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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069208
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】流量制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178266
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005175
【氏名又は名称】藤倉コンポジット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宮森 賢蔵
(72)【発明者】
【氏名】山口 賢二
(72)【発明者】
【氏名】笹川 太郎
【テーマコード(参考)】
5H307
【Fターム(参考)】
5H307AA02
5H307AA14
5H307BB01
5H307BB05
5H307DD11
5H307EE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より小型化することが可能で、かつデザインの自由度がより高くなる流量制御装置を提供する。
【解決手段】流路を流れる流体の流量を制御するための機器と、前記機器を連結するとともに前記機器に流体を流通させるための流路と、を有する流量制御装置であって、流量制御装置は、流量調整ユニット20と流量センサユニット30とを含み、流量制御装置における流体の流路10の両端は、互いに背向しない方向に向けて開口する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量を制御するための機器と、前記機器を連結するとともに前記機器に流体を流通させるための流路と、を有する流量制御装置であって、
前記機器は、前記流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、前記流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサと、を含み、
前記流路の両端は、互いに背向しない方向に向けて開口している、流量制御装置。
【請求項2】
前記機器は、前記流路を流れる流体の圧力を調整するための圧力調整弁をさらに含む、請求項1に記載の流量制御装置。
【請求項3】
前記流路は、前記両端の間に、前記流路の一端における流体の流れ方向とは異なる方向へ前記流路の他端において流体が流れるように前記流路を曲げている屈曲部を含む、請求項1または2に記載の流量制御装置。
【請求項4】
前記屈曲部は、少なくとも前記機器のうちのいずれか二つの間に位置する、請求項3に記載の流量制御装置。
【請求項5】
前記流路中に介在して前記流路の一部を構成する連結ユニットをさらに有し、
前記連結ユニットは、前記屈曲部を含む、請求項4に記載の流量制御装置。
【請求項6】
流量を制御するための機器と、前記機器を連結するとともに前記機器に流体を流通させるための流路と、を有する流量制御装置であって、
前記機器は、前記流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、前記流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサと、を含み、
前記流路は、屈曲可能な連結管を含む、流量制御装置。
【請求項7】
前記機器は、前記流路を流れる流体の圧力を調整するための圧力調整弁をさらに含む、請求項6に記載の流量制御装置。
【請求項8】
前記連結管は、少なくとも前記機器のうちのいずれか二つの間に位置する、請求項6または7に記載の流量制御装置。
【請求項9】
前記流量センサは、前記流体の質量流量を検出する、請求項1~8のいずれか一項に記載の流量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量制御装置は、様々な分野において、流体の流量を制御するために用いられている。このような流量制御装置には、マスフローコントローラが知られている。マスフローコントローラでは、酸素濃縮器などの装置の小型化により、マスフローコントローラはコンパクトな構成であることが求められることがある。このようなマスフローコントローラは、流量調整弁および流量センサを直列に接続する流路の両端の開口が最短距離で背向するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-194833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来のマスフローコントローラは、弁およびセンサが直線状に配置され、また流路の配管がマスフローコントローラの両端で互いに背向して開口するため、このような構造が許容される場所に配置する必要がある。このため、マスフローコントローラが小型であっても、流体の流量の制御を要する装置における所望の位置に配置することが困難なことがある。
【0005】
本発明の一態様は、より小型化することが可能で、かつデザインの自由度がより高い流量制御装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る流量制御装置は、流量を制御するための機器と、前記機器を連結するとともに前記機器に流体を流通させるための流路と、を有する流量制御装置であって、前記機器は、前記流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、前記流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサと、を含み、前記流路の両端は、互いに背向しない方向に向けて開口している。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る流量制御装置は、流量を制御するための機器と、前記機器を連結するとともに前記機器に流体を流通させるための流路と、を有する流量制御装置であって、前記機器は、前記流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、前記流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサと、を含み、前記流路は、屈曲可能な連結管を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、より小型化することが可能で、かつデザインの自由度がより高い流量制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第一の例を模式的に示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第二の例を模式的に示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第三の例を模式的に示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第四の例を模式的に示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第五の例を模式的に示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第六の例を模式的に示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第七の例を模式的に示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第八の例を模式的に示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第九の例を模式的に示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第十の例を模式的に示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第十一の例を模式的に示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る流量制御装置の構成の第十二の例を模式的に示す図である。
図13】本発明の一実施形態の流量制御装置の構成を模式的に示す図である。
図14図13の流量制御装置をA-A線で切断した断面を示す部分断面図である。
図15】本発明の一実施形態における連結ユニットの構成を模式的に示す図である。
図16】本発明の一実施形態における連結ユニットにおける流路の構造を説明するための図である。
図17】本発明の一実施形態における連結ねじの構成を模式的に示す図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る流量制御装置の構成を模式的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態の流量制御装置は、流量を制御するための機器と、当該機器を連結するとともに当該機器に流体を流通させるための流路とを有する。
【0011】
上記機器は、流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサとを含む。流量調整弁は、流量の制御において求められる精度に応じて、流体の流量を調整可能な公知の弁から適宜に選択され得る。たとえば、流量調整弁は、流体の流量を十分に精密に制御する観点から、比例調整弁であってよい。
【0012】
流量センサは、制御すべき流量の精度および種類に応じて、流体の流量を検出可能な公知のセンサから適宜に選択され得る。たとえば、流量センサは、流体の質量流量を検出する質量流量センサであってもよいし、あるいは流体の体積流量を検出する体積流量センサであってもよい。
【0013】
上記機器は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記以外の他の構成をさらに有していてもよい。当該他の構成の例には、流路を流れる流体の圧力を調整するための圧力調整弁が含まれる。
【0014】
圧力調整弁は、流量調整弁および流量センサよりも上流側に配置されていれば、これらの機器の作動に適した圧力に流体の圧力を調整することが可能である。このように、圧力調整弁は、より下流側の状況に応じた流体の圧力を実現し、機器の作動の正確性および安定性を高める観点から好ましい。また、圧力調整弁は、流量制御装置で流量が制御された流体の使用に適した圧力に流体の圧力を調整することが可能である。
【0015】
なお、以下の実施形態では、圧力調整弁を備える形態についても説明するが、本発明の一態様に係る流量制御装置は、圧力調整弁を備えていなくてもよい。別に用意された圧力調整弁で圧力を調整した流体を当該流体制御装置に流入させてもよい。
【0016】
上記機器の連結の順序は、所期の流量を検出可能な範囲で適宜に決めることができる。たとえば、流量センサが質量流量センサである場合では、機器の使用条件が満たされる範囲において、機器の連結順序は限定されない。流量の検出および制御の精度を高める観点から、上記機器の連結順序は、上流側から、圧力調整弁、流量調整弁および流量センサであることが好ましい。また、流量センサが体積流量センサである場合には、流量センサは圧力調整弁よりも下流側に接続されていることが、流量の検出の精度を高める観点から好ましい。
【0017】
さらに、流量制御装置が有していてよい他の構成の例には、流量センサの検出値に応じて流量調整弁の開度を制御するための制御基板、前述した機器および流路を覆うカバー、および、前述した機器および流路を載置するための台座、が含まれる。
【0018】
上記流路は、流路に流す流体に応じて適宜に形成すればよく、流量制御装置において利用可能な管、孔、その他の空隙によって形成され得る。本実施形態において、流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。本実施形態において、流路の両端は、互いに背向しない方向(背中合わせではない方向)に向けて開口している。ここで、「流路の両端」とは、流量制御装置に固有の流路の開口端を意味する。
【0019】
当該流路は、当該流路の両端の間に、流路の一端における流体の流れ方向とは異なる方向へ流路の他端において流体が流れるように流路を曲げている屈曲部を含んでいてよい。当該屈曲部を含む流路は、両端の開口の間のいずれかの位置において、流路の入口における流入方向と流路の出口における流出方向とが異なる位置となるように曲がった形状となる。よって、両端の開口が互いに背向しない向きに開口する上記流路が形成される。
【0020】
ここで、「屈曲部」とは、前述した機器への流体の導入のための曲げと異なる角度で、あるいは当該曲げとは異なる向きへ曲がっている部分である。屈曲部は、上記流路中に一つであってもよいし、それ以上あってもよい。また、屈曲部によって流路が曲がる方向は限定されない。
【0021】
たとえば、屈曲部は、流路が水平方向に曲がる部分であってもよいし、鉛直方向に曲がる部分であってもよいし、斜め上に向けて曲がる部分であってもよい。また、屈曲部は、直角に流路が曲がる部分であってもよいし、鋭角に流路が曲がる部分であってもよいし、鈍角に流路が曲がる部分であってもよい。さらに、流路は屈曲部で構成されてもよい。たとえば、流路は弧状であってよく、この場合、流路全体が屈曲部とも言える。
【0022】
屈曲部は、少なくとも上記の機器のうちのいずれか二つの間に位置してよい。このような屈曲部は、その上流側および下流側に配置されている二つの機器の連結方向を曲げるように流路を曲げる。よって、流量制御装置において上記機器を所望の位置に配置するのに好適である。
【0023】
屈曲部は、屈曲部を含む流路が形成された部品によって流量制御装置内に導入されてもよい。すなわち、流量制御装置は、流路中に介在して流路の一部を構成する連結ユニットをさらに有してよく、当該連結ユニットは屈曲部を含んでもよい。連結ユニットについては、後により詳しく説明する。
【0024】
〔屈曲している流路を有する形態〕
本実施形態の流量制御装置の装置構成の具体例を図1図9に示す。図1図3は、それぞれ、本実施形態の流量制御装置における構成の第一の例から第三の例を模式的に示す図である。第一の例から第三の例は、いずれも、流路は、二か所の屈曲部Bを含む略U字形の形状を有しており、流路の両端は、いずれも同じ方向に開口している。第一の例から第三の例は、いずれも、機器間に屈曲部Bを有する。
【0025】
第一の例の流量制御装置は、図1に示されるように、流路10、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。流量調整ユニット20は、流量調整弁を含むユニットであり、流量センサユニット30は、流量センサを含むユニットである。なお、本明細書において、「ユニット」とは、流量制御装置を構成する単位構成であることを意味する。たとえば、流量調整ユニット20であれば、流量調整弁と、それに流体を流通させる流路と、流量調整弁を他の構成と連結するための構造とを含む。流量調整弁が単独で他の構成と接続可能であれば、流量調整ユニット20は流量調整弁のみから構成され得る。流量調整ユニット20は、流路10における屈曲部Bよりも上流側に配置されており、流量センサユニット30は、屈曲部Bよりも下流側に配置されている。
【0026】
第二の例の流量制御装置は、図2に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。圧力調整ユニット40は、圧力調整弁を含むユニットである。圧力調整ユニット40および流量調整ユニット20は、流路10における屈曲部Bよりも上流側に配置されており、流量センサユニット30は、屈曲部Bよりも下流側に配置されている。
【0027】
第三の例の流量制御装置は、図3に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20を有している。圧力調整ユニット40および流量センサユニット30は、流路10における屈曲部Bよりも上流側に配置されており、流量調整ユニット20は、屈曲部Bよりも下流側に配置されている。
【0028】
第一の例から第三の例は、いずれも流路の両端が同じ方向に向けて開口していることから、例えば、縦横の差が小さい矩形の空間に配置される流量制御装置に好適である。
【0029】
図4図6は、それぞれ、本実施形態の流量制御装置における構成の第四の例から第六の例を模式的に示す図である。第四の例から第六の例は、いずれも、流路は、一か所の屈曲部Bを含む略L字形の形状を有しており、流路の両端は、互いに、当該両端を通過する流体の流れる方向が交差する方向に開口している。第四の例から第六の例は、いずれも、流量センサユニット30内に屈曲部Bを有する。
【0030】
第四の例の流量制御装置は、図4に示されるように、流路10、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。流量調整ユニット20および流量センサユニット30は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量センサユニット30は、流量調整ユニット20に対して、流体の流れる方向が互いに交差する方向となるように配置されている。流路10は、流量センサユニット30の側方から流量センサユニット30に接続し、流量センサユニット30の端から下流側に延在している。流量センサユニット30内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0031】
第五の例の流量制御装置は、図5に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量センサユニット30は、圧力調整ユニット40および流量調整ユニット20の連結方向に対して、流量センサユニット30における流体の流れる方向が交差する方向となるように配置されている。流路10は、流量センサユニット30の側方から流量センサユニット30に接続し、流量センサユニット30の端から下流側に延在している。流量センサユニット30内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0032】
第六の例の流量制御装置は、図6に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20を有している。圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量センサユニット30は、圧力調整ユニット40に対して、流量センサユニット30における流体の流れる方向が交差する方向となる向きで配置されており、流量調整ユニット20は、流量センサユニット30にその下流側で連結している。流路10は、流量センサユニット30の側方から流量センサユニット30に接続し、流量センサユニット30の端から流量調整ユニット20へ延在している。流量センサユニット30内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0033】
第四の例から第六の例は、いずれも流路が略L字形であることから、例えば、屈曲した形状の空間に配置される流量制御装置に好適である。
【0034】
図7図9は、それぞれ、本実施形態の流量制御装置における構成の第七の例から第九の例を模式的に示す図である。第七の例から第九の例は、いずれも、流路は、一か所の屈曲部Bを含む略L字形の形状を有しており、流路の両端は、互いに、流体の流れる方向が交差する方向となる向きで開口している。第七の例から第九の例は、いずれも、流量調整ユニット20内に屈曲部Bを有する。
【0035】
第七の例の流量制御装置は、図7に示されるように、流路10、流量センサユニット30および流量調整ユニット20を有している。流量センサユニット30および流量調整ユニット20は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量調整ユニット20と流量センサユニット30とは、流体が流れる方向が互いに交差する方向となる向きで配置されており、流路10は、流量調整ユニット20の側方から流量調整ユニット20に接続し、流量調整ユニット20の端から下流側に延在している。流量調整ユニット20内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0036】
第八の例の流量制御装置は、図8に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量調整ユニット20は、圧力調整ユニット40に対して交差する方向となる向きで配置されており、流量調整ユニット20の下流側には流量センサユニット30が連結している。流路10は、流量調整ユニット20の側方から流量調整ユニット20に接続し、流量調整ユニット20の端から流量センサユニット30へ延在している。流量調整ユニット20内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0037】
第九の例の流量制御装置は、図9に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20を有している。圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20は、上流側からこの順で流路10によって連結されている。流量調整ユニット20は、圧力調整ユニット40および流量センサユニット30の連結方向に対して、流体の流れる方向が互いに交差する方向となるように配置されている。流路10は、流量調整ユニット20の側方から流量調整ユニット20に接続し、流量調整ユニット20の端から下流側へ延在している。流量調整ユニット20内の流路における流体の流れる方向が交差する部分が屈曲部Bである。
【0038】
通常、平面視したとき、流体が流れる方向における機器の長さは、流量調整ユニット20および圧力調整ユニット40のそれらに対して流量センサユニット30のそれの方が長い。よって、第七の例および第九の例は、いずれも流路が略L字形であるが、機器は略一直線状に配置される。したがって、第七の例および第九の例は、いずれも、例えば、従来のように細長な矩形の空間であるが流路の接続方向に制約がある場合の流量制御装置として好適である。
【0039】
また、第八の例は、第四の例から第六の例と同様に、例えば、屈曲した形状の空間に配置される流量制御装置に好適である。なお、本実施形態では、第四の例から第九の例における流量センサユニット30または流量調整ユニット20に代えて、圧力調整ユニット40に屈曲部Bが形成されてもよい。
【0040】
〔屈曲可能な流路を有する形態〕
本実施形態において、流路は、屈曲可能な連結管を含んでもよい。当該連結管は、前述の機器の少なくともいずれか一つに接続される管であり、可撓性を有する。連結管は、前述の機器のいずれか一つに接続されてもよいし、当該機器のうちのいずれか二つの間に位置してもよい。流路が連結管を含むと、機器に対してそれよりも上流側または下流側の流路が屈曲し得る。このように流路が連結管を含むことにより、流路の両端が互いに背向しない方向に向けて開口している流量制御装置を構成することが可能であり、また機器が一直線状に配列していない流量制御装置を構成することが可能である。
【0041】
連結管の例には、ウレタンチューブ、シリコーンチューブおよびナイロンチューブなどの可撓性を有する樹脂製のチューブ、ならびに、ステンレス鋼などの金属製のパイプ、が含まれる。
【0042】
図10図12は、それぞれ、本実施形態の流量制御装置における構成の第十の例から第十二の例を模式的に示す図である。第十の例から第十二の例は、いずれも、流路は、二つの機器を連結する屈曲可能な連結管を含み、連結管は前述した屈曲部を形成している。
【0043】
第十の例の流量制御装置は、図10に示されるように、流路10、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。流量調整ユニット20および流量センサユニット30は、可撓性を有する屈曲可能な連結管15によって連結されている。
【0044】
第十一の例の流量制御装置は、図11に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量調整ユニット20および流量センサユニット30を有している。圧力調整ユニット40と流量調整ユニット20、および、流量調整ユニット20と流量センサユニット30は、いずれも連結管15で連結されている。
【0045】
第十二の例の流量制御装置は、図12に示されるように、流路10、圧力調整ユニット40、流量センサユニット30および流量調整ユニット20を有している。圧力調整ユニット40と流量センサユニット30、および、流量センサユニット30と流量調整ユニット20は、いずれも連結管15で連結されている。
【0046】
第十の例から第十二の例は、いずれも機器が互いに連結管によって連結されており、機器の向きを自在に設定可能である。よって、これらの例は、例えば、比較的複雑な形状の空間に配置される流量制御装置に好適である。あるいは、これらの例は、例えば、流量制御装置の配置場所が確定していない装置への適用に好適である。
【0047】
以上のように、本実施形態の流量制御装置は、連結される機器の配置を様々に変更することが可能であり、それに応じて流量制御装置の平面形状を変更することが可能である。したがって、流量制御装置が配置される場所に収容可能な形状に流量制御装置を構成することが可能である。このように、本実施形態の流量制御装置は、機器の様々な配置によって省スペース化を実現することができる。したがって、本実施形態の流量制御装置は、小型の機器を用いれば小型の流量制御装置を構成することができ、より小型化することが可能で、かつデザインの自由度がより高い流量制御装置を実現することができる。
【0048】
〔より具体的な構成の説明〕
以下、本実施形態の流量制御装置の構成をより具体的に説明する。
【0049】
[構成の概要]
図13は、本発明の一実施形態に係る流量制御装置の構成を模式的に示す図である。図14は、図13の流量制御装置をA-A線で切断した断面を模式的に示す図である。図13に示されるように、流量制御装置1は、流量調整ユニット2、流量センサユニット3、圧力調整ユニット4、連結ユニット5、制御基板6およびカバー7を有している。
【0050】
なお、流量制御装置1の長手方向をX方向、短手方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。X方向は、圧力調整ユニット4と流量調整ユニット2との連結方向と同じである。Y方向は、圧力調整ユニット4または流量調整ユニット2と流量センサユニット3とが配列する方向である。Z方向は、X方向およびY方向の両方に直交する方向である。
【0051】
流量制御装置1は、図2に示される構造を有しており、流体の流れる方向において、上流側から、圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2、連結ユニット5および流量センサユニット3の順で連結されている。X方向における一端側から、圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2および連結ユニット5がこの順で配置されている。Y方向における一端側から圧力調整ユニット4および流量調整ユニット2、流量センサユニット3ならびに制御基板6がこの順で配置されている。連結ユニット5は、流量調整ユニット2および流量センサユニット3のX方向の他端側に配置されている。制御基板6は、Y方向における他端側に、流量センサユニット3に隣接して配置されている。カバー7は、上記のユニット、センサおよび制御基板6を一体的に覆う部品である。
【0052】
圧力調整ユニット4は、圧力調整弁を有している。圧力調整弁は、流体の圧力を所期の圧力に調整する弁であり、例えば、十分に高い圧力を有する流体の圧力を特定の圧力に下げる減圧弁である。また、圧力調整ユニット4は、X方向において対向する一対の側部に開口し、X方向に沿って延在し、圧力調整ユニット4の外部と圧力調整弁とを連結する流路を有している。開口部43は、圧力調整ユニットの流路における側部での開口部の一つである。
【0053】
流量調整ユニット2は、流量調整弁を有している。流量調整弁は、流量センサユニット3における流量の検出値に応じた制御基板6からの信号に応じて、流路の開度を制御する弁であり、例えば、当該信号に応じて流路の開度を連続的に変更可能な比例調整弁である。また、流量調整ユニット2は、X方向において対向する一対の側部に開口し、X方向に沿って延在し、流量調整ユニット2の外部と流量調整弁とを連結する流路を有している。また、流量調整ユニット2の流路の上流側における開口部は、圧力調整ユニット4の流路の下流側における開口部に対向し、連結している。
【0054】
連結ユニット5は、流量調整ユニット2の流路に連結する流路を有する。また、連結ユニット5は、流量調整ユニット2および圧力調整ユニット4に対して、連結ユニット5側から挿入されるねじによって一体に固定可能に構成されている。さらに、連結ユニット5は、流量センサユニット3に対して、流路を連結するとともに流量センサユニット3が連結ユニット5に固定されるように構成されている。連結ユニット5については後に説明する。
【0055】
流量センサユニット3は、流量センサを有している。流量センサは、流路における流体の流量を検出する機器であり、例えば流体の質量流量を検出する質量流量センサである。流量センサユニット3は、流体センサに流体を流通させる流路を有し、当該流路の両端部にはそれぞれ雌ねじが形成されており、これに対応する雄ねじが螺合可能である。開口部31は、流量センサユニット3の流路における下流側の開口部である。流量センサユニット3は、連結ねじ57によって連結ユニット5へ、流体が流通可能に固定されている。
【0056】
制御基板6は、外部により入力される流量設定値に応じた信号と、流量センサユニット3における流量センサの検出値とに応じて、流量調整弁の開度を制御する信号を生成し、発信する。
【0057】
カバー7は、略直方体の外形を有している。カバー7は、その一側面に切り欠き部を有しており、当該切り欠き部に、圧力調整ユニット4における上流側の流路の開口部43および流量センサユニット3の下流側の開口部31が位置している。これらの開口部は、流量制御装置1における流体の流路の両端として外部に向けて開口している。
【0058】
[連結ユニット]
図15は、本発明の一実施形態における連結ユニットの構成を模式的に示す図である。図16は、本発明の一実施形態における連結ユニットにおける流路の構造を説明するための図である。連結ユニット5は、図15および図16に示されるように、連結部51と支持部52とを有しており、平面視したときに略L字形の形状を有している。支持部52は、Y方向における連結部51の他端部であってZ方向における連結部51の下部から延出する略四角柱形状の部分であり、略L字形における長辺の部分に相当する。
【0059】
連結部51は、Y方向を長手方向とする矩形の板状の部分であり、Z方向に起立している。連結部51は、略L字形における短辺の部分に相当する。連結部51は、第一連結口53、第二連結孔54、第三連結孔55および貫通孔59を有している。
【0060】
第一連結口53は、連結部51のX方向における一端側であってY方向における一端部に開口する穴であり、流量調整ユニット2の下流側に開口する流路と接続可能に形成されている。第二連結孔54は、連結部51のY方向における一端面に開口し、Y方向に沿って延在する孔である。第三連結孔55は、連結部51のY方向における他端部であってZ方向における上部に、X方向に沿って延在する孔である。貫通孔59は、連結部51においてX方向に沿って延在する孔であり、連結ユニット5、流量調整ユニット2および圧力調整ユニット4を連結するねじが挿入される。
【0061】
第二連結孔54は、第一連結口53に繋がるとともに第三連結孔55の内周壁に開口している。第二連結孔54における開口部から第一連結口53との接続部までの流路は、当該開口部から挿入されたピン56によって密閉されている(図13参照)。第三連結孔55には、連結ねじ57が挿通される。
【0062】
[連結ねじ]
図17は、本発明の一実施形態における連結ねじの構成を模式的に示す図である。図17に示されるように、連結ねじ57は、その軸方向に沿って、略円柱状の径大部571とそれに連なるネジ部572とを有する。
【0063】
径大部571は、図17および図14に示されるように、円板部573、溝部574、第一フランジ部575、第二フランジ部576、第三フランジ部577、第一連通孔578および第二連通孔579を有する。ねじ部572は、径大部571よりも小径の略円筒状の部分である。ねじ部572の外周面の先端部に、流量センサユニット3の流路端部の雌ねじに螺合するねじが形成されている。
【0064】
径大部571において、円板部573は、径大部571の一端に配置される円板状の部分である。溝部574は、円板部573の表面に形成された直線状の溝である。第一フランジ部575、第二フランジ部576および第三フランジ部577は、いずれも、径大部571の外周面から突出する突条である。連結ねじ57の軸方向における第一フランジ部575の位置は、円板部573と第一フランジ部575との間にOリング58が配置可能な位置である。同様に、連結ねじ57の軸方向における第二フランジ部576および第三フランジ部577の位置は、これらのフランジ部の間にOリング58が配置可能な位置である。
【0065】
連結ねじ57の軸方向における第一フランジ部575と第二フランジ部576との間には、第一連通孔578が開口している。第一連通孔578は、径大部571における第一フランジ部575と第二フランジ部576との間の部分を、連結ねじ57の軸方向に直交する方向に延在する貫通孔である。第二連通孔579は、ねじ部572の先端面に開口し、連結ねじ57の軸方向に沿って当該先端面から第一連通孔578まで延在する孔である。
【0066】
流量制御装置1は、前述した主要な構成以外にも、凹部、貫通孔、ボスなどの各ユニットを互いに連結するための構造を適宜に有している。
【0067】
[組み立て方法]
圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2および連結ユニット5を、この順で、かつ流路を互いに接続させつつ連結する。流路の連結部分は、管接続の公知の構成で構成されており、Oリングなどのシール部材が適宜に配置されており、流路は、気密に接続される。圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2および連結ユニット5は、貫通孔59から挿入されたねじによって、互いに連結した状態で固定される。
【0068】
一方で、連結ねじ57における円板部573と第一フランジ部575との間、および、第二フランジ部576と第三フランジ部577との間、のそれぞれに、Oリング58を嵌め込む。連結ユニット5の支持部52に流量センサユニット3が載置されている状態で、連結ユニット5の第三連結孔55に連結ねじ57を挿入する。溝部574にマイナスドライバを押し当てて連結ねじ57を回転させることにより、ねじ部572と流量センサユニット3の流路端部とが螺合する。こうして、連結ユニット5と流量センサユニット3とが、互いの流路が連結した状態で互いに固定される。
【0069】
ねじ部572が流量センサユニット3の流路の開口部に螺合した状態において、Oリング58は、第三連結孔55の内周面に密着する。また、連結ねじ57の径大部571における第一フランジ部575と第二フランジ部576との間の部分は、第三連結孔55の内周面に対して隙間を有しており、また第二連結孔54の開口部に対向している。当該隙間は、Oリング58によって気密に区切られる。さらに、ねじ部572と流量センサユニット3との螺合によって第二連通孔579は、流量センサユニット3の流路と気密に連結される。このようにして、連結ユニット5には、流量調整ユニット2の流路と流量センサユニット3の流路とを連結する、外部に対して気密な流路が形成される。
【0070】
圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2、連結ユニット5および流量センサユニット3が上記のようにして一体に固定された後に、制御基板6およびカバー7が適宜に配置される。
【0071】
[流量の制御]
制御基板6は、流量調整ユニット2における流量調整弁の開度を制御するための制御信号を発信する。制御基板6には、流量センサユニット3における流量センサの検出値の信号が供給され、制御基板6は、当該信号に応じた流量調整弁の開度に対応する信号を流量調整弁に発信する。よって、開口部43を介して流量制御装置1に供給された流体の流量は、流量制御装置1によって所望の質量流量に制御され、所望の流量で開口部31から排出される。流体は、流量制御装置で制御された質量流量で後段にて利用される。
【0072】
[有利な効果]
流量制御装置1は、各ユニットおよびセンサが一列に連結されて構成される場合に比べて、X方向における長さをより短くすることが可能である。また、流量センサユニット3の横方向の寸法は、通常、圧力調整ユニットおよび流量調整ユニットのそれに比べて長い。よって、圧力調整ユニットおよび流量調整ユニットを連結して流量センサユニット3に併設することにより、長手方向(X方向)の長さがより短い大きさの空間に設置することが可能である。このように、流量制御装置1は、より小型化することが可能で、かつデザインの自由度がより高い流量制御装置を実現することができる。よって、流量制御装置1は、小型であり、また所望の位置に配置することができる。
【0073】
〔連結に関する他の実施形態〕
本発明の実施形態では、連結ユニットと流量センサとの連結は、流量センサの流路端部の構造に応じて適宜に設定することが可能である。図18は、本発明の他の実施形態に係る流量制御装置の構成を模式的に示す部分断面図である。図18は、本実施形態の流量制御装置を、図13に示すA-A線のような線で切断したときの断面を含む。
【0074】
本実施形態の流量制御装置11は、図18に示されるように、圧力調整ユニット4、流量調整ユニット2、連結ユニット150および流量センサユニット130を有する。圧力調整ユニット4および流量調整ユニット2は、前述した流量制御装置1のそれと同じである。
【0075】
連結ユニット150は、第三連結孔55に代えて第三連結口155を有し、支持部52を有さない以外は、前述した連結ユニット5と同様の構成を有している。連結ユニット150は、YZ方向に延在する矩形の板状の部品であり、X方向における一端側の表面であってY方向における他端部に開口する第三連結口155を有している。なお、貫通孔159は、開口部にテーパを有する以外は前述の貫通孔59と同様に構成されている。
【0076】
第三連結口155は、有底の穴であり、その内周面には第二連結孔154が開口している。第二連結孔154は、外部、第一連結口および第三連結口155を連通する孔であり、不図示のピンによって外部の開口部から第一連結口までの流路が密閉されている。第三連結口155の開口端縁には、Oリング158が嵌合可能な凹条が周設されている。
【0077】
流量センサユニット130は、流量センサ131と流量センサ131を固定するための固定ブロック132とを有している。流量センサユニット130は、その流路の他端部が、タケノコ継手133となっている以外は、流量センサユニット3と同様に構成されている。タケノコ継手133は、その外径が先端に向けて漸次減少するテーパ形状を有する。
【0078】
第三連結口155の開口における凹条にOリング158を装着し、タケノコ継手133を第三連結口155に挿入する。タケノコ継手133の外周面がOリング158に密着する。こうして、連結ユニット150と流量センサユニット130とが、互いの流路が連結した状態で互いに固定される。
【0079】
第三連結口155は、タケノコ継手133およびOリング158によって外部に対して気密に塞がれる。一方で、第三連結口155の底部とタケノコ継手133外周面の先端部との間には隙間が形成されている。よって、第二連結孔154は、第三連結口155を介してタケノコ継手133と、流体の流通が可能に連結される。このようにして、連結ユニット150には、流量調整ユニット2の流路と流量センサユニット130の流路とを連結する、外部に対して気密な流路が形成される。
【0080】
流量制御装置11は、流量センサユニット130における流路の開口端の構造に応じた構成を連結ユニット150が有することにより、流量制御装置1と同様に、小型であり、また所望の位置に配置することができる。
【0081】
〔用途〕
本実施形態に係るいずれの流量制御装置も、その設置場所の空間形状に制約がある場合に有効である。たとえば、本実施形態の流量制御装置は、流量制御装置を搭載する装置(親機)が携帯の用途などのために小型であることから、従来の細長かつ十分な高さがある形状の空間が存在しない場合に有効である。あるいは、本実施形態の流量制御装置は、そのような空間の両端に流体の流路を接続できない場合にも有効である。あるいは、本実施形態の流量制御装置は、親機の改造に伴い流量制御装置を追加で設置するために十分な広さおよび形状の設置空間を親機に形成できない場合にも有効である。
【0082】
本実施形態に係る流量制御装置は、液体および気体のいずれの流量の制御にも適用することが可能である。また、本実施形態に係る流量制御装置は、流体の流量の制御について要求される精度の制御が可能な範囲において、いかなる流体の流量の制御にも適用することが可能である。たとえば、本実施形態に係る流量制御装置は、在宅酸素療法などの医療における濃縮酸素の供給装置に適用され得る。その他にも本実施形態に係る流量制御装置は、半導体製造、化学品製造およびファクトリーオートメーションなどの工業分野にも適用され得る。本実施形態の流量制御装置における流体の流量の制御値は、当該流量制御装置あるいはその親機の用途に応じて適宜に決めることが可能である。
【0083】
〔変形例〕
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
たとえば、圧力調整ユニットまたは流量調整ユニットの表面に開口し上記圧力調整弁または流量調整弁に連通する貫通孔を複数形成し、そのうちの任意の二つ以外を前述したようにピンで密閉してもよい。このような構成によって、流量調整ユニットおよび圧力調整ユニットに屈曲部を形成することが可能である。また、流量センサに上記のような互いに交差する複数の貫通孔を有するブロックを接続することにより、同様に流量センサユニットにも屈曲部を形成することが可能である。さらに前述の連結ユニットに代えて上記のようなブロックを用いることにより、上記ユニット間に流路を90°曲げる屈曲部を導入することが可能である。
【0085】
また、上記ユニットに、可撓性を有する管によって連結することによって、ユニットの配置を自在に調整可能な流量制御装置を構成することが可能である。
【0086】
〔まとめ〕
本発明の実施形態に係る流量制御装置(1、11)は、流量を制御するための機器と、機器を連結するとともに機器に流体を流通させるための流路(10)とを有する。そして、上記の機器は、流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサとを含み、流路の両端は、互いに背向しない方向に向けて開口している。このため、当該流量制御装置は、両端に流体の対向する流路を有する細長い空間以外の空間に設置することが可能である。したがって、当該流量制御装置は、小型化することが可能であり、かつデザインの自由度をより高めることができる。
【0087】
本発明の実施形態に係る流量制御装置において、流路は、両端の間に、流路の一端における流体の流れ方向とは異なる方向へ流路の他端において流体が流れるように流路を曲げている屈曲部(B)を含んでもよい。流路が屈曲部を含むことは、流量制御装置における機器の配置の自由度を高める観点からより一層効果的である。
【0088】
本発明の実施形態に係る流量制御装置において、屈曲部は、少なくとも機器のうちのいずれか二つの間に位置してもよい。屈曲部が機器間に位置することは、流量制御装置における機器の配置の自由度を高める観点からより一層効果的である。
【0089】
本発明の実施形態に係る流量制御装置は、流路中に介在して流路の一部を構成する連結ユニット(5、150)をさらに有し、当該連結ユニットが屈曲部を含んでもよい。流量制御装置が屈曲部を含む連結ユニットをさらに有することは、流量制御装置における機器の配置の自由度を高める観点からより一層効果的である。
【0090】
あるいは、本発明の実施形態に係る流量制御装置は、流量を制御するための機器と、機器を連結するとともに機器に流体を流通させるための流路とを有する。そして、機器は、流路を流れる流体の流量を調整するための流量調整弁と、流路を流れる流体の流量を検出するための流量センサとを含み、流路は、屈曲可能な連結管(15)を含む。このため、当該流量制御装置は、設置されるべき空間の形状に応じて機器の配置を適宜に設定する可能である。したがって、当該流量制御装置は、小型化することが可能であり、かつデザインの自由度をより高めることができる。
【0091】
本発明の実施形態に係る流量制御装置において、機器は、流路を流れる流体の圧力を調整するための圧力調整弁をさらに含んでもよい。機器が圧力調整弁をさらに含むことは、流体の流量の精度を高める観点からより一層効果的である。
【0092】
本発明の実施形態に係る流量制御装置において、連結管は、少なくとも機器のうちのいずれか二つの間に位置してもよい。連結管が機器間に位置することは、流量制御装置における機器の配置の自由度を高める観点からより一層効果的である。
【0093】
本発明の実施形態に係る流量制御装置において、流量センサは、流体の質量流量を検出してもよい。流量センサが質量流量センサであることは、流体の流量の精度を高める観点からより一層効果的である。
【符号の説明】
【0094】
1、11 流量制御装置
2、20 流量調整ユニット
3、30、130 流量センサユニット
4 圧力調整ユニット
5、150 連結ユニット
6 制御基板
7 カバー
10 流路
15 連結管
31、43 開口部
40 圧力調整ユニット
51 連結部
52 支持部
53 第一連結口
54、154 第二連結孔
55 第三連結孔
56 ピン
58、158 Oリング
59、159 貫通孔
131 流量センサ
132 固定ブロック
133 タケノコ継手
155 第三連結口
571 径大部
572 ネジ部
573 円板部
574 溝部
575 第一フランジ部
576 第二フランジ部
577 第三フランジ部
578 第一連通孔
579 第二連通孔
B 屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18