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  • 特開-濃度測定システム、及び、プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069070
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】濃度測定システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/61 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
G01N21/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178026
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】520415225
【氏名又は名称】株式会社フロスト
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】霜 幸雄
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC08
2G059EE01
2G059KK01
2G059PP04
(57)【要約】
【課題】比較的安価なオゾンガスの濃度測定システムを提供する。
【解決手段】
濃度測定システムは、オゾンガスの濃度を測定する濃度測定器と、前記濃度測定器に対して有線又は無線で接続している携帯端末とを有し、前記携帯端末は、前記濃度測定器を制御する制御部と、前記濃度測定器により測定された測定結果を表示する表示部とを含む。携帯端末は、例えば、スマートフォンであり、USBケーブルによって濃度側的と接続し、通信及び給電を実現する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンガスの濃度を測定する濃度測定器と、
前記濃度測定器に対して有線又は無線で接続している携帯端末と
を有し、
前記携帯端末は、
前記濃度測定器を制御する制御部と、
前記濃度測定器により測定された測定結果を表示する表示部と
を含む
濃度測定システム。
【請求項2】
前記濃度測定器は、通信ケーブルを介して前記携帯端末に接続し、かつ、この通信ケーブルを介して給電を受ける
請求項1に記載の濃度測定システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、スマートフォンであり、
前記濃度測定器は、前記携帯端末と無線接続して、測定結果を前記携帯端末に送信する
請求項1に記載の濃度測定システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記濃度測定器により測定された濃度値をppm単位で表示し、又は、前記濃度測定器により測定された濃度値に対応する画像又は色を表示する
請求項1~3のいずれかに記載の濃度測定システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、
前記濃度測定器により測定された測定結果を転送する転送部
をさらに含む
請求項4に記載の濃度測定システム。
【請求項6】
前記表示部は、ユーザの操作に応じて、測定結果の表示の大きさ又はフォントを変更する
請求項5に記載の濃度測定システム。
【請求項7】
サイネージ装置
をさらに有し、
前記濃度測定器は、前記制御部からの制御に応じて、定期的にオゾンガスの濃度を測定し、
前記転送部は、定期的に測定された測定結果を、定期的に前記サイネージ装置に転送し、
前記サイネージ装置は、前記転送部から受信した測定結果に応じた表示を定期的に更新表示する
請求項6に記載の濃度測定システム。
【請求項8】
前記制御部は、濃度測定器に不具合があるのか、オゾンガスが発生していないのかを判定する
請求項1に記載の濃度測定システム。
【請求項9】
オゾンガスの濃度を測定する濃度測定器に対して有線又は無線で接続しているコンピュータにおいて、
前記濃度測定器を制御する制御機能と、
前記濃度測定器により測定された測定結果を表示する表示機能と
を前記コンピュータに実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃度測定システム、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、測定光を出射する光源装置172と、作業環境から導入した第1ガスを透過する前記測定光の光量を測定する第1測定部171と、第1ガスからオゾンを除いた第2ガスを透過する測定光の光量を測定する第2測定部171と、第1ガスと第2ガスとに含まれる、野菜由来の測定光に対する吸光成分の量を同一量に調整する調整部178と、吸光成分の量が調整された、第1測定部の測定結果と第2測定部の測定結果とに基づいてオゾンの濃度を算出する演算部CLとを備えるオゾン測定装置が開示されている。
また、特許文献2には、試料ガスの紫外線透過光量と参照ガスの紫外線透過光量とを交互に測定して、試料ガス測定後濃度と参照ガス測定後濃度とを順次演算するオゾン測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-194331号公報
【特許文献2】特開2017-181204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、比較的安価なオゾンガスの濃度測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る濃度測定システムは、オゾンガスの濃度を測定する濃度測定器と、前記濃度測定器に対して有線又は無線で接続している携帯端末とを有し、前記携帯端末は、前記濃度測定器を制御する制御部と、前記濃度測定器により測定された測定結果を表示する表示部とを含む。
【0006】
好適には、前記濃度測定器は、通信ケーブルを介して前記携帯端末に接続し、かつ、この通信ケーブルを介して給電を受ける。
【0007】
好適には、前記携帯端末は、スマートフォンであり、前記濃度測定器は、前記携帯端末と無線接続して、測定結果を前記携帯端末に送信する。
【0008】
好適には、前記表示部は、前記濃度測定器により測定された濃度値をppm単位で表示し、又は、前記濃度測定器により測定された濃度値に対応する画像又は色を表示する。
【0009】
好適には、前記携帯端末は、前記濃度測定器により測定された測定結果を転送する転送部をさらに含む。
【0010】
好適には、前記表示部は、ユーザの操作に応じて、測定結果の表示の大きさ又はフォントを変更する。
好適には、前記制御部は、濃度測定器に不具合があるのか、オゾンガスが発生していないのかを判定する。
【0011】
好適には、サイネージ装置をさらに有し、前記濃度測定器は、前記制御部からの制御に応じて、定期的にオゾンガスの濃度を測定し、前記転送部は、定期的に測定された測定結果を、定期的に前記サイネージ装置に転送し、前記サイネージ装置は、前記転送部から受信した測定結果に応じた表示を定期的に更新表示する。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、オゾンガスの濃度を測定する濃度測定器に対して有線又は無線で接続しているコンピュータにおいて、前記濃度測定器を制御する制御機能と、前記濃度測定器により測定された測定結果を表示する表示機能とを前記コンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、比較的安価なオゾンガスの濃度測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態におけるオゾン濃度測定器10の外観図である。
図2】連結部材40によって連結された状態のオゾン濃度測定器10及びスマートフォン20を例示する外観図である。
図3】スマートフォン20にインストールされる制御プログラム5の機能構成を例示する図である。
図4】スマートフォン20に表示されるオゾン濃度測定器10の制御画面(初期)を例示する図である。
図5】スマートフォン20に表示されるオゾン濃度測定器10の制御画面を例示する図である。
図6】オゾン濃度測定器10による1回測定の測定結果を表示する表示画面を例示する図である。
図7】オゾン濃度測定器10による連続測定の測定結果を表示する表示画面を例示する図である。
図8】サイネージ装置60に表示される表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
本実施形態のオゾン濃度測定システム1は、オゾン濃度測定器10、スマートフォン20、USBケーブル30、連結部材40、及び、サイネージ装置60を有する。
図1は、実施形態におけるオゾン濃度測定器10の外観図である。
図1に例示するように、オゾン濃度測定器10は、外気を取り入れるための複数の孔を有し、これらの孔から取り入れた空気中のオゾンの濃度を測定する。測定されたオゾン濃度は、例えば、ppm単位で出力される。本例のオゾン濃度測定器10には、モニタや操作パネル等が無く、測定結果の表示や操作は、後述するスマートフォン20によって行われる。
また、オゾン濃度測定器10の底面には、USBケーブルを差し込むためのUSBポート100が設けられており、このUSBポート100に差し込まれたUSBケーブルによって、オゾン濃度測定器10は、通信及び給電を実現する。
さらに、オゾン濃度測定器10の背面には、後述する連結部材40に接続するための接続突起102が設けられている。
【0016】
図2は、連結部材40によって連結された状態のオゾン濃度測定器10及びスマートフォン20を例示する外観図である。
図2に例示するように、スマートフォン20は、USBケーブル30を介して、オゾン濃度測定器10に接続し、有線による通信及び給電を可能にしている。スマートフォン20は、本発明に係る携帯端末の一例であり、タッチパネル200が設けられたスマートフォンである。
本例のオゾン濃度測定器10は、連結部材40によってスマートフォン20と物理的に連結している。
なお、本例では、USBケーブル30によってオゾン濃度測定器10とスマートフォン20とを互いに接続する形態を説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、ブルートゥース(登録商標)等によってオゾン濃度測定器10とスマートフォン20とを無線接続してもよい。
【0017】
図3は、スマートフォン20にインストールされる制御プログラム5の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、制御プログラム5は、制御部500、表示部510、及び転送部520を有する。制御プログラム5は、例えば、スマートフォン20のOS上で動作するアプリである。
制御プログラム5において、制御部500は、オゾン濃度測定器10を制御する。例えば、制御部500は、タッチパネル200にオゾン濃度測定器10の制御画面を表示し、ユーザの操作に応じて、オゾンガス濃度の測定の開始又は停止等を行う。
表示部510は、オゾン濃度測定器10による測定結果をタッチパネル200に表示する。例えば、表示部510は、オゾン濃度測定器10により測定された濃度値をppm単位で表示し、又は、オゾン濃度測定器10により測定された濃度値に対応する画像又は色を表示する。
転送部520は、オゾン濃度測定器10により測定された測定結果をサイネージ装置60(後述)等に転送する。例えば、転送部520は、オゾン濃度測定器10により定期的に測定された測定結果を、定期的にサイネージ装置60に転送し表示させる。
【0018】
図4は、スマートフォン20に表示されるオゾン濃度測定器10の制御画面を例示する図である。
図4に例示するように、スマートフォン20のタッチパネル200には、制御部500によって、オゾン濃度測定器10を制御するための制御画面が表示される。制御画面には、アプリのアイコンロゴが表示され、それをタップすると、ロゴマークと「測定準備ができました」というメッセージが表示される。さらに、制御画面には、測定の設定情報が表示される設定表示領域と、測定開始を指示する測定開始ボタンと、アプリ(制御プログラム5)の終了を指示する終了ボタンとが表示される。
測定基準を定め測定開始ボタンを押すと、図5に例示するように、オゾンガス濃度の室内環境基準等が基準表示領域に表示される。
設定表示領域では、有人/無人での測定結果の基準の切替えと、連続測定モードのON/OFFの切替えを受け付ける。
本画面において、測定開始ボタンがタップされると、制御部500は、オゾン濃度測定器10に対してオゾンガス濃度の測定を開始させる。
【0019】
図6は、オゾン濃度測定器10による1回測定の測定結果を表示する表示画面を例示する図である。
図6に例示するように、スマートフォン20のタッチパネル200には、表示部510によって、オゾン濃度測定器10による1回測定の測定結果が表示される。具体的には、タッチパネル200には、上記基準表示領域に加えて、測定結果表示領域と、判定結果表示領域と、再測定ボタンと、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。
測定結果表示領域には、オゾン濃度測定器10により測定されたオゾン濃度値(ppm単位)と、環境基準における測定値の相対位置を示すグラデーション表示とが含まれる。
判定結果表示領域には、オゾン濃度測定器10による測定結果と環境基準との比較結果が表示される。例えば、測定値が環境基準内である場合に「適正」と表示され、測定値が環境基準を超える場合に「危険」と表示され、測定値が環境基準未満である場合に「不足」と表示される。
さらに、測定値が0である場合に、「オゾンが検知されません」というメッセージが表示され、オゾン濃度測定器10との通信に既定回数連続して失敗した場合に、「オゾン濃度測定器が正しく動作しません」というメッセージが表示される。すなわち、制御部500は、不具合が発生した場合に、不具合の原因がオゾン濃度測定器10に存在するのか、オゾンガスを発生させる装置に存在するのか(すなわち、オゾンガスが発生していないのか)を判定する。
再測定ボタンは、オゾン濃度測定器10に対して再測定を指示するためのボタンである。
戻るボタンは、図5の制御画面に戻るためのボタンである。
【0020】
図7は、オゾン濃度測定器10による連続測定の測定結果を表示する表示画面を例示する図である。
図7に例示するように、スマートフォン20のタッチパネル200には、表示部510によって、オゾン濃度測定器10による連続測定の測定結果が表示される。具体的には、タッチパネル200には、上記基準表示領域に加えて、測定結果表示領域と、判定結果表示領域と、連続測定停止ボタンと、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。
測定結果表示領域には、オゾン濃度測定器10により連続的に測定されたオゾン濃度値(ppm単位)と、環境基準における測定値の相対位置を示すグラデーション表示とが含まれる。
判定結果表示領域には、オゾン濃度測定器10による測定結果と環境基準との比較結果がリアルタイムに表示される。
連続測定停止ボタンは、オゾン濃度測定器10に対して連続測定を停止させるためのボタンである。
【0021】
図8は、サイネージ装置60に表示される表示画面を例示する図である。
図8に例示するように、サイネージ装置60は、LEDボードや液晶ディスプレイ等で構成された電子看板であり、転送部520により転送された測定値を表示する。
このように、外部の表示装置に測定結果を転送して表示させることにより、種々の媒体・環境でオゾンガス濃度をモニタリングすることが可能になる。
【0022】
以上説明したように、本実施形態のオゾン濃度測定システム1によれば、スマートフォン20に制御機能及び表示機能を担保させることにより、オゾン濃度測定器10の機能を簡略化させることができ、比較的安価にシステム構築が可能になる。さらに、スマートフォン20による制御及び表示を可能にすることによって、オゾンガスが発生している空間とは別の空間で、オゾンガス濃度をモニタリングできる。
【0023】
(変形例)
上記実施形態では、オゾン濃度測定器10を用いてオゾンガスの濃度を測定する形態を説明したが、これに限定されるものではなく、他のガスの濃度を測定してもよい。
また、ユーザがスマートフォン20のアプリを十分に使いこなせない場合には、オゾン濃度測定器10にLEDランプを設けて、LEDランプの色や点滅パターン等で、測定結果を表示してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 オゾン濃度測定システム
10 オゾン濃度測定器
20 スマートフォン
30 USBケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8