(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069171
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】建物のフレームの補強構造
(51)【国際特許分類】
E04G 23/02 20060101AFI20220428BHJP
E04B 1/98 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E04G23/02 E
E04B1/98 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178195
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】増子 寛
【テーマコード(参考)】
2E001
2E176
【Fターム(参考)】
2E001EA01
2E001FA11
2E001FA14
2E001GA12
2E001HC01
2E001LA12
2E176AA03
2E176AA07
2E176BB29
(57)【要約】
【課題】建物のフレームの補強に寄与する補強構造を提供する。また、木材面を現しとして、木質感の表出を可能とするフレームの補強構造を提供する。
【解決手段】建物10のフレーム12の補強構造14は、建物の外部に配置されフレームに相対する木製パネル28と、フレームに固定された複数の鉄筋コンクリートブロック30と、鉄筋コンクリートブロックを介してフレームに前記木製パネルを支持する複数の鋼製の棒部材32とを備える。複数の棒部材はそれぞれ鉄筋コンクリートブロックに固定された基端部32aと木製パネルに設けられた複数の穴28aに圧入された先端部32bとを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物のフレームの補強構造であって、
前記建物の外部に配置され前記フレームに相対する木製パネルと、
前記フレームに前記木製パネルを支持する複数の鋼製の棒部材とを備え、
前記複数の棒部材はそれぞれ前記フレームに固定された基端部と前記木製パネルに設けられた複数の穴に圧入された先端部とを有する、補強構造。
【請求項2】
建物のフレームの補強構造であって、
前記建物の外部に配置され前記フレームに相対する木製パネルと、
前記フレームに固定された複数の鉄筋コンクリートブロックと、
前記鉄筋コンクリートブロックを介して前記フレームに前記木製パネルを支持する複数の鋼製の棒部材とを備え、
前記複数の棒部材はそれぞれ前記鉄筋コンクリートブロックに固定された基端部と前記パネルに設けられた複数の穴に圧入された先端部とを有する、補強構造。
【請求項3】
各鉄筋コンクリートブロックは前記フレームを構成する柱又は柱及び梁の双方に固定されている、請求項2に記載の補強構造。
【請求項4】
前記鉄筋コンクリートブロックは、前記フレーム上に形成され前記建物の一部をなす鉄筋コンクリートスラブと一体をなす、請求項2又は3に記載の補強構造。
【請求項5】
さらに、前記棒部材の先端部の前記木製パネルの穴からの抜け出しを阻止するストッパを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の補強構造。
【請求項6】
前記棒部材はドリフトピンからなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物のフレームの補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の耐震補強を図るための構造の1つとして、既存の建物に適用される補強構造が提案されている。この補強構造は、建物の外部に配置され複数の階層にそれぞれ相対する複数の外殻と、建物の各階層の柱梁接合部に設けられた複数のピンとを備える。各外殻は形鋼からなり、建物の各階層の複数の柱に沿って縦方向へ伸びる部分と複数の梁に沿って横方向へ伸びる部分とを有する。各外殻は複数のピンを介して建物に支持され、また、複数の外殻は上下間において互いに連結され、全体に格子状を呈する。これによれば、建物にピンで支持された外殻により、地震時における建物へのモーメントの伝達の影響の回避が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来の耐震補強に鑑み、建物のフレームの補強に寄与する新たな補強構造を提供する。また、本発明は、木材面を現しとして、木質感の表出を可能とする新たなフレームの補強構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る建物のフレームの補強構造は、その一の実施の形態として、前記建物の外部に配置され前記フレームに相対する木製パネルと、前記フレームに前記木製パネルを支持する複数の鋼製の棒部材とを備える。複数の棒部材はそれぞれ前記フレームに固定された基端部と前記木製パネルに設けられた複数の穴に圧入された先端部とを有する。
【0006】
また、本発明に係る建物のフレームの補強構造は、他の一の実施の形態として、前記木製パネルと、複数の鋼製の棒部材と、複数の鉄筋コンクリートブロックとを備える。この実施の形態においては、前記鉄筋コンクリートブロックが前記フレームに固定されている。また、複数の棒部材はそれぞれ前記鉄筋コンクリートブロックに固定された基端部と前記木製パネルに設けられた複数の穴に圧入された先端部とを有し、前記複数の棒部材が前記鉄筋コンクリートブロックを介して前記木製パネルを前記フレームに支持する。本発明において「棒部材」とは、その基端部から先端部まで真っ直ぐに伸びておりまた同一の太さと同一の横断面形状とを有するものをいう。前記棒部材は、例えば、ドリフトピンからなる。
【0007】
本発明に係る補強構造は、建物のフレームに支持され該フレームに相対する木製パネルが前記フレームの補強及び前記フレームの剛性の増大に寄与する。
【0008】
また、本発明に係る補強構造にあっては、前記木製パネルを前記フレームに支持する複数の鋼製の棒部材が、これらの先端部において、前記木製パネルの複数の穴に圧入され、前記木製パネルは複数の棒部材に掛けられた状態におかれる。これによれば、地震時に前記建物に横方向への水平変位が生じるとき、前記建物のフレームに対する横方向への前記木製パネルの相対変位と、これに伴う前記木製パネルに対する前記穴の内部での前記棒部材の先端部の軸線方向への摩擦を伴う相対移動及び変形(曲げ)とが許容される。前記フレームに作用する地震荷重はその一部が前記棒部材の相対移動及び変形に費やされ、これにより地震荷重の一部が低減され、地震時における前記建物の層間変位が低減される。
【0009】
前記木製パネルに関して、前記棒部材の先端部の相対移動は、前記棒部材の先端部の曲げに伴って前記木製パネルが受けるせん断力の大きさの低減に寄与する。これにより、地震荷重の作用下における前記木製パネルのせん断破壊が防止される。好ましくは、地震の規模によって前記棒部材の先端部に生じることがある過剰な相対移動に伴う前記木製パネルの穴からの前記棒部材の先端部の抜け出しを阻止するストッパが設けられる。
【0010】
前記鉄筋コンクリートブロックを備える補強構造は、特に、鉄骨造のフレームの補強に適する。前記鉄筋コンクリートブロックは、前記建物の火災時における前記フレームから前記木製パネルへの熱の伝達を遮断し、前記木製パネルの発火を防止する熱橋回避手段としての働きをなす。各鉄筋コンクリートブロックは前記フレームにその柱又は柱及び梁の双方において固定されたものとすることができる。また、前記鉄筋コンクリートブロックは、前記フレーム上に形成され前記建物の一部をなす鉄筋コンクリートスラブと一体をなすものとすることができる。
【0011】
また、本発明によれば、前記木製パネルにより、前記建物の内外に向けてその木材面を現しとする木質感を表出することができる。さらに、本発明に係る補強構造は、片コア型建物の偏心率の低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】建物のフレームとこれに適用された補強構造とを概略的に示す正面図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿って得た縦断面図である。
【
図3】
図2の線3-3に沿って得た横断面図である。但し、図の煩雑回避のために柱が非断面で示されている。
【
図4】補強構造の他の例を概略的に示す部分正面図である。
【
図5】補強構造のさらに他の例を概略的に示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、複数の階層を有する新設の建物10の一部と、建物10の一の階層において横方向(図上左右方向)に連続する鉄骨造の複数のフレーム12に適用された補強構造14とが示されている。補強構造14の適用対象は、横方向に連続する複数のフレーム12とする図示の例に代えて、横方向に断続する1又は複数のフレーム12とすることができる。補強構造14は、鉄筋コンクリート造のフレームについても適用可能である。
【0014】
補強構造14が適用される建物10の各フレーム12は一対の柱16と両柱16間に配置されかつ両柱16に剛接合された梁18とからなり、建物10の外部に面している。図上、符号20は前記一の階層の各フレーム12の上階に位置する他の階層のフレームを構成する2つの柱を示す。前記他の階層の複数のフレームもまた補強構造14により補強することができる。また、符号22は前記一の階層の複数のフレーム12の梁18及び他の梁23(柱16に剛接合され建物10の内部に向けて伸びる梁)(
図2及び
図3参照)上に形成された前記上階の他の階層の鉄筋コンクリートスラブを示す。
【0015】
図示の柱16(柱20も同様に)は、
図2及び
図3に示すように、矩形の横断面形状を有する上下2つの鋼管からなる。柱16を構成する両鋼管16a、16bはこれらの間に配置された矩形のダイヤフラム24(
図2及び
図3参照)を介して互いに接合されている。また、柱16の上方の鋼管16aは矩形のダイヤフラム26を介して柱20(より詳細には柱20を構成する上下2つの鋼管のうちの下方の鋼管)に接合されている。他方、図示の梁18、23はH形鋼からなり、両ダイヤフラム24、26を介して両柱16に剛接合されている。なお、
図1においては、図の煩雑を回避するためにダイヤフラム24、26の記載が省略されている。
【0016】
補強構造14は、木製パネル28と、フレーム12に固定された2つの現場打ちの鉄筋コンクリートブロック30と、複数の鋼製の棒部材32(
図2、
図3)とを備え、木製パネル28は、複数の棒部材32により、両鉄筋コンクリートブロック30を介して、各フレーム12に支持されている。
【0017】
補強構造14を構成する木製パネル28は、直交集成板(CLT)、単板積層材(LVL)、無垢材等からなる。木製パネル28は建物10の外部に配置され複数のフレーム12及び鉄筋コンクリートブロック30に相対している。好ましくは、木製パネル28は、その変形が許容されるように、鉄筋コンクリートスラブ22に対してその下方に間隔をおいて配置され、鉄筋コンクリートスラブ22と木製パネル28との間に隙間33が設けられている。
【0018】
木製パネル28には、複数の棒部材32に対応する複数の穴28aが設けられている。木製パネル28の幅寸法(上下方向長さ)は任意に定めることができる。図示の木製パネル28は、フレーム12が規定する開口を通しての建物10の内部への採光を考慮して、その幅寸法が比較的小さいものに設定されている。このため、木製パネル28は前記横方向へ帯状に伸び、建物10の外部から見てフレーム12の上部(両柱16の上部及び梁18)を覆っている。また、木製パネル28の厚さ寸法は任意に定めることができる。
【0019】
両鉄筋コンクリートブロック30は、それぞれ、各フレーム12にこれを構成する2つの柱16において固定されている。図示の鉄筋コンクリートブロック30には水平に伸びる複数の頭付きスタッド34が埋設され、各頭付きスタッド34はその軸部の先端において柱16に固定されている。また、図示の鉄筋コンクリートブロック30は、建物10の建築現場に鉄筋コンクリートスラブ22及びコンクリートブロック30の双方を形成するために設置されまた配筋された型枠(図示せず)内にコンクリートを流し込むことにより形成されている。このため、図示の鉄筋コンクリートブロック30は鉄筋コンクリートスラブ22に連なりこれと一体をなしている。但し、鉄筋コンクリートブロック30は、図示の例に代えて、現場打ちにより鉄筋コンクリートスラブ22から分離、独立したものとして形成することができる。また、鉄筋コンクリートブロック30は前記現場打により形成されたものとすることに代えて、プレキャストコンクリートからなるものとすることができる。
【0020】
図示の例において、鉄筋コンクリートブロック30は柱16の幅寸法にほぼ等しい幅寸法と、梁18の高さ寸法(梁せい)より大きく、また、木製パネル28の幅寸法より小さい長さ寸法(上下方向長さ)と、木製パネル28の厚さ寸法にほぼ等しい厚さ寸法とを有する。但し、鉄筋コンクリートブロック30の幅寸法、長さ寸法及び厚さ寸法は任意に定めることができる。
【0021】
ここで、
図4を参照すると、鉄筋コンクリートブロック30の他の一例が示されている。この例の鉄筋コンクリートブロック30は、
図1に示す鉄筋コンクリートブロック30と比べて大きい長さ寸法を有する。この例では、鉄筋コンクリートブロック30の長さ寸法に合わせて、鉄筋コンクリートブロック30に相対する木製パネル28の一部28bの幅寸法が他の部分28cの幅寸法より大きいものに設定されている。
【0022】
また、
図5を参照すると、さらに他の一例としての鉄筋コンクリートブロック30が示されている。この鉄筋コンクリートブロック30にあっては、その立面形状が全体にT形を呈し、
図1に示す鉄筋コンクリートブロック30と比べて大きい幅寸法及び大きい長さ寸法をそれぞれ有する上部30a及び下部30bとを有する。この例では、鉄筋コンクリートブロック30の上部30aが柱16と、梁18及び柱16を共通の構成要素とする他のフレームの梁18の双方とに固定され、下部30bが柱16に固定されている。また、
図4に示す例におけると同様に、鉄筋コンクリートブロック30の長さ寸法に合わせて、鉄筋コンクリートブロック30に相対する木製パネル28の一部28bの幅寸法が他の部分28cの幅寸法より大きいものに設定されている。これによれば、フレーム12をその両柱16及び両柱16間の梁18の双方において補強することができる。
【0023】
木製パネル28を支持する棒部材32は、互いに相対する基端部32a及び先端部32bを有する。また、棒部材32は、その基端部32aから先端部32bまで真っ直ぐに伸びかつ同一の太さと同一の横断面形状とを有する。棒部材32は、好ましくは、円形の横断面形状を有するドリフトピンからなる。棒部材32の基端部32aは鉄筋コンクリートブロック30に埋設、固定され、鉄筋コンクリートブロック30中の頭付きスタッド34と平行に伸びている。また、棒部材32の先端部32bは鉄筋コンクリートブロック30から建物10の外部に向けて突出している。複数の棒部材32の先端部32bはそれぞれ木製パネル28の複数の穴28aに圧入されている。このため、棒部材32の先端部32bはその全周面において穴28aの周壁面の全部に接し、また、穴28aの周壁面から圧迫を受けた状態におかれている。棒部材32の先端部32bが受ける前記圧迫の程度すなわち接触圧は、棒部材32の太さ(直径)、棒部材32同士の相互間隔、棒部材32の先端部32bの長さ、棒部材32の総数等又はこれらの組み合わせを適宜に選択することにより任意に定めることができる。木製パネル28は、複数の棒部材32に掛けられた状態でまた鉄筋コンクリートブロック30を介してフレーム12に支持されている。
【0024】
フレーム12はその両柱16において木製パネル28により補強され、これによりフレーム12の剛性が増大され、また、地震時における建物10の各階の下階に対する相対的な水平変位である層間変位が低減される。補強構造14は、また、片コア型建物の偏心率の低減に寄与する。さらに、木製パネル28により、建物10の内外に向けてその木材面を現しとする木質感を表出することができる。
【0025】
この補強構造14によれば、地震時に建物10に横方向への水平変位が生じるとき、建物10の複数のフレーム12に対して、木製パネル28が水平方向へ相対的に変位する。このとき、木製パネル28の相対変位に伴って、棒部材32が、フレーム12に対して相対的に、木製パネル28の穴28aからの引き抜き力を受ける。その結果、棒部材32の先端部32bが木製パネル28の穴28aの内部をその軸線方向へ相対移動し、その一部分が穴28aの外部に引き出される。このとき、穴28aの周壁面と棒部材32の先端部32bとの間に摩擦力が生じる。また、穴28aの外部に引き出された棒部材32の先端部32bはその一部分において折り曲げられる。フレーム12に作用する地震荷重の一部は、前記摩擦力に抗しての棒部材32の前記相対移動及び折り曲げとに費やされ、これにより、前記地震荷重の一部が低減され、地震時における建物10の層間変位が低減される。
【0026】
また、棒部材32の先端部32bの相対移動は、棒部材32の先端部32bの曲げが木製パネル28に及ぼすせん断力の低減に寄与し、地震荷重の作用下における木製パネル28のせん断破壊が防止される。好ましくは、地震の規模によって棒部材32の先端部32bに生じることがある過剰な相対移動と、これに伴う木製パネル28の穴からの棒部材32の先端部32bの抜け出しとを阻止するストッパ36(
図2)が設けられる。
【0027】
ストッパ36は、例えば、建物10の外部に張り出す鉄筋コンクリートスラブ22の一部に固定された一片を有する山形の鋼製部材からなるものとすることができる(
図2参照)。前記鋼製部材は、その一片に連なる他の一片において、建物10の外部に面する木製パネル28の外面に相対している。
【0028】
ストッパ36は、図示の例に代えて、例えば、後記する態様で棒部材32の先端部32bに固定された、穴28aの径より大きい外径を有する筒形の鋼製部材(図示せず)からなる他の例とすることができる。すなわち、この他の例では、建物10の内部に面する木製パネル28の内面に開放する穴28aが、これに代えて、木製パネル28の内外両面に開放する、穴28aと同径の貫通穴とされ、棒部材32の先端部32bが前記貫通穴を経て木製パネル28の前記外面から突出するものとされる。また、前記貫通穴から突出する棒部材32の先端部32bがその先端部分において前記筒形の鋼製部材に嵌合されかつ固定される。ここにおいて、前記筒形の鋼製部材は木製パネル28の前記外面から棒部材32の軸線方向に間隔をおいた箇所に位置する。これにより、前記筒形の鋼製部材は棒部材32の先端部32bの木製パネル28の穴28aからの抜け出しを阻止するストッパとして機能する。
【0029】
鉄骨造のフレーム12に適用された図示の補強構造14にあっては、鉄筋コンクリートブロック30が建物10の火災時におけるフレーム12から木製パネル28への熱の伝達を遮断し、木製パネル28の発火を防止する熱橋回避手段としての働きをなす。
【0030】
但し、鉄骨造及び鉄筋コンクリート造のいずれのフレームについても、鉄筋コンクリートブロック30を有しない補強構造とすることが可能である。この補強構造において、鉄骨造のフレームについては、複数の棒部材32の基端部32aがフレーム12の両柱16又は両柱16及びこれらの間の梁18の双方に直接に固定される。また、鉄筋コンクリート造のフレームについては、複数の棒部材32の基端部32aがフレーム(両柱16又は両柱16及びこれらの間の梁18の双方)を形成する鉄筋コンクリート中に埋設される。
【符号の説明】
【0031】
10 建物
12 フレーム
14 補強構造
16 柱
18 梁
22 鉄筋コンクリートスラブ
28 木製パネル
30 鉄筋コンクリートブロック
32 棒部材
36 ストッパ