(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006892
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20220105BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220105BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109460
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520231304
【氏名又は名称】バイオマスリサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 智孝
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】千脇 健
(72)【発明者】
【氏名】菊池 貞雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亨
(72)【発明者】
【氏名】竹内 良曜
(72)【発明者】
【氏名】日下部 力
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】酪農家・畜産農家がバイオガスプラントを容易に利用できるようにする。
【解決手段】管理装置1であって、リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む契約農家を、個別に管理するためのデータベース15と、前記契約農家毎に、所定期間毎のリース料の支払い実績を、前記データベース15に登録する管理部11とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む契約農家を、個別に管理するためのデータベースと、
契約農家毎に、所定期間毎のリース料の支払い実績を、前記データベースに登録する管理部と
を備える管理装置。
【請求項2】
前記データベースは、契約農家毎にリース契約期間と、前記リース料とを保持し、
各契約農家のリース契約開始からリース契約満了までに支払われる総リース料を算出し、全ての契約農家のスリース料を合計した合計総リース料を算出するとともに、各契約農家の前記所定期間毎のリース料を合計した合計リース料とを算出する算出部と、
前記合計総リース料と前記合計リース料とを出力する出力部とを、備える
請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記データベースは、
各バイオガスプラントの住所を保持するプラントデータと、
前記契約農家の住所、および、バイオガスプラントを利用していない、畜産または酪農を営む未契約農家の住所を保持する農家データと、を有し、
前記プラントデータの各バイオガスプラントの住所と、前記農家データの契約農家および未契約農家の住所とを用いて、各バイオガスプラントの契約農家の割合を算出し、契約農家の割合が所定の値より低いバイオガスプラントを抽出する抽出部を備える
請求項1または2記載の管理装置。
【請求項4】
前記プラントデータは、各バイオガスプラントの前記所定期間毎のリース価格を有し、
前記農家データは、各契約農家における利用するバイオガスプラントと、前記所定期間毎のリース料とを保持し、
前記抽出部は、バイオガスプラント毎に、前記リース価格と、対応する各契約農家のリース料を合計した合計リース料との差を算出し、前記差が所定の値より大きいバイオガスプラントを抽出する
請求項3記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオガスプラントを利用する酪農家・畜産農家を管理する管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛や豚などの家畜を飼う酪農畜産業では、家畜による大量の糞尿の処理が問題となっている。従来は、酪農家・畜産農家が糞尿に空気を入れて発酵過程を通じて堆肥とし、その堆肥を畑にまくことで循環サイクルが構築されていた。しかし現在は、酪農および畜産における就業人口が大幅に減少したことにより、例えば廃業した酪農家の牛を隣接する酪農家が引き取るケースが大幅に増加している。これにより、1つの酪農家・畜産農家あたりの規模が拡大している。具体的には、従来では50頭程度の小規模な飼育であったものが、今は250頭程度となり、家族的な経営としては大幅に規模が拡大している。酪農・畜産農家の大規模化に伴い、従来の糞尿処理が困難になり、糞尿処理が滞ることで悪臭が市街地にまで到達して社会問題となっている。
【0003】
また、バイオガスプラントを用いた糞尿処理も行われている。バイオガスプラントは、家畜の糞尿を嫌気発酵(メタン発酵)し、発生するメタンガスをエネルギー化する施設である。バイオガスプラントについては、非特許文献1、2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】地方独立行政法人北海道立総合研究機構、“低コストで効率的な個別酪農家用バイオガスプラント”、平成 17 年(第 23 回)農業新技術発表会要旨、[online]、インターネット<URL: https://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/shingijutsu/23/html/08.html>
【非特許文献2】全国町村会、“地域を変えるバイオガスプラント”、[online]、インターネット<URL: https://www.zck.or.jp/site/column-article/4934.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイオガスプラントの建設費は、小規模でも2.5億円程度となる。このため、一般的な酪農家・畜産農家による資金調達は困難であり、導入を断念する場合が多い。また、今後、バイオガスプラントの低価格化が進んだとしても、1つの酪農家・畜産農家では依然として高価格であり、バイオガスプラントの普及の足かせとなっている。また、財政の厳しい市町村も多く、市町村によるバイオガスプラントの建設も難しい。
【0006】
そのため、現状では、多くの酪農家・畜産農家がバイオガスプラントの導入を検討しているものの、費用面から導入に踏み出せず、これにより、糞尿の悪臭問題が解決されていない。
【0007】
本発明では、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、酪農家・畜産農家がバイオガスプラントを容易に利用できるようにするための管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、管理装置であって、リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む契約農家を、個別に管理するためのデータベースと、前記契約農家毎に、所定期間毎のリース料の支払い実績を、前記データベースに登録する管理部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、酪農家・畜産農家がバイオガスプラントを容易に利用できるようにするための管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】バイオガスプラントを説明するための図である。
【
図2】本発明の実施形態の管理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(バイオガスプラント)
図1は、本実施形態の管理装置が管理するバイオガスプラントを説明するための説明図である。バイオガスプラントは、家畜の糞尿(有機性廃棄物)を処理し、処理過程で生じるメタンガスをエネルギー化する施設である。バイオガスプラントは、家畜糞尿にかかる悪臭や労働負荷等を解決するのみならず、産出されるガス、電気、廃熱、消化液などを利用して、地域循環型エコシステムを構築することができる。
【0013】
具体的には、図示するように、バイオガスプラントは、牛などの家畜がいる酪農家または畜産農家の近辺に建設される。家畜の糞尿は家畜小屋の地下の配管などを通じて、バイオガスプラントに送られ、バイオガスプラントの中で糞尿処理が行われる。
【0014】
このようなバイオプラントにおける第1のメリットは、人間が糞尿処理していたものが、ほぼ自動化され、糞尿処理の労力が大幅に軽減されることである。第2のメリットは、バイオガスプラントでは屋内で糞尿を嫌気発酵させるため、臭いが外部に漏れないことから悪臭問題を解決することができる。
【0015】
第3のメリットは、バイオガスプラントの発酵処理に伴い生成される電気を電力会社に売電することができる。バイオガスプラントで糞尿を発酵させる過程でメタンガスが発生し、そのメタンガスをもとに発電されることで電気が生じる。発生した電気は、経産省の固定価格買取制度(FIT制度)により、電力会社に売ることで電力収入を得ることができる。このことは、普及が期待される再生可能エネルギーの利用率向上への社会的な要請にも沿うものである。地域全体の取り組みとしても、再生可能エネルギー利用の社会全体の活動があるため、再生可能エネルギーを供給できるという点でも有効である。
【0016】
第4のメリットは、バイオガスプラントの発酵処理に伴い、電気の他も熱が排出されるため、その排熱を利用してビニールハウス等でマンゴーなどの生育も可能である。第5のメリットは、発酵過程でばい菌や不純物が消滅することで、糞尿を発酵させた糞尿残渣(消化液)から、高品質な有機肥料を生成することができる。この有機肥料を牧草地に使用することで、牧草地の土壌が肥え、この牧草地の草を餌として与えられた牛のミルクは高品質となる。
【0017】
本実施形態では、このような地球循環型のエコシステムを構築可能なバイオガスプラントの導入を支援するための管理装置を提供する。
【0018】
(管理装置)
図2は、本実施形態の管理装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態では、農家(酪農家、畜産農家)は、自らバイオガスプラントを建設することなく、リースまたは転リース対象のバイオガスプラントを、所定期間毎のリース料を支払うことで利用することができる。本実施形態の管理装置1は、バイオガスプラントを農家にリース(賃貸)する際、または、他社からリースされたバイオガスプラントを農家に転リース(転貸)する際に、各農家(契約農家)のリース料の支払い実績を管理するための装置である。所定期間は、例えば、1か月、四半期などである。本実施形態では、所定期間を1カ月とし、所定期間のリース料は月額使用料とする。
【0019】
なお、管理装置1は、バイオガスプラントを利用する農家の支払い実績(入金)を管理する装置であるため、バイオガスプラントの近くに管理装置1を設置する必要はなく、管理装置1の設置場所はどこでもよい。また、管理装置1は、1つのバイオガスプラントを管理対象としてもよく、あるいは、複数のバイオガスプラントを管理対象としてもよい。
【0020】
また、1つの農家が、1つバイオガスプラントを単独で利用するケースと、複数の農家が共有して1つのバイオガスプラントを利用するケースとがある。複数の農家がバイオガスプラントを共有する場合、各農家はバイオガスプラントまで家畜の糞尿を運搬する。
【0021】
図1に示す管理装置1は、ネットワークを介してユーザ端末2と接続されている。ユーザ端末2は、必要に応じて管理装置1にアクセスし、各種のデータを要求する。
【0022】
図示する管理装置1は、管理部11と、算出部12と、抽出部13と、出力部14と、データベース15とを備える。データベース15は、リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む契約農家を、個別に管理するためのデータを保持する。本実施形態のデータベース15は、支払管理データ16と、プラントデータ17と、農家データ18とを有する。
【0023】
管理部11は、契約農家毎に、所定期間毎のリース料の支払い実績を、データベース16に登録する。本実施形態の契約農家は、リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む農家である。具体的には、管理部11は、銀行などの金融機関から各契約農家の振込情報(入金情報)を取得し、振り込みがあった契約農家については、支払い済みを示す情報を支払管理データ16に設定する。
【0024】
これにより、管理装置1を使用するユーザ(例えば、バイオガスプラントをリースまたは転リースする企業など)は、各契約農家の支払いの有無を容易に管理することができる。支払管理データ16は、バイオガスプラントを利用する契約農家を、個別に管理するためのデータであり、例えば入金台帳のような機能を有する。
【0025】
図3は、支払管理データ16の一例を示す図である。図示する支払管理データ16は、契約農家毎に、リース期間と、所定期間毎のリース料と、支払履歴とを保持する。支払履歴は、リース開始からリース終了までのリース料が支払済みか否かを登録できるようになっている。管理部11は、振り込みがあった契約農家の支払履歴の対応する期間に、支払い済みを示す情報を設定する。
【0026】
管理装置1が、各契約農家のリース料の支払い管理を行うことで、リーズナブルな料金でバイオガスプラントを契約農家へ提供することができ、バイオプラントの利用促進を円滑に実現することができる。
【0027】
農家は、リース契約でバイオガスプラントを利用することで、長い期間にわたって所定期間毎に(例えば、毎月)、リース料の支払いが発生するが、初期費用で数億円の投資が不要となる。これにより、初期費用がネックとなってバイオガスプラントの利用を断念していた多くの農家に対して、バイオガスプラントの普及を促進することができる。
【0028】
算出部12は、各契約農家のリース契約開始からリース契約満了までに支払われる総リース料を算出し、全ての契約農家のスリース料を合計した合計総リース料を算出するとともに、各契約農家の前記所定期間毎のリース料を合計した合計リース料とを算出する。算出部12は、ユーザ端末2からの要求に応じて、または、定期的に、合計総リース料および合計リース料を算出する。支払管理データ16は、
図3に示すように、契約農家毎にリース契約期間と、リース料とを保持する。
【0029】
このように、本実施形態では、リース期間およびリース料が異なる各契約農家のリース契約開始からリース契約満了までに支払われる総リース料を合計した合計総リース料(総収入)を算出することで、バイオガスプラント事業の長期的な収益予定をユーザに提示することができる。また、各契約農家の所定期間毎のリース料を合計した合計リース料を算出することで、短期的な収入を把握し、ランニングコストなどの支出との収支バランスから、目標とする契約農家の件数などをユーザに提示することもできる。
【0030】
したがって、本実施形態では、採算があうバイオガスプラント事業の推進を支援するとともに、ユーザによるバイオガスプラント事業の運営判断を支援することができる。
【0031】
抽出部13は、プラントデータ17の各バイオガスプラントの住所と、農家データ18の契約農家および未契約農家の住所とを用いて、各バイオガスプラントの契約農家の割合を算出し、契約農家の割合が所定の値より低いバイオガスプラントを抽出する。
【0032】
また、抽出部13は、バイオガスプラント毎に、所定期間毎のリース価格と、対応する各契約農家のリース料を合計した合計リース料との差を算出し、前記差が所定の値より大きいバイオガスプラントを抽出する。抽出部13は、ユーザ端末2からの要求に応じて、または、定期的に、バイオガスプラントの抽出処理を行う。
【0033】
図4は、プラントデータ17の一例を示す図である。図示するプラントデータ17は、バイオガスプラント毎に、住所と、リース価格とを保持する。ラントデータ17に登録されるバイオガスプラントは、現在、全国各地に建設された100機程度のバイオガスプラントのうち、管理装置1が管理対象とするリースまたは転リース対象のバイオガスプラントである。リース価格は、バイオガスプラントを転リースする場合に、リース会社に支払う所定期間毎のリース料である。
【0034】
図5は、農家データ18の一例を示す図である。図示する農家データ18は、全国各地の農家毎に、住所と、契約有無と、利用するバイオガスプラントと、所定期間毎のリース料とを保持する。農家データ18の農家には、バイオガスプラントを利用している契約農家と、バイオガスプラントを利用していない未契約農家(畜産農家、酪農家)とが含まれる。契約有無は、契約農家か、未契約農家かを示すものである。なお、未契約農家の場合、利用するバイオガスプラントと、所定期間毎のリース料とは、未設定である。
【0035】
具体的には、抽出部13は、プラントデータ17の各バイオガスプラントの住所を用いて、バイオガスプラント毎に当該バイオガスプラントを利用可能な近隣エリアの契約農家および未契約農家を農家データ18から抽出し、契約農家の割合を算出する。そして、抽出部13は、契約農家の割合が所定の値より低いバイオガスプラントを、営業を強化すべきバイオガスプラントとして抽出する。また、抽出部13は、抽出したバイオガスプラント毎に、当該バイオガスプラントの近隣エリアの未契約農家のリストを、農家データ18から抽出してもよい。
【0036】
また、抽出部13は、農家データ18の各契約農家における利用するバイオガスプラントと、所定期間毎のリース料とを用いて、各バイオガスプラントの契約農家のリース料を合計した合計リース料を算出する。そして、抽出部13は、プラントデータ17の各バイオガスプラントのリース価格と対応する合計リース料との差を算出する。そして、抽出部13は、リース価格より合計リース料が小さい場合であって、その差が所定の値より大きいバイオガスプラントを、営業を強化すべきバイオガスプラントとして抽出する。また、抽出部13は、抽出したバイオガスプラント毎に、当該バイオガスプラントの近隣エリアの未契約農家のリストを、農家データ18から抽出してもよい。また、抽出部13は、リース価格と合計リース料との対比から、採算がとれる契約目標件数をバイオプラント毎に算出し、目標農家契約件数と、現契約件数とをユーザに提示してもよい。
【0037】
営業を強化すべきバイオガスプラントを抽出することで、ユーザの営業活動を支援し、採算があうバイオガスプラント事業の推進を支援することができる。すなわち、リースまたは転リース対象の複数のバイオガスプラントのうち、契約農家の割合が低いバイオガスプラントを抽出し、当該バイオガスプラントの近隣の未契約農家にターゲットを絞ることができる。
【0038】
また、リース会社へ支払うリース価格と、契約農家から入金される合計リース料との乖離が大きい赤字のバイオプラントが抽出されるため、当該バイオガスプラントに対しては、契約拡大を目指し、重点的に未契約農家への営業活動を支援することができる。
【0039】
出力部14は、算出部12が算出した合計総リース料と合計リース料とを、ユーザ端末2に出力するなどして、ユーザに提示する。また、出力部14は、抽出部13が抽出したバイオガスプラントおよび当該バイオガスプラントの近隣エリアの未契約農家のリスト等をユーザ端末2に出力するなどして、ユーザに提示する。また、出力部14は、データベース15に保持されている各種データを出力してもよい。なお、出力部14はユーザ端末2からの要求に応じて、または、定期的に、前述のデータを出力し、ユーザに提示する。
【0040】
(本実施形態の効果)
以上説明した本実施形態の管理装置1は、リース対象または転リース対象のバイオガスプラントを利用する、畜産または酪農を営む契約農家を、個別に管理するためのデータベース15と、前記契約農家毎に、所定期間毎のリース料の支払い実績を、前記データベースに登録する管理部11とを備える。
【0041】
これにより本実施形態では、酪農家・畜産農家は、バイオガスプラントの建設資金を調達する必要がなく、リース料(月額使用料など)を支払うことでバイオプラントを容易に利用することができ、バイオプラントによる様々なメリットを享受することができる。具体的には、バイオガスプラントを利用することで、第1に、酪農家・畜産農家における糞尿処理労力の軽減、第2に、糞尿から生じる悪臭問題の回避、第3に、糞尿処理から生じる電気の売電及び再生可能エネルギーの供給拡大、第4に、糞尿処理から生じる排熱を利用したビニールハウスでの植物の栽培、第5に、消化液から生成される高品質肥料に伴うミルクの品質向上といった多様なメリットの恩恵を享受することができる。
【0042】
このように本実施形態では、酪農畜産農業が抱える糞尿処理および悪臭などの問題を解決し、バイオガスプラントの普及を後押しすることで、全国に点在する農家(一次産業)を活性化させ、地域への貢献を図ることを可能とする。また、本実施形態では、所定期間毎のリース料の料金体系でバイオガスプラントを提供することで、年々減少する農家を支援するすることができる。
【0043】
(ハードウェア構成)
上記説明した管理装置1には、例えば、
図6に示すような汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。図示するコンピュータシステムは、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)901と、メモリ902と、ストレージ903(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906とを備える。メモリ902およびストレージ903は、記憶装置である。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた管理装置1用のプログラムを実行することにより、管理装置1の各機能が実現される。
【0044】
また、管理装置1は、1つのコンピュータで実装されてもよく、あるいは複数のコンピュータで実装されても良い。また、管理装置1は、コンピュータに実装される仮想マシンであっても良い。
【0045】
管理装置1用のプログラムは、HDD、SSD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 :管理装置
11:管理部
12:算出部
13:抽出部
14:出力部
15:データベース
16:支払管理データ
17:プラントデータ
18:農家データ
2 :ユーザ端末