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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069324
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】扉を固定する扉固定装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 5/02 20060101AFI20220428BHJP
   E04H 13/00 20060101ALI20220428BHJP
   E05D 3/02 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E05D5/02
E04H13/00 J
E05D3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178443
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】507099583
【氏名又は名称】有限会社河野石材店
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠次
【テーマコード(参考)】
2E030
【Fターム(参考)】
2E030AB01
2E030BB00
2E030CA01
2E030CB01
2E030CC01
2E030EA02
2E030EB03
2E030EB06
(57)【要約】
【課題】扉を固定する扉固定装置を提供する。
【解決手段】
扉固定装置は、空所を閉塞する扉本体と、扉本体の背面に固定した取り付け部と、を具備する扉と、扉を固定するために、取付け部の上部と下部とを挟み込むように固定する押さえ部材と、を有し、押さえ部材は、上部に配置する上端部と、下部に配置する下端部と、を有し、上端部を上部に配置し、下端部を下部に配置するとともに、上端部と上部の間、または、下端部と下部の間の双方またはいずれか一方に配置する押さえつけ部と、をさらに有し、押さえつけ部は、上部または下部のいずれか一方または双方を押さえつけるというものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空所を閉塞する扉本体と、前記扉本体の背面に固定した固定部と、を具備するとともに、前記固定部の上端に配置した上部と、前記固定部の下端に配置した下部と、をさらに具備する扉と、
前記扉を固定するために、前記固定部の上部と下部とを挟み込むように固定する押さえ部材と、を有し、
前記押さえ部材は、前記上部に配置する上端部と、前記下部に配置する下端部と、を有し、
前記上端部を前記上部に配置し、前記下端部を前記下部に配置するとともに、前記上端部と前記上部の間、または、前記下端部と前記下部の間の双方またはいずれか一方に配置する押さえつけ部と、をさらに有し、
前記押さえつけ部は、前記上部または前記下部のいずれか一方または双方を押さえつけて固定する扉固定装置。
【請求項2】
前記上端部または下端部にねじ孔と、
前記ねじ孔に螺合するねじと、を有し、
前記ねじを、前記ねじ孔に螺号させることで、
前記ねじが、前記押さえつけ部を押さえつけて、前記上端部または下端部を押圧する請求項1記載の扉固定装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、前記上端部と下端部とを接続する本体部と、を有し、
前記本体部は、前記扉部を回転可能に取り付けるための蝶番片を取り付ける蝶番取り付け部と、を有する請求項1または2記載の扉固定装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記上端部と下端部とを接続する他の本体部と、を有し、
前記他の本体部は、前記扉部を回転可能に取り付けるための他の蝶番片と、をさらに有する請求項1または2記載の扉固定装置。
【請求項5】
空所を閉塞する扉本体と、前記扉本体の背面に固定した第4固定部と、を具備するとともに、前記第4固定部は、その第4固定部の前面に配置した前面側面部と、その第4固定部の背面に配置した背面側面部と、をさらに具備する扉と、
前記扉を固定するために、前記前面側面部と前記背面側面部とを挟み込むように固定する第4押さえ部材と、を有し、
前記第4押さえ部材は、第4本体部と、第2側面押さえ板と、を有し、
前記第4本体部を、前記背面側面部に配置し、前記第2側面押さえ板を前記前面側面部に配置し、前記第4本体部と前記第2側面押さえ板とを接続することで、第4押さえ部材を前記第4固定部に固定する扉固定装置。
【請求項6】
前記第4本体部は、前記扉部を回転可能に取り付けるための蝶番片を取り付ける蝶番取り付け部と、をさらに有する請求項5記載の扉固定装置。
【請求項7】
請求項3または6記載の扉固定装置を固定するために、
前記蝶番片と回転可能に接続する第2蝶番片と、
前記第2蝶番片と接続した支持部材と、
前記支持部材を固定するための石材類の固定部材と、を有し、
前記固定部材は、前記支持部材を配置するへこみとなる凹部と、を有し、
前記空所は、その内部に、底面である底部と、を有し、
前記凹部に、前記支持部材を配置し、かつ、前記固定部材を前記底部である底面に接着することで前記支持部材を固定する固定装置。
【請求項8】
請求項4記載の扉固定装置を固定するために、
前記他の蝶番片と回転可能に接続する他の第2蝶番片と、
前記他の第2蝶番片を有する他の支持部材と、
前記他の支持部材を固定するための石材類の固定部材と、を有し、
前記固定部材は、前記他の支持部材を配置するへこみとなる凹部と、を有し、
前記空所は、その内部に、底面である底部と、を有し、
前記凹部に、前記他の支持部材を配置し、かつ、前記固定部材を前記底部である底面に接着することで前記他の支持部材を固定する固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉を固定する扉固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、墓石を囲んで配置される石材製の構築物である外柵に、墓参に使用する物品を収納するための内部空間を設けたものが存在していた。この内部空間に墓参に必要な線香、ローソクなどを収納することができた。しかしながら、その内部空間ごみや埃の進入又は蜂の巣を作るといった問題が起こることにより、これを防ぐ必要に迫られることになった。
【0003】
そこで本願発明者は、特開2018-62795号公報において、「墓所設備において燈明を配置するために墓所設備に設けた空所と、上記空所に燈明を配置するために空所を囲む閉塞面と、上記閉塞面に形成した開閉手段と、上記燈明に着火するために開閉手段に制限的に形成した着火口と、上記着火口を開閉する開閉部材とを具える」という手段を講じた発明を開示している。
【0004】
これは、例えば、上記公報における段落〔0030〕および図6に開示されているように、「空所21の開口に固定されるフレーム34と、空所21を開閉する空所開閉体35とを有している。空所開閉体35はフレーム34に納まる大きさの板状に形成されるとともに、フレーム34に軸支されるヒンジ軸39aを中心に回転するように設けられた、ヒンジ軸39aの軸受け部39bを一側辺に有している。なお、ヒンジ軸39aは軸受け39cに取り付けられ、軸受け部39bと共にヒンジ部39を構成する。」というものである。
【0005】
しかしながら、ヒンジ軸39aと、軸受け部39bとのクリアランスが大きすぎるとその回転軸であるヒンジ軸39aと軸受け部39bが一直線上にないため空所開閉体35が傾斜した状態で開閉する場合がある。このとき、空所21の開口部とその空所開閉体35の位置合わせが必要となり、現場においての加工性に問題が生じる場合がある。
【0006】
また、図示しないが、石材製の開閉する扉に回転軸となる凸部を開閉扉の上下に回転軸として構成すると共に、その開閉扉の回転軸としての上述の凸部が嵌合する凹部を空所の入り口の上下に配置するということもできる。しかしながら、凹部を構成する上部の部材と下部の部材を独立して構成しそれらを開口部に取り付けると共に、開閉扉の回転軸としての凸部を、その凹部に取りつける必要がある。その場合、独立した上部部材と下部部材を、空所の入り口の上下に配置するときに、その凹部に、開閉扉の回転軸としての上述の凸部を嵌合するように取り付けるが、それらの位置あわせを現場においてすることは施工性において問題がある。
【0007】
そこで、市販されているヒンジを使用することができれば、現場においての加工性の問題が生じないものの、市販されているヒンジを、石材である空所の入り口に固定する場合に問題が生じる場合がある。
【0008】
すなわち、金属製のヒンジを石材に固定する方法として接着剤を使用する場合があるが、金属と石材との温度による収縮率の相違から、長年の使用により、金属と石材とが剥離する場合があり、長期にわたって使用する石材類においては適当ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2018-62795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、扉を固定する扉固定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、第1観点の扉固定装置は、空所を閉塞する扉本体と、扉本体の背面に固定した固定部と、を具備するとともに、固定部の上端に配置した上部と、固定部の下端に配置した下部と、をさらに具備する扉と、扉を固定するために、固定部の上部と下部とを挟み込むように固定する押さえ部材と、を有し、押さえ部材は、上部に配置する上端部と、下部に配置する下端部と、を有し、上端部を上部に配置し、下端部を下部に配置するとともに、上端部と上部の間、または、下端部と下部の間の双方またはいずれか一方に配置する押さえつけ部と、をさらに有し、押さえつけ部は、上部または下部のいずれか一方または双方を押さえつけて固定するというものである。
【0012】
また、第2観点の扉固定装置は、第1観点において、上端部または下端部にねじ孔と、ねじ孔に螺合するねじと、を有し、ねじを、ねじ孔に螺号させることで、ねじが、押さえつけ部を押さえつけて、上端部または下端部を押圧するというものである。
【0013】
また、第3観点の扉固定装置は、第1観点または第2観点において、押さえ部材は、上端部と下端部とを接続する本体部と、を有し、本体部は、扉部を回転可能に取り付けるための蝶番片を取り付ける蝶番取り付け部と、を有するというものである。
【0014】
また、第4観点の扉固定装置は、第1観点または第2観点において、押さえ部材は、上端部と下端部とを接続する本体部と、を有し、本体部は、扉部を回転可能に取り付けるための蝶番片と、をさらに有するというものである。
【0015】
また、第5観点の扉固定装置は、空所を閉塞する扉本体と、扉本体の背面に固定した第4固定部と、を具備するとともに、第4固定部は、その第4固定部の前面に配置した前面側面部と、その第4固定部の背面に配置した背面側面部と、をさらに具備する扉と、扉を固定するために、前面側面部と背面側面部とを挟み込むように固定する第4押さえ部材と、を有し、第4押さえ部材は、第4本体部と、第2側面押さえ板と、を有し、第4本体部を、背面側面部に配置し、第2側面押さえ板を前面側面部に配置し、第4本体部と第2側面押さえ板とを接続することで、第4押さえ部材を第4固定部に固定するというものである。
【0016】
また、第6観点の扉固定装置は、第5観点において、第4本体部は、扉部を回転可能に取り付けるための蝶番片を取り付ける蝶番取り付け部と、をさらに有するというものである。
【0017】
また、第7観点の固定装置は、第3観点または第5観点における扉固定装置を固定するために、蝶番片と回転可能に接続する第2蝶番片と、第2蝶番片と接続した支持部材と、支持部材を固定するための石材類の固定部材と、を有し、固定部材は、支持部材を配置するへこみとなる凹部と、を有し、空所は、その内部に、底面である底部と、を有し、凹部に、支持部材を配置し、かつ、固定部材を底部である底面に接着することで支持部材を固定するというものである。
【0018】
また、第8観点の固定装置は、第4観点における扉固定装置を固定するために他の蝶番片と回転可能に接続する他の第2蝶番片と、他の第2蝶番片を有する他の支持部材と、他の支持部材を固定するための石材類の固定部材と、を有し、固定部材は、他の支持部材を配置するへこみとなる凹部と、を有し、空所は、その内部に、底面である底部と、を有し、凹部に、他の支持部材を配置し、かつ、固定部材を底部である底面に接着することで他の支持部材を固定するというものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、扉を固定する扉固定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】墓所設備の全体斜視図である。
図2】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第1実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する固定装置の概念図である。
図3図2の平面概念図である。
図4】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第1実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する固定装置の分解斜視図である。
図5】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第2実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する第2固定装置の概念図である。
図6A】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第2実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する第2固定装置の分解斜視図である。
図6B】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第2実施例の他の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する他の第2固定装置の分解斜視図である。
図7】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第3実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する第3固定装置の概念図である。
図8】墓所設備の一部を抜き出して図示した扉が開いた状態を示した第3実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する第3固定装置の分解斜視図である。
図9】第4実施例の扉固定装置と、支持部材と、固定部材と、を有する第4固定装置の概念図である。
図10】第4実施例の扉固定装置の分解斜視図である。
図11】第1実施例の扉固定装置と、支持部材と、第2固定部材と、を有する第4固定装置の概念図である。
図12】第1実施例の扉固定装置と、支持部材と、第2固定部材と、を有する第4固定装置の分解斜視図である。
図13】第2支持部材と第3固定部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
第1実施例の扉固定装置10は、墓所設備180において空所500を塞ぐ扉20と、その扉20を固定する押さえ部材50とを有するものである。また、墓所設備180とは、墓所において、墓石、香炉、外柵、花立を有する花立部をいい、それらは石材類で構成されているものをいう。この空所500は墓参に必要な線香、ローソクなどを収納することができるものである。また、石材類とは、花崗岩・閃緑岩・斑レイ岩・安山岩・玄武岩および、結晶質石灰岩の大理石が含まれる。また大理石には、人造大理石あるいは人工大理石も含まれる趣旨である。
【0022】
また、扉20は、石材類で構成されており、扉本体30と、その裏側に配置する固定部40とを有する。扉本体30は、空所500を塞ぐものであり固定部40は、その扉本体30を支持するためのものである。また、固定部40は四角柱の形状を呈している。もっとも石材類以外の例えば木製の扉にも適用できることは言うまでもない。
【0023】
固定部40は、文字通り、上方に配置された上部41と、下方に配置された下部42とを有する。上部41は、水平面を有するとともに、下部42も、水平面を有する。また固定部40は、扉本体30に固定されている。それらは石材類を接着する公知の接着剤で接着することができる。また、扉本体30と、固定部40とを一体として作成することができる。これらは無垢の石材から削り出して作成することができる。
【0024】
押さえ部材50は、コの字状を呈し、上端部60と下端部70と本体部80とを有し、本体部80は、上端部60と上端部70とを接続するものである。また、さらに、扉固定装置10は押さえつけ部85を有するものである。押さえつけ部85は板状を呈するものである。また、さらに、ねじ部90を有するものである。また、上端部60は、ねじ部90と螺合するねじ孔61、61を有する。
【0025】
また、本体部80は、後述する蝶番200に取り付けるための蝶番取り付け部95を有するものである。これについてはさらに後述する。
【0026】
上記構成の扉20を押さえ部材50で固定する方法について説明する。押さえ部材50における上端部60を、固定部40における上部41に配置するとともに、下端部70を、下部42に配置する。また、押さえつけ部85は、上端部60と、上部41の間に配置する。
【0027】
この状態で、ねじ部90、90を、上端部60に配置したねじ孔61、61に螺号させる。ねじ部90、90は雄螺子であり、ねじ孔61、61は、雌螺子を構成しているので、ねじ部90、90をねじ孔61、61にねじ込むことができる。すなわち、それらは螺合することができる。
【0028】
ねじ孔61、61にねじ込まれた、ねじ部90、90は、上端部60と上部41の間に配置された押さえつけ部85を押圧する。これにより押さえつけ部85は、上部41を押さえつけるとともに、下端部70は、下部42を押さえつけるので、上端部60と、下端部70はそれぞれ、固定部40における上部41と、下部42とを固定することができる。
【0029】
このように石材類で構成された扉20に、扉固定装置10を固定することができる。したがって、扉固定装置10において、扉20と、押さえ部材50との固定に必ずしも接着剤は必要としないというものである。もっとも、上端部60と上端部70、押さえつけ部85および上部41、下部42に接着剤を使用することを排除するものではない。上記扉20は石材類で構成されたことが好ましいが、それ以外の材料例えば木材の扉を排除するものではない。
【0030】
押さえ部材50における蝶番取り付け部95は、本体部80に取り付けられており、板状の本体部80の側面81に板状の蝶番取り付け部95が取り付けられている。この蝶番取り付け部95は、ねじ孔96、96を有し、螺子210a、210aによって、蝶番200における後述する蝶番片210に取り付けることができる。
【0031】
蝶番200は、蝶番片210と第2蝶番片220と、を有し、蝶番片210は、第2蝶番片220が有する軸部230と回転可能に係合する軸受け部211を有し、その軸受け部211を介してそれらは回転可能に接続されている。なお、蝶番200は公知のものであり、それ以上の説明を省略する。なお、第2蝶番片220に接続する蝶番接続部250を有する。蝶番接続部250は、板状の部材をL字状におり曲げた形状を呈しており、後述する支持部材300に接続することができる。
【0032】
第2実施例の扉固定装置12は、第1実施例の扉固定装置10とほぼ同様であり、相違点のみを説明し、同一の部分については同一の符号を付しその説明は省略する。第1実施例の扉固定装置10における扉20の構成は同一であり、その扉20を固定する押さえ部材50において、下端部70と、固定部40における下部42との間にさらに、押さえつけ部85を配置したことが相違点である。したがって、下端部70においても、さらにねじ孔71、71を有し、そのねじ孔71、71に、ねじ部90、90を螺合させることで、押さえつけ部85を押し上げ、固定部40における下部42を押さえつけるというものである。もっとも、図示しないが、押さえつけ部85は、下端部70と、下部42の間にのみ配置することもできる。
【0033】
なお、第2実施例の他の構成の扉固定装置12'は、図6Bに示されているように、他の押さえ部材50’は、他の本体部80’において蝶番片210とほぼ同一の他の蝶番片210’とを有し、他の押さえ部材50’は、他の本体部80’と、他の蝶番片210’とが一体となったものである。また、他の押さえ部材50’における他の蝶番片210’は、他の軸部230’と回転可能に係合する他の軸受け部211’を有し、その他の軸受け部211’を介して、上述の第2蝶番片220と、一体となった構成を有する他の支持部材300’と互いに回転可能に接続されている。
【0034】
また、他の支持部材300’は、軸部230とほぼ同一の他の軸部230’を有する。これについては、図6Bに示されているように、他の支持部材300’は他の軸部230'と一体であるというものである。なお、他の構成の扉固定装置12'において、第2実施例の扉固定装置12と同様の部分は、同一の符号を付しその説明を省略することがある。よって、他の支持部材300’は、後述する固定部材400によって支持されている。
【0035】
第3実施例の扉固定装置13は、第2実施例の扉固定装置12とほぼ同様であり、相違点のみを説明し、同一の部分については同一の符号を付しその説明は省略する。ここで、相違点は、固定部40における側面である側面部45を押さえつける側面押さえ板100を有することである。側面押さえ板100は、固定部40の上下方向の長さよりも若干長く構成され、側面押さえ板100も上端部101付近に上端孔101aと、下端部102付近に下端孔102aとを有し、第2本体部103においても、上端孔101aと下端孔102aとの対応する位置に、本体上部ねじ孔103aと本体下部ねじ孔103bとを有する。
【0036】
取り付け螺子105、105は雄螺子であり、上端ねじ孔103aおよび下端ねじ孔103bは、雌螺子を構成しているので、取り付け螺子105、105によって螺合することができる。これにより、固定部40の上部41と、下部42に加えて、さらに側面部45を側面押さえ板100で押さえることができるので、さらに、扉20を固定することができる。なお、押さえつけ部85に上述の取り付け螺子105の接触を回避する回避溝86を有する場合がある。なお、上端部60に配置したねじ孔61、61を対角線上に配置することができる。ねじ孔71、71も同様である。取り付け螺子105、105の干渉を避けるためである。
【0037】
第2蝶番片220は、上記の通り、蝶番接続部250に接続され、その蝶番接続部250は、支持部材300に接続されておりその支持部材300は、固定部材400によって支持されている。
【0038】
なお、特に図4において、上述の、第1実施例の扉固定装置10と、支持部材300と、固定部材400と、を有する固定装置15について説明する。
【0039】
上述の支持部材300は、平板状の部材を屈曲させるように加工したL字状を呈するものであり、その支持部材300は、脚部310と、その脚部310から立設するように配置し、蝶番200を取り付けるための第2蝶番取り付け部320と、を有するものである。この支持部材300は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属製が好ましい。
【0040】
また、脚部310は、上記固定部材400に配置するためのものであり、貫通する孔となる孔部312を有することも好ましい。この孔部312についてはさらに後述する。
【0041】
また、第2蝶番取り付け部320は文字通り、蝶番である蝶番200を取り付けるためのものであり、上記の通り、第2蝶番片220と接続されている。第2蝶番取り付け部320は、ボルト328を取り付けるボルト孔326を1以上有している。第1実施例の第2蝶番取り付け部320は、長孔状を呈するボルト孔326を有している。
【0042】
固定部材400は空所500に配置されており、空所500は、少なくとも底部である底面510を有する空間である。この空所500は石材類をくりぬいて作成することができ、底面510は、石材類で構成することができる。
【0043】
また、この空所500は、例えば、ものを入れるための空間であって、石材製の構築物である外柵に設けることもできるがこれに限られず、例えば、石材類で構成されている、集団の納骨堂、または、ホテルやバー、などで使用され、石材類で構成されている物入れにも適用することができる。もっともこれに限られないことは言うまでもない。
【0044】
また、固定部材400は、ほぼ直方体形状を呈するものである。従って、空所500における底部である底面510と接する。すなわち、固定部材400は、底面である底面部410を有し、上述のとおり底面部410は、底面510と接するというものである。また、固定部材400は、上面である上面部430を有する。また、固定部材400は、上述の石材類で構成されている。
【0045】
また、底面部410に、脚部310を配置するためのへこみである凹部420を有する。この凹部420の溝形状および溝の深さは、脚部310形状および厚みと同様に構成することが好ましく、脚部310を凹部420に配置し、上述の空所500に配置した場合に、固定部材400における底面部410と、底面510との間に挟みこむようにその脚部310を配置することができる。
【0046】
このように、脚部310を凹部420に配置した状態で、底面部410を空所500における底面510に配置し、その底面部410と底面510とを、石材用の接着剤で接着し固定することにより、その脚部310を固定部材400と底面510とで挟み込んで固定することができる。これにより支持部材300を石材類の空所500内に確実に配置することができる。
【0047】
なお、従来は、金属製の支持部材300と石材類からなる底面部410を、接着剤等で固定する場合においては、その耐久性に難があり、長年の使用によりそれらが剥離する場合があった。また、空所500における底面510に図示しないボルト孔をあけ、図示しないボルトを使用することにより脚部310を固定する場合が考えられる。しかしながら、そのボルト孔に水分が侵入し、結氷することによりその底面510が、割れてしまうという問題があったが、第1実施例の固定部材400は、その取り付けに際し、空所500内を加工することがないのでその問題が解消されることになる。なお、石材類を接着する接着剤は例えば、株式会社オーシカ製のセレクティEP4800H、あるいは、コニシ株式会社製のボンドEK270または、セメダイン株式会社製のEP1000が好ましく、いずれもエポキシ樹脂系接着剤の接着剤が好ましい。
【0048】
またさらに、上述の通り、脚部310に貫通する孔となる孔部312を有する場合において、脚部310を凹部420に配置した状態で、底面部410を空所500における底面510に配置し、石材用の接着剤で接着し固定すると、その接着剤が、孔部312に入り込むことによって、さらに上述の石材類である、底面部410と、底面510とをその接着剤が直接接着することになり、さらに強固に、脚部310を固定することができる。また、第2実施例の扉固定装置12、および第3実施例の扉固定装置13についても同様に、支持部材300と、固定部材400に接続することができる。第2実施例の他の扉固定装置12’についても、他の支持部材300’と、固定部材400に接続することができる。
【0049】
第2実施例の扉固定装置12を、支持部材300と、固定部材400と、を有する第2固定装置16(図5、6A参照)、第2実施例の他の扉固定装置12’を、他の支持部材300’と、固定部材400と、を有する第2固定装置16’(図6B参照)および、第3実施例の扉固定装置13を、支持部材300と、固定部材400と、を有する第3固定装置17(図7、8参照)については上記と同様であるので、同一の符号を付しその説明は省略する。他の支持部材300’は、第2蝶番取り付け一体部320’と、脚部310とを有するものである。よって、その脚部310は上記と同様に、その脚部310を凹部420に配置し、上述の空所500に配置した場合に、固定部材400における底面部410と、底面510との間に挟みこむようにその脚部310を配置することができることは上記の同様である。
【0050】
第4実施例の扉固定装置14は、空所500を塞ぐ扉120と、その扉120を固定する第4押さえ部材150とを有するものである。
【0051】
また、扉120は、石材類で構成されており、扉本体130と、その裏側に配置する第4固定部140とを有する。扉本体130は、空所500を塞ぐものであり第4固定部140は、その扉本体130を支持するためのものである。また、第4固定部140は四角柱の形状を呈している。
【0052】
第4固定部140は、文字通り、上方に配置された、上部141と、下方に配置された下部142とを有する。もっとも、上述の固定部40における上部41および下部42と比べ必ずしも水平面ではなく平滑性もない場合がある。すなわち、上部141と下部142を加工する際に、必ずしも加工精度を保てない場合がありえる。一方で、第4固定部140の側面である前面側面部145と背面側面部146との加工精度は良好である場合がある。その時に、その前面側面部145と背面側面部146とを挟み込むように、第4押さえ部材150が配置されるのである。
【0053】
第4押さえ部材150は、第4本体部155と、第4下端部160とを有し、それらはL字状を呈するものである。また、第4押さえ部材150は、さらに第2側面押さえ板170とを有する。第4本体部155の側面158に板状の蝶番取り付け部95が取り付けられている。この蝶番取り付け部95は、ねじ孔96、96を有し、螺子210a、210aによって、蝶番200における蝶番片210に取り付けることができる。この点は、第1実施例の扉固定装置10と同様であるので、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0054】
第2側面押さえ板170は、第1孔部171をその上端付近に配置するとともに、第2孔部172をその下端付近に配置する。また、第2側面押さえ板170を、前面側面部145にあてがったときに、第1孔部171に対応する位置において、第4本体部155に第4本体ねじ孔部156を有し、さらに、第2孔部172に対応する位置において、第4本体部155に第5本体ねじ孔部157を有する。また、第4実施例の扉固定装置14は、第4本体ねじ孔部156と、第5本体ねじ孔部157との螺合するねじ部175、175をさらに有する。
【0055】
上記構成の第4実施例の扉固定装置14において、扉120における第4固定部140における背面側面部146に、第4本体部155が接するようにあてがうとともに、前面側面部145に、第2側面押さえ板170をあてがうように配置し、ねじ部175,175を第1孔部171および第2孔部172をそれぞれ挿通するようにし、第4本体ねじ孔部156と、第5本体ねじ孔部157と、それぞれ螺合するように配置する。これにより、第4本体部155と第2側面押さえ板170とを接続することで、第4固定部140を固定することができる。
【0056】
このように、2本のねじ部175によって、第4固定部140の上下において、第4本体部155と、第2側面押さえ板170とが接続されることで、第4実施例の扉固定装置14における第4押さえ部材150は、第4固定部140を固定することで、扉120を固定することができる。この場合上記の通り、上部141および下部142が平面である必要はなく、その前面側面部145と背面側面部146が平面であれば足りるというものである。なお、第4下端部160は、第4固定部140を固定するに際し、必ず必要というものではないが、第4本体ねじ孔部156と、第5本体ねじ孔部157とねじ部175、175との螺合が緩んだ際に、扉120の落下を阻止することができるというものである。
【0057】
第4実施例の扉固定装置14についても同様に、支持部材300と、固定部材400に接続することができる。したがって、第4実施例の扉固定装置14を、支持部材300と、固定部材400と、を有する第4固定装置18についても(図9、10参照)上記と同様であるので、同一の符号を付しその説明は省略する。
【0058】
また、第1実施例の扉固定装置10を、香炉台600における第2空所700の観音開きの扉20に適用した第4固定装置18について説明する(図11参照)。第4固定装置18は、扉固定装置10と、第2空所700に配置する第2固定部材800と、蝶番200と、支持部材300とを有する。観音開きの扉20は、上述の扉20と同様の構成であり、扉本体30と、その裏側に配置する固定部40とを有するものである。したがって同一の符号を付しその説明は省略する。なお、扉20と扉21とは、互いに対称であるためにその説明を省略する。
【0059】
なお、第2固定部材800は第2空所700に配置されており、第2空所700は、少なくとも底部である第2底面710を有する空間である。この第2空所700は石材類をくりぬいて作成することができ、第2底面710は、石材類で構成されている。
【0060】
また、第2固定部材800は、ほぼ直方体形状を呈するものである。従って、第2空所700における底部である底面710と接する。すなわち、第2固定部材800は、底面である第2底面部851を有し、上述のとおり第2底面部851は、底面710と接するというものである。また、第2固定部材800は、上述の石材類で構成されている。
【0061】
また、第2底面部810に、脚部310を配置するためのへこみである凹部820を2か所有する。この点が異なる点である。この凹部820の溝形状および溝の深さは、脚部310の形状および厚みと同様に構成することが好ましく、脚部310を凹部820に配置し、上述の第2空所700に配置した場合に、第2固定部材800における第2底面部810との間に挟みこむようにその脚部310を配置することができる。なお、互いに対称の扉21についても同様である。
【0062】
また、他の実施例として、第2支持部材900は、平板状の部材を屈曲させるように加工したコの字状を呈するものであり、その第2支持部材900は、脚部910と、その脚部910から立設するように配置し、蝶番200を取り付けるための第2蝶番取り付け部920、920と、を有するものである。この第2支持部材900は、ステンレス又は、アルミニウムなどの金属製が好ましい。
【0063】
また、第3固定部材950は、第2底面部951に、脚部910を配置するためのへこみである、第2凹部960を有する。脚部910の長さは、第2底面部951の長さとほぼ同一であり、第2凹部960に、脚部950が、嵌合するように構成されているので、第2支持部材900の位置決めが容易となり、観音開きである扉20、21の位置決めが容易となる。
【0064】
なお、脚部910を第2凹部960に配置し、上述の第2空所700に配置した場合に、第3固定部材950は、第2底面部951との間に挟みこむようにその脚部910を配置することができる。なお、互いに対称の扉21についても同様である。
【0065】
なお、上述の墓所設備の扉20,120のほか、石材をその扉に使用した仏壇や家具に使用することができる。また、位牌を安置する厨子についても同様である。もっとも石材を必ずしも使用した扉に限られない。
【符号の説明】
【0066】
10 第1実施例の扉固定装置
12 第2実施例の扉固定装置
12’ 第2実施例の他の扉固定装置
13 第3実施例の扉固定装置
14 第4実施例の扉固定装置
15 固定装置
16 第2固定装置
16’ 他の第2固定装置
17 第3固定装置
18 第4固定装置
20 120 扉
50 押さえ部材
30 扉本体
40 固定部
41 上部
42 下部
60 上端部
61 ねじ孔
70 下端部
80 本体部
90 ねじ部
95 蝶番取り付け部
150 第4押さえ部材
130 扉本体
140 第4固定部
141 上部
142 下部
145 前面側面部
146 背面側面部
150 第4押さえ部材
170 第2側面押さえ板
180 墓所設備
200 蝶番
210 蝶番片
220 第2蝶番片
300 支持部材
400 固定部材
420 凹部
500 空所
700 第2空所
800 第2固定部材
900 第2支持部材
950 第3固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13