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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006934
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ギヤポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/10 20060101AFI20220105BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
F04C2/10 341E
F04C15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109527
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000100827
【氏名又は名称】アイシン機工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000241267
【氏名又は名称】豊興工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮
(72)【発明者】
【氏名】三宅 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
(72)【発明者】
【氏名】長谷 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】藤野 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
【Fターム(参考)】
3H041AA02
3H041BB04
3H041CC03
3H041CC17
3H041CC20
3H041DD04
3H041DD13
3H041DD38
3H044AA02
3H044BB03
3H044CC03
3H044CC16
3H044CC19
3H044DD04
3H044DD13
3H044DD28
(57)【要約】
【課題】第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間で容積が減少する歯間室における圧力上昇を良好に抑制してギヤポンプの駆動トルクを低減化する。
【解決手段】本開示のギヤポンプは、第1吐出ポートと、第1吐出ポートよりも回転方向における前側に位置する第2吐出ポートと、何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第1の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室と第1吐出ポートとを連通させるようにポンプハウジングに形成された第1連通路と、上記何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第2の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室を第1吐出ポート以外に連通させるようにポンプハウジングに形成された第2連通路とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外歯を有すると共に回転駆動されるインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室と、前記インナーロータおよび前記アウターロータを収容するポンプハウジングとを含むギヤポンプにおいて、
前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通するように前記ポンプハウジングに形成された吸入ポートと、
前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通するように前記ポンプハウジングに形成された第1吐出ポートと、
前記第1吐出ポートよりも回転方向における前側で前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通するように前記第1吐出ポートから周方向に間隔をおいて前記ポンプハウジングに形成された第2吐出ポートと、
何れか1つの歯間室が軸方向からみて前記第1吐出ポートに重なり合わなくなってから前記インナーロータが予め定められた第1の角度だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室と前記第1吐出ポートとを連通させるように前記ポンプハウジングに形成された第1連通路と、
前記何れか1つの歯間室が軸方向からみて前記第1吐出ポートに重なり合わなくなってから前記インナーロータが予め定められた第2の角度だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室を前記第1吐出ポート以外に連通させるように前記ポンプハウジングに形成された第2連通路と、
を備えるギヤポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
前記第2連通路は、前記何れか1つの歯間室を前記第2吐出ポートに連通させるギヤポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載のギヤポンプにおいて、
前記第2連通路は、前記第2吐出ポートに常時連通するように前記第2吐出ポートから前記第1吐出ポートに向けて延出された凹部であるギヤポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載のギヤポンプにおいて、
前記第2連通路の少なくとも前記第1吐出ポート側の端部以外の部分は、一定の幅を有するギヤポンプ。
【請求項5】
請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
前記第1吐出ポートからの流体が流入するように前記ポンプハウジングに形成された第1吐出通路を更に備え、前記第2連通路は、前記何れか1つの歯間室を前記第1吐出通路に連通させるギヤポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載のギヤポンプにおいて、
前記第2連通路は、前記第1吐出通路で開口するように前記ポンプハウジングに形成された孔であるギヤポンプ。
【請求項7】
請求項6に記載のギヤポンプにおいて、前記第2連通路は、前記軸方向に延在するギヤポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の外歯を有するインナーロータと、複数の内歯を有すると共にインナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のギヤポンプとして、外周歯を有すると共に回転駆動されるドライブギヤ(インナーロータ)と、ドライブギヤの外周歯に噛合する内周歯を有する円環状のドリブンギヤ(アウターロータ)と、周方向に間隔をおいて形成された高圧吐出油路および低圧吐出油路を有するハウジングとを含むオイルポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。このオイルポンプでは、隣り合う2つの外周歯と隣り合う2つの内周歯とにより複数の油圧室(歯間室)が画成され、高圧吐出油路および低圧吐出油路は、ドライブギヤおよびドリブンギヤの回転に伴って容積が減少する油圧室に連通する。また、ハウジングには、何れか1つの油圧室の全体が高圧吐出油路と低圧吐出油路との間に位置するときに、当該何れか1つの油圧室と高圧吐出油路とを連通させる油逃がし油路が形成されている。かかるオイルポンプでは、低圧吐出油路内の油圧が所定圧まで低下しており、上記何れか1つの油圧室が高圧吐出油路と低圧吐出油路との間を通過するときに、当該何れか1つの油圧室内の作動油が油逃がし油路を通して高圧吐出油路へ逃がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-2189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のオイルポンプでは、上記何れか1つの油圧室内の作動油が油逃がし油路を通して高圧吐出油路へ逃がすことで、いわゆる閉じ込みによる当該何れか1つの油圧室内の油圧の急増を抑制してオイルポンプの駆動トルクの増加を抑えようとしている。しかしながら、上記オイルポンプでは、高圧吐出油路と低圧吐出油路との間に位置する油圧室の圧力上昇を充分に抑制することができず、オイルポンプの駆動トルクを良好に低減し得ないことが判明した。
【0005】
そこで、本開示は、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間で容積が減少する歯間室における圧力上昇を良好に抑制してギヤポンプの駆動トルクを低減化することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のギヤポンプは、複数の外歯を有すると共に回転駆動されるインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に前記インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室と、前記インナーロータおよび前記アウターロータを収容するポンプハウジングとを含むギヤポンプにおいて、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通するように前記ポンプハウジングに形成された吸入ポートと、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通するように前記ポンプハウジングに形成された第1吐出ポートと、前記第1吐出ポートよりも回転方向における前側で前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通するように前記第1吐出ポートから周方向に間隔をおいて前記ポンプハウジングに形成された第2吐出ポートと、何れか1つの歯間室が軸方向からみて前記第1吐出ポートに重なり合わなくなってから前記インナーロータが予め定められた第1の角度だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室と前記第1吐出ポートとを連通させるように前記ポンプハウジングに形成された第1連通路と、前記何れか1つの歯間室が軸方向からみて前記第1吐出ポートに重なり合わなくなってから前記インナーロータが予め定められた第2の角度だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室を前記第1吐出ポート以外に連通させるように前記ポンプハウジングに形成された第2連通路とを含むものである。
【0007】
本開示のギヤポンプは、インナーロータおよびアウターロータの回転に伴って容積が減少する歯間室に連通するようにポンプハウジングに形成された第1吐出ポートと、第1吐出ポートよりもインナーロータの回転方向における前側でインナーロータおよびアウターロータの回転に伴って容積が減少する歯間室に連通するように第1吐出ポートから周方向に間隔をおいてポンプハウジングに形成された第2吐出ポートとを含む。また、ポンプハウジングには、何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第1の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室と第1吐出ポートとを連通させるように第1連通路が形成されている。ここで、本発明者らの研究によれば、インナーロータおよびアウターロータが回転する際には、インナーロータおよびアウターロータの端面に引き摺られる流体によって、第1連通路における第1吐出ポートに向けた流体の流れが阻害され、その結果、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間に位置する何れか1つの歯間室が閉塞状態となることが判明した。これを踏まえて、本開示のギヤポンプのポンプハウジングには、上記何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第2の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室を第1吐出ポート以外に連通させるように第2連通路が形成される。これにより、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間に位置する何れか1つの歯間室内の流体を第2連通路を介して第1吐出ポート以外に逃がすと共に、第1連通路で流体を流通させて第1吐出ポートと当該何れか1つの歯間室とを概ね等圧に維持することができる。この結果、上記何れか1つの歯間室における圧力上昇を抑えてギヤポンプの駆動トルクを低減化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示のギヤポンプを示す概略構成図である。
図2】本開示のギヤポンプのポンプボディを示す概略構成図である。
図3図1のギヤポンプのインナーロータの回転角度と、何れか1つの歯間室から第1吐出ポートへの流体の吐出開始から吐出終了までにおける当該何れか1つの歯間室内の圧力との関係を示す図表である。
図4図1のギヤポンプのインナーロータの回転角度と、何れか1つの歯間室から第1吐出ポートへの流体の吐出開始から吐出終了までにおけるギヤポンプの駆動トルクとの関係を示す図表である。
図5】本開示の他のギヤポンプを示す概略構成図である。
図6図5におけるVI-VI線に沿った断面である。
図7図5のギヤポンプのインナーロータの回転角度と、何れか1つの歯間室から第1吐出ポートへの流体の吐出開始から吐出終了までにおける当該何れか1つの歯間室内の圧力との関係を示す図表である。
図8図5のギヤポンプのインナーロータの回転角度と、何れか1つの歯間室から第1吐出ポートへの流体の吐出開始から吐出終了までにおけるギヤポンプの駆動トルクとの関係を示す図表である。
図9】本開示の更に他のギヤポンプを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示のギヤポンプ1を示す概略構成図である。同図に示すギヤポンプ1は、例えば図示しない車両に搭載されるオイルポンプとして利用され、作動油貯留部(オイルパン)に貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置(何れも図示省略)へと圧送するものである。ギヤポンプ1は、ポンプハウジング10と、当該ポンプハウジング10内にそれぞれ回転自在に配置されるインナーロータ(ドライブギヤ)2およびアウターロータ(ドリブンギヤ)3とを含む。ポンプハウジング10は、例えば自動変速機の変速機ケースに固定されるポンプボディ11(図2参照)と当該ポンプボディに締結されるポンプカバー(図示省略)とを含むものである。なお、ギヤポンプ1は、変速機用の作動油を圧送するオイルポンプ以外の車載ポンプ(例えば、エンジンオイルポンプ)として構成されてもよく、車載ポンプ以外の用途に適用されてもよい。
【0011】
インナーロータ2は、ポンプハウジング10内に画成されるギヤ収容室15(図2参照)内に配置されると共に、車両に搭載されたエンジンのクランクシャフト(何れも図示省略)に連結される回転軸4に固定され、当該回転軸4に付与される動力により回転駆動される。また、インナーロータ2の外周には、複数(本実施形態では、例えば11歯)の外歯20が形成されている。一方、アウターロータ3の内周には、インナーロータ2の外歯20の総数よりも1つ多い数(本実施形態では、例えば12歯)の内歯30が形成されている。アウターロータ3は、少なくとも図1における下側に位置する何れか1つまたは複数の内歯30がインナーロータ2の対応する外歯20に噛合すると共に、インナーロータ2に対して偏心した状態でギヤ収容室15内に回転自在に配置される。更に、インナーロータ2とアウターロータ3との間には、基本的に、隣り合う2つの外歯20と隣り合う2つの内歯30とにより複数の歯間室(ポンプ室)5が形成される。
【0012】
これにより、回転軸4からの動力によりインナーロータ2が図1における太線矢印方向に回転すると、アウターロータ3は、複数の内歯30の一部が複数の外歯20の一部に噛合することで、インナーロータ2の回転中心2cから偏心量eだけ離間した回転中心3cの周りにインナーロータ2と共に同方向に回転する。インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、両者の回転方向(以下「ロータ回転方向」という。図1における太線矢印参照)における後側(上流側)の領域、すなわち図1における主に右側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が増加(歯間室5が膨張)する。また、インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、ロータ回転方向における前側(下流側)の領域、すなわち図1における主に左側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が減少(歯間室5が収縮)する。
【0013】
図1および図2に示すように、ギヤポンプ1のポンプハウジング10には、それぞれ略円弧状に延在する吸入ポート6、第1吐出ポート(高圧吐出ポート)7および第2吐出ポート(低圧吐出ポート)8が形成されている。吸入ポート6、第1吐出ポート7および第2吐出ポート8は、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における両側(ポンプボディ11およびポンプカバーの双方)に形成されてもよく、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における片側(ポンプボディ11およびポンプカバーの一方)に形成されてもよい。更に、例えば、吸入ポート6がインナーロータ2等の軸方向における一側に形成されてもよく、第1吐出ポート7および第2吐出ポート8がインナーロータ2等の軸方向における他側に形成されてもよい。また、第1吐出ポート7がインナーロータ2等の軸方向における一側に形成されてもよく、第2吐出ポート8がインナーロータ2等の軸方向における他側に形成されてもよい。
【0014】
吸入ポート6は、外歯20と内歯30とにより画成される複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が増加する歯間室5と連通(対向)する。第1吐出ポート7は、吸入ポート6よりもロータ回転方向における前側で複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が減少する歯間室5と連通(対向)する。第2吐出ポート8は、第1吐出ポート7よりもロータ回転方向における前側でインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が減少する歯間室5と連通(対向)する。第1吐出ポート7と第2吐出ポート8とは、ポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成された隔壁部により仕切られ、互いに独立している。
【0015】
また、本実施形態において、第1吐出ポート7は、ポンプハウジング10に形成された第1吐出通路(図示省略)に連通しており、当該第1吐出通路を介して油圧制御装置のプライマリレギュレータバルブに接続される。更に、第2吐出ポート8は、ポンプハウジング10に形成された第2吐出通路(図示省略)に連通しており、当該第2吐出通路を介して油圧制御装置のプライマリレギュレータバルブに接続される。すなわち、第1吐出ポート7は、第1吐出通路のギヤ収容室15側の開口端を形成し、第2吐出ポート8は、第2吐出通路のギヤ収容室15側の開口端を形成する。また、油圧制御装置は、第2吐出ポート8および第2吐出通路からの作動油をプライマリレギュレータバルブとドレン通路との何れか一方に選択的に供給する切替バルブを含む。これにより、プライマリレギュレータバルブにより調圧されるライン圧を高くする必要がないときに、第2吐出ポート8からの作動油をドレン通路からドレンすることが可能となる。
【0016】
更に、ポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)には、第1吐出ポート7を包囲する比較的浅い凹部70と、当該凹部70を介して第1吐出ポート7に常時連通する第1連通路としての第1内周側連通路71および第1外周側連通路72とが形成されている。第1内周側連通路71および第1外周側連通路72は、本実施形態において凹部70と同一の深さをそれぞれ有する凹部であり、それぞれ凹部70のロータ回転方向における前側の端部70fから第2吐出ポート8に向けて当該ロータ回転方向における更に前側に延出されている。第1内周側連通路71は、インナーロータ2の内周側で円弧状に延在し、当該第1内周側連通路71の第2吐出ポート8側の端部以外の部分は、一定の幅を有する。第1外周側連通路72は、アウターロータ3の外周側で第1内周側連通路71とインナーロータ2等の径方向に間隔をおいて円弧状に延在し、当該第1外周側連通路72の第2吐出ポート8側の端部以外の部分も、第1内周側連通路71の幅と同一かつ一定の幅を有する。これにより、加工ツールを第1内周側連通路71および第1外周側連通路72で共通化し、両者をポンプハウジング10に形成するのに伴う加工コストの増加を良好に抑制することが可能となる。
【0017】
また、第1内周側連通路71および第1外周側連通路72は、図1に示すように、何れか1つの歯間室5xがギヤポンプ1の軸方向からみて第1吐出ポート7に重なり合わなくなってから、インナーロータ2が予め定められた任意の第1の角度θ1だけ回転する間、軸方向からみて当該何れか1つの歯間室5xと重なり合うようにポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成される。より詳細には、第1内周側連通路71および第1外周側連通路72は、隣り合う2つの歯間室5xを区切る境界点が凹部70の前側の端部70fと軸方向からみて重なり合ってからインナーロータ2が第1の角度θ1だけ回転する間、軸方向からみて当該歯間室5xと重なり合う。
【0018】
更に、ポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)には、第2吐出ポート8を包囲する比較的浅い凹部80と、当該凹部80を介して第2吐出ポート8に常時連通する第2連通路85とが形成されている。第2連通路85は、本実施形態において凹部80と同一またはそれ以下の深さを有する凹部であり、凹部80のロータ回転方向における後側の端部80rから第1吐出ポート7に向けて当該ロータ回転方向における更に後側に延出されている。第2連通路85は、アウターロータ3の外周側で円弧状に延在し、当該第2連通路85の第1吐出ポート7側の端部以外の部分は、例えば第1内周側連通路71および第1外周側連通路72の幅と同一かつ一定の幅を有する。ただし、第2連通路85の第1吐出ポート7側の端部以外の部分は、第1内周側連通路71および第1外周側連通路72の幅よりも小さくてもよい。これにより、加工ツールを第1内周側連通路71および第1外周側連通路72と共通化して、ポンプハウジング10に第2連通路85を形成するのに伴う加工コストの増加を良好に抑制することが可能となる。
【0019】
そして、第2連通路85は、図1に示すように、上記何れか1つの歯間室5xがギヤポンプ1の軸方向からみて第1吐出ポート7に重なり合わなくなってから、インナーロータ2が上記第1の角度θ1よりも大きく予め定められた任意の第2の角度θ2だけ回転する間、軸方向からみて当該何れか1つの歯間室5xと重なり合うようにポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成される。より詳細には、第2連通路85は、歯間室5xを画成するロータ回転方向における後側の外歯20rおよび内歯30rとの噛み合い位置(接触部)が凹部70の前側の端部70fと軸方向からみて重なり合ってからインナーロータ2が第2の角度θ2だけ回転する間、軸方向からみて歯間室5xと重なり合う。本実施形態のギヤポンプ1では、図1に示すように、歯間室5xを画成する後側の外歯20rおよび内歯30rとの噛み合い位置が第1吐出ポート7の凹部70の前側の端部70fと軸方向からみて重なり合ったタイミングで、第2連通路85の第1吐出ポート7側の端部が歯間室5xを画成するロータ回転方向における前側の内歯30fの歯面と重なり合い、かつ、歯間室5xを画成するロータ回転方向における前側の外歯20fおよび内歯30fとの噛み合い位置(接触部)が第2吐出ポート8の凹部80のロータ回転方向における後側の端部80rと軸方向からみて重なり合う。
【0020】
上述のように構成されるギヤポンプ1を含む車両のエンジンが始動され、当該エンジンからの動力により回転軸4を介してインナーロータ2が回転駆動されると、複数の外歯20の一部が複数の内歯30の一部に噛合することで、アウターロータ3もインナーロータ2と共に同方向に回転する。これにより、吸入ポート6と対向(連通)すると共にインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が増加する複数の歯間室5内に吸入ポート6を介して作動油が吸入される。作動油を吸入した歯間室5の容積は、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って減少し、容積が減少する歯間室5は、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って第1吐出ポート7および当該第1吐出ポート7のロータ回転方向における前側に位置する第2吐出ポート8に順番に対向(連通)する。これにより、容積が減少する歯間室5から第1吐出ポート7および第2吐出ポート8へと作動油が圧送され、第1吐出ポート7および第2吐出ポート8からの作動油が第1吐出通路または第2吐出通路等を介して油圧制御装置に供給されることになる。
【0021】
また、ギヤポンプ1では、何れか1つの歯間室5xが軸方向からみて第1吐出ポート7に重なり合わなくなってからインナーロータ2が予め定められた第1の角度θ1だけ回転する間、第1連通路としての第1内周側連通路71および第1外周側連通路72を介して歯間室5xと第1吐出ポート7とが連通する。ここで、本発明者らの研究によれば、インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際には、インナーロータ2およびアウターロータ3の端面に引き摺られる作動油によって、第1内周側連通路71および第1外周側連通路72における第1吐出ポート7に向けた作動油の流れが阻害され、その結果、第1吐出ポート7と第2吐出ポート8との周方向における間に位置する歯間室5xが閉塞状態となることが判明した。
【0022】
これを踏まえて、ギヤポンプ1のポンプハウジング10には、上記何れか1つの歯間室5xが軸方向からみて第1吐出ポート7に重なり合わなくなってからインナーロータ2が第1の角度θ1よりも大きい第2の角度θ2だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室5xを第1吐出ポート7以外の第2吐出ポート8に連通させる第2連通路85が形成される。これにより、第1吐出ポート7と第2吐出ポート8との周方向における間に位置する何れか1つの歯間室5x内の作動油を第2連通路85を介して第2吐出ポート8に逃がすと共に、第1内周側連通路71および第1外周側連通路72で作動油を流通させて第1吐出ポート7と歯間室5xとを概ね等圧に維持することができる。この結果、ギヤポンプ1では、歯間室5xにおける作動油の圧力上昇を抑えてギヤポンプ1(インナーロータ2)の駆動トルクを低減化することが可能となる。
【0023】
図3は、インナーロータ2の回転角度と、何れか1つの歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出開始(図中A)から第1吐出ポート7への作動油の吐出終了(図中C)までにおける歯間室5x内の作動油の圧力との関係についての解析結果を示す図表である。また、図4は、インナーロータ2の回転角度と、何れか1つの歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出開始(図中A)から第1吐出ポート7への作動油の吐出終了(図中C)までにおけるギヤポンプ1(インナーロータ2)の駆動トルクとの関係についての解析結果を示す図表である。図3に示すように、第2連通路85を含むギヤポンプ1では、図中実線で示すように、第2連通路85を含まないギヤポンプ(図中破線参照)に比べて、第2連通路85を介して歯間室5xが第2吐出ポート8に連通してから(図中B)、軸方向からみて歯間室5xが第1内周側連通路71および第1外周側連通路72と重なり合わなくなって当該歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出が終了するまで(図中C)の間、歯間室5x内の作動油の圧力を低下させることができる。
【0024】
更に、図4に示すように、第2連通路85を含むギヤポンプ1では、図中実線で示すように、第2連通路85を含まないギヤポンプ(図中破線参照)に比べて、第2連通路85を介して歯間室5xが第2吐出ポート8に連通してから(図中B)、軸方向からみて歯間室5xが第1内周側連通路71および第1外周側連通路72と重なり合わなくなって当該歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出が終了するまで(図中C)の間、ギヤポンプ1の駆動トルクを低下させることができる。すなわち、第2連通路85を介して上記何れか1つの歯間室5xを第2吐出ポート8に連通させることで、当該歯間室5xから第1吐出ポート7に作動油が逆流するのを抑制してギヤポンプ1の駆動トルクを良好に低減化することが可能となる。
【0025】
図5は、本開示の他のギヤポンプ1Bを示す概略構成図である。なお、ギヤポンプ1Bの構成要素のうち、上述のギヤポンプ1と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0026】
図5に示すように、ギヤポンプ1Bは、上記何れか1つの歯間室5x内の作動油を第1吐出ポート7以外に逃がす第2連通路としての連通孔88を含む。連通孔88は、図5および図6に示すように、ポンプハウジング10内のギヤ収容室15と、第1吐出ポート7からの作動油が流入するようにポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成された第1吐出通路75とで開口する孔である。連通孔88は、上記何れか1つの歯間室5xがギヤポンプ1の軸方向からみて第1吐出ポート7に重なり合わなくなってから、インナーロータ2が所定角度(第2の角度θ2)だけ回転する間、軸方向からみて当該何れか1つの歯間室5xと重なり合うようにポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成される。より詳細には、連通孔88は、歯間室5xを画成するロータ回転方向における後側の外歯20rおよび内歯30rとの噛み合い位置(接触部)が凹部70の前側の端部70fと軸方向からみて重なり合ってからインナーロータ2が所定角度だけ回転する間、軸方向からみて歯間室5xと重なり合う。また、本実施形態において、連通孔88は、ギヤポンプ1(インナーロータ2およびアウターロータ3)の軸方向に延在する。これにより、連通孔88をギヤポンプ1の軸方向に対して傾斜させた場合に比べて、連通孔88の形成に伴うギヤポンプ1の加工コストの増加を抑制することが可能となる。
【0027】
かかるギヤポンプ1Bでは、第1吐出ポート7と第2吐出ポート8との周方向における間に位置する何れか1つの歯間室5x内の作動油を連通孔88を介して(第1吐出ポート7を介すことなく)第1吐出通路75に逃がして当該歯間室5xにおける圧力上昇を良好に抑制することができる。これにより、ギヤポンプ1Bの駆動トルクを低減化することが可能となる。
【0028】
図7は、ギヤポンプ1Bのインナーロータ2の回転角度と、何れか1つの歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出開始(図中A)から第1吐出ポート7への作動油の吐出終了(図中C)までにおける歯間室5x内の作動油の圧力との関係についての解析結果を示す図表である。また、図8は、インナーロータ2の回転角度と、何れか1つの歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出開始(図中A)から第1吐出ポート7への作動油の吐出終了(図中C)までにおけるギヤポンプ1B(インナーロータ2)の駆動トルクとの関係についての解析結果を示す図表である。図7に示すように、連通孔88を含むギヤポンプ1Bにおいても、図中実線で示すように、連通孔88を含まないギヤポンプ(図中破線参照)に比べて、連通孔88を介して歯間室5xが第1吐出通路75に連通してから(図中B)、軸方向からみて歯間室5xが第1内周側連通路71および第1外周側連通路72と重なり合わなくなって当該歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出が終了するまで(図中C)の間、歯間室5x内の作動油の圧力を低下させることができる。更に、図8に示すように、連通孔88を含むギヤポンプ1Bにおいても、図中実線で示すように、連通孔88を含まないギヤポンプ(図中破線参照)に比べて、連通孔88を介して歯間室5xが第1吐出通路75に連通してから(図中B)、軸方向からみて歯間室5xが第1内周側連通路71および第1外周側連通路72と重なり合わなくなって当該歯間室5xから第1吐出ポート7への作動油の吐出が終了するまで(図中C)の間、ギヤポンプ1Bの駆動トルクを低下させることができる。すなわち、連通孔88を介して上記何れか1つの歯間室5xを第1吐出通路75に連通させても、当該歯間室5xから第1吐出ポート7に作動油が逆流するのを抑制してギヤポンプ1の駆動トルクを良好に低減化することが可能となる。
【0029】
なお、ギヤポンプ1Bにおいて、連通孔88は、ポンプハウジング10内のギヤ収容室15と、第2吐出ポート8からの作動油が流入するようにポンプハウジング10(ポンプボディ11および/またはポンプカバー)に形成された第2吐出通路とで開口する孔であってもよい。また、図9に示すギヤポンプ1Cのように、連通孔88は、ポンプハウジング10内のギヤ収容室15と、インナーロータ2の内周面とで開口する孔であってもよい。かかるギヤポンプ1Cでは、歯間室5x内の作動油を連通孔88を介してインナーロータ2の内側に流して潤滑・冷却に供することができる。
【0030】
以上説明したように、本開示のギヤポンプは、複数の外歯(20,20f,20r)を有すると共に回転駆動されるインナーロータ(2)と、前記インナーロータ(2)の前記外歯(20,20f,20r)よりも多い複数の内歯(30,30f,30r)を有すると共に前記インナーロータ(2)に対して偏心するように配置されるアウターロータ(3)と、隣り合う2つの前記外歯(20,20f,20r)と隣り合う2つの前記内歯(30,30f,30r)とにより画成される複数の歯間室(5)と、前記インナーロータ(2)および前記アウターロータ(3)を収容するポンプハウジング(10)とを含むギヤポンプ(1,1B,1C)において、前記インナーロータ(2)および前記アウターロータ(3)の回転に伴って容積が増加する前記歯間室(5)に連通するように前記ポンプハウジング(10)に形成された吸入ポート(6)と、前記インナーロータ(2)および前記アウターロータ(3)の回転に伴って容積が減少する前記歯間室(5)に連通するように前記ポンプハウジング(10)に形成された第1吐出ポート(7)と、前記第1吐出ポート(7)よりも回転方向における前側で前記インナーロータ(2)および前記アウターロータ(3)の回転に伴って容積が減少する前記歯間室(5)に連通するように前記第1吐出ポート(7)から周方向に間隔をおいて前記ポンプハウジング(10)に形成された第2吐出ポート(8)と、何れか1つの歯間室(5x)が軸方向からみて前記第1吐出ポート(7)に重なり合わなくなってから前記インナーロータ(2)が予め定められた第1の角度(θ1)だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室(5x)と前記第1吐出ポート(7)とを連通させるように前記ポンプハウジング(10)に形成された第1連通路(71,72)と、前記何れか1つの歯間室(5x)が軸方向からみて前記第1吐出ポート(7)に重なり合わなくなってから前記インナーロータ(2)が予め定められた第2の角度(θ2)だけ回転する間、前記何れか1つの歯間室(5x)を前記第1吐出ポート(7)以外に連通させるように前記ポンプハウジング(10)に形成された第2連通路(85,8)とを含むものである。
【0031】
本開示のギヤポンプは、インナーロータおよびアウターロータの回転に伴って容積が減少する歯間室に連通するようにポンプハウジングに形成された第1吐出ポートと、第1吐出ポートよりもインナーロータの回転方向における前側でインナーロータおよびアウターロータの回転に伴って容積が減少する歯間室に連通するように第1吐出ポートから周方向に間隔をおいてポンプハウジングに形成された第2吐出ポートとを含む。また、ポンプハウジングには、何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第1の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室と第1吐出ポートとを連通させるように第1連通路が形成されている。ここで、本発明者らの研究によれば、インナーロータおよびアウターロータが回転する際には、インナーロータおよびアウターロータの端面に引き摺られる流体によって、第1連通路における第1吐出ポートに向けた流体の流れが阻害され、その結果、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間に位置する何れか1つの歯間室が閉塞状態となることが判明した。これを踏まえて、本開示のギヤポンプのポンプハウジングには、上記何れか1つの歯間室が軸方向からみて第1吐出ポートに重なり合わなくなってからインナーロータが予め定められた第2の角度だけ回転する間、当該何れか1つの歯間室を第1吐出ポート以外に連通させるように第2連通路が形成される。これにより、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間に位置する何れか1つの歯間室内の流体を第2連通路を介して第1吐出ポート以外に逃がすと共に、第1連通路で流体を流通させて第1吐出ポートと当該何れか1つの歯間室とを概ね等圧に維持することができる。この結果、上記何れか1つの歯間室における圧力上昇を抑えてギヤポンプの駆動トルクを低減化することが可能となる。
【0032】
また、前記第2連通路(85)は、前記何れか1つの歯間室(5x)を前記第2吐出ポート(8)に連通させるものであってもよい。これにより、上記何れか1つの歯間室から第1吐出ポートに流体が逆流するのを抑制してギヤポンプの駆動トルクを良好に低減化することが可能となる。
【0033】
更に、前記第2連通路(85)は、前記第2吐出ポート(8)に常時連通するように前記第2吐出ポート(8)から前記第1吐出ポート(7)に向けて延出された凹部であってもよい。
【0034】
また、前記第2連通路(85)の少なくとも前記第1吐出ポート(7)側の端部以外の部分は、一定の幅を有してもよい。これにより、ポンプハウジングに第2連通路を形成するのに伴うコストアップを良好に抑制することが可能となる。
【0035】
更に、前記ギヤポンプ(1B)は、前記第1吐出ポート(7)からの流体が流入するように前記ポンプハウジング(10,11)に形成された第1吐出通路(75)を含むものであってもよく、前記第2連通路(88)は、前記何れか1つの歯間室(5x)を前記第1吐出通路(75)に連通させるものであってもよい。これにより、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの周方向における間に位置する何れか1つの歯間室における圧力上昇を良好に抑制することが可能となる。
【0036】
また、前記第2連通路(88)は、前記第1吐出通路(75)で開口するように前記ポンプハウジング(10)に形成された孔であってもよい。
【0037】
更に、前記第2連通路(88)は、前記軸方向に延在するものであってもよい。これにより、第2連通路(孔)の形成に伴うギヤポンプのコストアップを抑制することが可能となる。
【0038】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の発明は、ギヤポンプの製造産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,1B,1C ギヤポンプ、2 インナーロータ、2c,3c 回転中心、20,20f,20r 外歯、3 アウターロータ、30,30f,30r 内歯、4 回転軸、5,5x 歯間室、6 吸入ポート、7 第1吐出ポート、70 凹部、70f 端部、71 第1内周側連通路、72 第1外周側連通路、75 第1吐出通路、8 第2吐出ポート、80 凹部、80r 端部、85 第2連通路、88 連通孔、10 ポンプハウジング、11 ポンプボディ、15 ギヤ収容室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9