IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッドの特許一覧

特開2022-68837頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法
<>
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図1
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図2
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図3
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図4
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図5
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図6
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図7
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図8
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図9
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図10
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図11
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図12
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図13
  • 特開-頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068837
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージおよび該リードレス電力増幅器の作製のための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/16 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
H01L25/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021158688
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】17/077,583
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ユン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド エイ.サントス
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミナラヤン ビスワナサン
(72)【発明者】
【氏名】スコット ダンカン マーシャル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リードレス電力増幅器(PA)パッケージ及び頂面終端を有するリードレスPAパッケージを作製する方法を提供する。
【解決手段】リードレスPAパッケージ86は、電気伝導支柱支持部98~100等(以下支柱支持部)と、ベースフランジ96と、を備え、少なくとも第1無線周波数(RF)電力ダイ110、111が、ベースフランジのダイ搭載面104に対し取付けられ、支柱支持部と電気的に相互接続される。支柱支持部は、支柱支持部に対し電気的に結合されるとともに、支柱支持部からパッケージ高さ方向に突出する支柱接触部116~119を有する。第1RF電力ダイは、パッケージ頂面90を少なくとも部分的には形成するパッケージ本体88に包囲され、パッケージ頂面からアクセス可能であり、支柱接触部及び支柱支持部を通じて第1RF電力ダイと電気的に相互接続される頂面I/Oインタフェース121~125が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードレス電力増幅器(PA)パッケージを作製するための方法であって、
電気伝導支柱支持部と、前記電気伝導支柱支持部から離間したベースフランジと、を提供する工程であって、前記ベースフランジは、ダイ搭載面と、パッケージ高さ方向において前記ダイ搭載面の反対にある下部フランジ面と、を有する、工程と、
少なくとも第1無線周波数(RF)電力ダイを、前記ベースフランジのダイ搭載面に対し取付ける工程と、
前記第1RF電力ダイと前記電気伝導支柱支持部とを電気的に相互接続する相互接続工程と、
前記相互接続工程前または後に、前記電気伝導支柱支持部に対し電気的に結合されており前記電気伝導支柱支持部から前記パッケージ高さ方向に突出している支柱接触部を提供する工程と、
前記第1RF電力ダイを、前記下部フランジ面の反対に位置するパッケージ頂面の少なくとも実質的な部分を形成するパッケージ本体により包囲する包囲工程と、
前記パッケージ頂面からアクセス可能であり、前記支柱接触部および前記電気伝導支柱支持部を通じて前記第1RF電力ダイと電気的に相互接続されている、頂面入力/出力(I/O)端子を形成する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記頂面I/O端子の少なくとも一部を形成するように前記支柱接触部の外部端子面を前記パッケージ頂面から露出させたまま前記第1RF電力ダイと前記支柱接触部の少なくとも一部とを包囲するように前記パッケージ本体を生成する、パッケージ本体生成工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パッケージ本体生成工程は、
前記電気伝導支柱支持部と、前記ベースフランジと、前記第1RF電力ダイと、前記支柱接触部と、を、前記支柱接触部を覆うのに十分な厚さを有するオーバーモールドされたパッケージ本体に封入する封入工程と、
前記封入工程後に、前記支柱接触部の前記外部端子面を前記パッケージ頂面にて露出させるように、前記オーバーモールドされたパッケージ本体をシンニングする工程と、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電気伝導支柱支持部と前記ベースフランジとをリードフレームの一部として提供する工程であって、前記リードフレームは前記電気伝導支柱支持部と前記ベースフランジとを接合する犠牲リードフレーム部をさらに備える、工程と、
前記包囲工程後、前記リードフレームのシンギュレーションを行い、前記犠牲リードフレーム部を除去するとともに前記ベースフランジを前記電気伝導支柱支持部から電気的に分離する、工程と、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リードフレームは、複数の追加の相互接続されたリードフレームをさらに備えるリードフレームアレイの一部として提供され、
前記リードフレームアレイのシンギュレーションの前に、電位が前記リードフレームアレイを通じて前記支柱接触部に対し印加される電気メッキ処理を利用して、前記支柱接触部の端子面をメッキする工程をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パッケージ高さ方向において前記頂面I/O端子の実質的に反対に位置する下面熱インタフェースを生じさせるように、前記下部フランジ面が露出するパッケージ下面を前記パッケージ本体に付与する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1RF電力ダイは、ピークRF電力ダイを含み、
ピーク信号増幅経路とキャリア信号増幅経路とを備えるドハティ増幅器アーキテクチャを有するように、前記リードレスPAパッケージを生成する工程と、
前記ピーク信号増幅経路がそれを通じて延びている第1ダイ搭載位置にて、前記ピークRF電力ダイを前記ベースフランジに対し取付ける工程と、
前記キャリア信号増幅経路がそれを通じて延びている第2ダイ搭載位置にて、キャリアRF電力ダイを前記ベースフランジに対しさらに取付ける工程と、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
中央分離壁を、前記中央分離壁が前記第1ダイ搭載と前記第2ダイ搭載位置との間に延びるように、前記ベースフランジに対し接合する工程をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記中央分離壁を前記ベースフランジに対し電気的に結合する工程と、
前記パッケージ頂面からアクセス可能であるグランド端子を提供する工程であって、前記ベースフランジは前記グランド端子に対し前記中央分離壁を通じて電気的に結合されている、工程と、をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記中央分離壁は、パッケージ長さ方向において伸張しており、
前記中央分離壁から前記パッケージ長さ方向および前記パッケージ高さ方向に対しほぼ垂直な軸に沿って延びる側方分離翼を提供する工程をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ピークRF電力ダイまたは前記キャリアRF電力ダイから、前記パッケージ高さ方向における寸法により示される分離間隙の大きさ分、離間させられながら、前記ピークRF電力ダイまたは前記キャリアRF電力ダイの上方に延びるように前記側方分離翼を配置する工程をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中央分離壁は、第1端部と、第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部と、を備え、
前記リードレスPAパッケージを、(i)前記中央分離壁の前記第1端部が、第1の対の前記支柱接触部間に延び、(ii)前記中央分離壁の前記第2部が、第2の対の前記支柱接触部間に延び、(iii)前記中央分離壁の前記中間部が、前記ピークRF電力ダイと前記キャリアRF電力ダイとの間に延びるように、生成する工程をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記中央分離壁の前記第1端部および前記第2端部は、それぞれ、前記パッケージ本体の第1側壁および第2側壁に隣接して終端し、
前記中央分離壁と前記パッケージ本体の前記第1側壁および前記第2側壁とにほぼ平行に延びるフランジタイバーを備えるように前記ベースフランジを選択する工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
リードレス電力増幅器(PA)パッケージを作製するための方法であって、
ダイ搭載面を有するベースフランジを提供する工程と、
ピーク無線周波数(RF)電力ダイを前記ベースフランジに対し第1ダイ搭載位置にて取付け、キャリアRF電力ダイを前記ベースフランジに対し第2ダイ搭載位置にて取付ける、工程と、
中央分離壁を、前記中央分離壁が前記ベースフランジに対し電気的に結合され前記第1ダイ搭載位置と前記第2ダイ搭載位置との間に延びるように、前記ベースフランジの前記ダイ搭載面に対し接合する工程と、
前記ピークRF電力ダイと前記キャリアRF電力ダイとを、前記ベースフランジの反対にあるパッケージ頂面を有しており前記ダイ搭載面にほぼ平行に延びているパッケージ本体により包囲する工程と、
前記パッケージ頂面からアクセス可能である頂面入力/出力(I/O)インタフェースを形成する形成工程と、を備え、前記頂面I/Oインタフェースは、前記ピークRF電力および前記キャリアRF電力ダイに対し前記中央分離壁および前記ベースフランジを通じて電気的に結合された頂面グランド端子を備える、方法。
【請求項15】
前記ピークRF電力ダイおよび前記キャリアRF電力ダイに対し電気的に結合された支柱接触部を提供する工程と、
前記支柱接触部、前記ベースフランジ、前記ピークRF電力ダイ、前記キャリアRF電力ダイ、および前記中央分離壁を、前記支柱接触部および前記中央分離壁の上部の端子面を覆うのに十分な厚さを有するオーバーモールドされたパッケージ本体に封入する工程と、をさらに備え、
前記形成工程は、前記支柱接触部および前記中央分離壁の前記上部の端子面を前記パッケージ頂面を通じて露出させるように、材料を前記オーバーモールドされたパッケージ本体から除去する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記中央分離壁から延びる側方分離翼を提供する工程と、
前記側方分離翼を、前記ピークRF電力ダイまたは前記キャリアRF電力ダイの上方に延びるように配置する工程と、をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
リードレス電力増幅器(PA)パッケージであって、
ダイ搭載面と、パッケージ高さ方向において前記ダイ搭載面の反対に位置する下部フランジ面と、を有するベースフランジと、
前記ベースフランジから離間した電気伝導支柱支持部と、
前記ベースフランジの前記ダイ搭載面に対し取付けられており前記電気伝導支柱支持部と電気的に相互接続されている、第1無線周波数(RF)電力ダイと、
前記電気伝導支柱支持部に対し電気的に結合されており前記電気伝導支柱支持部から前記パッケージ高さ方向において突出している、支柱接触部と、
前記第1RF電力ダイを包囲しており、前記下部フランジ面の反対にあるパッケージ頂面を有する、パッケージ本体であって、前記パッケージ頂面は前記ダイ搭載面にほぼ平行に延びる、パッケージ本体と、
前記パッケージ頂面からアクセス可能であり、前記支柱接触部および前記電気伝導支柱支持部を通じて前記第1RF電力ダイと電気的に相互接続されている、頂面入力/出力(I/O)端子と、を備える、リードレスPAパッケージ。
【請求項18】
前記パッケージ本体は、前記パッケージ頂面を少なくとも部分的に形成する外主面を有するオーバーモールドされたパッケージ本体を含み、
前記頂面I/O端子は、前記オーバーモールドされたパッケージ本体の前記外主面に沿って露出した、また該外主面とほぼ同一平面である、前記支柱接触部の端子端面を含む、請求項17に記載のリードレスPAパッケージ。
【請求項19】
前記第1RF電力ダイは、ピークRF電力ダイを含み、
前記リードレスPAパッケージは、
前記ダイ搭載面に搭載され前記ベースフランジに対し電気的に結合された中央分離壁であって、前記第1RF電力ダイが前記中央分離壁の第1面に隣接して配置される、中央分離壁と、
前記中央分離壁の反対にある第2面に隣接して配置されたキャリアRF電力ダイと、をさらに備える、請求項17に記載のリードレスPAパッケージ。
【請求項20】
前記支柱接触部は、
前記パッケージ本体の第1側壁に隣接して位置する第1の対の支柱接触部と、
前記第1側壁の反対にある前記パッケージ本体の第2側壁に隣接して位置する第2の対の支柱接触部と、を備え、
前記中央分離壁は、
前記第1の対の前記支柱接触部間に延びる第1端部と、
前記第2の対の前記支柱接触部間に延びる第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に位置する中間部であって、前記ピークRF電力ダイおよび前記キャリアRF電力ダイが、前記中央分離壁の前記中間部の反対側に位置する、中間部と、を備える、請求項19に記載のリードレスPAパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、マイクロエレクトロニクスに関し、より詳細には、リードレス電力増幅器(PA)パッケージおよび頂面終端を有するリードレスPAパッケージを作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力増幅器(PA)は、無線周波数(RF)信号または電力増幅目的のために利用される、トランジスタ集積回路を載せる1つ以上の半導体ダイ、本明細書における「RF電力ダイ」を含む。ドハティPAパッケージの場合には、例えば、1つ以上のキャリアRF電力ダイおよび1つ以上のピークRF電力ダイがPAパッケージの本体内に含まれる。キャリアおよびピークRF電力ダイは、ダイのそれぞれの裏面に対し電気接触を提供する、金属ベースフランジなどの電気伝導基板に搭載されてよく、RF電力ダイの動作中に生じた過度の熱の散逸を補助するヒートシンクとしても機能し得る。ある場合では、PAパッケージは、エアキャビティを包囲する蓋またはカバーピースを備えてよく、用語「エアキャビティ」は産業上の慣習によって封止された気体含有キャビティを指す。他の例では、PAパッケージは、そうしたエアキャビティを欠くように、代わりに、パッケージされたRF電力ダイ、任意の他のパッケージされたマイクロエレクトロニクスコンポーネント(例えば、表面実装デバイス)、およびワイヤボンドまたは他の相互接続フィーチャが埋め込まれたボイドフリーの封入体を含むように、作製されてよい。この後者の種類のPAパッケージは、一般に、「封入された」、「オーバーモールドされた」または「プラスチック」パッケージと呼ばれ、本明細書では用語「オーバーモールドされた」が主として用いられる。上に示された通り、PAパッケージ内に含まれた1つまたは複数のRF電力ダイは、特に、より高い無線周波数(3ギガヘルツに近いまたは3ギガヘルツを超える)にて動作するキャリアRF電力ダイ、および積層窒化ガリウムダイ構造などの高電力密度化技術を利用して作製されたダイの場合には、動作中の過度の発熱の傾向があり得る。十分に散逸されない場合、そうした過度の熱は、PAパッケージ内に蓄積し、RF電力ダイの性能を制限することがある。
【0003】
本発明の1つ以上の実施例が、以下の図面と併せて以下に記載され、同様の符号は同様の要素を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0045822号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】マルチパス増幅器回路(ここでは、2通りのドハティ増幅器回路)であって、そのうちの部分が、本開示の例示的な実施形態に従ってリードレス電力増幅器(PA)を利用して実装され得る、マルチパス増幅器回路を概略的に示す図。
図2】本開示の例示的な実施形態に従って示される、頂面入力/出力(I/O)インタフェースと、オーバーモールドされたパッケージ本体(点線により示される)と、頂面終端分離構造と、を備えるリードレスPAパッケージの等角図。
図3】オーバーモールドされたパッケージ本体が図から隠された、図2に示される例示的なリードレスPAパッケージの頂面図。
図4】オーバーモールドされたパッケージ本体が図から隠された、図2に示される例示的なリードレスPAパッケージの底面図。
図5】オーバーモールドされたパッケージ本体が輪郭線により示される、図2図4に示される例示的なリードレスPAパッケージの側面図。
図6】オーバーモールドされたパッケージ本体が輪郭線により示される、図2図4に示される例示的なリードレスPAパッケージの図5とは反対の側面図。
図7】オーバーモールドされたパッケージ本体が図から隠された、図2図6に示される例示的なリードレスPAパッケージの側面図(図5および図6の側面図に対しパッケージの中心線に関し90度回転している)。
図8】オーバーモールドされたパッケージ本体が図から隠された、図2図6に示される例示的なリードレスPAパッケージの図7とは反対の側面図(図5および図6の側面図に対しパッケージの中心線に関し90度回転している)。
図9】製造の様々な段階にて示され、例示的な作製処理に従って生成される、図2図8の例示的なリードレスPAパッケージを示す図。
図10】製造の様々な段階にて示され、例示的な作製処理に従って生成される、図2図8の例示的なリードレスPAパッケージを示す図。
図11】製造の様々な段階にて示され、例示的な作製処理に従って生成される、図2図8の例示的なリードレスPAパッケージを示す図。
図12】製造の様々な段階にて示され、例示的な作製処理に従って生成される、図2図8の例示的なリードレスPAパッケージを示す図。
図13】例示的な実施形態に従って示される、図2図8の例示的なリードレスPAパッケージがより大きい電気システムまたはアセンブリ内に反転した配向において設置され得る1つの手法を示す図。
図14】本開示のさらなる例示的な実施形態に従って示される、頂面I/Oインタフェースとオーバーモールドされたパッケージ本体(点線により示される)と頂面終端分離構造とを備えるリードレスPAパッケージの等角図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図示の単純さおよび明確さのため、周知のフィーチャおよび技法の記載および詳細は、後続の詳細な説明に記載される発明の実施例および非限定的な実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるように省略され得る。添付の図面に現れるフィーチャまたは要素が、特に明記されない限り縮尺通りに示される必要がないことが、さらに理解される。例えば、図面におけるある要素または領域の寸法が、本発明の実施形態の理解を向上させるように、他の要素または領域に対し誇張され得る。
【0007】
本開示の実施形態は、上に簡潔に記載された図面の添付の図において示される。例示的な実施形態に対する様々な修正が、添付された特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱せずに、当業者によって想定され得る。用語「集積回路ダイ」または「ICダイ」は、ディスクリートの半導体材料含有ダイ、および以下に記載される種類のトランジスタ増幅器回路などのより複雑な能動集積回路を含む半導体材料含有ダイ上に形成される、集積された受動デバイス、金属酸化物半導体キャパシタデバイス、および他のそうした回路素子を含む。
【0008】
概要
以下は、電力増幅器(PA)パッケージ、および頂面入力/出力(I/O)インタフェースと底面熱インタフェースなどの他の特有のフィーチャとを備えるリードレスPAパッケージを作製するための方法を記載する。リードレスPAパッケージの与えられた実施形態では、頂面I/Oインタフェースは、パッケージ頂面とほぼ同一平面である、または、場合によってはパッケージ頂面に対しわずかに凹んだもしくは持ち上げられた端子を備えてよい。本明細書において現れる際、用語「パッケージ頂面」は、ベースフランジまたはPAパッケージ内に含まれるダイ支持基板の反対に位置するPAパッケージの外主面を指す。PAパッケージは、パッケージ中心線、すなわち、ベースフランジのダイ搭載面に対し直交して延びる軸(下記の「パッケージ高さ方向」に対応)に沿ってとられるように、パッケージ頂面の反対に位置するパッケージ底面をさらに備える。配向に関するそうした用語は、相対的な意味において利用され、「上部」、「頂面」、「下部」、および「底面」などの用語は、パッケージベースフランジ(またはダイ支持基板)に対するそれぞれの近接を考慮して定められ、与えられたリードレスPAパッケージは、3次元空間における任意の配向において機能することが可能であることに留意されたい。この後者の点では、リードレスPAパッケージの実施形態は、より大きいマイクロエレクトロニクスシステムまたはアセンブリに備えられる、マザーボードまたは他のプリント回路板(PCB)などの電気配線されたアセンブリレベル基板上に設置されるとき、反転した配向において搭載されてよい。さらに、リードレスPAパッケージの実施形態は、便利には、フラットなリードなしパッケージ、すなわち、頂面I/Oインタフェースの端子または接触パッドが、一般に同一平面または面一である、ほぼ平面の頂面を有するリードレスパッケージとして作製され、やはり、端子または接触パッドは、例えば、平面化またはバックグラインド工程に続く露出した接触面のメッキに起因して、頂面に対しわずかに凹んだまたは持ち上げられてよいことに留意されたい。そうしたフラットなリードなしパッケージの実施例は、デュアルフラットリードなし(DFN)またはクワッドフラットリードなし(QFN)パッケージを含む。この説明された、リードレスPAパッケージの実施形態は、様々なリードレス形態ファクタを有することが可能であり、PAパッケージは、頂面I/Oインタフェース、および、場合によっては、以下にさらに議論されるように、過度の熱をPAパッケージから抽出するための底面熱インタフェースを備える。
【0009】
リードレスPAパッケージの実施形態は、ドハティPAアーキテクチャを含むように有益に作製され、主として以下にそのように記載される。しかしながら、リードレスPAパッケージの実施形態は、他のPAアーキテクチャを有するように作製されることが可能であり、電力または信号増幅目的に利用される、1つ以上のトランジスタベアリング、無線周波数(RF)電力ダイを含むPAパッケージを提供する。さらに、実施形態では、リードレスPAパッケージは、PAパッケージの1つまたは複数の増幅器部分として機能する1つまたは複数のトランジスタ集積回路(IC)に加えて、追加の回路を含んでよい。そうした追加の回路は、リードレスPAパッケージ内にさらに含まれる、表面実装デバイス(SMD)ディスクリートマイクロエレクトロニクスコンポーネントを利用して、および/または、場合によっては、PAパッケージにさらに埋め込まれた小型PCB(または同様の電気配線された基板)を利用して実現されることが可能である。しかしながら、より一般的には、そうした追加の回路(PAパッケージの与えられた例に含まれるとき)は、リードレスPAパッケージにさらに含まれるとともにベースフランジの支持面または「ダイ搭載面」に対し搭載される、ディスクリートICダイ上に形成されるが、ある場合には、そうした追加の回路が、単一状態または複数段階の増幅器回路と共通のダイ上に形成されることも可能である。したがって、様々な実装では、追加のICダイが、リードレスPAパッケージ与えられた例に含まれ、ICフィーチャを載せまたは載置してよい。これは、入力および/または出力インピーダンス整合、トランジスタバイアス、調和振動終端、および他のそうした機能の任意の組合せを提供する。次いで、一般に、リードレスPAパッケージの実施形態は、1つまたは複数のICダイに含まれるように記載されてよく、ICダイのうちの1つ以上(および、しばしばICダイのうちの2つ以上)はRF電力ダイの形成を想定する。ドハティPAアーキテクチャの場合には、具体的には、パッケージされたICダイは、リードレスPAパッケージ内に並列に延びるピークおよびキャリア信号増幅経路の形態において並列増幅経路に配置される、1つ以上のピークRF電力ダイと1つ以上のキャリアRF電力ダイとを備えることが多い。
【0010】
頂面I/Oインタフェースの形成を補助するため、与えられ得たPAパッケージは、ある基盤構造または基部要素を備えてよく、PAパッケージ作製中にPAパッケージの他のコンポーネントがその基盤構造または基部要素へと組み立てられる。そうした基盤構造は、例えば、ベースフランジまたは電気伝導支柱(ピラー)支持部を含むことが可能である。電気伝導支柱支持部は、ベースフランジのダイ搭載面と同一平面であるダイ搭載平面においてとられる1つまたは複数の方向において、ベースフランジから離間している。製造効率のため、ベースフランジおよび電気伝導支柱支持部は、製造処理段階の大部分の間にベースフランジと電気伝導支柱支持部とを物理的に相互接続する犠牲リードフレーム部(例えば、タイバー、円材、または同様の接続部分)を有するリードフレームとして最初に提供されてよい。リードフレームの犠牲部は、PAパッケージ本体の形成に続いて、ベースフランジと電気伝導支柱支持部と(併せて「基部構造と呼ばれる」)を電気的に分離(絶縁)するようにシンギュレーション中に続けて除去される。さらに、そうしたリードフレームは、比較的多数の相互接続されたリードフレームを有しており複数のリードレスPAパッケージを並行して生成するように全方位的に処理される、より大きいリードフレームアレイに含まれてよい。実施形態においてリードレスPAパッケージの例はエアキャビティパッケージとして作製されることが可能である一方、リードレスPAパッケージは、オーバーモールドされたまたはオーバーモールドされたパッケージ本体を含む封入されたパッケージとして生成されることが多い。この後者の場合、リードフレームアレイは、ある処理工程(以下に記載される)の実行に続いてオーバーモールドされたパネルに封入されてよく、オーバーモールドされたパネルおよびリードフレームアレイ(併せて、「オーバーモールドされたリードフレームアレイ」)は、次いで同時のシンギュレーション処理を受ける。オーバーモールドされたリードフレームアレイのシンギュレーションは、複数のPAパッケージを生じ、各々は、オーバーモールドされたパネルのシンギュレーションされたピースから形成されたオーバーモールドされたパッケージを含み、リードフレームのシンギュレーションされたピース(例えば、ベースフランジおよび支柱支持部)はオーバーモールドされたパッケージ本体に埋め込まれる。
【0011】
例示的なPAパッケージ作製処理中、基部構造(ベースフランジおよび伝導支柱支持部)は、キャリアの上面、作業ベンチ、または同様の一時的な支持面に最初に置かれる。上述の通り、基部構造は、便利には、本質的にではないが、リードフレームフォーマットに提供される。1つ以上のRF電力ダイを含む1つまたは複数のICダイは、次いで、ベースフランジのダイ搭載面に対し取付けられる。ICダイおよび支柱支持部は、適宜、ワイヤボンディングによって、または別の相互接続アプローチを利用して、電気的に相互接続される。実施形態では、支柱接触部は、支柱支持部に対し、物理的に取付けられ電気的に結合される。支柱支持部の取付けは、PAパッケージの封入またはオーバーモールド(実施されるとき)の前に任意の適切な接合点にて行われる。支柱接触部は、実施形態では、例えば、ロッド状または列状形態ファクタを有する金属ピースの形態を想定することが可能であり、用語「金属」は、本明細書において現れる際、重量パーセントが1つまたは複数の金属から支配的になる材料を指す。特定の実施例として、支柱接触部は、実施形態では、銅(Cu)または他の金属ブロック、ロッド、または同様の形態であってよい。用語「銅」は、重量パーセントがCuから支配的になる金属材料を指す。支柱接触部は、電気伝導ダイ取付材料、はんだ、または焼結ボンディング材料(これらの例は以下に記載される)などの電気伝導ボンディング材料を利用して、支柱支持部に対し接合されてよい。1つのアプローチでは、電気伝導ボンド材料(例えば、金属粒子含有ペースト)は、プリントされるか、支柱支持部または支柱支持部の目標搭載位置の選択された部分に対し付与され、支柱接触部は、ピックアンドプレースツールを利用して所望の部分に置かれ、硬化が電気的および機械的ボンディング処理を完了させるように行われる。さらなる実施形態では、支柱接触部は、頂面I/O端子に対する垂直相互接続を提供するのに適切な異なる形態を想定してよい。例えば、支柱接触部は、取り囲む誘電体においてまたはその誘電体を通じて形成される電気伝導フィーチャまたは電気伝導体として提供されることが可能である。例えば、この後者の場合、1つまたは複数の支柱接触部は、頂面I/O端子に対する所望の相互接続を提供する金属ビア、コイニング、または同様の電気伝導フィーチャを有する配線基板(例えば、PCB)ピースを利用して提供されることが可能である。
【0012】
支柱接触部が作製処理中に提供される特定の手法にかかわらず、支柱接触部は、支柱支持部からパッケージ高さ方向にまたパッケージ頂面に向かって突出するように寸法決定され配置される。パッケージ頂面は、パッケージ本体、すなわち、PAパッケージに含まれるICダイおよび他の電気能動コンポーネントを包囲する金属体、構造、またはアセンブリの形成によって、支柱接触部の配置に続いて形成される。上述の通り、リードレスPAパッケージの実施形態は、ICダイ、支柱支持部、支柱接触部、およびベースフランジが埋め込まれる、オーバーモールドされたパッケージ本体を含む、オーバーモールドされたまたは封入されたパッケージとして容易に作製される。複数のPAパッケージが並行して作製される実施形態では、オーバーモールド処理は、過度の厚さまたは支柱接触部の上部の終端部、すなわち、パッケージ高さ方向においてとられるようにベースフランジから最も遠くに位置する、支柱接触部の端部を覆うオーバーバーデンを有する比較的大きいオーバーモールドされたパネルを作り出すように行われてよい。その後、オーバーモールドされたパネルは、支柱支持部の終端部または終端面を露出させるように、また成形されたパッケージ本体の頂面パッケージ面を少なくとも部分的に形成するように、バックグラインドなどの適切な金属除去処理を利用してシンニング(薄化)されてよい。このように頂面パッケージ面を通じて露出され、支柱支持部の上部の端子面は、パッケージ頂面I/Oインタフェースに含まれる頂面I/O端子を形成する。ある実施形態では、次いで、支柱接触部の露出面、またある場合には、以下にさらに議論される「頂面終端分離構造」の露出面を含み得る頂面I/O端子にメッキ仕上げを堆積するように、電気メッキが行われてよい。リードレスPAパッケージが、複数の追加のPAパッケージと並行して生成されるとき、支柱支持部に対し、また頂面終端分離構造に対しリードフレームアレイ自身を通じて電位を付与することによって、電気メッキ処理が行われてよい。このようにして、所望のメッキ層または複数層メッキシステムが、本開示の少なくともいくつかの実装では、はんだボールの堆積などの追加の処理工程を必要とすることなく、頂面I/Oインタフェースの端子へと容易に堆積されることが可能である。次いで、シンギュレーションが行われ、リードフレームアレイおよび成形されたパネルを、各々が頂面I/Oインタフェースを備える複数のディスクリートリードレスPAパッケージへと分離する。
【0013】
リードレスPAパッケージの実施形態は、頂面終端分離構造、すなわち、PAパッケージ動作中に所望されない電磁(EM)結合を低減させるようにシールドを提供する、また頂面I/Oインタフェースに含まれる(例えば、グランド)端子に対し電気的に結合された、電気伝導構造を備えるように作製される。提供されるとき、頂面終端分離構造は、与えられたリードレスPAパッケージの別個の信号増幅経路間に延びる1つ以上の中央仕切りまたは分離壁を備えてよい。中央分離壁自身は、少なくとも部分的には、電気伝導(例えば、金属)材料からなってよく、リードレスPAパッケージ動作中にグランドに対し電気的に結合されてよい。本明細書において現れる際、用語「グランド」は、パッケージ動作中に頂面I/Oインタフェースの端子に印加される電気的グランド(または同様の基準電圧)を指す。1つの可能なアプローチでは、中央分離壁は、支柱接触部に関して上記されたものと同様に、例えば、中央分離壁の上部の端子面を出現させるように、オーバーモールドされたパッケージ本体(例えば、より大きいオーバーモールドパネルに含まれる)をバックグラインドまたはシンニングすることによってパッケージ頂面に沿って露出した、ベースフランジの反対にある上部の端子面を備えてよい。中央分離壁は、例えば、電気伝導(例えば、焼結された)ボンディング材料を利用して中央分離壁をベースフランジに対し取り付けることによって、ベースフランジに対し電気的に結合されてよい。ベースフランジは、同様に、パッケージされたRF電力ダイに含まれるグランド端子に対し電気的に結合されてよい。例えば、ドハティ増幅器アーキテクチャの場合には、ピークおよびキャリア電力ダイは、電気伝導ボンディング材料を利用して、ベースフランジに対し電気的に結合されてよい。結果的に、そうした実施形態では、キャリアおよびピークRF電力ダイのグランド端子(例えば、ボンドパッド)に対する電気接続は、ベースフランジを通じて、頂面I/Oインタフェースに含まれるグランド端子に対し提供される。そのグランド端子は、リードレスPAパッケージの頂面からアクセス可能である中央分離壁の上面によって少なくとも部分的には形成されてよい。
【0014】
上述の通り、リードレスPAパッケージにドハティ増幅器アーキテクチャまたはレイアウトが与えられる実施形態では、ピークRF電力ダイとキャリアRF電力ダイとは、中央分離壁の反対側に配置されてよい。同様に、そうした追加の回路素子がPAパッケージに含まれるとき、ピークおよびキャリア信号増幅経路に含まれる任意の追加のパッケージされた回路素子または部分も、中央分離構造の反対側に配置されてよい。例えば、任意の数のインピーダンス整合ネットワークがディスクリートICダイを利用して実現されることが可能である。そのディスクリートICダイ同士は、PAパッケージのRF性能特性を強化するための増幅器信号経路間の低減されたEM結合のために、中央分離壁の反対側にデプロイされてよい。これに加えて、またはこれに代えて、中央分離壁は、中央分離壁が伸張している長さ方向などの与えられた方向においてPAパッケージ本体の実質的に全体でない場合、大部分に及ぶように寸法決定されてよい。したがって、中央分離壁の実施形態は、パッケージ本体の第1側壁にてまたはその第1側壁に隣接して終端するとともに第1の対の支柱接触部(例えば、PAパッケージの第1縁部に沿って離間された2つの入力支柱接触部)間に配置される第1端部と、異なる信号増幅経路に位置する仕切りICダイ(例えば、ドハティレイアウトの場合は区分されたピークRF電力ダイおよびキャリアRF電力ダイ)間に延びる中間部と、第2の対の支柱接触部(例えば、PAパッケージの第2縁部に沿って離間された2つの出力支柱接触部)間に配置される端部の反対にある第2端部と、を備えてよい。これに加えて、ベースフランジは、PAパッケージに対しパッケージ高さ方向に下向きに見て理解されるように、中央分離壁にほぼ平行に、中央分離壁の下部に延びる、延在部または「フランジタイバー」を備えるように生成されることが可能である。さらに、フランジタイバーが、前記の通り、リードフレームフォーマットまたはリードフレームアレイにおけるベースフランジの相互接続を可能とするように、PAパッケージ本体の外縁部または側壁まで延びてよい。
【0015】
1つまたは複数の突出部、フィン、または接地された分離壁から側方方向に(すなわち、ベースフランジのダイ搭載面にほぼ平行かつ中央分離壁が伸張する軸に対しほぼ垂直な軸に沿って)延びる交差壁をさらに備えるように頂面終端分離構造を形成することによって、追加の電気的分離が提供されることが可能である。例えば、頂面終端分離構造は、ベースフランジのダイ搭載面に対し下向きに見て見られるように、中央分離壁から別々の(例えば、キャリアおよびピーク)信号増幅経路へと突出する1つまたは複数の側方分離翼を備えてよい。そうした側方分離翼は、吊るされてよく、すなわち、垂直方向の分離間隙の大きさ分、ベースフランジのダイ搭載面の上に持ち上げられてよく、この分離間隙は、PAパッケージがオーバーモールドされたパッケージ本体を有するように作製される実施形態においては、封入またはオーバーモールド材料により充填されてよい。さらに、ある場合には、側方分離翼は、PAパッケージ内に含まれる1つまたは複数のRF電力ダイ(例えば、キャリアおよびピークRF電力ダイ)の上方において延びてよく、RF電力ダイの隣接面と接触しない関係においてごく近接して配置される下部の縁部(やはり、用語「下部」はベースフランジの近接に対し定められる)を有してよい。そうした配置に起因して、特に、側方分離翼が各々、PAパッケージのグランド端子に対し中央分離壁を通じて電気的に結合された電気伝導材料から少なくとも部分的には構成され得るとき、入力端子と出力端子との間またはRF電力ダイの面同士の間の強化された分離が達成されることが可能である。側方分離翼および中央分離壁は、実施形態では、単一ピースまたは一元構造として提供されてよい。一方、他の実施形態では、これはケースでなくてよい。側方分離翼は、強化された分離の利点のためにRF電力ダイを相互接続するようにワイヤボンディングが利用されるとき、ピークワイヤボンド高さを超えるのに十分な高さをさらに有してよい。追加の側方分離翼が、PAパッケージに潜在的に備えられる他のICダイの上方において延びるように同様に提供されてよく、PAパッケージが1つまたは複数のディスクリートICダイベアリングの入力側および/または出力側インピーダンス整合ネットワークをさらに含むときなど、実施形態では追加のダイ特有I/Oワイヤボンド分離を提供してよい。
【0016】
上記の手法では、PAパッケージは、費用効果の高い合理化された信頼性のある製造処理を利用して、小型のリードレス形態ファクタおよび強化された分離性能を有するように作製されることが可能である。さらなる利点として、PAパッケージの実施形態は、特有の底面熱インタフェースを備えることにより強化された熱的性能を提供してよい。本明細書において現れる際、用語「底面熱インタフェース」は、過度の熱がリードレスPAパッケージの本体から、および特にPAパッケージ内の1つまたは複数のRF電力ダイ(また場合によっては他の熱発生コンポーネント)の本体に隣接する位置から、容易に抽出されることが可能である、リードレスPAパッケージの底面に沿って露出した外部からアクセス可能であるインタフェースを指す。底面熱インタフェースは、例えば、PAパッケージの底面にて露出しておりその底面とほぼ同一平面であり得る、金属ベースフランジまたは他の基板(例えば、コイニングを有する小型PCBまたはコアレス基板)の下部主面であってよい。PAパッケージがより大きい電子アセンブリまたはシステム内に設置されたとき、底面熱インタフェースは、周囲環境に対する対流による熱伝達を可能とするように露出された(覆われない)ままであってよい。しかしながら、より有用には、PAパッケージからの過度の熱の流出および周囲環境への過度の熱の散逸をさらに促すように、PAパッケージがより大きい電子アセンブリ内に設置されるとき、底面熱インタフェースはアセンブリレベルヒートシンクに対し熱的に結合されてよい。そうしたアセンブリレベルヒートシンクは、例えば、フィンアレイ、金属シャーシ、またはPAパッケージから抽出された過度の熱を吸収し過度の熱を周囲環境に対し対流により伝達するまたは放出するのに適した別の熱伝導構造であることが可能である。電気接続が、PAパッケージの頂面のI/Oインタフェースと、PAパッケージがより大きい電子アセンブリまたはシステム内に設置されるときにPAパッケージが反転した配向において搭載される、マザーボードなどのアセンブリレベル基板と、の間にさらに形成される。したがって、一般的な意味では、熱がPAパッケージから第1の一般の方向において(底面熱インタフェースを通じて)伝導性により抽出されてよく、一方、電気信号が第2の反対方向において頂面I/Oインタフェースを通じてPAパッケージと交換される。
【0017】
本開示の実施形態によって提供される強化された熱的性能および分離性能を考えると、本開示のリードレスPAパッケージは、マッシブ複数入力/複数出力(mMIMOシステム)などの、向上した信頼性、最小化されたシステムコスト、無線ボリューム、およびより大きい熱散逸から利点を得る応用における使用によく適している。PAパッケージは、特にドハティPAアーキテクチャの場合においてキャリアRF電力ダイを作製するように利用されるとき、過度の熱発生の傾向が多い高電力密度ダイ技術と併せた使用にもよく適している。そうした高性能ダイの実施例は、積層窒化ガリウム(GaN)構造および積層ガリウムヒ素(GaAs)構造などの積層ベースダイ構造と、高抵抗バルクシリコン(Si)基板などのある高電気抵抗基板を利用して作製されたICダイとを備える。頂面I/Oインタフェースと他の特有のフィーチャ(例えば、頂面終端分離構造)とを有する第1の例示的なPAパッケージが、これより図1図8と併せて記載され、一方、複数の同様または同一のPAパッケージと併せたそうしたPAパッケージを作製するための例示的な方法が、図9図12に関して以下にさらに議論される。図2図8に示されるリードレスPAパッケージがより大きい電子アセンブリまたはシステム内に反転した配向において設置され得る1つの手法が、図13に関して以下において議論される。最後に、頂面I/Oインタフェースおよび頂面終端分離構造を有するリードレスPAパッケージの第2の例示的な実施形態が、図14に関して以下に説明される。
【0018】
頂面終端を備えるリードレス電力増幅器パッケージの一般的な議論
図1は、本開示の例示的な実施形態に従って示される、ドハティPA回路20の概略図である。ドハティPA回路20のうちの1つまたは複数の部分は、図1において一般に輪郭が示されるPAパッケージの形態において提供されてよい。リードレスPAパッケージ22は、リードレス頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32を備えるように提供されてよく、様々な端子または接触部の表面が、PAパッケージ22のPAパッケージ本体34の頂面パッケージ表面、例えば、座標凡例36のX-Y平面に一般に広がるほぼ平面または「フラットな」トポロジーを有し得る(必ずしも必要ではない)、パッケージ本体34の外側主面に露出した頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32に備えられる。本実施例では、具体的には、リードレスPAパッケージ22は、第1の組の入力端子24,30と、第2の組の出力端子26,32と、1つ以上のグランド端子28とを有するDFNパッケージとして実現される。さらなる実施形態では、リードレスPAパッケージ22は、他の頂面I/Oインタフェースレイアウトを有するように、また、例えば、PAパッケージ本体34内に含まれるマイクロエレクトロニクスコンポーネント(主として、ICダイ)の数および種類、パッケージコンポーネントレイアウトおよび利用される相互接続スキーム、ならびに他の設計ファクタに応じて、様々な他のフォームファクタを想定するように作製されることが可能である。PAパッケージ22の例示的な実現の追加の記載が、以下に説明される。しかしながら、まずドハティPA回路20が、PAパッケージ22の実施形態がより良く理解され得る例示的な非限定的コンテキストを提供するように、より詳細に記載される。
【0019】
示される実施例では、ドハティPA回路20は、入力ノード38と、出力ノード40と、ノード38,40間の電力分割器42(またはスプリッタ)とを備える。ドハティPA回路20は、キャリア(主)信号増幅経路と、1つ以上のピーク(副)信号増幅器とをさらに備える。電力分割器42は、入力ノード38にて受信された入力RF信号の電力を、それぞれキャリア信号増幅経路およびピーク信号増幅経路に沿って向けられる、キャリア部分およびピーク部分へと分割するように構成される。キャリア信号増幅経路およびピーク信号増幅経路は、回路出力ノード40に対し電気的に結合された電力結合器44における後続の再結合まで並列に延びる。図1において“APCS”のラベルを付された第1の矢印48によって特定されるように、キャリア信号増幅経路の一部は、リードレスPAパッケージ22を通じて延びる。同様に、“APPS”のラベルを付された第2の矢印50によって特定されるように、ピーク信号増幅経路の一部は、PAパッケージ22を通じてキャリア信号増幅経路(矢印48)と並列に同様に延びる。ドハティPA回路20が設置された、より大きいアセンブリまたはシステムの動作中、電気負荷46が回路出力ノード40に対し直接または任意の数の追加の回路素子(例えば、示されないインピーダンス変換器)を通じて結合されている。ドハティPA回路20は、セルラ基地局または他の無線通信システムなどの、より大きい示されないPAシステムにおける組込みによく適しており、負荷46は、アンテナアレイによる後続の無線経由の放射用に、増幅されたRF信号をドハティPA回路20から受信する。
【0020】
リードレスPAパッケージ22は、キャリア信号増幅経路に配置されているキャリア増幅器52と、ピーク信号増幅経路50に配置されているピーク増幅器54とを備える。増幅器52,54は各々、増幅器52,54を通じて伝導するRF信号を増幅するための1つ以上の電力トランジスタICを備える。電力トランジスタICは、半導体ダイ56,57上に作製されよく、また電力トランジスタICには単一段階または複数段階構成が与えられてよい。実施形態では、増幅器52,54のうちの一方または両方のすべての増幅器段階(または最後の増幅器段階)が、以下のトランジスタ技術、すなわち、シリコンベースの電界効果トランジスタ(例えば、側方方向に拡散した金属酸化物半導体FETまたはLDMOSFET)またはIII-V FET(例えば、窒化ガリウム(GaN)FET、ガリウムヒ素(GaAs)FET、リン化ガリウム(GaP)FET、リン化インジウム(InP)、もしくはアンチモン化インジウム(InSb)、または別の種類のIII-Vトランジスタ)のうちのいずれかを利用して実装されてよい。キャリアおよびピークトランジスタICは、例えば、ドハティPA回路20が対称的な構成を有するとき、等しく大きさが合わせられてよい。これに代えて、キャリアおよびピークトランジスタICは、異なる非対称的なドハティ構成の場合には、等しくない大きさを有してよい。用語「大きさ」は、この文脈において現れる際には、電力トランジスタICの有効周長または有効ゲート全幅を参照して利用される。非対称的なドハティ構成では、具体的には、ピークトランジスタICは、キャリアトランジスタICよりも何倍か大きくてよい。例えば、ピークトランジスタICは、ピークトランジスタICがキャリアトランジスタICのほぼ2倍の電流通過性能を有するように、キャリアトランジスタICの2倍の大きさであってよい。同様に、2:1以外のピーク-キャリア増幅器IC大きさ比が実装されてよい。説明の利便性のため、またFETがPAデバイスの生成に支配的に利用される事実を反映するように、前述の段落およびこの文書は、全体として、FETを利用して実装される(例えば、ドハティ)PAデバイスの実装に主として焦点を当てる。しかしながら、本開示の代替の実施形態では、バイポーラトランジスタを含む、他のトランジスタの種類を利用して実装されることが可能である。次いで、一般に、本開示の実施形態は、任意の特定のトランジスタの種類またはダイ技術と併せた利用に限定されない。
【0021】
ドハティPA回路20のキャリア増幅器52は、回路動作中にAB級モードにおいて機能するようにバイアスをかけられてよく、一方、ピーク増幅器54はC級モードにおいて機能するようにバイアスをかけられる。低電力レベル(例えば、入力ノード38に印加される入力信号の電力がピーク増幅器54の作動(ターンオン)閾値レベル未満であるとき)では、ドハティPA回路20は、低電力またはバックオフモードにおいて動作する。低電力(バックオフ)モードでは、キャリア増幅器52しか電流を負荷46に供給する増幅器でなくてよい。しかしながら、入力信号の電力がピーク増幅器54の閾値レベルを超えたとき、ドハティPA回路20は、キャリア増幅器5およびピーク増幅器54が電流を負荷46に同時に供給する、全電力または高電力モードにおける動作に移行する。この点において、ピーク増幅器54は、電力結合器44における有効負荷変調を提供し、キャリア増幅器52の電流出力の継続的なほぼ線形の増加を可能にする。さらに、ドハティPA回路20が、増幅器52,54が電流を負荷46に同時に供給する全電力モードにおいて動作する際、それに応じて、電力分割器42は入力信号電力を信号増幅経路間に分配する。ドハティPA回路20に対称的なドハティPA構成が与えられるとき、電力分割器42は、入力信号電力の約2分の1が各信号増幅経路(矢印48,50)に提供されるように、電力をほぼ均等に分配してよい。ドハティPA回路20に非対称的なドハティPA構成が与えられるときなどの他の例では、電力分割器42は、電力を信号増幅経路(矢印48,50)間に不均等に分配するように構成されてよい。次いで、本質的には、電力分割器42は、入力ノード38にて供給された入力RF信号を分割し、分割された信号部分は、次いで、キャリアまたは「主」信号増幅経路(矢印48)およびピークまたは「副」信号増幅経路(矢印50)に沿って別々に増幅される。
【0022】
示される実施例では、ドハティPA回路20は、2つの入力インピーダンス整合回路またはネットワーク58,60と、2つの出力インピーダンス整合回路またはネットワーク62,64とをさらに備える。整合ネットワーク58,60,62,64は、適宜、回路インピーダンスを負荷インピーダンスまたはソースインピーダンスに向かって付加的に増加させるように機能してよい。ある実装では、整合ネットワーク58,60,62,64は各々、PAパッケージ22の内側に全体がまたは部分的に実装されてよい。例えば、図1に示されるように、また図2図14に関連して以下に記載される実施例に対応して、入力整合ネットワーク58,60は、PAパッケージ22に含まれてよい。例えば、入力インピーダンス整合ネットワーク58は、PAパッケージ22に含まれるディスクリートICダイ上に実装され、中央分離壁66(以下に記載される)の第1の側(「キャリア側」)てよく、一方、入力インピーダンス整合ネットワーク60は、PAパッケージ22にさらに含まれるディスクリートICダイ上に同様に実装され、中央分離壁66の第2の反対側(「ピーク側」)に配置される。比較して、そうした実装では、出力インピーダンス整合ネットワーク62,64は、PAパッケージ22が搭載されるプリント回路板(PCB)または別のアセンブリレベル基板上に実装されてよく、ネットワーク62,64は、ICダイ、表面実装デバイス(SMD)またはアセンブリレベルPCB自身に形成される回路素子の任意の組合せを利用して実装される。他の例では、整合ネットワーク58,60,62,64のすべてまたは異なるサブセットが、PAパッケージ22へと一体化されてもよく、整合ネットワーク58,60,62,64のいずれもPAパッケージ22へと一体化されなくてもよい。したがって、大きい程度の設計柔軟性が、一般に、PAパッケージ22およびドハティPA回路20を実装するのにもたらされる。さらに、電力増幅器52,54の一方または両方が、より複雑な実施形態において、複数の並列増幅経路(単一の増幅経路よりもむしろ)により実装されてよい。例えば、例示的な非対称的なドハティ構成では、キャリア増幅器52は2つの(またはより多数の)並列増幅経路により実装されてよく、一方、ピーク増幅器54は3つの(またはいくつかの他の数の)並列増幅経路により実装される。さらに、N通りドハティ増幅器(N>2)の場合には、PAパッケージ22は、異なる構成またはレベルの複数のピーク増幅器を含んでよい。
【0023】
図1の比較的単純な実施例では、ドハティPA回路20は標準負荷ネットワーク構成を有する。したがって、入力側回路部は、例えばドハティPA回路20の動作の中心周波数にて、ピーク増幅器54に対し提供される入力信号がキャリア増幅器52に対し提供される入力信号に対し90度遅れるように、構成される。約90度の位相シフトを伴う増幅器52,54におけるキャリアおよびピーク入力RF信号の到達を保証するため、第1の位相遅れ素子68が、約90度の位相遅れをピーク入力信号に提供するように、ドハティPA回路20へと組み込まれてよい。例えば、位相遅れ素子68は、4分の1波長透過ライン、または約90度の電気長を有する別の適切な種類の遅れ素子を含んでよい。増幅器52,54の入力におけるキャリア増幅経路とピーク増幅経路と(矢印48,50)の間の生じた90度の位相遅れ差を補償するため、またそれによって増幅された信号が電力結合器44に同位相にて到達することを保証するように、出力側回路部は、約90度の位相遅れをキャリア増幅器52の出力と電力結合器44との間の信号に付与するように同様に構成される。これは、追加の位相遅れ素子70の提供により達成されてよい。ドハティPA回路20は、示される実施形態では標準負荷ネットワーク構成を有するが、他の負荷ネットワーク構成が他の実装では可能である。例えば、代替の実装では、ドハティPA回路20は、代替(または「反転」)負荷ネットワーク構成を代わりに有してよい。この場合、入力側回路部は、ドハティPA回路20の動作の中心周波数にて、キャリア増幅器52に対し供給された入力信号がピーク増幅器54に対し供給された入力信号に対し約90度遅れるように、構成されてよい。対応して、出力側回路部は、約90度の位相遅れをピーク増幅器52の出力と電力結合器44との間の信号に付与するように構成されてよい。
【0024】
リードレスPAパッケージ22は、頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32を備えるように作製される。さらに、図1の右下に見えるキー(key)72によって示されるように、頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32は、以下の「終端」または端子、すなわち、(i)入力端子24,30、(ii)出力端子26,32、および(iii)1つ以上の中央グランド端子28を備えてよい。頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32の端子は、図13に関連して以下にさらに議論されるように、様々な表面実装アプローチを利用した、より大きい電気システムまたはアセンブリにおけるPAパッケージ22の設置を行って、リードレスPAパッケージ22のパッケージ頂面からアクセス可能である。以下に詳細に議論されるように、端子24,26,30,32は、電気伝導支柱支持部76からパッケージ高さ方向(座標凡例36のZ軸に対応)に延びる、複数の長尺状支柱接触部74の露出した終端面によって形成されることが可能である。支柱接触部74および支柱支持部76は、電気伝導材料からなり、ある実施形態では、支柱接触部74のうちのいくつかまたはすべてが、自身の関連する電気伝導支柱支持部76とともに単一または一元(例えば金属)ピースとして一体に形成されてよい。しかしながら、より一般的には、支柱接触部74は、電気伝導ボンディング材料およびある場合には焼結ボンディング材料を利用して支柱支持部76に搭載される、長尺状金属ブロック、ロッド、または同様の電気伝導構造を利用して実現される。電気伝導経路は、頂面端子24,26,30,32を形成する支柱支持部76の上部の端子面から関連する支柱支持部76まで延びて結果的に生成される。支柱支持部76は、その結果、リードレスPAパッケージ22に含まれるICダイの適切な端子(例えば、ボンドパッド)に対し電気的に結合される。電気相互接続が、ワイヤボンディングによるかまたは別の相互接続技術(例えば、電気伝導インクを利用してコンフォーマルトレースを生成する3次元プリント技術)を利用するかにかかわらず、入力整合ネットワーク58,60とRF電力ダイ56との間に同様に形成される。支柱接触部74および支柱支持部76の追加の記載が、図2図8に関して以下に提供される。
【0025】
図1を参照し続けると、リードレスPAパッケージ22は、頂面終端分離構造66,84をさらに備える。広範囲の形態を想定することができる一方、頂面終端分離構造66,84は、示される実施例では、上述の中央分離壁66、また複数の側方分離翼84を備える。さらに、図1の概略図では、中央分離壁66および側方分離翼84の寸法決定および位置決定は、一般に概念的な意味において描かれ、パッケージ内分離構造66,84のより多くの現実的な実施例が図2図8に関して以下に議論される。第1の中央分離壁66に対処して、PAパッケージ22のこのフィーチャは、PAパッケージ22の頂面におけるまたは隣接する位置からパッケージ高さ方向(やはり、座標凡例36のZ軸に対応)にPAパッケージ22にさらに含まれる上述のベースフランジ78のダイ取付面に向かって延びる、電気伝導(例えば、金属)フィン状体またはピース部品の形態を想定してよい。実施形態では、中央分離壁66は、例えば、焼結ボンディング材料または別の電気伝導ボンディング材料を用いたボンディングによって、壁フランジにて、ベースフランジ78に対し物理的に取り付けられ、電気的に結合されよい。中央分離壁66の上部の端子面またはリッジ(すなわち、ベースフランジ78のダイ搭載面から最も遠くに位置する中央分離壁66の表面)は、キー72において特定されるクロスハッチングパターンによって示されるように、潜在的には側方分離翼84の上部の端子面またはリッジの同様の露出とともに、PAパッケージ22の頂面に沿って露出し、頂面グランド端子を形成してよい。以下にさらに議論されるように、これらの露出した表面は、電気メッキされるか、むき出しのままにされてよい。中央分離壁66、側方分離翼84(露出している場合)、および支柱接触部74の表面は、電気伝導材料の1つまたは複数の層によりメッキされたまたはコーティングされたとき、パッケージ頂面においてまたは沿って(したがってパッケージ頂面からアクセス可能)露出していると考えられることに留意されたい。
【0026】
上記の構造配置によって、中央分離壁66は、頂面I/Oインタフェース24,26,28,30,32のグランド端子と、パッケージ本体34の下部に埋め込まれ得るベースフランジ78との間に、比較的大きめの電気経路を提供する。さらに、座標凡例36のX-Y平面における寸法により示されるように、頂面終端分離構造66,84の比較的高価な表面エリアが与えられると、PAパッケージ22がより大きい電気システムまたはアセンブリ内に設置されたとき、比較的大きい表面エリアがボンディングおよび電気伝導に役立つ。RF電力ダイ56は、例えば、RF電力ダイ56をベースフランジ78のダイ搭載面に対し焼結金属(例えば、銀含有(Ag含有)ボンディング層)などの電気伝導ボンディング材料を利用して取り付けることによって、ベースフランジ78に対し電気的に結合される、グランド端子またはボンドパッドをさらに備えてよい。ロバスト電気接地経路は、PAパッケージ22の頂面グランド端子28(やはり、頂面終端分離構造66,84の、上部の露出した、メッキされたまたはメッキされていない表面によって形成される)から、中央分離壁66の本体を通じて、ベースフランジ78を通じて、RF電力ダイ56およびRF電力ダイ56へと一体化されたトランジスタIC回路(ピークおよびキャリア増幅器)のそれぞれのグランド端子まで延びて、結果的に形成される。さらに、図1に見られるように、キャリアトランジスタIC52を載せるキャリアRF電力ダイ56とピーク増幅器IC54を載せる電力ダイ56とは、中央分離壁66の反対側に配置される。接地された電気伝導構造として、中央分離壁66は、RF電力ダイ56間にEMシールドを提供し、キャリアトランジスタIC52とピーク増幅器IC54との間の所望されないEM結合を減少させるまたは取り除く。さらに、図1に示されるように、中央分離壁66は、第1パッケージ側壁80に隣接する位置から、PAパッケージ22の第2の反対のパッケージ側壁82に隣接する位置まで延びてよい。中央分離壁66は、したがって、信号増幅経路48,50の実質的な長さ全体に及んでよく、場合によっては、PAパッケージ22の実質的な長さ全体でない場合、座標凡例36のX軸に沿った寸法により示されるように、大部分に及んでよい。
【0027】
中央分離壁66は、したがって、第1の対の支柱接触部(頂面端子24,30に対応)間の第1端部と、第2の対の支柱接触部(頂面端子26,32に対応)間の第2端部と、第1端部と第2端部との間に位置する中間部と、を有するように記載されてよく、キャリア増幅器52を載せたRF電力ダイ56とピーク増幅器54を載せたRF電力ダイ56とは中央分離壁の中間部の反対側に位置する。中央分離壁66は、したがって、パッケージ長さ方向(座標凡例36のX軸に対応)に沿った包括的または徹底的なEMシールドを提供する。さらに、パッケージ高さ方向(座標凡例36のZ軸に対応)において、中央分離壁66は、実施形態では、ベースフランジ78のダイ搭載面から離れて完全にPAパッケージ22の頂面まで延びてよい。果的に、そうした実施形態では、中央分離壁66は、パッケージ幅方向(座標凡例36のY軸に対応するに取り入れられるように、壁66の第1中間端部によって分離される、パッケージ側壁80に隣接して位置する頂面端子24,30(および対応する支柱接触部74)間にEM分離をさらに提供する。同様に、中央分離壁66は、パッケージ幅方向に取り入れられるように、壁66の第2端部によって分離された頂面端子26,32(および対応する支柱接触部74)間にEM分離をさらに提供する。結果的に、中央分離壁66は、キャリア信号増幅経路(矢印48)とピーク信号増幅経路(矢印50)との間に、これらの経路のそれぞれの全体または実質的な全体に沿って、EMシールドまたは分離を提供する。
【0028】
上に示されたように、PAパッケージ22の実施形態は、中央分離壁66から側方方向(「パッケージ幅方向」に対応し、座標凡例36のY軸に平行)に延びる、1つまたは複数の分離フィン、交差壁、または翼84を備えるように作製されてよい。提供されるとき、側方分離翼84は、セット垂直方向の間隔または分離間隙の大きさ分、ベースフランジ78のダイ搭載面の上にあるように、吊るされてよい。図1に明確に示されないが、入力整合ネットワーク58,60を載せるICダイおよび/または増幅IC52,54を載せるRF電力ダイ56は、各分離翼84が近接するものの各ダイの中間部または中央部分に対し接触せず近接して延びるように、側方分離翼84の下部に配置されてよい。同時に、分離翼84には、パッケージ高さ方向(座標凡例36のY軸に対応)における寸法により示されるように、上部終端点隣接部まで延びるのに十分であり、場合によっては、中央分離壁66の上部端子面とほぼ同一平面である、高さが与えられてよい。さらに、ICダイ間の様々な電気相互接続がワイヤボンディングによって形成される実施形態では、側方分離翼84の上部の端子面(やはり、パッケージ高さ方向に取り入れられ、ベースフランジ78から最も遠くに位置する分離翼84の表面)は、ピークのワイヤボンド高さにて行われるワイヤボンドよりも、パッケージ頂面に近接して(また、確かに、パッケージ頂面とほぼ同一平面であり得る)位置してよい。この配置を考慮して、また側方分離翼84が接地された中央分離壁66に対し電気的に結合される(および場合によっては中央分離壁66と一体に形成される)ことをさらに考慮して、各分離翼84は、回路52,54,58,60を支えるダイの入力側端子(ボンドパッド)と出力側端子(ボンドパッド)との間、およびその回路52,53,58,60に対し電気的に結合されたワイヤボンド間に、追加の電気的分離またはシールドを提供してよい。これらの利点にもかかわらず、代替の実施形態では、側方分離翼84、および、場合によっては中央分離壁66が、PAパッケージ22から省略されてよい。
【0029】
これより図2図8を参照して、リードレスPAパッケージ22(図1)の例示的な実装が、ある範囲の観点から示され、以下「リードレスPAパッケージ86」と呼ばれる。この特定の実施例では、リードレスPAパッケージ86は、パッケージ高さ方向(座標凡例94のZ軸に対応)において反対にあるパッケージ頂面90とパッケージ底面92とを有するオーバーモールドされたパッケージ本体88を含むオーバーモールドされたまたは封入されたパッケージとして作製される。オーバーモールドされたパッケージ本体88は、ベースフランジ96および複数の支柱支持部97~100(ベースフランジ78および図1に示される支柱支持部76に一般にそれぞれ対応)を含む、PAパッケージ22の様々な内部構造またはコンポーネントの上方および周りに形成される。オーバーモールドされたパッケージ本体88は、リードレスPAパッケージ22の内部をより明確に示すように、少なくとも部分的には点線により示され、または図2図8における図から隠されている。しかしながら、ベースフランジ96および支柱支持部97~100が埋め込まれている下部の誘電体部102が、さらに示される。図9図12に関して以下により十分に記載されるように、下部の誘電体部102は、単一のオーバーモールドされた本体として、オーバーモールドされたパッケージ本体88の残りと一体に形成されてよい。代替の実施形態では、下部の誘電体部102は、最初のオーバーモールド処理により形成されることが可能であり、オーバーモールドされたパッケージ本体88の残りは、続けて第2オーバーモールド処理を利用して形成される。依然としてさらなる可能性として、下部の誘電体部102は、オーバーモールドされなくてよく、むしろセラミック、PCB樹脂、または別の誘電体材料からなってよい。その場合、下部の誘電体部102、ベースフランジ96および支柱支持部97~100は、事前に作製された構造として最初に生成されてよい。例えば、この場合、事前に作製された構造は、個々のユニットとしてまたは相互接続されたパネル形態において、サプライヤから購入されるか取得されてよい。
【0030】
ベースフランジ96は、上部面104(本明細書において「ダイ搭載面104」と呼ばれる)および反対にある下部フランジ面106を備える。複数のICダイ108~111は、リードレスPAパッケージ86の少なくともいくつかの実施形態において、パッケージ頂面90にほぼ平行に延び得る、ベースフランジ96のダイ搭載面104にわたって分布する、異なる位置に取り付けられる。リードレスPAパッケージ86にドハティ増幅器アーキテクチャが与えられ、図1に関して上記されたPAパッケージ22に一般に対応する、示される実施形態では、4つのICダイ108~111がPAパッケージ86により含まれる。すなわち、(i)キャリア側入力整合ネットワークを載せた第1ICダイ108(本明細書において「MNCSダイ108」)、(ii)ピーク側入力整合ネットワークを載せた第2ICダイ109(本明細書において「MNPSダイ109」)、(iii)キャリア増幅器ICを載せた第3ICダイ110(本明細書において「キャリアRF電力ダイ110」)、(iv)ピーク増幅器ICを載せた第4ICダイ111(本明細書において「ピークRF電力ダイ111」)である。MNCSダイ108およびキャリアRF電力ダイ110は、リードレスPAパッケージ86を通じて延びており図3の上部に示される第1矢印112によって表される、キャリア信号増幅経路に配置される。対称的に、MNPSダイ109およびピークRF電力ダイ111は、PAパッケージ86を通じて同様に延びており図3の下部に示される第2矢印112によって表される、キャリア信号増幅経路に配置される。
【0031】
複数の支柱接触部116~119および中央分離壁120が、オーバーモールドされたパッケージ本体88にさらに埋め込まれる。以下に議論されるように、支柱接触部116~119および中央分離壁120の上部の端子面は、パッケージ頂面90に沿って露出し、頂面I/Oインタフェース121,122,123,124,125を形成してよい。示される実施例では、具体的には、支柱接触部116の上部の端子面は頂面キャリア入力端子121を形成し、支柱接触部117の上部の端子面は頂面キャリア出力端子122を形成し、支柱接触部118の上部の端子面は頂面ピーク入力端子123を形成し、支柱接触部119の上部の端子面は頂面ピーク出力端子124を形成し、中央分離壁120の上部の端子面は頂面グランド端子125を形成する。頂面グランド端子125は、特に、複数の交差壁構造または中央分離壁120から延びる「側方分離翼」126~129の露出した上面またはリッジによってさらに形成されてよい。しかしながら、これは、側方分離翼126~129がパッケージ頂面90を破る前に高さ方向において終端する代替の実施形態の場合(または、側方分離翼126~129がリードレスPAパッケージ86から全体が省略されるとき)にはない。頂面端子121,122,123,124,125を形成する支柱接触部116~119および中央分離壁120の上部の端子面は、実施形態において、電気伝導材料の1つ以上の層によりメッキされるかコーティングされてよい。他の実施形態では、頂面端子121,122,123,124,125を形成する支柱接触部116~119および中央分離壁120の上部の端子面は、むき出しのままであるかメッキされなくてよい。いずれかの例では、頂面端子121,122,123,124,125を形成する支柱接触部116~119および中央分離壁120の上部の端子面は、図13に関してより十分に以下に議論されるように、マザーボードまたは他のアセンブリレベル基板上に提供された対応する電気インタフェースとの電気接続用にパッケージ頂面90からアクセス可能であるとき、露出していると考えられる。
【0032】
支柱接触部116~119は各々、支柱支持部97~100に対し取り付けられ、支柱支持部97~100からパッケージ高さ方向に上向きに突出する。支柱接触部116~119は各々、パッケージ高さ方向において伸張していてよく、十分な高さが与えられ支柱支持部97~100からパッケージ頂面90まで延びてよい。実施形態では、支柱接触部116~119の高さ(図5および図6において第1矢印140によって特定される)は、場合によっては、パッケージ高さ方向における寸法により示されるように、また図5および図6における第2矢印142によって示されるように、ベースフランジ96の2倍以上の高さまたは厚さであってよい。中央分離壁120(提供されるとき)の高さは、ベースフランジ96の高さまたは厚さを同様に超えてよく、示される実施例において支柱接触部116~119のそれぞれの高さにほぼ等しくてよい。中央分離壁120は、その長さに沿ってさらに伸張しており、PAパッケージ86の実質的な長さ全体でない場合、パッケージ長さ方向(座標凡例94のX軸に対応)における寸法により示されるように、大部分に広がってよい。したがって、中央分離壁120は、オーバーモールドされたパッケージ本体88の第1側壁に隣接する第1位置から、支柱接触部116,117間において、ベースフランジ96の広がった部分にわたって、支柱接触部118,119において、オーバーモールドされたパッケージ本体88の第2の反対にある側面まで延びてよい。言い換えれば、中央分離壁120は、支柱接触部116,117の対の間に配置された第1端部と、MNCSダイ108とMNCSダイ109との間およびキャリアRF電力ダイ110とピークRF電力ダイ111との間に配置された中間部と、支柱接触部118,119の対の間に配置された第2端部と、を備える。
【0033】
中央分離壁120は、ベースフランジ96のダイ搭載面104にボンディングされ、実施形態では、中央分離壁120は、焼結ボンディング材料などの電気伝導ボンディング材料を利用してベースフランジ96に対し電気的に結合されてよい。図4において最も明確に示されるように、ベースフランジ96は、主本体を備えるように生成され、主本体から2つの延在部または「フランジタイバー」130が反対方向に延びる。フランジタイバー130は、中央分離壁120の下部に位置し(ベースフランジ96のダイ搭載面104に対し下向きに見て見られるように)、中央分離壁120にほぼ平行に延び、支柱接触部116~119に隣接する反対にあるパッケージ側壁まで完全に延びて(したがって破って)よい。存在するとき、フランジタイバー130は、2つ以上の利点を提供する。第1に、フランジタイバー130は、中央分離壁120との(例えば冶金の)ボンディング用に増加した面積を、分離壁120の長さ全体またはほぼ全体に沿って提供し、このインタフェースに高強度、低電気抵抗の接合を提供する。第2に、フランジダイバー130は、支柱支持部97~100をさらに備えるリードフレームとしてのベースフランジの提供を容易にする。そうしたリードフレームの実施例は、図9に関して以下に議論される。
【0034】
異なる組のワイヤボンド132~138が、電気伝導支柱支持部96~100とICダイ108~111とに対し利用される。例えば、また最初にリードレスPAパッケージ86のキャリア信号増幅側を参照して、第1の組のワイヤボンド132は、支柱支持部94をMNCSダイ108の入力パッドに対し電気的に結合し、第2の組のワイヤボンド133は、MNCSダイ108の入力および出力パッドをキャリアRF電力ダイ110の入力パッドに対し電気的に結合し、第3の組のワイヤボンド134は、キャリアRF電力ダイ110の出力パッドを支柱支持部94に対し電気的に結合する。同様に、リードレスPAパッケージ86のピーク信号増幅側を参照して、第4の組のワイヤボンド135は、支柱支持部96をMNPSダイ109の入力パッドに対し電気的に結合し、第4の組のワイヤボンド136は、MNPSダイ109の入力および出力パッドをピークRF電力ダイ111の入力パッドに対し電気的に結合し、第6の組のワイヤボンド137は、ピークRF電力ダイ111の出力パッドを支柱支持部100に対し電気的に結合する。このようにして、電気伝導キャリア信号増幅経路(矢印112、図3)は、頂面端子121から、支柱接触部116を通じて、支柱支持部97を通じて、最終的にキャリアRF電力ダイ110まで、またキャリアRF電力ダイ110から、支柱支持部98を通じて、支柱接触部117を通じて、頂面端子122まで延びて形成される。同様の点において、電気伝導ピーク信号増幅経路(矢印114、図3)は、頂面端子123から、支柱接触部118を通じて、支柱支持部99を通じて、最終的にピークRF電力ダイ111まで、またピークRF電力ダイ111から、支柱支持部100を通じて、支柱接触部119を通じて、頂面端子124まで延びて形成される。パッケージ長さ(X軸)およびパッケージ高さ(Z軸)方向における中央分離壁120の配置および寸法が与えられると、中央分離壁120は、信号増幅経路同士のほぼ全体にわたってその間にパッケージEMシールドを提供しRF性能を最適化する。ワイヤボンド132~138に対して、中央分離壁120には、キャリアおよびピーク信号増幅経路の全体に沿ってとられるピークワイヤボンド高さを超えるように十分な熱が与えられる。したがって、中央分離壁120を通じたRF電力ダイ110,111の頂面端子接地を可能にしながら、分離がドハティPAパッケージ86のキャリア部分とピーク部分との間に提供される。
【0035】
上に示されたように、PAパッケージ22の実施形態は、中央分離壁120から側方方向(「パッケージ幅方向」に対応し、座標凡例94のY軸に平行)に延びる、1つまたは複数の側方分離翼126~129を備えるように作製されてよい。提供されるとき、側方分離翼126~129は、図5図8に最も明確に示されるように、セット垂直方向の間隔または分離間隙の大きさ分、ベースフランジ78のダイ搭載面の上にあるように、吊るされてよい。側方分離翼126~129は、非接触関係においてICダイ108~111の上方に吊るされながら、ベースフランジ96のダイ搭載面104へと下向きに見て見られるように、ICダイ108~111上に延びるように配置される。図7および図8において最も明確に示されるように、側方分離翼126~129は各々、与えられたICダイ108~111の入力パッドと出力パッドとの間に延び、ICダイの入力および出力パッドに対し接合されている特定のワイヤボンド132~138間のEM分離を提供してよい。ワイヤボンド132~138と側方分離翼126~129との間の接触なくワイヤボンド132~138が続く弧形状経路を収容するように、十分な間隔が提供され、示される構造はオーバーモールドされたパッケージ本体88(図7および図8における図から隠されている)に埋め込まれることにやはり留意されたい。MNPSダイ109をピークRF電力ダイ111(図7)に対し電気的に結合するワイヤボンド136について、具体的に、ワイヤボンド136のうちの1つまたは複数が、ダイ109,110からベースフランジ96の反対の方向に、また側方分離翼128,129間の空間の領域へと上向きに延びてよい。同様に、MNCSダイ108をキャリアRF電力ダイ110(図8)に対し電気的に結合するワイヤボンド136のうちの1つまたは複数が、ダイ108,110から側方分離翼126,127間の空間の領域へと上向きに突出する。したがって、側方分離翼128,129の提供は、PAパッケージ22のRF性能のさらなる強化のために、ICダイ108~111の入力側と出力側との間に、また関連するワイヤボンド132~138間に、追加の電気的分離またはEMシールドを提供する。さらに、ワイヤボンド132,134,135,137は、PAパッケージ86の少なくともいくつかの実施形態において、支柱接触部116~119の提供によって追加されたインダクタンスを補償するように、適宜、容易に大きさが合わせられることが可能である。
【0036】
リードレスPAパッケージ22の実施形態は、底面熱インタフェース144(図4)を備えるように、さらに生成されてよい。底面熱インタフェース144は、下部のフランジ面106をパッケージ底面92を通じて露出させることによって形成される。例えば、実施形態では、下部のフランジ面106は、パッケージ下面92とほぼ同一平面であってよく、または、場合によっては、パッケージ下面92を若干越えて延びてよい。比較して、また図5および図6における矢印153によって示されるように、支柱支持部97~100には、以下に記載されるように、電気伝導アセンブリレベルヒートシンクがパッケージ底面92および下部のフランジ面106と接触して置かれているときおよび場合、電気的橋絡を防止するべく、支柱支持部97~100がパッケージ底面92まで完全に延びないことを保証するように、減少した厚さ(例えば、ハーフエッチフィーチャ)が与えられる。図7および図8において抽熱矢印146によってさらに示されるように、したがって、直接的な次元的にロバストな抽熱経路が、ICダイ109~111から、ICダイ109~111をベースフランジ96のダイ搭載面104に対し取り付けるように利用された熱伝導ボンド層を通じて、下部のフランジ面106まで延びて生成されてよい。PAパッケージ18が最終的に設置されるより大きい電気アセンブリ内に存在する、そうしたアセンブリレベルヒートシンクのとき、過度の熱をICダイ109~111から、特にRF電力ダイ110,111から、リードレスPAパッケージ86の外部のアセンブリレベルヒートシンクまで移送するための、効率的な、直接的な(屈曲していない)、容量的にロバストな熱伝導経路。一般的な意味では、したがって、リードレスPAパッケージ22の電気経路および熱経路は別々であり、電気接続用のアセンブリレベル基板と熱散逸用のアセンブリレベルヒートシンクとの間におけるPAパッケージ22の搭載を可能とするように、PAパッケージ22を通じて反対方向に進行する。これは、事実上、特にRF電力ダイ110,111(および、最も関連して、キャリアRF電力ダイ110)がGaN積層ダイ構造などの高電力密度化ダイ技術を利用して作製されるとき、RF電力ダイ性能をさらに最適化するように、高効率の熱管理の解決策を提供する。この点についての追加の記載が、図13に関して以下に提供される。しかしながら、まず複数の同様のPAパッケージと組み合わせたリードレスPAパッケージ22に適した製造処理の実施例が、図9図12に関して議論される。
【0037】
頂面端子を有するリードレスPAパッケージを作製するための例示的な方法
図9図12は、図2図8に示される例示的なPAパッケージ86を、製造の様々な段階にて示す。最初に図3を参照すると、リードレスPAパッケージ86は、製造の中間段階において示されており、したがって、参照番号“86`”によって特定され、プライム符号(`)は、未完成または部分的に作製された状態における構造要素を示すときに参照番号に添えられる。これに加えて、リードレスPAパッケージ86は、図9におけるリードフレームベースの製造アプローチを利用して作製され、リードフレーム148の限定された領域が示される。リードフレームアレイ148は、リードレスPAパッケージ86と並行して、複数の追加のリードレスPAパッケージ150を生成するように処理される。リードレスPAパッケージ86`に関連して以下に記載される処理工程は、リードフレームアレイ148に全方位にわたって行われ、したがって、追加のリードレスPAパッケージ150と、リードレスPAパッケージ86と並行して処理される他の図示されないリードレスPAパッケージとに対し同等に応用可能であると理解される。この理由のため、図10図12は、特異的に生成されたリードレスPAパッケージ86に対し処理されるリードフレームアレイ148(すなわち、リードフレーム96~100,152)の部分に焦点を当てるが、一方、より大規模におけるリードフレーム96~100,152(および、生成されるときは、より大きいオーバーモールドされたパネル)の処理は示されない。
【0038】
示される例示的な実施形態では、ICダイ108~111は、リードフレーム96~100,152に備えられたベースフランジ96に対し取り付けられ、ワイヤボンド132~137は、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129の取付前に形成される。したがって、ICダイ108~111は、ベースフランジ96のダイ搭載面104上の自身の所望の部分に配置され、適切なボンディング材料を利用してその部分にボンディングされる。ICダイ108~111のうちの1つまたは複数をベースフランジ96に対し電気的に結合することが所望される実施形態(例えば、キャリアRF電力ダイ110およびピークRF電力ダイ111の場合と同様に)では、電気伝導ボンディング材料が利用される。1つの実施形態では、1つまたは複数の焼結ボンド層が利用されてよく、ICダイ108~111の1つまたは複数をベースフランジ96に対し取り付ける焼結ボンド層を形成するように続けて硬化される焼結前駆体材料を堆積することによって形成されてよい。そうした焼結ボンド層は、有利には、実施形態において支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129をベースフランジ96に対し取り付けるようにも利用される。他の実施形態では、異なる電気伝導材料は、ベースフランジ96に対する機械的および電気的接続を提供するように利用されてよく、所望される場合、はんだおよび金属充填(Ag充填)エポキシなどの電気伝導ダイ取付材料を含む。ICダイ108~111は、テープおよびリール上に、または別の媒体を利用して、最初に提供されてよく、ピックアンドプレースツールを利用して自身の所望の位置に置かれてよい。選ばれたボンディング材料は、ダイ配置前にベースフランジ96の適切な位置にディスペンスされてよく、続いて、ダイ配置、熱または紫外線硬化が行われてよい。ICダイ108~111の取付後、ボールボンディングなどのワイヤボンディング技術が行われ、ワイヤボンド132~137を生成する。
【0039】
次に図10を参照すると、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129が、支柱支持部97~100およびベースフランジ96上にそれぞれ配置されている。示される実施形態では、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129は、ディスクリートユニットとして置かれる。しかしながら、さらなる実施形態では、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129は、アレイとして配置されてよい。やはり、電気伝導ボンディング材料が、支柱接触部121~124間の所望の機械的および電気的接合を形成するように利用され、頂面端子分離構造120,126~129が、支柱支持部97~100およびベースフランジ96上に配置されている。上述の通り、はんだ、金属充填(Ag充填)エポキシ、および電気伝導ダイ取付材料を含む、様々な電気伝導ボンディング材料が利用されることが可能である。他の実施形態では、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129は、焼結ボンド層、すなわち、焼結金属粒子から形成され重量が1つまたは複数の金属組成から支配的に構成されたボンド層を利用して、支柱支持部97~100およびベースフランジ96に対し接合されてよい。そうした焼結材料から形成されたとき、ボンド層は、重量がCu、Ag、金(Au)、またはそれらの混合物から支配的に構成されてよい。そうした例では、焼結ボンド層は、強化する目的のために添加されるエポキシなどの有機材料を含有してもしなくてもよい。ある実施形態では、焼結前駆体材料は、湿り状態または乾燥状態(例えば、フィルム)応用技術を利用して付与される。例えば、1つのアプローチでは、焼結前駆体材料は、シルクスクリーンもしくは孔版印刷によって、または微細針(ファインニードル)ディスペンス技術を利用して、支柱支持部97~100およびベースフランジ96の選択された領域上に堆積してよい。他の実施形態では、焼結前駆体材料は、支柱支持部97~100およびベースフランジ96上への着座前に、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129の適切な表面に付与(例えば、噴霧するまたは浸漬させることによって)されてよい。次いで、焼結前駆体材料を、支柱接触部121~124と、頂面端子分離構造120,126~129と、支柱支持部97~100と、ベースフランジ96との間の様々なインタフェースにおける冶金ボンドを形成する焼結ボンド層へと変質させるように、硬化が低温加熱(圧力の付加を伴ってまたは伴わずに)を通じて行われてよい。
【0040】
支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129の取付に続いて、部分的に作製されたリードレスPAパッケージ86`に含まれる上記のコンポーネント、より一般には、リードフレームアレイ148が、オーバーモールドされる。オーバーモールドは、加熱された流動性を有する状態において適切な封入材料(例えば、熱硬化性ポリマー)をディスペンスすることを含んでよい。オーバーモールドされたパネル(図11におけるオーバーモールドされたパッケージ本体88を含む)が、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129を十分に封入する、過度の厚さまたはオーバーバーデンを有するように形成される。この後、オーバーモールドされたパッケージ本体88(および、より広くは、オーバーモールドされたパネル)が、材料をパッケージ頂面90から除去することによってシンニングされる。バックグラインド処理が、この目的のために利用されてよく、用語バックグラインドは、制御して材料をオーバーモールドされたパッケージ本体88(および、一般にオーバーモールドされたパネル)から除去するための様々なグラインドおよび研磨処理を包含する。頂面パッケージ面90は、支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129のそれぞれの上部の端子面を露出させるようにバックグラインドされ、それによって、頂面I/O端子121~125(図12に示される)を含む頂面I/Oインタフェースを生じる。所望される場合、新たに露出した頂面I/O端子121~125が、頂面I/O端子121~125に、および、場合によっては、部分的に作製されたPAパッケージの他の露出した金属領域に適切なメッキ仕上がりを形成するように、電気メッキされてよい。そうしたメッキ層は、実施形態では、スズ(Sn)、ニッケルパラジウム金(NiPdAu)、または別の金属材料からなることが可能である。特に、そうした電気メッキ処理は、リードフレームアレイ148が支柱接触部121~124および頂面端子分離構造120,126~129に対し作製処理において本接合点にて電気的に結合されたままとすれば、電位をリードフレームアレイ148自身に印加することによって行われる。最後に、オーバーモールドパネルおよびリードフレームアレイ148が、シンギュレーションされ(例えば、ソーイングによって)、リードレスPAパッケージ86を含む複数のリードレスPAパッケージを生じる。シンギュレーションは、犠牲部152をリードフレームアレイ148(図9において特定される)から除去し、支柱接触部121~124と頂面端子分離構造120,126~129とを電気的に分離する。さらなる実施形態では、犠牲部152は、1つまたは複数の寸法において減少してよく、溝が犠牲部152の底面に形成されてよく、または同様の体積減少修正が、犠牲部152に対してなされることが可能であり、リードフレーム96~100,152のシンギュレーション中にのこ刃が通過する金属体積を最小化する。
【0041】
したがって、上記は、リードレスPAパッケージ86を作製する例示的な方法を、方法複数の同様のPAパッケージと並行して記載している。製造処理のさらなる実施形態は、様々な点において異なってよい。例えば、代替の製造アプローチでは、金属粒子含有(例えば、Ag含有)ペーストなどのボンディング材料が、リードフレームアレイ148にわたって所望のパターンに最初にプリントされるか、ディスペンスされてよい。ICダイ109~111、支柱接触部121~124、頂面端子分離構造120,126~129は、次いで、リードフレームアレイ148にわたって、また支柱支持部97~100およびベースフランジ96の適切な搭載位置へと配置されてよい。全方位硬化工程は、ICダイ109~111、支柱接触部121~124、頂面端子分離構造120,126~129を支柱支持部97~100およびベースフランジ96に対し同時にボンディングするように行われてよい。プラズマクリーニングなどの追加の処理工程が、次いで行われてよく、相互接続(例えば、ワイヤボンディング)、オーバーモールド、およびシンギュレーションが続く。他の実装では、同様の処理工程に続いてよく、一方、支柱接触部121~124および/または頂面端子分離構造120,126~129が、リードフレームアレイ148およびオーバーモールドされたパネルのシンギュレーションと併せて電気的に分離した部分へと分離された、相互接続されたアレイの形態において提供される。これに代えて、他の実装では、上記の支柱接触部および分離構造取付工程によって製造を合理化するように、支柱接触部121~124および/または頂面端子分離構造120,126~129は、リードフレームアレイ148と一体に形成されてよい(リードフレームアレイ自身を製造または購入する際のより高いコストの潜在的なトレードオフを伴うにもかかわらず)。最後に、さらなる実装では、リードレスPAパッケージ86が、オーバーモールドされたまたは封入されたパッケージよりもむしろエアキャビティパッケージとして生成されてよい。例えば、この後者の場合には、リードレスPAパッケージの実施形態は、頂面I/Oインタフェースにおけるものを含む支柱接触部の上部の終端部に接触することを可能にするように、開口部がPAパッケージの蓋またはカバーピースに提供された蓋付きのエアキャビティパッケージとして作製されてよい。そうしたアプローチは、PAパッケージの大きさがより大きいときには、より実用的であり得る。
【0042】
電気伝導(例えば、金属)ブロックまたは同様の構造として最初に上記したが、支柱接触部121~124は、支柱接触部98~100から対応する頂面終端121~124までの電気伝導経路を提供するのに適した任意の形態を想定することが可能である。例えば、さらなる実装では、支柱支持部98~100は、電気伝導フィーチャが図2~4に示される座標凡例94のZ軸に沿って(一般にパッケージ高さ方向またはPAパッケージ86の中心線に平行)延びる基板(例えば、単一層または複数層PCB)部分または部品などの、電気配線された基板ピースまたはストリップの形態において提供されることが可能である。例えば、セラミック、PCB、または他のベース誘電体基板のピースが、クラスタまたはファーム、金属コイニング、または基板ピースを通じて垂直に電気的接続を可能にする、同様の電気伝導フィーチャを介して含むように、作製されることが可能である。これに加えて、そうした実施形態では、接地されたビアまたは同様の電気的に接地されたフィーチャが、リードレスPAパッケージ86内の目標とされる位置(例えば、ゲートおよびドレイン信号を、RF電力ダイ110,111によって支えられたFET回路まで伝導させる支柱接触部121~124)をシールドする追加のEMIを提供するように、配線された基板ピースに形成されることが可能である。そうした電気的に接地されたフィーチャは、接地されたビア、金属コイニング、または信号搬送ビアもしくはコイニングを同軸関係において十分に取り囲み得る他の電気伝導フィーチャの形態を想定することが可能であり、または代わりに、パッケージ内部に向かって内方に面する支柱側壁などの、支柱接触部121~124として機能する基板ピースの選択された縁部もしくは側壁に沿って垂直に延びてよい。さらに、そうした実施形態では、配線された基板の単一ピースまたは部分が、適切に寸法決定するときに複数の支柱接触部を提供するように利用されることが可能である。例えば、図2および図3におけるPAパッケージ86の左側を参照して、中央分離壁120の左端は、一般に矩形の平面図形形状を有する単一基板ピースが、示される実施例における支柱接触部116,118によって占有される領域に及ぶことを可能にするように、短くされてよく(または中央分離壁120が省略されてよい)、コイニングまたはビアクラスタは、支柱接触部116,118として機能するように基板ピースにおける適切な位置に形成される。同様のアプローチがまた、支柱接触部117,119を、PCB、セラミック、またはパッケージ本体内のこの位置における他の基板ピースもしくはストリップと置き換えるように利用されることが可能である。次いで、一般に、支柱接触部116~119は、1つまたは複数の電気配線された基板ピースを含む、支柱支持部98~100~頂面終端121~124間の所望の電気的接続を可能にする様々な形態において、電気伝導(金属)ブロックとして、またはそれらの組合せとして提供されることが可能である。
【0043】
先行する段落の説明は、リードレスPAパッケージ86にさらに含まれる頂面終端分離構造120,126~129に対し同等に応用可能である。この後者の点において、頂面終端分離構造120,126~129は、モノリシックまたは一元電気伝導(例えば、Cuまたは他の金属)ピースとして、いくつかの手法により組み立てられる複数の電気伝導ピースとして、または、頂面グランド端子125をベースフランジ96に対し垂直に接続するおよび/または上記のシールド機能を提供するビア、コイニング、もしくは他の電気伝導フィーチャを有する、電気配線された基板(例えば、単一層または複数層PCB、セラミック基板、または他の誘電体基板)として、提供されることが可能である。さらに、様々な実装では、単一の、比較的大きいT字形またはI字形基板ピース(例えば、PCBまたは所望の平面図形形状へと切込まれる他の配線された基板ピース)が、中央分離壁120および支柱接触部116~119の任意の組合せを包含する領域に及んでよく、電気伝導フィーチャ(例えば、ビア、コイニングなど)が、中央分離壁120および支柱接触部116~119として機能するまたは中央分離壁120および支柱接触部116~119を効率的に形成するように、基板ピースにおける適切な位置に形成される。このように、そうした大きな電気配線された基板ピースは、支柱支持部97~100と頂面終端121~124との間の所望の垂直相互接続を、またベースフランジ96と頂面終端125との間の所望の垂直相互接続を提供するように、リードレスPAパッケージ86へと組み込まれることが可能である。言い換えれば、実施形態では、電気伝導グランド、ゲート、ドレイン、およびシールド経路が、(i)PCBの1つの端部を通じて延びる第1ゲート、グランド、および第2ゲート伝導経路、(ii)PCBの第2の反対の端部を通じて延びる第1ドレイン、グランド、および第2ドレイン、(iii)第1端部から第2端部まで延びるグランド~グランド経路、を有する、I字形形状を有し得る単一PCB(または他の基板)ピースを通じて形成されてよい。そうした構造的アプローチの様々な組合せも、リードレスPAパッケージ86のさらなる実装において可能である。
【0044】
電子システムまたはアセンブリにおけるリードレスPAパッケージの例示的な説明
図13は、図2図8に示されるリードレスPAパッケージ86が、例示的な実施形態に従って示されるように、より大きい電子システムまたはアセンブリ154内に設置され得る、1つの手法を示す。電子アセンブリ154は、パッケージ頂面131がアセンブリレベル基板156に面するようにPAパッケージ86が反転された配向において搭載される、マザーボードなどのアセンブリレベル基板156を備える。PAパッケージ86の頂面I/Oインタフェースは、LGA158に対するはんだ接続(はんだ本体160に留意する)などの任意の適切な相互接続技術を利用して、アセンブリレベル基板156の上面における対応する相互接続フィーチャ(例えば、ボンドパッドおよびトレース)に対し電気的に結合される。他の実施形態では、パターニングされたはんだ層、ピングリッドアレイ(PGA)、またはボールグリッドアレイ(BGA)が、PAパッケージ86をアセンブリレベル基板156に対し搭載するように、またPAパッケージ86をアセンブリレベル基板156と電気的に相互接続するように、利用されてよい。さらに、明確さのため図13にはアセンブリレベル基板156の限定された部分しか示されない。様々な他のコンポーネントが、所望の回路構造を形成するように、アセンブリレベル基板156の図示されない部分にわたって分布してよい。
【0045】
アセンブリレベルヒートシンク162は、実施形態において、例えば、熱伝導ボンド層164を利用して、PAパッケージ86の底面92に対し直接搭載され、底面熱インタフェース144(図4)に対しボンディングされてよい。熱伝導ボンド層164は、焼結ボンド層または比較的低い熱抵抗を有する別のボンディング材料(電気伝導性があるまたは誘電体の)などの任意の熱伝導ボンディング材料からなることが可能である。他の実施形態では、アセンブリレベルヒートシンク162は、底面熱インタフェース144に対しあまり直接的でないように熱的に結合されてよい。例えば、他の例では、アセンブリレベルヒートシンク162は、PAパッケージ86から空間的に分離してよく、金属体または長尺状熱パイプなどの熱導管は、ヒートシンク162と底面熱インタフェース144との間において熱的に結合されてよい。PAパッケージ86に対するアセンブリレベルヒートシンク162の特定の位置にかかわらず、アセンブリレベルヒートシンク162は、任意の熱伝導構造またはPAパッケージ86から底面熱インタフェース144を通じて抽出される過度の熱を吸収するのに適したデバイスであることが可能である。例えば、実施形態では、アセンブリレベルヒートシンク162は、金属シャーシ、ひれ構造(例えば、ピンフィンアレイ)、またはPAパッケージ86の外部の別の熱伝導体であってよい。アセンブリレベルヒートシンク162は、周囲環境に対し放熱することによって対流により冷却されてよく、また、ある実施形態では、ファンは、作用する気流への対流による熱伝達を促すように、気流をアセンブリレベルヒートシンク162に対し向けてよい。実施形態では、アセンブリレベルヒートシンク162が、液体冷却剤を利用して能動的に冷却されることも可能である。次いで、一般に、アセンブリレベルヒートシンク162は、電子アセンブリ154の特性に応じて、異なる形態および構成を想定することが可能である。底面熱インタフェース144が露出されたまま(したがって、ヒートシンクに対し直接的には熱的に結合されていない)でありながら、PAパッケージ86がより大きい電子システムまたはアセンブリ内に設置されることも、ある用途においてそうした配置がPAパッケージ86からの十分な熱散逸を提供する場合には、可能である。
【0046】
頂面端子を有するリードレスPAパッケージの追加の実施例
図14は、本開示のさらなる例示的な実施形態に従って示される、リードレスPAパッケージ166の等角図である。多くの点において、リードレスPAパッケージ166は、図2図8に関連して上記されたリードレスPAパッケージ86と類似する。例えば、リードレスPAパッケージ166は、頂面I/Oインタフェース168~174と、少なくとも部分的にはパッケージ頂面178を形成するオーバーモールドされたパッケージ本体176(点線により示される)とを備える。ベースフランジ180は、複数の支柱支持部182と同様に、オーバーモールドされたパッケージ本体176に埋め込まれている。接触支柱184は、やはり支柱支持部182に対し接合されており、支柱支持部182から離れてパッケージ頂面178まで延び、I/Oインタフェース168~174に備えられる端子168~171を形成する。複数のICダイ181が、ベースフランジ180に対しボンディングされ、適宜ワイヤボンド185によって互いと、また支柱支持部182と相互接続される。並列のピークおよびキャリア信号増幅経路などの並列信号増幅経路は、したがって、リードレスPAパッケージ166により形成される。具体的には、第1(例えば、キャリア)信号増幅が、頂面端子170から頂面端子171まで延びて提供され、対応する支柱接触部184、支柱支持部182、ワイヤボンド185、およびICダイ181を通じて延びる。第2(例えば、ピーク)信号増幅経路は、同様に、頂面端子168から頂面端子169まで延びるように形成され、対応する支柱接触部184、支柱支持部182、ワイヤボンド185、およびICダイ181を通じて延びる。さらに、図14における図からは隠されているが、フランジ180の底面は、リードレスPAパッケージ166の使用中にICダイ181によって発生した過度の熱を散逸させるための、図4に関して記載された底面熱インタフェースに類似した底面熱インタフェースを形成するように、PAパッケージ166のパッケージ底面を通じて露出してよく、場合によっては、そのパッケージ底面とほぼ同一平面であってよい。
【0047】
リードレスPAパッケージ166は、フランジタイバー188を備えるベースフランジ180の上方に、またそのベースフランジ180に実質的にわたって延びる、中央分離壁186をさらに備える。図14の実施例では、リードレスPAパッケージ166は、オーバーモールドされたパッケージ本体176の反対の側壁に隣接して位置しており、中央分離壁186とほぼ平行に延びている、2つの追加の外周分離壁190,192も備える。外周分離壁190,192は、側方方向における追加のEMシールドを提供するべく、各信号増幅経路の少なくとも大部分が外周分離壁190,192のうちの一方と中央分離壁186との間に配置されるように、頂面端子168~171から延びる信号増幅経路の傍に配置される、またはその信号増幅経路と並んで延びる。これに加えて、外周分離壁190,192は、中央分離壁186の露出した上面によって形成された中央頂面グランド端子172と組み合わせて追加の頂面外周グランド端子173,174を形成するように、ベースフランジ180からパッケージ頂面178までさらに延びてよい。累積的に、頂面グランド端子172~174は、ベースフランジ180を、1つまたは複数の対応するパッド、ランド、またはアセンブリレベル基板上に提供された同様のフィーチャに対しボンディングすることによって接地するための容量的にロバストな電気接続を提供してよい。リードレスPAパッケージ166がより大きい電子システムまたはアセンブリ内に設置されたときに頂面グランド端子172~174が電気的に搭載され得る、例示的なそうしたパッドまたはランドのプラス形状は、図14において破線の輪郭線194によって表される。示される実施例においては側方分離翼を欠いているが、リードレスPAパッケージ166は、さらなる実施形態において、図2図8に関して上記された側方分離翼と類似した側方分離翼を備えるように生成されることが可能である。提供されるとき、そうした分離翼は、単一の格子状構造を形成するように、分離壁186,190,192間において延び、また分離壁186,190,192を橋絡してよい。さらに他の実施形態では、分離壁186,190,192のうちのいずれかまたはすべてが、リードレスPAパッケージ166から省略されてよい。
【0048】
結論
頂面終端を有するリードレスPAパッケージ、およびそうしたリードレスPAパッケージを作製する方法が、提供された。リードレスパッケージの実施形態は、信頼性のある、費用効果の高い製造処理(例えば、リードフレームベースの処理、全方位オーバーモールド、および合理化された電気メッキ技術)を利用して、頂面I/Oインタフェースの形成を容易にする支柱接触部および支柱支持部を備えるように作製されることが可能である。これに加えて、リードレスPAパッケージの実施形態は、底面熱インタフェースを備えてよく、より大きい電子アセンブリまたはシステムにおける設置を容易にしながら、最初の熱散逸経路をPAパッケージの電気信号経路から分離し熱的性能を向上させる。インパッケージ特有の、頂面終端分離構造は、PAパッケージ内にさらにデプロイされてよく、強化されたEMシールドおよびRF性能の利点のため、電気的能動(例えば、接地された)中央分離壁を含む。ある実施形態では、より小型のフィン状横壁または「分離翼」が、パッケージされたRF電力ダイ(および、場合によっては他のICダイ)の目標とされる領域の上方に突出するように、追加の入力~出力シールドのために、さらに提供されてよい。最終結果は、合理化された作製処理を利用した生成に従いながら、最適なRFおよび熱的性能特性を有する、リードレスPAパッケージ(例えば、DFNまたはQFNパッケージ)である。
【0049】
実施形態では、QFNまたはDFNパッケージなどのリードレスPAパッケージを作製するための方法は、電気伝導支柱支持部と、電気伝導支柱支持部から離間したベースフランジとを、例えば、支柱支持部とベースフランジとを取得することによって(例えば、独立した作製またはサプライヤからの購入によって)、および支柱支持部とベースフランジとを、例えばリードフレームフォーマットにおける作動面に置くことによって、提供する工程または処理を備える。ベースフランジは、ダイ搭載面と、パッケージ高さ方向(ダイ搭載面に対し直交する軸に平行)においてダイ搭載面の反対に位置する下部のフランジ面と、を有する。1つまたは複数のICダイは、ベースフランジのダイ搭載面に対し取り付けられ、ICダイのうちの1つ以上はRF電力ダイを含み、例えば、リードレスPAパッケージがドハティ増幅器レイアウトを含むように生成されたとき、キャリアおよびピークRF電力ダイが、例えば電気伝導ボンディング材料を利用して、ベースフランジに対し取り付けられる。1つまたは複数のICダイ(少なくとも第1RF電力ダイ)および電気伝導支柱支持部は、ワイヤボンディングによって、または別の適切な相互接続技術を利用して、電気的に相互接続される。ICダイと電気伝導支柱支持部とを電気的に相互接続する前または後に、電気伝導支柱支持部に対し電気的に結合され、支柱支持部からパッケージ高さ方向に突出する、支柱接触部が提供される(例えば、金属ブロックなどのディスクリート体として置かれる)。1つまたは複数のICダイは、オーバーモールドされるか、下部のフランジ面の反対のパッケージ頂面を少なくとも部分的には形成するパッケージ本体に包囲される。パッケージ頂面からアクセス可能であり、支柱接触部および電気伝導支柱支持部を通じてICダイと電気的に相互接続される、頂面I/O端子が形成される。リードレスPAパッケージがオーバーモールドされたパッケージ本体を備えるように作製される様々な実施形態では、頂面I/O端子は、バックグラインド処理を利用して、支柱接触部(および、場合によっては中央分離壁)の上部の端子面を露出させることによって形成されてよい。
【0050】
さらなる実施形態では、リードレスPAパッケージを作製するための方法は、ダイ搭載面を有するベースフランジを提供する工程または処理と、ピーク無線周波数(RF)電力ダイを第1ダイ搭載位置にてベースフランジに対し取付け、キャリアRF電力ダイを第2ダイ搭載位置にてベースフランジに対し取付ける工程または処理と、を備え、中央分離壁を、中央分離壁がベースフランジに対し電気的に結合され第1ダイ搭載と第2ダイ搭載位置との間に延びるように、ベースフランジに対し接合する工程または処理と、を備える。ピークRF電力ダイおよびキャリアRF電力ダイは、ベースフランジの反対に位置するとともにダイ搭載面にほぼ平行に延び得るパッケージ頂面を有する、パッケージ本体に包囲される。頂面I/Oインタフェースは、パッケージ頂面からアクセス可能であるように生成される。頂面I/Oインタフェースは、ピークRF電力およびキャリアRF電力ダイに対し中央分離壁およびベースフランジを通じて電気的に結合された頂面グランド端子を備える。少なくともいくつかの実装では、(i)ピークRF電力ダイおよびキャリアRF電力ダイに対し電気的に結合された支柱接触部を提供する工程または処理と、(ii)支柱接触部、ベースフランジ、ピークRF電力ダイ、キャリアRF電力ダイ、および中央分離壁を、支柱接触部および中央分離壁の上部の端子面を覆うのに十分な厚さを有するオーバーモールドされたパッケージ本体に封入する工程または処理と、をさらに備える。そうした実装では、形成する工程または処理は、支柱接触部および中央分離壁の上部の端子面をパッケージ頂面を通じて露出させるように、材料をオーバーモールドされたパッケージ本体から除去することを含んでよい。
【0051】
リードレスPAパッケージがさらに開示されており、1つの実施形態では、リードレスPAパッケージは、ダイ搭載面と、パッケージ高さ方向においてダイ搭載面の反対に位置する下部フランジ面と、を有するベースフランジを備える。電気伝導支柱支持部はベースフランジから離間しており、一方、1つまたは複数のICダイ(1つ以上のRF電力ダイを含むまたは1つ以上のRF電力ダイからなる)は、ベースフランジのダイ搭載面に対し取付けられており、電気伝導支柱支持部と電気的に相互接続されている。支柱接触部は、電気伝導支柱支持部に対し電気的に結合されており、電気伝導支柱支持部からパッケージ高さ方向において突出しており、パッケージ本体は、1つまたは複数のICダイ(例えば、1つ以上のRF電力ダイ)を包囲しており、下部フランジ面の反対にあるパッケージ頂面を有する。パッケージ頂面は、少なくともいくつかの例では、ダイ搭載面にほぼ平行に延びてよい。頂面I/O端子は、パッケージ頂面からアクセス可能であり、支柱接触部および電気伝導支柱支持部を通じて1つまたは複数のICダイと電気的に相互接続されている。さらに、ある実現では、パッケージ本体は、パッケージ頂面を少なくとも部分的に形成する外主面を有するオーバーモールドされたパッケージ本体の形態を想定し、頂面I/O端子は、オーバーモールドされたパッケージ本体の外主面に沿って露出した、また該外主面とほぼ同一平面である、支柱接触部(メッキされたまたはメッキされていない)の端子端面の形態を想定する。さらに別の実施形態では、支柱接触部は、パッケージ本体の第1側壁に隣接して位置する第1の対の支柱接触部と、第1側壁の反対にあるパッケージ本体の第2側壁に隣接して位置する第2の対の支柱接触部と、を備える。比較して、中央分離壁は、(i)第1の対の支柱接触部間に延びる第1端部と、(ii)第2の対の支柱接触部間に延びる第2部と、(iii)第1端部と第2端部との間に位置する中間部と、を備え、ピークRF電力ダイとキャリアRF電力ダイとは、中央分離壁の中間部の反対側に位置する。
【0052】
1つ以上の例示的な実施形態が前記の詳細な説明に提示されたが、多くの変形形態が存在することが認識される。1つまたは複数の例示的な実施形態は、例であるに過ぎず、また如何とも本発明の範囲、利用可能性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、前記の詳細な説明は、当業者に、本発明の例示的な実施形態を実装するのに便利なロードマップを提供し、様々な変更が、添付の特許請求の範囲において説明される発明の範囲から逸脱せずに、例示的な実施形態において記載された要素の機能および配置においてなされることが理解される。「第1」、「第2」、「第3」などの数字の識別子は、ある要素が前記の詳細の説明の進行中に導入された順序に従って上に用いられている。そうした数字の識別子は、後続の特許請求の範囲においても用いられ、特許請求の範囲における導入の順序を示してよい。したがって、そうした数字の識別子は、要素の導入の順番の違いを反映するように、詳細な説明と後続の特許請求の範囲との間において異なってよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】