(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068982
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】スラットの角度が容易に調整できるブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/32 20060101AFI20220428BHJP
E06B 9/303 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E06B9/32
E06B9/303
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177853
(22)【出願日】2020-10-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520414941
【氏名又は名称】▲敬▼祐科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 柏宇
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA04
2E043BB12
2E043BB15
2E043BC01
2E043BD01
2E043DA01
2E043DA03
2E043DA06
(57)【要約】
【課題】スラットの角度が容易に調整できるブラインドを提供する。
【解決手段】ブラインドはヘッドボックス、下端板、ヘッドボックスと下端板との間に配置された複数のスラット、ヘッドボックスの左右両端に別々に装着されたブラケット、二つのブラケット内に別々装着されたローラー、二つのローラーを連結して同調回転させる伝動軸、二つのローラーに別々に連結された第一引張ユニットおよび第二引張ユニットを備える。複数のスラットを閉合させる際、第一引張ユニットを下へ引っ張って一つのローラーを回転させれば、二つのローラーは第一位置から第二位置へ回転すると同時に二つのラダーコードを介して複数のスラットを閉合させる。複数のスラットを開ける際、第二引張ユニットを下へ引っ張って別の一つのローラーを回転させれば、二つのローラーは第二位置から第一位置へ回転し、復原すると同時に二つのラダーコードを介して複数のスラットを開ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックス、下端板、複数のスラット、スラット角度調整機構、第一引張ユニットおよび第二引張ユニットを備え、
複数の前記スラットは、前記ヘッドボックスと前記下端板との間に間隔を置いて配置され、
前記スラット角度調整機構は、二つのブラケット、第一ローラー、第二ローラー、伝動軸および二つのラダーコードを有し、二つの前記ブラケットは前記ヘッドボックス内の左右両端に固定され、前記第一ローラーおよび前記第二ローラーはそれぞれ一つの前記ブラケットに回転可能に装着され、前記伝動軸は前記第一ローラーおよび前記第二ローラーを連結し、第一位置および第二位置の間に前記第一ローラーおよび前記第二ローラーを同調回転させ、二つの前記ラダーコードはそれぞれ前側経線、後側経線および複数の緯線を有し、前記前側経線および前記後側経線は複数の前記スラットの前後両側に位置付けられ、それぞれ先端部が前記第一ローラーおよび前記第二ローラーに連結され、末端部が前記下端板に連結され、複数の前記緯線はそれぞれ前記前側経線および前記後側経線の間に連結されて一つの前記スラットの底面を支え、
前記第一ローラーおよび前記第二ローラーが前記第一位置に据えられる際、二つの前記ラダーコードは前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって引っ張られ、複数の前記スラットを開放状態に維持し、
前記第一ローラーおよび前記第二ローラーが前記第二位置に据えられる際、二つの前記ラダーコードは前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって引っ張られると同時に複数の前記スラットを傾けて閉合状態に維持し、
前記第一引張ユニットは、複数の前記スラットの前側にぶら下がり、先端部が前記第一ローラーに連結されることによって前記第二ローラーを前記第一ローラーとともに前記第一位置から前記第二位置へ回転させ、
前記第二引張ユニットは、複数の前記スラットの前側にぶら下がり、先端部が前記第二ローラーに連結されことによって前記第一ローラーを前記第二ローラーとともに前記第二位置から前記第一位置へ回転させることを特徴とするブラインド。
【請求項2】
前記第一引張ユニットおよび前記第二引張ユニットはベルトから製作されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項3】
前記第一引張ユニットは前記第一ローラーの頂面および前記第一ローラーの後側面を覆って前記第一ローラーの底面に連結され、
前記第二引張ユニットは前記第二ローラーの底面および前記第二ローラーの後側面を覆って前記第二ローラーの頂面に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラインド。
【請求項4】
前記ヘッドボックスは左右両端に穿孔を別々に有し、
前記第一引張ユニットおよび前記第二引張ユニットは一つの前記穿孔を別々に貫通することを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項5】
前記第一引張ユニットは先端部に第一スロットを有し、
一つの前記ラダーコードの前記前側経線および前記後側経線の一部分は前記第一スロットに格納されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項6】
前記第二引張ユニットは先端部に第二スロットを有し、
一つの前記ラダーコードの前記前側経線および前記後側経線の一部分は前記第二スロットに格納されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の日よけに関し、詳しくはスラットの角度が容易に調整できるブラインドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内に入り込む光線の透過量を調整する際、特許文献1および特許文献2などにより掲示された周知のスラット角度調整機構をブラインドに装着すれば、スラットの位置および角度を制御し、光線の透過量を調整することができる。詳しく言えば周知のスラット角度調整機構はハウジング、ウォームおよびウォームホイールから構成される。ハウジングはヘッドボックス内に装着される。ウォームはハウジング内に回転可能に装着される。ウォームホイールは一端がハウジング内のウォームと噛み合い、別の一端がハウジングからヘッドボックスに突出し、回転桿に引っ掛かるため、ウォームホイールは回転桿によって駆動されるとともにウォームを回転させることができる。続いてウォームは別の伝動部材を介してスラットの角度を調整することができる。
【0003】
製品を出荷する前にウォームおよびウォームホイールはすでにハウジング内に装着されたため、パッケージの過程においてヘッドボックスに突出したウォームホイールの一端が押し詰められて一番上のスラットに接触し、スラットを変形または損壊させることや、運送中にスラットがウォームホイールの一端に突き当たって断裂することが起こりやすい。従って、上述した構造には改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】TW M569787号公報
【特許文献2】TW M551651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造および操作を簡単化し、パッケージまたは運送中にスラットの損壊を避けることができるブラインドを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、ブラインドはヘッドボックス、下端板、複数のスラット、スラット角度調整機構、第一引張ユニットおよび第二引張ユニットを備える。スラット角度調整機構は二つのブラケット、第一ローラー、第二ローラー、伝動軸および二つのラダーコードを有する。二つのブラケットはヘッドボックス内の左右両端に固定される。第一ローラーは一つのブラケットに回転可能に装着される。第二ローラーは別の一つのブラケットに回転可能に装着される。伝動軸は第一ローラーおよび第二ローラーを連結し、第一位置および第二位置の間に第一ローラーおよび第二ローラーを同調回転させる。二つのラダーコードはそれぞれ前側経線、後側経線および複数の緯線を有する。前側経線および後側経線は複数のスラットの前後両側に位置付けられ、それぞれ先端部が第一ローラーおよび第二ローラーに連結され、末端部が下端板に連結される。複数の緯線はそれぞれ前側経線および後側経線の間に連結されて一つのスラットの底面を支える。第一ローラーおよび第二ローラーが第一位置に据えられる際、二つのラダーコードは第一ローラーおよび第二ローラーによって引っ張られ、複数のスラットを開放状態に維持する。第一ローラーおよび第二ローラーが第二位置に据えられる際、二つのラダーコードは第一ローラーおよび第二ローラーによって引っ張られると同時に複数のスラットを傾けて閉合状態に維持する。第一引張ユニットは複数のスラットの前側にぶら下がり、先端部が第一ローラーに連結される。第二引張ユニットは複数のスラットの前側にぶら下がり、先端部が第二ローラーに連結される。
【0007】
複数のスラットを閉合させる際、第一引張ユニットを下へ引っ張って第一ローラーを回転させれば第一ローラーは伝動軸を介して第二ローラーを連動させ、第一位置から第二位置まで同調回転させる。回転中の第一ローラーおよび第二ローラーは二つのラダーコードを介して複数のスラットを閉合させる。そののち、複数のスラットを開ける際、第二引張ユニットを下へ引っ張って第二ローラーを回転させれば第二ローラーは伝動軸を介して第一ローラーを連動させ、第二位置から第一位置に同調復原させる。回転中の第一ローラーおよび第二ローラーは二つのラダーコードを介して複数のスラットを開放する。第一引張ユニットおよび第二引張ユニットは複数のスラットの前側にぶら下がるように装着されるため、製品のパッケージ作業が完了した後、複数のスラットは第一引張ユニットおよび第二引張ユニットに押し詰められることが発生しない。つまり、運送中の複数のスラットを変形または損壊させるという問題を解決することができる。
【0008】
比較的好ましい場合、第一引張ユニットおよび第二引張ユニットはベルトである。ベルトの材質は皮革に限らず、布生地または弾性のある材料であってもよい。
【0009】
比較的好ましい場合、第一引張ユニットは第一ローラーの頂面から第一ローラーの後側面を覆って第一ローラーの底面に連結されるため、第一引張ユニットが第一ローラーを引っ張れば、第一ローラーは元の位置に安定したうえで上から下へ回転する。第二引張ユニットは第二ローラーの底面から第二ローラーの後側面を覆って第二ローラーの頂面に連結されるため、第二引張ユニットが第二ローラーを引っ張れば、第一ローラーは元の位置に安定したうえで下から上へ回転する。
【0010】
比較的好ましい場合、ヘッドボックスは左右両端に穿孔を別々に有する。第一引張ユニットおよび第二引張ユニットは相互に干渉せず一つの穿孔を別々に貫通する。
【0011】
比較的好ましい場合、第一引張ユニットは先端部に第一スロットを有する。一つのラダーコードの前側経線および後側経線の一部分は相互に干渉せず第一スロットに格納される。
【0012】
比較的好ましい場合、第二引張ユニットは先端部に第二スロットを有する。一つのラダーコードの前側経線および後側経線の一部分は相互に干渉せず第二スロットに格納される。
【0013】
本発明によるスラットの角度が容易に調整できるブラインドの詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法は、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。また、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるブラインドを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるブラインドの一部分を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第一引張ユニットおよび第一ローラーを組み合わせた構造を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるブラインドのスラット角度調整機構および第一引張ユニットの構造を示す分解斜視図の一部分である。
【
図5】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第二引張ユニットおよび第二ローラーを組み合わせた構造を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるブラインドのスラット角度調整機構および第二引張ユニットの構造を示す分解斜視図の一部分である。
【
図7】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第一ローラーが第一位置に据えられた状態を側面から見た断面図の一部分である。
【
図8】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第一引張ユニットが下へ引っ張られた状態を側面から見た断面図の一部分である。
【
図9】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第二ローラーが第一位置に据えられた状態を側面から見た断面図の一部分である。
【
図10】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて伝動軸が第二ローラーを第一ローラーとともに回転させる状態を側面から見た断面図の一部分である。
【
図11】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて第二引張ユニットが下へ引っ張られた状態を側面から見た断面図の一部分である。
【
図12】本発明の一実施形態によるブラインドにおいて伝動軸が第一ローラーを第二ローラーとともに回転させる状態を側面から見た断面図の一部分である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるスラットの角度が容易に調整できるブラインドを図面に基づいて説明する。明細書および図面において、方向性用語は図面の製作に基づいて表現される。同じ符号は同じ部品または類似した部品のまたはその構造特徴を示す。
【0016】
(一実施形態)
図1および
図2に示すように、本発明の一実施形態によるブラインド10は下端板20、ヘッドボックス30、数が限られない複数のスラット40、スラット角度調整機構50、第一引張ユニット80および第二引張ユニット84を備える。
【0017】
図3および
図5に示すように、ヘッドボックス30は底面31、前側面32および後側面33を有する。底面31は左右両端に一つの穿孔34および二つの嵌合孔35(
図7参照)を別々に有する。前側面32は底部が底面31の前側辺部に垂直に連結される。後側面33は底部が底面31の後側辺部に垂直に連結される。
【0018】
複数のスラット40はヘッドボックス30と下端板20との間に一定の間隔を置いて配置される。
図3および
図5に示すように、複数のスラット40はそれぞれ左右両端にスリット42を別々に有する。二つの昇降コード12は複数のスラット40の左右両端のスリット42を別々に貫通し、それぞれ先端部がロープリール14に連結され、末端部が下端板20に連結される。ロープリール14は周知のものであるため、詳細な説明を省略する。ロープリール14によって二つの昇降コード12を巻き取って下端板20を上昇させる際、下端板20が上方のヘッドボックス30へ移動するのに伴ってすべてのスラット40はまとまって重なることになる。
【0019】
スラット角度調整機構50は二つのブラケット52、第一ローラー58、第二ローラー60、伝動軸62および二つのラダーコード66を有する。
【0020】
図2、
図4および
図6に示すように、二つのブラケット52はヘッドボックス30の左右両端に配置され、それぞれ底面54および二つの直立壁56を有する。底面54は二つの嵌合部542と、二つの嵌合部542を別々に貫通する底穴544とを有する。二つの直立壁56は底面54の左右両側辺部に垂直に連結され、それぞれ開口部が上向きの回転溝562を有する。
図7および
図9に示すように、二つのブラケット52は前後逆に装着され、かつそれぞれの底面54の二つの嵌合部542がヘッドボックス30の底面31の二つの嵌合孔35に嵌まり込む。
【0021】
第一ローラー58および第二ローラー60は上下逆に二つのブラケット52に別々に装着され、構造が同じである。
図4に示すように、第一ローラー58は第一軸部582と、第一軸部582を貫通する第一多辺形軸孔(例えば図中の六角穴)584とを有する。第一ローラー58は第一軸部582によって一つのブラケット52の二つの回転溝562に回転可能に装着される。
図6に示すように、第二ローラー60は第二軸部602と、第二軸部602を貫通する第二多辺形軸孔(例えば図中の六角穴)604とを有する。第二ローラー60は第二軸部602によって別の一つのブラケット52の二つの回転溝562に回転可能に装着される。
【0022】
図2から
図6に示すように、伝動軸62は断面が多辺形(例えば六角穴)である。伝動軸62は左右両端が第一ローラー58の第一多辺形孔584および第二ローラー60の第二多辺形孔604を別々に貫通し、かつ左右両端に別々嵌まるストッパーリング64を有する。二つのストッパーリング64は第一ローラー58および第二ローラー60から伝動軸62が逸脱することを抑制するため、第一ローラー58および第二ローラー60は伝動軸62によって同調回転することができる。
【0023】
二つのラダーコード66はそれぞれ前側経線68と、後側経線70と、複数の前側経線68および後側経線70を連結する緯線72とを有する。
図3から
図5に示すように、二つのラダーコード66の前側経線68および後側経線70は複数のスラット40の前後両側に隣接し、それぞれ末端部が下端板20に連結される。一つのラダーコード66の前側経線68および後側経線70は先端部が一つのブラケット52の底面54の底穴544を貫通して第一ローラー58の頂面に連結される。別の一つのラダーコード66の前側経線68および後側経線70は先端部が別の一つのブラケット52の底面54の底穴544を貫通して第二ローラー60の底面に連結される。二つのラダーコード66の複数の緯線72は一つのスラット40の底面を別々に支える。
【0024】
図1および
図2に示すように、スラット角度調整機構50は実際のニーズ(例えば全体構造のサイズ)に応じて一つのブラケット52、第三ローラー74および一つのラダーコード66がヘッドボックス30の中間位置に増設されてもよい。第三ローラー74は第一ローラー58および第二ローラー60と一緒に同じ伝動軸62に装着されると同時に三つ目のラダーコード66と連結される。第三ローラー74、第一ローラー58および第二ローラー60は装着方法が同じであり、三つ目のラダーコード66および二つの前記ラダーコード66は装着方法が同じであるため、詳細な説明を省略する。第一ローラー58、第二ローラー60、第三ローラー74および三つのラダーコード66を組み合わせて使用すれば、複数のスラット40が傾いて回転する際の安定性を向上させることができる。
【0025】
第一引張ユニット80はベルトまたは紐である。本実施形態において、第一引張ユニット80はベルトから製作される。ベルトの材質は皮革に限らず、布生地または弾性のある材料であってもよい。
図2から
図4に示すように、第一引張ユニット80は複数のスラット40の前側にぶら下がるように装着され、先端部がヘッドボックス30の左側の穿孔34を貫通して第一ローラー58の頂面および第一ローラー58の後側面を覆って第一ローラー58の底面に接着剤で固定される。第一引張ユニット80は先端部に第一スロット82を有する。左側のラダーコード66の前側経線68および後側経線70は一部分が相互に干渉せず第一スロット82に格納され、かつ第一ローラー58に固定されるため、作動に影響を与えることがない。
【0026】
第二引張ユニット84はベルトまたは紐である。本実施形態において、第二引張ユニット84はベルトから製作される。ベルトの材質は皮革に限らず、布生地または弾性のある材料であってもよい。
図5および
図6に示すように、第二引張ユニット84は複数のスラット40の前側にぶら下がるように装着され、先端部がヘッドボックス30の右側の穿孔34を貫通して第二ローラー60の底面および第二ローラー60の後側面を覆って第二ローラー60の頂面に接着剤で固定される。第二引張ユニット84は先端部に第二スロット86を有する。右側のラダーコード66の前側経線68および後側経線70は一部分が相互に干渉せず第二スロット86に格納され、かつ第二ローラー60に固定されるため、作動に影響を与えることがない。
【0027】
複数のスラット40を閉合させる際、第一引張ユニット80を下へ引っ張って第一ローラー58を傾けて第一位置P1(
図7参照)から第二位置P2(
図8参照)へ回転させればよい。詳しく言えば、第一ローラー58および第二ローラー60は伝動軸62によって同調回転するため、第二ローラー60は傾いて第一位置P1(
図9参照)から第二位置P2(
図10参照)まで回転すると同時に一部分の第二引張ユニット84を巻き取る。また第一ローラー58および第二ローラー60は同調回転しながら二つのラダーコード66を引っ張るため、複数のスラット40は二つのラダーコード66の作動に伴って傾いて回転し、閉合状態になる。
【0028】
複数のスラット40を開ける際、第二引張ユニット84を下へ引っ張って第二ローラー60を逆方向に傾けて第二位置P2(
図11参照)から第一位置P1(
図9参照)へ回転させればよい。詳しく言えば、第一ローラー58および第二ローラー60は伝動軸62によって同調回転するため、第一ローラー58は逆方向に傾いて第二位置P2(
図12参照)から第一位置P1(
図7参照)まで回転すると同時に一部分の第一引張ユニット80を巻き取る。また第一ローラー58および第二ローラー60は同調回転しながら二つのラダーコード66を引っ張るため、複数のスラット40は二つのラダーコード66の作動に伴って回転し、開放状態になる。
【0029】
上述をまとめてみると、ブラインド10は第一引張ユニット80によって複数の開放状態のスラット40を閉合させ、第二引張ユニット84によって複数の閉合状態のスラット40を開放するため、操作が非常に簡単である。ブラインド10において、第一引張ユニット80および第二引張ユニット84は軟性材料から製作され、かつ複数のスラット40の前側にぶら下がって接するように装着されるため、製品のパッケージ作業が完了した後、複数のスラット40は第一引張ユニット80および第二引張ユニット84に押し詰められることが発生しない。つまり、運送中の複数のスラット40を変形または損壊させるという問題を解決することができる。
【符号の説明】
【0030】
10:ブラインド、
12:昇降コード、
14:ロープリール、
20:下端板、
30:ヘッドボックス、
31:底面、
32:前側面、
33:後側面、
34:穿孔、
35:嵌合孔、
40:スラット、
42:スリット、
50:スラット角度調整機構、
52:ブラケット、
54:底面、
542:嵌合部、
544:底穴、
56:直立壁、
562:回転溝、
58:第一ローラー、
582:第一軸部、
584:第一多辺形軸孔、
60:第二ローラー、
602:第一軸部、
604:第一多辺形軸孔、
62:伝動軸、
64:ストッパーリング、
66:ラダーコード、
68:前側経線、
70:後側経線、
72:緯線、
74:第三ローラー、
80:第一引張ユニット、
82:第一スロット
84:第二引張ユニット、
86:第二スロット、
P1:第一位置、
P2:第二位置
【手続補正書】
【提出日】2021-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックス、下端板、複数のスラット、スラット角度調整機構、第一引張ユニットおよび第二引張ユニットを備え、
複数の前記スラットは、前記ヘッドボックスと前記下端板との間に間隔を置いて配置され、
前記スラット角度調整機構は、二つのブラケット、第一ローラー、第二ローラー、伝動軸および二つのラダーコードを有し、二つの前記ブラケットは前記ヘッドボックス内の左右両端に固定され、前記第一ローラーおよび前記第二ローラーはそれぞれ別の一つの前記ブラケットに回転可能に装着され、前記伝動軸は前記第一ローラーおよび前記第二ローラーを連結し、第一位置および第二位置の間に前記第一ローラーおよび前記第二ローラーを同調回転させ、二つの前記ラダーコードはそれぞれ前側経線、後側経線および複数の緯線を有し、前記前側経線および前記後側経線は複数の前記スラットの前後両側に位置付けられ、それぞれ先端部が前記第一ローラーおよび前記第二ローラーに連結され、末端部が前記下端板に連結され、複数の前記緯線はそれぞれ前記前側経線および前記後側経線の間に連結されて一つの前記スラットの底面を支え、
前記第一ローラーおよび前記第二ローラーが前記第一位置に据えられる際、二つの前記ラダーコードは前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって引っ張られ、複数の前記スラットを開放状態に維持し、
前記第一ローラーおよび前記第二ローラーが前記第二位置に据えられる際、二つの前記ラダーコードは前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって引っ張られると同時に複数の前記スラットを傾けて閉合状態に維持し、
前記第一引張ユニットは、複数の前記スラットの前側にぶら下がり、先端部が前記第一ローラーに連結されることによって前記第二ローラーを前記第一ローラーとともに前記第一位置から前記第二位置へ回転させ、
前記第二引張ユニットは、複数の前記スラットの前側にぶら下がり、先端部が前記第二ローラーに連結されことによって前記第一ローラーを前記第二ローラーとともに前記第二位置から前記第一位置へ回転させることを特徴とするブラインド。
【請求項2】
前記第一引張ユニットおよび前記第二引張ユニットはベルトから製作されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項3】
前記第一引張ユニットは前記第一ローラーの頂面および前記第一ローラーの後側面を覆って前記第一ローラーの底面に連結され、
前記第二引張ユニットは前記第二ローラーの底面および前記第二ローラーの後側面を覆って前記第二ローラーの頂面に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラインド。
【請求項4】
前記ヘッドボックスは左右両端に穿孔を別々に有し、
前記第一引張ユニットおよび前記第二引張ユニットは一つの前記穿孔を別々に貫通することを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項5】
前記第一引張ユニットは先端部に第一スロットを有し、
一つの前記ラダーコードの前記前側経線および前記後側経線の一部分は前記第一スロットに格納されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項6】
前記第二引張ユニットは先端部に第二スロットを有し、
一つの前記ラダーコードの前記前側経線および前記後側経線の一部分は前記第二スロットに格納されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。