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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069359
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】市場融和租税分配システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20220428BHJP
【FI】
G06Q20/20 350
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020188998
(22)【出願日】2020-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】520443871
【氏名又は名称】長谷川 英雄
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英雄
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】 本発明は、国家が自国ないし自国が加盟する連合国における消費活動を促進しようとする時に好適な租税および分配方法を提供する。
【解決手段】 自然人の所得税ならびに自然人の住民税の課税対象の貨幣を納税時期から次の納税時期の間に国内ないし連合国内で消費したことを国家に対して証明したことをもって課税対象から外すことによって、従来の納税を経て国家が消費するよりも早く自然人達によって消費され続ける可能性を新たに生じさせ、法人税を毎月前払いで課税して、国家に対して財産ならびに翌月までに得られる予定の所得の合計額が国家の定めた金額に満たないことを証明した自然人達に、翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件とした上で、法人税の前払い課税の税収を分配することによって、法人税の納税分の貨幣が法人企業に消費される期間ないし従来の納税を経て国家が消費するよりも早く自然人達によって消費され続ける可能性を新たに生じさせ、消費に係る税の納税分の貨幣を国家が先取りすることによって、従来の納税を経て消費するよりも早く消費し続けることを実現し、自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣を国家が先取りすることによって、従来の納税や回収を経て消費するよりも早く消費し続けることを実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然人の所得税ならびに自然人の住民税の課税対象の貨幣を納税時期から次の納税時期の間に国内ないし連合国内で消費することで課税対象から外し、かつ法人企業に法人税を毎月前払いで課税するとともに、国家に対して財産ならびに翌月までに得られる予定の所得の合計額が国家の定めた金額に満たないことを証明した自然人達に、翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件とした上で、法人税の前払い課税の税収を分配し、かつ自国ないし自国が加盟する連合国の貨幣の所有者全体に対して消費に係る税を前払いで課税し、かつ自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣を前払いで課税する租税および分配方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国家が自国ないし自国が加盟する連合国の貨幣の所有者全体に対して、所有する貨幣を早く消費させ続けようとする時に好適な租税方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の租税および消費方法として、国家が一年間のうちに納税された貨幣を次の一年間で消費し、翌年も一年間のうちに納税された貨幣を次の一年間で消費するということを繰り返す租税および消費方法が一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
国家は自国における消費活動を促進するため、自然人ならびに法人に対して、所有する貨幣を早く消費させようと努めている。
【0004】
そもそも貨幣は所有者がいつ消費するか自由なので、早く消費させるという目標があるとしても、基点となる時期が分からないので、なんらかの政策を講じても早まったか早まっていないかを正確に判断できないという問題がある。
【0005】
ただし例外が存在する。国家は一年間で前年の税収のほぼ全部を確実に消費する存在であるので、将来納税されることがほぼ確定している分の貨幣を国家が先取りして消費するか別の者に事前に消費させれば、従来の時期で納税されて国家が消費するまでの期間を基点として、そこから消費するまでの期間が早まったことを確実に判断することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自然人の所得税ならびに自然人の住民税の課税対象の貨幣を納税時期から次の納税時期の間に国内ないし連合国内で消費することで課税対象から外す。
【0007】
これにより自然人に対する所得税および住民税は法人税と同様に、確定申告から次の確定申告の間に課税対象となる貨幣を消費することで課税対象から外れることになる。
【0008】
消費活動は人間の感情によるものなので、法人企業がそうであるように、自然人が所得税および住民税の課税対象となる貨幣を確定申告から次の確定申告の間に消費するとは限らないが、少なくともその可能性は新たに生じる。
【0009】
この租税方法の導入により、自然人達は具体的な行動として国家に対して自己の所得を消費したことを国家が指定する時期に証明する必要が出てくる。
【0010】
生活時間を圧迫しないために自然人達は上記の証明に関する手続きを税理士に依頼することが好ましい。
【0011】
あるいは財産の運用や労働で得られる所得を預金する銀行を一本化した上で、当該銀行が発行するデビットカードを使用して上記の証明を簡潔にすることが好ましい。
【0012】
国家は、上記の手続きの不正に関する調査機関の設立および不正があった場合の追徴課税に係る法令を制定する必要がある。
【0013】
調査を簡素化させるために、国家は所得の消費に係る証明に必要な事項を示した申請書を納税者に提供したり、申請書の信用性を提示するための領収書を時系列で並べるシステムを納税者に提供したりすることが好ましい。
【0014】
また、節税の観点から自然人が所得のほぼ全部を消費に回して貯蓄が増加しないという現象が想定される。
【0015】
貯蓄は金銭的問題が発生した時に必要なものなので、あらゆる金銭的問題に対応できるよう保険商品の種類が充実することが好ましい。
【0016】
したがって国民の生活を守るという観点から国家が想定するほど保険商品の種類が充実していないのであれば、貯蓄を促すよう所得税および住民税の税率を下げ、国家が想定するほど保険商品の種類が充実しているのであれば、消費を促すよう所得税および住民税の税率を上げることが好ましい。
【0017】
また、所得税ないし住民税ないしその両方が累進課税で非課税となる金額を設定している場合は、節税の観点から非課税となる金額までは貯蓄されることが想定されるので、消費を促す観点から、非課税となる金額はゼロにするか、下げることが好ましい。
【0018】
また、早い時期での消費を促す観点から、所得を得てから1カ月間の間に当該所得を消費した場合は非課税、二カ月間の間に当該所得を消費した場合は、当該所得を得た月から次回の確定申告までの月数分の1の課税、三カ月間の間に当該所得を消費した場合は当該所得を得た月から次回の確定申告までの月数分の2の課税といったように、早い時期に消費した方が節税となる課税方法がより好ましい。
【0019】
また、上記の課税方法は、法人税についても導入することが早い時期での消費を促す観点から好ましいが、法人は海外に資本を移動することが容易なので、慎重な政治的判断が必要になる。
【0020】
法人企業に法人税を毎月前払いで課税するとともに、国家に対して財産および翌月までに得られる予定の所得の合計額が国家の定めた金額に満たないことを証明した自然人に、翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件とした上で、法人税の前払いの税収を毎月分配する。
【0021】
初回は法人企業がその時所有している利益について納税額を計算するだけだが、二回目以降は、法人税の前払いの累積額とその時所有している利益の全部を加算した合計額について仮定の納税額を計算して、法人税の前払いの累積額の方が小さければ、その差額が確定の納税額となり、相続税の前払いの累積額の方が大きければ、その差額を還付金として返納し、返納した分を法人税の前払いの累積額から減算する。
【0022】
そして従来の法人税の納税時期に、法人税の前払いの累積額とその時所有している利益の全部を加算した合計額について仮定の納税額を計算して、法人税の前払いの累積額の方が小さければ、その差額が確定の納税額となり、相続税の前払いの累積額の方が大きければ、その差額を還付金として返納し、法人税の前払いの累積額はゼロになる。
【0023】
なお、財産および翌月までに得られる予定の所得の合計額が分配する金額を超える自然人に分配した場合、分配した貨幣の全部を消費されても、それが当該貨幣を分配されなくても財産および翌月までに得た所得から消費されたのかどうか本人を含めて誰にも分からないことであり、当該貨幣を分配されなくても財産および翌月までに得た所得から消費されたのであれば、分配した貨幣は消費されずに財産になったということになるので、法人税の納税分の貨幣が消費されるまでの期間を早めるという本来の目的を達成していない。
【0024】
一方、財産および翌月までに得られる予定の所得の合計額が分配する金額に満たない自然人に分配した場合は、分配した貨幣の全部を消費されれば、その差額は確実に分配した貨幣が消費されたことになる。
【0025】
したがって分配対象となる財産および翌月までに得られる予定の所得の合計額は、分配する金額を下回っていれば下回っているほど好ましい。
【0026】
分配する貨幣の全部を確実に消費させようとするのであれば、財産および翌月までに得られる予定の所得がゼロの自然人達に分配する必要がある。
【0027】
あるいは分配した貨幣を含めて財産および翌月までに得た所得の全部を翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件にする必要がある。
【0028】
分配された自然人達が分配された貨幣の全部を国内ないし連合国内で消費すると仮定すれば、輸入やライセンス使用で国外ないし連合国外に流出する費用、消費に係る税の納税分の貨幣等の法人企業全体の利益にならない貨幣を除いて、国内ないし連合国内の法人企業全体に返ってきていると言える。
【0029】
ただし前述するように、分配した貨幣が確実に全部消費されるには、財産ならびに翌月までに得られる予定の所得の合計額がゼロの自然人達に分配するか、分配した貨幣を含めて財産および翌月までに得た所得の全部を翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件にする必要があるので、分配対象となる財産ならびに翌月まで得られる所得の合計額が高まれば高まるほど、分配する貨幣が国内ないし連合国内の法人企業全体に返ってこないリスクが高まる。
【0030】
また、国内ないし連合国内の法人企業全体の顧客は、本来国内外ないし連合国内外の政治的組織全体ならびに自然人全体ならびに法人全体であるが、分配した貨幣を消費するのは、国家に対して財産ならびに翌月までに得られる所得の合計額が国家の定めた金額に満たないことを証明した自然人という限られた集団なので、購入および生産される商品に偏りが生じることは否めない。
【0031】
加えて、生産する商品ごとに輸入やライセンス使用で国外ないし連合国外に流出する費用、消費に係る税等の法人企業全体の利益にならない貨幣の割合が異なるので、法人企業全体が得る貨幣のなかの法人企業全体の利益にならない貨幣の割合が変化することも否めない。
【0032】
また、法人税の前払いの税収の分配を受けるために係る手続きならびに分配された貨幣の消費は、人間の感情によるものなので、この租税および分配方法を導入したところで、分配対象となり得る自然人が係る手続きを行って、分配された貨幣を消費するとは限らないが、少なくともその可能性は新たに生じる。
【0033】
国家は、上記の手続きの不正に関する調査機関の設立および不正があった場合の追徴課税に係る法令を制定する必要がある。
【0034】
また、国家は実際に分配した貨幣が消費されたか追跡する必要があるが、追跡を簡素化させるために、分配する貨幣を入金したデビットカードを該当者に渡して、追跡することが好ましい。
【0035】
この租税および分配方法を導入することにより、法人税は低所得者に対する所得補償のような性格を持つようになるので、法人税および法人税の前払いの税収で低所得者に対する所得補償に必要な予算を賄えるのであれば、法人税の税率は下げられるだけ下げて良い。
【0036】
自国ないし自国が加盟する連合国の貨幣の所有者全体に対して国家が定めた時期に、消費に係る税を前払いで課税する。
【0037】
貨幣の所有者が直接消費しない分の貨幣であっても、例えば貸付金、返済金、供託金、賃金、贈与等の資金として準備している貨幣であっても、当該貨幣は近い将来であろうと遠い将来であろうと他者に渡って消費されるのであるから、課税対象に含める。
【0038】
また、国家自身ないし連合国自身が所有する貨幣であっても、当該貨幣は公共事業や国債償還によって近い将来であろうと遠い将来であろうと他者に渡って消費されるのであるから、課税対象に含める。
【0039】
また、国外ないし連合国外で所有されている貨幣であっても、当該貨幣はいかに国外ないし連合国外において移動を繰り返そうとも最終的には国内ないし連合国内で消費されるのだから、課税対象の貨幣に含める。
【0040】
以上のことから、自国ないし自国が加盟する連合国の貨幣の所有者全体に対して消費に係る税を前払いで課税すると、課税対象は中央銀行が発行している貨幣の総額になることが分かる。
【0041】
なお、この消費に係る税の前払いは、なんら課税に係る条件を持たない純粋な意味での貨幣そのものに対する最終的な課税であるため、後述する自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の前払いの納税処理を終えた後に行う。
【0042】
国家は、国内の総消費額を消費に係る税の税収で除算し、一般消費税、個別消費税、不動産取得税、関税、流通税、とん税等の消費に係るすべての税ならびに非課税を含めた一消費に係る平均税率をこの課税の計算で使用するための概念として定めて、中央銀行が発行している貨幣の総額について課税する。
【0043】
例えば中央銀行が発行している貨幣の総額が600兆円で、消費に係る平均税率が10パーセントの場合、消費に係る平均税率で課税して残る貨幣の金額は1.1X=600兆の数式を立てた場合のXであり、消費に係る税の前払いの納税額は600兆からXを減算した金額である。
【0044】
ただしこれは小計に過ぎない。更にXも消費に係る平均税率で課税する。
【0045】
Xを消費に係る平均税率で課税して残る貨幣の金額は1.1Y=Xの数式を立てた場合のYであり、消費に係る税の前払いの納税額はXからYを減算した金額である。
【0046】
このように平均税率で課税して残った貨幣を更に消費に係る平均税率で課税するということを納税額が最小の通貨単位になるまで繰り返していき、その累積額が消費に係る税の前払いの納税額となる。
【0047】
消費に係る税の前払い課税は、貨幣の所有者が直接納税するものではなく、その代理として中央銀行が納税額分の貨幣を新たに発行して納税するものだから、税率は個別に計算しない。
【0048】
なお、貨幣の所有者に直接納税させる場合は、はじめに所有する貨幣を自己が消費する分の貨幣と他者が消費する分の貨幣に分けて、自己が消費する分の貨幣については自己の一消費に係る税の平均税率を計算した上で納税額を計算して、貸付金、返済金、供託金、賃金、贈与等の他者が消費する分の貨幣については当該貨幣を渡す相手の一消費に係る税の平均税率を計算した上で納税額を計算して納税させることになる。
【0049】
消費に係る税を前払いで納税するということは、その後、実際に消費する時に国家に対して消費に係る税の前払い金の残高を証明すれば、重複して消費に係る税を納税する必要がないことになるので、消費に係る税の前払い金の残高の証明に係る手続きを簡略化するために、消費に係る税の前払いは、例えば納税と引き換えに、貨幣のように納税額を記した証書を国家から納税者に渡すことになる。
【0050】
納税額を記した証書は、納税に使用できる以上、貨幣と変わらない性質を持つ債権である。
【0051】
したがって貨幣の所有者に直接納税させる場合も、この課税の納税によって貨幣の所有者の手に残る貨幣ならびに貨幣価値を持つ債権の合計額は同額であり、国家がこの課税で得る貨幣の総額も同額であり、国家が消費に係る税で得る貨幣価値を持つ債権の総額も同額である。
【0052】
ただ貨幣の所有者に直接納税させる場合は、国外の政治的組織ならびに自然人ならびに法人に対して課税する国際的な交渉の手間ならびに税務署および納税者が納税額を計算する手間が増えるだけである。
【0053】
これらの手間を省くために、貨幣の所有者全体の代理として中央銀行が納税分の貨幣を新たに発行して納税すれば良い。
【0054】
初回は中央銀行が発行している貨幣の総額について納税額を計算するだけだが、二回目以降は、中央銀行が発行している貨幣の総額からこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額を減算した金額について仮定の納税額を計算して、納税額よりこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額の方が小さければ、その差額が確定の納税額となり、この課税の納税のために発行した貨幣の方が大きければ、その差額の貨幣を国家が中央銀行に返納し、中央銀行が当該貨幣を今後使用できないよう破棄し、破棄した分をこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額から減算する。
【0055】
欧州連合のように自国の貨幣を他国と共有する連合国の場合は、連合国内の国家達で重複してこの課税を施行すると、貨幣全体に対して同一の税が重複して課税されることになるので、この課税は連合国内で一括することが好ましい。
【0056】
この課税を連合国内で一括するということは、連合国内の総消費額を消費に係る税の税収で除算し、一般消費税、個別消費税、不動産取得税、関税、流通税、とん税等の消費に係るすべての税ならびに非課税を含めた一消費に係る平均税率をこの課税の計算で使用するための概念として定めて、中央銀行が発行している貨幣の総額について課税することになるとともに、中央銀行が発行している貨幣の総額に対する各国の所有割合に合わせてこの課税で得る貨幣を分配することになる。
【0057】
消費に係る税の前払い課税ならびに消費に係る税はその金額の大きさから、この市場融和租税分配システムを採用した国家における財源の核となるため、消費に係る税の税率の調節は、公共事業の縮小等で国家予算が縮小した場合は税率を下げ、公共事業の拡大等で予算が拡大した場合は税率を上げることが好ましい。
【0058】
自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣を前払いで課税する。
【0059】
自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣とは、相続人や遺贈相手が存在する場合は相続税で納税する貨幣、相続人や遺贈相手が存在しない場合は全財産である。
【0060】
相続税が存在しない国家においては、相続人や遺贈相手が存在しない場合の全財産のみが前払いの対象となる。
【0061】
相続税の前払いの対象は、死亡すれば相続人が相続税として支払うことになる貨幣に留まらず、その相続人にも相続人や遺贈相手が存在すれば、その相続人が将来相続することになる仮定の財産のうちの相続税として支払うことになる貨幣も含まれる。
【0062】
なお、自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の前払いは、消費に係る税の前払いと同様に、自然人に直接行わせると、納税額を記した債権を介した手間が増えるだけなので、自然人の代理として中央銀行が納税額分の貨幣を新たに発行して納税する。
【0063】
相続人や遺贈相手が存在する場合、初回は被相続人になる予定の者がその時所有している財産について納税額を計算するだけだが、二回目以降は、財産の増加分ないし減少分にこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額を加算した合計額について仮定の納税額を計算して、この課税の納税のために発行した貨幣の累積額の方が小さければ、その差額が確定の納税額となり、この課税の納税のために発行した貨幣の累積額の方が大きければ、その差額の貨幣を国家が中央銀行に返納し、中央銀行が当該貨幣を今後使用できないよう破棄し、破棄した分をこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額から減算する。
【0064】
相続人や遺贈相手が存在しない場合、初回は全財産、二回目以降は、財産の増加分ないし減少分にこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額を加算した合計額について仮定の納税額を計算して、この課税の納税のために発行した貨幣の累積額の方が小さければ、その差額が確定の納税額となり、この課税の納税のために発行した貨幣の累積額の方が大きければ、その差額の貨幣を国家が中央銀行に返納し、中央銀行が当該貨幣を今後使用できないよう破棄し、破棄した分をこの課税の納税のために発行した貨幣の累積額から減算する。
【0065】
この自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の前払い課税により、自然人は具体的な行動として国家に対して自己が所有している財産の金額を国家が指定する時期に証明する必要が出てくる。
【0066】
国家は、上記の手続きの不正に関する調査機関の設立および不正があった場合の追徴課税に係る法令を制定する必要がある。
【0067】
相続税が自然人達のなかで起こる富の集中を抑制する機能を持つ故、起業ならびに事業拡大の出資の規模を大きくしたい等の理由で当該抑制をゆるくしたい場合は相続税の税率を下げ、所得の格差の広がりに国民が不満を抱いている等の理由で当該抑制をきつくしたい場合は相続税の税率を上げることが好ましい。
【発明の効果】
【0068】
自然人の所得税ならびに自然人の住民税の課税対象の貨幣を納税時期から次の納税時期の間に国内ないし連合国内で消費することで課税対象から外すことによって、自然人の所得税ならびに自然人の住民税の課税対象の貨幣が、自然人達によって従来の納税を経て国家が消費するよりも早く消費され続ける可能性が新たに生じる。
【0069】
法人企業に法人税を毎月前払いで課税するとともに、国家に対して財産ならびに翌月までに得られる予定の所得の合計額が国家の定める金額に満たないことを証明した自然人に、翌月までに国内ないし連合国内で消費することを条件とした上で、法人税の前払い課税の税収を毎月分配することで、自然人達によって、法人企業に消費される期間ないし従来の納税を経て国家が消費するよりも早く消費され続ける可能性が新たに生じる。
【0070】
消費に係る税を前払いで課税することで、消費に係る税の納税分の貨幣の全部を国家が先取りして消費し続けることができるようになる。
【0071】
自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣を前払いで課税することで、自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の全部を国家が先取りして消費し続けることができるようになる。
【0072】
効果の金額を概算する方法としては、はじめに一年の個人事業主ならびに法人の収益の増加率に対する翌年の自然人の所得の増加率ならびに一年の個人事業主ならびに法人の収益の増加率に対する翌年までに中央銀行が発行する貨幣の増加率を明らかにする。
【0073】
なお、この後の計算で自然人は所得を全部消費するものとして概算を進めるので、一年の個人事業主ならびに法人の収益の増加率に対する翌年の自然人の財産の増加率および自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の前払いの増加額は計算しない。
【0074】
次に基点にする年の所得税ならびに住民税の歳入額ならびに法人税の歳入額から当該法人税の歳入額に法人税を課税した場合の金額を減算した金額を個人事業主ならびに法人の収益に加算し、翌年の法人税の歳入額ならびに翌年の自然人の所得の増加額および自然人の所得が全部消費されるとした場合の消費に係る税の歳入額ならびに初回の消費に係る税の前払いで中央銀行が発行する貨幣を除いた翌年までに中央銀行が発行する貨幣の増加額および初回の消費に係る税の前払いの歳入額を除いた消費に係る税の前払いの増加額を明らかにする。
【0075】
一年目のプラス効果は、初回の消費に係る税の前払いで得られる歳入額ならびに初回の自然人が死亡した時に国庫に納める貨幣の前払いで得られる歳入額ならびにこの市場融和租税分配システムを採用したとした上で計算した法人税の歳入から既存の租税方法の増加率で計算した法人税の歳入を減算した金額ならびにこの市場融和租税分配システムを採用したとした上で計算した消費に係る税の歳入額から既存の租税方法の場合の増加率で計算した消費に係る税の歳入額を減算した金額ならびに消費に係る税の前払いの増加額を合算した金額である。
【0076】
二年目以降のプラス効果は、前年分のこの市場融和租税分配システムを採用したとした上で計算した法人税の歳入額から従来の租税方法の増加率で計算した法人税の歳入額を減算した金額ならびに前年分のこの市場融和租税分配システムを採用したとした上で計算した消費に係る税の歳入額から既存の租税方法の場合の増加率で計算した消費に係る税の歳入額を減算した金額ならびに消費に係る税の前払いの増加額を合算した金額である。
【0077】
一年目のマイナス効果は、既存の租税方法の場合の増加率で計算した所得税ならびに住民税の歳入額であり、二年目以降のマイナス効果も既存の租税方法の場合の増加率で計算した所得税ならびに住民税の歳入額である。
【0078】
なお、効果の金額の概算に係るすべての計算は、同一の税率の期間を元に計算する必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0079】
国家ないし連合国の規定に則って本発明に係る法令を成立させ、施行する。