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特開2022-69061デバイス搬送装置及びデバイス搬送装置用冷却方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069061
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】デバイス搬送装置及びデバイス搬送装置用冷却方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20220428BHJP
【FI】
G01R31/26 H
G01R31/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178013
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】521189123
【氏名又は名称】株式会社NSテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(74)【代理人】
【識別番号】100192603
【弁理士】
【氏名又は名称】網盛 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【弁理士】
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】實方 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】小谷 憲昭
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AD03
2G003AD04
2G003AG01
2G003AG11
2G003AH05
2G003AH08
(57)【要約】
【課題】冷却媒体を供給する冷凍機の能力を低減できる電子部品搬送装置を提供する。
【解決手段】電子部品搬送装置2は第1冷凍機10aと、第1冷凍機10aから少なくとも1つ存在する第1ソークプレート21aにドライエア53を供給する第1上流流路63と、第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を少なくとも1つ存在する第1シャトル22aに供給する第4配管64と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍機と、
前記冷凍機から少なくとも1つ存在する第1冷却対象に冷却媒体を供給する1次流路と、
前記第1冷却対象から排出される冷却媒体を少なくとも1つ存在する第2冷却対象に供給する2次流路と、を備えることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象はソークプレート、テストハンド、ソケットエリア、シャトルを含むことを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第1冷却対象には前記ソークプレートが含まれることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第1冷却対象には前記テストハンドが含まれることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第2冷却対象には前記ソケットエリアが含まれることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項6】
請求項2または3に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第2冷却対象には前記シャトルが含まれることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第2冷却対象から排出される冷却媒体を第3冷却対象に供給する3次流路を備えることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第1冷却対象は複数あり、前記1次流路は複数に分岐して複数の前記第1冷却対象に冷却媒体を供給することを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第2冷却対象は複数あり、前記2次流路は1つの前記第1冷却対象から排出される冷却媒体を1つの前記第2冷却対象に供給することを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス搬送装置であって、
前記第2冷却対象から供給される冷却媒体を前記第1冷却対象に吹きかける排気流路を備えることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項11】
冷凍機と、
前記冷凍機から冷却媒体が供給される第1冷却対象と、
前記第1冷却対象から排出される冷却媒体が供給される第2冷却対象と、を備えることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項12】
冷却媒体を生成する工程と、
生成した冷却媒体を第1冷却対象に供給して冷却する工程と、
前記第1冷却対象に供給した冷却媒体を第2冷却対象まで流動する工程と、
冷却媒体を前記第2冷却対象に供給して冷却する工程と、を有することを特徴とするデバイス搬送装置用冷却方法。
【請求項13】
請求項12に記載のデバイス搬送装置用冷却方法であって、
前記第2冷却対象から供給される冷却媒体を前記第1冷却対象に吹きかけることを特徴とするデバイス搬送装置用冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス搬送装置及びデバイス搬送装置用冷却方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)や、半導体デバイス等の電子部品の電気特性検査において、良品、不良品の検査結果に応じて電子部品を分類して収納するデバイス搬送装置が知られていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、ICを冷却するソークプレートに相当する収容ボックスを備えたデバイス搬送装置が開示されている。当該文献によれば、収容ボックスはICを収容するポケットを備えており、ポケットは冷却加熱することが可能であるとしている。ポケットを冷却する際には液体窒素を気化させた窒素ガスをポケットに供給するとしている。各ポケットへ窒素ガスを供給する配管は並列に配置される。
【0004】
当該デバイス搬送装置は、さらに搬送ユニット、及び、ソケットエリアに相当する検査ボックスを備えていた。搬送ユニットは、シャトル及びテストハンドに相当すると認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-167458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のデバイス搬送装置では、巨大な冷凍機を用いるか、複数の冷凍機を備える等、冷却能力の高い冷凍機が必要であるという課題があった。詳しくは、従来のデバイス搬送装置では、気化した窒素ガスを、収容ボックス、搬送ユニット、検査ボックスを含む複数の冷却対象部位に冷凍機から直接供給する必要があった。つまり、複数の冷却対象を小型の冷凍機で効率良く冷却する技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
デバイス搬送装置は、冷凍機と、前記冷凍機から少なくとも1つ存在する第1冷却対象に冷却媒体を供給する1次流路と、前記第1冷却対象から排出される冷却媒体を少なくとも1つ存在する第2冷却対象に供給する2次流路と、を備える。
【0008】
デバイス搬送装置は、冷凍機と、前記冷凍機から冷却媒体が供給される第1冷却対象と、前記第1冷却対象から排出される冷却媒体が供給される第2冷却対象と、を備える。
【0009】
デバイス搬送装置用冷却方法は、冷却媒体を生成する工程と、生成した冷却媒体を第1冷却対象に供給して冷却する工程と、前記第1冷却対象に供給した冷却媒体を第2冷却対象まで流動する工程と、冷却媒体を前記第2冷却対象に供給して冷却する工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態にかかわる電子部品検査装置を正面側から見た概略斜視図。
図2】電子部品検査装置の動作状態を示す概略平面図。
図3】ソークプレートの構造を示す模式側断面図。
図4】ドライエアの流路構造を示す配管図。
図5】ドライエアの流路構造を示す配管図。
図6】デバイス搬送装置用冷却方法のフローチャート。
図7】第2実施形態にかかわるドライエアの流路構造を示す配管図。
図8】第3実施形態にかかわるドライエアの流路構造を示す配管図。
図9】第4実施形態にかかわるドライエアの流路構造を示す配管図。
図10】第5実施形態にかかわるドライエアの流路構造を示す配管図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1実施形態
図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸及びZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直方向となっている。また、X軸に平行な方向をX方向とする。Y軸に平行な方向をY方向とする。Z軸に平行な方向をZ方向とする。各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」とする。
【0012】
「水平」とは、完全な水平に限定されず、ICデバイス等の電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干傾いた状態も含む。「鉛直」とは、完全な鉛直に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、鉛直に対して若干傾いた状態も含む。若干傾いた状態の傾き角度は5°未満である。
【0013】
図1中の上側、すなわち、Z方向正側を「上」または「上方」、下側、すなわち、Z方向負側を「下」または「下方」と言うことがある。Y方向負側を「正面」、Y方向正側を「裏側」と言うことがある。
【0014】
デバイス搬送装置としての電子部品搬送装置2を備える電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるIC(Integrated Circuit)デバイス等の電子部品の電気特性を検査・試験する装置である。電気特性の検査を電特検査とする。図1に示すように、電子部品検査装置1は内部に電子部品搬送装置2を備える。電子部品搬送装置2は電子部品を搬送する装置である。
【0015】
電子部品搬送装置2はカバー3に覆われている。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側に制御部4を備える。制御部4は電子部品検査装置1の動作を制御する。制御部4の近くにはスピーカー5が配置される。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向正側にモニター6、操作パネル7及びマウス台8が配置される。モニター6の表示画面6aには各種の情報が表示される。モニター6は、例えば液晶画面で構成された表示画面6aを有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。トレイ除去領域12のX方向正側には、マウスを載置するマウス台8が設けられている。操作者はマウス台8上のマウス及び操作パネル7を操作して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定し、指示内容を入力する。操作パネル7は電子部品検査装置1に所望の動作を命令するインターフェイスである。
【0016】
電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側にシグナルランプ9を備える。シグナルランプ9及びスピーカー5は電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は電子部品検査装置1の上部に配置される。
【0017】
電子部品検査装置1はY方向負側にトレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が設けられる。操作者は電子部品が配列されたトレイをトレイ供給領域11に供給する。電子部品検査装置1はトレイ供給領域11からトレイを取り込んで、電特検査を行う。電子部品検査装置1は電特検査が終了した電子部品が配列するトレイをトレイ除去領域12に排出する。
【0018】
電子部品検査装置1はX方向正側に冷凍機10を備える。冷凍機10はカバー3の内部を冷却する冷却媒体を供給する。冷却媒体は冷えたドライエアである。ドライエアは乾燥した空気である。冷却媒体は他にも、炭酸ガス、窒素ガス等を用いることができる。冷凍機10はカバー3の近くに配置される。冷凍機10のY方向正側にはドライパージ20が配置される。ドライパージ20には乾燥した空気が蓄えられる。ドライパージ20は冷凍機10から投入される低温のドライエアを加熱し、冷凍機10から投入される温度よりドライエアの温度を上げる。
【0019】
図2に示すように、説明の便宜上、検査対象物にICデバイス13を用いる場合について代表して説明する。ICデバイス13は平板状をなす。ICデバイス13の下面には半球状の複数の端子が配置されている。
【0020】
ICデバイス13としては、例えば、LSI(Large Scale Integration)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)、複数のモジュールがパッケージ化されたモジュールIC、水晶デバイス、圧力センサー、慣性センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、指紋センサー等が挙げられる。
【0021】
電子部品搬送装置2は、トレイ供給領域11と、デバイス供給領域14と、検査領域15と、デバイス回収領域16と、トレイ除去領域12とを備える。これらの各領域は壁で分けられている。ICデバイス13は、トレイ供給領域11からトレイ除去領域12まで前記各領域を第1矢印17方向に順に経由し、途中の検査領域15で検査が行われる。他にも、電子部品搬送装置2は、各領域を経由するようにICデバイス13を搬送する搬送部18と、検査領域15内で検査を行なう温度調整対象物としての第2冷却対象及び第3冷却対象としてのソケットエリア19と、産業用コンピューターで構成された制御部4とを備える。ソケットエリア19はICデバイス13と導通して検査するソケットが配置された領域である。
【0022】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が配置された方が正面側である。検査領域15が配された方が背面側である。
【0023】
電子部品搬送装置2は、ICデバイス13の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。チェンジキットには、例えば、第1冷却対象としてのソークプレート21と、第2冷却対象としてのシャトル22と、デバイス回収部23とがある。第1冷却対象は冷凍機10で冷却されたドライエアが最初に供給される対象である。チェンジキットとは別に、ICデバイス13の種類ごとに交換されるものとしては、例えば、トレイ24と、回収用トレイ25と、ソケットエリア19とがある。トレイ24はICデバイス13が搭載される容器である。
【0024】
トレイ供給領域11は、未検査状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が供給される給材部である。トレイ供給領域11ではトレイ24が複数積み重ねて搭載される。各トレイ24には複数の凹部が行列状に配置されている。各凹部にはICデバイス13が1つずつ収納される。
【0025】
デバイス供給領域14では、トレイ供給領域11から搬送されたトレイ24上の複数のICデバイス13がそれぞれシャトル22まで搬送される。シャトル22によりデバイス供給領域14から検査領域15へICデバイス13が搬送される。トレイ供給領域11とデバイス供給領域14とをまたぐように、トレイ24を1枚ずつ水平方向に搬送する第1トレイ搬送機構26、第2トレイ搬送機構27が設けられている。第1トレイ搬送機構26は搬送部18の一部である。第1トレイ搬送機構26はICデバイス13を搭載したトレイ24をY方向正側、すなわち、図2中の第2矢印28方向に移動する。これにより、ICデバイス13はデバイス供給領域14に送り込まれる。また、第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をY方向負側、すなわち、図2中の第3矢印29方向に移動する。第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に移動する。
【0026】
デバイス供給領域14には、ソークプレート21、第1デバイス搬送ヘッド31、トレイ搬送機構32及びシャトル22が設けられている。ソークプレート21の英語表記は「soak plate」であり、中国語表記は「均温板」である。ソークプレート21はICデバイス13の温度調整をする。ソークプレート21はICデバイス13の温度を検査待機時に調整する。シャトル22はデバイス供給領域14と検査領域15とをまたぐように移動する。シャトル22はICデバイス13をソークプレート21からテストハンド36の可動範囲に搬送する。
【0027】
ソークプレート21には複数のICデバイス13が載置される。ソークプレート21は載置されたICデバイス13を一括して加熱または冷却する。ソークプレート21はICデバイス13を予め加熱または冷却して、電特検査に適した温度に調整する。本実施形態では、例えば、ソークプレート21はICデバイス13を-55度以下に冷却できる。
【0028】
本実施形態では、例えば、ソークプレート21は第1冷却対象としての第1ソークプレート21a及び第1冷却対象及び第2冷却対象としての第2ソークプレート21bを備える。第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bはY方向に並んで配置される。第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bは同じ構造になっている。第1トレイ搬送機構26によってトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24上のICデバイス13は、いずれかのソークプレート21に搬送される。
【0029】
第1デバイス搬送ヘッド31はICデバイス13を保持する機構を備える。第1デバイス搬送ヘッド31はデバイス供給領域14内でX方向、Y方向及びZ方向にICデバイス13を移動する。第1デバイス搬送ヘッド31は搬送部18の一部である。第1デバイス搬送ヘッド31はトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24とソークプレート21との間のICデバイス13の搬送を行う。第1デバイス搬送ヘッド31はソークプレート21とシャトル22との間のICデバイス13の搬送を行う。尚、図2中では、第1デバイス搬送ヘッド31のX方向の移動を第4矢印33で示し、第1デバイス搬送ヘッド31のY方向の移動を第5矢印34で示す。
【0030】
シャトル22にはソークプレート21で温度調整されたICデバイス13が載置される。シャトル22はICデバイス13をソケットエリア19近傍まで搬送する。シャトル22は「供給用シャトル」または「供給シャトル」ともいう。シャトル22も搬送部18の一部である。シャトル22は、ICデバイス13が収納、載置される凹部を有する。
【0031】
シャトル22はデバイス供給領域14と検査領域15との間をX方向、すなわち、第6矢印35方向に往復移動する。これにより、シャトル22は、ICデバイス13をデバイス供給領域14から検査領域15のソケットエリア19の近傍まで搬送する。検査領域15でICデバイス13がテストハンド36によって取り去られた後、シャトル22は再度デバイス供給領域14に戻る。
【0032】
シャトル22はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のシャトル22を第2冷却対象としての第1シャトル22aとする。Y方向負側のシャトル22を第2冷却対象としての第2シャトル22bとする。そして、ソークプレート21上のICデバイス13は、第1デバイス搬送ヘッド31によりデバイス供給領域14内で第1シャトル22aまたは第2シャトル22bまで搬送される。シャトル22はシャトル22に載置されたICデバイス13を加熱または冷却可能である。ソークプレート21で温度調整されたICデバイス13は、温度調整状態を維持して検査領域15のソケットエリア19近傍まで搬送される。また、シャトル22及びソークプレート21はシャーシへ電気的に接地されている。
【0033】
トレイ搬送機構32は、すべてのICデバイス13が除去された状態の空のトレイ24をデバイス供給領域14内でX方向正側、すなわち、第7矢印32a方向に搬送する機構である。第7矢印32a方向への搬送後、空のトレイ24は、第2トレイ搬送機構27によってデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に戻される。
【0034】
検査領域15は、ICデバイス13の電気特性を検査する領域である。検査領域15にはICデバイス13を検査するソケットエリア19と、テストハンド36とが設けられている。テストハンド36はICデバイス13をソケットに押圧する。
【0035】
テストハンド36は搬送部18の一部であり、保持したICデバイス13を加熱または冷却可能である。検査領域15内で温度調整状態を維持したまま、テストハンド36はICデバイス13を搬送する。
【0036】
テストハンド36は、検査領域15内でY方向及びZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。テストハンド36はICデバイス13を持ち上げてシャトル22からソケットエリア19上に搬送し、載置する。
【0037】
図2中では、テストハンド36のY方向の往復移動が第8矢印36cで示される。テストハンド36は、検査領域15内で、ICデバイス13の第1シャトル22aからソケットエリア19への搬送と、ICデバイス13の第2シャトル22bからソケットエリア19への搬送とを担う。また、テストハンド36はY方向に往復移動可能に支持されている。
【0038】
テストハンド36は、Y方向に2つ配置される。Y方向正側のテストハンド36を第1テストハンド36aとする。Y方向負側のテストハンド36を第2テストハンド36bとする。第1テストハンド36aはICデバイス13を第1シャトル22aからソケットエリア19へ搬送する。第2テストハンド36bはICデバイス13を第2シャトル22bからソケットエリア19へ搬送する。第1テストハンド36aはICデバイス13のソケットエリア19から第1デバイス回収部23aへの搬送を担う。第2テストハンド36bはICデバイス13をソケットエリア19から第2デバイス回収部23bへ搬送する。
【0039】
ソケットエリア19にはICデバイス13が載置され、ソケットエリア19はICデバイス13の電気特性を検査する。ソケットエリア19にはICデバイス13の端子と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス13の端子とプローブピンとが電気的に接続される。そして、ソケットエリア19はICデバイス13の検査を行なう。ICデバイス13の検査はソケットエリア19と電気的に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。ソケットエリア19でもICデバイス13を加熱または冷却して、ICデバイス13を検査に適した温度に調整できる。従って、電子部品搬送装置2はICデバイス13を加熱または冷却するソークプレート21及びソケットエリア19を備える。ICデバイス13を高温または低温で検査できる。
【0040】
デバイス回収領域16は検査が終了した複数のICデバイス13が回収される領域である。デバイス回収領域16には、回収用トレイ25と、第2デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38とが設けられている。検査領域15とデバイス回収領域16とをまたぐように移動するデバイス回収部23も設けられている。デバイス回収領域16には空のトレイ24も用意されている。
【0041】
デバイス回収部23には検査が終了したICデバイス13が載置される。デバイス回収部23はICデバイス13をデバイス回収領域16まで搬送する。デバイス回収部23は「回収用シャトル」または単に「回収シャトル」ともいう。デバイス回収部23も搬送部18の一部である。
【0042】
デバイス回収部23は、検査領域15とデバイス回収領域16との間をX方向、すなわち、第9矢印23c方向に沿って往復移動可能に支持されている。デバイス回収部23はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のデバイス回収部23が第1デバイス回収部23aである。Y方向負側のデバイス回収部23が第2デバイス回収部23bである。ソケットエリア19上のICデバイス13は第1デバイス回収部23aまたは第2デバイス回収部23bに搬送され、載置される。テストハンド36はICデバイス13のソケットエリア19から第1デバイス回収部23aへの搬送と、ICデバイス13のソケットエリア19から第2デバイス回収部23bへの搬送とを担う。また、デバイス回収部23はシャーシへ電気的に接地されている。
【0043】
回収用トレイ25にはソケットエリア19で検査されたICデバイス13が載置される。ICデバイス13はデバイス回収領域16内で移動しないよう回収用トレイ25に固定されている。第2デバイス搬送ヘッド37等の各種可動部が比較的多く配置されたデバイス回収領域16であっても、回収用トレイ25上では検査済みのICデバイス13が安定して載置される。回収用トレイ25は、X方向に沿って3つ配置されている。
【0044】
空のトレイ24もX方向に沿って4つ配置されている。空のトレイ24に検査されたICデバイス13が載置される。デバイス回収部23上のICデバイス13は回収用トレイ25または空のトレイ24のうちのいずれかに搬送され、載置される。ICデバイス13は検査結果ごとに分類されて、回収される。
【0045】
第2デバイス搬送ヘッド37は、デバイス回収領域16内でX方向及びY方向に移動可能に支持される。第2デバイス搬送ヘッド37はZ方向にも移動可能な部分を有している。第2デバイス搬送ヘッド37は搬送部18の一部である。第2デバイス搬送ヘッド37はICデバイス13をデバイス回収部23から回収用トレイ25や空のトレイ24に搬送する。図2中では、第2デバイス搬送ヘッド37のX方向の移動を第10矢印37aで示し、第2デバイス搬送ヘッド37のY方向の移動を第11矢印37bで示す。
【0046】
第3トレイ搬送機構38は、トレイ除去領域12から搬入された空のトレイ24をデバイス回収領域16内でX方向、すなわち、第12矢印38a方向に搬送する機構である。搬送後に空のトレイ24はICデバイス13が回収される位置に配置される。
【0047】
トレイ除去領域12では検査済み状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が回収され、除去される。トレイ除去領域12には多数のトレイ24が積み重ねられる。
【0048】
デバイス回収領域16とトレイ除去領域12とをまたぐようにトレイ24を1枚ずつY方向に搬送する第4トレイ搬送機構39及び第5トレイ搬送機構41が設けられている。第4トレイ搬送機構39は搬送部18の一部でありトレイ24をY方向、すなわち、第13矢印39a方向に往復移動する。第4トレイ搬送機構39は、検査済みのICデバイス13をデバイス回収領域16からトレイ除去領域12に搬送する。第5トレイ搬送機構41はICデバイス13を回収するための空のトレイ24をY方向正側、すなわち、第14矢印41a方向に移動する。第5トレイ搬送機構41は空のトレイ24をトレイ除去領域12からデバイス回収領域16に移動する。
【0049】
制御部4は第1トレイ搬送機構26と、第2トレイ搬送機構27と、ソークプレート21と、第1デバイス搬送ヘッド31と、シャトル22と、トレイ搬送機構32と、ソケットエリア19と、テストハンド36と、デバイス回収部23と、第2デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38と、第4トレイ搬送機構39と、第5トレイ搬送機構41の各部の動作を制御する。制御部4はCPU42(Central Processing Unit)とメモリー43とを有している。CPU42はメモリー43に記憶されている判断用プログラム、指示・命令用プログラム等の各種情報を読み込み、判断や命令を実行する。
【0050】
制御部4は、電子部品検査装置1や電子部品搬送装置2に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。外部機器は、例えば、電子部品検査装置1とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、電子部品検査装置1とネットワークを介して接続されている場合等がある。
【0051】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11とデバイス供給領域14との間が第1隔壁44によって区切られている。デバイス供給領域14と検査領域15との間が第2隔壁45によって区切られている。検査領域15とデバイス回収領域16との間が第3隔壁46によって区切られている。デバイス回収領域16とトレイ除去領域12との間が第4隔壁47によって区切られている。デバイス供給領域14とデバイス回収領域16との間も、第5隔壁48によって区切られている。
【0052】
第2隔壁45にはシャトル22が通過するための穴が形成されている。第3隔壁46にはデバイス回収部23が通過するための穴が形成されている。従って、デバイス供給領域14及びデバイス回収領域16は検査領域15に通じる。
【0053】
図3に示すように、デバイス供給領域14では基台49上に第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bが配置される。第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bはほぼ同じ構造である。主に第1ソークプレート21aについて説明し、第2ソークプレート21bの説明は一部を省略する。
【0054】
第1ソークプレート21aは内部に内部ヒーター51及び内部配管52を備える。内部ヒーター51にはシリコンラバーヒーター等が用いられる。Z方向における内部ヒーター51と内部配管52との位置関係は逆でも良く、特に限定されない。内部配管52には冷却された冷却媒体としてのドライエア53が流動される。
【0055】
第1ソークプレート21aを囲んで第1側面カバー54が設置される。第1側面カバー54はICデバイス13が配置される場所と対向する場所に開口54aを備える。第1デバイス搬送ヘッド31はソークプレート21から開口54aを通過して第1シャトル22a上にICデバイス13を移動する。
【0056】
第1ソークプレート21aと第1側面カバー54との間には第1吹き出し口55が設置される。同様に、第2ソークプレート21bと第1側面カバー54との間には第2吹き出し口56が設置される。
【0057】
ソークプレート21がICデバイス13を冷却するとき、内部配管52、第1吹き出し口55及び第2吹き出し口56に冷却されたドライエア53が供給される。内部配管52はソークプレート21を直接冷却する。第1吹き出し口55、第2吹き出し口56はソークプレート21の周囲の空気を冷却する。
【0058】
ソークプレート21がICデバイス13を加熱するとき、内部配管52、第1吹き出し口55及び第2吹き出し口56に加熱されたドライエア53が供給される。内部配管52はソークプレート21を直接加熱する。第1吹き出し口55及び第2吹き出し口56はソークプレート21の周囲の空気を加熱する。ソークプレート21は内部にヒーターを備える。ソークプレート21がICデバイス13を加熱するとき、ヒーターだけでICデバイス13を加熱しても良く、加熱されたドライエア53だけで加熱しても良い。ヒーターと加熱されたドライエア53との両方でICデバイス13を加熱しても良い。
【0059】
内部配管52は供給ポート52a及び回収ポート52bを備える。ドライエア53は供給ポート52aからソークプレート21に入り、回収ポート52bからソークプレート21の外にでる。供給ポート52a及び回収ポート52bには配管が接続される。ドライエア53は供給ポート52a側の配管から供給され、回収ポート52b側の配管から回収される。
【0060】
第1吹き出し口55及び第2吹き出し口56はソークプレート21の周辺に部分的にドライエア53を放出する。第1吹き出し口55及び第2吹き出し口56は第1側面カバー54に囲われた部分に集中してドライエア53を吹き出す局所吹き出し口である。電子部品搬送装置2は局所吹き出し口からドライエア53を吹き出すことにより効率良くソークプレート21の温度を調整できる。
【0061】
デバイス供給領域14は第5吹き出し口57を備える。第5吹き出し口57はドライエア53を吹き出すノズルである。
【0062】
図4に示すように、冷凍機10の1つである冷凍機としての第1冷凍機10aと第1分岐部58との間を第1配管59が接続する。第1分岐部58には第2配管61及び第3配管62が接続される。
【0063】
第2配管61は第1分岐部58と第1ソークプレート21aの供給ポート52aとを接続する。第3配管62は第1分岐部58と第2ソークプレート21bの供給ポート52aとを接続する。第1配管59、第2配管61及び第3配管62により1次流路としての第1上流流路63が構成される。第1上流流路63は第1冷凍機10aと複数のソークプレート21の供給ポート52aへドライエア53を供給する。換言すれば、ソークプレート21は第1冷凍機10aからドライエア53が供給される。
【0064】
第1ソークプレート21aの回収ポート52bと第1シャトル22aの供給ポートとは2次流路としての第4配管64により接続される。第4配管64は第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を1つの第1シャトル22aに供給する。換言すれば、シャトル22にはソークプレート21から排出されるドライエア53が供給される。第1シャトル22aの回収ポートとドライパージ20とは第5配管65により接続される。第5配管65は第1シャトル22aから排出されるドライエア53をドライパージ20に供給する。
【0065】
第2ソークプレート21bの回収ポート52bと第2シャトル22bの供給ポートとは2次流路としての第6配管66により接続される。第6配管66は第2ソークプレート21bから排出されるドライエア53を第2シャトル22bに供給する。第2シャトル22bの回収ポートとドライパージ20とは第7配管67により接続される。第7配管67は第2シャトル22bから排出されるドライエア53をドライパージ20に供給する。
【0066】
この構成によれば、ソークプレート21から排出されるドライエア53を第4配管64及び第6配管66がシャトル22に供給する。つまり、ソークプレート21から排出されるドライエア53がシャトル22に供給される。従って、第1冷凍機10aがソークプレート21及びシャトル22にそれぞれドライエア53を供給するときに比べてドライエア53の供給量を減らすことができる。その結果、電子部品搬送装置2は冷却されたドライエア53を供給する第1冷凍機10aの能力を低減できる。
【0067】
第1冷却対象にはソークプレート21が含まれる。この構成によれば、ソークプレート21を流路の上流に配置できる為、電子部品搬送装置2はソークプレート21の温度を他の冷却対象であるシャトル22に比べて低い温度に維持できる。
【0068】
第2冷却対象にはシャトル22が含まれる。第1冷却対象から排出されるドライエア53が供給される冷却対象が第2冷却対象である。この構成によれば、第1冷却対象から供給されたドライエア53が再利用されるので、冷凍機10からのドライエア53の供給量を減らすことができる。
【0069】
ソークプレート21は複数あり、第1上流流路63は複数に分岐して複数のソークプレート21にドライエア53を供給する。この構成によれば、電子部品搬送装置2は複数のソークプレート21を同時に冷却できる。複数のソークプレート21は流路抵抗が同じであり、第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bには同じ流量のドライエア53が流れる。
【0070】
第2冷却対象であるシャトル22は複数あり、第4配管64は1つの第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を1つの第1シャトル22aに供給する。この構成によれば、第4配管64は1つのソークプレート21から1つのシャトル22にドライエア53を供給する。従って、冷却対象と流路の設計が容易になる。
【0071】
第1吹き出し口55とドライパージ20とは第37配管60により接続される。第1吹き出し口55及び第37配管60により排気流路としての第1排気流路68が構成される。第2吹き出し口56とドライパージ20とは第8配管69により接続される。第2吹き出し口56及び第8配管69により排気流路としての第2排気流路71が構成される。電子部品搬送装置2はシャトル22から供給されるドライエア53をソークプレート21に吹きかける第1排気流路68及び第2排気流路71を備える。
【0072】
この構成によれば、電子部品搬送装置2はシャトル22から供給されるドライエア53を再利用してソークプレート21を冷却できる。従って、電子部品搬送装置2は効率良くソークプレート21を冷却できる。
【0073】
第1シャトル22a及び第2シャトル22bはそれぞれ第2側面カバー72に囲まれている。第2側面カバー72内には第1シャトル22aに向けてドライエア53を噴射する第3吹き出し口73が設置される。第3吹き出し口73とドライパージ20とは第9配管74により接続される。第2側面カバー72内には第2シャトル22bに向けてドライエア53を噴射する第4吹き出し口75が設置される。第4吹き出し口75とドライパージ20とは第10配管76により接続される。第5吹き出し口57とドライパージ20とは第11配管70により接続される。従って、シャトル22から供給されるドライエア53はデバイス供給領域14にも吹きかけられる。
【0074】
図5に示すように、冷凍機10の1つである冷凍機としての第2冷凍機10bと第2分岐部77との間を第12配管78が接続する。第2分岐部77には第13配管79及び第14配管81が接続される。
【0075】
第13配管79は第2分岐部77と第1テストハンド36aの供給ポートとを接続する。第14配管81は第2分岐部77と第2テストハンド36bの供給ポートとを接続する。第12配管78、第13配管79及び第14配管81により1次流路としての第2上流流路82が構成される。第2上流流路82は第2冷凍機10bと複数のテストハンド36の供給ポートへドライエア53を供給する。換言すれば、テストハンド36は第2冷凍機10bからドライエア53が供給される。
【0076】
第1テストハンド36aの回収ポートとソケットエリア19の供給ポートとは2次流路及び3次流路としての第15配管83及び2次流路及び3次流路としての第16配管84により接続される。第15配管83及び第16配管84は第3分岐部85により接続される。第15配管83及び第16配管84は第1テストハンド36aから排出されるドライエア53をソケットエリア19に供給する。換言すれば、ソケットエリア19には第1テストハンド36aから排出されるドライエア53が供給される。ソケットエリア19の回収ポートとドライパージ20とは排気流路としての第17配管86により接続される。第17配管86はソケットエリア19から排出されるドライエア53をドライパージ20に供給する。
【0077】
第2テストハンド36bの回収ポートとソケットエリア19の供給ポートとは2次流路及び3次流路としての第18配管87及び第16配管84により接続される。第18配管87及び第16配管84は第2テストハンド36bから排出されるドライエア53をソケットエリア19に供給する。ソケットエリア19には第2テストハンド36bから排出されるドライエア53が供給される。
【0078】
第1冷却対象にはテストハンド36が含まれる。この構成によれば、テストハンド36を上流に配置できる為、電子部品搬送装置2はテストハンド36の温度を他の冷却対象に比べて低い温度に維持できる。
【0079】
第2冷却対象にはソケットエリア19が含まれる。この構成によれば、第1冷却対象から供給されたドライエア53が再利用されるので、第2冷凍機10bからのドライエア53の供給量を減らすことができる。
【0080】
第1冷却対象及び第2冷却対象はソークプレート21、テストハンド36、ソケットエリア19、シャトル22を含む。この構成によれば、電子部品搬送装置2はソークプレート21、テストハンド36、ソケットエリア19、シャトル22を冷却できる。
【0081】
第1テストハンド36a及び第2テストハンド36bはそれぞれ第3側面カバー88に囲まれている。第3側面カバー88内には第1テストハンド36aに向けてドライエア53を噴射する排気流路としての第6吹き出し口89が設置される。第6吹き出し口89とドライパージ20とは排気流路としての第19配管91により接続される。第3側面カバー88内には第2テストハンド36bに向けてドライエア53を噴射する排気流路としての第7吹き出し口92が設置される。第7吹き出し口92とドライパージ20とは排気流路としての第20配管93により接続される。
【0082】
ソケットエリア19から供給されるドライエア53が第17配管86、第19配管91、第6吹き出し口89により第1テストハンド36aに吹きかけられる。ソケットエリア19から供給されるドライエア53が第17配管86、第20配管93、第7吹き出し口92により第2テストハンド36bに吹きかけられる。
【0083】
ソケットエリア19は第4側面カバー94に囲まれている。第4側面カバー94内にはソケットエリア19に向けてドライエア53を噴射する第8吹き出し口95が設置される。第8吹き出し口95とドライパージ20とは第21配管96により接続される。ソケットエリア19から供給されるドライエア53が第17配管86、第21配管96、第8吹き出し口95によりソケットエリア19に吹きかけられる。
【0084】
検査領域15は第9吹き出し口97を備える。第9吹き出し口97はドライエア53を吹き出すノズルである。第9吹き出し口97とドライパージ20とは第22配管98により接続される。
【0085】
第1冷却対象及び第2冷却対象はソークプレート21、テストハンド36、ソケットエリア19、シャトル22を含む。この構成によれば、電子部品搬送装置2はソークプレート21、テストハンド36、ソケットエリア19、シャトル22を冷却できる。
【0086】
2次流路にかかわる第4配管64、第6配管66、第15配管83、第16配管84及び第18配管87は短くするのが好ましい。電子部品搬送装置2は再利用するドライエア53の温度上昇を低減できる。
【0087】
次に、図6にてデバイス搬送装置用冷却方法を説明する。ステップS1はドライエア生成工程である。この工程は、冷却媒体であるドライエア53を生成する工程である。ドライエア53は冷凍機10により冷却される。次にステップS2に移行する。
【0088】
ステップS2は第1次流動工程である。この工程は、生成した冷却媒体を第1冷却対象に流動させる工程である。第1冷却対象であるソークプレート21及びテストハンド36まで冷却媒体であるドライエア53が流動される。次にステップS3に移行する。
【0089】
ステップS3は第1次冷却工程である。この工程は、生成した冷却媒体を第1冷却対象に供給して冷却する工程である。第1冷却対象であるソークプレート21及びテストハンド36に冷却媒体であるドライエア53が供給されて冷却される。次にステップS4に移行する。
【0090】
ステップS4は第2次流動工程である。この工程は、第1冷却対象に供給した冷却媒体を第2冷却対象まで流動する工程である。第4配管64及び第6配管66は第1冷却対象であるソークプレート21に供給したドライエア53を第2冷却対象であるシャトル22まで流動する。第1冷却対象であるテストハンド36に供給したドライエア53を第15配管83、第16配管84及び第18配管87が第2冷却対象であるソケットエリア19まで流動する。次にステップS5に移行する。
【0091】
ステップS5は第2冷却工程である。この工程は、冷却媒体を第2冷却対象に供給して冷却する工程である。供給されたドライエア53がシャトル22及びソケットエリア19を冷却する。次にステップS6に移行する。
【0092】
ステップS6は第3次流動工程である。この工程は、第2冷却対象から吹き出し口までドライエア53を流動させる工程である。シャトル22及びソケットエリア19で回収されたドライエア53が第1吹き出し口55~第9吹き出し口97まで流動される。
【0093】
ステップS7は吹き出し工程である。この工程は、第1吹き出し口55~第9吹き出し口97がドライエア53を吹き出す工程である。第1吹き出し口55~第9吹き出し口97が第2冷却対象から供給されるドライエア53を第1冷却対象に吹きかける。詳しくは、シャトル22から供給されるドライエア53を第1吹き出し口55が第1ソークプレート21aに吹きかける。シャトル22から供給されるドライエア53を第2吹き出し口56が第2ソークプレート21bに吹きかける。
【0094】
ソケットエリア19から供給されるドライエア53を第6吹き出し口89が第1テストハンド36aに吹きかける。ソケットエリア19から供給されるドライエア53を第7吹き出し口92が第2テストハンド36bに吹きかける。以上の工程により、デバイス検搬送装置用冷却方法が終了する。
【0095】
このデバイス搬送装置用冷却方法によれば、電子部品搬送装置2はシャトル22及びソケットエリア19から供給されるドライエア53を用いてソークプレート21及びテストハンド36を冷却できる。従って、電子部品搬送装置2は効率良くソークプレート21及びテストハンド36を冷却できる。
【0096】
このデバイス搬送装置用冷却方法によれば、ソークプレート21及びテストハンド36から排出されるドライエア53がソケットエリア19及びシャトル22に供給される。従って、冷凍機10がソークプレート21、テストハンド36及びソケットエリア19、シャトル22にそれぞれドライエア53を供給するときに比べてドライエア53の供給量を減らすことができる。その結果、電子部品搬送装置2はドライエア53を供給する冷凍機10の能力を低減できる。
【0097】
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、ソークプレート21から排出されるドライエア53がテストハンド36に供給される点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0098】
図7に示すように、電子部品搬送装置99は第1冷凍機10a及び第2冷凍機10bを備える。第1冷凍機10aから1つ存在する第1ソークプレート21aに1次流路としての第3上流流路100がドライエア53を供給する。第1ソークプレート21aと第1テストハンド36aとは2次流路としての第23配管101により接続される。第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を第23配管101が1つ存在する第1テストハンド36aに供給する。
【0099】
第2冷凍機10bから1つ存在する第2ソークプレート21bに1次流路としての第4上流流路102がドライエア53を供給する。第2ソークプレート21bと第2テストハンド36bとは2次流路としての第24配管103により接続される。第2ソークプレート21bから排出されるドライエア53を第24配管103が1つ存在する第2テストハンド36bに供給する。
【0100】
テストハンド36にはソークプレート21が排出したドライエア53が供給される。従って、ソークプレート21が第1冷却対象であり、テストハンド36は第2冷却対象である。ソケットエリア19にはテストハンド36が排出したドライエア53が供給される。従って、テストハンド36が第2冷却対象であり、ソケットエリア19は第3冷却対象である。第15配管83、第16配管84及び第18配管87は第2冷却対象のテストハンド36から排出されるドライエア53を第3冷却対象のソケットエリア19に供給する。
【0101】
第15配管83、第16配管84及び第18配管87は3次流路104を構成する。3次流路104は第2冷却対象のテストハンド36から排出されるドライエア53を第3冷却対象のソケットエリア19に供給する。
【0102】
この構成によれば、冷凍機10が第1冷却対象であるソークプレート21、第2冷却対象であるテストハンド36及び第3冷却対象であるソケットエリア19にそれぞれドライエア53を供給するときに比べてドライエア53の供給量を減らすことができる。その結果、電子部品搬送装置99はドライエア53を供給する冷凍機10の能力を低減できる。
【0103】
第3実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、冷却対象が4つ直列に配置される点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0104】
図8に示すように、電子部品搬送装置107は第1冷凍機10a及び第2冷凍機10bを備える。第1冷凍機10aから1つ存在する第1ソークプレート21aに1次流路としての第3上流流路100がドライエア53を供給する。第1ソークプレート21aと第1テストハンド36aとは2次流路としての第23配管101により接続される。第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を第23配管101が1つ存在する第1テストハンド36aに供給する。
【0105】
第1テストハンド36aと第1シャトル22aとは3次流路としての第25配管108により接続される。第25配管108は第2冷却対象である第1テストハンド36aから排出されるドライエア53を第3冷却対象である第1シャトル22aに供給する。
【0106】
第1シャトル22aとソケットエリア19とは第26配管109により接続される。第1シャトル22aから排出されるドライエア53を第26配管109が1つ存在するソケットエリア19に供給する。
【0107】
ソケットエリア19とドライパージ20とは第17配管86により接続される。ソケットエリア19から排出されるドライエア53を第17配管86がドライパージ20に供給する。
【0108】
第2冷凍機10bから1つ存在する第2ソークプレート21bに1次流路としての第4上流流路102がドライエア53を供給する。第2ソークプレート21bと第2テストハンド36bとは2次流路としての第24配管103により接続される。第2ソークプレート21bから排出されるドライエア53を第24配管103が1つ存在する第2テストハンド36bに供給する。
【0109】
第2テストハンド36bと第2シャトル22bとは3次流路としての第27配管111により接続される。第27配管111は第2冷却対象である第2テストハンド36bから排出されるドライエア53を第3冷却対象である第2シャトル22bに供給する。
【0110】
第2シャトル22bとソケットエリア19とは第28配管112及び第26配管109により接続される。第28配管112は第26配管109に設置された第4分岐部113と接続する。第2シャトル22bから排出されるドライエア53を第28配管112及び第26配管109が1つ存在するソケットエリア19に供給する。
【0111】
この構成によれば、ソークプレート21から排出されるドライエア53をテストハンド36が再利用する。テストハンド36から排出されるドライエア53をシャトル22が再利用する。シャトル22から排出されるドライエア53をソケットエリア19が再利用する。その結果、電子部品搬送装置107は冷却されたドライエア53を供給する冷凍機10の能力を低減できる。第1冷凍機10aと第2冷凍機10bとの内一方が故障しても電子部品搬送装置107を稼働させることができる。
【0112】
第4実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、2つの冷凍機10と第1次冷却対象との組み合わせが異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0113】
図9に示すように、電子部品搬送装置115は第1冷凍機10a及び第2冷凍機10bを備える。第1冷凍機10aから第1ソークプレート21aに第3上流流路100がドライエア53を供給する。第1ソークプレート21aと第1シャトル22aとは第4配管64により接続される。第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を第4配管64が第1シャトル22aに供給する。
【0114】
第1シャトル22aとドライパージ20とは第5配管65により接続される。第1シャトル22aから排出されるドライエア53を第5配管65がドライパージ20に供給する。
【0115】
第1冷凍機10aから第1テストハンド36aに1次流路としての第5上流流路116がドライエア53を供給する。第1テストハンド36aとソケットエリア19とは2次流路としての第29配管117により接続される。第1テストハンド36aから排出されるドライエア53を第29配管117がソケットエリア19に供給する。
【0116】
ソケットエリア19とドライパージ20とは第17配管86により接続される。ソケットエリア19から排出されるドライエア53を第17配管86がドライパージ20に供給する。
【0117】
第2冷凍機10bから第2ソークプレート21bに第4上流流路102がドライエア53を供給する。第2ソークプレート21bと第2シャトル22bとは第6配管66により接続される。第2ソークプレート21bから排出されるドライエア53を第6配管66が第2シャトル22bに供給する。
【0118】
第2シャトル22bとドライパージ20とは第7配管67により接続される。第2シャトル22bから排出されるドライエア53を第7配管67がドライパージ20に供給する。
【0119】
第2冷凍機10bから第2テストハンド36bに1次流路としての第6上流流路118がドライエア53を供給する。第2テストハンド36bとソケットエリア19とは2次流路としての第30配管119及び第29配管117により接続される。第30配管119は第29配管117に設置された第5分岐部121と接続する。第2テストハンド36bから排出されるドライエア53を第30配管119及び第29配管117がソケットエリア19に供給する。
【0120】
この構成によれば、ソークプレート21から排出されるドライエア53をシャトル22が再利用する。テストハンド36から排出されるドライエア53をソケットエリア19が再利用する。その結果、電子部品搬送装置115は冷却されたドライエア53を供給する冷凍機10の能力を低減できる。
【0121】
第5実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、2つの冷凍機10に接続される冷却対象が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0122】
図10に示すように、電子部品搬送装置124は第1冷凍機10a及び第2冷凍機10bを備える。第1冷凍機10aから第1ソークプレート21aに第3上流流路100がドライエア53を供給する。第1ソークプレート21aと第2ソークプレート21bとは第31配管125により接続される。第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を第31配管125が第2ソークプレート21bに供給する。
【0123】
第2ソークプレート21bとドライパージ20とは第32配管126により接続される。第2ソークプレート21bから排出されるドライエア53を第32配管126がドライパージ20に供給する。
【0124】
第2冷凍機10bから第1テストハンド36aに第2上流流路82がドライエア53を供給する。第1テストハンド36aから排出されるドライエア53を第33配管127がドライパージ20に供給する。
【0125】
第2冷凍機10bから第2テストハンド36bに第6上流流路118がドライエア53を供給する。第2テストハンド36bから排出されるドライエア53を第34配管128がドライパージ20に供給する。
【0126】
第2冷凍機10bから第1シャトル22aに第7上流流路129がドライエア53を供給する。第1シャトル22aから排出されるドライエア53を第35配管131がドライパージ20に供給する。
【0127】
第2冷凍機10bから第2シャトル22bに第8上流流路132がドライエア53を供給する。第2シャトル22bから排出されるドライエア53を第36配管133がドライパージ20に供給する。
【0128】
第2冷凍機10bからソケットエリア19に第9上流流路134がドライエア53を供給する。ソケットエリア19から排出されるドライエア53を第17配管86がドライパージ20に供給する。
【0129】
この構成によれば、第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を第2ソークプレート21bが再利用する。その結果、電子部品搬送装置124は冷却されたドライエア53を供給する冷凍機10の能力を低減できる。
【0130】
第6実施形態
第1実施形態では、2次流路が第1冷却対象から排出される冷却媒体を1つの第2冷却対象に供給した。つまり、第4配管64が第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を1つの第1シャトル22aに供給した。これに限らず、2次流路が第1冷却対象から排出される冷却媒体を複数の第2冷却対象に供給しても良い。つまり、第1ソークプレート21aの回収ポートと第2シャトル22bの供給ポートとを第37配管で接続する。第4配管64及び第37配管が第1ソークプレート21aから排出されるドライエア53を複数のシャトル22に供給しても良い。このときにも、第1ソークプレート21aが排出するドライエア53を再利用することができる。
【符号の説明】
【0131】
2…デバイス搬送装置としての電子部品搬送装置、10…冷凍機、10a…冷凍機としての第1冷凍機、10b…冷凍機としての第2冷凍機、19…第2冷却対象及び第3冷却対象としてのソケットエリア、21…第1冷却対象としてのソークプレート、21a…第1冷却対象としての第1ソークプレート、21b…第1冷却対象及び第2冷却対象としての第2ソークプレート、22…第2冷却対象としてのシャトル、22a…第2冷却対象としての第1シャトル、22b…第2冷却対象としての第2シャトル、53…冷却媒体としてのドライエア、63…1次流路としての第1上流流路、64…2次流路としての第4配管、66…2次流路としての第6配管、68…排気流路としての第1排気流路、71…排気流路としての第2排気流路、82…1次流路としての第2上流流路、83…2次流路及び3次流路としての第15配管、84…2次流路及び3次流路としての第16配管、86…排気流路としての第17配管、87…2次流路及び3次流路としての第18配管、89…排気流路としての第6吹き出し口、91…排気流路としての第19配管、92…排気流路としての第7吹き出し口、93…排気流路としての第20配管、100…1次流路としての第3上流流路、101…2次流路としての第23配管、102…1次流路としての第4上流流路、103…2次流路としての第24配管、104…3次流路、108…3次流路としての第25配管、111…3次流路としての第27配管、116…1次流路としての第5上流流路、117…2次流路としての第29配管、118…1次流路としての第6上流流路、119…2次流路としての第30配管。
図1
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図10