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特開2022-68848ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068848
(43)【公開日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20220427BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021170987
(22)【出願日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】20203461
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】63/104,133
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/247,673
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511211737
【氏名又は名称】ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモ・ビーダーマン
(72)【発明者】
【氏名】ベルトホルト・ダネッカー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・フィッシャー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL42
4C160LL57
4C160LL64
4C160LL65
(57)【要約】
【課題】多軸骨固定装置の単純かつ効果的な取り扱いを可能にする、改善された結合装置を提供する。
【解決手段】ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置であって、第1の端部5aおよび第2の端部5bと、第1の端部5aおよび第2の端部5bを通って延在する中心軸Cと、ロッドを受け入れるための第1の端部5aにある凹部53を画定する2本の脚部54とを有する、骨アンカー1のヘッド3を受け入れるように構成された受容部分と、挿入されたヘッド3に圧力を加えるために受容部分5内で可動な圧力部材6と、圧力部材6に作用するように構成された作動部分7とを備える。作動部分7は、挿入されたヘッド3が受容部分5内で旋回可能である非ロック位置からヘッド3がクランプされるロック位置に圧力部材6を動かすために、中心軸Cに対して一定の角度に延在する回転軸Rを中心として少なくとも部分的に回転するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置であって、
前記骨アンカー(1)のヘッド(3)を受け入れるように構成された受容部分(5、5’、5’’)であって、前記受容部分(5、5’、5’’)は、第1の端部(5a)および第2の端部(5b)と、前記第1の端部(5a)および前記第2の端部(5b)を通って延在する中心軸(C)と、前記ロッドを受け入れるための前記第1の端部(5a)にある凹部(53)を画定する2本の脚部(54)とを有する、受容部分と、
挿入されたヘッド(3)に圧力を加えるために前記受容部分(5、5’、5’’)内で可動な圧力部材(6、6’、6’’)と、
前記圧力部材(6、6’、6’’)に作用するように構成された作動部分(7、7’、7’’)と
を備え、
前記作動部分(7、7’、7’’)は、挿入されたヘッド(3)が前記受容部分(5、5’、5’’)内で旋回可能である非ロック位置から前記ヘッド(3)がクランプされるロック位置に前記圧力部材(6、6’、6’’)を動かすために、前記中心軸(C)に対して一定の角度に延在する回転軸(R)を中心として少なくとも部分的に回転するように構成されている、結合装置。
【請求項2】
前記作動部分(7、7’、7’’)は、器具(100、100’、100’’、1000)によって前記受容部分の外側から係合可能である、請求項1に記載の結合装置。
【請求項3】
前記作動部分(7、7’、7’’)が、前記圧力部材が前記器具(100、100’、100’’、1000)によって係合されている限り、前記圧力部材(6、6’、6’’)を一時的に前記ロック位置に保持するように構成されている、請求項2に記載の結合装置。
【請求項4】
前記作動部分(7、7’、7’’)が、前記脚部(54)のうちの1つにおいて回転可能に支持されるように構成された挿入部材を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項5】
前記作動部分(7、7’、7’’)が、前記圧力部材(6、6’、6’’)と係合するように構成された係合部分(73)を備え、前記係合部分(73)は、前記作動部分(7、7’、7’’)の回転軸(R)に対して非対称に配置され、好ましくは、前記係合部分は、前記回転軸(R)に対して偏心している、請求項1~4のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項6】
前記圧力部材(6、6’、6’’)が、前記作動部分の前記係合部分(73)を受け入れるように構成された凹部(600)を備え、前記凹部(600)は、前記係合部分(73)が、前記圧力部材の非ロック位置に関連する第1の位置から前記ロック位置に関連する第2の位置まで、好ましくは案内されるように中で動くことを可能にする、請求項5に記載の結合装置。
【請求項7】
前記作動部分(7、7’、7’’)が、好ましくは、前記回転軸に沿った前記作動部分(7、7’、7’’)の軸方向運動に対するストッパ(57a)によって、前記受容部分に固定される、請求項1~6のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項8】
前記作動部分(7、7’、7’’)の前記回転軸(R)が前記中心軸(C)に実質的に垂直に延在し、前記圧力部材(6、6’、6’’)は、前記中心軸(C)に沿って軸方向に動かされるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項9】
前記作動部分(7、7’、7’’)が、前記受容部分(5、5’、5’’)の外側に延在する外側係合部分(71、71’、71’’)、好ましくは突出部を含み、前記外側係合部分は、器具によって係合可能である、請求項1~8のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項10】
前記外側係合部分(71)が、前記回転軸(R)に対して非対称である係合領域を含み、結果、前記外側係合部分を前記中心軸(C)に実質的に平行な方向に押す結果として、前記作動部分(7、7’)が回転する、請求項9に記載の結合装置。
【請求項11】
2つの作動部分(7,7;7’,7’;7’’,7’’)が、前記受容部分の各脚部(54)上に設けられ、好ましくは、前記2つの作動部分は、反対方向に回転するように構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項12】
前記受容部分(5、5’、5’’)が、好ましくは前記受容部分の外面において、前記器具のためのさらなる係合部分(56、56’、56’’)を備え、好ましくは前記係合部分(56)が前記回転軸(R)から周方向にオフセットされている、請求項1~11のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項13】
前記受容部分(5、5’、5’’)は、前記骨アンカー(1)の前記ヘッド(3)を前記第2の端部から挿入することを可能にするために、前記ヘッド(3)の最大幅(E)よりも大きい開口部(52)を前記第2の端部(5b)に備え、前記圧力部材(6、6’、6’’)は、前記圧力部材が前記作動部分(7、7’、7’’)によって前記第2の位置に動かされるときに、挿入されたヘッド(3)の周りで圧縮可能であるヘッド受容部分(66、66’’)を備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項14】
前記作動部分(7’’)は、第1の方向において、前記圧力部材(6’’)を、挿入されたヘッド(3)が前記受容部分(5’’)において旋回可能である前記非ロック位置から、前記ロック位置へと回転し、好ましくは前記第1の方向と反対の第2の方向において、前記圧力部材(6’’)を前記ロック位置から前記非ロック位置に動かすように回転するように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の骨固定装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の結合装置と、骨または椎骨内に固定されるシャンク(2)、および、好ましくは球形の外面部分を有するヘッド(3)を備える骨アンカー(1)とを含む、骨固定装置。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の結合装置、または請求項15に記載の骨固定装置と器具とからなるシステムであって、前記器具は、
好ましくは外管である第1の器具部分(110、110’、110’’、1100)であって、前記第1の器具部分は、受容部分(5、5’、5’’)と係合するように構成されている、第1の器具部分と、
好ましくは、前記第1の器具部分内に少なくとも部分的に配置されており、前記第1の器具部分に対して変位可能である第2の器具部分(120、120’、120’’、1200)であって、前記第2の器具部分は、前記作動部分(7、7’、7’’)に係合するように構成されている、第2の器具部分と
を備え、
前記第1の器具部分(110、110’、110’’、1100)が前記受容部分(5、5’、5’’)と係合し、前記第2の器具部分(120、120’、120’’、1200)が前記作動部分(7、7’、7’’)と係合して回転させると、前記圧力部材(6、6’、6’’)は、挿入されたヘッド(3)が前記受容部分において旋回可能である非ロック位置から、前記ヘッド(3)がクランプされるロック位置へと可動であり、好ましくは反対方向に回転することによって前記ロック位置から非ロック位置に戻るように可動である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置に関し、特に、骨アンカーの多軸位置をロッドとは独立してロックすることを可能にする多軸骨固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの多軸骨固定装置は、例えば、米国特許第9,155,567号から知られている。この文献に記載されている多軸椎弓根スクリューは、横方向のU字形の通路を有する受容ヘッドと、受容ヘッド内に回転可能に収容されたねじ部分および膨出端を有するシャンクとを含む。ロッキングインサートも受容ヘッド内に収納されており、膨出端と嵌合可能である。受容ヘッドは、横方向開口を含み、横方向開口は、外部圧迫構成要素が接触面に作用して、ロッキングインサートをそのロック位置に維持することができるように、ロッキングインサートの接触面を露出させる。
【0003】
米国特許出願公開第2019/0209214号では、ロッドを受け入れるための凹部を規定する2本の脚部を備えた受容部分と、受容部分内の骨アンカーのヘッドに圧力を加えるための圧力部材とを含む多軸骨固定装置が記載されている。圧力部材は、少なくとも部分的に受容部分の脚部内に延在し、骨固定装置の外側から直接係合可能である係合部分を有する。例えば、器具を用いて、圧力部材は、ヘッドが旋回可能である非ロック位置から、ヘッドがクランプされるロック位置まで調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,155,567号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0209214号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脊椎手術では、多くの場合、脊柱の複数の分節を、脊椎ロッドと多軸骨アンカーを使用して矯正および/または安定化する必要がある。そのような手技中に、多軸骨固定装置の受容部分に対して骨アンカーおよびロッドを繰り返し調整することが必要になる場合がある。したがって、矯正ステップ中のヘッドおよびロッドのロックおよびロック解除に関して、多軸骨固定装置の単純かつ効果的な取り扱いが必要である。
【0006】
本発明の目的は、改善された結合装置および改善された多軸骨固定装置、ならびにそのような結合装置またはそのような多軸骨固定装置のシステム、ならびに操作するのに便利であり、および/またはロックに関して効果的である器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の結合装置によって、または請求項15に記載の骨固定装置によって、または請求項16に記載のシステムによって解決される。さらなる展開は、従属クレームに記載されている。さらに、結合装置のさらなる展開はまた、骨固定装置および/またはシステムのさらなる開発として、ならびにその逆として実施することができる。
【0008】
一実施形態によれば、ロッドを骨アンカーに結合するための結合装置は、骨アンカーのヘッドを受け入れるように構成された受容部分を含み、受容部分は、第1の端部および第2の端部と、第1の端部および第2の端部を通って延在する中心軸と、ロッドを受け入れるための第1の端部にある凹部を画定する2本の脚部とを有する。結合装置は、挿入されたヘッドに圧力を加えるために受容部分内で可動な圧力部材をさらに含む。圧力部材に作用するように構成された作動部分が、受容部分上に設けられている。作動部分は、挿入されたヘッドが受容部分内で旋回可能である非ロック位置からヘッドがクランプされるロック位置に圧力部材を動かすために、ある角度で延在するかまたは中心軸に対して傾斜した回転軸を中心として少なくとも部分的に回転するように構成される。好ましくは、回転軸は、圧力部材が第2の端部に向かって下向きに動くように、中心軸に実質的に垂直である。さらに好ましくは、作動部分はカム部分を含み、圧力部材はカム部分の動きに従う。
【0009】
このような構造により、作動部分の回転運動を圧力部材の線形運動に変換することができる。これにより、ヘッドをロックするために圧力部材をわずかな距離だけ動かすことができる。より具体的には、作動部分は、回転シャフトと、圧力部材に作用するカム部分とを含むことができる。これにより、単純な構造で圧力部材の小さい動きを正確に行うことができる。
【0010】
器具が作動部分に作用する限り、ヘッドのロックは一時的なものであってもよい。したがって、骨アンカーに対する結合装置の角度位置を調整するステップは、迅速かつ容易に繰り返し実行することができる。
【0011】
一実施形態によれば、作動部分は、圧力部材をロック位置に動かすために第1の方向に回転可能であり、圧力部材を非ロック位置に動かすために好ましくは第1の方向と反対の第2の方向に回転可能である。
【0012】
一実施形態によれば、作動部分は、非ねじ式に受容部分と協働するように構成される。さらなる実施形態によれば、作動部分は、回転している間、回転軸の方向には実質的に静止している。さらに別の実施形態によれば、作動部分は、中心軸の方向の力がそれに加えられると回転するように構成される。さらに別の実施形態によれば、回転軸は中心軸と交差する。
【0013】
器具の実施形態は、好ましくは外管である第1の器具部分であって、第1の器具部分は、受容部分と係合するように構成されている、第1の器具部分と、第1の器具部分内に少なくとも部分的に配置され、第1の器具部分に対して変位可能な、好ましくは内側部分である第2の器具部分であって、第2の器具部分は、作動部分と係合するように構成されている、第2の器具部分とを含む。第1の器具部分が受容部分と係合し、第2の器具部分が作動部分と係合して作動部分を回転させるとき、圧力部材は、挿入されたヘッドが受容部分において旋回可能である非ロック位置から、ヘッドがクランプされるロック位置まで可動である。またさらなる実施形態では、第2の器具部分は、圧力部材がロック位置から非ロック位置に戻されるように、作動部分を反対方向に回転させるように構成される。
【0014】
さらなる実施形態によれば、器具は、受容部分に取り付けられるように構成された第1の器具部分と、圧力部材をロック位置に動かすために作動部分を第1の方向に回転させ、圧力部材を非ロック位置に動かすために、好ましくは第1の方向と反対の第2の方向に作動部分を作動させるように、受容部分の作動部分に作用するように構成された第2の器具部分とを備える。受容部分の作動部分は、その旋回軸が作動部分の回転軸と一致する2アームレバーを含むことができる。第2の器具部分は、2アームレバーの一方のアームに作用するように構成された第1の押し部材と、2アームレバーの他方のアームに作用するように構成された第2の押し部材とを含むことができる。受容部分は2つの作動部分を有し得るため、第1の押し部材および第2の押し部材の対が各作動部分に提供され得る。この実施形態によれば、ヘッドは、受容部分に対して選択的にロックおよびロック解除することができる。
【0015】
器具は、ロッドを受け入れる受容部分の凹部が、骨アンカーのヘッドのロック中に遮られないままであり得るように設計することができる。したがって、ロッドおよび/または固定部材がまだロッドチャネルに配置されていない間に、またはロッドがロッドチャネルの底部よりも高い位置にある場合に、骨アンカーのヘッドを一時的にロックすることが可能である。これにより、外科的矯正ステップの可能性が増大する可能性がある。
【0016】
骨固定装置は、骨アンカーのヘッドが受容部分の下端から挿入可能である底部装填骨固定装置、または骨アンカーが上端から受容部分に挿入可能である上部装填骨固定装置であり得る。
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いた実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】結合装置を含む多軸骨固定装置の第1の実施形態の分解斜視図である。
図2】組み立てられた状態での図1の多軸骨固定装置の斜視図である。
図3図1および図2の多軸骨固定装置の受容部分の上から見た斜視図である。
図4図3の受容部分の下から見た斜視図である。
図5図3および図4の受容部分の上面図である。
図6図3図5の受容部分の、図5の線A-Aに沿った断面図である。
図7図1および図2の多軸骨固定装置の圧力部材の上から見た斜視図である。
図8図7の圧力部材の下から見た斜視図である。
図9図7および図8の圧力部材の上面図である。
図10図7図9の圧力部材の、図9の線B-Bに沿った断面図である。
図11図1および図2の多軸骨固定装置の挿入部材の形態の作動部分の上から見た斜視図である。
図12図11の作動部分の下から見た斜視図である。
図13図11および図12の作動部分の側面図である。
図14図1および図2の多軸骨固定装置およびそれに取り付けられた器具を含むシステムの斜視図である。
図15図14の器具の外側部材の前部の上から見た斜視図である。
図16図15の前部の下から見た斜視図である。
図17図15および図16の前部の側面図である。
図18図14の器具の内側部材の前部の上から見た斜視図である。
図19図18に示す内側部材の前部の下から見た斜視図である。
図20図18および図19の内側部材の前部の側面図である。
図21a図1および図2の結合装置を図1および図2の骨アンカーに取り付け、骨アンカーのヘッドを結合装置内に事前にロックするステップの斜視図である。
図21b図1および図2の結合装置を図1および図2の骨アンカーに取り付け、骨アンカーのヘッドを結合装置内に事前にロックするステップの斜視図である。
図21c図1および図2の結合装置を図1および図2の骨アンカーに取り付け、骨アンカーのヘッドを結合装置内に事前にロックするステップの斜視図である。
図21d図1および図2の結合装置を図1および図2の骨アンカーに取り付け、骨アンカーのヘッドを結合装置内に事前にロックするステップの斜視図である。
図22a図21aに対応する骨アンカーに結合装置を取り付けるステップの、結合装置の中心軸を含み、結合装置の受容部分の対向する両側の脚部の中央を通って延在する平面における断面図である。
図22b図21bに対応する骨アンカーに結合装置を取り付けるステップの、結合装置の中心軸を含み、結合装置の受容部分の対向する両側の脚部の中央を通って延在する平面における断面図である。
図22c図21cに対応する骨アンカーに結合装置を取り付けるステップの、結合装置の中心軸を含み、結合装置の受容部分の対向する両側の脚部の中央を通って延在する平面における断面図である。
図22d図21dに対応する骨アンカーに結合装置を取り付けるステップの、結合装置の中心軸を含み、結合装置の受容部分の対向する両側の脚部の中央を通って延在する平面における断面図である。
図23a図14の器具を図1および図2の多軸骨固定装置に取り付け、器具によって作動部分を作動させるステップの斜視図である。
図23b図14の器具を図1および図2の多軸骨固定装置に取り付け、器具によって作動部分を作動させるステップの斜視図である。
図23c図14の器具を図1および図2の多軸骨固定装置に取り付け、器具によって作動部分を作動させるステップの斜視図である。
図24】作動部分が第1の位置にある状態で図14の器具が取り付けられた、図1および図2の多軸骨固定装置の一部分の側面図である。
図25図14の器具が取り付けられており、作動部分が第2の位置にある、図1および図2の多軸骨固定装置の一部分の斜視図である。
図26図1および図2の多軸骨固定装置のシステムの別の実施形態、およびそれに取り付けられた器具の別の実施形態の斜視図である。
図27図26の器具の外側部材の前部の上から見た斜視図である。
図28図27の前部の下から見た斜視図である。
図29図26の器具の内側部材の前部の下から見た斜視図である。
図30図26の器具が取り付けられている、図1および図2の多軸骨固定装置の一部分の斜視図である。
図31図30の器具が取り付けられた多軸骨固定装置の側面図である。
図32】多軸骨固定装置のさらなる実施形態および器具のさらなる実施形態を含む、システムのまたさらなる実施形態の斜視図である。
図33図32に示されるような多軸骨固定装置のさらなる実施形態の斜視分解図である。
図34】組み立てられた状態での図33の多軸骨固定装置の斜視図である。
図35図32図34の多軸骨固定装置の受容部分の上から見た斜視図である。
図36図35の受容部分の下から見た斜視図である。
図37図35および図36の受容部分の上面図である。
図38図35図37の受容部分の、図37の線D-Dに沿った断面図である。
図39図32図34の多軸骨固定装置の圧力部材の圧力部材の上から見た斜視図である。
図40図39の圧力部材を下から見た斜視図である。
図41図39および図40の圧力部材の上面図である。
図42図39図41の圧力部材の、図41の線F-Fに沿った断面図である。
図43図32図34による多軸骨固定装置の作動部分の斜視図である。
図44図43の作動部分の別の斜視図である。
図45a】受容部分のロッドのための凹部にロッドが配置された状態で、図32の器具を図32図34の多軸骨固定装置に取り付けて作動させるステップの斜視図である。
図45b】受容部分のロッドのための凹部にロッドが配置された状態で、図32の器具を図32図34の多軸骨固定装置に取り付けて作動させるステップの斜視図である。
図45c】受容部分のロッドのための凹部にロッドが配置された状態で、図32の器具を図32図34の多軸骨固定装置に取り付けて作動させるステップの斜視図である。
図45d】受容部分のロッドのための凹部にロッドが配置された状態で、図32の器具を図32図34の多軸骨固定装置に取り付けて作動させるステップの斜視図である。
図46図32の多軸骨固定装置の実施形態の多軸骨固定装置、および、ロッドが挿入された、装置に取り付けられている図32の器具の、結合装置の中心軸を含み、結合装置の受容部分の脚部の中央を通って延在する面における断面図である。
図47】器具を取り外してロッドを固定した図33の多軸骨固定装置の断面図である。
図48】多軸骨固定装置のさらなる実施形態の斜視分解図である。
図49】組み立てられた状態での図48の多軸骨固定装置の斜視図である。
図50図48および図49の多軸骨固定装置の受容部分の上から見た斜視図である。
図51図50の受容部分の下から見た斜視図である。
図52図50および図51の受容部分の上面図である。
図53図50図52の受容部分の、図52の線G-Gに沿った断面図である。
図54図50図53の受容部分の側面図である。
図55図48および図49の多軸骨固定装置の圧力部材の上から見た斜視図である。
図56図55の圧力部材の下から見た斜視図である。
図57図55および図56の圧力部材の上面図である。
図58図55図57の圧力部材の、図57の線H-Hに沿った断面図である。
図59図55図58の圧力部材の側面図である。
図60図48および図49の多軸骨固定装置の作動部分の下から見た斜視図である。
図61図60の作動部分の上から見た斜視図である。
図62図60および図61の作動部分の上面図である。
図63図60図62の作動部分の側面図である。
図64図48および図49の多軸骨固定装置とともに使用するための器具のさらなる実施形態の斜視図である。
図65図48および図49の多軸骨固定装置の受容部分に取り付けられているものとしての図64の器具の一部分の斜視図である。
図66図64および図65の器具の前部の斜視図である。
図67図64図66の器具の前部の断面図である。
図68】それに取り付けられている図64図67の器具の一部分を伴う、図48および図49の多軸骨固定装置の実施形態の多軸骨固定装置の、受容部分の中心軸を含み、脚部の中央を通って延在する面における断面図である。
図69a】器具および受容部分の作動部分の異なる構成における、図65のように多軸骨固定装置に取り付けられた器具の側面図である。
図69b】器具および受容部分の作動部分の異なる構成における、図65のように多軸骨固定装置に取り付けられた器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2に示されるように、本発明の一実施形態による骨固定装置は、例えば、ねじ部分を備えたシャンク2および球形外面部分を備えたヘッド3を有する骨ねじの形態の骨アンカー1を含む。ヘッド3はまた、駆動ツールと係合するための凹部4を有し得る。骨固定装置はまた、骨アンカー1に接続されるロッド(図示せず)を受け入れるための受容部分5を備える結合装置を含む。さらに、圧力部材6は、結合装置の一部を形成する。圧力部材6は、受容部分5内に設けられ、骨アンカー1のヘッド3に圧力を加えて、受容部分5に対してヘッド3をクランプおよび/または最終的にロックするように構成される。一般に作動部分を形成する2つの作動部材7は、受容部分5の対向する両側の壁に取り付けられ、圧力部材6を作動させてヘッド3に圧力を加えるように構成される。骨固定装置は、固定部材(図示せず)、例えば、ロッドを受容部分5内に固定するための内ねじまたは固定ねじをさらに含むことができる。
【0020】
受容部分5については、図3図6をさらに参照しながら、より詳細に説明する。受容部分5は、上端を形成する第1の端部5aおよび下端を形成する反対側の第2の端部5bと、第1の端部5aおよび第2の端部5bを通過する中心軸Cとを含む。受容部分の全体的な外形は、円筒形の表面上またはその中に形成される突起および溝などの構造を除いて、実質的に円筒形であり得る。通路50が、第1の端部5aから第2の端部5bまで、受容部分5を通って延在する。通路50は、異なる直径を有するいくつかのセクションを有することができる。第1の端部5aで始まるか、または第1の端部5aの近くで始まり、第1の端部5aからある距離まで延在する1つのセクションでは、通路50は、その少なくとも一部に雌ねじ51を設けることができる第1の同軸ボア50aとして形成される。第1の同軸ボア50aと第2の端部5bとの間に、圧力部材6の一部がその中で拡張することを可能にする第2の同軸ボア50bの形態の拡大部分を設けることができる。第2の端部5bと第2の同軸ボア50bとの間に、例えば第2の端部5bに向かって円錐形に狭くなる狭小化部分50cが形成される。通路50により、開口部52が第2の端部5bに形成され、その幅は、ヘッド3の最大外径Eよりも大きい。したがって、受容部分5は、骨アンカー1のヘッド3を第2の端部5bの開口部52を通して受容部分5に挿入するのに適している。
【0021】
受容部分5の第1の端部5aに隣接する領域において、実質的にU字形であり得る凹部53が、第1の端部5aから第2の端部5bの方向に延在する。凹部53の幅は、挿入されるロッドの直径よりもわずかに大きく、結果、ロッドを、凹部53内に配置し、その中に案内することができる。これにより、凹部53は、ロッド受容凹部またはロッドのチャネルを形成し、チャネルの側壁は、2つの自由脚部54を規定する。脚部54の各々は、横穴55を備える。横穴55は、受容部分5の外面から通路50内に完全に延在し、円筒軸Rを有する実質的に円筒形の穴であり得る。この実施形態では、円筒軸Rは、中心軸Cに垂直に延在し、中心軸Cと交差する。穴55は、実質的にU字形の凹部53の底部53aのわずかに上の軸方向高さにあり得る。さらに、穴52の円筒軸Rは、周方向において実質的に脚部54の中心を通って延在することができる。したがって、穴は実質的に対称であり、中心軸Cを通り、脚部54の中心を通って延在する平面に関して、2つの穴55の円筒軸Rは一致している。穴55の内径は、作動部材7がそれぞれ穴55に挿入され得、その中で回転可能に支持されるように、作動部材7の外径よりもわずかに大きいだけである。したがって、作動部材7と受容部分との間の協働は非ねじ式である。
【0022】
各脚部54上で、穴55の上方に、突起56が脚部54の外壁に形成され、これは、受容部分5を器具と係合させるための係合部分として機能する。突起56は、中心軸および各脚部の中央を通って延在する平面に関して、互いに非対称である。より詳細には、各突起56は、同じ周方向に穴55からオフセットされ、凹部53の境界に隣接している。特に上面図で図5に見られるように、凹部53の長手方向軸の一方の側にある一方の脚部54の1つの突起56は、軸Lの方向において凹部53の一方の境界に向かってオフセットされている。他方の脚部54の他方の突起56は、凹部53の長手方向軸Lの反対側にあり、軸Lの方向において凹部53の反対側の境界に向かってオフセットされている。突起56は、円筒形外面を備えた四隅のある基部56aと、第1の端部5aに向けられた屋根形状部分56bとを備える。屋根形状部分56bは、その先端領域に斜角部分56cを有し得る。示されている例では、突起56は、一方の側が凹部53の境界と同一平面上にある。突起は、突起を器具との係合に適したものにする他の形状を有してもよいことに留意されたい。
【0023】
さらに、受容部分5は、作動部材7が穴55内に配置されたときに、器具の一部を作動部材7に案内するために、その外壁内の溝57を各脚部54上に備える。溝57は、第1の端部5aから、第2の端部5bからの一定の距離まで中心軸Cに実質的に平行に延在し、周方向において突起56と反対側の穴55に隣接して配置されている。さらに、溝57は、穴55に向かって開くことができる。雌ねじ57の最下端から一定の距離において、圧力部材6の一部の支台として機能する、周方向に延在する溝58が、受容部分の内壁内に形成され得る。
【0024】
さらに図7図10を参照して、圧力部材6をより詳細に説明する。圧力部材6は、上端を形成する第1の端部6aと、下端を形成する第2の端部6bとを含む。圧力部材の上側部分60は、ロッド受容部分を含み、圧力部材の下側部分61は、ヘッド受容部分を含む。圧力部材6の外面は、圧力部材6を通路内に配置することができ、受容部分5の同軸ボア50a内でスライドすることができるような外径を備えた実質的な円筒形である。圧力部材6が受容部分5に取り付けられると、圧力部材の中心軸は、受容部分の中心軸Cと一致する。上側部分60内には、挿入されたロッドを支持するように構成されたロッド支持面62が提供され得る。ロッド支持面62の長手方向軸lは、中心軸Cを横切って延在する。ロッド支持面62は、異なる直径のロッドの支持を可能にするために、中心軸Cを横切る方向にV字形の断面を有し得る。しかしながら、ロッド支持面はまた、平坦もしくは円筒形であってもよく、または他の任意の形状を有してもよい。ロッド支持面62の左側および右側には、実質的に平坦な内面および実質的に円筒形の外面を有する直立脚部63が形成されている。
【0025】
第1の端部6aに隣接して、圧力部材6の円筒形主要部分60の外面を超えて突出する実質的に円筒形のリム部分64が、各脚部63上に形成される。平坦化された外端64aが形成され得るように、リム部分64の最外セクションを切り取ることができる。周方向の脚部63の中心において、平坦化された端部64aは、圧力部材の円筒形外面と同一平面になり得る。リム部分64は、圧力部材6が受容部分5に配置され、ヘッド3の挿入位置をとった後、圧力部材6が第1の端部を通って逃げるのを防ぐために、受容部分5の溝58と係合するように構成される。ロッド支持面62と直立脚部63との間に、ロッド支持面62に平行に延在する溝65が形成され、直立脚部63をわずかに可撓性にする。
【0026】
圧力部材6の下側部分61には、骨アンカー1のヘッド3のためのヘッド受容凹部66が設けられている。ヘッド受容凹部66は、ヘッド3の半径に対応する半径を有する実質的に球形であり得、最大外径Eを有するヘッドの領域にわたって延在する。下側部分はまた、第2の端部6bにおいて開いている複数のスリット68を含む。スリット68の数および寸法は、ヘッド受容凹部66を閉じ込める壁が柔軟であり、より具体的には、ヘッド3が挿入されたときにヘッド3にスナップするように拡張することができるようなものである。柔軟性を高めるために、スリット68の閉端部分68aを広げることができる。圧力部材6の第2の端部6bに隣接する外面部分69は、先細り、例えば円錐形に先細りにすることができる。外面部分69は、受容部分5の通路の狭小化部分50cと協働するように構成される。圧力部材6内の同軸ボア67は、駆動ツールによるヘッド3へのアクセスを可能にする。
【0027】
脚部63の各々において、外側から内側に脚部を通って完全に延在する凹部600が形成される。凹部600は、周方向に細長く、2つの実質的に真っ直ぐな部分600bによって接続されている、実質的に円筒セグメント形状の端部600aを有する。さらに、凹部600は、作動部材7の突起が実質的に細長い穴600の長さ方向にのみその中で動くように構成されるような、周方向の長さおよび中心軸Cの軸方向のそのような高さを有する。より具体的には、凹部600は、特に図9および図10に見られるように、周方向における脚部の中央に対して非対称に配置されている。片方の脚部63の一方の凹部600は、脚部の中央から一方の側に向かってオフセットされ、他方の凹部600は、脚部63の中央から反対側に向かってオフセットされている。これは、下記に説明するように、作動部材7上の係合部分の偏心配置に由来する。
【0028】
図1および図2、さらに図11図13に示されるように、作動部材7は同一であり得、各々、受容部分5の穴55に挿入可能なモノリシック部品として設計され得る。より具体的には、各作動部材7は、作動部材が受容部分5の脚部54の穴55内に配置され得、穴55内で回転可能に支持されるような外径を有する円筒形主要部分70を有する。主要部分70は、2つの対向する円形または部分的に円形の端面を含み、作動部材が受容部分5に取り付けられているときに、そのうちの1つは、受容部分5の外側に面する外面70aを形成し、反対側は、受容部分5の内側に面する内面70bを形成する。主要部分70の厚さは、穴55の周りの受容部分の壁厚に実質的に対応する。
【0029】
外面70a上には、後端71aおよび反対側の自由な前端71bを有するレバー状突起71が形成されている。レバー状突起71は、外面に垂直な厚さを有し、厚さは、後端71aから、後端71aからの一定の距離まで滑らかに増加し、その後、自由端71bまで一定であり得る。自由端71bは、外面70aの輪郭を超えて突出し得る。特に図13に示すように、レバー状突起71の位置は、レバー上突起が外面70aの最大径を有する領域にあたって延在するが、レバー軸に垂直な方向において主要部分70の反対側よりも片側に近い位置に配置することができるような位置であり得る。レバー状突起71の上側71cは、器具の一部によって係合されるように構成された係合面を形成する。係合面71cに隣接して、外面70aは、主要部分70の一部が切り取られた凹部72を有する。凹部72は、器具の一部のための案内およびスペースを提供し得る。
【0030】
作動部材7が穴55に挿入されると、主要部分70の円筒軸は、穴の円筒軸Rと一致し、作動部材7の回転軸Rを形成する。内面70bには、作動部材7の主要部分70の外径よりも小さい外径を有する、円筒状突起73の形態の、圧力部材と係合するための係合部分が設けられている。円筒状突起73は、レバー状突起71の前部領域と反対の位置で内面70bにあり、主要部分70の外縁まで延在することができる。円筒状突起73の円筒軸zは、主要部分70の円筒軸Rに平行に延在しており、したがって、円筒状突起73の円筒軸zは、主要部分70の回転軸Rからオフセットされている。これにより、円筒状突起73は、偏心作動部分、より具体的にはカム部分として機能する。円筒状突起73の高さは、作動部材7が穴55に取り付けられると、円筒状突起73が圧力部材6の脚部63の凹部600内へと延在するような高さである。その結果、レバー状突起71が器具に係合して押し下げられると、作動部材7が穴55内で一定程度まで回転する。回転している間、作動部材7は、回転軸の方向に静止し得る。円筒状突起73は、その動きが端部600aの間の凹部600内に制限されている。円筒状突起73が回転軸Rを中心とする偏心経路上を動くとき、突起は下向きに動き、圧力部材6はこの動きに従い、それによって、挿入されたヘッド3に下向きの力を及ぼし、したがって、円筒状突起73はカムとして機能する。
【0031】
ここで、図14図20を参照して、上記の骨固定装置とともに使用するのに適した器具について説明する。器具100は、外側部材110および内側部材120の形態の第1の器具部分を含む。内側部材120は、外側部材110に対して変位可能であり、ハンドルおよび/または、例えば、回転ノブ130を含む作動装置が、外側部材に対して内側部材を変位させるために提供される。外側部材110に対して内側部材120を変位させるために、様々なメカニズムを実装することができる。内側部材および外側部材の全体的な形状は管状であるが、管には完全に閉じられないようにスリットを入れることができる。管の中心縦軸は、器具が取り付けられているとき、受容部分の中心縦軸Cと一致する。図15に加えて図17を参照すると、外側部材110の前部が拡大図で示されている。外側部材110は、使用時に骨固定装置に面する前端110aを備える。前端110aのおいて開いている2つの対向するスリット111は、外側部材の一部にわたって延在し、その結果、少なくとも、受容部分5において突起56と係合するように広がることができる程度まで可撓性である2つのアーム112が形成される。長手方向スリット111の幅は、少なくとも、受容部分に挿入されるロッドの直径と同じ大きさであり得る。これにより、ロッドがすでに挿入されている場合、または器具の取り付け中にロッドを挿入する必要がある場合に、器具を使用することが可能になる。
【0032】
さらに、実質的に長方形の切り欠き113が、凹部111および前面110aに隣接するアーム112の各々に形成されている。周方向の凹部113の幅は、内側部材120の一部がその中に延在することができるようなものである。さらに、切り欠き113は、器具がそれに取り付けられたときに、受容部分5の実質的にU字形の凹部53に関して非対称である位置にある。具体的には、切り欠き113は、U字型凹部53の長手方向軸Lの方向において、U字型凹部53の異なる側およびU字型凹部53の異なる端部に設けられている。さらに、前端110aから一定の距離をおいて、係合凹部114が各アーム112に設けられている。係合凹部114は、外側部材110が受容部分5上に配置されたときに、受容部分5上の突起56と係合することができる位置において各アーム112上に配置されている。さらに、係合凹部114の輪郭は、それが係合突起の輪郭と実質的に一致し、その結果、形状適合係合を達成することができるようなものである。
【0033】
周方向における各アーム112の実質的に中心に、軸方向に細長いガイド凹部115が形成され、ガイド凹部は、内側部材120の突起のための案内を提供するようなサイズおよび形状である。より詳細には、各凹部115は、上側領域115aと、上側領域115aに対して狭くなっている下側領域115bとを有する。これは、凹部115の長手方向側面から周方向の中央に向かって延在する2つのウィング115cによって達成される。ウィング115cは、前部110の外面から一定の距離を有し、その結果、図14に示されるように、ウィング115cの間に延在する内側部材120の部分は、依然として凹部115内にあるか、または言い換えれば、実質的に外側に突出しない。
【0034】
内側部材120の前部は、図18図20にさらに詳細に示されている。内側部材120は、それが外側部材110を通って延在することを可能にする外径を有する。周方向において、反対の細長いスリット121が、内側部材の前端120aから一定の長さにわたって延在し、その結果、2つのアーム122が形成される。スリット121の幅は、少なくとも、受容部分に挿入されるロッドの直径と同じ大きさである。スリット121に隣接して、2つの延長部123が形成され、これらは、自由端120aより上方に一定の距離をおいて始まり、自由端120aを超えて軸方向に延在する。延長部123は、受容部分5の円筒形外面と一致する円筒形内面を有し得る。さらに、延長部123は、外側部材110の外面に対応する円筒形外面を有し得る。延長部123の半径方向位置は、内側部材120が外側部材110内にあり、内側部材のスリット121および外側部材の111が重なるとき、延長部が切り欠き113を埋めるようなものである。
【0035】
周方向における各アーム122の中心には、外側部材110のアーム112上の細長い凹部115と係合するように構成されている、2つの軸方向に離間した突起124、125が形成されている。第1の突起124は、実質的に直方体の形状であり得、外側部材110の凹部115の上側部分115aに受け入れられるように構成される。第2の突起125は、第1の突起124から前端120aに向かって離間され、より狭いネック部分125aおよび実質的に板状のヘッド125bを備える。ネック部分125aは、ウィング115cの間で案内されるように構成され、ヘッド部分125bは、ウィング115cの上に延在するように構成される。内側部材120が外側部材110内にあり、延長部123が凹部113内へと延在する場合、外側部材110に対する内側部材120の軸方向の動きは、細長い凹部115の上側領域115a内の第1の突起124の軸方向の動きによって制限される。延長部123は、第1の突起124がウィング115cに当接するまで、外側部材110の前端110aを超えて動くことができる。図14に示されるように、内側部材および外側部材のアームに沿って、さらなる突起および凹部が形成され得ることに留意されたい。外側部材に対する内側部材の変位は、回転ノブまたはハンドル130を使用して行うことができる。
【0036】
骨固定装置および器具の部品および部分は、任意の材料から作成されてもよいが、好ましくはチタンもしくはステンレス鋼、または任意の生体適合性金属もしくは金属合金またはプラスチック材料から作成されてもよい。生体適合性合金として、ニチノールなどのNiTi合金が使用されてもよい。他の材料は、マグネシウムまたはマグネシウム合金であってもよい。使用するための生体適合性プラスチック材料は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリ-L-ラクチド酸(PLLA)であってもよい。部品は、同じ材料から作成されてもよく、または別の材料とは異なる材料から作成されてもよい。
【0037】
作動部材7は、好ましくは、受容部分とともに事前に組み立てられ得る。それらが穴に挿入されると、穴55の外縁の部分57aはわずかに変形することができ、結果、挿入された作動部材に対する外向き方向の障害物を提供する(図22a)。これにより、作動部材が不注意に穴55から外側に押し出されるのを防ぐことができる。変形した部分57aは、好ましくは、受容部分5の第2の端部5bに向かう方向において穴55の底部にあり得る。穴内の作動部材7の向きは、それぞれ、レバー状突起71が外側にあり、円筒状突起73が圧力部材6の凹部600内へと延在するようなものである。2つの作動部材7は同一であるため、レバー状突起71の自由端71bは、ロッドチャネルに沿って見たときに反対方向に見える。それに対応して、円筒状突起73は、それぞれ圧力部材6の関連する凹部600の対向する両端600aに配置されている。作動部材7が作動されると、それらは反対方向に回転する。
【0038】
圧力部材6はまた、受容部分5とともに事前に組み立てられてもよい。取り付けのために、圧力部材6は、ヘッド受容凹部66が収容空間50b内へと延在するまで、第1の端部5aを通して受容部分5の通路50に挿入され得る。圧力部材6の脚部63はわずかに可撓性であるため、外向きに延在するリム64は、圧力部材6が、凹部600がそれぞれ穴55と重なる位置に到達したときに溝58にスナップするまで、受容部分のねじ領域の内壁に沿ってスライドすることができる。ロッド支持面62は、受容部分5の実質的にU字形の凹部53と位置合わせされる。
【0039】
このように事前に組み立てられた結合装置は、患者の身体の外側、または骨アンカー1が骨または椎骨に挿入された後のin situのいずれかで、骨アンカー1に取り付けることができる。
【0040】
結合装置および骨アンカーの組み立ては、図21a~図21dおよび対応する断面図の図22a~図22dを参照して説明される。最初に、図21aおよび図22aに示されるように、圧力部材は、ヘッド受容凹部66が少なくとも部分的に受容部分5の通路50の拡大部分50b内にある挿入位置にある。結合装置は、受容部分の第2の端部5bが骨アンカーのヘッド3に向くように向けられている。作動部材7の円筒状突起73は、それらが中である程度動くことができる凹部600内へと延在する。さらに、突起は、受容部分5内の圧力部材6の回転を実質的に防止する。
【0041】
次に、図21bおよび図22bに示されるように、ヘッド3は、第2の端部5bの開口部52を通って、受容部分5、より具体的には、圧力部材6のヘッド受容凹部66内へと挿入される。外向きに延在するリム64が受容部分内の溝58の上面に当接すると、圧力部材6は、この挿入位置において受容部分5の第1の端部5aを通して押し出すことができない。
【0042】
さらに、図21cおよび図22cに示されているように、ヘッド3は、圧力部材のヘッド受容凹部66に完全に入っている。ヘッド受容凹部66の領域における圧力部材6の柔軟性のために、圧力部材はヘッド3にスナップする。通路の拡大部分50bは、ヘッド3が挿入されたときにその中の圧力部材を拡張するための空間を提供する。ヘッドに対するヘッド受容凹部66のサイズに応じて、ヘッド3は、ヘッド受容凹部内に摩擦によって保持され得る。
【0043】
最後に、図21dおよび図22dに示されるように、圧力部材6は、受容部分5の第2の端部5bに向かって下向きに動かされる。代替的に、骨アンカー1がすでに骨に挿入されている場合、受容部分は、骨アンカー1に対して上方に引っ張られる。これにより、圧力部材6の外面部分69が通路50の狭小化部分50cに入り、それによって、受容部分5内の開口部52のサイズが小さくなり、ヘッド3が開口部52を通じて外れることが防止される。これは、事前ロック構成を構成する。好ましくは、事前ロック構成では、ヘッド3は、摩擦によってさらにクランプされ、最終ロックの前に一定の角度位置に一時的に保持される。事前ロック構成への圧力部材6の下向きの動きは、円筒状突起73をそれぞれ凹部600内でわずかに動かし、これによって作動部材7が回転する。その結果、レバー状突起71は傾斜位置をとる。
【0044】
臨床使用では、通常、2つの骨アンカーを骨または椎骨に固定することができ、これらの骨アンカーはロッドを介して接続する必要がある。図23a~図23cは、図14図20に記載された器具による骨固定装置の使用を示している。骨固定装置は、図21dおよび図22dに示されるように、組み立てられた状態にあり、好ましくは事前にロックされた状態にある。器具の第1の構成では、内側部材120は後退位置にあり、これは、延長部123が実質的に完全に凹部113内にあることを意味する。好ましくは、第1の構成では、延長部123の前端110aおよび自由端は、互いに実質的に同一平面上にある。器具100の凹部111、121は、受容部分5のU字形凹部53と実質的に整列している。図23aに示すように、器具は骨固定装置に向かって動かされる。
【0045】
次に、図23bに示すように、器具100は受容部分に配置され、外側部材110にある係合凹部114を受容部分の突起56と係合させることにより、外側部材110が受容部分に取り付けられる。突起56の屋根にある斜角部分56cが、係合を容易にする。
【0046】
最後に、図23cに示されるように、内側部材120は、延長部123が凹部113から外方に軸方向に動き、それらの自由端によって、作動部材7のレバー状突起71の係合面71cを押すように、下方に押される。レバー状の突起71が下向きに押されると、作動部材7がそれぞれ穴55内でわずかに回転し、その結果、圧力部材6が、ヘッド3をロックする狭小化部分50cへとさらに軸方向に動かされる。
【0047】
図24および図25は、器具および骨固定装置の2つの構成を示している。図24において、骨固定装置は、図21dおよび図22dの事前ロック構成にあり、レバー状突起71は、延長部123の自由端面によってのみ接触される。図25において、延長部123がさらに下向きに押されて、レバー状突起71を押すことによって作動部材7が回転される。この構成では、ヘッドは器具によって一時的にロックされる。内側部材120が後退されるとすぐに、圧力が解放され、ヘッド3は、圧力部材6のヘッド受容凹部66内で再び旋回可能である。器具によって加えられる力を調整することにより、ヘッドに対するロック力を調整することが可能であり得ることに留意されたい。
【0048】
第1の実施形態の多軸骨固定装置を伴う器具の第2の実施形態が、図26図31に示されている。第1の実施形態のものと同一または非常に類似している器具の部品および部分の説明は繰り返さず、そのような部品または部分は、第1の実施形態と同じ参照番号を有するものとする。器具100’は、作動部材7のレバー状突起71を押すように構成された2つの棒状押し部材123’を含む内側部材120’を有する。図26に見られるように、外側部材110’は、各アーム112’に、棒状押し部材123’を通じて案内するための軸方向に延在する区画116’を備える。図27および図28にさらに示されるように、外側部材110’は、前端110aを備え、架橋部分111c’によって分離された2つのスリット111a’、111b’を有する実質的に管状の部品である。スリットは、外側部材を、前端110において自由である2つのアーム112’に分割する。各アームは、前端110aから一定の距離をおいて、受容部分の突起56と係合するための凹部114’を備える。より具体的には、凹部114’は、外側部材が受容部分に取り付けられ、スリット111a、111bおよび実質的にU字形の凹部53が位置合わせされるとき、受容部分の突起56の位置に対応する位置に非対称に配置される。
【0049】
各アームは、押し部材123’のための細長い区画116’を備える。細長い区画116’は、外側部材110’の後端(図示せず)からの一定の距離から前端110aまで延在し、外側部材110’の内側に向かって開いている。区画116’の内側輪郭は、押し部材120’の外側輪郭と実質的に一致し得、その結果、押し部材120’は、区画116’内に案内される。区画116’は、押し部材123’が区画116’を通って延在するとき、レバー状突起71の係合面71cの前方領域に接触するように構成されるような周方向の位置にある。したがって、区画116’は、アーム112’の中心から周方向にオフセットされ、2つの区画116’は、作動部材7のレバー状突起71と同じように、互いに対して非対称に配置される。それは。
【0050】
押し部材123’は、角が丸いまたは平らな正方形の断面を有し得る。前端120aは、凸状に丸くすることができる。押し部材123’は、ハンドルまたは作動部材130’を回転させることにより、押し部材120’が外側部材110’に対して変位するように、外側部材110’に接続されている。外側部材の後方部分には、外側部材110’に安定性を与える安定化スリーブ140を設けることができることに留意されたい。
【0051】
使用中、図30および図31に示されるように、多軸骨固定装置は、器具100’が受容部分5に取り付けられるとき、図21dおよび図22dに示されるように事前ロック状態にある。アーム112’は、外側部材110’の凹部114’が受容部分5の突起56と係合することができるように、わずかに離れて広げられている。押し部材123’は、それらがそれらの前面120aによってレバー状突起71の係合面71cに押し付けられるまで、区画116’から外方に動かされる。押し部材の前面120aは丸みを帯びているため、端面120aと係合面71aとの間の十分な接触を達成することができる。各押し部材123’は、レバー状突起71を下向きに押し、それにより、対応する作動部材7が穴内で回転する。第1の実施形態と同様に、円筒状突起73は下向きに動き、圧力部材6を受容部分の狭小化部分50c内にさらに深く押し込む。その結果、押し部材123’がレバー状突起71を押す限り、ヘッド3は一時的にロックされる。押し部材が後退されると、作動部材7によって圧力部材に加えられている圧力が解放され、ヘッドが再び旋回可能になる。
【0052】
器具の第3の実施形態および受容部分の変更された実施形態が、図32図47を参照して説明される。前の実施形態の多軸骨固定装置と同一または非常に類似している多軸骨固定装置の部品および部分は、同じ参照番号を有し、その説明は繰り返されない。
【0053】
多軸骨固定装置は、前の実施形態のような骨アンカー1、ならびに、変更された受容部分5’、変更された圧力部材6’、および変更された作動部材7’を備える。図33図38をより詳細に参照すると、受容部分5’の通路50は、第2の端部5bから、ヘッドの最大径を含み、後述するように、圧力部材6’の対応する円錐状に先細りの外面と協働するように構成される圧力部材のヘッド受容凹部の領域にわたって延在する実質的に円錐状に先細りのセクション50c’を備える。円錐状に先細りになっているセクション50c’は、ヘッド3の挿入中に圧力部材6’がその中で拡張することを可能にするために拡大された内径を有する拡大部分50b’によって軸方向に中断される。作動部材7を受け入れるための穴55は、第1の実施形態と同様に、周方向において各脚部54の中央に配置され、実質的にU字型の凹部53の底部53aの上方で軸方向に延在する。第1の端部5aの方向の各穴55の上縁の間に、周方向において各脚部54の中心に対して対称である係合突起56’が設けられている。係合突起56’は、前の実施形態と同じまたは同様の形状を有し得る、すなわち、それは、基部および屋根形状の上側部分を有する。受容部分の外面の溝は省略してもよい。
【0054】
圧力部材6’は、前の実施形態の上側部分と同一である上側部分61を有する。下側部分62’は、ヘッドが挿入されたときにヘッドの最大直径を有する部分を含むような軸方向の高さにわたって延在する円錐形の外面69’を備える。圧力部材6’が受容部分5’内にあるとき、外側円錐面部分69’は、拡大部分50b’の上下で円錐状の先細り部分50c’に接触する。
【0055】
この実施形態における作動部材7’は、第1の実施形態と同様に、円筒形主要部分70と、内面70bから突出する円筒形偏心突起73とを備える。外面70aにおいて、器具の係合部分は、円筒状突起71’として形成され、これはまた、主要部分70に対して偏心して配置され得、円筒状突起73と同じ位置であるが、主要部分70の円筒状突起73の反対側に配置され得る。円筒状突起71’の円筒軸z’は、主要部分70の回転軸Rからオフセットされている。円筒状突起71’のサイズは、円筒状突起73のサイズと同じであり得る。さらに、円筒状突起71’、73の円筒軸は一致し得る。外面70aには、作動部材を穴55内に適切に配向させるために、切り欠き部分74または他のマーキングを設けることができる。より具体的には、特に図34を参照すると、作動部材7’は、円筒軸z’が脚部54の中心から周方向にオフセットされるように、受容部分5’に取り付けられている。このように、突起71’は、前の実施形態のレバー71と同様に機能する。
【0056】
図47aに示されるように、器具100’’は、実質的に管形状である外側部材110’’と、同じく実質的に管形状であり、外側部材110’’内で案内される内側部材120’’とを備える。外側部材110’’は、その前端110aにおいて、前部を2つのアーム112’’に分割する実質的に長方形の凹部111’’を備える。凹部111’’の幅は、アーム112’’が互いに離間されて、前部が受容部分5’の上に配置されることを可能にするようなものである。凹部111’’の軸方向長さは、前部が受容部分上に配置されたとき、ロッドを挿入することを可能にする軸方向の空間が依然として存在するようなものである。アーム112’’の内壁は各々、前端110aから一定の距離をおいて、その中に内側部材120’’の前部を受け入れるように機能する陥凹部分113’を備える。前端110aから一定の距離にあるアーム112’’の内壁上に、アーム112 ’’の1つの縁部へと周方向に開くように90°回転した実質的にU字形の輪郭を有する係合凹部118’’が形成される。反対側のアーム112’’の係合凹部118’’は、同じ方向に開いている。凹部118’’の輪郭は、作動部材7’の円筒状突起71’が受け入れられ、その中で案内され得るようなものである。器具が作動部材7’の係合突起71’に対して横方向の位置において受容部分5’上に配置されるとき、突起71’に向かって器具を回転させると、係合凹部118’’が対応する係合突起71’と係合する。
【0057】
内側部材120’’は、例えば、レバー130’’を含み得るメカニズム130’’によって、外側部材110’’に対して変位可能である(図32)。外側部材に対して内側部材を変位させるために、様々なメカニズムを使用することができる。内側部材120’’の前部は、前端120aに2つのアーム122’’を備える。アーム122’’は、外側部材110’’のアーム112’’内に案内され得る。アーム122’’の各々の内壁には、一方の側が受容部分の突起56’の形状と一致する形状を有し、他方の側が周方向に開いている係合凹部126’’が形成されている。内側部材の係合凹部126’’は、器具が受容部分上に配置されて一方向に回転したときに、受容部分5’の係合突起56’との係合を可能にするように位置付けおよび成形される。
【0058】
使用中、図45aおよび45bに示されるように、器具のアームは、係合突起56’から横方向に受容部分5の’上に配置される。ロッド200は、凹部53にすでに挿入されていてもよい。
【0059】
次に、図45cに示されるように、器具は、内側部材120’’の係合凹部126’’が受容部分5の係合突起56’に係合し、同時に外側部材110’’の係合凹部118’’が作動部材7’の係合突起71’に係合するまで回転される。
【0060】
その後、図45dに示すように、外側部材110’’は、内側部材120’’に対して、受容部分5’の第2の端部5bに向かう方向に下向きに変位される。内側部材は、係合突起71’に力を加え、結果、作動部材7’が回転軸Rを中心として回転する。同時に、偏心突起73が下向きに動き、その結果、圧力部材6’が通路の円錐形セクション50c’’に押し込まれて、ヘッド3がロックされる。
【0061】
この実施形態では、外側部材110’’は、内側部材120’’に対して後退させることができる。凹部118’’の下縁は、突起71’を上向きに動かし、圧力部材は上向きの動きに追従し、結果、ヘッド3の一時的なロックを解放することができる。
【0062】
ヘッド3のロックおよび解放は、受容部分5’に対する骨アンカー1の正しい位置が見出され得るまで、数回実行することができる。一般に、ロッド200は、図に示されるように、受容部分の凹部53にすでに挿入していることができるか、または凹部53は、妨害されないままであり得、および/またはロッド200は、補正ステップ中に挿入され得る。器具を反対方向に回転させることによって器具を解放して、突起56’を凹部126’から係合解除し、突起71’を凹部118’から係合解除することができる。
【0063】
図47に示されるように、受容部分5’に対する骨アンカー1の正しい角度位置が見出され、ロッドが挿入されると、固定部材8、この実施形態では位置決めねじを、脚部の間に挿入し、締めてロッドおよびヘッドを固定することができる。多軸角度の補正またはロックが行われる前に、ロッドまたは固定部材を挿入することもできる。
【0064】
多軸骨固定装置およびそのような多軸骨固定装置とともに使用するための器具のまたさらなる実施形態が、図48~69bに示されている。前の実施形態の部品および部分と同一または非常に類似している部品および部分は、同じ参照番号でマークされている。図48図54を参照すると、受容部分5’’は、図35図38の受容部分5’と同様であるが、いくつかの詳細が異なる。圧力部材の一部分を収容するための収容空間は、圧力部材の円錐形外面と協働するように構成された、第2の端部5bに近い円錐形に先細りの下側セクション50c’’を備える。円錐形セクション50c’’に、ヘッド3の挿入中に圧力部材が拡張することを可能にするための円筒形拡大部分50b’’が隣接している。拡大部分50b’’の上方に、上側部分50d’’は、圧力部材の円錐部分の上側領域のための空間を提供する。脚部54の周方向の中心に位置する穴55’’の周りで、複数の、好ましくは浅い凹部501が、受容部分5’’の外壁内に形成される。凹部501は、その中に作動部材7’’の一部を収容するように成形およびサイジングされている。より詳細には、凹部501は、長円形であり、狭い端部501aおよび反対側の広い端部501bを備えた、わずかに液滴の形状であり得る。実施形態では、狭い端部501aがそれぞれ互いに向き合うように、穴55’’の周りの仮想正方形の隅の近くに配置された4つのそのような凹部501が提供される。
【0065】
器具と係合するための突起56’’は、それぞれ、穴55’の上方で周方向において脚部54の中央に配置されている。この実施形態では、突起56’’は、第1の端部5aの方向に、実質的に長方形の輪郭の基部と、低い屋根形状部分とを有する。突起56’’は、器具を案内するための2つの軸方向溝57’’によって縁取ることができる。
【0066】
最後に、受容部分5’’は2つの延長部502を有し、これらは第1の端部5aの上方で脚部54から延在し、多軸骨固定装置が骨または椎骨に挿入されたときに患者の皮膚から突出するように構成されるような長さを有する。延長部502は、少なくともその一部に、脚部54上の雌ねじ51に続く雌ねじ51’’を有し得る。延長部502の目的は、器具および部品、例えば固定ねじなどの外部から受容部分品5’’への案内を可能にすることである。この場合は脚部54の外端である第1の端部5aに隣接して、半径方向の厚みが減少しており、延長部502を受容部分5’’から切り離すことを可能にする脆弱化セクション503が各脚部54上に形成される。多軸骨固定装置が挿入され、延長部が不要になったら、好ましくはヘッドをロックしてロッドを固定した後、延長部502を取り外すことができる。
【0067】
圧力部材6’’は、実質的に円筒形の上側部分60’’および円錐形の下側部分61’’を有する。これは、図39図42の圧力部材6’とは異なり、下側部分61’’は、軸方向において作動部分7’’のための凹部600のほぼ中央まで延在する円錐形の外面部分69’’を備える。前の実施形態と同様に、凹部600は、圧力部材6’’の脚部63の中心から対向する両側にオフセットして配置されている。特に図58に見られるように、ヘッド受容凹部66’’は、第2の端部6bから一定の距離をおいて、第2の端部6bに向かって広がる拡大された円錐形セクション666を含み得る。これは、ヘッド受容凹部66’内で挿入されたヘッドをより大きい角度に旋回させることを容易にし得る。
【0068】
図60図63を参照すると、作動部分7’’は、図43図44による実施形態のように、円筒形主要部分70と、主要部分70の内面70bから突出する円筒状偏心突起73とを備える。円筒状突起73の円筒軸z’は、主要部分70の回転軸Rからオフセットされている。主要部分70の外面70aには、器具が係合するように構成されたバー71’’が形成されている。バー71’’は、好ましくは、その自由端部分71a’’、71b’’によって、主要部分70の外側輪郭を超えて延在する。これは、レバーの旋回軸が主要部分70の回転軸Rと同軸である2アームレバーのように機能する。より詳細には、一方のレバーアーム75aは、旋回軸から一方の自由端71a’’まで延在し、他方のレバーアーム75bは、旋回軸から反対側の自由端71b’’まで延在する。バー71’’は、バー71’’の長手方向軸lが、図62に示す上面図において、主要部分70の回転軸Rと偏心部分73の回転軸zとを結ぶ線に実質的に平行になるように、偏心突起73に対して配向されている。したがって、バー71’’は、偏心突起73と実質的に整列している。さらに、バー71’’は、円筒形主要部分70から外方に面する外凸面76aと、主要部分70に面する内凹面76bとを有し得る。端部71a’’、71b’’は、バー71’’により高い安定性を提供するために、主要部分70の方向にいくらか厚くすることができる。作動部分7’’が受容部分5’’のそれぞれの穴55’’に挿入され、バー71’’の長手方向軸lが受容部分5’’の中心軸Cに実質的に垂直に延在するように配向されると、バー71’’の端部71a’’、71b’’は、2つの凹部501の間の受容部分5’’の外面に接触する。レバーを回転させると、厚みのある端部71a’’、71b’’が凹部501内に動く。これにより、作動部分をよりコンパクトにした受容部分の設計が可能になる。バー71’’は、主要部分70の回転軸Rに実質的に平行に配向され、いずれの表面が器具に向けられているかに応じて器具が係合することができる第1のレバー面71c’’および反対側の第2のレバー面71d’’を有する。2つの作動部分7’’は、作動部分7’’の一方について、第1のレバー面71c’’が、受容部分5’’の上端5aの方向を向き、他方の作動部分7’’について、第2のレバー面71d’’が、受容部分5’’の上端5aに面するように、受容部分5’’の穴55’’内に配置される。
【0069】
図64図67を参照して、図48図63による骨固定装置とともに使用するのに適した器具を説明する。器具は、前端1100a、および、架橋部分1112によって各々が架橋された2つのスリット1111を有する実質的に管状部分の形態の第1の器具部分または外側部材1100を備える。スリット1111は、第1の器具部分1100を2つのアーム1120に分割し、これらは、受容部分5’’上でクリップすることができるように、わずかに柔軟であり得る。各アーム1120は、前端1100aから一定の距離をおいて、受容部分5’’の突起56’’と係合するための凹部1140を備える。より具体的には、凹部1140は、各アーム1120の中央において周方向に、受容部分5’’の突起56’’の位置に対応する位置に配置されている。したがって、第1の器具部分1100が受容部分5’’に取り付けられ、スリット1111が実質的にU字形の凹部53と位置合わせされるとき、突起56’’は、凹部1140と係合して、第1の器具部分1100を受容部分5’’に固定することができる。
【0070】
器具1000は、各アーム1120の凹部1140の左右に、対応する軸方向に細長い区画1160に収容された一対のロッド状押し部材1230a、1230bの形態の第2の器具部分または内側部材をさらに備える。1つのアーム1120の各押し部材1230a、1230bは、作動部分7’’のレバーアーム75a、75bのうちの1つを押すように構成される。区画1160は、半径方向においてアーム1120の内側および外側に開いていてもよく、押し部材は区画1160内で案内される。さらに、区画1160は、押し部材1230a、1230bが、それぞれバー71’の対応する端部71a’’、71b’’に近い領域でそれぞれのレバーアーム75a、75bを押すように構成されるような位置にある。各押し部材の端部1231は、バー71’’の様々な旋回位置においてレバー面71c’’、71d’’との接触を確実にするために外凸面を有し得る。各アーム1120上の各押し部材1230a、1230bは、それが作動部分7’’のバー71’’に接触しない第1の位置から、端部1231がバー71’’のレバーアーム75a、75bの1つに接触する第2の位置まで軸方向に可動である。さらに、各押し部材1230a、1230bは、押し部材を押し戻す他方のレバーアームの作用により、第2の位置から第1の位置に可動である。
【0071】
図64に示すように、器具1000は、各アーム1120上の押し部材1230a、1230bの1つを第1の位置から軸方向に下向きに選択的に作動させて、その押し部材に関連するレバーアーム75a、75bを押すためのメカニズム1300を備える。同時に、このアーム上の他方の押し部材は、それぞれの他方のレバーアームによって加えられる圧力によって上方に動かされる。具体的には、メカニズム1300は、押し部材の第1の位置および第2の位置に関連する2つの位置を有するレバー1310を含み得る。
【0072】
図68は、ヘッド3のロック位置にある圧力部材6’’を示しており、ロック位置において、圧力部材6’’の円錐形外面69’’が、受容部分5’’の先細り内面50c’’と係合し、それにより、圧力部材6’’は、ヘッド3の周りで圧縮される。左側の押し部材1230aが押し下げられ、同時に、他方のアームの右側にある対応する押し部材1230a(この断面図には示されていない)が押し下げられて、それぞれのレバーアーム75aを押す。圧力部材の円錐形外面69’’と受容部分5’’の先細り内面50c’’との重なりが比較的小さいため、ロックを解除するために必要な力は比較的小さいことに留意されたい。
【0073】
図69aに示すように、一方のアーム1120の押し部材1230aのうちの1つが押し下げられて、対応するレバーアーム75aを押すと、作動部分7’’が時計回りに回転し、偏心突起73が圧力部材6’’を下向きに、すなわち、受容部分の第2の端部5bに向かって動き、結果として、挿入されたヘッドがロックされる。これにより、押し部材1230bの他方の1つは、他方のレバーアーム75bによって上方に動かされる。図69bに示されるように、押し部材1230bの他方の1つが下向きに動かされると、それは他方のレバーアーム75bを押して、作動部分7’’を反時計回り方向に回転させ、その結果、圧力部材6’’を上向きに動かす。その結果、挿入されたヘッドのロックを解除することができる。受容部分5’’の他方の穴55’’には他方の作動部分7’’が逆向きに取り付けられているため、受容部分5’’の他方の脚部54に設けられた作動部分は、いずれの場合も反対方向に回転することに留意されたい。
【0074】
したがって、ロックおよびロック解除は、器具の作動メカニズム1300の特定の構成に関連付けることができる。好ましくは、レバーアーム1310を押すことは、ヘッド3をロックすることに関連し得、レバーアーム1310の圧迫を解放することは、ヘッドをロック解除することに関連し得る。使用中、突起56’’がアーム1120に設けられた対応する凹部1140に係合するまで、器具を受容部分にスナップすることができる。その後、押し部材を作動させて、挿入されたヘッド3をロックし、挿入されたヘッド3のロックを解除することができる。この手順は数回実行することができる。
【0075】
説明した実施形態の変更が可能である。一実施形態の特徴はまた、別の実施形態の特徴と組み合わせて、様々なまたさらなる実施形態を生成することができる。部品は、実施形態に示されるようなそれらの詳細な形状に限定されない。
【0076】
例えば、骨固定装置は、ヘッド3が第2の端部または下端から受容部分に挿入される、底部装填式骨固定装置であることが示されている。しかしながら、骨固定装置は、骨アンカーが第1の端部または上端から受容部分に挿入される、上部装填式骨固定装置であってもよい。このような場合、圧力部材は、ヘッドの上側部分を覆い、受容部分に設けられたシートにヘッドを押し付けるという点で、わずかに異なる設計を有し得る。さらなる修正では、1つの作動部分のみが存在する。
【0077】
骨アンカーには、ねじ、釘、フックなど、すべての種類の骨アンカーを使用することができる。
【0078】
器具の内側部材および外側部材を変位させるためのメカニズムは、様々な方法で実現することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 骨アンカー、3 ヘッド、5,5’,5’’ 受容部分、5a 第1の端部、5b 第2の端部、6,6’,6’’ 圧力部材、7,7’ ,7’’ 作動部分、53 凹部、54 脚部、56,56’ ,56’’ 突起(係合部分)、71,71’,71’’ バー(外側係合部分)、73 偏心突起(係合部分)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21a
図21b
図21c
図21d
図22a
図22b
図22c
図22d
図23a
図23b
図23c
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45a
図45b
図45c
図45d
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69a
図69b
【外国語明細書】