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特開2022-69325表示制御システム、および、表示制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069325
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】表示制御システム、および、表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20220428BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220428BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220428BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220428BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20220428BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 510V
G09G5/00 510A
G06F3/01 510
G06Q50/30
B60R1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178444
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 拓馬
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB11
5C182AB25
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC35
5C182BA14
5C182BA54
5C182BA57
5C182BA66
5C182BB02
5C182BB12
5C182BC16
5C182BC22
5E555AA59
5E555AA64
5E555AA71
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC08
5E555CA42
5E555CB64
5E555CB82
5E555DA05
5E555DB53
5E555DD07
5E555EA03
5E555EA04
5E555EA05
5E555EA22
5E555EA23
5E555FA00
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】移動体のマルチディスプレイで表示を行う場合に乗員から見える画面にその乗員に適した内容を表示する。
【解決手段】本実施形態の表示制御システムは、移動体における複数の乗員を収容可能な収容スペースを撮影する撮影部と、複数の画面を表示する表示部と、前記収容スペースを分割した領域と、当該領域に存在する乗員に対して表示する前記画面と、の対応関係情報を記憶する記憶部と、前記撮影部による撮影画像を取得する画像取得部と、前記撮影画像に写っている乗員の前記収容スペースにおける位置と所定の特徴情報を認識する認識部と、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記特徴情報に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体における複数の乗員を収容可能な収容スペースを撮影する撮影部と、
複数の画面を表示する表示部と、
前記収容スペースを分割した領域と、当該領域に存在する乗員に対して表示する前記画面と、の対応関係情報を記憶する記憶部と、
前記撮影部による撮影画像を取得する画像取得部と、
前記撮影画像に写っている乗員の前記収容スペースにおける位置と所定の特徴情報を認識する認識部と、
前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記特徴情報に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、
を備える表示制御システム。
【請求項2】
前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の属性を認識し、
前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記属性に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の唇の動きに基づいて発言内容を認識し、
前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の個人を認識するとともに、当該個人を認識した頻度を判定し、
前記頻度が所定基準値以上の場合、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、個人を認識した前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に所定の特典情報を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記移動体は、電車またはバスまたは乗合タクシーであり、
前記表示制御システムは、前記移動体に乗員が乗車するときに使用した乗車券または定期券の情報を取得する情報取得部を、さらに備え、
前記認識部は、前記特徴情報として、前記乗車券または前記定期券の情報に基づいて当該乗員の降車駅を認識し、
前記乗車券または前記定期券の降車駅が近付いた場合に、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、当該乗員の位置を含む領域と対応付けられた前記画面に前記降車駅が近付いた旨の案内を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項6】
移動体に設置され複数の画面を表示する表示部を制御する表示制御装置であって、
前記移動体における複数の乗員を収容可能な収容スペースを分割した領域と、当該領域に存在する乗員に対して表示する前記画面と、の対応関係情報を記憶する記憶部と、
前記収容スペースを撮影する撮影部による撮影画像を取得する画像取得部と、
前記撮影画像に写っている乗員の前記収容スペースにおける位置と所定の特徴情報を認識する認識部と、
前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記特徴情報に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示制御システム、および、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車両のインストルメントパネルの中央の位置に、横方向に複数のディスプレイが並べられたマルチディスプレイが設けられる場合がある。
【0003】
そして、例えば、運転席と助手席の両方に乗員がいることを検出すると、運転席から見やすい位置の画面には運転席の乗員用の表示を行い、助手席から見やすい位置の画面には助手席の乗員用の表示を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-121796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、マルチディスプレイの各画面に表示を行う場合に、乗員の検出位置の情報しか使用していないため、乗員の属性(性別、年齢、人数等)や会話内容等に応じた表示を行うことができず、改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、移動体のマルチディスプレイで表示を行う場合に乗員から見える画面にその乗員に適した内容を表示することができる表示制御システム、および、表示制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の表示制御システムは、移動体における複数の乗員を収容可能な収容スペースを撮影する撮影部と、複数の画面を表示する表示部と、前記収容スペースを分割した領域と、当該領域に存在する乗員に対して表示する前記画面と、の対応関係情報を記憶する記憶部と、前記撮影部による撮影画像を取得する画像取得部と、前記撮影画像に写っている乗員の前記収容スペースにおける位置と所定の特徴情報を認識する認識部と、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記特徴情報に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、を備える。この構成により、例えば、移動体のマルチディスプレイで表示を行う場合に、上述の対応関係情報と特徴情報を用いて、乗員の位置から見える画面にその乗員に適した内容を表示することができる。
【0008】
また、表示制御システムにおいて、前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の属性を認識し、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記属性に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する。この構成により、例えば、乗員の位置から見える画面に当該乗員の属性に応じた内容を表示することができる。
【0009】
また、表示制御システムにおいて、前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の唇の動きに基づいて発言内容を認識し、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する。この構成により、例えば、乗員の位置から見える画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示することができる。
【0010】
また、表示制御システムにおいて、前記認識部は、前記特徴情報として、前記撮影画像に写っている乗員の個人を認識するとともに、当該個人を認識した頻度を判定し、前記頻度が所定基準値以上の場合、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、個人を認識した前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に所定の特典情報を表示するように前記表示部を制御する。この構成により、例えば、乗車頻度の高い個人を特定したその乗員の位置から見える画面に所定の特典情報を表示することができる。
【0011】
また、表示制御システムにおいて、前記移動体は、電車またはバスまたは乗合タクシーであり、前記表示制御システムは、前記移動体に乗員が乗車するときに使用した乗車券または定期券の情報を取得する情報取得部を、さらに備え、前記認識部は、前記特徴情報として、前記乗車券または前記定期券の情報に基づいて当該乗員の降車駅を認識し、前記乗車券または前記定期券の降車駅が近付いた場合に、前記表示制御部は、前記対応関係情報を参照し、当該乗員の位置を含む領域と対応付けられた前記画面に前記降車駅が近付いた旨の案内を表示するように前記表示部を制御する。この構成により、例えば、乗車券または定期券を使用する乗員の位置から見える画面に、降車駅が近付いた場合にその旨の案内を表示することができる。
【0012】
また、本発明の実施形態の表示制御装置は、移動体に設置され複数の画面を表示する表示部を制御する表示制御装置であって、前記移動体における複数の乗員を収容可能な収容スペースを分割した領域と、当該領域に存在する乗員に対して表示する前記画面と、の対応関係情報を記憶する記憶部と、前記収容スペースを撮影する撮影部による撮影画像を取得する画像取得部と、前記撮影画像に写っている乗員の前記収容スペースにおける位置と所定の特徴情報を認識する認識部と、前記対応関係情報を参照し、前記乗員の位置を含む前記領域と対応付けられた前記画面に当該乗員の前記特徴情報に応じた内容を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、を備える。この構成により、例えば、移動体のマルチディスプレイで表示を行う場合に、上述の対応関係情報と特徴情報を用いて、乗員から見える画面にその乗員に適した内容を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態のバスの構造を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態のECUの機能構成を示す図である。
図3図3は、実施形態の対応関係情報を示す図である。
図4図4は、実施形態のECUによる第1の処理を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態のECUによる第2の処理を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態のECUによる第3の処理を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態のECUによる第4の処理を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態の表示画面例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、実施形態の表示制御システム、および、表示制御装置について説明する。まず、図1図2を参照して、実施形態のバス1の構造等について説明する。図1は、実施形態のバス1の構造を模式的に示す図である。図2は、実施形態のECU(Electronic Control Unit)3の機能構成を示す図である。
【0015】
バス1は、一例として、自動運転技術を採用した電気自動車である。バス1は、本実施形態の説明に直接的に関係する構成として、出入口2、ECU3、リーダ4、車室領域R1~R4、表示装置(表示部)M1~M4、撮影装置(撮影部)C1、C2を備えている。表示制御システムSを構成するECU3、リーダ4、表示装置M1~M4、撮影装置(撮影部)C1、C2は、例えば、CAN(Controller Area Network)などの車内ネットワークで有線接続されている。
【0016】
出入口2は、バス1の乗員が出入りする所である。リーダ4は、バス1の乗員が乗車するときに使用した乗車券または定期券の情報を読み取る読取装置である。
【0017】
車室領域R1~R4は、複数の乗員を収容可能な収容スペースである。なお、車室領域R1~R4は、座席を有していてもよいが、図1では座席の図示を省略している。車室領域R1~R4は、例えば、中央部が立席になっていて、周縁部が座席になっていればよいが、これに限定されない。また、車室領域R1~R4は、説明用に4つの領域に分けたもので、実際には1つの収容スペースである。なお、以下では、車室領域を単に「領域」とも称する。
【0018】
表示装置M1~M4は、複数の画面を表示する表示部の一例である。表示装置M1~M4は、それぞれ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electro-Luminescent Display)などである。表示装置M1は、車室領域R1にいる乗員から見やすいように設置されている。同様に、表示装置M2~M4は、それぞれ、車室領域R2~R4にいる乗員から見やすいように設置されている。
【0019】
撮影装置C1、C2は、車室領域R1~R4を撮影し、撮影画像を出力する。撮影装置C1、C2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮影素子を内蔵したデジタルカメラである。撮影装置C1、C2は、所定のフレームレートで撮影を行い、撮影画像を出力する。
【0020】
ECU3は、バス1に搭載された電子機器の各々を制御する。ECU3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、SSD(Solid State Drive)と、を有する。
【0021】
CPUは、バス1の全体の制御を行う。CPUは、ROM等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。
【0022】
なお、CPU、ROM、RAM等は、同一パッケージ内に集積可能である。また、ECU3は、CPUに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等によって実現してもよい。また、SSDに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSDやHDDは、ECU3とは別に設けられてもよい。
【0023】
図2に示すように、ECU3は、機能構成として、取得部31、認識部32、表示制御部33、記憶部34を備える。
【0024】
記憶部34は、例えば、ROMやSSDによって実現され、各種情報を記憶する。記憶部34は、例えば、対応関係情報341、頻度情報342を記憶する。ここで、図3は、実施形態の対応関係情報341を示す図である。対応関係情報341は、車室領域R1~R4のそれぞれと、それぞれから見える(見やすい)画面(表示装置M1~M4)と、の対応関係を示す情報である。対応関係情報341によれば、例えば、車室領域R1は表示装置M1と対応付けられている。同様に、車室領域R2~R4は、それぞれ、表示装置M2~M4と対応付けられている。
【0025】
取得部31、認識部32、表示制御部33は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、各部31~33は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。また、各部31~33は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。各部31~33は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部31~33のうち1つを実現してもよいし、各部31~33のうち2以上を実現してもよい。
【0026】
取得部31は、各種構成から各種情報を取得する。取得部31は、例えば、撮影装置C1、C2による撮影画像を取得する。また、取得部31は、バス1に乗員が乗車するときにリーダ4を用いて使用した乗車券または定期券の情報を取得する情報取得部としても機能する。
【0027】
認識部32は、撮影画像に写っている乗員の車室領域R1~R4の位置(車室領域R1~R4のいずれにいるのかの情報)と所定の特徴情報を認識する。
【0028】
表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の特徴情報に応じた内容を表示するように表示装置M1~M4を制御する。表示制御部33は、例えば、乗員が車室領域R1にいる場合は、その乗員に対して表示装置M1に画面表示する。以下、認識部32と表示制御部33の具体例について説明する。
【0029】
認識部32は、特徴情報として、例えば、撮影画像に写っている乗員の属性(年齢、性別、人数等)を認識する。その場合、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の属性に応じた内容を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0030】
認識部32は、特徴情報として、例えば、撮影画像に写っている乗員の唇の動きに基づいて発言内容を認識する。具体的には、認識部32は、例えば、撮影画像に含まれる乗員の唇の動きを画像解析することで発言内容を認識する。この画像解析には、公知の画像認識方法を用いればよい。例えば、認識部32は、RNN(Recurrent Neural Network)、CNN(Convolution Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)などのディープラーニング技術を用いて撮影画像に基づいて発言内容を認識する。表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0031】
認識部32は、特徴情報として、例えば、撮影画像に写っている乗員の個人を認識するとともに頻度情報342に記録し、当該個人を認識した頻度を判定する。その場合、頻度が所定基準値以上の場合、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、個人を認識した乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に所定の特典情報(特別な案内、クーポン(例えば二次元バーコード付き)等)を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0032】
また、認識部32は、特徴情報として、例えば、乗車券または定期券の情報に基づいて当該乗員の降車駅を認識する。その場合、認識部32は当該乗員を追跡し、降車駅が近付いた場合に、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、当該乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に降車駅が近付いた旨の案内を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0033】
図4は、実施形態のECU3による第1の処理を示すフローチャートである。ステップS1において、取得部31は、撮影装置C1、C2による撮影画像を取得する。
【0034】
次に、ステップS2において、認識部32は、撮影画像に写っている乗員の車室領域R1~R4の位置と属性(年齢、性別、人数等)を認識する。
【0035】
次に、ステップS3において、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の属性に応じた内容を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0036】
図5は、実施形態のECU3による第2の処理を示すフローチャートである。ステップS11において、取得部31は、撮影装置C1、C2による撮影画像を取得する。
【0037】
次に、ステップS12において、認識部32は、撮影画像に写っている乗員の車室領域R1~R4の位置と発言内容を認識する。
【0038】
次に、ステップS13において、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0039】
図6は、実施形態のECU3による第3の処理を示すフローチャートである。ステップS21において、取得部31は、撮影装置C1、C2による撮影画像を取得する。
【0040】
次に、ステップS22において、認識部32は、撮影画像に写っている乗員の車室領域R1~R4の位置と個人を認識するとともに、当該個人を認識した頻度を判定する。
【0041】
次に、ステップS23において、認識部32は、当該個人を認識した頻度が所定基準値以上か否かを判定し、Yesの場合はステップS24に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0042】
ステップS24において、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、個人を認識した乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に所定の特典情報(特別な案内、クーポン(例えば二次元バーコード付き)等)を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0043】
図7は、実施形態のECU3による第4の処理を示すフローチャートである。ステップS31において、取得部31は、撮影装置C1、C2による撮影画像を取得する。
【0044】
次に、ステップS32において、取得部31は、バス1に乗員が乗車するときにリーダ4を用いて使用した乗車券または定期券の情報を取得する。
【0045】
次に、ステップS33において、認識部32は、撮影画像に写っている乗員の車室領域R1~R4の位置を認識する。
【0046】
次に、ステップS34において、認識部32は、乗車券または定期券の情報に基づいて当該乗員の降車駅を認識する。
【0047】
次に、ステップS35において、表示制御部33は、降車駅が近付いたか否かを判定し、Yesの場合はステップS36に進み、Noの場合はステップS35に戻る。
【0048】
ステップS36において、表示制御部33は、対応関係情報341を参照し、当該乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に降車駅が近付いた旨の案内を表示するように表示装置M1~M4を制御する。
【0049】
このように、本実施形態のバス1によれば、移動体のマルチディスプレイで表示を行う場合に、上述の対応関係情報と特徴情報を用いて、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面にその乗員に適した内容を表示することができる。したがって、プライバシー等も考慮しつつ、乗客ごとに適した広告、案内等の各種情報を提供できる。
【0050】
例えば、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の属性に応じた内容を表示することができる。これにより、乗員が男性なのか女性なのか、大人なのか子供なのか、独りで乗車しているのか複数人で乗車しているのかなどによって異なる適切な情報を当該画面に表示できる。
【0051】
また、例えば、乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に当該乗員の発言内容に応じた内容を表示することができる。例えば、乗員が「次、降りる場所だね」と発言したら、路線図や乗車料金を表示したり、「停止してから移動してください」と案内表示したり、その人物に応じた情報を提供できる。また、例えば、乗員が時事ネタに関する発言をしたら、時事ネタに関するニュース情報等を表示できる。
【0052】
また、例えば、乗員が「次、降りる場所だね。ランチ、どうする?」といった発言をしたら、図8に示す画面を表示できる。図8は、実施形態の表示画面例を模式的に示す図である。図8の画面例では、降りる場所の〇〇停留所周辺の飲食店A、B、Cを含む地図を表示している。これにより、その乗客は、飲食店A、B、Cの場所等の有益な情報を知ることができる。
【0053】
また、例えば、乗員が興味や嗜好の発言をしたら、それに合った新発売の商品を広告表示することができる。
【0054】
また、例えば、乗員が「雨が降りそう」といった発言をしたら、天気予報を表示することができる。
【0055】
また、例えば、乗車頻度の高い個人を特定したその乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に所定の特典情報を表示することができる。
【0056】
また、例えば、乗車券または定期券を使用する乗員の位置を含む領域と対応付けられた画面に、降車駅が近付いた場合にその旨の案内を表示し、降車を促すことができる。なお、その他の人に向けては、普通の広告や路線図などの情報を表示する。
【0057】
なお、上記の実施形態のECU3で実行されるプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0058】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0059】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
例えば、移動体は、自動運転のバスに限定されず、有人運転のバスや、電車、乗合タクシー、客船、飛行機等の他の移動体であってもよい。
【0061】
また、複数の画面を表示する表示部は、複数の表示装置に限定されず、例えば、視差バリア方式等を採用した、2方向に異なる画像情報を同時表示できるデュアルビュー液晶表示装置や、3方向に異なる画像情報を同時表示できるトリプルビュー液晶表示装置などを用いてもよい。
【0062】
また、乗員の発言内容を認識する場合、音声認識技術を補助的に併用してもよい。そうすれば、発言内容をより正確に認識できる。
【符号の説明】
【0063】
1…バス、2…出入口、3…ECU、4…リーダ、31…取得部(画像取得部、情報取得部)、32…認識部、33…表示制御部、34…記憶部、341…対応関係情報、C1、C2…撮影装置(撮影部)、M1~M4…表示装置(表示部)、R1~R4…車室領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8