(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069037
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】仏壇及び仏壇セット
(51)【国際特許分類】
A47G 33/02 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A47G33/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177971
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】320011742
【氏名又は名称】藤井 利則
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(72)【発明者】
【氏名】藤井 利則
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既にあるスペースを利用して後から簡単に設置することができる仏壇及び仏壇セットを提供する。
【解決手段】仏壇セットは、内壁31と外壁32とから壁30が構成された建築物の内壁31に作り付けられる作り付け棚10と、この作り付け棚10の内部に配設可能とされた仏壇20とを備えている。作り付け棚10は、前面が開放された箱形状の棚本体11を有している。仏壇20は、例えば、前面が開放された箱形状であり、棚本体11に嵌まり込むように形成された仏壇本体21と、仏壇本体21の前面側開口を覆う扉22を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁と外壁とから壁が構成された建築物の内壁に作り付けられ、前面が開放された箱形状の棚本体を有する作り付け棚と、
前記棚本体の内部に配設可能であり、前記棚本体に嵌まり込むように前面が開放された箱形状に形成された仏壇本体を有する仏壇と
を備えたことを特徴とする仏壇セット。
【請求項2】
前記棚本体の前面側には、前記内壁から突出して棚縁部が設けられ、
前記仏壇本体の前面側には、前記棚縁部の内側面、前面、及び、外側面を覆う被覆部が設けられた
ことを特徴とする請求項1記載の仏壇セット。
【請求項3】
内壁と外壁とから壁が構成された建築物の内壁に作り付けられ、前面が開放された箱形状の棚本体を有する既設の作り付け棚の内部に配設され、前記棚本体に嵌まり込むように前面が開放された箱形状に形成された仏壇本体を有する
ことを特徴とする仏壇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後から取り付けることができる仏壇及び仏壇セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
仏壇は、本来、仏をまつる寺院を小さくし、家庭でお参りできるようにしたものである。従来より、仏壇としては、仏間、床の間、洋間等の居間などにおいて、仏壇の底面全体を床などの面上に設置するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、近年では、マンションやアパート等に居住する場合も多く、家に仏壇を設置する広いスペースを用意することが難しいという問題があった。また、当初は仏壇を設置する必要がない場合でも、年月の経過により仏壇が必要となることも多く、後から仏壇を設置するためのスペースを用意することが難しいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、既にあるスペースを利用して後から簡単に設置することができる仏壇及び仏壇セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の仏壇セットは、内壁と外壁とから壁が構成された建築物の内壁に作り付けられ、前面が開放された箱形状の棚本体を有する作り付け棚と、棚本体の内部に配設可能であり、棚本体に嵌まり込むように前面が開放された箱形状に形成された仏壇本体を有する仏壇とを備えたものである。
【0006】
本発明の仏壇は、内壁と外壁とから壁が構成された建築物の内壁に作り付けられ、前面が開放された箱形状の棚本体を有する既設の作り付け棚の内部に配設され、棚本体に嵌まり込むように前面が開放された箱形状に形成された仏壇本体を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内壁に作り付けられた作り付け棚の棚本体に嵌まり込むように仏壇本体を形成するようにしたので、仏壇が必要になった時に、仏壇本体を棚本体に嵌め込むことにより、既存のスペースを利用して容易に仏壇を設置することができる。
【0008】
また、仏壇本体の前面側に、棚縁部の内側面、前面、及び、外側面を覆う被覆部を設けるようにすれば、仏壇本体を取り付けた時に作り付け棚の棚縁部を覆うことができる。よって、作り付け棚と仏壇との材料や色が異なっていても、違和感なく、見た目も美しく仏壇を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る仏壇セットにおいて、仏壇を設置する前の作り付け棚の構成を表すものである。
【
図2】本発明の一実施の形態に係る仏壇セットにおいて、作り付け棚に仏壇を設置した状態を正面から見た構成を表すものである。
【
図3】
図2に示した仏壇セットにおいて、作り付け棚に仏壇を設置した状態における水平方向の端面構造を表すものである。
【
図4】
図2に示した仏壇セットにおいて、作り付け棚に仏壇を設置した状態における垂直方向の端面構造を表すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る仏壇セットにおいて、仏壇20を設置する前の作り付け棚10の構成を表すものである。
図2は、仏壇セットにおいて、作り付け棚10に仏壇20を設置した状態を正面から見た構成を表すものである。
図3は、作り付け棚10に仏壇20を設置した状態における水平方向の端面構造を表すものである。
図4は、作り付け棚10に仏壇20を設置した状態における垂直方向の端面構造を表すものである。この仏壇セットは、内壁31と外壁32とから壁30が構成された建築物の内壁31に作り付けられる作り付け棚10と、この作り付け棚10の内部に配設可能とされた仏壇20とを備えている。
【0012】
作り付け棚10は、前面が開放された箱形状の棚本体11を有している。棚本体11は、例えば、棚上面部11A、棚下面部11B、棚左面部11C、棚右面部11D、及び、棚背面部11Eを有しており、内部に物を置くことができる空間が形成されている。棚本体11の前面側には、例えば、内壁31から突出して棚縁部12が設けられていることが好ましい。棚縁部12は、例えば、棚本体11の周りの内壁31の前面を覆うように外側につば12Aが張り出されていてもよく、また、つば12Aが張り出されていなくてもよい。なお、
図3ではつば12Aが張り出されている場合について示している。
【0013】
作り付け棚10は、例えば、棚本体11の内部を上下方向において仕切る1又は複数の棚板13を有していてもよい。棚板13は、棚本体11に対して着脱可能とされていることが好ましく、棚本体11の内部には、棚板13を着脱可能に配設する配設手段(図示せず)が設けられていることが好ましい。例えば、棚本体11の内部に、配設手段として、棚板13を挿入する溝を形成してもよく、また、棚板13を支持する支持具を着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0014】
作り付け棚10は、また、例えば、内部を照らすダウンライト14を有していてもよい。ダウンライト14は、例えば、棚本体11の上方において、内壁31と外壁32との間の壁30の内部に配設される。棚本体11の棚上面部11Aには、例えば、ダウンライト14の配設位置に対応して開口14Aが設けられていることが好ましい。
【0015】
仏壇20は、例えば、前面が開放された箱形状であり、棚本体11に嵌まり込むように形成された仏壇本体21と、仏壇本体21の前面側開口を覆う扉22を有していることが好ましい。なお、
図2において、(A)は扉22を開けた状態を表し、(B)は扉22を閉めた状態を表している。仏壇本体21は、例えば、本体上面部21A、本体下面部21B、本体左面部21C、本体右面部21D、及び、本体背面部21Eを有しており、内部に本尊や位牌や供物等を置くことができる空間が形成されている。仏壇本体20の本体上面部21Aには、例えば、ダウンライト14の配設位置に対応して開口21Fが設けられていることが好ましい。
【0016】
仏壇本体21は、例えば、棚本体11の内部に嵌め込んだ後、1又は2以上のねじ23により棚本体11に対して固定できるように構成されていることが好ましい。例えば、仏壇本体21及び棚本体11に、仏壇本体21を棚本体11に嵌め込んだ時に互いに対応する位置にねじ穴23Aをそれぞれ設け、それらのねじ穴23Aを重ね合わせてねじ23を螺合させることにより固定することが好ましい。ねじ穴23Aは、仏壇本体21と棚本体11とを固定することができればどこに設けてもよいが、例えば、棚本体11の棚左面部11C及び棚右面部11D、並びに、仏壇本体21の本体左面部21C及び本体右面部21Dに設けることが好ましい。
【0017】
なお、ねじ23は、例えば、作り付け棚10に仏壇本体21を取り付けずに棚として使用する際には、棚本体11のねじ穴23Aに螺合させておき、仏壇本体21を取り付ける時に棚本体11のねじ穴23Aから取り外して用いるようにすることが好ましい。また、ねじ23の頭には、ねじカバー(図示せず)を配設することが好ましい。
【0018】
仏壇本体21の前面側には、例えば、棚縁部12の内側面、前面、及び、外側面を覆う被覆部24が設けられていることが好ましい。被覆部24により作り付け棚10の棚縁部12を覆うことができるので、作り付け棚10と仏壇20との材料や色が異なっていても、違和感なく、見た目も美しく仏壇20を設置することができるからである。
【0019】
仏壇20は、例えば、仏壇本体21の内部を上下方向において仕切る1又は複数の棚板25を有していてもよい。また、例えば、仏壇本体21よりも手前に引き出すことができる引出棚26を有していることが好ましい。引出棚26は、仏壇本体21の内部に収納可能とすることが好ましい。例えば、仏壇本体21に対して引出棚26の後端部を回動可能に配設し、引出棚26の手前側を持ち上げることにより仏壇本体21に収納し、手前側を手前に倒すことにより上に物を置くことができるようにしてもよい。
【0020】
この仏壇セットは、例えば、次のようにして用いることができる。まず、建築物の内壁31に、作り付け棚10を作り付ける。仏壇20が必要ない場合には、棚本体11の内部に仏壇20を取り付けずに、作り付け棚10を棚として使用する。その際、必要に応じて、棚本体11に棚板13を配設する。
【0021】
また、仏壇20が必要となった場合には、例えば、既に設置済みの棚本体11から棚板13を取り外し、棚本体11のねじ穴23Aからねじ23を取り外して、仏壇本体21を棚本体11の内部に嵌め込む。その後、仏壇本体21と棚本体11とのねじ穴23Aを重ね合わせ、ねじ23を螺合して、仏壇本体21を棚本体11に固定する。これにより、既設の作り付け棚10として利用していたスペースを仏壇20のスペースとして使用することができる。
【0022】
このように本実施の形態によれば、内壁31に作り付けられた作り付け棚10の棚本体11に嵌まり込むように仏壇本体21を形成するようにしたので、仏壇20が必要になった時に、仏壇本体21を棚本体11に嵌め込むことにより、既存のスペースを利用して容易に仏壇20を設置することができる。
【0023】
また、仏壇本体21の前面側に、棚縁部12の内側面、前面、及び、外側面を覆う被覆部24を設けるようにすれば、仏壇本体21を取り付けた時に作り付け棚10の棚縁部12を覆うことができる。よって、作り付け棚10と仏壇20との材料や色が異なっていても、違和感なく、見た目も美しく仏壇20を設置することができる。
【0024】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、作り付け棚10と、作り付け棚10の内部に配設可能な仏壇20とを備える仏壇セットについて説明したが、作り付け棚10と仏壇20とを当初からセットとするのではなく、個別に取り扱うようにしてもよく、また、建築物の内壁31に作り付けられた既設の作り付け棚10に対応して仏壇20を形成するようにしてもよい。この場合も、作り付け棚10及び仏壇20の構成は上述した通りである。
【0025】
また、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、各構成要素の具体的な構造や形状は異なっていてもよく、また、上述した構成要素を全て備えていなくてもよく、他の構成要素を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0026】
10…作り付け棚、11…棚本体、11A…棚上面部、11B…棚下面部、11C…棚左面部、11D…棚右面部、11E…棚背面部、12…棚縁部、12A…つば、13…棚板、14…ダウンライト、14A…開口、20…仏壇、21…仏壇本体、21A…本体上面部、21B…本体下面部、21C…本体左面部、21D…本体右面部、21E…本体背面部、21F…開口、22…扉、23…ねじ、23A…ねじ穴、24…被覆部、25…棚板、26…引出棚、30…壁、31…内壁、32…外壁