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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068909
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】シャッター装置の座板押え具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220428BHJP
   E06B 9/56 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E06B9/17 T
E06B9/17 U
E06B9/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177729
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】グエン ヴァン ヒエン
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA01
2E042DB03
(57)【要約】
【課題】台風による強風時における風圧等により座板が撓み変形することを防止できるようになるシャッター装置の座板押え具を提供すること。
【解決手段】左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板4となっているシャッターカーテン2とを含んで構成されるシャッター装置の座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止するために、例えば、座板4を含むシャッターカーテン2と、全閉位置に達したときの座板4が当接する全閉座板当接部材となっている床部材10との間に架け渡し部材21,22を架け渡し、あるいは、床部材10の内部に座板押え部材の下部を挿入し、これらの架け渡し部材21,22や、座板押え部材の上部により、全閉位置に達しているときの座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え具であって、
前記座板を含む前記シャッターカーテンと、全閉位置に達したときの前記座板が当接する全閉座板当接部材との間に架け渡される架け渡し部材を含んで構成され、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側のうちの少なくとも一方の側に配置される前記架け渡し部材により、全閉位置に達しているときの前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止することを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記架け渡し部材は、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側に配置されることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記架け渡し部材における前記全閉座板当接部材側の端部は、この全閉座板当接部材の内部に埋設されている接続部材に接続される結合部材によって前記全閉座板当接部材に結合されることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項4】
請求項3に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記接続部材は、筒状部材であり、前記結合部材は、前記筒状部材の内部に挿入されることによってこの筒状部材に接続され、前記架け渡し部材における前記全閉座板当接部材側の前記端部が前記結合部材によって前記全閉座板当接部材に結合されていないときにおける前記筒状部材の前記内部は、塞ぎ部材によって塞がれることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項5】
請求項4に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記塞ぎ部材は、前記結合部材であることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記筒状部材の前記内部を塞いだときにおける前記塞ぎ部材の上面の高さ位置は、前記全閉座板当接部材の上面の高さ位置と一致又は略一致していることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項7】
請求項4~6のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記塞ぎ部材の頂部には、この塞ぎ部材を前記筒状部材から取り出すときに、この取り出しのために操作される操作部が設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板は、座板本体と、この座板本体の下側において、前記座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成され、前記架け渡し部材における前記座板側の端部は、前記座板本体に結合されていることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項9】
左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え具であって、
全閉位置に達したときの前記座板が当接する全閉座板当接部材の内部に下部が挿入される座板押え部材を含んで構成され、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側のうちの少なくとも一方の側に配置される前記座板押え部材の上部により、全閉位置に達しているときの前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止することを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項10】
請求項9に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板押え部材は、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側に配置されることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板押え部材は、全閉位置に達したときの前記座板から前記シャッターカーテンの厚さ方向にずれた位置に配置されることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板押え部材は、全閉位置に達したときの前記座板を上下に貫通する位置に配置されることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項13】
請求項9~12のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板押え部材は、頭部付きの部材であり、この頭部の下面が、前記座板に設けられている水平又は略水平の面に上から当接可能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項14】
請求項9~13のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記全閉座板当接部材の前記内部には、前記座板押え部材の前記下部を内部に挿入するための筒状部材が埋設され、前記座板押え部材の前記下部が挿入されていないときにおける前記筒状部材の前記内部は、塞ぎ部材によって塞がれることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項15】
請求項14に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記塞ぎ部材は、全体が前記筒状部材の内部に挿入される前記座板押え部材であることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のシャッター装置の座板押え具において、前記筒状部材の前記内部を塞いだときにおける前記塞ぎ部材の上面の高さ位置は、前記全閉座板当接部材の上面の高さ位置と一致又は略一致していることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項17】
請求項14~16のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記塞ぎ部材の頂部には、この塞ぎ部材を前記筒状部材から取り出すときに、この取り出しのために操作される操作部が設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項18】
請求項9~17のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板は、座板本体と、この座板本体の下側において、前記座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成され、前記座板押え部材は、前記座板が全閉位置まで達しているときにおける前記座板本体まで延びる上下方向の長さを有していることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【請求項19】
請求項9~17のいずれかに記載のシャッター装置の座板押え具において、前記座板は、座板本体と、この座板本体の下側において、前記座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成され、前記座板押え部材は、前記座板が全閉位置まで達しているときにおける前記昇降部材まで延びていて、前記座板本体まで延びていない上下方向の長さを有していることを特徴とするシャッター装置の座板押え具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等に設置されるシャッター装置の座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え具に係り、例えば、出入口用シャッター装置に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
建物の出入口等に設置されるシャッター装置は、下記の特許文献1に示されているように、左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-70672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の出入口等に設置されるシャッター装置では、シャッターカーテンが全閉となっているときに、例えば、台風による強風時において、シャッターカーテンは大きな風圧を受けることになる。このため、左右方向であるシャッターカーテンの幅方向の長さ寸法を有する座板の長さ方向のそれぞれの端部がガイドレールの内部に挿入されていないシャッター装置ではもちろんのこと、座板の長さ方向のそれぞれの端部の少なくとも一部がガイドレールの内部に挿入されているシャッター装置でも、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に大きく撓み変形して、座板が浮き上がり、これにより、座板と床との間にすき間が生ずるおそれが生ずる。このため、座板にこのような撓み変形が生ずることを防止するための工夫が求められる。
【0005】
本発明は、台風による強風時における風圧等により座板が撓み変形することを防止できるようになるシャッター装置の座板押え具を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシャッター装置の座板押え具は、左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え具であって、前記座板を含む前記シャッターカーテンと、全閉位置に達したときの前記座板が当接する全閉座板当接部材との間に架け渡される架け渡し部材を含んで構成され、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側のうちの少なくとも一方の側に配置される前記架け渡し部材により、全閉位置に達しているときの前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止することを特徴とするものである。
【0007】
このように本発明に係るシャッター装置の座板押え具では、座板を含むシャッターカーテンと、全閉位置に達したときの座板が当接する全閉座板当接部材との間に架け渡し部材が架け渡されるため、この架け渡し部材により、全閉時における座板の強度が補強され、台風による強風時における風圧等により座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止できるようになる。
【0008】
このような架け渡し部材の個数は、シャッターカーテンの幅方向である座板の長さ方向について、1個としてもよく、あるいは、複数個としてもよい。
【0009】
また、座板の撓み変形が、例えば、台風の強風等により、シャッターカーテンの厚さ方向両側のうち、一方の側へ生ずる場合には、架け渡し部材を、シャッターカーテンの厚さ方向両側のうち、座板が撓み変形する側だけに設けてもよく、あるいは、例えば、風の吹き返し等により、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向両側に生ずる場合には、架け渡し部材を、シャッターカーテンの厚さ方向両側に設けてもよい。
【0010】
なお、後述するように本発明は、任意の用途のシャッター装置の座板に適用することができ、本発明が、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置の座板に適用される場合には、全閉位置に達したときの座板が当接する前記全閉座板当接部材は、床であり、また、本発明が、窓用開口部をシャッターカーテンで開閉する窓用シャッター装置の座板に適用される場合には、全閉位置に達したときの座板が当接する前記全閉座板当接部材は、窓サッシのうちの下枠部材等である。
【0011】
また、以上の本発明において、上述のように座板を含むシャッターカーテンと、全閉位置に達したときの座板が当接する全閉座板当接部材との間に架け渡し部材を架け渡すことは、この架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部をこの全閉座板当接部材に結合することによって行われ、このように架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部をこの全閉座板当接部材に結合するためには、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部をビスやボルト等の結合具によって全閉座板当接部材に直接結合してもよく、あるいは、全閉座板当接部材の内部に接続部材を埋設し、この接続部材に接続される結合部材により、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部を全閉座板当接部材に結合してもよい。
【0012】
これらのうち、後者によると、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部は、全閉座板当接部材の内部に埋設されている接続部材に接続される結合具により、全閉座板当接部材に結合されるため、この結合を一層確実のものとして行える。
【0013】
なお、このように全閉座板当接部材の内部に接続部材を埋設し、この接続部材に接続される結合部材により、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部を全閉座板当接部材に結合する場合であって、接続部材を筒状部材とし、結合部材がこの筒状部材の内部に挿入されることにより、この筒状部材に結合具が接続されるものとする場合には、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部が結合部材によって全閉座板当接部材に結合されていないときには、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおくことが好ましい。
【0014】
これによると、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部が結合部材によって全閉座板当接部材に結合されていないときに、筒状部材の内部に泥や塵埃等が侵入して溜まることを塞ぎ部材によって防止できる。
【0015】
また、このように架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部が結合部材によって全閉座板当接部材に結合されていないときに、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおく場合において、筒状部材の内部を塞ぐための塞ぎ部材は、筒状部材の内部を塞ぐだけのための専用部材でもよく、あるいは、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部を全閉座板当接部材に結合するための前記結合具でもよい。
【0016】
これらのうち、後者によると、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部を全閉座板当接部材に結合するための結合具により、筒状部材の内部を塞ぐことができるため、この結合具の兼用化を達成することができ、これにより、本発明に係るシャッター装置の座板押え具を構成する部材点数の削減を図ることができる。
【0017】
また、上述のように架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部が結合部材によって全閉座板当接部材に結合されていないときに、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおく場合には、筒状部材の内部を塞いだときにおける塞ぎ部材の上面の高さ位置を、全閉座板当接部材の上面の高さ位置と一致又は略一致させることが好ましい。
【0018】
これによると、筒状部材の内部を塞いだときにおける塞ぎ部材の上面は、全閉座板当接部材の上面から突出せず又は殆ど突出しないため、全閉座板当接部材の上面の状態を、本来の状態と同様の状態にさせておくことができる。
【0019】
また、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部が結合部材によって全閉座板当接部材に結合されていないときに、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおく場合においては、塞ぎ部材の頂部に、この塞ぎ部材を筒状部材から取り出すときに、この取り出しのために操作される操作部を設けることが好ましい。
【0020】
これによると、塞ぎ部材を筒状部材から取り出す作業を、塞ぎ部材の頂部に設けた操作部により容易に行えるようになる。
【0021】
なお、このように塞ぎ部材の頂部に、この塞ぎ部材を筒状部材から取り出すために設ける操作部は、塞ぎ部材を筒状部材から取り出すことができるものであれば任意のものでよく、その一例の操作部は、塞ぎ部材が雄ねじ部材である場合には、この雄ねじ部材を電動ドライバ等の工具で回転操作するために、雄ねじ部材の頭部に設ける工具係合用溝であり、また、他の例の操作部は、塞ぎ部材の上部に、例えば、起倒自在に設ける操作部材等である。
【0022】
以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板押え具は、座板が上下に分割されていないシャッター装置にも適用でき、また、本発明に係るシャッター装置の座板押え具は、シャッターカーテンの閉じ移動中に座板が障害物に当接したことや、座板が全閉位置に達したことなどを検出できるようにするために、座板が上下に分割されていて、この座板が、座板本体と、この座板本体の下側において、座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成されているシャッター装置にも適用することができる。
【0023】
本発明に係るシャッター装置の座板押え具を、座板本体と、この座板本体の下側において、座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成されている座板に適用する場合には、座板を含むシャッターカーテンと全閉座板当接部材との間に架け渡されることにより、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための前述の架け渡し部材は、座板のうちの座板本体と、全閉座板当接部材との間に架け渡すこと、すなわち、架け渡し部材における座板側の端部を座板本体に結合することが好ましい。
【0024】
これによると、架け渡し部材を、座板のうちの昇降体と、全閉座板当接部材との間に架け渡した場合よりも、すなわち、架け渡し部材における座板側の端部を昇降体に結合した場合よりも、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを一層有効に防止できるようになる。
【0025】
なお、以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板押え具における架け渡し部材は、任意の材料で形成することができ、この材料は、フラットバーでもよく、あるいは、アングル材でもよく、あるいは、チャンネル材等でもよい。また、架け渡し部材は、座板の長さ方向となっている左右方向の長さを有する長尺材により形成してもよい。
【0026】
また、以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板押え具において、架け渡し部材を、座板を含むシャッターカーテンに通常時にも結合しておき、架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部は、台風による強風等が予想されるときなどに、全閉座板当接部材に結合するようにし、通常時のシャッターカーテンの開閉移動を、架け渡し部材がシャッターカーテンに取り付けられた状態で行わせるようにしてもよい。
【0027】
また、本発明に係るシャッター装置の座板押え具は、左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて上下方向に開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え具であって、全閉位置に達したときの前記座板が当接する全閉座板当接部材の内部に下部が挿入される座板押え部材を含んで構成され、前記シャッターカーテンの厚さ方向両側のうちの少なくとも一方の側に配置される前記座板押え部材の上部により、全閉位置に達しているときの前記座板が前記シャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止することを特徴とするものである。
【0028】
この発明に係るシャッター装置の座板押え具では、全閉位置に達したときの座板が当接する全閉座板当接部材の内部に座板押え部材の下部が挿入され、この座板押え部材の上部により、全閉位置に達しているときの座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止できる。
【0029】
この発明に係るシャッター装置の座板押え具における座板押え部材の個数も、シャッターカーテンの幅方向である座板の長さ方向について、1個としてもよく、あるいは、複数個としてもよい。
【0030】
また、この発明に係るシャッター装置の座板押え具においても、座板の撓み変形が、例えば、台風の強風等により、シャッターカーテンの厚さ方向両側のうち、一方の側へ生ずる場合には、座板押え部材を、シャッターカーテンの厚さ方向両側のうち、座板が撓み変形する側だけに設けてもよく、あるいは、風の吹き返し等により、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向両側に生ずる場合には、座板押え部材を、シャッターカーテンの厚さ方向両側に設けてもよい。
【0031】
そして、この発明に係るシャッター装置の座板押え具でも、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向に生ずることを座板押え部材により防止することは、任意の用途のシャッター装置の座板に適用することができ、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置の座板に適用する場合には、全閉位置に達したときの座板が当接する前記全閉座板当接部材は、床であり、また、窓用開口部をシャッターカーテンで開閉する窓用シャッター装置の座板に適用する場合には、全閉位置に達したときの座板が当接する前記全閉座板当接部材は、窓サッシのうちの下枠部材等である。
【0032】
また、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向に生ずることを防止するための座板押え部材は、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向に生ずることを防止できる位置であれば、座板に対する任意に位置に配置することができ、その一例の位置は、全閉位置に達したときの座板からシャッターカーテンの厚さ方向にずれた位置であり、また、他の例の位置は、全閉位置に達したときの座板を上下に貫通する位置である。
【0033】
さらに、座板押え部材を、頭部付きの部材とし、この頭部の下面を、座板に設けられている水平又は略水平の面に上から当接可能としてもよい。
【0034】
これによると、座板の撓み変形がシャッターカーテンの厚さ方向に生ずることを座板押え部材によって防止できるとともに、座板が全閉位置から開き方向に移動することも、座板押え部材に設けられている頭部によって防止できる。
【0035】
また、この発明に係るシャッター装置の座板押え具では、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え部材の下部は、全閉位置に達したときの座板が当接する全閉座板当接部材の内部に挿入されるが、この挿入を、全閉座板当接部材に設けた穴に座板押え部材の下部を直接挿入することにより行ってもよく、あるいは、全閉座板当接部材の内部に筒状部材を埋設し、この筒状部材の内部に座板押え部材の下部を挿入することにより、座板押え部材の下部を、筒状部材を介して全閉座板当接部材の内部に挿入するようにしてもよい。
【0036】
これらのうち、後者によると、座板押え部材の下部を全閉座板当接部材の内部に挿入することを、筒状部材により一層確実かつ安定させて行うことができるようになる。
【0037】
そして、以上のように全閉座板当接部材の内部に筒状部材を埋設し、この筒状部材の内部に座板押え部材の下部を挿入することにより、全閉座板当接部材の内部に座板押え部材の下部を筒状部材を介して挿入するようにする場合には、座板押え部材の下部が筒状部材の内部に挿入されていないときに、このときの筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおくことが好ましい。
【0038】
これによると、座板押え部材の下部が筒状部材の内部に挿入されていないときに、筒状部材の内部に泥や塵埃等が侵入して溜まることを塞ぎ部材によって防止できる。
【0039】
また、このように座板押え部材の下部が筒状部材の内部に挿入されていないときに、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞ぐ場合には、筒状部材の内部を塞ぐための塞ぎ部材は、筒状部材の内部を塞ぐだけのための専用部材でもよく、あるいは、全体が筒状部材の内部に挿入される前記座板押え部材でもよい。
【0040】
これらのうち、後者によると、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するための座板押え部材により、筒状部材の内部を塞ぐことができるため、この座板押え部材の兼用化を達成することができて、この発明に係るシャッター装置の座板押え具を構成する部材点数の削減を図ることができる。
【0041】
また、この発明に係るシャッター装置の座板押え具でも、上述のように座板押え部材の下部が筒状部材の内部に挿入されていないときに、このときの筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおく場合には、筒状部材の内部を塞いだときにおける塞ぎ部材の上面の高さ位置を、全閉座板当接部材の上面の高さ位置と一致又は略一致させることが好ましい。
【0042】
これによると、筒状部材の内部を塞いだときにおける塞ぎ部材の上面は、全閉座板当接部材の上面から突出せず又は殆ど突出しないため、全閉座板当接部材の上面の状態を、本来の状態と同様の状態にさせておくことができる。
【0043】
さらに、この発明に係るシャッター装置の座板押え具でも、座板押え部材の下部が筒状部材の内部に挿入されていないときに、筒状部材の内部を塞ぎ部材によって塞いでおく場合には、塞ぎ部材の頂部には、この塞ぎ部材を筒状部材から取り出すときに、この取り出しのために操作される操作部を設けることが好ましい。
【0044】
これによると、塞ぎ部材を筒状部材から取り出す作業を、塞ぎ部材の頂部に設けた操作部により容易に行えるようになる。
【0045】
そして、このように塞ぎ部材を筒状部材から取り出すときに、この取り出し操作のために塞ぎ部材の頂部に設ける操作部は、塞ぎ部材を筒状部材から取り出すことができるものであれば任意のものでよく、その一例の操作部は、塞ぎ部材が雄ねじ部材である場合には、この雄ねじ部材を電動ドライバ等の工具で回転操作するために、雄ねじ部材の頭部に設ける工具係合用溝であり、また、他の例の操作部は、塞ぎ部材の頂部に、例えば、起倒自在に配置される操作部材である。
【0046】
さらに、この発明に係るシャッター装置の座板押え具も、座板が上下に分割されていないシャッター装置に適用でき、また、この発明に係るシャッター装置の座板押え具も、シャッターカーテンの閉じ移動中に座板が障害物に当接したことや、座板が全閉位置に達したことなどを検出できるようにするために、座板が上下に分割されていて、この座板が、座板本体と、この座板本体の下側において、座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成されているシャッター装置にも適用することができる。
【0047】
この発明に係るシャッター装置の座板押え具を、座板本体と、この座板本体の下側において、座板本体に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体とを含んで構成されている座板に適用する場合には、座板押え部材を、座板が全閉位置まで達しているときにおける座板本体まで延びる上下方向の長さを有しているものとしてもよく、あるいは、座板押え部材を、座板が全閉位置まで達しているときにおける昇降部材まで延びていて、座板本体まで延びていない上下方向の長さを有しているものとしてもよい。
【0048】
これらのうち、前者によると、座板押え部材によって座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを、座板本体と昇降体の両方について防止できるようになり、また、後者によると、座板押え部材の上下方向の長さ寸法を短くすることができる。
【0049】
なお、この発明に係るシャッター装置の座板押え具における座板押え部材は、任意の部材で形成することができ、この部材は、雄ねじ部材でもよく、あるいは、断面円形や断面四角形等の中空又は中実の棒状部材等でもよい。
【0050】
また、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え具は、シャッターカーテンが、このシャッターカーテンの厚さ方向への風圧等の荷重を受けることが予想される任意の用途のシャッター装置に適用することができ、その一つのシャッター装置は、シャッターカーテンにより建物やガレージ等の出入口が開閉される出入口用シャッター装置であり、また、他のシャッター装置は、窓用シャッター装置である。さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え具は、火災等の発生時に防災区画を形成するために全閉となるシャッターカーテンに、炎や煙等の圧力や、排気による負圧が作用する防災用シャッター装置にも適用することができ、さらに、シャッターカーテンが防水のために全閉となるシャッター装置にも適用することができる。
【0051】
さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え具は、新たに建築された建物等に設置されるシャッター装置や、改修されるシャッター装置に適用することができ、さらには、既に設置されているシャッター装置等にも適用することができる。
【0052】
また、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板押え具は、座板を除くシャッターカーテンの全体部分又は略全体又は一部の部分が、多数のスラットの連設で形成されているスラット式シャッター装置や、複数のパネルの連設で形成されているパネル式シャッター装置、シートで形成されているシート式シャッター装置、さらには、これらの部材の複合で形成されている複合式シャッター装置等に適用することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明によると、台風による強風時における風圧等により座板が撓み変形することを防止できるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、架け渡し部材を用いる本発明の第1実施形態の座板押え具を、シャッターカーテンの全閉時において、室外側から見て示すシャッター装置の全体正面図である。
図2図2は、図1のS2-S2線断面図である。
図3図3は、図1のS3-S3線断面図である。
図4図4は、シャッターカーテンが全閉位置から開き移動した後の状態を示す図3と同様の図である。
図5図5は、架け渡し部材を用いる本発明の第2実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図6図6は、図5の実施形態における図4と同様の図である。
図7図7は、架け渡し部材を用いる本発明の第3実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図8図8は、図7の実施形態における図4と同様の図である。
図9図9は、座板押え部材を用いる本発明の第1実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図10図10は、図9の実施形態における図4と同様の図である。
図11図11は、座板押え部材を用いる本発明の第2実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図12図12は、図11の実施形態における図4と同様の図である。
図13図13は、座板押え部材を用いる本発明の第3実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図14図14は、図13の実施形態における図4と同様の図である。
図15図15は、座板押え部材を用いる本発明の第4実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図16図16は、図15の実施形態における図4と同様の図である。
図17図17は、座板押え部材を用いる本発明の第5実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図18図18は、図17の実施形態における図4と同様の図である。
図19図19は、座板押え部材を用いる本発明の第6実施形態の座板押え具について示す図3と同様の図である。
図20図20は、図19で示されている座板押え部材と筒状部材を示す斜視図である。
図21図21は、図19の実施形態における図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る座板押え具が適用されたシャッター装置の全体正面図が示されており、このシャッター装置は、倉庫等の建物の出入口に設置されている出入口用シャッター装置であって、図1は、シャッターカーテンの全閉時におけるシャッター装置を室外側から見た図である。この出入口用シャッター装置は、壁等の建物躯体に取り付けられて左右両側に配置されたガイドレール1により案内されて上下に開閉移動自在となっているシャッターカーテン2が、カーテン本体3と、このカーテン本体3の下端部に設けられた座板4とを備えたものとなっており、シャッターカーテン2の略全体を形成しているカーテン本体3は、多数のスラット5が上下に連設されたものとなっている。カーテン本体3の上端は、天井15の上側の天井裏空間において、下がり壁等に結合された左右一対のブラケット6により回転自在に支持されている水平の巻取軸7に連結され、この巻取軸7には、図示されていない操作装置の操作で駆動される電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機8からの駆動力がスプロケットホイールやチェーン等で構成された伝動手段9を介して伝達され、開閉機8の電動モータからの正逆回転駆動力で巻取軸7が正逆回転することによる巻取軸7のシャッターカーテン2の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン2は左右両側のガイドレール1に案内されて上下方向に開閉移動する。
【0056】
閉じ側の下端部が座板4となっているシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、この座板4が出入口の床部材10の床面10Aに当接することにより、シャッターカーテン2は全閉となり、また、シャッターカーテン2が上側へ開き移動して、シャッターカーテン2を上下に挿通させるためのスリットを天井15に形成しているまぐさ部材11の高さ位置に座板4が達することにより、シャッターカーテン2は全開となる。
【0057】
なお、以上のようにシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、座板4が出入口の床部材10の床面10Aに当接することにより、座板4は全閉位置に達するため、上面が床面10Aとなっていて、コンクリートや、モルタル、アスファルト等で形成されている床部材10は、本実施形態における全閉座板当接部材である。
【0058】
上述したように本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン2が開閉機8からの駆動力で上下方向に開閉移動する電動式シャッター装置となっているが、これから説明する座板押え具は、巻取軸の内部に戻しばねが配置されていて、この戻しばねに、シャッターカーテンが下側へ閉じ移動するときの巻取軸の逆回転時において、シャッターカーテンを上側に開き移動させるための巻取軸の正回転を補助するための戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力により、シャッターカーテンを手動操作により上側に軽く開き移動させることができるようになっている手動式シャッター装置にも適用することができる。
【0059】
図1に示されているように、シャッターカーテン2のうち、カーテン本体3の左右両側の部分はガイドレール1の内部に挿入されており、これらのガイドレール1の内部において、カーテン本体3のそれぞれのスラット5のうち、間隔をあけて配置されている所定のスラット5ごとに、抜け出し防止部材12がこれらのスラット5の左右両端部に取り付けられている。本実施形態に係るこれらの抜け出し防止部材12は、図1のS2-S2線断面図である図2に示されているように、シャッターカーテン2の厚さ方向両側へ突出した突起部12Aが設けられたT字形状のものであり、それぞれのガイドレール1は、カーテン本体3の左右両側の部分が挿入される開口部1Aにおいて、この開口部1Aについてのシャッターカーテン2の厚さ方向の開口幅寸法を小さくするためのリップ部1B,1Cが設けられたものとなっている。
【0060】
このため、全閉位置に達しているときのシャッターカーテン2や、開閉移動中のシャッターカーテン2に、例えば、台風の強風による風圧がシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することにより、カーテン本体3がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形しても、抜け出し防止部材12の突起部12Aがガイドレール1のリップ部1B,1Cに係止することにより、カーテン本体3の左右両側の部分がガイドレール1の内部から抜け出ることを防止できる。
【0061】
図3は、座板4が図1の出入口の床部材10の床面10Aに達しているシャッターカーテン2の全閉時を示す図1のS3-S3線断面図である。この図3に示されているように、本実施形態に係る座板4は、断面ボックス状となっている座板主部13から立上部14が鉛直に立ち上がったものになっており、この立上部14に、多数のスラット5のうちの最下段のスラット5Aがビスやリベット等の結合具により結合されている。図1に示されているように、座板主部13と立上部14の左右両端部分は、左右両側のガイドレール1の内部に挿入されておらず、最下段のスラット5Aの左右両端部分は、ガイドレール1の内部に挿入されている。なお、立上部14の左右両端部分を、左右両側のガイドレール1の内部に挿入してもよく、また、座板主部13の左右両端部分に、左右両側のガイドレール1の内部に挿入される挿入部材を結合してもよい。
【0062】
図3には、図1でも示されている本実施形態に係る座板押え具20も示されている。左右方向である座板4の長さ方向の中央箇所に配置されているこの座板押え具20は、図3に示されているように、シャッターカーテン2の厚さ方向両側のうち、室外側に配置された架け渡し部材21と、室内側に配置された架け渡し部材22とを含んで構成されたものとなっており、フラットバーの折り曲げ品であるこれらの架け渡し部材21,22は、座板4が全閉位置に達しているときに、この座板4と、前述した全閉座板当接部材となっている床部材10との間に斜めに架け渡される。この架け渡しを行えるようにするために、座板4の立上部14と最下段のスラット5Aとに厚板で形成された補強部材23,24がビスやリベット等による止着具で止着されており、架け渡し部材21,22のうち、立上部14と平行又は略平行となっている座板4側の端部21A,22Aは、座板4が全閉位置に達しているときに、補強部材23,24に結合具25,26により結合され、これらの結合具25,26は、補強部材23,24に形成された雌ねじ孔23A,24Aに、結合具25,26の軸部25A,26Aとなっている雄ねじ部が螺入される六角頭部付きのボルトである。
【0063】
また、床部材10の内部には、座板4が全閉位置に達したときにおけるシャッターカーテン2の厚さ方向両側の位置であって、座板4からシャッターカーテン2の厚さ方向にずれた位置において、2個の筒状部材27が埋設されており、底部27Aを有しているこれらの筒状部材27は、上部の大径部27Bと下部の小径部27Cとからなり、この小径部27Cは、内周面にねじ部が形成された雌ねじ部となっている。架け渡し部材21,22のうち、床部材10の床面10Aと平行又は略平行となっている床部材10側の端部21B,22Bは、座板4が全閉位置に達しているときに、それぞれの筒状部材27に結合具28により結合され、これらの結合具28は、筒状部材27の小径部27Cに結合具28の軸部28Aとなっている雄ねじ部が螺入される六角頭部付きのボルトである。
【0064】
このように結合具28は、筒状部材27の内部に挿入される雄ねじ部となっている軸部28Aを有するものとなっているとともに、この軸部28Aが、筒状部材27の雌ねじ部となっている小径部27Cに螺合することにより、結合具28は筒状部材27に接続されることになるため、筒状部材27は、結合具28が接続される接続部材となっている。
【0065】
前述したように座板4が全閉位置に達しているときに、シャッターカーテン2の厚さ方向両側に配置されている架け渡し部材21,22の座板4側の端部21A,22Aが、補強部材23,24に結合具25,26によって結合されることにより、これらの端部21A,22Aは、結合具25,26によって座板4に結合されるとともに、架け渡し部材21,22の床部材10側の端部21B,22Bが、床部材10の内部に埋設されているそれぞれの筒状部材27に結合具28によって結合されることにより、これらの端部21B,22Bが結合具28により床部材10に結合されるため、これらの架け渡し部材21,22は、座板4が全閉位置に達しているときに、座板4と床部材10との間に斜めに架け渡されることになる。これにより、シャッターカーテン2の幅方向が長さ方向となっている座板4の強度は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側において、架け渡し部材21,22により補強されることになる。
【0066】
このため、例えば、台風の強風による風圧により、座板4が室内側に撓み変形することは、室内側に配置された架け渡し部材22によって防止することができ、また、例えば、風の吹き返しにより座板4が室外側に撓み変形することは、室外側に配置された架け渡し部材21によって防止することができる。このため、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向両側に撓み変形することは阻止されて、この撓み変形によって座板4の長さ方向の中央箇所が浮き上がることも阻止され、これにより、座板4と床部材10の床面10Aとの間に大きなすき間が生ずることを防止できる。
【0067】
図4には、台風の通過等により、座板4の強度を架け渡し部材21,22によって補強することが不要になったときの状態が示され、このときには、結合具25,26,28の取り外しにより架け渡し部材21,22を取り除く作業が行われ、この後に、シャッターカーテン2の開閉移動が行われる。また、結合具25,26が取り外された補強部材23,24の雌ねじ孔23A,24Aには、硬質合成樹脂等で形成されている蓋部29A付きの塞ぎ部材29の軸部29Bが圧入されることにより、これらの雌ねじ孔23A,24Aは、塞ぎ部材29により塞がれる。また、架け渡し部材21,22の床部材10側の端部21B,22Bを筒状部材27を介して床部材10に結合していたそれぞれの結合具28が取り外されるため、結合具28が接続されていないそれぞれの筒状部材27の内部には、硬質合成樹脂等で形成されている頭部30A付きの塞ぎ部材30の軸部30Bが圧入され、これにより、これらの筒状部材27の内部は、塞ぎ部材30により塞がれる。
【0068】
このため、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動等が行われる通常時において、筒状部材27の内部に泥や塵埃等が侵入して溜まることを塞ぎ部材30により防止することができる。
【0069】
また、このように2個の筒状部材27の内部が、それぞれ塞ぎ部材30によって塞がれたときには、これらの塞ぎ部材30の上面となっている頭部30Aの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。このため、床面10Aからは頭部30Aが突出しておらず又は殆ど突出していないため、この床面10Aは、本来の床面と同じ状態又は略同じ状態となっており、したがって、床面10Aが下面となっている前述した出入口を通過する人等は、塞ぎ部材30に特別に注意することなく、通常どおり通過することができる。
【0070】
また、図4に示されているように、塞ぎ部材30の頂部となっている頭部30Aには、塞ぎ部材30を筒状部材27の内部から取り出すときに用いられる操作部30Cが設けられている。この操作部30Cは、例えば、硬質の金属線で形成された半円状の本体の両端部に、平面視で円形となっている頭部30Aにおける互いに反対側の2つ箇所に形成された穴に挿入されている回動中心軸部が設けられた摘み部材31であり、これらの回動中心軸部を中心に頭部30Aに対して起倒自在となっている摘み部材31を二点鎖線で示すように起立させた後に、この摘み部材31を摘まむことにより、塞ぎ部材30を筒状部材27の内部から取り出すことができる。
【0071】
このため、台風が到来していない通常時において、図3で示した2個の結合具28がそれぞれ接続されていない2個の筒状部材27の内部を塞ぎ部材30により塞いでいても、台風が到来するときに、塞ぎ部材30を筒状部材27の内部から取り出すための作業を、摘み部材31を用いることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0072】
図5には、図3で示した架け渡し部材21,22が用いられているが、図3で示した2個の結合具28が用いられておらず、これらの結合具28に代わるものとして2個の結合具38が用いられている座板押え具20’についての実施形態が示されている。この実施形態での結合具38は、雄ねじ部となっている軸部38Aの先端に設けられている頭部38Bが平面視で円形となっているボルトであり、このボルトの頂部である頭部38Bの上面には、結合具38を回転操作するための操作部38Cが形成されており、この操作部38Cは、結合具38を回転操作するための電動ドライバ等の工具を係合させることができる溝39である。また、これらの結合具38を接続するために床部材10に内部に接続部材として埋設されている筒状部材37は、図3及び図4で示した筒状部材27と同様に、底部37Aと、上部の大径部37Bと、雌ねじ部となっている下部の小径部37Cとからなるものであり、大径部37Bの内部の大きさは、結合具38の頭部38Bの大きさと対応する大きさになっている。
【0073】
この実施形態において、架け渡し部材21,22における床部材10側の端部21B,22Bを床部材10に結合することは、結合具38の雄ねじ部となっている軸部38Aを筒状部材37の小径部37Cに螺合することにより実施される。
【0074】
また、この実施形態では、筒状部材37の内部の上下方向の全長は、結合具38の上下方向の全長と同じ又はこの全長よりも大きくなっている。このため、台風の通過等により、図6に示されているように、架け渡し部材21,22を取り除くために、筒状部材37から結合具38を取り外した後は、すなわち、架け渡し部材21,22における床部材10側の端部21B,22Bを結合具38によって床部材10に結合していないときには、取り外した結合具38を、筒状部材37の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま用いることができる。これにより、結合具38の兼用化を図ることができるとともに、この実施形態に係る座板押え具20’を構成する部材点数の削減を実現できる。
【0075】
また、この実施形態でも、結合具38によって筒状部材37の内部を塞いでいるときにおいて、結合具38の頂部である頭部38Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、この頭部38Bの上面には、前述した操作部38Cとなっている溝39が形成されているため、筒状部材37の内部を塞いでいる塞ぎ部材となっている結合具38を筒状部材37の内部から取り出すための作業を、溝39に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0076】
なお、操作部38Cを溝39とするのではなく、操作部38Cを、結合具38を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0077】
図7で示した実施形態の座板押え具40は、座板本体41と、この座板本体41の下側において、座板本体41に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体42とを含んで構成された座板43について適用されるものであり、この座板43は、前述した出入口に存在する障害物を検出することにより、シャッターカーテン2の閉じ移動を停止させることができるシャッター装置に用いられるものになっている。
【0078】
図8に示されているように、座板43を構成する部材のうち、昇降体42には、上方へ延出していて、座板本体41の下面に形成された開口部41Aから座板本体41の内部に侵入した延出部42Aが設けられ、シャッターカーテン2の厚さ方向に一対設けられている延出部42Aのそれぞれの先端には、シャッターカーテン2の厚さ方向外側に突出した係止部42Bが設けられている。シャッターカーテン2が上下方向に開閉移動しているときや前述の全開位置に達しているときには、図8に示されているように、係止部42Bが、座板本体41の開口部41Aの外縁部を形成している被係止部41Bに上から係止することにより、昇降体42は、座板本体41に対して最下位置まで下降している。また、座板本体41の内部には、軸部41Cを中心に上下に揺動自在となった揺動部材44と、取付部材45に取り付けられた電気スイッチ等によるセンサ46とが配置されている。また、昇降体42には、下端部がリベット等の結合具47によって昇降体42に結合された押し上げ部材48が立設されている。
【0079】
全開位置に達していたシャッターカーテン2の閉じ移動中において、前述した出入口に障害物が存在すると、昇降体42はこの障害物に当接して停止するとともに、この昇降体42に対して座板本体41はさらに下降するため、昇降体42に設けられている延出部42Aの係止部42Bと押し上げ部材48が、座板本体41の内部に配置されている揺動部材44を軸部41Cを中心に上方へ揺動させ(図7を参照)、これにより、揺動部材44によってセンサ46が作動する。このセンサ46からの信号は、無線又は有線により、例えば、図1のまぐさ部材11に配置された制御装置に送られ、この制御装置による制御によって図1の開閉機8の電動モータの駆動が停止してブレーキがオンとなることにより、巻取軸7の回転が停止し、シャッターカーテン2は閉じ移動を停止する。障害物が除去されると、昇降体42が下降することによって揺動部材44は軸部41Cを中心に下方へ揺動するため、センサ46の逆作動により、制御装置からの信号によって開閉機8の電動モータの駆動が開始してブレーキがオフとなることにより、シャッターカーテン2は閉じ移動を開始する。
【0080】
図7に示されているように、座板43が床面10Aに当接することによりシャッターカーテン2が全閉となっても、センサ46は作動するが、例えば、図1の巻取軸7に、この巻取軸7の回転数を検出するための巻取軸回転数検出装置を配置し、この巻取軸回転数検出装置により、シャッターカーテン2が全閉位置に達したことを検出し、この巻取軸回転数検出装置からの信号が送られる前述の制御装置の制御により、開閉機8の電動モータの駆動を停止させてブレーキをオンとさせることにより、全閉位置に達したシャッターカーテン2の閉じ移動を停止させるようにしてもよい。このようにする場合には、センサ46から送られる信号は、前述の制御装置において無効とされる。
【0081】
なお、この実施形態における座板43の昇降体42には、前述したように下端部が結合具47で結合された押し上げ部材48が設けられ、この結合具47は、昇降体42の下面から下方へ突出している部分を有するものとなっているため、この実施形態において、座板43が全閉位置に達することは、これを言い換えると、シャッターカーテン2が全閉となることは、結合具47のうち、昇降体42の下面から下方へ突出している部分が床面10Aに当接することである。
【0082】
図7に示されているように、この実施形態の座板押え具40も、シャッターカーテン2の厚さ方向両側のうち、室外側に配置された架け渡し部材51と、室内側に配置された架け渡し部材52とを含んで構成されたものとなっており、フラットバーの折り曲げ品であるこれらの架け渡し部材51,52は、座板43が全閉位置に達しているときに、この座板43のうちの座板本体41と、床部材10との間に斜めに架け渡される。この架け渡しを行えるようにするために、最下段のスラット5Aに結合されている座板本体41の立上部41D,41Eに補強部材53,54がビスやリベット等による止着具で止着されており、架け渡し部材51,52のうち、立上部41D,41Eと平行又は略平行となっている座板43側の端部51A,52Aは、座板43が全閉位置に達しているときに、補強部材53,54に結合具55,56により結合され、これらの結合具55,56も、補強部材53,54に形成された雌ねじ孔53A,54Aに、結合具55,56の軸部55A,56Aとなっている雄ねじ部が螺入される六角頭部付きのボルトである。
【0083】
また、床部材10の内部には、座板43が全閉位置に達したときにおけるシャッターカーテン2の厚さ方向両側の位置であって、座板43からシャッターカーテン2の厚さ方向にずれた位置において、図5及び図6の実施形態で用いられている2個の筒状部材37が埋設されている。架け渡し部材51,52のうち、床部材10の床面10Aと平行又は略平行となっている床部材10側の端部51B,52Bは、座板4が全閉位置に達しているときに、それぞれの筒状部材37に、図5及び図6の実施形態でも用いられている結合具38により結合され、これらの結合は、筒状部材37の雌ねじ部となっている小径部37Cに結合具38の軸部38Aとなっている雄ねじ部が螺入されることにより行われる。
【0084】
この実施形態では、座板43が全閉位置に達しているときに、架け渡し部材51,52は、座板43の座板本体41と床部材10との間に斜めに架け渡されることになる。これにより、シャッターカーテン2の幅方向が長さ方向となっている座板本体41の強度は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側において、架け渡し部材51,52により補強されることになり、このため、座板本体41が、台風の強風による風圧等によりシャッターカーテン2の厚さ方向両側に撓み変形することが防止される。なお、座板本体41は、座板43の主要の部材となっているため、座板本体41の強度が架け渡し部材51,52によって補強されることにより、昇降体42がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することも防止される。
【0085】
また、この実施形態でも、図5及び図6の実施形態で用いられている筒状部材37と結合具38が使用されているため、筒状部材37は、架け渡し部材51,52の床部材10側の端部51B,52Bを床部材10に結合するための部材となっている結合具38が接続される接続部材である。また、台風の通過等により、図8に示されているように、架け渡し部材51,52を取り除くために、筒状部材37から結合具38を取り外した後は、すなわち、架け渡し部材51,52における床部材10側の端部51B,52Bを結合具38によって床部材10に結合していないときには、取り外した結合具38を筒状部材37の内部に挿入することにより、結合具38を、筒状部材37の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま用いることができる。
【0086】
さらに、この実施形態でも、結合具38によって筒状部材37の内部を塞いでいるときにおいて、結合具38の頂部である頭部38Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、この頭部38Bの上面には、前述した操作部38Cとなっている溝39が形成されているため、筒状部材37の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている結合具38を筒状部材37の内部から取り出すための作業を、溝39に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0087】
なお、この実施形態でも、操作部38Cを溝39とするのではなく、操作部38Cを、結合具38を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0088】
また、この実施形態では、図8に示されているように、台風の通過等により、座板4の強度を架け渡し部材51,52によって補強することが不要になったときには、結合具55,56が取り外された補強部材53,54の雌ねじ孔53A,54Aには、図4の実施形態と同様に、硬質合成樹脂等で形成されている蓋部59A付きの塞ぎ部材59の軸部59Bが圧入されることにより、これらの雌ねじ孔53A,54Aは、塞ぎ部材59により塞がれる。
【0089】
図9で示した実施形態の座板押え具60は、図3図6の実施形態と同じ座板4について適用されるものである。この座板押え具60は、全閉位置に達した座板4からシャッターカーテン2の厚さ方向両側にずれた2つの箇所において、前述した全閉座板当接部材となっている床部材10の内部に埋設された2個の筒状部材61と、これらの筒状部材61の内部に下部が挿入されることにより、床部材10の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材62とにより構成されている。
【0090】
それぞれの筒状部材61は、これまでの実施形態の筒状部材27,37と同様に、底部61Aと、上部の大径部61Bと、この大径部61Bの下側に設けられ、雌ねじ部となっている小径部61Cとからなるものである。また、座板押え部材62は、雄ねじ部となっている軸部62Aの先端に設けられている頭部62Bが平面視で円形となっている長寸法のボルトであり、このボルトの頂部である頭部62Bの上面には、座板押え部材62を回転操作するための操作部62Cが、座板押え部材62を回転操作するための電動ドライバ等の工具を係合させることができる溝63として形成されている。
【0091】
そして、筒状部材61の大径部61Bの内部の大きさは、座板押え部材62の頭部62Bの大きさと対応する大きさになっており、また、筒状部材61の内部の上下方向の全長は、座板押え部材62の上下方向の全長と同じ又はこの全長よりも大きくなっている。
【0092】
この実施形態では、図9に示されているように、座板4が全閉位置に達しているときに、筒状部材61の雌ねじ部となっている小径部61Cに、座板押え部材62の雄ねじ部となっている軸部62Aのうちの下部を螺入し、この螺入と回転操作によって行う座板押え部材62の降ろし作業を、図9に示されているように、座板押え部材62の頭部62Bの下面62Dが、座板4のうち、座板主部13の水平又は略水平の面となっている上面13Aと接触するまで、あるいは、この上面13Aと少しのすき間をあけて対面するまで行う。この作業を行ったときにおけるそれぞれの座板押え部材62の軸部62Aのうちの上部は、座板主部13におけるシャッターカーテン2の厚さ方向両側の側面13B,13Cと接触する位置、又はこれらの側面13B,13Cと少しのすき間をあけて対面する位置に配置されている。
【0093】
このため、この実施形態では、全閉位置に達している座板4が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することは、それぞれの座板押え部材62の軸部62Aのうち、座板主部13の側面13B,13Cと接触又は少しのすき間をあけて対面している上部に、これらの座板主部13の側面13B,13Cが当接することにより防止されることになる。また、このときに、座板4が床面10Aから浮き上がることも、座板押え部材62の頭部62Bの下面62Dに座板主部13の上面13Aが当接することにより防止されることになり、これにより、シャッターカーテン2が開き方向に移動することを阻止できる。
【0094】
また、台風の通過などにより、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、それぞれの座板押え部材62を筒状部材61から抜き取って、図10に示されているように、シャッターカーテン2を上下方向に開閉移動可能とするとともに、それぞれの座板押え部材62の長さ方向の全体を筒状部材61の内部に挿入する。これにより、座板押え部材62は、筒状部材61の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま利用されることになり、座板押え部材62の兼用化を図ることができる。
【0095】
また、この実施形態でも、座板押え部材62によって筒状部材61の内部を塞いでいるときには、座板押え部材62の頂部である頭部62Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、この頭部62Bの上面には、前述した操作部62Cとなっている溝63が形成されているため、筒状部材61の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている座板押え部材62を筒状部材61の内部から取り出すための作業を、溝63に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0096】
なお、この実施形態でも、操作部62Cを溝63とするのではなく、操作部62Cを、座板押え部材62を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0097】
図11で示した実施形態の座板押え具70は、図9の実施形態で用いられている筒状部材61と座板押え部材62を使用したものになっているが、2個の筒状部材61が床部材10の内部に埋設されている位置は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側の箇所であって、全閉位置に達しているときにおける座板4の座板主部13の下面の範囲内である。このため、下部がそれぞれの筒状部材61の内部に挿入されることによって床部材10の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材62は、全閉位置に達しているときにおける座板4の座板主部13を上下に貫通して配置される。このように全閉位置に達しているときにおける座板4の座板主部13に対して座板押え部材62を貫通させるために、座板主部13におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の2つの箇所において、2本のパイプ部材71が、軸方向が上下方向の向きとなって配置され、これらのパイプ部材71の上下面の高さ位置は、座板主部13の上下面の高さ位置と一致又は略一致している。
【0098】
座板4が全閉位置に達しているときに、それぞれの座板押え部材62の軸部62Aをパイプ部材71の内部に上から挿入し、これらの軸部62Aの下部を、床部材10の内部に埋設されている筒状部材61の雌ねじ部となっている小径部61Cに螺入する。
【0099】
これにより、図9の実施形態と同様に、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを、2本の座板押え部材62の軸部62Aのうちの上部により防止することができる。また、座板押え部材62の頭部62Bの下面を、座板主部13の水平又は略水平の面となっている上面と接触させ、あるいは、この上面と少しのすき間をあけて対面させておくことにより、図9の実施形態と同様に、座板4が床面10Aから浮き上がることを防止できる
【0100】
台風の通過などにより、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、それぞれの座板押え部材62を筒状部材61から抜き取るとともに、パイプ部材71からも抜き取り、図12に示されているように、シャッターカーテン2を上下方向に開閉移動可能とするとともに、それぞれの座板押え部材62の長さ方向の全体を筒状部材61の内部に挿入する。また、図12に示されているように、それぞれのパイプ部材71の上端部と下端部には、硬質合成樹脂等で形成されている蓋部72A付きの塞ぎ部材72の軸部72Bを圧入することにより、これらのそれぞれのパイプ部材71の上端部と下端部を塞ぎ部材72により塞ぐための作業を行う。
【0101】
そして、それぞれの座板押え部材62の長さ方向の全体を筒状部材61の内部に挿入したときには、座板押え部材62の頭部62Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、座板押え部材62の頂部となっている頭部62Bの上面には、前述した操作部62Cとなっている溝63が形成されているため、筒状部材61の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている座板押え部材62を筒状部材61の内部から取り出すための作業を、溝63に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0102】
なお、この実施形態でも、操作部62Cを溝63とするのではなく、操作部62Cを、座板押え部材62を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0103】
図13に示されている座板押え具80は、図7及び図8の実施形態と同様に、座板本体41と、この座板本体41の下側において、座板本体41に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体42とを含んで構成された座板43について適用されるものである。そして、この実施形態の座板押え具80は、床部材10の内部に埋設されている2個の筒状部材81と、座板43が全閉位置に達しているときに、これらの筒状部材81の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材82とにより構成されたものになっており、2個の筒状部材81が床部材10の内部に埋設されている位置は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側の箇所であって、全閉位置に達している座板43の昇降体42の下面の範囲内であり、下部がそれぞれの筒状部材81の内部に挿入されることによって床部材10の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材82は、全閉位置に達している座板43の座板本体41と昇降体42の両方を上下に貫通して配置される。
【0104】
このため、全閉位置に達している座板43の座板本体41と昇降体42の両方に2本の座板押え部材82を上下に貫通させるために、座板本体41におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の2つの箇所において、2本のパイプ部材84が、軸方向が上下方向の向きとなって配置されているとともに、昇降体42におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の2つの箇所であって、2本のパイプ部材84の配置位置と対応する箇所において、2本のパイプ部材85が、軸方向が上下方向の向きとなって配置されている。座板本体41に設けられているパイプ部材84の上下面の高さ位置は、座板本体41の上下面の高さ位置と一致又は略一致しており、昇降体42に設けられているパイプ部材85の上下面の高さ位置は、昇降体42の上下面の高さ位置と一致又は略一致している。
【0105】
それぞれの筒状部材81は、これまでの実施形態の筒状部材27,37,61と同様に、底部81Aと、上部の大径部81Bと、この大径部81Bの下側に設けられ、雌ねじ部となっている小径部81Cとからなる。また、座板押え部材82は、雄ねじ部となっている軸部82Aの先端に設けられている頭部82Bが平面視で円形となっている長寸法のボルトであり、このボルトの頂部である頭部82Bの上面には、座板押え部材82を回転操作するための操作部82Cが、座板押え部材62を回転操作するための電動ドライバ等の工具を係合させることができる溝83として形成されている。
【0106】
筒状部材81の大径部81Bの内部の大きさは、座板押え部材82の頭部82Bの大きさと対応する大きさになっており、また、筒状部材81の内部の上下方向の全長は、座板押え部材82の上下方向の全長と同じ又はこの全長よりも大きくなっている。
【0107】
この実施形態では、図13に示されているように、座板43が全閉位置に達しているときに、座板押え部材82の雄ねじ部となっている軸部82Aをパイプ部材84の内部に上から挿通して、パイプ部材85の内部にも挿通し、そして、座板押え部材82の軸部82Aのうちの下部を、筒状部材81の雌ねじ部となっている小径部81Cに螺入し、この螺入と回転操作によって行う座板押え部材82の降ろし作業を、図13に示されているように、座板押え部材82の頭部82Bの下面が、座板本体41の水平又は略水平の面となっている上面と接触するまで、あるいは、この上面と少しのすき間をあけて対面するまで行う。
【0108】
このため、この実施形態における座板押え部材82は、座板43が全閉位置まで達しているときにおける座板本体41まで延びる上下方向の長さを有している。
【0109】
そして、この実施形態では、全閉位置に達している座板43の座板本体41と昇降体42が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することは、座板押え部材82の上下方向の全長のうち、パイプ部材84とパイプ部材85に挿通されている部分によって防止される。また、このときに、座板本体41が浮き上がることも、座板押え部材82の頭部82Bの下面に座板本体41の上面が当接することにより防止される。
【0110】
また、台風の通過などにより、座板43の座板本体41と昇降体42がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、それぞれの座板押え部材82を筒状部材81から抜き取り、さらにパイプ部材84とパイプ部材85からも抜き取って、図14に示されているように、シャッターカーテン2を上下方向に開閉移動可能とするとともに、それぞれの座板押え部材82の長さ方向の全体を筒状部材81の内部に挿入する。これにより、座板押え部材82は、筒状部材81の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま利用されることになり、座板押え部材82の兼用化を図ることができる。
【0111】
また、この実施形態でも、座板押え部材82によって筒状部材81の内部を塞いだときには、座板押え部材82の頂部である頭部82Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、この頭部82Bの上面には、前述した操作部82Cとなっている溝83が形成されているため、筒状部材81の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている座板押え部材82を筒状部材81の内部から取り出すための作業を、溝83に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0112】
なお、この実施形態でも、操作部82Cを溝83とするのではなく、操作部82Cを、座板押え部材82を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0113】
また、この実施形態では、図14に示されているように、座板押え部材82が抜き取られたパイプ部材84の上下両端部とパイプ部材85の上下両端部には、硬質合成樹脂等で形成されている蓋部89A付きの塞ぎ部材89の軸部89Bが圧入され、これらの上下両端部は塞ぎ部材89により塞がれる。
【0114】
図15で示した座板押え具90も、図13に示されている座板押え具80と同様に、座板本体41と、この座板本体41の下側において、座板本体41に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体42とを含んで構成された座板43について適用されるものであり、この座板押え具90は、床部材10の内部に埋設されている2個の筒状部材91と、座板43が全閉位置に達しているときに、これらの筒状部材91の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材92とにより構成されたものになっている。そして、2個の筒状部材91が床部材10の内部に埋設されている位置は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側の箇所であって、全閉位置に達しているときにおける座板43の昇降体42の下面の範囲内であり、下部がそれぞれの筒状部材91の内部に挿入されることによって床部材10の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材92は、全閉位置に達している座板4のうち、昇降体42を上下に貫通して配置される。
【0115】
このため、この実施形態では、全閉位置に達しているときにおける座板43の昇降体42に2本の座板押え部材82を上下に貫通させるために、昇降体42におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の2つの箇所において、図13の実施形態でも用いられている2本のパイプ部材85が、軸方向が上下方向の向きとなって配置され、これらのパイプ部材85の上下面の高さ位置は、昇降体42の上下面の高さ位置と一致又は略一致している。
【0116】
それぞれの筒状部材91は、これまでの実施形態の筒状部材27,37,61,81と同様に、底部91Aと、上部の大径部91Bと、この大径部91Bの下側に設けられ、雌ねじ部となっている小径部91Cとからなる。また、座板押え部材92は、雄ねじ部となっている軸部92Aの先端に設けられている頭部92Bが平面視で円形となっているボルトであり、このボルトの頂部となっている頭部92Bの上面には、座板押え部材92を回転操作するための操作部82Cが、座板押え部材92を回転操作するための電動ドライバ等の工具を係合させることができる溝93として形成されている。
【0117】
筒状部材91の大径部91Bの内部の大きさは、座板押え部材92の頭部92Bの大きさと対応する大きさになっており、また、筒状部材91の内部の上下方向の全長は、座板押え部材92の上下方向の全長と同じ又はこの全長よりも大きくなっている。
【0118】
この実施形態では、座板43の座板本体41と昇降体42についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法は同じ又は略同じになっているため、座板本体41の下面には、昇降体42における2本のパイプ部材85の配置位置と対応する位置において、座板本体41の内部空間をこの座板本体41の下側の外部空間と連通させるための2個の孔41Fが形成されている。座板43が、図16に示されている状態と同様に、全閉位置よりも上側の位置にあって、座板本体41と昇降体42の上下間隔が大きくなっているときに、これらの孔41Fの内部に、鉛直方向に対して斜めの姿勢とした座板押え部材92の上部を一旦挿入した後に、図15から分かるように、鉛直姿勢に戻した座板押え部材92の雄ねじ部となっている軸部92Aをパイプ部材85の内部に上から挿通し、シャッターカーテン2を全閉位置まで降ろした後に、座板押え部材92の軸部92Aのうちの下部を、筒状部材91の雌ねじ部となっている小径部91Cに螺入する。そして、この螺入と回転操作によって行う座板押え部材92の降ろし作業を、図15に示されているように、座板押え部材92の頭部92Bの下面が、昇降体42の水平又は略水平の面となっている上面と接触するまで、あるいは、この上面と少しのすき間をあけて対面するまで行う。
【0119】
このため、この実施形態における座板押え部材92は、座板43が全閉位置まで達しているときにおける昇降体42まで延びているが、座板本体41までは延びていない上下方向の長さを有している。
【0120】
この実施形態では、全閉位置に達している座板43の昇降体42が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することは、座板押え部材92の上下方向の全長のうち、パイプ部材85に挿通されている上部によって防止される。また、このときに、昇降体42が浮き上がることは、座板押え部材92の頭部92Bの下面に昇降体42の上面が当接することにより防止される。
【0121】
また、台風の通過などにより、座板43の昇降体42がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、シャッターカーテン2の上昇により座板43のうち、座板本体41を少し上昇させた後に、それぞれの座板押え部材92を筒状部材91から抜き取り、さらにパイプ部材85からも抜き取って、図16に示されているように、シャッターカーテン2を上下方向に開閉移動可能とするとともに、それぞれの座板押え部材92の長さ方向の全体を筒状部材91の内部に挿入する。これにより、座板押え部材92は、筒状部材91の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま利用されることになり、座板押え部材92の兼用化を図ることができる。
【0122】
また、この実施形態でも、座板押え部材92によって筒状部材91の内部を塞いだときには、座板押え部材92の頂部である頭部92Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、頭部92Bの上面には、前述した操作部92Cとなっている溝93が形成されているため、筒状部材91の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている座板押え部材92を筒状部材91の内部から取り出すための作業を、溝93に電動ドライバ等の工具を係合させることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0123】
なお、この実施形態でも、操作部92Cを溝93とするのではなく、操作部92Cを、座板押え部材92を回転操作することができる図4の摘み部材31としてもよい。
【0124】
また、この実施形態では、図16に示されているように、座板押え部材92が抜き取られたパイプ部材85の上下両端部には、図14の実施形態でも示されている硬質合成樹脂等で形成された蓋部89A付きの塞ぎ部材89の軸部89Bが圧入され、これらの上下両端部は塞ぎ部材89により塞がれる。
【0125】
この実施形態によると、図13の実施形態で用いられている筒状部材81及び座板押え部材82よりも、筒状部材91及び座板押え部材92の上下方向の長さ寸法を短くできるという利点を得られる。
【0126】
なお、この実施形態では、座板43の座板本体41と昇降体42についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法が同じ又は略同じになっているため、座板本体41の下面に前述した孔41Fを設けたが、昇降体42についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法が座板本体41についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法よりも大きい場合には、座板本体41の下面に孔41Fを設けなくてもよい。
【0127】
図17で示した座板押え具100も、図7図13及び図15に示されている座板押え具40,80,90と同様に、座板本体41と、この座板本体41の下側において、座板本体41に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体42とを含んで構成された座板43について適用されるものであり、この座板押え具100は、床部材10の内部に埋設されている2個の筒状部材101と、座板43が全閉位置に達しているときに、これらの筒状部材101の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材102とにより構成されたものになっている。そして、2個の筒状部材101が床部材10の内部に埋設されている位置は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側の箇所であって、全閉位置に達している座板43における座板本体41及び昇降体42からシャッターカーテン2の厚さ方向にずれた位置であり、平面視で円形の中実又は中空の棒状部材となっているそれぞれの座板押え部材102の下部が、筒状部材101の内部に挿入されることにより、これらの座板押え部材102の下部は床部材10の内部に挿入されることになる。
【0128】
図17に示されているように、それぞれの筒状部材101は、これまでの実施形態の筒状部材27,37,61,81,91と同様に、底部101Aと、上部の大径部101Bと、この大径部101Bの下側に設けられている小径部101Cとからなるが、この小径部101Cは雌ねじ部とはなっていない。座板43が全閉位置に達しているときに、それぞれの座板押え部材102の下部は筒状部材101の小径部101Cの内部に挿入され、これにより、筒状部材101よりも上下方向の長さ寸法が大きくなっているこれらの座板押え部材102は、下部が床部材10の内部に挿入された状態で自立することになる。また、このときにおける座板押え部材102は、座板43の座板本体41と昇降体42の両方に対してシャッターカーテン2の厚さ方向に接触又は少しのすき間をあけて対面しており、また、座板押え部材102の上端は、座板本体41の上面41Gと同じ高さ位置又はこの上面41Gを越える高さ位置に達している。
【0129】
このため、全閉位置に達している座板43の座板本体41と昇降体42が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することは、座板押え部材102の上下方向の全長のうち、筒状部材101の小径部101Cに挿入されている下部を除く上部によって防止されることになる。
【0130】
また、台風の通過などにより、座板43の座板本体41と昇降体42がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、図18に示されているように、それぞれの座板押え部材102を筒状部材101の内部から抜き取り、座板押え部材102が抜き取られたそれぞれの筒状部材101の内部を塞ぎ部材103により塞ぐ。この塞ぎ部材103は、図4の塞ぎ部材30と同様に、例えば、硬質合成樹脂等で形成されているものであって、軸部103Bを備えている頭部103A付きのものであり、軸部103Bが筒状部材101の小径部101Cに圧入されることにより、筒状部材101の内部は、塞ぎ部材103により塞がれる。これにより、筒状部材101の内部に泥や塵埃等が侵入して溜まることを塞ぎ部材103によって防止できる。
【0131】
また、筒状部材101の内部が塞ぎ部材103によって塞がれたときには、塞ぎ部材103の上面となっている頭部103Aの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。このため、床面10Aからは頭部103Aが突出しておらず又は殆ど突出しておらず、この床面10Aは、本来の床面と同じ状態又は略同じ状態となっているため、床面10Aが下面となっている前述した出入口を通過する人等は、塞ぎ部材30に特別に注意することなく、通常どおり通過することができる。
【0132】
また、図18に示されているように、塞ぎ部材103の頂部となっている頭部103Aには、塞ぎ部材103を筒状部材101の内部から取り出すときに用いられる操作部103Cが設けられている。この操作部103Cは、図4の操作部30Cと同様に、硬質の金属線で形成された半円状の本体の両端部に、平面視で円形となっている頭部103Aにおける互いに反対側の2つ箇所に形成された穴に挿入されている回動中心軸部が設けられた摘み部材104であり、これらの回動中心軸部を中心に頭部103Aに対して起倒自在となっている摘み部材104を図18の二点鎖線で示すように起立させた後に、この摘み部材104を摘まむことにより、塞ぎ部材103を筒状部材101の内部から取り出すことができる。
【0133】
このため、台風が到来していない通常時において、図18で示した2個の筒状部材101の内部を塞ぎ部材103により塞いでいても、台風が到来するときに、塞ぎ部材103を筒状部材101の内部から取り出すための作業を、摘み部材104を用いることにより、容易かつ短時間で行うができる。
【0134】
なお、図17で示すこの実施形態の座板押え具100は、図3等で示した座板4についても適用することができる。
【0135】
図19で示す座板押え具110も、図7図13図15及び図17に示されている座板押え具40,80,90,100と同様に、座板本体41と、この座板本体41の下側において、座板本体41に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体42とを含んで構成された座板43について適用されるものであり、この座板押え具110は、床部材10の内部に埋設されている2個の筒状部材111と、座板43が全閉位置に達しているときに、これらの筒状部材111の内部に下部が挿入される2本の座板押え部材112とにより構成されたものになっている。そして、2個の筒状部材111が床部材10の内部に埋設されている位置は、シャッターカーテン2の厚さ方向両側の箇所であって、全閉位置に達しているときにおける座板43の座板本体41と昇降体42の両方からシャッターカーテン2の厚さ方向にずれた位置であり、それぞれの座板押え部材112の下部が筒状部材111の内部に挿入されることにより、これらの座板押え部材112の下部は床部材10の内部に挿入される。
【0136】
筒状部材111の内部の上下方向の長さ寸法は、座板押え部材112の上下方向の長さ寸法と同じ又は略同じになっており、図20には、これらの筒状部材111と座板押え部材112の斜視図が示されている。この図20に示されているように、筒状部材111は、同一の外径寸法が上下方向の全長に渡って連続していて、底部111Aを有しているものであり、上端の開口部111Bの下側に、筒状部材111の内部へ突出している壁部111Cが設けられている。この壁部111Cの上端は段部111Dとなっているとともに、壁部111Cの内側は、上下方向の寸法を有している開口部111Bも直径が小さい平面視で円形の穴部111Eとなっており、この穴部111Eは、段部111Dから底部111Aまでの上下寸法が大きなものとなっている。また、壁部111Cには、平面視で互いに反対側の2つの箇所において、段部111Dから底部111Aまで達する上下方向を長さ方向とする2個の溝部111Fが形成されている。
【0137】
座板押え部材112は、筒状部材111の穴部111Eと対応する直径を有する平面視で円形の中実又は中空の棒状部分となっている本体112Aと、この本体112Aの上端部に設けられた平面視で円形の頭部112Bとからなるものであり、この座板押え部材112の頂部となっている頭部112Bの直径寸法及び上下寸法は、筒状部材111の上端の開口部111Bの直径寸法及び上下寸法と対応している。また、本体112Aには、この本体112Aの下面112Cから少し上側の箇所において、本体112Aの外径方向へ突出する突部112Dが形成され、この突部112Dは、平面視で互いに反対側の2つの箇所に設けられている。
【0138】
座板押え部材112のうち、頭部112Bには、操作部112Eが形成されており、この操作部112Eは、頭部112Bの上面に深さをもって形成された平面視で四角形の穴部112Fに向かって水平方向に突出している指掛け部113である。この指掛け部113の上下方向の厚さ寸法は、指掛け部113の下方まで達する水平方向の幅寸法を有している穴部112Fの深さよりも小さいため、座板押え部材112の全体が筒状部材111の内部に挿入されることにより、座板押え部材112の頭部112Bの全体が筒状部材111の開口部111Bの内部に挿入されているときにも、穴部112Fから挿入した指を指掛け部113の下面に掛けることにより、座板押え部材112を筒状部材111の内部から取り出せるようになっている。
【0139】
図19に示されているように、座板43が全閉位置に達しているときに、それぞれの座板押え部材112の本体112Aの下部は、筒状部材111の開口部111Bから穴部111Eへ挿入され、この挿入は、座板押え部材112に設けられているそれぞれの突部112Dを筒状部材111の溝部111Fからずらせて行われるため、それぞれの突部112Dは、筒状部材111の段部111Dの上に載置される。これにより、それぞれの座板押え部材112は、本体112Aの下部が筒状部材111の穴部111Eに挿入された状態で自立することになる。
【0140】
また、このときにおいて、座板押え部材112の頭部112Bの下面は、座板43の座板本体41の上面と同じ高さ位置又はこの上面を越えた高い位置に達しており、このため、この実施形態の座板押え部材112は、座板43が全閉位置まで達しているときにおける座板本体41まで延びる上下方向の長さを有している。また、このときには、図19に示されているように、座板押え部材112の本体112Aは、座板本体41と昇降体42の両方に対してシャッターカーテン2の厚さ方向に接触又は少しのすき間をあけて対面している。
【0141】
このため、全閉位置に達している座板43の座板本体41と昇降体42が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することは、座板押え部材112の本体112Aの上下方向の全長のうち、筒状部材111の穴部111Eに挿入されている下部を除く上部によって防止されることになる。
【0142】
また、台風の通過などにより、座板43の座板本体41と昇降体42がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することを防止することが不要になった場合には、それぞれの座板押え部材112を筒状部材111の内部から取り出す。そして、この後に、図21から分かるように、取り出された座板押え部材112を鉛直方向の軸線を中心に回動させることにより、座板押え部材112の突部112Dの位置を筒状部材111の溝部111Fの位置と一致させ、次いで、突部112Dを溝部111Fに挿入しながら、座板押え部材112が抜き取られているそれぞれの筒状部材111の内部に座板押え部材112を挿入する作業を行い、この作業により、筒状部材111の内部を座板押え部材112の全体によって塞ぐ。これにより、上下方向の全体が筒状部材111の内部に挿入された座板押え部材112は、筒状部材111の内部を塞ぐための塞ぎ部材としてそのまま利用されるため、座板押え部材112の兼用化を図ることができる。
【0143】
この実施形態でも、座板押え部材112によって筒状部材111の内部を塞いだときには、座板押え部材112の頂部である頭部112Bの上面の高さ位置は、床部材10の上面である床面10Aの高さ位置と一致又は略一致している。さらに、この頭部112Bの上面には、前述した操作部112Eとなっている指掛け部113が設けられているため、筒状部材111の内部を塞ぐための塞ぎ部材となっている座板押え部材112を筒状部材111の内部から取り出すための作業を、操作部112Eである指掛け部113により、容易かつ短時間で行うができる。
【0144】
なお、この実施形態でも、操作部112Eを指掛け部113とするのではなく、操作部112Eを、図4の摘み部材31としてもよい。
【0145】
また、図18の操作部103Cを、指掛け部113としてもよい。
【0146】
また、この実施形態は、座板押え部材の上下方向の長さ寸法を、座板43が全閉位置まで達しているときにおける昇降体42まで延びていて、座板本体41まで延びていない寸法とすることにより、座板43のうち、昇降体42が、台風の強風による風圧により、シャッターカーテン2の厚さ方向である室内側や室外側に撓み変形することを防止できるようする場合にも適用することができる。
【0147】
さらに、この実施形態は、図3で示した座板4にも適用することができる。
【0148】
さらに、これまで説明したそれぞれの実施形態における筒状部材27,37,61,81,91,101,111は、底部27A,37A,61A,81A,91A,101A,111Aを有するものとなっていたが、これらの筒状部材の内部に雨水等の水が溜まることを防止するために、それぞれの実施形態における筒状部材を、底部なしの筒状部材としてもよく、あるいは、水抜き孔付きの底部を有する筒状部材としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、例えば、建物等に設置される出入口用シャッター装置の座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを防止するために利用することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 ガイドレール
2 シャッターカーテン
4,43 座板
13 座板主部
13A 座板の水平又は略水平の面である座板主部の上面
10 全閉座板当接部材である床部材
10A 全閉座板当接部材の上面である床部材の床面
20,20’,40,60,70,80,90,100 座板押え具
21,22,51,52 架け渡し部材
21A,22A,51A,52A 架け渡し部材における座板側の端部
21B,22B,51B,52B 架け渡し部材における全閉座板当接部材側の端部である床部材側の端部
27,37 接続部材でもある筒状部材
28,38 結合具
30,103 塞ぎ部材
30A,103A 頂部である頭部
30C,103C 操作部
41 座板本体
42 昇降体
61,81,91,101,111 筒状部材
62,82,92,102,112 座板押え部材
62B,82B,92B,112B 頂部である頭部
62C,82C,92C,112E 操作部
62D 下面
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