(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069352
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】靴の修理方法、靴底踵部の補強パーツ、測定ゲージ及び靴底踵部の補強パーツ一覧表
(51)【国際特許分類】
A43D 1/06 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A43D1/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020186842
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】520083611
【氏名又は名称】斎藤 理
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 理
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050NA84
4F050NA86
(57)【要約】 (修正有)
【課題】短時間で靴底の踵部分を修理する方法と靴底踵部の補強パーツと測定ゲージと靴底踵部の補強パーツ一覧表を提供する。
【解決手段】靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツ(6)を当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部(2)の靴底(3)に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から前記靴底(3)への垂線に直交する、前記摩耗部(2)の略垂直二等分線である基本軸(1)を設けた修理方法であって、前記靴底踵部の使用による摩耗部(2)を、前記基本軸(1)を用いて測定し、前記摩耗部(2)の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツ(6)を、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする。
【選択図】
図1a-c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸を設けた修理方法であって、前記靴底踵部の使用による摩耗部を、前記基本軸を用いて測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする靴の修理方法。
【請求項2】
前記靴底踵部における前記摩耗部の靴底に、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である前記基本軸のX軸であって、X軸にて、前記靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸にて、X軸との交点から、前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分を、測定することを特徴とする請求項1に記載の靴の修理方法。
【請求項3】
前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗部の摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする請求項2に記載の靴の修理方法。
【請求項4】
靴の修理方法に於いて、前記摩耗部に対応し、形状の異なる複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツを備える第一ステップと、前記靴底踵部の使用による摩耗部の前記測定を行う第二ステップと、前記摩耗部の修理に対応した、前記靴底踵部の補強パーツを選択する第三ステップと、前記選択した前記靴底踵部の補強パーツを修理箇所に対応させて修理を行う第四ステップと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の靴の修理方法。
【請求項5】
前記測定する第二ステップに於いて、前記靴底踵部の端部曲線のサイズを測定し、第一ステップの前記靴底踵部の補強パーツに於いて、前記靴底踵部の端部曲線によるサイズ分けをすることを特徴とする請求項4に記載の靴の修理方法。
【請求項6】
前記測定する第二ステップに於いて、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを測定することと、第一ステップの前記靴底踵部の補強パーツに於いて、摩耗高さによるサイズ分けをすることを特徴とする請求項5に記載の靴の修理方法。
【請求項7】
前記端部曲線サイズは2~20個、前記摩耗高さサイズは2~30個に分類された前記靴底踵部の補強パーツから、選択することを特徴とする請求項6に記載の靴底の修理方法。
【請求項8】
前記測定する第二ステップに於いて、測定ゲージにより測定され、前記靴底踵部の端部曲線のサイズと、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを測定し、前記端部曲線サイズ及び前記摩耗高さサイズに分類することを特徴とする請求項7に記載の靴底の修理方法。
【請求項9】
前記靴底踵部の補強パーツを備える第一ステップにおいて、前記靴底踵部の使用による前記摩耗部に対応し、マトリックス表示により靴底踵部の補強パーツ一覧表にて管理され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表から選択することを特徴とする請求項7または8のいずれか1項記載の靴の修理方法。
【請求項10】
靴底踵部の補強パーツは、色彩の異なる二層又は三層の積層形成であって、前記積層形成される靴底との重合面の層の形状は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の補強パーツの靴底との重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底踵部の補強パーツの端部が、使用により摩耗し、前記靴底との重合面の層が靴底表面に出現することによる、交換時期の目安機能を設け、視認により交換修理時期が判断できることを特徴とする請求項3から9のいずれか1項記載の靴の修理方法。
【請求項11】
靴底踵部の補強パーツは、地面との接地面に、サイズ調整可能な溝を設けることを特徴とする請求項3から10のいずれか1項に記載の靴の修理方法。
【請求項12】
前記摩耗部を測定する第二ステップに於いて、前記測定ゲージは、透明素材で上面と前記上面に直角な側面の2面で形成され、前記測定ゲージの前記上面に表示された多数の半円形より、前記靴底踵部の端部曲線を合わせて、測定する機能と、前記測定ゲージの前記側面に表示された前記上面に対し平行な多数の直線から、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを、合わせて測定する機能と、を備え前記測定ゲージにて測定された測定数値の前記靴底踵部の端部曲線及び最大摩耗高さにて、前記靴底踵部の補強パーツをサイズ毎に分類することを特徴とする請求項8に記載の靴の修理方法。
【請求項13】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、互いに直交するX軸とZ軸及びY軸にて、靴底踵部の摩耗部を測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成することであって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、平行であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸と、X軸に直交する前記摩耗部の前記靴底に平行なY軸と、Y軸に直交するZ軸を用いて前記靴底踵部の摩耗部を測定することを特徴とする靴の修理方法。
【請求項14】
靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸と、X軸に直交する前記摩耗部の前記靴底に水平なY軸を用いて前記靴底踵部の摩耗部を測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成することであって、前記測定はX軸とZ軸の交点からX軸において、前記摩耗部の靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸までの交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸において、X軸の交点から前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分と、X軸に直交する靴底に水平なY軸の交点から摩耗範囲とZ軸までの全長を測定することを特徴とする請求項13に記載の靴の修理方法。
【請求項15】
X軸、Z軸、及びY軸にて、前記摩耗部を測定する靴の修理方法に於いて、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする請求項14に記載の靴の修理方法。
【請求項16】
靴底踵部の使用による摩耗部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強を行う靴の修理方法に於いて、前記靴底踵部に当てて使用する測定ゲージであって、前記測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面に前記靴底踵部の端部曲線を測定する機能として、半円形の直径が異なる多数の前記半円形を表示することと、前記側面は、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線を表示することを特徴とする靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項17】
前記靴底踵部に当てて使用する前記測定ゲージであって、前記測定ゲージの上面に表示された多数の半円形から、前記靴底踵部の端部曲線を、合わせて測定する機能と、前記測定ゲージの側面に表示された多数の直線から、前記摩耗部における前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを合わせて測定する機能と、を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項18】
前記測定ゲージにて測定された数値は、前記靴底踵部の補強パーツをサイズ毎に分類する為の数値であって、前記測定された数値により前記摩耗部に対応した前記靴底踵部の補強パーツを選択できることを特徴とする請求項17に記載の靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項19】
前記靴底踵部の靴底に対し、水平な基本軸を設けた靴の修理法にて使用する前記測定ゲージであって、前記基本軸は、摩耗部における靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線であることを特徴とした靴の修理方法であって、前記靴底踵部の補強パーツの前記靴底との重合面の形状は、前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さから、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する曲線部分又は直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応し、マトリックス表示により複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツが靴底踵部の補強パーツ一覧表にてサイズ毎に分類表示され、前記測定ゲージの測定数値によるサイズ分類が前記靴底踵部の補強パーツ一覧表に対応していることを特徴とする請求項18に記載の靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項20】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平な基本軸を設けた靴の修理法にて使用する前記測定ゲージであって、前記基本軸は、摩耗部における靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線であることを特徴とした靴の修理方法であって、前記靴底踵部の補強パーツの前記靴底との重合面の形状は、前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さから、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する曲線部分又は直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応し、マトリックス表示により複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツが靴底踵部の補強パーツ一覧表にて表示され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された靴底踵部の補強パーツ一覧表。
【請求項21】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸を設けることと、前記靴底踵部の使用による摩耗部を、前記基本軸を用いて測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成し、修理箇所に対応させて修理をする靴の修理方法であって、X軸にて、前記靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸にて、X軸との交点から、前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分を測定し、靴底踵部の補強パーツの形状を形成することを特徴とする靴底踵部の補強パーツ。
【請求項22】
前記靴底踵部の使用による前記摩耗部の摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする請求項21に記載の靴底踵部の補強パーツ。
【請求項23】
前記靴底踵部の補強パーツに於いて、靴底との重合面の形状は、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応した靴底踵部の補強パーツ一覧表に表示された前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表に基づきマトリックス表示され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表に記載されていることを特徴とする請求項22に記載の靴底踵部の補強パーツ。
【請求項24】
前記靴底踵部の補強パーツは、色彩の異なる二層又は三層の積層形成であることと、靴底との重合面の層の形状は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の補強パーツの靴底との重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底踵部の補強パーツの端部が、使用により摩耗し、前記靴底との重合面の層が靴底表面に出現することによる、交換時期の目安機能を設け、視認により交換修理時期が判断できることを特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載の靴底踵部の補強パーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は靴底の磨り減った踵に適合する、靴底踵部の補強パーツを接着接合する靴底の踵の修理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、靴底の踵修理を行うリペア・靴修理店での修理方法は、靴底の形状と接着するゴム板を密着させて修理する為、靴底の接着面を集塵機も備えた大型研磨機械で形状を整える。その後、接着剤にてゴム板と靴底を接着接合して靴の外周からはみ出したゴム板は靴の形状に合わせて切削、研磨調整加工するのが一般的である。また一般家庭でも可能な簡易修理、補強は靴が新品、もしくは新品に近い状態の靴に、これから履いて減る部分にあらかじめ補強材を接着する方法や靴底補修用チップ(特許文献1参照)や靴底補修部材(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3203133号公報
【特許文献2】実用新案登録第3165936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、靴底を特許文献1もしくは2の従来技術では作業工程が多い為、作業時間が掛かり、作業効率を高めるために改善すべき点があった。
【0005】
簡易修理材が市販されているが、自分で修理するのが苦手な場合や、靴底の踵に貼る補強材も以前は露天の靴磨きや、磨り減った踵の補強に機械を使用せず、補強材を靴底に接着剤と釘で打ち留めて修理をしていた時代もあったが、世代によってはこの補強材もあまり認知されていない。
【0006】
市販されている踵の補強ゴムは、靴底、踵の補強ゴム、両方の接着面が密着出来る形状の時に接着しなければならず、新品の靴に接着してあらかじめ靴底を長持ちさせる事に多く使われるが、すでに磨り減った靴に接着接合しようとすると形状が様々な為、殆ど接着面が合わない。市販されている踵の補強ゴムはほんの一部になる。
【課題を解決しようとするための手段】
【0007】
本発明はこうした問題に鑑みて、磨り減った靴底の踵の修理作業時間を大幅に短縮する靴底の踵の補強について検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、靴底踵部の使用による摩耗部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強を行い、前記靴底踵部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸を設けた修理方法であって、前記靴底踵部の使用による摩耗部を、前記基本軸を用いて測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする靴の修理方法である。
【0009】
また、第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記靴底踵部における前記摩耗部の靴底に、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である前記基本軸のX軸であって、X軸にて、前記靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸にて、X軸との交点から、前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分を、測定することを特徴とする。
【0010】
また、第3の解決手段は、第2の解決手段において、
前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗部の摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする。
【0011】
また、第4の解決手段は、第3の解決手段において、
靴の修理方法に於いて、前記摩耗部に対応し、形状の異なる複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツを備える第一ステップと、前記靴底踵部の使用による摩耗部の前記測定を行う第二ステップと、前記摩耗部の修理に対応した、前記靴底踵部の補強パーツを選択する第三ステップと、前記選択した前記靴底踵部の補強パーツを修理箇所に対応させて修理を行う第四ステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第5の解決手段は、第4の解決手段において、
前記測定する第二ステップに於いて、前記靴底踵部の端部曲線のサイズを測定し、第一ステップの前記靴底踵部の補強パーツに於いて、前記靴底踵部の端部曲線によるサイズ分けをすることを特徴とする。
【0013】
また、第6の解決手段は、第5の解決手段において、
前記測定する第二ステップに於いて、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを測定することと、第一ステップの前記靴底踵部の補強パーツに於いて、摩耗高さによるサイズ分けをすることを特徴とする。
【0014】
また、第7の解決手段は、第6の解決手段において、
前記端部曲線サイズは2~20個、前記摩耗高さサイズは2~30個に分類された前記靴底踵部の補強パーツから、選択することを特徴とする。
【0015】
また、第8の解決手段は、第7の解決手段において、
前記測定する第二ステップに於いて、測定ゲージにより測定され、前記靴底踵部の端部曲線のサイズと、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを測定し、前記端部曲線サイズ及び前記摩耗高さサイズに分類することを特徴とする。
【0016】
また、第9の解決手段は、第7または8のいずれかの解決手段において、
前記靴底踵部の補強パーツを備える第一ステップにおいて、前記靴底踵部の使用による前記摩耗部に対応し、マトリックス表示により靴底踵部の補強パーツ一覧表にて管理され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表から選択することを特徴とする。
【0017】
また、第10の解決手段は、第3から9のいずれかの解決手段において、
靴底踵部の補強パーツは、色彩の異なる二層又は三層の積層形成であって、前記積層形成される靴底との重合面の層の形状は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の補強パーツの靴底との重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底踵部の補強パーツの端部が、使用により摩耗し、前記靴底との重合面の層が靴底表面に出現することによる、交換時期の目安機能を設け、視認により交換修理時期が判断できることを特徴とする。
【0018】
また、第11の解決手段は、第3から10のいずれかの解決手段において、
靴底踵部の補強パーツは、地面との接地面に、サイズ調整可能な溝を設けることを特徴とする。
【0019】
また、第12の解決手段は、第8の解決手段において、
前記摩耗部を測定する第二ステップに於いて、前記測定ゲージは、透明素材で上面と前記上面に直角な側面の2面で形成され、前記測定ゲージの前記上面に表示された多数の半円形より、前記靴底踵部の端部曲線を合わせて、測定する機能と、前記測定ゲージの前記側面に表示された前記上面に対し平行な多数の直線から、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを、合わせて測定する機能と、を備え前記測定ゲージにて測定された測定数値の前記靴底踵部の端部曲線及び最大摩耗高さにて、前記靴底踵部の補強パーツをサイズ毎に分類することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、靴底踵部に、靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、互いに直交するX軸とZ軸及びY軸にて、靴底踵部の摩耗部を測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成することであって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、平行であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸と、X軸に直交する前記摩耗部の前記靴底に平行なY軸と、Y軸に直交するZ軸を用いて前記靴底踵部の摩耗部を測定することを特徴とする靴の修理方法である。
【0021】
また、第14の解決手段は、第13の解決手段において、
靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸と、X軸に直交する前記摩耗部の前記靴底に水平なY軸を用いて前記靴底踵部の摩耗部を測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成することであって、前記測定はX軸とZ軸の交点からX軸において、前記摩耗部の靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸までの交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸において、X軸の交点から前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分と、X軸に直交する靴底に水平なY軸の交点から摩耗範囲とZ軸までの全長を測定することを特徴とする。
【0022】
また、第15の解決手段は、第14の解決手段において、
X軸、Z軸、及びY軸にて、前記摩耗部を測定する靴の修理方法に於いて、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、靴底踵部の使用による摩耗部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強を行う靴の修理方法に於いて、前記靴底踵部に当てて使用する測定ゲージであって、前記測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面に前記靴底踵部の端部曲線を測定する機能として、半円形の直径が異なる多数の前記半円形を表示することと、前記側面は、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線を表示することを特徴とする靴の修理方法の測定ゲージである。
【0024】
また、第17の解決手段は、第16の解決手段において、
前記靴底踵部に当てて使用する前記測定ゲージであって、前記測定ゲージの上面に表示された多数の半円形から、前記靴底踵部の端部曲線を、合わせて測定する機能と、前記測定ゲージの側面に表示された多数の直線から、前記摩耗部における前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さを合わせて測定する機能と、を更に含むことを特徴とする。
【0025】
また、第18の解決手段は、第17の解決手段において、
前記測定ゲージにて測定された数値は、前記靴底踵部の補強パーツをサイズ毎に分類する為の数値であって、前記測定された数値により前記摩耗部に対応した前記靴底踵部の補強パーツを選択できることを特徴とする。
【0026】
また、第19の解決手段は、第18の解決手段において、
前記靴底踵部の靴底に対し、水平な基本軸を設けた靴の修理法にて使用する前記測定ゲージであって、前記基本軸は、摩耗部における靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線であることを特徴とした靴の修理方法であって、前記靴底踵部の補強パーツの前記靴底との重合面の形状は、前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さから、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する曲線部分又は直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応し、マトリックス表示により複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツが靴底踵部の補強パーツ一覧表にてサイズ毎に分類表示され、前記測定ゲージの測定数値によるサイズ分類が前記靴底踵部の補強パーツ一覧表に対応していることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平な基本軸を設けた靴の修理法にて使用する前記測定ゲージであって、前記基本軸は、摩耗部における靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線に直交する、前記摩耗部の略垂直二等分線であることを特徴とした靴の修理方法であって、前記靴底踵部の補強パーツの前記靴底との重合面の形状は、前記基本軸を設けた測定により、前記靴底踵部の使用による摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さから、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する曲線部分又は直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応し、マトリックス表示により複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツが靴底踵部の補強パーツ一覧表にて表示され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された靴底踵部の補強パーツ一覧表である。
【0028】
また、本発明は、靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、靴底踵部の使用による摩耗部の靴底に対し、水平であって、前記靴底の踵後方側面の最大摩耗高さから前記靴底への垂線であるZ軸に直交する前記摩耗部の略垂直二等分線である基本軸のX軸を設けることと、前記靴底踵部の使用による摩耗部を、前記基本軸を用いて測定し、前記摩耗部の形状に合わせた前記靴底踵部の補強パーツを形成し、修理箇所に対応させて修理をする靴の修理方法であって、X軸にて、前記靴底における前記摩耗部の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸にて、X軸との交点から、前記踵後方側面における最大摩耗高さまでの部分を測定し、靴底踵部の補強パーツの形状を形成することを特徴とする靴底踵部の補強パーツである。
【0029】
また、第22の解決手段は、第21の解決手段において、
前記靴底踵部の使用による前記摩耗部の摩耗状態に基づき形成された前記靴底踵部の補強パーツであって、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底から垂直に立ち上がる前記摩耗部の最大摩耗高さに対応した部分と、前記垂直に立ち上がる最大摩耗高さより、曲線を描きながら前記摩耗部に対応する前記曲線部分又は前記直線部分を備えた前記靴底踵部の補強パーツであることを特徴とする。
【0030】
また、第23の解決手段は、第20の解決手段において、
前記靴底踵部の補強パーツに於いて、靴底との重合面の形状は、前記靴底踵部の使用による摩耗部に対応した靴底踵部の補強パーツ一覧表に表示された前記靴底踵部の補強パーツであって、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表に基づきマトリックス表示され、横軸を一方の軸に、前記靴底踵部の端部曲線サイズが表示され、縦軸を他方の軸に、前記摩耗部の摩耗高さサイズが表示され、分類毎にパーツ番号が表示された、前記靴底踵部の補強パーツ一覧表に記載されていることを特徴とする。
【0031】
また、第24の解決手段は、第21から23のいずれかの解決手段において、
前記靴底踵部の補強パーツは、色彩の異なる二層又は三層の積層形成であることと、靴底との重合面の層の形状は、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の補強パーツの靴底との重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、前記靴底踵部の補強パーツの端部が、使用により摩耗し、前記靴底との重合面の層が靴底表面に出現することによる、交換時期の目安機能を設け、視認により交換修理時期が判断できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
紳士のビジネスシューズも高級な革靴、歩き心地を重視した靴、雨の日に履く防水使用の靴まで様々あるが、靴底踵部の補強パーツ(6)による靴底の踵の修理方法は、大型機械を使用して靴底本体を切削、研磨調整加工しない為、作業工程が少なく他の補強、修理に比べ大幅に短時間で修理が可能になり作業性に優れる。また使用頻度の高い学生靴、ウォーキングシューズ、スニーカーなどにも対応できる。近頃、働く女性の靴も多様化しハイヒール以外の歩き心地を重視した靴も増加傾向にあり、踵の面積もハイヒールに比べ大きくなり、この靴底踵部の補強パーツ(6)の接着が可能になり多様性にも優れる。
【0033】
この靴底踵部の補強パーツ(6)による靴底の踵の修理方法は、力加減を必要としない為、加工性に優れ、また小スペースで踵の修理サービスの提供や既存の修理店、販売店などで顧客の待ち時間に数分で修理が可能になり固定経費、人件費を抑えてこの靴底の踵の修理方法が活用可能で、経済性にも優れる。
【0034】
この靴の修理方法による考案された靴底踵部の補強パーツ(6)は、色彩の異なる積層構造により、ファッション性、デザイン性に優れ、尚且つ摩耗による交換時期の表示機能も備え、視認性及び機能性に優れ、靴底踵部の摩耗部(2)に対応した形状の全長b、弧長b1により適応性にも優れる。この為、靴底踵部の補強パーツ(6)は小売り、お土産にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】靴底踵部の補強パーツを修理箇所に対応させた修理状態を示す模式図 (a)靴底に対し水平な基本軸を示すX軸(1)と、靴底の踵後方側面から直交するZ軸(1a)を設けた、靴底踵部の補強パーツの修理状態を示す模式図 (b)靴底踵側面の最大摩耗高さからの垂線であるZ軸(1a)に直交する摩耗部を垂直二等分する靴底に水平な基本軸を示すX軸(1)を設けた状態を示す平面図 (c)
図1(b)で示すA-A線(基本軸を示すX軸)に沿った縦断面図 (d)靴底に対し水平な基本軸を示すX軸(1)に直交するY軸(1b)にて摩耗部を測定する平面図 (e)直角を有する三角柱形状からなる傾斜ゴムの直角三角形の面に、測定した摩耗状態を示す曲線部分と直線部分を表示した状態を示す図
【
図3】靴底踵部の補強パーツの平面図 (a)靴底踵部の補強パーツの平面図 (b)パーツNo.1005の靴底踵部の補強パーツに左右対称を示す中心線を設けた平面図
【
図6】積層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (a)二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (b)多層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (c)多層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図
【
図7】靴底踵部の摩耗部に対応した靴底踵部の補強パーツの右側面図 (a)二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (b)靴底踵部の補強パーツの右側面図
【
図8】摩耗高さ0ミリから4ミリ以下の摩耗にて対応する靴底との重合面が、平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (a)靴底との重合面が平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (b)靴底との重合面が平面形状であって、色彩が異なる二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図 (c)靴底との重合面が平面形状であって、色彩が異なる三層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図
【
図9】靴底踵部の摩耗部に靴底との重合面が平面形状であって、三層構造からなる靴底踵部の補強パーツを接着接合し、使用前、使用後の状態を示す模式図
【
図10】靴底踵部の摩耗部に三層構造からなる靴底踵部の補強パーツを接着接合し、使用前、使用後の状態を示す模式図
【
図11】靴底踵部の使用による摩耗部を測定する測定ゲージを示す図
【
図12】5段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a73ミリ及び直径a68ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図
【
図13】3段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a73ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図
【
図14】2段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a68ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図
【
図15】3段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a48ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図
【
図16】2段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a43ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施形態を詳細に説明する。
(
図1)靴底踵部の補強パーツを修理箇所に対応させた修理状態を示す模式図になる。
(
図1)(a)靴底踵部の摩耗部(2)に靴底(3)に対し水平な基本軸を示すX軸(1)を設けた靴底踵部の補強パーツ(6)の修理状態を示す模式図であって、靴底の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から靴底(3)への垂線であるZ軸(1a)に直交する摩耗部(2)の略垂直二等分線である基本軸のX軸(1)を示す図である。
(
図1)(b)靴底踵部の摩耗部(2)の磨耗最大部の略垂直二等分線に、靴底外側から靴底内側に向かって靴底(3)に対し水平な基本軸のX軸(1)を設け、靴底の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から前記靴底への垂線であるZ軸(1a)に直交した状態を示す平面図になる。
(
図1)(c)
図1(b)で示すA-A線(基本軸を示すX軸)に沿った縦断面図になる。
(
図1)(d)靴底に対し水平な基本軸を示すX軸(1)に直交するY軸(1b)にて摩耗部を測定する平面図になる。
(
図1)(e)直角を有する三角柱形状からなる傾斜ゴムの直角三角形の面に、測定した摩耗状態を示す曲線部分と直線部分を表示した状態を示す図になる。
(
図2)靴底踵部の補強パーツ(6)になり、靴底踵部の補強パーツ(6)の靴底(3)との重合面の形状は、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)直径a、高さc、全長b、弧長b1から形成される。(
図2)で示すa、b、b1、c、はそれぞれ直径a、全長b、弧長b1、摩耗高さcを示す斜視図になる。
(
図3)靴底踵部の補強パーツ(6)の平面図になる。
(
図3)パーツNo.1005の靴底踵部の補強パーツに左右対称を示す中心線を示す平面図になり、靴底踵部の摩耗部(2)の形状に合わせ全長bの余分な個所は刃物、鋏などでカットする。靴底踵部の補強パーツ(6)は中心線(7)より左右対称の形状になる。
【0037】
(
図4)靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表になる。使用による摩耗状態を示す表の弧長線(18a)又は直線が、靴底踵部の摩耗部(2)の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、靴底(3)から垂直に立ち上がる靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)に対応した部分と、垂直に立ち上がる最大摩耗高さ(14a)より、曲線を描きながら靴底踵部の摩耗部(2)に対応する曲線部分又は直線部分になり、形成される靴底踵部の補強パーツ(6)の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部を示す表になる。靴底踵部の摩耗部(2)の弧長b1、全長bを横軸で示し、靴底踵部の摩耗部(2)の高さcを縦軸で示し、単位はそれぞれ縦軸、横軸共にミリ単位で表示され、表に示す弧長線(18a)又は直線は、摩耗部(2)の形状の曲線部分又は直線部分を示す線であって、靴底踵部の補強パーツ
図7又は
図8で示す靴底(3)との重合面の層(8a)の形状を示す線になる。
図1(b)の靴底踵部の摩耗部(2)の左右対称となる中心になる基本軸1の位置の縦断図による靴底踵部の摩耗部の形状を示す弧長線又は直線が、
図4を示す孤長線又は直線と同一になる。
図4で示す摩耗部の形状の曲線部分を示す複数の線(18a)の中で、靴底摩耗高さcを表した縦軸(20)が0から示す直線があるが、靴底(3)が摩耗により擦れた状態で摩耗高さ1ミリ以下の靴底(3)になる。また
図1(e)で示すように、摩耗部は必ずしも左右対称にはならない。また、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表(
図4)は顧客の摩耗状態の数値を平均化した表になる。測定には2つの定規を利用して1つの定規AをX軸(1)とし、靴底(3)に対して水平に置き、もう一つの定規BをZ軸(1a)とし、定規Aに対し垂直に靴底(3)の踵後方側面(14)に当て、定規Aと定規Bの交点から踵後方側面(14)における最大摩耗高さ(14a)を示す摩耗高さcを測定し、定規Aにて、靴底踵部の摩耗部(2)の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分になる全長bおよび弧長b1を測定する。
【0038】
(
図5)マトリックス表示による靴底踵部の使用による摩耗部(2)に対応する靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)を説明する。
(
図5)靴底踵部の補強パーツ(6)は、マトリックス表示による靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)にて管理され、横軸の靴底踵部の端部曲線の数値を示す端部曲線サイズの直径aが表示され、縦軸は靴底踵部の摩耗部(2)における靴底(3)の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)の数値を示す摩耗高さサイズの摩耗高さcになる靴底踵部の摩耗部分と、直線部分を含む地面との接地面の直線部になる全長bと、靴底踵部の摩耗部(2)の直線部から立ち上がる部分における曲線部分の弧長b1が表示され、直径aを示す端部曲線サイズ、摩耗高さcを示す摩耗高さサイズ毎に分類され、分類毎にパーツ番号が表示された靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)から靴底踵部の摩耗部(2)に対応した靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する。
上記直径aとは、靴底踵部の端部曲線を測定する際の適合する半円形の直径数値を示し、靴底踵部の端部曲線サイズを2~20サイズ、好ましくは10サイズに分類し直径a28ミリから直径a73ミリまで10種類で分類する。摩耗高さcとは靴底の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)を示し、靴底(3)に対し水平な基本軸のX軸(1)に直交する、靴底の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から前記靴底への垂線であるZ軸(1a)にて、X軸の交点からZ軸(1a)にて最大摩耗高さ(14a)の数値を示し摩耗高さサイズを2~30サイズ、好ましくは2~10サイズ、より好ましくは4~7サイズに分類する。摩耗高さサイズの摩耗高さc0ミリから17ミリで分類する。摩耗高さサイズcの0~4ミリの靴底踵部の補強パーツ
図8(10a、10b、10c)は高さc4ミリになり、靴底踵部の端部曲線サイズの直径aと全長bを示す。また、靴底との重合面が平面形状であって、摩耗高さ2ミリから15ミリの範囲の中から形成されるが、高さ4ミリの需要が多い為、摩耗高さ4ミリが好ましい。また、高さが低い摩耗高さ2ミリ、3ミリはヒール部分が既に高い婦人物のヒールや、靴底(3)が湾曲しているスニーカーなどに有効になる。また、摩耗高さ5ミリ以上については、歩行を矯正する為のO脚やX脚など体の重心を整える為に貼付すると有効になる。
【0039】
(
図6)積層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図を示す。
(a)二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図を示す。
(b)多層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図を示す。
(c)多層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図を示す。
上記(
図6)の(a)、(b)、(c)積層形成からなる靴底踵部の補強パーツの図を例に挙げる。それぞれに積層されるデザインが考えられるが、積層形成により交換時期の視認による目安を容易にするには、(
図7)(
図8)の二層構造からなる靴底踵部の補強パーツ(8、10b)及び三層構造からなる靴底踵部の補強パーツ(15、10c)が好ましい。
(
図7)靴底踵部の摩耗部に対応した靴底踵部の補強パーツの右側面図になる。
(
図7)(a)二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図であって、靴底(3)との重合面の層(8a)の形状を示し、直線部分を含む地面との接地面を示す直線部の全長b部分と、前記摩耗部の直線部から立ち上がる部分における直線部分又は曲線部分の弧長b1部分になり、重合面の厚みは0.5ミリから20ミリ好ましくは0.5から2ミリの厚みになる。
(
図7)(b)靴底踵部の補強パーツの右側面図を示す。
(
図8)摩耗高さ0ミリから4ミリ以下の摩耗にて対応する靴底との重合面が平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図になる。
(a)積層が無い形状であって、靴底との重合面が平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図になる。
(b)靴底との重合面が平面形状であって、色彩が異なる二層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図になる。
(c)靴底との重合面が平面形状であって、色彩が異なる三層構造からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図になる。
(
図9)靴底踵部の摩耗部に靴底との重合面が平面形状であって、三層構造からなる靴底踵部の補強パーツを接着接合し、使用前、使用後の状態を示す模式図になる。
(
図10)靴底踵部の摩耗部に三層構造からなる靴底踵部の補強パーツを接着接合し、使用前、使用後の状態を示す模式図になる。
【0040】
靴底踵部の補強パーツに、磨り減った状態が視認により判断が容易な積層構造からなる靴底踵部の補強パーツ(8、15、10b、10c)が好ましい。積層構造は一層が0.5ミリから20ミリの範囲で形成され一層目が摩耗すると二層目が靴底表面に出現し視認による靴底踵部の補強パーツ(8、15、10b、10c)の交換修理時期の目安となる。交換修理時期の目安機能を備えるには視認が容易な二層から三層で積層形成からなる靴底踵部の補強パーツが好ましい。交換修理時期の目安以外にも色彩が異なる多彩な色にすることで、歩行時にこの上記靴底踵部の補強パーツ(8、10b、10c、15)を貼付した後ろの人には靴底(3)が見える為、さりげないファッション性にも優れネクタイの色のように遊び心を持ったものになる。(
図9、10)で示すように色彩の異なる三層で圧着積層からなる靴底踵部の補強パーツ(10c、15)の場合、表層部の黒が摩耗し白部分が靴底表面に出現すると、靴底踵部の補強パーツ(10c、15)が富士山の雪化粧のようにも見える。また白部分が摩耗して三層目の灰色が靴底表面に出現した段階が靴底踵部の補強パーツ(10c、15)の交換時期になる。二層構造も同様に、靴底踵部の補強パーツ(8、10b)の端部が使用により摩耗し、靴底(3)との重合面の層(8a)が靴底表面(3)に出現すると交換時期の目安になる。よって、積層構造が交換修理時期の目安機能になり、視認により交換修理時期が容易に判断できる。また、表層面に和柄の模様などを取り入れ日本の古くから伝わる、勿体無い文化を広く伝えることができる。この靴の修理方法は靴底踵部の補強パーツを接着する簡易的な修理の為、早い作業時間で修理が可能になる為、履いている靴の修理を即時におこなうことができる。新品の靴を購入し、履いて間もない時、靴底(3)が摩耗により擦れた状態や摩耗部の摩耗高さが0から4ミリ以下の場合は、靴底(3)との重合面が平面形状からなる靴底踵部の補強パーツ
図8(10a、10b、10c)の対応になる。
【0041】
(
図11)靴底踵部の使用による摩耗部(2)を測定する測定ゲージ(21)を示す図である。
靴の修理方法において靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)で示す靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する為の透明のアクリル板素材の測定ゲージ(21)であって、上面と上面から直角になる側面で形成され、上面にて靴底端部の端部曲線サイズを測定し、半円形の直径が異なる多数の半円形の測定ラインが表示され、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の半円形からなる直径a数値を示す機能であって、直径28ミリから直径73ミリまで5ミリ単位で表示された半円形が表示される。また、上面から直角な側面は、靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を示す摩耗高さサイズを測定し、上面から平行である上部の線より靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)記載の摩耗高さc数値を示す前記測定ラインが表示され、摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を測定する為に、上部の線より5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ、15ミリ、17ミリの最大摩耗高さ(14a)を示す測定ラインが表示されている。測定ゲージ(21)の使用方法は、靴底(3)に水平に当てて、上面に表示された多数の半円形から、靴底踵部の端部曲線を、測定ゲージ(21)の多数の半円形と、を合わせて測定する機能と、測定ゲージ(21)の側面に表示された多数の直線と、靴底の踵後方側面の最大摩耗高さ(14a)と、を合わせて測定する機能になる。測定ゲージ(21)にて測定された測定値は靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)に対応した数値になる。
【0042】
靴底踵部の摩耗部(2)に対応する、靴底踵部の補強パーツ(6)を修理箇所に当てて修理をする靴底の踵の補強を目的とした修理方法を説明する。
(1) 踵部分のこれから靴底踵部の補強パーツ(6)を接着する箇所の水分、ゴミ、汚れを布、ペーパータオルなどで拭き取る。
(2) 靴底踵部のこれから靴底踵部の補強パーツ(6)を貼付する個所及び靴底踵部の補強パーツ(6)に接着剤を塗布する下処理として、サンドペーパー処理をする。
(3) 同じ靴のサイズでも、踵の靴底(3)の大きさが多種多様な為、
図1で示す靴底踵部の摩耗部(2)を測定する透明のアクリル板素材の測定ゲージ(21)を用いて測定し、形状の異なる、複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツ(6)を
図5で示すマトリックス表示された靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)から靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する。この測定ゲージ(21)の上面には靴底踵部の端部曲線を示す直径aが半円形として表示され、直径28ミリから直径73ミリまで5ミリ単位からなる多数の半円形(22)を表示し、側面は、上面から平行に多数の直線(23)が表示され靴底踵部の摩耗高さサイズの摩耗高さcを示し、靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を測定する為に、上部の線より5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ、15ミリ、17ミリの直線で印され、靴底踵部の補強パーツ一覧(
図5)と同じデータが表示されている為、摩耗部(2)に対応する靴底踵部の補強パーツNo.を即時に選択できる。横軸の直径aは測定ゲージ(21)の上面に表示された直径が異なる多数の半円形(22)からなる
図11の30~39から選択して、縦軸の摩耗高さcを
図11の24~29から選択する。それぞれ測定することでマトリックス表示された横軸の端部曲線サイズを示す直径a、縦軸の摩耗高さサイズを示す摩耗高さcが交差する全長b、弧長b1がそれぞれ異なる靴底踵部の補強パーツNo.が選択される。摩耗高さが5ミリ(24)未満の場合、摩耗高さ0~4ミリに対応するパーツNo.J~No.Aになり、直径a28ミリから直径a73ミリを示す。
(4) 測定ゲージ(21)の測定方法は、靴底(3)に水平に当てて上面に表示された直径が異なる多数の半円形(22)から靴底端部の端部曲線を直径a28ミリから直径a73ミリまで、5ミリ単位で拡大する10種類に分類された直径aから合わせながら適合又は一番近い大きさを測定し、靴底踵部の補強パーツのパーツNo.の上一桁又は上二桁を確定して端部曲線サイズの直径aを決める。
(5) 次に靴底(3)に対して垂直に靴底(3)の踵後方側面(14)の靴底踵部の摩耗部(2)に測定ゲージ(21)を当てて測定ゲージ(21)の上面から直角となる側面に表示された上面から平行に多数の直線(23)にて、靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さが適合又は一番近い直線を測定する。測定にて、それぞれ摩耗高さcが異なる5~7個に分類された摩耗高さサイズの摩耗高さcの靴底踵部の補強パーツNo.の下二桁を確定して摩耗高さcを決めると、靴底踵部の補強パーツ一覧(
図5)から全長b、弧長b1がそれぞれ異なる靴底踵部の補強パーツNo.が選択される。
(6) 靴底踵部の摩耗部(2)も靴底の材質により摩耗具合も様々になるが、靴修理又は補強を行う顧客は、測定によると最大摩耗高さになる摩耗高さ0ミリから20ミリ未満の摩耗状態で靴修理を行うことが多い。また紳士靴のビジネスシューズは、より多くは最大摩耗高さになる摩耗高さ5ミリから10ミリ未満が多い。紳士ビジネスシューズの場合は、直径a73ミリから直径a53に分類され、磨耗高さc5ミリ~高さc17ミリ、好ましくは高さc5ミリ~高さc9ミリの靴底踵部の補強パーツ(6)の接着が好ましい。また、摩耗高さ0ミリ~4ミリのまだ摩耗箇所が小さい場合の接着も靴底の原型を維持するにはより好ましい。
(7) また、測定ゲージ(21)を使用しない場合、定規、スケールなどの測定器具にて測定し、直径a28ミリから直径a73ミリまで10種類に分類された直径から対応する端部曲線サイズの直径aを選択して、摩耗高さサイズの摩耗高さcは定規、スケールなど2つの測定器具を利用して、前述したように1つの定規AをX軸とし、靴底(3)に対して水平に置き、もう一つの定規BをZ軸とし、定規Aに対して垂直に靴底の踵後方側面(14)に当て、定規Aと定規Bの交点から踵後方側面(14)における最大摩耗高さ(14a)を示す、摩耗高さcを測定する。測定された摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を
図5のマトリックス表の縦軸を用いて、摩耗高さサイズの摩耗高さcが異なる5~7個の靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の中から対応する靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する。
(8) 最後に靴底踵部の摩耗部(2)と靴底踵部の補強パーツ(6)の靴底接着面のうち、少なくとも一方に接着剤を塗布して接着接合させる。靴底(3)よりやや内側で接着接合する為、靴底本体の側面からはみ出る事はない。靴の汚れや接着剤が手に付着しないように、ディスポ手袋を着用し、ここでは手にピッタリフィットし手の平にエンボス加工がされて滑りにくい厚さ0.12ミリの材質ニトリルゴムのディスポ手袋(株式会社MonotaRO製「ニトリルゴム手袋 薄手 粉なし」)を着用する。接着剤は低粘度もしくはゼリー状の化学反応型接着剤、シアノアクリレートを主成分とした接着剤(東亜合成株式会社製「アロンアルファEXTRA」)を用いて接着する。また、シリル化ウレタン系の接着剤(コニシ株式会社「ウルトラ多用途SU」)も有効である。
【0043】
図5で示すマトリックス表示による靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)のように、靴底踵部の補強パーツ(6)は1色60個で黒、茶、ベージュ、白4色になり合計240個を、靴の磨り減り及び摩耗具合に合わせた、傾斜の合成ゴム素材や板状の合成ゴム素材を使用し、弾性体の靴底踵部の補強パーツ(6)の成形品にする。また、摩耗高さ0から4ミリに対応する靴底踵部の補強パーツもあり1色10個になるが、現状ではあまりニーズがない為、10ミリ単位の1色5個が好ましい。合成ゴム素材は、通常硬度40~95、好ましくは硬度54~90の合成ゴムになり、磨り減った靴に使用する靴底踵部の補強パーツ(6)には、より好ましくはJIS規格K6253準拠 A型、硬度54~58前後を使用する。また傾斜角の高さが12ミリ以上は材質エチレン酢酸ビニルゴムの硬度77の傾斜ゴムを使用し靴底踵部の補強パーツ(6)にする。量産が可能な場合は、合成ゴムを主にしたスチレンブタジエンゴムなどの合成ゴムが好ましい。柔らかめの硬度を使用することにより、滑り止めにもなり、磨り減った形状にも合わせやすい。また、摩耗高さ0ミリから4ミリの靴底との重合面が平面の靴底踵部の補強パーツ(10a、10b、10c)には合成ゴムより硬いウレタンゴムも有効になる。
【0044】
しかしながら、この靴底踵部の補強パーツ(6)は全ての靴のサイズに適合するのは容易ではない。需要が多いサイズは量産にて準備が可能になるが、需要が少ないサイズは量産以外で準備する方法が好ましい。また、婦人靴は靴底が一体化の構造や、学生の靴底の踵の面積が大きい革靴には有効だが、面積が小さいスタックヒール型などは1.9ミリ~2.5ミリの傾斜のない板状の合成ゴムを、靴底の形状に合わせて鋏でカットして新品時に貼付する補強をすることが好ましい。また靴底踵部の補強パーツ(6)も孤長b1が小さくなるとともに厚みも薄くなる為、薄い個所を鋏でカットしてサイズ調整が可能になる。通常新品の靴底の踵に保護用に市販されている踵の補強用のゴムは、傾斜が大きい個所で4ミリ~6ミリ位の厚みになり、必要に応じて、磨り減った靴底に靴底踵部の補強パーツ(6)を合わせた時に、靴底の平面時より外周に向かって1ミリ~5ミリ位の高い靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する事が好ましい。今後も顧客の需要に応じて
図1記載の直径a、摩耗高さc,及び材質は変動、増減することができる。
【0045】
この靴底踵部の補強パーツ(6)は1色当たり60個に分類され、4色で合計240個になるが、直径28ミリから48ミリの摩耗高さcの15ミリ、17ミリは、需要に合わせて漸次取り入れる。また現状の靴修理では圧倒的に黒色の需要が多い為、黒色と黒色に近しい色の積層構造又は積層なしの構造の靴底踵部の補強パーツ(6)が有効になる。靴底踵部のこれから磨耗する箇所に貼付する靴底踵部の補強パーツ(10a、10b、10c)は、靴底(3)の摩耗がない新品の靴に近い状態を維持するには、積層構造からなる交換時期が視認により確認し易い方が好ましい。又は積層なしの靴底とは異なる色の靴底踵部の補強パーツ(10a、10b、10c)が好ましい。積層構造の場合、素材が異なる弾性体の圧着により摩耗強度や靴底との重合面の密着具合など機能性に優れた対応が可能になる。顧客のニーズも多様化になり、滑り難い、減り難い、弾性に優れるなど様々になる為、それぞれにゴムの材質、硬度を変えることにより多様なニーズに対応が可能になる。
【0046】
その他の実施例としては、前述のX軸(1)、Z軸(1a)を用いた靴の修理方法に更に
図1(d)で示すY軸(1b)を用いた修理方法になる。
互いに直交するX軸(1)とZ軸(1a)及びY軸(1b)にて、靴底踵部の摩耗部(2)を測定し、摩耗部(2)の形状に合わせた靴底踵部の補強パーツ(6)を形成することであって、靴底踵部の使用による摩耗部(2)の靴底(3)に対し、平行であって、靴底(3)の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から靴底(3)への垂線であるZ軸に直交する摩耗部(2)の略垂直二等分線である基本軸のX軸(1)と、X軸(1)に直交する摩耗部(2)の靴底(3)に平行なY軸(1b)と、Y軸(1b)に直交するZ軸(1a)を用いて靴底踵部の摩耗部(2)を測定することを特徴とする靴の修理方法であって上記の方法にY軸を設けた測定方法になる。
靴底踵部の使用による摩耗部(2)の靴底(3)に対し、水平であって、靴底(3)の踵後方側面(14)の最大摩耗高さ(14a)から靴底(3)への垂線であるZ軸に直交する摩耗部(2)の略垂直二等分線である基本軸のX軸(1)と、X軸(1)に直交する摩耗部(2)の靴底(3)に水平なY軸(1b)を用いて靴底踵部の摩耗部(2)を測定し、摩耗部(2)の形状に合わせた靴底踵部の補強パーツ(6)を形成することであって、測定はX軸(1)とZ軸(1a)の交点からX軸(1)において、摩耗部(2)の靴底(2)における摩耗部(2)の摩耗が始まる直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸までの交点までの弧長部分又は直線部分と、Z軸(1a)において、X軸(1)の交点から踵後方側面(14)における最大摩耗高さ(14a)までの部分と、X軸(1)に直交する靴底(3)に水平なY軸(1b)の交点から摩耗範囲とZ軸(1a)までの全長を測定し、靴底踵部の摩耗部(2)における靴底(3)に水平な摩耗範囲の靴底踵部の補強パーツの最大幅を測定する。また、靴底踵部の補強パーツが中心より左右対称となる形状が好ましく、測定は靴底踵部の摩耗部(2)におけるX軸(1)とY軸(1b)の交点から左右対称の範囲が好ましい。
【0047】
X軸(1)、Z軸(1a)、及びY軸(1b)にて、摩耗部(2)を測定する靴の修理方法に於いて、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表(
図4)の弧長線又は直線が、前記靴底踵部の摩耗部(2)の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、靴底(3)から垂直に立ち上がる摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)に対応した部分と、垂直に立ち上がる最大摩耗高さ(14a)より、曲線を描きながら摩耗部(2)に対応する曲線部分又は前記直線部分を備えた靴底踵部の補強パーツ(6)であることを特徴とする靴の修理方法である。
また、この測定により靴底踵部の摩耗部(2)毎に対応する靴底踵部の補強パーツ(6)を形成する修理方法が可能になる。靴底踵部の摩耗部(2)毎に対応する修理の場合は、最大摩耗高さ(14a)により、摩耗高さに適合した厚みの板ゴム又は傾斜ゴムを使用し、測定した
図4で示す靴底踵部の摩耗部(2)の形状を示す弧長線部分を
図1(e)の直角を有する三角柱形状からなる傾斜ゴムの直角三角形の面に、測定した摩耗状態を示す曲線部分と直線部分を表示して、測定したY軸(1b)の全長を直径aとして、摩耗高さc、全長b、弧長b1も傾斜ゴムに測定値を表記して切削、研磨、工具及び機械にて靴底踵部の摩耗部(2)に対応した靴底踵部の補強パーツを形成する。この修理法では全ての摩耗している靴底(3)の摩耗部を覆うことは容易ではないが、靴底踵部の摩耗部(2)に対応する靴底踵部の補強パーツになる。ニーズの少ないサイズ対応は、あらかじめこの方法により準備して、接客をして修理する場では、切削、研磨、工具及び機械を使用しない対応が好ましい。
【0048】
更に実施例としては、靴底踵部の補強パーツ(6)の表面にサイズ調整可能な溝を設けることで1つの靴底踵部の補強パーツ(6)で2サイズ~5サイズ調整可能になる。
(
図12)5段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a73ミリ及び直径a68ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図になる。
図12で示すように、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の横軸の磨耗高さc0から4ミリ、c5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリの補強パーツを1つの靴底踵部の補強パーツ(6)で5サイズ調整することで、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を各2個の靴底踵部の補強パーツ(6)10個で補うことが可能になる。
【0049】
(
図13)3段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a73ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図になる。
(
図14)2段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a68ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図になる。
図13、14で示すように、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の横軸の磨耗高さc15ミリ、17ミリの靴底踵部の補強パーツ(6)を1つの靴底踵部の補強パーツ(6)で2サイズ及び3サイズに調整することで、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を各2個の靴底踵部の補強パーツ(6)4個で補うことが可能になる。
上記0048段落、0049段落のサイズ調整可能なカット案内溝により、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を合計14個の原型により補うことが可能になる。
【0050】
(
図15)3段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a48ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図になる。
(
図16)2段階にサイズ調整可能なカット案内溝が刻まれた直径サイズが直径a43ミリの靴底踵部の補強パーツを示す図になる。
図15、16で示すように、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の横軸の磨耗高さc0から4ミリ、c5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリの靴底踵部の補強パーツ(6)を2段階または3段階にサイズに調整することで、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の直径28ミリから48ミリの5サイズを各2個の靴底踵部の補強パーツ(6)10個で補うことが可能になる。
同様に直径サイズが直径a53ミリから73ミリも3段階、2段階にサイズ調整可能なカット案内溝を設けた場合、摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリの靴底踵部の補強パーツ(6)を各2個の靴底踵部の補強パーツ(6)10個で補うことが可能になる。
また磨耗高さc15ミリ、17ミリも(
図13)(
図14)で示すように 2段階または3段階にサイズに調整することで、各2個の靴底踵部の補強パーツ(6)4個で補うことが可能になる。
3段階、2段階で調整可能なカット案内溝によると、合計24個の原型により靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を補うことが可能になる。
【0051】
また、靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)は直径aが5ミリ単位で靴底踵部の補強パーツ(6)が分化されているが、直径aを10ミリ単位の分化により、直径a28ミリから68ミリまでの5サイズにし、3段階、2段階で調整可能なカット案内溝によると、合計12個の原型により靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を補うことが可能になる。
更に、直径aを10ミリ単位の分化により、直径a28ミリから68ミリまでの5サイズにし、5段階で調整可能なカット案内溝によると、合計7個の原型により靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の靴底踵部の補強パーツ(6)を補うことが可能になる。
また、
図12から
図16は一例の形状を示す溝である。店頭にてハサミなど刃物でカットするには、作業時間や切り跡など気になる場合、あらかじめ研磨して準備が好ましい。この靴底踵部の補強パーツ(6)の表層面に和柄の模様など、模様の線の溝を利用してサイズ調整も一例として挙げられる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 基準軸のX軸
1aZ軸
1bY軸
2 靴底踵部の摩耗部
3 靴底踵部の靴底
4 靴の履き口
5 靴
6 靴底踵部の補強パーツ
7 左右対称を示す中心線
8 色彩が異なる二層構造からなる靴底踵部の補強パーツを示す右側面図
8a靴底との重合面を示す層
9 靴底踵部の補強パーツの右側面図
10a摩耗高さ0ミリから4ミリ以下の摩耗にて対応する靴底との重合面が、平面形状か らなる靴底踵部の補強パーツの右側面図
10b色彩が異なる二層構造であって摩耗高さ0ミリから4ミリ以下の摩耗にて対応する 靴底との重合面が、平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図
10c色彩が異なる三層構造であって摩耗高さ0ミリから4ミリ以下の摩耗にて対応する 靴底との重合面が、平面形状からなる靴底踵部の補強パーツの右側面図
11a靴底の踵の摩耗部に補強した、靴底との重合面が平面形状であって、色彩が異なる 三層構造からなる靴底踵部の補強パーツ
11b靴底の踵に補強した色彩が異なる三層構造であって、摩耗高さ0ミリから4ミリ以 下の摩耗にて対応する靴底との重合面が、平面形状からなる靴底踵部の補強パーツ の使用前
11c靴底の踵に補強した色彩が異なる三層構造であって、摩耗高さ0ミリから4ミリ以 下の摩耗にて対応する靴底との重合面が、平面形状からなる靴底踵部の補強パーツ の使用後
12 靴底の踵
13 靴底の踵の摩耗部に補強した靴底踵部の補強パーツの側面図
14 靴底の踵後方側面
14a最大摩耗高さ
15 靴底の踵の摩耗部に補強した三層構造からなる靴底踵部の補強パーツ
16 色彩が異なる三層構造からなる靴底踵部の補強パーツの使用前
17 色彩が異なる三層構造からなる靴底踵部の補強パーツの使用後
18 靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表
18a靴底踵部の摩耗部の形状の曲線部分又は直線部分を示す線
19 靴底踵部の摩耗部の弧長b1、全長bを表した横軸
20 靴底摩耗高さcを表した縦軸
21 測定ゲージ
22 直径が異なる多数の半円形
23 上面から平行な多数の直線
24 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc5ミリ、パーツNo.下二桁05 番台
25 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc7ミリ、パーツNo.下二桁07 番台
26 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc9ミリ、パーツNo.下二桁09 番台
27 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc12ミリ、パーツNo.下二桁 12番台
28 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc15ミリ、パーツNo.下二桁 15番台
29 靴底踵部の補強パーツ一覧表、横軸、摩耗高さc17ミリ、パーツNo.下二桁 17番台
30 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a28ミリ、パーツNo.1000番台 及びJ
31 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a33ミリ、パーツNo.900番台及 びI
32 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a38ミリ、パーツNo.800番台及 びH
33 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a43ミリ、パーツNo.700番台及 びG
34 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a48ミリ、パーツNo.600番台及 びF
35 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a53ミリ、パーツNo.500番台及 びE
36 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a58ミリ、パーツNo.400番台及 びD
37 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a63ミリ、パーツNo.300番台及 びC
38 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a68ミリ、パーツNo.200番台及 びB
39 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a73ミリ、パーツNo.100番台及 びA
40 5段階にサイズ調整可能なカットの案内溝が刻まれた直径a73ミリ及び直径a6 8ミリの靴底踵部の補強パーツ
41 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a73ミリ及び直径a68ミリになり横 軸摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
42 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a63ミリ及び直径a58ミリになり横 軸摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
43 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a53ミリ及び直径a48ミリになり横 軸摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
44 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a43ミリ及び直径a38ミリになり横 軸摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
45 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a33ミリ及び直径a28ミリになり横 軸摩耗高さc0から4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
46 3段階にサイズ調整可能なカットの案内溝が刻まれた直径a73ミリの靴底踵部の 補強パーツ
47 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a73ミリになり横軸摩耗高さc15ミ リ、17ミリ
48 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a63ミリになり横軸摩耗高さc15ミ リ、17ミリ
49 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a53ミリになり横軸摩耗高さc15ミ リ、17ミリ
50 2段階にサイズ調整可能なカットの案内溝が刻まれた直径a68ミリの靴底踵部の 補強パーツ
51 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a68ミリになり横軸摩耗高さc15ミ リ、17ミリ
52 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a58ミリになり横軸摩耗高さc15ミ リ、17ミリ
53 3段階にサイズ調整可能なカットの案内溝が刻まれた直径a48ミリの靴底踵部の 補強パーツ
54 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a48ミリになり横軸摩耗高さc0から 4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
55 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a38ミリになり横軸摩耗高さc0から 4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
56 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a28ミリになり横軸摩耗高さc0から 4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
57 2段階にサイズ調整可能なカットの案内溝が刻まれた直径a43ミリの靴底踵部の 補強パーツ
58 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a43ミリになり横軸摩耗高さc0から 4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
59 靴底踵部の補強パーツ一覧表、縦軸、直径a33ミリになり横軸摩耗高さc0から 4ミリ、5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ
【手続補正書】
【提出日】2021-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線に直交し、かつ、前記摩耗部を前記靴底踵部における平面視で左右に二分割する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面上に設け、当該基本軸を、前記最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の外縁が当該基本軸を中心に左右対称となる線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに配されて、前記境界の位置に一端が位置した直線部分と、
前記Z軸寄りに配されて、前記Z軸の位置に一端が位置した曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
前記補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有し、
当該補強パーツを、前記靴底踵部の前記摩耗部に当てて、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする靴の修理方法。
【請求項2】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線に直交し、かつ、前記摩耗部を前記靴底踵部における平面視で左右に二分割する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面上に設け、当該基本軸を、前記最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の外縁が当該基本軸を中心に左右対称となる線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記X軸上において前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界となる点を通り、かつ前記X軸に垂直で前記平面上に設けた線をY軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに配されて、前記境界の位置に一端が位置した直線部分と、
前記Z軸寄りに配されて、前記Z軸の位置に一端が位置した曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さ、
Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、及び、
前記靴底踵部における平面視でY軸と前記靴底踵部の外縁とが交わる点のうちX軸からの最短長さが短い方の点に係る最短長さ、
であり、
前記補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
前記靴底踵部における平面視でY軸と前記靴底踵部の外縁とが交わる点のうちX軸からの最短長さが短い方の点に係る最短長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界に沿う部分と、
を有し、
当該補強パーツを、前記靴底踵部の前記摩耗部に当てて、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする靴の修理方法。
【請求項3】
前記補強パーツは、前記部分の長さが互いに異なる複数の補強パーツで構成されており、前記靴底踵部の前記摩耗部に当てて、修理箇所に対応させて修理をすることとなる補強パーツを、前記複数の補強パーツから選択するものであり、前記複数の補強パーツを、あらかじめ定められた複数のサイズごとに分けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の靴の修理方法。
【請求項4】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法において前記靴底踵部に当てて使用する測定ゲージであって、
当該測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面には、前記靴底踵部における踵後方の外縁と合わせられる機能として、直径が異なる多数の半円形が表示されてなるとともに、前記側面には、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線が表示されてなることを特徴とする靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項5】
複数の補強パーツがマトリックス表示により一覧表示された、靴底踵部の補強パーツ一覧表であって、
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法においては、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線に直交し、かつ、前記摩耗部を前記靴底踵部における平面視で左右に二分割する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面上に設け、当該基本軸を、前記最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の外縁が当該基本軸を中心に左右対称となる線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに配されて、前記境界の位置に一端が位置した直線部分と、
前記Z軸寄りに配されて、前記Z軸の位置に一端が位置した曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
前記補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有しており、
さらに、前記の靴の修理方法では前記靴底踵部に測定ゲージを当てて使用するものであり、
前記測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面には、前記靴底踵部における踵後方の外縁と合わせられる機能として、直径が異なる多数の半円形が表示されており、前記側面には、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線が表示されており、
前記マトリックス表示において横軸および縦軸のうち一方の軸に、前記測定ゲージに表示された半円形の直径が表示され、他方の軸に、前記測定ゲージに表示された直線に対応する最大摩耗高さが表示されていることを特徴とする靴底踵部の補強パーツ一覧表。
【請求項6】
靴の修理方法において、使用によって靴底踵部に形成された摩耗部に当てて補強をおこなう補強パーツであって、
前記修理方法は、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線に直交し、かつ、前記摩耗部を前記靴底踵部における平面視で左右に二分割する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面上に設け、当該基本軸を、前記最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の外縁が当該基本軸を中心に左右対称形状となる線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに配されて、前記境界の位置に一端が位置した直線部分と、
前記Z軸寄りに配されて、前記Z軸の位置に一端が位置した曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
当該補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有することを特徴とする靴底踵部の補強パーツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
(
図4)靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表になる。使用による摩耗状態を示す表の弧長線(18a)又は直線が、靴底踵部の摩耗部(2)の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部であって、靴底(3)から垂直に立ち上がる靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)に対応した部分と、垂直に立ち上がる最大摩耗高さ(14a)より、曲線を描きながら靴底踵部の摩耗部(2)に対応する曲線部分又は直線部分になり、形成される靴底踵部の補強パーツ(6)の重合面に沿った形状を示す曲線部又は直線部を示す表になる。靴底踵部の摩耗部(2)の弧長b1、全長bを横軸で示し、靴底踵部の摩耗部(2)の高さcを縦軸で示し、単位はそれぞれ縦軸、横軸共にミリ単位で表示され、表に示す弧長線(18a)又は直線は、摩耗部(2)の形状の曲線部分又は直線部分を示す線であって、靴底踵部の補強パーツ
図7又は
図8で示す靴底(3)との重合面の層(8a)の形状を示す線になる。
図1(b)の靴底踵部の摩耗部(2)の左右対称となる中心になる基本軸1の位置の縦断図による靴底踵部の摩耗部の形状を示す弧長線又は直線が、
図4を示す弧長線又は直線と同一になる。
図4で示す摩耗部の形状の曲線部分を示す複数の線(18a)の中で、靴底摩耗高さcを表した縦軸(20)が0から示す直線があるが、靴底(3)が摩耗により擦れた状態で摩耗高さ1ミリ以下の靴底(3)になる。また
図1(d)のeで示すように、摩耗部は必ずしも左右対称にはならない。また、靴底踵部の使用による摩耗状態を示す表(
図4)は顧客の摩耗状態の数値を平均化した表になる。測定には2つの定規を利用して1つの定規AをX軸(1)とし、靴底(3)に対して水平に置き、もう一つの定規BをZ軸(1a)とし、定規Aに対し垂直に靴底(3)の踵後方側面(14)に当て、定規Aと定規Bの交点から踵後方側面(14)における最大摩耗高さ(14a)を示す摩耗高さcを測定し、定規Aにて、靴底踵部の摩耗部(2)の摩耗が始まる直線部分と、直線部分から曲線へ立ち上がるZ軸との交点までの弧長部分又は直線部分になる全長bおよび弧長b1を測定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
靴底踵部の摩耗部(2)に対応する、靴底踵部の補強パーツ(6)を修理箇所に当てて修理をする靴底の踵の補強を目的とした修理方法を説明する。
(1)踵部分のこれから靴底踵部の補強パーツ(6)を接着する箇所の水分、ゴミ、汚れを布、ペーパータオルなどで拭き取る。
(2)靴底踵部のこれから靴底踵部の補強パーツ(6)を貼付する個所及び靴底踵部の補強パーツ(6)に接着剤を塗布する下処理として、サンドペーパー処理をする。
(3)同じ靴のサイズでも、踵の靴底(3)の大きさが多種多様な為、
図11で示す靴底踵部の摩耗部(2)を測定する透明のアクリル板素材の測定ゲージ(21)を用いて測定し、形状の異なる、複数の管理された前記靴底踵部の補強パーツ(6)を
図5で示すマトリックス表示された靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)から靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する。この測定ゲージ(21)の上面には靴底踵部の端部曲線を示す直径aが半円形として表示され、直径28ミリから直径73ミリまで5ミリ単位からなる多数の半円形(22)を表示し、側面は、上面から平行に多数の直線(23)が表示され靴底踵部の摩耗高さサイズの摩耗高さcを示し、靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を測定する為に、上部の線より5ミリ、7ミリ、9ミリ、12ミリ、15ミリ、17ミリの直線で印され、靴底踵部の補強パーツ一覧(
図5)と同じデータが表示されている為、摩耗部(2)に対応する靴底踵部の補強パーツNo.を即時に選択できる。横軸の直径aは測定ゲージ(21)の上面に表示された直径が異なる多数の半円形(22)からなる
図11の30~39から選択して、縦軸の摩耗高さcを
図11の24~29から選択する。それぞれ測定することでマトリックス表示された横軸の端部曲線サイズを示す直径a、縦軸の摩耗高さサイズを示す摩耗高さcが交差する全長b、弧長b1がそれぞれ異なる靴底踵部の補強パーツNo.が選択される。摩耗高さが5ミリ(24)未満の場合、摩耗高さ0~4ミリに対応するパーツNo.J~No.Aになり、直径a28ミリから直径a73ミリを示す。
(4)測定ゲージ(21)の測定方法は、靴底(3)に水平に当てて上面に表示された直径が異なる多数の半円形(22)から靴底端部の端部曲線を直径a28ミリから直径a73ミリまで、5ミリ単位で拡大する10種類に分類された直径aから合わせながら適合又は一番近い大きさを測定し、靴底踵部の補強パーツのパーツNo.の上一桁又は上二桁を確定して端部曲線サイズの直径aを決める。
(5)次に靴底(3)に対して垂直に靴底(3)の踵後方側面(14)の靴底踵部の摩耗部(2)に測定ゲージ(21)を当てて測定ゲージ(21)の上面から直角となる側面に表示された上面から平行に多数の直線(23)にて、靴底踵部の摩耗部(2)の最大摩耗高さが適合又は一番近い直線を測定する。測定にて、それぞれ摩耗高さcが異なる5~7個に分類された摩耗高さサイズの摩耗高さcの靴底踵部の補強パーツNo.の下二桁を確定して摩耗高さcを決めると、靴底踵部の補強パーツ一覧(
図5)から全長b、弧長b1がそれぞれ異なる靴底踵部の補強パーツNo.が選択される。
(6)靴底踵部の摩耗部(2)も靴底の材質により摩耗具合も様々になるが、靴修理又は補強を行う顧客は、測定によると最大摩耗高さになる摩耗高さ0ミリから20ミリ未満の摩耗状態で靴修理を行うことが多い。また紳士靴のビジネスシューズは、より多くは最大摩耗高さになる摩耗高さ5ミリから10ミリ未満が多い。紳士ビジネスシューズの場合は、直径a73ミリから直径a53に分類され、磨耗高さc5ミリ~高さc17ミリ、好ましくは高さc5ミリ~高さc9ミリの靴底踵部の補強パーツ(6)の接着が好ましい。また、摩耗高さ0ミリ~4ミリのまだ摩耗箇所が小さい場合の接着も靴底の原型を維持するにはより好ましい。
(7)また、測定ゲージ(21)を使用しない場合、定規、スケールなどの測定器具にて測定し、直径a28ミリから直径a73ミリまで10種類に分類された直径から対応する端部曲線サイズの直径aを選択して、摩耗高さサイズの摩耗高さcは定規、スケールなど2つの測定器具を利用して、前述したように1つの定規AをX軸とし、靴底(3)に対して水平に置き、もう一つの定規BをZ軸とし、定規Aに対して垂直に靴底の踵後方側面(14)に当て、定規Aと定規Bの交点から踵後方側面(14)における最大摩耗高さ(14a)を示す、摩耗高さcを測定する。測定された摩耗部(2)の最大摩耗高さ(14a)を
図5のマトリックス表の縦軸を用いて、摩耗高さサイズの摩耗高さcが異なる5~7個の靴底踵部の補強パーツ一覧表(
図5)の中から対応する靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する。
(8)最後に靴底踵部の摩耗部(2)と靴底踵部の補強パーツ(6)の靴底接着面のうち、少なくとも一方に接着剤を塗布して接着接合させる。靴底(3)よりやや内側で接着接合する為、靴底本体の側面からはみ出る事はない。靴の汚れや接着剤が手に付着しないように、ディスポ手袋を着用し、ここでは手にピッタリフィットし手の平にエンボス加工がされて滑りにくい厚さ0.12ミリの材質ニトリルゴムのディスポ手袋(株式会社MonotaRO製「ニトリルゴム手袋 薄手 粉なし」)を着用する。接着剤は低粘度もしくはゼリー状の化学反応型接着剤、シアノアクリレートを主成分とした接着剤(東亜合成株式会社製「アロンアルファEXTRA」)を用いて接着する。また、シリル化ウレタン系の接着剤(コニシ株式会社「ウルトラ多用途SU」)も有効である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
しかしながら、この靴底踵部の補強パーツ(6)は全ての靴のサイズに適合するのは容易ではない。需要が多いサイズは量産にて準備が可能になるが、需要が少ないサイズは量産以外で準備する方法が好ましい。また、婦人靴は靴底が一体化の構造や、学生の靴底の踵の面積が大きい革靴には有効だが、面積が小さいスタックヒール型などは1.9ミリ~2.5ミリの傾斜のない板状の合成ゴムを、靴底の形状に合わせて鋏でカットして新品時に貼付する補強をすることが好ましい。また靴底踵部の補強パーツ(6)も弧長b1が小さくなるとともに厚みも薄くなる為、薄い個所を鋏でカットしてサイズ調整が可能になる。通常新品の靴底の踵に保護用に市販されている踵の補強用のゴムは、傾斜が大きい個所で4ミリ~6ミリ位の厚みになり、必要に応じて、磨り減った靴底に靴底踵部の補強パーツ(6)を合わせた時に、靴底の平面時より外周に向かって1ミリ~5ミリ位の高い靴底踵部の補強パーツ(6)を選択する事が好ましい。今後も顧客の需要に応じて図
2、図5記載の直径a、
全長b、弧長b1、摩耗高さc,及び材質は変動、増減することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法であって、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直な高さ方向に沿って延びる線に直交する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けて当該基本軸が前記最大摩耗高さとなる部位における高さ方向に沿って延びる線と前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面との交点を通るものとし、
かつ当該基本軸を、
前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けられて、前記靴底踵部の前記摩耗部における最大摩耗高さとなる部位を平面視した際に弧状の線として表れる靴底踵部の外縁に適合する円弧を有する半円の直径を垂直に二等分する線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに形成されていて、前記境界の位置に一端が位置した直線状の線分からなる直線部分と、
前記Z軸寄りに形成されていて、前記Z軸の位置に一端が位置した弧状の線分からなる
曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
前記補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有し、
当該補強パーツを、前記靴底踵部の前記摩耗部に当てて、修理箇所に対応させて修理をすることを特徴とする靴の修理方法。
【請求項2】
前記補強パーツは、前記直線部分に重合する部分及び前記曲線部分に重合する部分の長さが互いに異なる複数の補強パーツで構成されており、前記靴底踵部の前記摩耗部に当てて、修理箇所に対応させて修理をすることとなる補強パーツを、前記複数の補強パーツから選択するものであり、前記複数の補強パーツを、あらかじめ定められた複数のサイズごとに分けることを特徴とする請求項1に記載の靴の修理方法。
【請求項3】
靴底踵部に、靴底踵部の補強パーツを当てて補強をおこなう靴の修理方法において前記靴底踵部に当てて使用する測定ゲージであって、
当該測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面には、前記靴底踵部における踵後方の外縁と合わせられる機能として、直径が異なる多数の半円形が表示されてなるとともに、前記側面には、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線が表示されてなることを特徴とする靴の修理方法の測定ゲージ。
【請求項4】
複数の補強パーツがマトリックス表示により一覧表示された、靴底踵部の補強パーツ一覧表であって、
前記補強パーツは、靴底踵部に当てて靴底踵部を補強するものであり、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直な高さ方向に沿って延びる線に直交する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けて当該基本軸が前記最大摩耗高さとなる部位における高さ方向に沿って延びる線と前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面との交点を通るものとし、
かつ当該基本軸を、
前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けられて、前記靴底踵部の前記摩耗部における最大摩耗高さとなる部位を平面視した際に弧状の線として表れる靴底踵部の外縁に適合する円弧を有する半円の直径を垂直に二等分する線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程にあって、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに形成されていて、前記境界の位置に一端が位置した直線状の線分からなる直線部分と、
前記Z軸寄りに形成されていて、前記Z軸の位置に一端が位置した弧状の線分からなる曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
前記補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有しており、
さらに、前記補強パーツを靴底踵部に当てて靴底踵部を補強する際には前記靴底踵部に測定ゲージを当てて使用するものであり、
前記測定ゲージは、上面と前記上面から直角となる側面で形成され、前記上面には、前記靴底踵部における踵後方の外縁と合わせられる機能として、直径が異なる多数の半円形が表示されており、前記側面には、前記靴底踵部における摩耗部の最大摩耗高さを測定する機能として、前記上面から平行に多数の直線が表示されており、
前記マトリックス表示において横軸および縦軸のうち一方の軸に、前記測定ゲージに表示された半円形の直径に対応する長さが表示され、他方の軸に、前記測定ゲージに表示された直線に対応する最大摩耗高さが表示されていることを特徴とする靴底踵部の補強パーツ一覧表。
【請求項5】
靴の修理方法において、使用によって靴底踵部に形成された摩耗部に当てて補強をおこなう補強パーツであって、
前記修理方法は、使用によって前記靴底踵部に形成された摩耗部に対し、前記摩耗部の踵後方側面の最大摩耗高さとなる部位における前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直な高さ方向に沿って延びる線に直交する線である基本軸を前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けて当該基本軸が前記最大摩耗高さとなる部位における高さ方向に沿って延びる線と前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面との交点を通るものとし、
かつ当該基本軸を、
前記靴底踵部の摩耗していない面を含む平面内に設けられて、前記靴底踵部の前記摩耗部における最大摩耗高さとなる部位を平面視した際に弧状の線として表れる靴底踵部の外縁に適合する円弧を有する半円の直径を垂直に二等分する線とした上で前記摩耗部の所要部位を測定する工程を含み、
最大摩耗高さとなる部位における高さ方向の線をZ軸とし、前記基本軸を、Z軸と交わるX軸とし、前記靴底踵部の摩耗していない面を含む面に垂直で、かつX軸を含む面を前記靴底踵部の縦断面とした場合に前記縦断面における前記摩耗部の表面には、前記靴底踵部の摩耗していない部位と前記摩耗部との境界から前記Z軸との間において、
前記摩耗していない部位寄りに形成されていて、前記境界の位置に一端が位置した直線状の線分からなる直線部分と、
前記Z軸寄りに形成されていて、前記Z軸の位置に一端が位置した弧状の線分からなる曲線部分と、
が形成されてなり、かつ前記直線部分の他端と前記曲線部分の他端とが連続してなり、
測定する前記摩耗部の所要部位は、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さ、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さ、及び、Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さ、
であり、
当該補強パーツは、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記直線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記直線部分に重合する部分と、
前記縦断面における前記摩耗部の表面に形成された前記曲線部分の長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の前記曲線部分に重合する部分と、
前記Z軸とX軸とが交わる点から前記最大摩耗高さとなる部位までの長さに基づいた長さであって靴底踵部の摩耗部に当該補強パーツを当てた状態で前記摩耗部の踵後方側面と連続する部分と、
を有することを特徴とする靴底踵部の補強パーツ。