管及び下排液管のそれぞれを排して第2段の脱気器に流れる。
【0012】
第2段の脱気器は、上給液管及び下給液管により1段原油を傾斜式脱気管に送り、第2段の仰角式高効率脱気作業を実施し、1段原油中の残りのガスを除去して2段原油とし、第2段の脱気器は、エポキシ樹脂がライニングされ、傾斜式脱気管、上給液管、下給液管、及び2段排気管を含む。
【0013】
傾斜式脱気管は、上端が密閉された太い長管を用い、傾斜して配設され、傾斜式脱気管の上側端にブラインドフランジが使用され、傾斜式脱気管の容積が柱状緩衝管の容積よりも小さく、傾斜式脱気管の軸線と水平面との間の夾角が柱状緩衝管の軸線と水平面との間の夾角よりも大きく、傾斜式脱気管は、その軸方向に沿って上から下へ2段脱気内腔、2段給液内腔及び2段排液内腔との3つの内腔に順次分けられ、傾斜式脱気管の2段脱気内腔が2段排気管と連通し、2段給液内腔が上給液管と下給液管を経て、上排液管と下排液管を介して柱状緩衝管の緩衝脱水内腔と連通し、2段排液内腔が混流管と連通する。
【0014】
2段排気管は細長い三方向変径管を用い、上給液管及び下給液管はいずれも太くて短い三方向等径管を用い、2段排気管は2段脱気内腔の最上部に位置し、縦方向に上向きに配設され、上給液管と下給液管が2段給液内腔の両側に位置し、縦方向に下向きに配設される。2段排気管の軸線、上給液管の軸線及び下給液管の軸線が、互いに平行に保持されながら傾斜式脱気管の軸線と交差し、柱状緩衝管、上排液管及び下排液管の軸線、傾斜式脱気管、上給液管及び下給液管の軸線が、すべて同一平面にあり、上給液管の管径が上排液管の管径に等しく、下給液管の管径が下排液管の管径に等しい。
【0015】
第2段の仰角式高効率脱気作業工程としては、1段原油が上給液管及び下給液管から傾斜式脱気管の2段給液内腔に入り緩衝し、2段脱気内腔内の1段原油のうち比重の小さい大粒子気泡が浮力作用を受けて上へ上がり、傾斜式脱気管の管壁に沿って2段排気管に移動して集まり2段ガスとなり、最後に、2段ガスが2段排気管から排出され、第2段の脱気後の2段原油が2段排液内腔に沈降し、傾斜式脱気管の管壁に沿って下方へスライドして混流管に至る。
【0016】
棒状電極は同心円式層状かごアレイ型を用い、高周波高電圧動的電界を構成し、高周波高電圧動的電界内に原油乳化液の油中水滴が静電気により動的に凝集して素早く大きくなり、このように、かごアレイ型高周波高電圧による高速電気脱水処理が実施され、棒状電極は、端子柱、電極エンドカバー、高電圧絶縁複合電極、接地裸電極、及び環状仕切り板を含む。
【0017】
端子柱は、銅製本体丸管と多分岐銅製丸管を用い、多分岐銅製丸管の数及び配列方式が高電圧絶縁複合電極と同じであり、多分岐銅製丸管の各分岐管が銅製本体丸管に集まり、高電圧ケーブルに接続される。高電圧絶縁複合電極は高電圧電極棒と絶縁コーティングを複合したものであり、高電圧電極棒は、長い銅製丸棒を用い、外部に絶縁コーティングが塗布され、高電圧絶縁複合電極の絶縁コーティングは絶縁非金属材質を用い、接地裸電極は銅製長い裸丸棒を用いる。
【0018】
高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極はいずれも径方向に沿って等間隔で積層配列され、各層の高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極は周方向に均等に分布しており、また、高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極の各層は同軸心に交差して配設され、高電圧絶縁複合電極は最外層と最内層に位置し、このように、積層配列された高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極は同心円式層状かごアレイ型を形成する。
【0019】
絶縁コーティングの上部には、円錐状クランプが設けられ、高電圧絶縁複合電極を軸方向に位置決めし、絶縁コーティングの円錐状クランプの断面が直角台形を呈し、絶縁コーティングの下部には、円筒形スナップリングが設けられ、高電圧電極環状板を軸方向に位置決めし、円筒形スナップリングの下部には、ネジが加工され、非金属絶縁材質のナットが配置され、それにより、高電圧絶縁複合電極と高電圧電極環状板が絶縁して接続され、絶縁コーティングの底端には電極位置決め端が設けられ、電極位置決め端が半球形とされ、高電圧絶縁複合電極と高電圧電極環状板とを位置決めし、それにより、高電圧絶縁複合電極の底端に連続的かつ安定的な高電圧電界が形成される。絶縁コーティングの円錐状クランプの先端には絶縁ブッシュが配置され、高電圧絶縁複合電極の絶縁ブッシュの材質がその絶縁コーティングの材質と同じであり、絶縁ブッシュが電極エンドカバーの円形穴に嵌め込まれて、高電圧絶縁複合電極と電極エンドカバーとを絶縁される。高電圧電極棒の先端は、ネジが旋削され、電極エンドカバーに固定され、高電圧電極棒は非金属材質の絶縁ナットを通じて端子柱に接続される。
【0020】
接地裸電極の一端は、ネジが旋削され、電極エンドカバーの各止まりネジ孔と嵌合し、それにより、接地裸電極の一端はネジを介して電極エンドカバーに接続され、また、接地裸電極は電極エンドカバーを介して仰角脱水器により接地する。接地裸電極の他端は半球状構造とされ、接地裸電極と環状仕切り板の接地電極円形孔との間に締まり嵌めを採用し、接地裸電極の他端は締まり嵌めにより接地電極環状板に接続される。
【0021】
電極エンドカバーは、銅質フランジを用い、高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極の母板として機能し、また仰角脱水器の端部をシールし、電極エンドカバーには、高電圧絶縁複合電極と同じ数及び規格の円形穴が開けられ、また、電極エンドカバーの下端面には、接地裸電極と同じ数及び規格の止まりネジ孔が旋削される。
【0022】
環状仕切り板は、絶縁非金属材質を用い、高電圧電極環状板と接地電極環状板を含み、高電圧電極環状板及び接地電極環状板は、径方向に沿って順次同軸心に積層配列され、且つ環状仕切り板が最外層に位置する高電圧電極環状板の外環形面が傾斜式給液管の上端の管壁に密着しており、高電圧電極環状板及び接地電極環状板のそれぞれには、周方向に均等に分布している高電圧電極円形孔及び接地電極円形孔が設けられ、高電圧電極環状板の高電圧電極円形孔は高電圧絶縁複合電極の絶縁コーティング底部と嵌合する。高電圧電極環状板及び接地電極環状板の各層に環状流路が形成され、また、高電圧電極環状板及び接地電極環状板は、径方向の外部環形面及び内部環形面の両方にアーチ形孔付き流路が加工され、電気脱水作業中に各高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極が温度の変化により互いに接触することを回避するとともに、原油乳化液の流動通路の有効断面積を最大限に増大する。高電圧電極環状板及び接地電極環状板のアーチ形孔付き流路は周方向に均等に分布し、且つ高電圧電極環状板のアーチ形孔付き流路は高電圧絶縁複合電極と間隔をあけて配設され、接地電極環状板のアーチ形孔付き流路は接地裸電極と間隔をあけて配設される。
【0023】
仰角脱水器は棒状電極と組み合わせて第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を実施し、原油乳化液中の残りの水を除去して合格の原油とし、仰角脱水器は、金属セラミックがライニングされ、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、傾斜式沈降管、混流管、薬剤管、及び油排出管を含む。
【0024】
傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管は、すべて両端が連通している太管を用い、フランジを介して一体に接続され、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管及び傾斜式沈降管の管径及び肉厚がすべて等しく、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管は、上から下へ同軸心に傾斜して配設され、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管の軸線が、傾斜式脱気管及び柱状緩衝管の軸線と同一の縦方向平面にある。
【0025】
傾斜式電気脱水管の中央部の管壁は、円形孔が開けられ、円周溶接により油排出管に接続され、傾斜式電気脱水管は油排出管を介して排油器と連通し、高電圧絶縁複合電極及び接地裸電極を内蔵してかごアレイ型電気脱水領域となる。傾斜式給液管の中央部の管壁は、円形孔が開けられ、円周溶接により混流管に接続され、傾斜式給液管は混流管を介して傾斜式脱気管の2段排液内腔と連通して乳化液緩衝領域となり、傾斜式沈降管は排水器と連通して仰角沈降領域となる。
【0026】
傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管は、いずれも傾斜式脱気管と逆方向に交差して配設され、且つ傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管の軸線と水平面との間の仰角が、傾斜式脱気管の軸線と水平面との間の仰角よりも大きく、また、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管の管径が、すべて傾斜式脱気管及び柱状緩衝管の管径よりも大きく、傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管、及び傾斜式沈降管の全容積が、傾斜式脱気管の容積の6倍よりも大きい。
【0027】
混流管は、太くて長い等径エルボを用い、2段原油と化学薬剤を十分に混合し、入口排液管段、原油方向変更管段、及び出口混流管段との3つの部分からなり、混流管の管径が、傾斜式脱気管の管径に等しく、薬剤管の管径よりも大きく、縦方向の上部に位置する混流管の入口排液管段の軸線が、傾斜式脱気管の軸線と同軸心に配設され、原油方向変更管段は混流管内の2段原油の流動方向を変更し、入口排液管段の軸線と出口混流管段の軸線との夾角が鈍角であり、縦方向の下部に位置する混流管の出口混流管段の軸線と傾斜式給液管の軸線との夾角が鋭角である。
【0028】
薬剤管は等径細径直管を用い、薬剤管の軸線が混流管の出口混流管段の軸線と垂直に交差し、且つ薬剤管は出口混流管段の上部に位置する。油排出管は等径短直管を用い、油排出管の軸線が傾斜式電気脱水管の軸線と垂直に交差する。
【0029】
第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業工程としては、混流管入口での2段原油が薬剤管からの化学薬剤と出口混流管段内に十分に混合されて原油乳化液となり、次に、原油乳化液が傾斜式給液管の乳化液緩衝領域に入り緩衝した後、上方へ移動して傾斜式電気脱水管のかごアレイ型電気脱水領域に入り、棒状電極からなる高周波高電圧動的電界内に原油乳化液の油中水滴が静電気により動的に凝集して素早く大きくなり、それにより、かごアレイ型高周波高電圧による高速電気脱水処理が実施され、油相が傾斜式電気脱水管の上部まで上がり合格の原油となり、第3段の電気脱水後の合格の原油が排油器から排出され、水滴が沈降して、傾斜式給液管の管壁に沿って傾斜式沈降管の仰角沈降領域に集まり2段汚水となり、第3段の電気脱水後の2段汚水が排水器から排出される。
【0030】
排油器は、油排出管からの合格の原油を均一な流れに調整し、排油器は原油吐出管及び油排出管のフランジを介して仰角脱水器に一体に接続され、原油吐出管、流体安定化ロッド、及び流体安定化羽根車を含む。
【0031】
原油吐出管は、等径細エルボを用い、原油吐出管の入口管段内には流体安定化羽根車及び流体安定化ロッドが嵌め込まれ、原油吐出管の入口管段の軸線が油排出管の軸線と重なり、原油吐出管の出口管段が水平に配置され、それにより、均一な流れに調整された合格の原油が安定的に排出できる。
【0032】
流体安定化ロッドは、長い太棒を用い、流体安定化ロッドの外環形面に均等に配設された流体安定化羽根からなり、流体安定化羽根が流体安定化ロッドの径方向の内側端に沿って溶接されることにより流体安定化羽根車と流体安定化ロッドが固定され、流体安定化羽根車は、流体安定化ロッドの径方向の外環形面に沿って位置する柱面と原油吐出管の入口管段の管壁との間に締まり嵌めを採用し、それにより、流体安定化羽根車は締まり嵌めにより軸方向に固定され、また、流体安定化羽根車の外環形面の位置する柱面と油排出管の管壁との間に隙間嵌めを採用する。流体安定化羽根はフィン式構造を用い、流体安定化羽根車の各流体安定化羽根の流体安定化ロッドの軸方向における両端がすべて円錐面とされ、流体安定化羽根車の流体安定化ロッドの軸方向における外側の円錐面のテーパが、その内側の円錐面のテーパよりも大きく、また、流体安定化ロッドの両端面はいずれも円錐面を用い、それにより、合格の原油が流体安定化ロッド及び流体安定化羽根車に流入/流出するときの流体摩擦損失を減らす。
【0033】
排水器は、傾斜式沈降管の2段汚水について流動方向を調整して安定した流れに整合することで渦巻の発生を防止し、排水器は、変径給液管及び傾斜式沈降管のフランジを介して仰角脱水器に一体に接続され、2段排水管、変径給液管、渦巻き防止棒、及び渦巻き防止羽根車を含む。
【0034】
2段排水管は細長い等径直管を用い、渦巻き防止棒及び渦巻き防止羽根車の一方側を内蔵しており、フランジを介して排水器の底部に接続され、2段排水管は変径給液管の流体安定化直管段と同軸心に配設される。
【0035】
変径給液管は断面可変エルボを用い、変径圧力調整管段、排水エルボ段、及び流体安定化直管段を組み合わせたものであり、変径圧力調整管段の内外管壁がいずれも円錐面を用い、変径圧力調整管段の内管壁の位置する円錐面の大径端の円形面の直径が、傾斜式沈降管の内径に等しく、その内管壁の位置する円錐面の小径端の円形面の直径が流体安定化直管段の管径に等しく、それにより、変径給液管と2段排水管との間の流動圧力が調整され、排水エルボ段により変径給液管内の2段汚水の流動方向が変わり、流体安定化直管段は水平に配設され、渦巻き防止棒及び渦巻き防止羽根車の他方側ががその内部に嵌め込まれる。
【0036】
渦巻き防止羽根車及び渦巻き防止棒は、2段汚水が排出過程に虹吸作用により渦巻を発生させることを防止し、渦巻き防止棒は短細径棒を用い、渦巻き防止棒の両端面がいずれも円錐面とされ、渦巻き防止羽根車は渦巻き防止棒の外環形面に均等に配設された渦巻き防止羽根からなり、渦巻き防止羽根が渦巻き防止棒の径方向に沿う内側端が溶接されることにより渦巻き防止羽根車と渦巻き防止棒が固定され、渦巻き防止羽根車の渦巻き防止棒の径方向における外環形面に沿って位置する柱面と変径給液管の流体安定化直管段の管壁との間に締まり嵌めを採用し、それにより、渦巻き防止羽根車は締まり嵌めにより軸方向に固定され、また、渦巻き防止羽根車の外環形面の位置する柱面と2段排水管の管壁との間に隙間嵌めを採用する。渦巻き防止羽根は螺旋羽根式構造を用い、渦巻き防止羽根の輪郭ラインは渦巻き防止棒の外環形面に展開する螺旋ラインであり、渦巻き防止羽根の輪郭ラインの位置する螺旋ラインのピッチが渦巻き防止棒の軸方向において徐々に増大し、また、渦巻き防止羽根の輪郭ラインの位置する螺旋ライのン両端点での接線がいずれも渦巻き防止棒の軸線と平行であり、それにより、2段汚水が渦巻き防止羽根に順調に入り、渦巻き防止棒の軸方向に沿って2段排水管の内腔に流入する。
【0037】
本発明により達成させる技術的効果は以下のとおりであり、すなわち、該3段脱気脱水装置は、縦型、横型及び仰角式T字形管を組み合わせた管路網式3段脱気脱水技術及び棒状電極からなるかごアレイ型の高周波高電圧動的電界脱水技術を用いたものであり、石油/ガス/水三相の効率的な分離が可能であり、油中の含水率及びガス含有率が低く、水中の含油率が低いなどの特徴を有し、第1段の脱気器は、台形継ぎ目付きテーパ管及び衝突オーバーフロープレートにより第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業の第1段の脱気工程を実施し、柱状緩衝により含ガス含水原油の緩衝及び第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業の第1段の脱水工程を行い、含ガス含水原油中の一部のガス及び水を除去して1段原油とし、第2段の脱気器は、上給液管及び下給液管により1段原油を傾斜式脱気管に送り、第2段の仰角式高効率脱気作業を実施し、1段原油中の残りのガスを除去して2段原油とし、棒状電極は同心円式層状かごアレイ型を用い、高周波高電圧動的電界を構成し、仰角脱水器は棒状電極と組み合わせて第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を実施し、原油乳化液中の残りの水を除去して合格の原油とし、排油器は合格の原油を均一な流れに調整して排出し、排水器は傾斜式沈降管の2段汚水について流動方向を調整して安定した流れに整合することで渦巻の発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例に制限されない。
図1】本発明に係る管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の代表的な構造概略図である。
図2】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の第1段の脱気器の構造概略図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の第2段の脱気器の構造概略図である。
図5】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の棒状電極の構造概略図である。
図6図5の下面図である。
図7】棒状電極の高電圧絶縁複合電極の構造概略図である。
図8】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の仰角脱水器の構造概略図である。
図9】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の排油器の構造概略図である。
図10図9の下面図である。
図11】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の排水器の構造概略図である。
図12】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業工程の概略図である。
図13】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の第2段の仰角式高効率脱気作業工程の概略図である。
図14】管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1において、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置は、第1段の脱気器1、第2段の脱気器2、排油器3、棒状電極4、仰角脱水器5、及び排水器6からなる。該3段脱気脱水装置は、縦型、横型及び仰角式T字形管を組み合わせた管路網式3段脱気脱水技術及び棒状電極4からなるかごアレイ型高周波高電圧動的電界脱水技術を用いたものであり、第1段の脱気器1により第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業を実施し、第2段の脱気器2により第2段の仰角式高効率脱気作業を実施し、また、棒状電極4及び仰角脱水器5により第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を実施し、それにより、含ガス含水原油の効率的な分離という問題を効果的に解決する。
【0040】
図1において、第1段の脱気器1と第2段の脱気器2は、上排液管と下排液管及び上給液管と下給液管を介して一体に接続され、第2段の脱気器2は混流管を介して仰角脱水器5に接続され、排油器3と排水器6はフランジを介してそれぞれ仰角脱水器5の上端及び底端に固定され、棒状電極4は電極エンドカバーを介して仰角脱水器5に接続され、棒状電極4の高電圧絶縁複合電極及び裸電極は仰角脱水器5に内蔵されている。
【0041】
図1において、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置の規格のサイズ及びそれを組み合わせた後のスキッド機器の並列数については、含ガス含水原油の流量、流動圧力、油中含水量、油中ガス含有などの物性パラメータを総合的に考慮する必要があり、該3段脱気脱水装置について耐圧性、気密性などの試験を行ったところ、試験圧力が装置全体の設計圧力の1.25倍であることが要求される。
【0042】
図1において、管路網式の棒状電極かごアレイ型3段脱気脱水装置をメンテナンスするときに、第1段脱気器1の柱状緩衝管、第2段の脱気器2の傾斜式脱気管及び仰角脱水器5の傾斜式電気脱水管、傾斜式給液管や傾斜式沈降内腔内に異物が蓄積されているか否かを順次厳密に検査し、排油器3の流体安定化ロッド、流体安定化羽根車及び棒状電極4の高電圧絶縁複合電極、接地裸電極や環状仕切り板での油垢を順次厳密に検査する必要があり、油垢の最大厚さが3.0mmを超えると、各部品を洗浄する必要がある。
【0043】
図2及び図3において、第1段の脱気器1は、台形継ぎ目付きテーパ管7、衝突オーバーフロープレート9及び柱状緩衝管12により、第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業の第1段の脱気及び第1段の脱水工程をそれぞれ実施する。柱状緩衝管12の容積を設計する際に、含ガス含水原油の流量、流動圧力、沈降時間などの因素を考慮すべきであり、台形継ぎ目付きテーパ管7の規格及びその各台形継ぎ目の数や長さについては、含ガス含水原油の流量、流動圧力、油中ガス含有量などの因素を考慮すべきであり、衝突オーバーフロープレート9の各オーバーフロー孔18の数、大きさ及び位置の設計については、含ガス含水原油の流量、流動圧力、油中含水量などの因素を考慮すべきであり、上排液管10及び下排液管11の規格を設計するときに、含ガス含水原油の流量、流動圧力などの因素を考慮すべきであり、1段排気管8及び1段排水管13の規格を設計するときに、含ガス含水原油の油中ガス含有量、油中含水量などの因素をそれぞれ考慮すべきである。
【0044】
図2及び図3において、台形継ぎ目付きテーパ管7の1段直管段17は含ガス含水原油を輸送するマニホールドに接続され、一部の含ガス含水原油が1段テーパ管段16の各台形継ぎ目19を経て衝突脱気内腔15に流れ、残りの含ガス含水原油が衝突オーバーフロープレート9に衝突して集まり衝突脱気内腔15に落ち、1段排気管8はガスを輸送するマニホールドに接続され、第1段の脱気後の1段ガスを排出し、第1段の脱気後の油液がオーバーフロー孔18から緩衝脱水内腔14に入り緩衝し、1段排水管13は汚水を輸送するマニホールドに接続され、第1段の脱水作業後の1段汚水を排出し、上排液管10及び下排液管11は第2段の脱気器2に接続され、第1段の脱水後の1段原油を排出する。
【0045】
図4において、第2段の脱気器2は、傾斜式脱気管25により第2段の仰角式高効率脱気作業を実施する。傾斜式脱気管25の容積を設計するときに、1段原油の流量、流動圧力、脱気時間などの因素を考慮すべきであり、下給液管23及び上給液管24の規格を設計するときに、1段原油の流量、流動圧力などの因素を考慮すべきであり、2段排気管26の規格を設計するときに、1段原油の油中ガス含有量などの因素を考慮すべきである。
【0046】
図4において、下給液管23及び上給液管24はそれぞれ下排液管11及び上排液管10に接続され、1段原油を傾斜式脱気管25の2段給液内腔21に輸送し、2段排気管26はガスを輸送するマニホールドに接続され、2段脱気内腔20で脱気した2段ガスを排出し、2段排液内腔22は混流管を介して仰角脱水器5と連通し、第2段の脱気後の2段原油を集めて排出する。
【0047】
図5図7において、棒状電極4は高周波高電圧動的電界を構成し、高電圧絶縁複合電極29及び接地裸電極30の規格や電極の数は、原油乳化液の最大流量、最大流動圧力、油中含水量や合格の原油の含水量などの因素に基づいて設計され、合格の原油中の含水量が、高電圧絶縁複合電極29と接地裸電極30による同心円式層状かごアレイ型の層間隔と電極間隔、各電極の長さ及びその傾斜度、印加する電圧及びその電界強度などのパラメータに基づいて調整され、端子柱27の多分岐銅製丸管32の数や配列形態が高電圧絶縁複合電極29と同じであり、電極エンドカバー28の規格が仰角脱水器5の規格と一致する。
【0048】
図5図7において、棒状電極4は高電圧ケーブル34を通じて給電され、各多分岐銅製丸管32は銅製本体丸管33に集まり、絶縁ナット40を介して高電圧電極棒43に接続され、高電圧絶縁複合電極29及び接地裸電極30は電極エンドカバー28を介して端子柱27に一体に接続され、環状仕切り板31の接地電極環状板35及び高電圧電極環状板36の層間に環状流路が形成され、これらのアーチ形孔付き流路37と組み合わせて原油乳化液の流動通路の有効断面積が大きくなり、高電圧電極円形孔39が絶縁コーティング42の底部と嵌合し、接地裸電極30と接地電極円形孔38との間に締まり嵌めを採用し、絶縁ブッシュ41は高電圧絶縁複合電極29と電極エンドカバー28を絶縁させ、高電圧絶縁複合電極29と高電圧電極環状板36は電極位置決め端44により位置決めされ、円筒形スナップリング45及び円錐状クランプ46は、それぞれ高電圧電極環状板36及び高電圧絶縁複合電極29を軸方向に位置決めする。
【0049】
図8において、仰角脱水器5は、棒状電極4と組み合わせて第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業を実施する。傾斜式電気脱水管47、傾斜式給液管54、及び傾斜式沈降管55の総容積を設計するときに、原油乳化液の流量、流動圧力、脱水時間、含水率などの因素を考慮すべきであり、油排出管48の規格を設計するときに、合格の原油の流量、流動圧力などの因素を考慮すべきであり、薬剤管49の規格を設計するときに、供給される化学薬剤の種類、流量、流動圧力などの因素を考慮すべきであり、混流管50の規格を設計するときに、2段原油の流量、流動圧力などの因素を考慮すべきである。
【0050】
図8において、混流管50は円周溶接により傾斜式給液管54の中央部の管壁に固定され、2段原油が入口排液管段51及び原油方向変更管段52により流動方向を調整された後、薬剤管49からの化学薬剤と出口混流管段53内で十分に混合され、原油乳化液となり、油排出管48は、円周溶接により傾斜式電気脱水管47の中央部の管壁に固定され、傾斜式沈降管55はフランジを介して排水器6に接続され、原油乳化液が混流管50を経て乳化液緩衝領域57に入り緩衝した後、かごアレイ型電気脱水領域58内で合格の原油となり、仰角沈降領域56において2段汚水となる。
【0051】
図9及び図10において、排油器3は、油排出管48から輸送された合格の原油を均一な流れに調整する。原油吐出管59の規格を設計するときに、合格の原油の流量、流動圧力などの因素を考慮すべきであり、流体安定化羽根車61の各流体安定化羽根62の流体安定化ロッド60の軸方向における両側端の円錐面のテーパを設計するときに、合格の原油の流量、流動圧力等及びその粘度、密度などの因素を考慮すべきである。
【0052】
図9及び図10において、排油器3は、原油吐出管59及び油排出管48のフランジを介して仰角脱水器5に一体に接続され、各流体安定化羽根62は周方向において流体安定化ロッド60の外環形面に均等に溶接され、流体安定化羽根車61は締まり嵌めにより原油吐出管59の入口管段に固定される。
【0053】
図11において、排水器6は、傾斜式沈降管55の2段汚水について流動方向を調整して安定した流れに整合し、変径給液管63及び2段排水管66の規格を設計するときに、合格の原油の油中含水量などの因素を考慮すべきであり、各渦巻き防止羽根67の輪郭ラインの位置する螺旋ラインのピッチを設計するときに、2段汚水の流量、流動圧力、流動方向などの因素を考慮すべきである。
【0054】
図11において、排水器6は、変径給液管63及び傾斜式沈降管55のフランジを介して仰角脱水器5に一体に接続され、変径圧力調整管段70は変径給液管63と2段排水管66との間の流動圧力を調整する。排水エルボ段69は2段汚水の流動方向を変更し、渦巻き防止羽根車64は締まり嵌めにより流体安定化直管段68に固定され、各渦巻き防止羽根67は周方向において渦巻き防止棒65の外環形面に均等に溶接される。
【0055】
図12において、該3段脱気脱水装置の第1段の軸流式衝突緩衝脱気脱水作業工程としては、含ガス含水原油が台形継ぎ目付きテーパ管7の1段直管段17を流れて第1段の脱気器1に入り、含ガス含水原油の一部が各台形継ぎ目19を介して外へ流動する過程において隙間が徐々に大きくなる。それにより、台形継ぎ目19内の油圧が絶えず下がり、初期脱気が実施された後、含ガス含水原油が衝突脱気内腔15に落ち、それと同時に、残りの含ガス含水原油が、1段テーパ管段16の右側から吐出されて衝突オーバーフロープレート9に衝突して集まり、次に、この部分の含ガス含水原油は流動方向及び流速を素早く変更して、二次脱気後、衝突脱気内腔15に落ち、第1段の脱気作業は完了する。第1段の脱気後の1段ガスが、衝突脱気内腔15の上方の1段排気管8に集まり排出され、また、第1段の脱気後の油液が、各オーバーフロー孔18から緩衝脱水内腔14に入り緩衝し、緩衝脱水内腔14内に比重の大きい大粒子水滴が重力作用により沈降し、柱状緩衝管12の管壁に沿って下方ヘスライドして1段排水管13に集まり、1段汚水となり、1段汚水が1段排水管13から排出されると、第1段の脱水作業は完了し、第1段の脱水後の1段原油も、一部のガス及び水を含有し、それぞれ上排液管10及び下排液管11に集まった後、第2段の脱気器2に流入する。
【0056】
図13において、該3段脱気脱水装置の第2段の仰角式高効率脱気作業工程としては、第1段の脱水後の1段原油が、それぞれ上排液管10と上給液管24及び下排液管11と下給液管23を流れて、傾斜式脱気管25の2段給液内腔21に入り緩衝し、2段脱気内腔20内の1段原油のうち比重の小さい大粒子気泡が浮力作用を受けて上へ上がり、2段脱気内腔20の管壁に沿って2段排気管26に移動して集まり2段ガスとなり、最後に、2段ガスが2段排気管26から排出され、第2段の脱気後の2段原油が2段排液内腔22に沈降し、傾斜式脱気管25の管壁に沿って下方へスライドして混流管50に至った後、仰角脱水器5に流入する。
【0057】
図14において、該3段脱気脱水装置の第3段のかごアレイ型高周波高電圧による高速脱水作業工程としては、2段原油が入口排液管段51及び原油方向変更管段52により流動方向を調整された後、薬剤管49からの化学薬剤と出口混流管段53内で十分に混合され、原油乳化液となり、次に、原油乳化液が乳化液緩衝領域57に入り緩衝した後、上方へ流れて傾斜式電気脱水管47のかごアレイ型電気脱水領域58に入り、高電圧絶縁複合電極29及び接地裸電極30からなる高周波高電圧動的電界内に原油乳化液の油中水滴が静電気により動的に凝集して素早く大きくなる。このように、かごアレイ型電気脱水領域58内にかごアレイ型高周波高電圧による高速電気脱水処理が実施され、油相が傾斜式電気脱水管47の上部に上がり合格の原油となり、第3段の電気脱水後の合格の原油が油排出管48を介して輸送され、流体安定化羽根車61の各流体安定化羽根62により均一な流れに調整され、次に、原油吐出管59から排出され、それと同時に、かごアレイ型電気脱水領域58内の水滴が沈降して、傾斜式給液管54の管壁に沿って傾斜式沈降管55の仰角沈降領域56に集まり、2段汚水となり、第3段の電気脱水後の2段汚水が変径圧力調整管段70、排水エルボ段69及び流体安定化直管段68の順に圧力調整及び方向変更を受けて、渦巻き防止羽根車64の各渦巻き防止羽根67により流動方向を調整された後、成安定した流れに整合され、最後に、2段汚水が2段排水管66から排出される。
【0058】
上述の各実施例は本発明を説明することにのみ使用され、各部品の構造、接続方式などはすべて変更可能であり、本発明の技術的解決手段に基づいて行う同等変更や改良であれば、すべて本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0059】
1-第1段の脱気器、2-第2段の脱気器、3-排油器、4-棒状電極、5-仰角脱水器、6-排水器、7-台形継ぎ目付きテーパ管、8-1段排気管、9-衝突オーバーフロープレート、10-上排液管、11-下排液管、12-柱状緩衝管、13-1段排水管、14-緩衝脱水内腔、15-衝突脱気内腔、16-1段テーパ管段、17-1段直管段、18-オーバーフロー孔、19-台形継ぎ目、20-2段脱気内腔、21-2段給液内腔、22-2段排液内腔、23-下給液管、24-上給液管、25-傾斜式脱気管、26-2段排気管、27-端子柱、28-電極エンドカバー、29-高電圧絶縁複合電極、30-接地裸電極、31-環状仕切り板、32-多分岐銅製丸管、33-銅製本体丸管、34-高電圧ケーブル、35-接地電極環状板、36-高電圧電極環状板、37-アーチ形孔付き流路、38-接地電極円形孔、39-高電圧電極円形孔、40-絶縁ナット、41-絶縁ブッシュ、42-絶縁コーティング、43-高電圧電極棒、44-電極位置決め端、45-円筒形スナップリング、46-円錐状クランプ、47-傾斜式電気脱水管、48-油排出管、49-薬剤管、50-混流管、51-入口排液管段、52-原油方向変更管段、53-出口混流管段、54-傾斜式給液管、55-傾斜式沈降管、56-仰角沈降領域、57-乳化液緩衝領域、58-かごアレイ型電気脱水領域、59-原油吐出管、60-流体安定化ロッド、61-流体安定化羽根車、62-流体安定化羽根、63-変径給液管、64-渦巻き防止羽根車、65-渦巻き防止棒、66-2段排水管、67-渦巻き防止羽根、68-流体安定化直管段、69-排水エルボ段、70-変径圧力調整管段。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14