IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社インテリックスの特許一覧

<>
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図1
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図2
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図3
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図4
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図5
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図6
  • 特開-解錠装置及び解錠システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069119
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】解錠装置及び解錠システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20220428BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
H04M9/00 H
E05B49/00 J
E05B49/00 R
E05B49/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178109
(22)【出願日】2020-10-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】503060547
【氏名又は名称】株式会社インテリックス
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】俊成 誠司
(72)【発明者】
【氏名】榎本 亮太
(72)【発明者】
【氏名】天坂 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 智行
【テーマコード(参考)】
2E250
5K038
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB05
2E250DD07
2E250DD08
2E250FF11
5K038AA06
5K038CC11
5K038CC12
5K038DD12
5K038DD15
5K038FF01
5K038GG05
5K038GG06
(57)【要約】
【課題】セキュリティを保ちながら、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔でドアを解錠することができるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る解錠装置1は、インターホンシステムの居室機の表示部を撮像可能な位置に設けられる撮像部11と、インターホンシステムの玄関機が操作されたことに応じて居室機が発する呼び出し情報を検出する呼び出し情報検出部161と、認証条件を取得する認証条件取得部163と、呼び出し情報検出部が呼び出し情報を検出した後に撮像部が撮像した表示部の撮像画像が、認証条件を満たす場合に、玄関を解錠するように居室機を操作する居室機操作部162と、を有する。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の玄関に設置されている玄関機と、前記建物の居室に設置されており、前記玄関内の領域の撮像画像を表示する表示部を有する居室機とを備えるインターホンシステムの前記居室機に取り付けられる筐体と、
前記表示部を撮像可能な位置に設けられる撮像部と、
前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が発する呼び出し情報を検出する呼び出し情報検出部と、
認証条件を取得する認証条件取得部と、
前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する居室機操作部と、
を有する解錠装置。
【請求項2】
前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する、
請求項1に記載の解錠装置。
【請求項3】
前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得し、前記特徴情報が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する、
請求項1に記載の解錠装置。
【請求項4】
前記認証条件取得部は、前記居室機が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を取得し、
前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記居室機が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を満たしている場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項5】
前記呼び出し情報検出部は、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が備えるスピーカが発する呼び出し音と、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が備えるディスプレイ又はランプが発する光との少なくとも一方を、前記呼び出し情報として検出する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項6】
前記呼び出し情報検出部は、前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が撮像された範囲において被写体の動きを検出したことを、前記呼び出し情報として検出する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項7】
前記筐体上で前記居室機の前方に支持され、前記居室機上に設けられたボタンの押下状態を切り替えるボタン押下部をさらに有し、
前記居室機操作部は、前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記ボタンの押下状態を前記ボタン押下部に切り替えさせる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項8】
解錠装置と、携帯端末と、を備え、
前記解錠装置は、
建物の玄関に設置されている玄関機と、前記建物の居室に設置されており、前記玄関内で前記携帯端末が表示した画面を含む撮像画像を表示する表示部を有する居室機とを備えるインターホンシステムの前記居室機に取り付けられる筐体と、
前記表示部を撮像可能な位置に設けられる撮像部と、
前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が発する呼び出し情報を検出する呼び出し情報検出部と、
認証条件を取得する認証条件取得部と、
前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する居室機操作部と、
を有し、
前記携帯端末は、前記コードを表示するディスプレイを有する、
解錠システム。
【請求項9】
前記携帯端末を認証するサーバをさらに備え、
前記携帯端末は、前記サーバによって認証された場合に、前記コードを前記携帯端末の前記ディスプレイに表示させる表示制御部をさらに有する、請求項8に記載の解錠システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記サーバによって認証された場合に、前記サーバから前記居室機が設置されている場所に関連付けられた鍵情報を受信し、受信した前記鍵情報に基づいて前記コードを生成し、生成した前記コードを前記携帯端末の前記ディスプレイに表示させる、請求項9に記載の解錠システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の玄関を解錠するための解錠装置及び解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アパート、団地、マンション等の集合住宅において、共用スペースである集合玄関にドアを設け、各住民の居室から遠隔で集合玄関を解錠可能なインターホンシステムが導入されている場合がある。そのようなインターホンシステムにおいて、集合玄関には訪問先の居室の番号を入力して呼び出す玄関機が設置され、居室には呼び出しを受けて集合玄関を解錠する居室機が設置される。特許文献1には、玄関機において入力された暗証番号に基づいて、集合玄関を解錠する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-236184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
居室の工事を行う際や、居室の販売や貸出のための下見を行う際に、集合玄関の鍵を持っていない第三者を居室に受け入れることがある。このような状況において、居室機から集合玄関を解錠する操作を行うためには、居室内に人が待機する必要があるため、不便であるという問題があった。また、特許文献1に記載の技術において、第三者に集合玄関を解錠するための暗証番号を教えることはセキュリティ上好ましくない。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、セキュリティを保ちながら、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る解錠装置は、建物の玄関に設置されている玄関機と、前記建物の居室に設置されており、前記玄関内の領域の撮像画像を表示する表示部を有する居室機とを備えるインターホンシステムの前記居室機に取り付けられる筐体と、前記表示部を撮像可能な位置に設けられる撮像部と、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が発する呼び出し情報を検出する呼び出し情報検出部と、認証条件を取得する認証条件取得部と、前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する居室機操作部と、を有する。
【0007】
前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作してもよい。
【0008】
前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得し、前記特徴情報が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作してもよい。
【0009】
前記認証条件取得部は、前記居室機が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を取得し、前記居室機操作部は、前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記居室機が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を満たしている場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作してもよい。
【0010】
前記呼び出し情報検出部は、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が備えるスピーカが発する呼び出し音と、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が備えるディスプレイ又はランプが発する光との少なくとも一方を、前記呼び出し情報として検出してもよい。
【0011】
前記呼び出し情報検出部は、前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が撮像された範囲において被写体の動きを検出したことを、前記呼び出し情報として検出してもよい。
【0012】
前記解錠装置は、前記筐体上で前記居室機の前方に支持され、前記居室機上に設けられたボタンの押下状態を切り替えるボタン押下部をさらに有し、前記居室機操作部は、前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部の撮像画像が、前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記ボタンの押下状態を前記ボタン押下部に切り替えさせてもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る解錠システムは、解錠装置と、携帯端末と、を備え、前記解錠装置は、建物の玄関に設置されている玄関機と、前記建物の居室に設置されており、前記玄関内で前記携帯端末が表示した画面を含む撮像画像を表示する表示部を有する居室機とを備えるインターホンシステムの前記居室機に取り付けられる筐体と、前記表示部を撮像可能な位置に設けられる撮像部と、前記玄関機が操作されたことに応じて前記居室機が発する呼び出し情報を検出する呼び出し情報検出部と、認証条件を取得する認証条件取得部と、前記呼び出し情報検出部が前記呼び出し情報を検出した後に前記撮像部が撮像した前記表示部が表示した撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関を解錠するように前記居室機を操作する居室機操作部と、を有し、前記携帯端末は、前記コードを表示するディスプレイを有する。
【0014】
前記解錠システムは、前記携帯端末を認証するサーバをさらに備え、前記携帯端末は、前記サーバによって認証された場合に、前記コードを前記携帯端末の前記ディスプレイに表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0015】
前記表示制御部は、前記サーバによって認証された場合に、前記サーバから前記居室機が設置されている場所に関連付けられた鍵情報を受信し、受信した前記鍵情報に基づいて前記コードを生成し、生成した前記コードを前記携帯端末の前記ディスプレイに表示させてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、セキュリティを保ちながら、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る解錠システムの模式図である。
図2】実施形態に係る携帯端末のブロック図である。
図3】携帯端末の正面図である。
図4】解錠装置及び居室機の正面図である。
図5】実施形態に係る解錠装置のブロック図である。
図6】解錠装置が呼び出し情報を検出するための構成及び解錠装置が撮像画像に基づいて集合玄関を解錠するための構成を説明するための模式図である。
図7】実施形態に係る解錠装置が実行する解錠方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[解錠システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る解錠システムSの模式図である。解錠システムSは、解錠装置1と、携帯端末2と、管理サーバ3とを備える。解錠システムSは、集合住宅に設けられたインターホンシステムを利用して、集合玄関を遠隔で解錠できるようにするシステムである。インターホンシステムは、集合住宅の共用スペースである集合玄関に設置された玄関機4と、居室に設置された居室機5とを備える。解錠装置1は、居室機5を操作することにより集合玄関を解錠するための装置である。図1の例において、解錠装置1は居室機5の正面を覆うように設けられているため、居室機5の各部は破線で表されている。
【0019】
玄関機4は、集合玄関のドアの近傍に設置され、当該ドアの施錠及び解錠を制御する。玄関機4と居室機5とは、有線又は無線で電気的に接続される。玄関機4は、番号ボタン41と、呼び出しボタン42と、音入出力部43と、撮像部44と、を有する。
【0020】
番号ボタン41は、居室の番号を入力するための操作部である。呼び出しボタン42は、番号ボタン41を用いて入力された番号に対応する居室に設置された居室機5への呼び出しを行うための操作部である。音入出力部43は、居室機5から受信した音を出力するスピーカと、周囲の音を入力して居室機5に送信するマイクロホンとを含む。撮像部44は、集合玄関内の領域を撮像するカメラを含む。
【0021】
居室機5は、表示部51と、音入出力部52と、ボタン53と、を有する。表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置(ディスプレイ)を含む。音入出力部52は、呼び出しが行われた際の呼び出し音及び玄関機4から受信した音を出力するスピーカと、周囲の音を入力して玄関機4に送信するマイクロホンとを含む。
【0022】
ボタン53は、玄関機4からの呼び出しを受けた際に音の授受を開始し、また集合玄関の解錠を行うための操作部である。ボタン53は、一つ又は複数のボタンを含み、例えば、玄関機4と居室機5との間で音の授受を開始させるための受話ボタンと、集合玄関の解錠をするための解錠ボタンと、を含む。ボタン53は、音の授受を終了させるための終話ボタン等、その他のボタンを含んでもよい。
【0023】
このような構成のインターホンシステムにおいて、まず訪問者であるユーザは、玄関機4において訪問先の居室の番号を番号ボタン41で入力し、呼び出しボタン42を押下する。入力された番号に対応する居室機5は、呼び出し音を音入出力部52から出力する。居室内に住民がいて、解錠装置1が居室機5を覆うように設けられていない状態において、居室内にいる住民は、居室機5のボタン53に対して所定の操作をする。これにより、インターホンシステムは、集合玄関を解錠する。
【0024】
居室内に住民がいない状態においても集合玄関を解錠可能にするために、解錠装置1が居室機5に取り付けられる。解錠装置1は、携帯端末2との間で玄関機4及び居室機5を介して情報を授受することによって、居室機5のボタン53を操作して解錠を行う装置である。解錠装置1の詳細な構成については後述する。
【0025】
携帯端末2は、ユーザによって携帯される、スマートホンやタブレット端末等の通信機能を有するコンピュータである。携帯端末2は、表示部21と、操作部22と、を有する。表示部21は、液晶ディスプレイ等、情報を表示する表示装置(ディスプレイ)を含む。操作部22は、タッチパネル等、ユーザによる操作を受け付ける入力装置を含む。
【0026】
管理サーバ3は、解錠装置1及び携帯端末2と通信可能なコンピュータである。管理サーバ3は、携帯端末2に集合玄関の解錠許可を与える。また、管理サーバ3は、解錠装置1が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を解錠装置1に配信する。
【0027】
本実施形態に係る解錠システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。ユーザは、玄関機4において解錠装置1が設置された居室の番号を番号ボタン41で入力し、呼び出しボタン42を押下する。入力された番号に対応する居室機5は、表示部51上に玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像を表示するとともに、呼び出し音を音入出力部52から出力する。
【0028】
解錠装置1は、玄関機が操作されたことに応じて居室機5が発する呼び出し情報を検出する。解錠装置1は、呼び出し情報として、例えば、居室機5の音入出力部52から出力された呼び出し音、居室機5の表示部51に表示された撮像画像、又は居室機5の発光を検出する。
【0029】
ユーザは、玄関機4から居室機5を呼び出した状態で、玄関機の撮像部44に、認証に用いる認証対象物を向ける。認証対象物は、例えば、解錠コードを表示している携帯端末2である。
【0030】
解錠装置1は、解錠装置1が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。解錠装置1は、例えば、管理サーバ3から無線通信により認証条件を取得し、又は解錠装置1の記憶部に予め記憶された認証条件を取得する。認証条件は、例えば、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。
【0031】
解錠装置1は、呼び出し情報を検出した後に撮像した居室機5の表示部51の撮像画像が認証条件を満たす場合に、玄関を解錠するように居室機5のボタン53を操作する。インターホンシステムは、居室機5のボタン53に対する操作に応じて、集合玄関を解錠する。
【0032】
このように、解錠装置1は、居室機5が発する呼び出し情報を検出した後、居室機5の表示部51を撮像した撮像画像が認証条件を満たしたことを条件として、集合玄関を解錠する。したがって、解錠システムSは、ユーザに対して集合玄関の暗証番号等を知らせる必要がないため、セキュリティを保ちながら、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができる。
【0033】
[携帯端末2の構成]
図2は、本実施形態に係る携帯端末2のブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0034】
携帯端末2は、上述の表示部21及び操作部22に加えて、記憶部23と、通信部24と、制御部25と、を有する。携帯端末2は、図2に示す具体的な構成に限定されない。携帯端末2は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0035】
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部25が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部23は、携帯端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部25との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
通信部24は、管理サーバ3と無線通信をするための通信インターフェースである。通信部24は、通信を行うためのプロセッサ、コネクタ、アンテナ等を含む。通信部24は、管理サーバ3から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部25に入力する。また、通信部24は、制御部25から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を管理サーバ3に送信する。
【0037】
制御部25は、解錠許可取得部251と、表示制御部252と、を有する。制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、解錠許可取得部251及び表示制御部252として機能する。制御部25の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部25の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0038】
ユーザが集合玄関を解錠する際に携帯端末2が行う処理を以下に説明する。解錠許可取得部251は、ユーザによって入力された認証情報を用いて、管理サーバ3から集合玄関の解錠許可を取得する。図3(a)は、認証情報の入力を受け付けるログイン画面を表示部21上に表示している携帯端末2の正面図である。
【0039】
解錠許可取得部251は、ログイン画面におけるユーザによる操作部22の操作に応じて、認証情報及び物件情報の入力を受け付ける。認証情報は、例えば、ユーザを識別するための識別情報であるユーザID(Identification)と、パスワードとを含む。物件情報は、解錠対象の集合玄関がある物件を示す情報であり、例えば、物件名及び部屋番号である。解錠許可取得部251は、受け付けた認証情報及び物件情報を、管理サーバ3に送信する。解錠許可取得部251は、物件情報を受け付けず、認証情報のみを管理サーバ3に送信してもよい。
【0040】
管理サーバ3は、携帯端末2から受信した認証情報を、予め記憶部に記憶された認証情報と比較することによって、携帯端末2を認証する。また、管理サーバ3は、携帯端末2から電話番号を含む認証情報を受信し、当該電話番号を宛先としたSMS(Short Message Service)のメッセージを送信し、携帯端末2に当該メッセージが到達したことを確認することによって、携帯端末2を認証してもよい。管理サーバ3は、携帯端末2を認証できなかった場合に、認証できなかったことを示す情報を携帯端末2に送信する。携帯端末2において、解錠許可取得部251は、管理サーバ3から認証できなかったことを示す情報を受信した場合に、集合玄関の解錠に係る処理を終了する。
【0041】
管理サーバ3は、携帯端末2を認証できた場合に、解錠許可を携帯端末2に送信する。管理サーバ3は、例えば、解錠対象の集合玄関がある物件、すなわち居室機5が設置されている場所(例えば部屋又は建物)に関連付けられた鍵情報を含む解錠許可を、携帯端末2に送信する。解錠対象の集合玄関がある物件は、携帯端末2において入力された物件情報が示す物件であってもよく、ユーザに予め関連付けられた物件であってもよい。
【0042】
鍵情報は、例えば無作為又は規則的に生成された文字列であり、居室機5が設置されている場所に関連付けられて管理サーバ3の記憶部に記憶される。管理サーバ3は、生成した鍵情報を含む解錠許可を携帯端末2に送信する。また、管理サーバ3は、鍵情報から所定の規則に従って生成した解錠コードを含む解錠許可を携帯端末2に送信してもよい。
【0043】
携帯端末2が管理サーバ3によって認証された場合に、解錠許可取得部251は、管理サーバ3が送信した解錠許可を取得する。解錠許可取得部251は、取得した解錠許可が含む鍵情報に基づいて、所定の規則に従って解錠コードを生成する。解錠コードは、例えば、鍵情報に対して符号化処理等の所定の処理を行うことによって生成された、1次元又は2次元の画像である。また、解錠コードは、鍵情報を表す文字列であってもよい。また、解錠許可取得部251は、解錠許可が含む、管理サーバ3によって予め生成された解錠コードを取得してもよい。
【0044】
解錠許可取得部251は、取得した解錠許可が含む鍵情報と、現在時刻とに基づいて生成したワンタイムパスワードに対応する解錠コードを生成してもよい。この場合に、解錠許可取得部251は、鍵情報及び現在時刻に基づいてワンタイムパスワードを生成する。ワンタイムパスワードは、例えば、現在時刻を含む所定期間内に有効となり、該期間外に無効となる文字列である。解錠許可取得部251は、鍵情報及び現在時刻に基づいてワンタイムパスワードを生成するために、既知の方法を用いることができる。解錠許可取得部251は、生成したワンタイムパスワードに基づいて、所定の規則に従って解錠コードを生成する。これにより、解錠システムSは、ユーザが集合玄関を解錠できる期間を制限できるため、セキュリティを向上できる。
【0045】
表示制御部252は、解錠許可取得部251が生成又は取得した解錠コードを、表示部21に表示させる。図3(b)は、解錠コードを含む解錠コード画面を表示部21上に表示している携帯端末2の正面図である。
【0046】
ユーザは、玄関機4の番号ボタン41及び呼び出しボタン42を操作して、解錠装置1が設置された居室機5を呼び出す。ユーザは、玄関機4から居室機5を呼び出した状態で、玄関機4の撮像部44に、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を向ける。居室機5の表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像、すなわち解錠コードを表示している携帯端末2を含む撮像画像を表示する。後述の解錠装置1は、居室機5の表示部51を撮像した撮像画像に基づいて、集合玄関を解錠する。
【0047】
[解錠装置1の構成]
図4は、解錠装置1及び居室機5の正面図である。図4において、解錠装置1の背面側に隠れている各部は破線で表されている。また、図4において、解錠装置1を居室機5に取り付けた際の解錠装置1の各部と居室機5の各部との位置関係が、一点鎖線で表されている。
【0048】
解錠装置1は、居室機5に取り付け可能な筐体10を有する。筐体10は、居室機5の正面側において、例えば弾性部材、締結部材又は粘着部材によって居室機5に取り付けられる。
【0049】
解錠装置1は、筐体10上に設けられた、撮像部11と、音入出力部12と、ボタン押下部13と、を有する。撮像部11は、筐体10上で居室機5の前方において、居室機5の表示部51を撮像可能な位置に設けられている。撮像部11は、居室機5の表示部51を撮像するカメラを含む。
【0050】
音入出力部12は、筐体10上で居室機5の前方において、居室機5の音入出力部52に対して音を入出力可能な位置に設けられている。音入出力部43は、居室機5から受信した音を出力するスピーカと、周囲の音を入力して居室機5に送信するマイクロホンとを含む。
【0051】
ボタン押下部13は、筐体10上で居室機5の前方において、居室機5のボタン53を操作可能な位置に設けられている。ボタン押下部13は、居室機5のボタン53の押下状態を切り替えるための構造を含む。ボタン53が複数のボタンを含む場合に、ボタン押下部13は、複数のボタンを独立して操作可能な複数の構造を含んでもよい。
【0052】
ボタン押下部13は、例えば、モータ、アクチュエータ等の駆動機構を備え、駆動機構の動力によって、居室機5のボタン53を非押下状態から押下状態に切り替え、又は居室機5のボタン53を押下状態から非押下状態に切り替える。
【0053】
図5は、本実施形態に係る解錠装置1のブロック図である。図5において、矢印は主なデータの流れを示しており、図5に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図5において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図5に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0054】
解錠装置1は、上述の撮像部11、音入出力部12及びボタン押下部13に加えて、記憶部14と、通信部15と、制御部16とを有する。解錠装置1は、図5に示す具体的な構成に限定されない。解錠装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0055】
記憶部14は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部16が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部14は、解錠装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部16との間でデータの授受を行ってもよい。
【0056】
通信部15は、管理サーバ3と無線通信をするための通信インターフェースである。通信部15は、通信を行うためのプロセッサ、コネクタ、アンテナ等を含む。通信部15は、管理サーバ3から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部16に入力する。また、通信部15は、制御部16から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を管理サーバ3に送信する。
【0057】
制御部16は、呼び出し情報検出部161と、居室機操作部162と、認証条件取得部163と、を有する。制御部16は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、呼び出し情報検出部161、居室機操作部162及び認証条件取得部163として機能する。制御部16の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部16の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0058】
ユーザが集合玄関を解錠する際に解錠装置1が行う処理を以下に説明する。図6(a)は、解錠装置1が呼び出し情報を検出するための構成を説明するための模式図である。図6(a)では、解錠装置1の撮像部11、音入出力部12及びボタン押下部13の位置が居室機5上に模式的に表されている。
【0059】
呼び出し情報検出部161は、玄関機4が操作されたことに応じて居室機5が発する呼び出し情報を検出する。呼び出し情報検出部161は、例えば、音入出力部12を用いて、居室機5の音入出力部52(スピーカ)が発する呼び出し音を、呼び出し情報として検出する。呼び出し情報検出部161が呼び出し音を検出する精度を高めるために、記憶部14は、居室機5の音入出力部52が発する呼び出し音、又は当該呼び出し音の特徴を示す特徴情報を予め記憶していてもよい。この場合、呼び出し情報検出部161は、音入出力部12に入力された音の全部又は一部が、記憶部14に記憶された呼び出し音又は特徴情報と一致又は類似する場合に、呼び出し音を検出したと判定する。これにより、解錠装置1は、インターホンシステムによって提供される呼び出し音を利用して、集合玄関を解錠するための処理を開始できる。
【0060】
また、呼び出し情報検出部161は、撮像部11を用いて撮像した、居室機5の表示部51(ディスプレイ)の撮像画像に基づいて、呼び出し情報を検出してもよい。この場合に、呼び出し情報検出部161は、表示部51の撮像画像に対して既知の動体検出処理を行い、撮像画像が撮像された範囲において被写体の動きを検出したことを呼び出し情報として検出する。これにより、解錠装置1は、インターホンシステムによって提供される集合玄関内の画像を利用して、集合玄関を解錠するための処理を開始できる。
【0061】
また、呼び出し情報検出部161は、居室機5の表示部51又はランプの発光に基づいて、呼び出し情報を検出してもよい。この場合に、呼び出し情報検出部161は、撮像部11又はその他の光検出モジュールを用いて、居室機5が備える表示部51又はランプが発光したことを、呼び出し情報として検出する。これにより、解錠装置1は、呼び出し時の居室機5の発光を利用して、集合玄関を解錠するための処理を開始できる。
【0062】
呼び出し情報検出部161が呼び出し情報を検出した場合に、居室機操作部162は、ボタン押下部13を用いて、玄関機4と居室機5との間で音の授受を開始させるように居室機5を操作する。居室機操作部162は、例えば、ボタン押下部13に、玄関機4と居室機5との間で音の授受を開始させるように居室機5のボタン53のうち受話ボタンの押下状態を切り替えさせる。これにより、玄関機4の音入出力部43と居室機5の音入出力部52との間で音の授受が開始される。音の授受が開始された後、居室機操作部162は、音入出力部12を用いて、例えば「解錠コードをカメラにかざしてください」のような音声を出力してもよい。また、居室機操作部162は、玄関機4と居室機5との間で音の授受を開始させる操作が集合玄関を解錠するために必要でない場合には、当該操作を居室機5に対して行わなくてもよい。
【0063】
図6(b)は、解錠装置1が撮像画像に基づいて集合玄関を解錠するための構成を説明するための模式図である。図6(b)では、解錠装置1の撮像部11、音入出力部12及びボタン押下部13の位置が居室機5上に模式的に表されている。
【0064】
認証条件取得部163は、解錠装置1の撮像部11が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。認証条件取得部163は、例えば、管理サーバ3から無線通信により認証条件を取得し、又は解錠装置1の記憶部14に予め記憶された認証条件を取得する。
【0065】
認証条件は、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。認証条件は、例えば、携帯端末2が管理サーバ3から取得した解錠許可に含まれている鍵情報を含む。後述の居室機操作部162は、居室機5の表示部51の撮像画像と、認証条件が含む鍵情報とに基づいて、集合玄関の解錠をするか否かを判定する。
【0066】
例えば、管理サーバ3は、管理サーバ3の記憶部に予め記憶された鍵情報を取得し、取得した鍵情報を含む認証条件を居室機5に取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部14に記憶させる。また、解錠装置1の管理者は、認証条件を記憶しているメモリカード等の記憶媒体を解錠装置1に接続することによって、解錠装置1の記憶部14に認証条件を予め記憶させてもよい。
【0067】
認証条件は、解錠対象の集合玄関がある物件、すなわち居室機5が設置されている場所ごとに異なっていてもよい。この場合に、管理サーバ3は、居室機5が設置されている場所に予め関連付けられた鍵情報を管理サーバ3の記憶部から取得し、当該鍵情報を含む認証条件を当該居室機5に取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部14に記憶させる。これにより、解錠システムSは、ユーザが解錠できる物件を制御できるため、セキュリティを向上できる。
【0068】
居室機操作部162は、呼び出し情報検出部161が呼び出し情報を検出した後に撮像部11が撮像した、居室機5の表示部51の撮像画像を取得する。この時、ユーザは、玄関機4の撮像部44に、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を向けている。居室機5の表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像、すなわち解錠コードを表示している携帯端末2を含む撮像画像を表示している。
【0069】
居室機操作部162は、取得した撮像画像が、認証条件取得部163が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。居室機操作部162は、例えば、撮像部11が撮像した居室機5の表示部51の撮像画像から、表示部51に表示されている撮像画像に含まれている解錠コードを取得する。居室機操作部162は、撮像画像に含まれている解錠コードに対して復号処理等の所定の処理を行うことによって、解錠コードに対応する鍵情報を特定する。居室機操作部162は、撮像画像から取得した解錠コードに対応する鍵情報と、認証条件取得部163が取得した認証条件に含まれている鍵情報とが一致する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。
【0070】
また、ワンタイムパスワードに対応する解錠コードが用いられる場合に、居室機操作部162は、認証条件取得部163が取得した認証条件に含まれている鍵情報と、現在時刻とに基づいて、携帯端末2と同じ方法でワンタイムパスワードを生成する。居室機操作部162は、撮像画像に含まれている解錠コードに対して復号処理等の所定の処理を行うことによって、解錠コードに対応するワンタイムパスワードを特定する。居室機操作部162は、撮像画像から取得した解錠コードに対応するワンタイムパスワードと、認証条件取得部163が取得した認証条件に含まれている鍵情報から生成したワンタイムパスワードとが一致する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。これにより、解錠システムSは、ユーザが集合玄関を解錠できる期間を制限できるため、セキュリティを向上できる。
【0071】
居室機操作部162は、認証条件を満たすと判定した場合に、集合玄関を解錠するように居室機5を操作する。居室機操作部162は、例えば、ボタン押下部13に、集合玄関を解錠するように居室機5のボタン53のうち解錠ボタンの押下状態を切り替えさせる。居室機操作部162は、認証条件を満たさないと判定した場合に、集合玄関を解錠せずに処理を終了する。
【0072】
これにより、解錠システムSは、ユーザが認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2をインターホンシステムのカメラに向けることにより、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができる。
【0073】
[解錠方法のフローチャート]
図7は、本実施形態に係る解錠装置1が実行する解錠方法のフローチャートを示す図である。解錠装置1において、呼び出し情報検出部161は、玄関機4が操作されたことに応じて居室機5が発する呼び出し情報を検出する(S11)。呼び出し情報検出部161は、呼び出し情報として、例えば、居室機5の音入出力部52から出力された呼び出し音、居室機5の表示部51に表示された撮像画像、又は居室機5の発光を検出する。
【0074】
認証条件取得部163は、解錠装置1の撮像部11が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する(S12)。認証条件は、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。認証条件は、例えば、携帯端末2が管理サーバ3から取得した解錠許可に含まれている鍵情報を含む。
【0075】
居室機操作部162は、呼び出し情報検出部161が呼び出し情報を検出した後に撮像部11が撮像した、居室機5の表示部51の撮像画像を取得する(S13)。この時、ユーザは、玄関機4の撮像部44に、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を向けている。居室機5の表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像、すなわち解錠コードを表示している携帯端末2を含む撮像画像を表示している。
【0076】
居室機操作部162は、取得した撮像画像が、認証条件取得部163が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。居室機操作部162は、認証条件を満たすと判定した場合に(S14のYES)、集合玄関を解錠するように居室機5を操作する(S15)。居室機操作部162は、例えば、ボタン押下部13に、集合玄関を解錠するように居室機5のボタン53のうち解錠ボタンの押下状態を切り替えさせる居室機操作部162は、認証条件を満たさないと判定した場合に(S14のNO)、集合玄関を解錠せずに処理を終了する。
【0077】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る解錠システムSにおいて、解錠装置1は、居室機5が発する呼び出し情報を検出した後、居室機5の表示部51を撮像した撮像画像が認証条件を満たしたことを条件として、集合玄関を解錠する。したがって、解錠システムSは、ユーザに対して集合玄関の暗証番号等を知らせる必要がないため、セキュリティを保ちながら、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができる。また、解錠システムSは、居室機5に解錠装置1を取り付けるだけで機能するため、建物のインターホンシステムを変更したり、居室機5を改造したりすることなく、低コストで導入できる。
【0078】
[変形例]
上述の実施形態は、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を含む撮像画像に基づいて集合玄関を解錠するか否かの判定を行うのに対して、本変形例は、認証対象物としてユーザの身体を含む撮像画像に基づいて集合玄関を解錠するか否かの判定を行う。以下では、本変形例において、上述の実施形態とは異なる部分を主に説明する。なお、本変形例では、携帯端末2は用いられない。
【0079】
ユーザは、玄関機4の番号ボタン41及び呼び出しボタン42を操作して、解錠装置1が設置された居室機5を呼び出す。ユーザは、玄関機4から居室機5を呼び出した状態で、玄関機4の撮像部44に、認証対象物としてユーザの身体のうち顔や掌等の所定部位を向ける。居室機5の表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像、すなわちユーザの身体を含む撮像画像を表示する。
【0080】
認証条件取得部163は、解錠装置1の撮像部11が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。認証条件は、撮像画像に含まれる人間の顔、虹彩、指紋等の生体情報の条件である。認証条件は、例えば、集合玄関の解錠が許可されるユーザの顔、虹彩、指紋等の所定の生体情報から抽出した特徴量等の特徴情報を含む。生体情報から特徴量等の特徴情報を抽出するために、既知の特徴抽出方法が用いられる。
【0081】
例えば、管理サーバ3は、管理サーバ3の記憶部に予め記憶されたユーザの特徴情報を取得し、取得した特徴情報を含む認証条件を居室機5に取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部14に記憶させる。また、解錠装置1の管理者は、認証条件を記憶しているメモリカード等の記憶媒体を解錠装置1に接続することによって、解錠装置1の記憶部14に認証条件を予め記憶させてもよい。
【0082】
認証条件は、解錠対象の集合玄関がある物件、すなわち居室機5が設置されている場所ごとに異なっていてもよい。この場合に、管理サーバ3は、居室機5が設置されている場所に予め関連付けられた特徴情報を管理サーバ3の記憶部から取得し、当該特徴情報を含む認証条件を当該居室機5に取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部14に記憶させる。これにより、解錠システムSは、ユーザが解錠できる物件を制御できるため、セキュリティを向上できる。
【0083】
居室機操作部162は、呼び出し情報検出部161が呼び出し情報を検出した後に撮像部11が撮像した、居室機5の表示部51の撮像画像を取得する。この時、ユーザは、玄関機4の撮像部44に、認証対象物としてユーザの身体のうち顔や掌等の所定部位を向けている。居室機5の表示部51は、玄関機4の撮像部44によって撮像された玄関内の領域の撮像画像、すなわちユーザの身体を含む撮像画像を表示している。
【0084】
居室機操作部162は、取得した撮像画像が、認証条件取得部163が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。居室機操作部162は、例えば、撮像部11が撮像した居室機5の表示部51の撮像画像から、既知の特徴抽出方法が用いて、表示部51に表示されている撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得する。居室機操作部162は、撮像画像から取得した人間の特徴情報と、認証条件取得部163が取得した認証条件に含まれている集合玄関の解錠が許可されるユーザの特徴情報とが一致又は類似する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。
【0085】
居室機操作部162は、認証条件を満たすと判定した場合に、集合玄関を解錠するように居室機5を操作する。居室機操作部162は、例えば、ボタン押下部13に、集合玄関を解錠するように居室機5のボタン53のうち解錠ボタンの押下状態を切り替えさせる。居室機操作部162は、認証条件を満たさないと判定した場合に、集合玄関を解錠せずに処理を終了する。
【0086】
これにより、解錠システムSは、ユーザが認証対象物としてユーザの身体をインターホンシステムのカメラに向けることにより、居室内で人が操作することを必要とせずに遠隔で玄関を解錠することができる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0088】
解錠装置1のプロセッサは、図7に示す解錠方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、解錠装置1のプロセッサは、図7に示す解錠方法を実行するためのプログラムを記憶部14から読み出し、該プログラムを実行して解錠装置1の各部を制御することによって、図7に示す解錠方法を実行する。図7に示す解錠方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0089】
S 解錠システム
1 解錠装置
10 筐体
11 撮像部
12 音入出力部
13 ボタン押下部
16 制御部
161 情報検出部
162 居室機操作部
163 認証条件取得部
2 携帯端末
21 表示部
25 制御部
251 解錠許可取得部
252 表示制御部
3 管理サーバ
4 玄関機
5 居室機
51 表示部
52 音入出力部
53 ボタン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7