(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069415
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】自律車両の安全運転動作
(51)【国際特許分類】
G08G 1/0965 20060101AFI20220428BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20220428BHJP
G08G 1/015 20060101ALI20220428BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220428BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220428BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220428BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
G08G1/0965
G08G1/04
G08G1/015
G08G1/09 V
G08G1/09 H
G08G1/09 D
G01C21/34
B60W60/00
B60W40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171420
(22)【出願日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】63/105,064
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521265955
【氏名又は名称】トゥーシンプル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ピー. ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】トッド ビー. スキナー
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
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5H181MA43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自律車両の安全運転動作の提供。
【解決手段】自律車両は、法執行機関車両、消防車、消防トラック、警察官、ファーストレスポンダー、交通コーン、発光信号等の道路上の当局または緊急車両の存在を識別するための検出システムを含む。検出システムは、当局の検出専用の音響検出システムおよび視覚的検出システムを含み得る。加えて、システムは、検出された当局および/または当局によって与えられる任意の聴覚的または視覚的な命令を自律車両の行動の変化に相関させる。自律車両は、検出された当局または緊急車両の周囲で安全に動作するための運転関連動作を決定することによって、検出された当局または緊急車両に対して反応し得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律運転動作の方法であって、
自律車両内に位置するコンピュータによって、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定することに応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信することによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと
に応答して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、
(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することと
に応答して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記運転関連動作を取得することは、
前記自律車両の現在の速さが閾値を上回っているという第1の決定を実施することと、
前記第1の決定に応答して、前記自律車両の前記現在の速さを前記閾値以下に低減させるかけられるべきブレーキ力の量の第2の決定を実施することと
を含み、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両に前記ブレーキ力の量を印加させる第1の命令を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の決定は、前記第1の決定に応答して、および前記緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある前記道路上の車線上で前記自律車両が運転しているという第3の決定に応答して、実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記運転関連動作を取得することは、
前記緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある一方の側を有する第1の車線上で前記自律車両が前記道路上で運転しているという第1の決定を実施することと、
前記道路が、前記第1の車線のすぐ隣にありかつ前記一方の側の反対の別の側にある第2の車線を含むという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定および第2の決定に応答して、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するためにかけられるべきステアリングの量の第3の決定を実施することと
を含み、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するために前記ステアリングの量を前記自律車両にかけさせる第1の命令を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
自律車両動作のためのシステムであって、前記システムは、プロセッサを含むコンピュータを備える自律車両を備え、前記プロセッサは、方法を実装するように構成され、前記方法は、
前記自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定に応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信するように構成される前記プロセッサによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、システム。
【請求項8】
前記コンピュータの前記プロセッサは、前記自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信するようにさらに構成され、
前記情報は、前記緊急車両の位置を示す位置情報を含み、
前記情報は、前記緊急車両が前記自律車両の場所の第1の所定距離内に位置することを示し、
前記第2のコンピュータは、第2の方法を実装するように構成される第2のプロセッサを備え、前記第2の方法は、
前記緊急車両に関する前記情報を受信することと、
前記第2の自律車両が前記緊急車両の位置の第2の所定距離内に位置し、前記第2の自律車両が前記緊急車両に向かって運転しているという決定に応答して、第2の自律車両に前記緊急車両に関する前記情報を送信することと
を含み、前記第2の所定距離は、前記第1の所定距離以上である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記運転関連動作を取得することは、前記プロセッサによって実施され、前記プロセッサは、
前記自律車両が運転して向かっている領域の交通情報を受信することと、
前記交通情報に基づいて、前記領域が高い交通レベルを有することを決定することと、
前記高い交通レベルを有する前記領域の周囲で前記自律車両を運転するための代替ルートを決定することと、
ステアリングシステム、ブレーキ、またはトランスミッションのうちのいずれか1つ以上に関する前記命令を決定し、前記自律車両に前記代替ルート上で運転させることと
を行うように構成される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記運転関連動作に関する前記命令は、ブレーキをかけるための第1の命令と、前記自律車両を前記自律車両が運転されている前記道路上のある車線から、前記道路のある側に沿った領域に操向する第2の命令とを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記緊急車両は、法執行機関車両、救急車、消防車、または消防トラックを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記緊急車両は、交通コーン、発光信号、または交通関連看板を含む静止物体を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
コードが記憶されている非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに方法を実装させ、前記方法は、
自律車両内に位置するコンピュータによって、前記自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定することに応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信することによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項14】
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転していることを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、
(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することと
に応答して実施される、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項15】
第1の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第1のピクセルの数が第2の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第2のピクセルの数未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、
前記第1の画像および前記第2の画像は、前記自律車両上のカメラによって取得され、
前記第1の画像は、前記第2の画像が取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項16】
前記サイレンに関連付けられる第1の音レベルが前記サイレンに関連付けられる第2の音レベル未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、
前記第1の音レベルおよび前記第2の音レベルは、前記自律車両上のマイクロフォンによって取得され、
前記第1の音レベルは、前記第2の音レベルが取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項17】
前記運転関連動作は、前記自律車両の場所に基づいて、および前記自律車両が位置する州または領域の前記緊急車両に関連付けられる規則に基づいて取得される、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項18】
前記運転関連動作は、複数の州または領域に関する前記コンピュータ内に記憶されている予め構成された規則の組を使用して取得され、
各規則は、少なくとも1つの州または少なくとも1つの領域と、少なくとも1つの緊急車両に関連付けられる対応する運転関連規則とに関連付けられ、
前記複数の州または領域は、前記自律車両が位置する前記州または前記領域を含む、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項19】
前記自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信することをさらに含み、
前記運転関連動作を取得することは、前記第2のコンピュータから、前記運転関連動作に関する前記命令を受信することを含む、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【請求項20】
前記情報は、前記緊急車両の1つ以上の属性が前記自律車両内の前記コンピュータによって決定されることができないことを決定することに応答して、前記第2のコンピュータに送信される、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張および関連特許出願
本特許文献は、2020年10月23日に出願され「LEGAL AUTHORITY DETECTION AND COMPLIANCE ON A ROADWAY BY AN AUTONOMOUS VEHICLE」と題された米国仮特許出願第63/105,064号の優先権およびその利益を主張する。前述の出願の開示全体が、本願の開示の一部として参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、自律車両に関する。より具体的には、本開示は、自律車両(AV)が適切に動作することができるように、AVがあるタイプの車両(例えば、法執行機関車両)、公務員(例えば、警察官)、または静止物体(例えば、発光信号、または交通コーンもしくは交通看板)を検出するためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自律車両テクノロジの目標の1つは、わずかな運転者支援を伴って、または運転者支援を伴わず、目的地に向かって安全にナビゲートすることができる車両を提供することである。いくつかの場合、自律車両は、法執行機関車両または公務員の形態の当局または緊急車両に遭遇し得る。あるいは、または、加えて、地方当局は、標識を掲げ、光を発することを可能にし、発光信号を設置し、または別様に車道の区分における通常の交通パターンからの逸脱を視覚的に示し得る。現在、そのような場合、運転者の支援が、通常、自律車両を手動で運転して予期せぬ状況を避けるために必要とされる。以前のシステムは、現在、自律車両が当局を適切に検出し、人間の介入を伴わず命令または法定要件に適合することが可能ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定のタイプの車両(例えば、法執行機関および/またはファーストレスポンダー車両)、公務員、可聴的命令、および/または視覚的インジケータの検出は、自律車両が当てはまる法律に適合することによって安全に動作することを可能にすることができる。そのような検出は、自律車両が自律車両を囲む人および/またはプロパティの周囲で安全に動作することも可能にすることができる。自律車両が当局(例えば、特定のタイプの車両および/または公務員)の存在を検出すること、および/または安全かつ法に適した動作のために命令および/または地域的法律に適合するための運転関連動作を実施することを可能にするシステム、装置、および方法が、本明細書中で説明される。
【0005】
ある例示的実施形態では、自律的運転動作の方法は、自律車両内に位置するコンピュータによって、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、決定することに応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信することによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、(2)緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することとに応答して実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することとに応答して実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、自律車両の現在の速さが閾値を上回っているという第1の決定を実施することと、第1の決定に応答して、前記自律車両の前記現在の速さを前記閾値以下に低減させるかけられるべきブレーキ力の量の第2の決定を実施することとを含み、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両に前記ブレーキ力の量を印加させる第1の命令を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2の決定は、前記第1の決定に応答して、および前記緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある前記道路上の車線上で前記自律車両が運転しているという第3の決定に応答して、実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある一方の側を有する第1の車線上で前記自律車両が前記道路上で運転しているという第1の決定を実施することと、道路が、前記第1の車線のすぐ隣にありかつ前記一方の側の反対の別の側にある第2の車線を含むという第2の決定を実施することと、第1の決定および第2の決定に応答して、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するためにかけられるべきステアリングの量の第3の決定を実施することとを含み、自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するために前記ステアリングの量を前記自律車両にかけさせる第1の命令を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、自律車両動作のためのシステムが、プロセッサを含むコンピュータを備える自律車両を備え、前記プロセッサは、方法を実装するように構成され、方法は、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、決定に応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信するように構成される前記プロセッサによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、コンピュータのプロセッサは、前記自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信するようにさらに構成され、情報は、前記緊急車両の位置を示す位置情報を含み、情報は、前記緊急車両が前記自律車両の場所の第1の所定距離内に位置することを示し、第2のコンピュータは、第2の方法を実装するように構成される第2のプロセッサを備え、前記第2の方法は、緊急車両に関する前記情報を受信することと、第2の自律車両が前記緊急車両の位置の第2の所定距離内に位置し、第2の自律車両が前記緊急車両に向かって運転しているという決定に応答して、第2の自律車両に前記緊急車両に関する前記情報を送信することとを含み、第2の所定距離は、前記第1の所定距離以上である。
【0010】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、前記プロセッサによって実施され、前記プロセッサは、自律車両が運転して向かっている領域の交通情報を受信することと、交通情報に基づいて、前記領域が高い交通レベルを有することを決定することと、高い交通レベルを有する前記領域の周囲で前記自律車両を運転するための代替ルートを決定することと、ステアリングシステム、ブレーキ、またはトランスミッションのうちのいずれか1つ以上に関する前記命令を決定し、前記自律車両に前記代替ルート上で運転させることとを行うように構成される。いくつかの実施形態では、運転関連動作に関する前記命令は、ブレーキをかけるための第1の命令と、前記自律車両を前記自律車両が運転されている前記道路上のある車線から、前記道路のある側に沿った領域に操向する第2の命令とを含む。緊急車両は、法執行機関車両、救急車、消防車、または消防トラックを含む。いくつかの実施形態では、緊急車両は、交通コーン、発光信号、または交通関連看板を含む静止物体を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、(1)前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転していることを決定することと、(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することとに応答して実施される。いくつかの実施形態では、第1の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第1のピクセルの数が第2の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第2のピクセルの数未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、第1の画像および前記第2の画像は、前記自律車両上のカメラによって取得され、第1の画像は、前記第2の画像が取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される。いくつかの実施形態では、サイレンに関連付けられる第1の音レベルが前記サイレンに関連付けられる第2の音レベル未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、第1の音レベルおよび前記第2の音レベルは、前記自律車両上のマイクロフォンによって取得され、第1の音レベルは、前記第2の音レベルが取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される。
【0012】
いくつかの実施形態では、運転関連動作は、前記自律車両の場所に基づいて、および前記自律車両が位置する州または領域の前記緊急車両に関連付けられる規則に基づいて取得される。いくつかの実施形態では、運転関連動作は、複数の州または領域に関する前記コンピュータ内に記憶されている予め構成された規則の組を使用して取得され、各規則は、少なくとも1つの州または少なくとも1つの領域と、少なくとも1つの緊急車両に関連付けられる対応する運転関連規則とに関連付けられ、複数の州または領域は、前記自律車両が位置する前記州または前記領域を含む。いくつかの実施形態では、自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信することをさらに含み、運転関連動作を取得することは、前記第2のコンピュータから、前記運転関連動作に関する前記命令を受信することを含む。いくつかの実施形態では、情報は、前記緊急車両の1つ以上の属性が前記自律車両内の前記コンピュータによって決定されることができないことを決定することに応答して、前記第2のコンピュータに送信される。
【0013】
さらに別の例示的側面では、上述される方法は、コードを備える非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において具現化され、コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本特許文献に説明される方法を実施させる。
【0014】
さらに別の例示的実施形態では、上述される方法を実施するように構成されまたは動作可能であるデバイスが開示される。さらに別の例示的実施形態では、上述される方法を実施するように構成されまたは動作可能であるプロセッサを有するコンピュータを含むシステムが開示される。
【0015】
上記の側面および他の側面、ならびにそれらの実装が、図面、説明、および請求項においてより詳細に説明される。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
自律運転動作の方法であって、
自律車両内に位置するコンピュータによって、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定することに応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信することによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、方法。
(項目2)
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと
に応答して実施される、上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記道路上に位置することを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、
(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することと
に応答して実施される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記運転関連動作を取得することは、
前記自律車両の現在の速さが閾値を上回っているという第1の決定を実施することと、
前記第1の決定に応答して、前記自律車両の前記現在の速さを前記閾値以下に低減させるかけられるべきブレーキ力の量の第2の決定を実施することと
を含み、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両に前記ブレーキ力の量を印加させる第1の命令を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記第2の決定は、前記第1の決定に応答して、および前記緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある前記道路上の車線上で前記自律車両が運転しているという第3の決定に応答して、実施される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記運転関連動作を取得することは、
前記緊急車両が位置する領域または前記緊急車両が位置する別の車線のすぐ隣にある一方の側を有する第1の車線上で前記自律車両が前記道路上で運転しているという第1の決定を実施することと、
前記道路が、前記第1の車線のすぐ隣にありかつ前記一方の側の反対の別の側にある第2の車線を含むという第2の決定を実施することと、
前記第1の決定および第2の決定に応答して、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するためにかけられるべきステアリングの量の第3の決定を実施することと
を含み、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させる前記命令は、前記自律車両を前記第1の車線から前記第2の車線に操向するために前記ステアリングの量を前記自律車両にかけさせる第1の命令を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
自律車両動作のためのシステムであって、前記システムは、プロセッサを含むコンピュータを備える自律車両を備え、前記プロセッサは、方法を実装するように構成され、前記方法は、
前記自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定に応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信するように構成される前記プロセッサによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、システム。
(項目8)
前記コンピュータの前記プロセッサは、前記自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信するようにさらに構成され、
前記情報は、前記緊急車両の位置を示す位置情報を含み、
前記情報は、前記緊急車両が前記自律車両の場所の第1の所定距離内に位置することを示し、
前記第2のコンピュータは、第2の方法を実装するように構成される第2のプロセッサを備え、前記第2の方法は、
前記緊急車両に関する前記情報を受信することと、
前記第2の自律車両が前記緊急車両の位置の第2の所定距離内に位置し、前記第2の自律車両が前記緊急車両に向かって運転しているという決定に応答して、第2の自律車両に前記緊急車両に関する前記情報を送信することと
を含み、前記第2の所定距離は、前記第1の所定距離以上である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記運転関連動作を取得することは、前記プロセッサによって実施され、前記プロセッサは、
前記自律車両が運転して向かっている領域の交通情報を受信することと、
前記交通情報に基づいて、前記領域が高い交通レベルを有することを決定することと、
前記高い交通レベルを有する前記領域の周囲で前記自律車両を運転するための代替ルートを決定することと、
ステアリングシステム、ブレーキ、またはトランスミッションのうちのいずれか1つ以上に関する前記命令を決定し、前記自律車両に前記代替ルート上で運転させることと
を行うように構成される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記運転関連動作に関する前記命令は、ブレーキをかけるための第1の命令と、前記自律車両を前記自律車両が運転されている前記道路上のある車線から、前記道路のある側に沿った領域に操向する第2の命令とを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
前記緊急車両は、法執行機関車両、救急車、消防車、または消防トラックを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
前記緊急車両は、交通コーン、発光信号、または交通関連看板を含む静止物体を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
コードが記憶されている非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに方法を実装させ、前記方法は、
自律車両内に位置するコンピュータによって、前記自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、
前記決定することに応答して、前記緊急車両の周囲で動作するための前記自律車両の運転関連動作を取得することと、
前記自律車両内の1つ以上のデバイスに前記運転関連動作に関する命令を送信することによって、前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることと
を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目14)
前記運転関連動作を取得すること、および前記自律車両に前記運転関連動作に従って運転させることは、
(1)前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転していることを決定することと、
(2)前記緊急車両が前記自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、
(3)前記緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することと
に応答して実施される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目15)
第1の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第1のピクセルの数が第2の画像内の前記緊急車両に関連付けられる第2のピクセルの数未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、
前記第1の画像および前記第2の画像は、前記自律車両上のカメラによって取得され、
前記第1の画像は、前記第2の画像が取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目16)
前記サイレンに関連付けられる第1の音レベルが前記サイレンに関連付けられる第2の音レベル未満であることを決定することに応じて、前記緊急車両が前記自律車両に向かって運転しているように決定され、
前記第1の音レベルおよび前記第2の音レベルは、前記自律車両上のマイクロフォンによって取得され、
前記第1の音レベルは、前記第2の音レベルが取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目17)
前記運転関連動作は、前記自律車両の場所に基づいて、および前記自律車両が位置する州または領域の前記緊急車両に関連付けられる規則に基づいて取得される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目18)
前記運転関連動作は、複数の州または領域に関する前記コンピュータ内に記憶されている予め構成された規則の組を使用して取得され、
各規則は、少なくとも1つの州または少なくとも1つの領域と、少なくとも1つの緊急車両に関連付けられる対応する運転関連規則とに関連付けられ、
前記複数の州または領域は、前記自律車両が位置する前記州または前記領域を含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目19)
前記自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに前記緊急車両に関する情報を送信することをさらに含み、
前記運転関連動作を取得することは、前記第2のコンピュータから、前記運転関連動作に関する前記命令を受信することを含む、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(項目20)
前記情報は、前記緊急車両の1つ以上の属性が前記自律車両内の前記コンピュータによって決定されることができないことを決定することに応答して、前記第2のコンピュータに送信される、上記項目のいずれかに記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
(摘要)
自律車両は、法執行機関車両、消防車、消防トラック、警察官、ファーストレスポンダー、交通コーン、発光信号等の道路上の当局または緊急車両の存在を識別するための検出システムを含む。検出システムは、当局の検出専用の音響検出システムおよび視覚的検出システムを含み得る。加えて、システムは、検出された当局および/または当局によって与えられる任意の聴覚的または視覚的な命令を自律車両の行動の変化に相関させる。自律車両は、検出された当局または緊急車両の周囲で安全に動作するための運転関連動作を決定することによって、検出された当局または緊急車両に対して反応し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、自律車両を含むシステムの概略図を例証する。
【0017】
【
図2】
図2は、当局を検出し、命令および法定要件に適合して自律車両を動作させるためのある例示的方法である。
【0018】
【
図3】
図3は、1つ以上の自律車両、人間のオペレータを伴う制御センターもしくは監視システム、ならびに/または第三者相互作用のためのインターフェースを含むシステムを例証する。
【0019】
【
図4】
図4は、自律車両によって実施される動作のある例示的フローチャートを例証する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
幹線道路および車道を走行する車両は、当局または緊急車両に適合して安全に車両を動作させるように法的に要求される。自律トラクタトレーラ車両等の自律車両に関して、当局または緊急車両(緊急車両、公務員、および/または道路上の視覚的命令(例えば、標識))の検出は、法に適した安全な車両の動作のために不可欠である。本特許文献は、当局および/もしくは視覚的命令の存在の検出、ならびに自律車両が法に適合することができるような運転関連動作の実行を含む、車道上での自律車両の安全で法に適した動作に関するシステム、装置および方法を説明する。
【0021】
本特許文献のセクションIは、自律トラクタトレーラ車両等の自律車両上またはその中に位置するデバイスおよび/またはシステムの概略を提供する。本特許文献のセクションIIは、道路上の当局の存在を検出するため、および/または道路上の当局の存在を検出することに応答して運転関連動作を実施するための技術を説明する。本特許文献では、「当局」または「緊急車両」という語は、法執行機関車両、消防車/消防トラック、救急車、軍事車両を含み得、または、交通コーン、発光信号、看板等の静止物体を含み得る。本特許文献のセクションIIIは、監視システムを説明し、監視システムを用いて、1つ以上の自律車両が、当局の存在に関することを通信し、適切な運転関連動作を促進することができる。以下の種々のセクションに関する例示的見出しは、開示される主題の理解を促進するために使用され、請求される主題の範囲をいかようにも限定しない。よって、1つの例示的セクションの1つ以上の特徴は、別の例示的セクションの1つ以上の特徴と組み合わせられることができる。
【0022】
I.自律車両エコシステム
【0023】
図1は、自律トラクタトレーラ車両等の自律車両105を含むシステム100を示す。自律車両105は、複数の車両サブシステム140と、車載制御コンピュータ150とを含む。複数の車両サブシステム140は、車両運転サブシステム142と、車両センササブシステム144と、車両制御サブシステムとを含む。エンジンもしくはモータ、車輪およびタイヤ、トランスミッション、電気サブシステム、ならびに電力サブシステムが、車両運転サブシステム内に含まれ得る。自律車両のエンジンは、内燃機関、燃料セル動力電気エンジン、バッテリ動力電気エンジン、ハイブリッドエンジン、または自律車両105が移動する車輪を動かすことが可能な任意の他のタイプのエンジンであり得る。自律車両105は、車両の車輪を運転するための複数のモータまたはアクチュエータを有し、そのような場合、車両運転サブシステム142は、2つ以上の電気的に駆動されるモータを含む。トランスミッションは、連続的変動トランスミッション、またはエンジンによって生成される動力を車両の車輪を運転する力に変換するいくつかのギアの組を含み得る。車両運転サブシステムは、ポンプ、ファン、およびアクチュエータを含むシステム内のコンポーネントへの電流の分配をモニタリングし制御する電気システムを含み得る。車両運転サブシステムの動力サブシステムは、車両の動力源を統制するコンポーネントを含み得る。
【0024】
車両センササブシステム144は、自律車両105および当局検出サブシステム145の一般的動作に関するセンサを含み得る。自律車両の一般的動作に関するセンサは、カメラ、温度センサ、慣性センサ(IMU)、全地球測位システム、光センサ、LIDARシステム、レーダシステム、無線通信を含み得る。
【0025】
マイクロフォンまたはマイクロフォンのアレイ等の音響検出器が、後ろ向きカメラであり得るような当局検出サブシステム145内に含まれ得る。当局検出サブシステム145の音響検出器(例えば、マイクロフォン(単数または複数))は、当局の存在の音響インジケーション、または「道路の脇に車を寄せてください」等のサイレンおよび司令を含む当局からの命令を受信するように構成される。音響検出器の1つ以上のマイクロフォンは、自律車両105のトラクタ部分の外側上等、車両の外部上に搭載され、または位置する。当局検出サブシステム145において使用されるマイクロフォンは、任意の適切なタイプであり得、自律車両105が休止しているとき、および自律車両105が通常の運転速さで移動しているときの両方のときにマクロフォンが有効であるように搭載され得る。マイクロフォンが当局からサイレンまたは音響司令を検出し得る速さは、0~50マイル毎時またはそれ以上の範囲であり得る。いくつかの構成では、当局検出サブシステム145は、サイレンまたは他の大きな音の源が移動している方向を検出するように構成されるマイクロフォンを含む。マイクロフォンは、自律車両本体の運転者側および乗客側の両方に位置し得るか、または、自律車両本体の右側および左側の両方に位置し得、サイレン音等の大きな音または持続的な音の源の移動を決定するための当局検出サブシステム145の能力を促進し得る。本特許文献においてさらに説明されるように、音響検出器が当局の存在の音響インジケーション(例えば、デジタル化された録音)または当局からの命令を受信すると、音響検出器は、法定当局検出モジュール165が音響インジケーションを処理して道路上の当局の存在を決定することができるように、受信された音響インジケーションを法定当局検出モジュール165へ送信する。
【0026】
当局検出サブシステム145の一部であるカメラは、緊急車両から発する光が自律車両105全体から観測され得るように、後ろ向きであり得る。これらのカメラは、ビデオカメラ、特定の波長に関するフィルタを有するカメラ、ならびに、色、発光、色および発光の両方に基づいて緊急車両の光を検出するために適した任意の他のカメラを含み得る。当局検出サブシステム145は、車両センササブシステム144からの前向きカメラまたは横向きカメラも使用し得る。当局検出サブシステム145によって取得されたビデオデータは、法定当局検出モジュール165がビデオデータを処理して道路上の当局の存在を決定することができるように、法的検出モジュール165に送信される。
【0027】
車両制御サブシステム146は、自律車両もしくはトラック105およびその構成要素の動作を制御するように構成され得る。よって、車両制御サブシステム146は、エンジン動力出力サブシステム、ブレーキユニット、ナビゲーションユニット、ステアリングシステム、および自律制御ユニット等の種々の要素を含み得る。エンジン動力出力は、生み出されるトルクまたは提供される馬力を含むエンジンの動作を制御し、かつ、トランスミッションのギア選択の制御を提供し得る。ブレーキユニットは、自律車両105を減速させるように構成される機構の任意の組合せを含むことができる。ブレーキユニットは、摩擦を使用して、標準的態様で車輪を低速にすることができる。ブレーキユニットは、ブレーキがかけられるときにブレーキがロックアップすることを防止することができるアンチロックブレーキシステム(ABS)を含み得る。ナビゲーションユニットは、自律車両105のための運転経路またはルートを決定するように構成される任意のシステムであり得る。ナビゲーションユニットは、加えて、自律車両105が動作中である間に運転経路を動的に更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ナビゲーションユニットは、自律車両105のための運転経路を決定するようにGPSデバイスからのデータおよび1つ以上の所定のマップを組み込むように構成され得る。ステアリングシステムは、自律モードまたは運転者制御モードにある自律車両105の進行方向を調節するように動作可能であり得る機構の任意の組合せを表し得る。本特許文献においてさらに説明されるように、車両制御サブシステム146のデバイスは、自律車両105における運転関連動作を実施するために、コンプライアンスモジュール166および/または運転動作モジュール168によって制御され得る。
【0028】
自律制御ユニットは、自律車両105の環境内の潜在的障害物を識別し、評価し、かつ回避しもしくは切り抜けるように構成される制御システムを表し得る。概して、自律制御ユニットは、運転者無しでの動作のために、または自律車両105を制御することにおける運転者支援を提供するために、自律車両105を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、自律制御ユニットは、自律車両105のための運転経路または軌道を決定するために、GPSデバイス、RADAR、LIDAR、カメラおよび/または他の車両サブシステムからのデータを組み込むように構成され得る。
【0029】
VCUと称され得る車載制御コンピュータ150は、車両サブシステムインターフェース160、運転動作モジュール168、1つ以上のプロセッサ170、法定当局検出モジュール165、コンプライアンスモジュール166、メモリ175、およびネットワーク通信サブシステム178を含む。この車載制御コンピュータ150は、本特許文献のセクションIIで説明されるような種々の車両サブシステム140からの情報に応答して、および/または本特許文献のセクションIIIで説明されるような監視システムと通信することに応答して、自律車両105の動作のうちの多く(全てではない場合もある)を制御する。1つ以上のプロセッサ170は、法定当局検出モジュール165に関連付けられる動作を実行し、法定当局検出モジュール165に関連付けられる動作は、システムが、法執行機関車両もしくは緊急サービス車両、または関連付けられる人員等の当局が近くにいることおよび/または命令を与えていることを決定することを可能にする。当局検出サブシステム145からのデータは、当局の存在の決定がなされ得るように、法定当局検出モジュール165に提供される。コンプライアンスモジュール166は、法定当局検出モジュール165から、道路上の当局の存在が決定されることのインジケーションを受信する。インジケーションに応答して、コンプライアンスモジュール166は、自律車両105によって実施されるべきアクション(例えば、ステアリング、ブレーキング等の運転関連動作(単数または複数))の進行を決定することができる。他の車両センササブシステム144からのデータは、アクションの進行が適切に決定され得るように、コンプライアンスモジュールに提供され得る。あるいは、または、加えて、コンプライアンスモジュール166は、運転動作モジュール168等の別の動作モジュールまたは制御モジュールと共にアクションの進行を決定し得る。
【0030】
メモリ175は、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146のうちの1つ以上にデータを伝送し、それらからデータを受信し、それらと相互作用し、またはそれらを制御するための命令を含む追加の命令も含み得る。車載制御コンピュータ(VCU)150は、運転動作モジュール168を介して、種々の車両サブシステム(例えば、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146)から受信された入力に基づいて、自律車両105の機能を制御し得る。加えて、運転動作モジュール168は、VCU150に情報を送信し得、それによって、VCU150は、情報を車両制御サブシステム146に送信して、自律車両105の軌道、速度、信号伝達行動等を司令し得る。自律制御車両制御サブシステムは、VCU150のコンプライアンスモジュール166および/または運転動作モジュール168から、とられるべきアクションの進行を受信し、続いて、アクションの進行を実行するように他のサブシステムに命令を取り次ぎ得る。
【0031】
II.法定当局検出および自律運転コンプライアンス技術
【0032】
図2は、法定当局の検出、ならびに与えられる任意の法律もしくは明示的命令との適合のためのフロー図を示す。動作205において、当局検出サブシステム145は、カメラまたはマイクロフォンを介して視覚的信号、聴覚的信号、または視覚的信号および聴覚的信号の両方を受信する。当局検出サブシステム145に関連付けられる1つ以上のマイクロフォンおよび/または1つ以上のカメラは、デジタル聴覚的(または音響)データおよび/またはデジタル視覚的(またはビデオ)データを提供することができる。動作210において、デジタル視覚的データおよび/またはデジタル聴覚的データは、信号処理のために、当局検出サブシステム145から車載制御コンピュータシステム(VCU)150に伝送される。
【0033】
動作215では、法定当局検出モジュールは、当局検出システムから伝送されたデジタル視覚的データおよび/またはデジタル聴覚的データを受信する。動作220において、法定当局検出モジュールは、デジタル聴覚的データおよび/またはデジタル視覚的データに信号処理を実施し、1つ以上の当局が自律車両の場所の領域内の道路上に位置するか否かを決定する。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、自律車両上の1つ以上のカメラから受信されたデジタル視覚的データを処理し、デジタル視覚的データの画像内の法執行機関車両、消防トラック、または救急車の存在を決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、経時的に受信されるデジタル聴覚的データおよび/またはデジタル視覚的データを使用して、道路内の法執行機関車両、消防トラック、または救急車が自律車両に向かって運転していること、または自律車両から遠ざかって運転していることを決定し得る。そのような実施形態では、法定当局検出モジュールは、最初に、第1の時点で当局検出サブシステムから取得されたデジタル聴覚的データおよび/またはデジタル視覚的データを使用して、当局(例えば、救急車)の存在を決定することができる。法定当局検出モジュールは、第1の時点で取得されたデジタル視覚的データから、当局(例えば、救急車)に関連付けられる第1のピクセルの数を決定すること、および/または、第1の時点で取得されたデジタル聴覚的データから、当局(例えば、救急車)によって動作させられるサイレンの(例えば、デシベルでの)第1の音レベルを決定することもできる。
【0034】
次に、法定当局検出モジュールは、第2の時点で当局検出サブシステムから取得された別のデジタル聴覚的データおよび/またはデジタル視覚的データから、当局に関連付けられる第2のピクセルの数、および/または当局に関連付けられるサイレンの第2の音レベルを決定することができ、第2の時点は、第1の時点より後の時点である。この実施形態では、法定当局検出モジュールは、第2のピクセルの数が第1のピクセルの数より多いこと、および/または第2の音レベルが第1の音レベルより大きいことを決定することに応じて、当局が自律車両に向かって運転していることを決定することができる。法定当局検出モジュールは、第2のピクセルの数が第1のピクセルの数より少ないこと、および/または第2の音レベルが第1の音レベルより小さいことを決定することによって、当局が自律車両から遠ざかって運転していることを決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、画像処理技術を使用して、当局についての以下の情報:当局の識別(例えば、法執行機関車両)、当局の場所、および/もしくは(当てはまる場合)当局の速さ、走行している場合、(当てはまる場合)当局の方向(例えば、自律車両に向かっていること、または自律車両から遠ざかっていること)、ならびに/または、当局がそのサイレンを動作させているか否かのうちの1つ以上を決定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、当局を含むビデオデータを取得したカメラを識別することによって、およびカメラが向いている方向(単数または複数)を決定することによって、当局が自律車両に向かって、自律車両から遠ざかって、または自律車両の周囲を運転している方向を決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、自律車両上のいくつかの場所に位置し得る複数のマイクロフォンによって捕捉されたサイレンの音レベルを比較することによって、当局が自律車両に向かって、または自律車両の周囲で運転している方向を決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、1つ以上のカメラから取得されたデジタル視覚的データを使用して、当局(例えば、法執行機関車両またはファーストレスポンダー車両)が、自律車両が動作している道路と別の道路またはそれと同じ道路上にあることを決定することができる。
【0036】
ある例示的実装では、法定当局検出モジュールは、VCUにおけるサイレンの以前に記憶された音響データとデジタル聴覚データを比較して、サイレンを動作させている法執行機関車両、消防トラック、および/または救急車が自律車両の近くで運転しまたは位置しているか否かを決定することができる。別の例示的実装では、法定当局検出モジュールは、デジタル視覚的データを、VCU内の法執行機関、消防トラック、および/または救急車の以前に記憶された画像と比較して、法執行機関車両、消防トラック、および/または救急車が自律車両の近くで運転しまたは位置しているか否かを決定することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、デジタル視覚的データを使用して、発光信号、コーン、または看板等の当局からの視覚的命令の存在を決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、デジタル視覚的データを使用して、公務員が道路上に存在していること(例えば、警察官が道路の脇を歩行していること、または建設作業員が交通誘導していること)を決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、マイクロフォンから受信されたデジタル聴覚的データを処理して、法執行機関車両、消防トラック、または救急車に関連付けられたサイレン音がないことを決定することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールは、自律車両上の1つ以上のカメラから受信されたデジタル視覚的データを処理して、デジタル視覚的データの画像内に法執行機関車両、消防トラック、または救急車がないことを決定することができる。
【0038】
動作225において、法定当局検出モジュールは、適合性モジュールに自律車両が動作している領域内の1つ以上の当局の存在(または不在)を示す情報を送信することができる。いくつかの実施形態では、法定当局検出モジュールによって適合性モジュールに送信される当局についての情報は、自律車両が動作している領域に当局が存在していることのインジケーション、当局(例えば、法執行機関車両)の識別、当局の場所、(当てはまる場合)当局の速さ、(当てはまる場合)当局が走行している方向(例えば、自律車両に向かっていること、または自律車両から遠ざかっていること)、および/または当局がそのサイレンを動作させているか否かを含むことができる。法定当局検出モジュールから受信された当局についての情報に基づいて、動作225において、適合性モジュールは、さらに以下で説明されるような自律車両が実施するための運転関連動作(例えば、ステアリング、ブレーキング、車線変更、停車等)を決定することができる。
【0039】
例えば、適合性モジュールが、当局が自律車両に向かって運転していること、および/または当局が自律車両の所定距離内に位置すること、および/または当局がそのサイレンを動作させていることを決定すると、適合性モジュールは、(動作230において)運転関連動作のための命令を決定し、それをブレーキへのステアリングシステムに送信し、自律車両を操向すること、および路肩に沿って自律車両を停止するようにブレーキをかけることができる。別の例では、適合性モジュールが、当局が1つ以上の車線を有する道路の脇に(または路肩に)停止または駐車されることを決定した場合、および、適合性モジュールが、自律車両が閾値(例えば、所定値)より速い速さ運転していることを決定した場合、適合性モジュールは、自律車両の速さを閾値または閾値未満の速さに低減させるためにかけるべきブレーキ力(例えば、ブレーキ圧、低速車輪に適用される摩擦力、キャリパーによって及ぼされるクランプ力)の量を決定することができる。この例では、適合性モジュールは、運転関連動作に関する命令を送信し、停止または駐車された当局の脇を安全に運転するために速さを閾値または閾値未満の別の速さに低下させるための量のブレーキ力をかけることができる。この例では、適合性モジュールは、自律車両の速さが閾値より速いことに応じて、または、自律車両が、当局が停止または駐車されている道路上の領域もしくは場所または別の車線のすぐ隣にある最も右の車線もしくは最も左の車線で運転していることを決定することに応じて、(動作230において)運転関連動作に関する命令を送信し、速さを閾値に低下させるための量のブレーキ力をかけることができる。
【0040】
さらに別の例では、適合性モジュールが、当局が複数の車線を有する道路の脇(または路肩)に停止または駐車されていることを決定した場合、および、適合性モジュールが、当局が停止または駐車されている道路上の場所のすぐ隣にある第1の車線(例えば、最も右の車線、または最も左の車線)で自律車両が運転していることを決定した場合、適合性モジュールは、(動作230において)運転関連動作に関する命令をステアリングシステムに送信し、自律車両が運転している車線と停止または駐車されている当局との間に少なくとも1つの車線が存在するように、第1の車線から第2の車線に車線変更することができる。この例では、適合性モジュールは、第1の車線から第2の車線に自律車両を操向するために必要とされるステアリングの量を決定することができる。
【0041】
さらに別の例では、適合性モジュールは、自律車両が運転して向かっている領域の交通情報を受信することができ、交通情報は、領域の交通量のレベル(多い、中程度、少ない)を示す。この例では、適合性モジュールが、当局がその領域に停止または駐車されていることを決定した場合、および、適合性モジュールが、交通情報がその領域における交通量が多いこと示すことを決定した場合、適合性モジュールは、代替ルート(例えば、自律車両が運転しているルート以外のルート)が存在するか否かを決定し、自律車両をルート変更することができる。この例では、適合性モジュールが、自律車両が交通量の多い領域の周囲にあるその目的地への代替ルートへルート変更されることができることを決定した場合、適合性モジュールは、代替ルート上で自律車両を運転するための運転関連動作に関する命令を決定し、それを自律車両内のステアリングシステム、ブレーキ、トランスミッション、および/または他のデバイスに送信することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、適合性モジュールは、自律車両が運転している州または国または領域の法律に基づいて、上で説明されるような運転関連動作を決定することができる。VCUは、自律車両が運転されることが予想される種々の州または領域に関する当局に当てはまる予め構成された規則の組を含むルックアップテーブルを記憶することができる。予め構成された規則の組における各規則は、州または領域の識別、および、その州または領域に関する道路上の少なくとも1つの当局または緊急車両に関連付けられる運転関連規則を含み得る。例えば、ルックアップテーブルにおける1つのエントリは、第1の州または第1の領域の識別と、関連付けられる運転関連規則の説明とを示し得、関連付けられる運転関連規則は、当局がその光を点灯させて道路の脇に駐車または停止されているときには、自律車両の場所と当局との間に少なくとも1つの車線が存在するようにしなければならないことを記述する。別の例では、ルックアップテーブル内の別のエントリは、第2の州または第2の領域の識別と、関連付けられる運転関連規則の説明とを示し得、関連付けられる運転関連規則は、車両が運転している道路の脇に当局が駐車または停止されている場合、または、当局もしくは緊急車両(例えば、工事看板)が、工事が道路上で実施されていることを示す場合、車両の速さが閾値以下であるようにしなければならないことを記述する。適合性モジュールは、(例えば、自律車両上またはその中のGPSデバイスから取得された)自律車両の場所を使用してルックアップテーブルにアクセスし、自律車両が運転している州または領域の関連する規則または法律を決定することができる。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルは、州または領域に関連付けられる複数の規則を含み得る。例えば、ルックアップテーブルは、その光を点灯させ、および/またはそのサイレンを動作させている当局が道路上に位置することに応答して、車両が当局に隣接する車線にある場合、車両が別の車線に移動して、車両と当局との間に1車線分の距離を維持するように予想されるか、または、車両が別の車線にずれて移動することができない場合、車両が所定の速度まで速度を落とすことが予想される。自律車両が運転している領域の規則または法律に基づいて、適合性モジュールは、地域または州の規則または法律に適合するように、自律車両に運転関連動作を送信することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、適合性モジュールは、自律車両内の人間の運転者に知らせるために、自律車両内のディスプレイモニタ上に表示されるべき運転関連動作に関連する情報を送信することができる。
【0044】
動作230において、適合性モジュールによって決定された運転関連動作は、VCU150から、運転制御サブシステム内の1つ以上のデバイスに、および/または自律車両内の他のデバイス(例えば、車両運転サブシステム142内のトランスミッション)に伝送されることができる。動作235において、車両制御サブシステム146および/または車両運転サブシステム142のデバイスは、上で説明されるような適合性モジュールによって提供される命令に基づいて、運転関連動作を実施することができる。そして、車両制御サブシステムおよび/または車両運転サブシステムは、自律車両105に、VCU150から受信される運転関連動作に従って動作させる。
【0045】
III.監視システム
【0046】
図3は、1つ以上の自律車両105と、人間のオペレータ355を伴う制御センターまたは監視システム350と、第三者人員360相互作用のためのインターフェース362とを含むシステム300を例証する。人間のオペレータ355は、リモータセンターオペレータ(RCO)としても知られ得る。自律車両105と、監視システム350と、ユーザインターフェース362との間の通信が、ネットワーク370上で行われる。いくつかの例では、フリート内の自律車両150のうちの全てが監視システム350と通信可能であるわけではない場合、自律車両105は、ネットワーク370上で、または直接、相互に通信し得る。
図1に関して説明されるように、各自律車両105のVCU150は、ネットワーク通信のためのモジュール178を含み得る。
【0047】
自律車両は、監視システムと通信し得る。監視システムは、1つ以上の自律車両(例えば、自律車両)の経過を追跡すること、自律車両のフリートの経過を追跡すること、操作命令を1つ以上の自律車両に送信すること、自律車両(単数または複数)の健全性をモニタリングすること、監視システムと連絡して各自律車両の積み荷の状況をモニタリングすること、第三者(例えば、法執行機関、積み荷が運搬されているクライアント)と各々または特定の自律車両との間の通信を促進すること、監視システムと通信して特定の自律車両の追跡(例えば、フリート内の車両のサブセットの第三者追跡)を可能にすること、自律車両に関するメンテナンスサービス(例えば、オイル交換、燃料供給、他の流体のレベルのメンテナンス)を手配すること、ルートまたは送達計画に悪影響を与え得る交通または天候の変化を、その影響を受ける自律車両に警告すること、自律車両に無線通信で更新をプッシュし、全ての構成要素を最新の状態に保つこと、ならびに、自律車両、その積み荷、およびその周辺環境に関する安全性を向上させる他の目的または機能を含む、多くの目的に役立ち得る1つ以上のコンピュータまたはサーバを含み得る。監視システムは、自律車両(単数または複数)の性能パラメータも決定し得、これは、データ集録頻度、圧縮率、場所、データタイプ;通信優先度;自律車両を点検する頻度(例えば、点検と点検との間のマイル数);操作中に車両の経過をモニタリングしながら最小リスク状況(MRC)操作を実施すべきとき;(例えば、目的地の操車場において)人間の運転者に自律車両の制御を委ねるべきとき;自律車両が行程前検査に合格することを確実にすること;自律車両がチェックポイントおよび重量ステーションにおける法定要件を果たすことまたはそれに順応することを確実にすること;自律車両が道路ブロック、横断歩道、交差点、工事、または事故等の所における人間からの命令を実施することまたはそれに順応することを確実にすること等のうちのいずれかを含む。
【0048】
自律車両の適合性モジュールは、本特許文献のセクションIIで説明されるような以下の情報:法定当局検出モジュールから受信される当局についての情報、および/または適合性モジュールによって決定される運転関連動作を監視システムに送信することができる。いくつかの実施形態では、監視システム350またはインターフェース362は、当局が検出されたことをモニタ上に表示することができ、それに応答して、人間のオペレータ355または第三者人員360は、監視システム350またはインターフェース362を介して運転関連動作に関する命令を適合性モジュールに送信し、車両制御サブシステム146および/または車両運転サブシステム142に送信することができる。いくつかの実施形態では、監視システム350またはインターフェース362が適合性モジュールによって決定された運転関連動作をモニタ上に表示する場合、人が運転関連動作を上書きまたは調節し得る。そのような実施形態では、例えば、人間のオペレータ355または第三者人員360は、適合性モジュールによって決定された所定値より低い特定の値に自律車両の速さを低下させるために命令を車両制御サブシステム146に送信するために、監視システム350またはインターフェース362を介して、適合性モジュールに命令を送信し得る。別の例では、人間のオペレータ355または第三者人員360は、幹線道路または高速道路を退出するために車両制御サブシステム146に命令を送信するために、監視システム350またはインターフェース362を介して、適合性モジュールに命令を送信し得る。
【0049】
フリートおよび監視システムまたは司令センター内の自律車両間の通信を可能にするために、各自律車両は、通信ゲートウェイを装備し得る。通信ゲートウェイは、以下のこと:AVと監視システムとの通信(V2C)、および監視システムとAV通信(C2V)を可能にすること、フリート内のAVとAVとの通信(V2V)を可能にすること、通信ゲートウェイの可用性または状況を伝送すること、受信された通信を確認すること、AVと監視システムとの間のリモート司令部周辺の安全性を確実にすること、設定された時間間隔でAVの場所を信頼性高く伝達すること、監視システムがAVに場所および車両健全性状況に関するpingを送ること、司令部または監視システムへの直接的な種々のセンサデータのストリーミングを可能にすること、AVと監視システムとの間の自動化された警告を可能にすること、ISO21434標準に適合すること等のうちのいずれかを行うための能力を有し得る。
【0050】
監視システムまたは司令センターは、オペレータまたはリモートセンターオペレータ(RCO)としても知られる1人以上の人間によって動作させられ得る。オペレータは、自律車両健全性パラメータに関する閾値を設定し得、それによって、自律車両が閾値を満たすかまたは上回るとき、予防アクションがとられ得る。閾値がオペレータによって確立され得る車両の健全性パラメータの例は、燃料レベル、オイルレベル、最後のメンテナンスから走行させられたマイル数、検出される低タイヤ圧、洗浄流体レベル、ブレーキ流体レベル、ステアリングおよびブレーキングサブシステムの応答性、ディーゼル排出流体(DEF)レベル、通信能力(例えば、応答性の欠如)、測位センサ能力(例えば、GPS、IMUの故障)、衝撃検出(例えば、車両衝突)、知覚センサ能力(例えば、カメラ、LIDAR、レーダ、マイクロフォンアレイの故障)、コンピューティング資源の能力(例えば、VCUまたはECUの故障または応答性の欠如、コンピューティングユニット内の温度異常性)、牽引状態におけるトラクタとトレーラとの間の角度(例えば、トラクタ-トレーラ、18輪車、またはセミトラック)、生きているエンティティ(例えば、人または動物)による自律車両の内部への権限のないアクセス等のうちのいずれかを含み得る。予防アクションは、最小リスク条件(MRC)操作の実行、点検を求めること、または、幹線道路が存在すること、もしくは自律車両により少ない負担をかけ得る他のそのようなルート変更を含み得る。システム健全性データが監視システムにおいてまたはオペレータによって設定された閾値を満たすかそれを上回る自律車両は、監視システムから自動的に送信される命令を受信し、予防アクションを実施し得る。
【0051】
オペレータは、監視システムと通信しているかまたは監視システムによってモニタリングされている1つ以上の自律車両に影響を及ぼす状態(影響を受ける自律車両(単数または複数)が認知していないこともある)を認知させられ得る。そのような状態は、交通流の不規則または急激な変化(例えば、交通渋滞または事故)、急な天候変化、急な可視性変化、緊急条件(例えば、火事、穴、橋の落下)、信号機に影響を与える停電、予期せぬ道路工事、多くのまたは不明瞭な道路のデブリ(例えば、自律車両によって識別不可能な物体)、車道上での法執行機関の活動(例えば、カーチェイス、または道路清掃活動)等を含み得る。自律車両によって検出可能でないこともあるこれらのタイプの状態は、交通報告、法執行機関の通信、監視システムと通信する他の車両からのデータ、領域内の他の車両の運転者からの報告、および同様に配布される情報集合場所を通して、監視システムのオペレータの注意を引き得る。自律車両は、センサシステムの制限または情報配布手段へのアクセスの欠如(例えば、天候エージェンシーとの直接的でない通信)に起因して、そのような状態を検出することが可能でないこともある。監視システムにおけるオペレータは、そのような情報を、監視システムと通信している影響を受ける自律車両にプッシュし得る。影響を受ける自律車両は、続いて、監視システムからプッシュされた情報に応答して、それらのルート、軌道、速さを変更し得る。いくつかの例では、監視システムによって受信される情報は、MRC(最小リスク条件)操作が保証されることを示す閾値条件をトリガし得、あるいは、または、加えて、オペレータは、状態を評価し、影響を受ける自律車両がMRC操作を実施すべきであることを決定し、続いて、そのような命令を、影響を受ける車両に送信し得る。これらの場合、監視システムまたは監視システムオペレータから情報または命令のいずれかを受信する各自律車両は、その車載コンピューティングユニット(すなわち、VCU)を使用して、脇に寄せることまたは停止することを含むMRC操作を実施することを含め、どのように安全に進行するかを決定する。
【0052】
リモートセンターオペレータ(RCO)が有し得る自律車両または自律車両のフリートとの他の相互作用は、以下のうちのいずれかを含む。監視システム350のコンピュータは、第1の自律車両の場所の第1の所定距離内の当局の存在のインジケーション、および/または当局についての関連情報(例えば、当局の位置情報)を、第1の自律車両から受信し得る。
【0053】
監視システム350のコンピュータは、監視システム350のコンピュータによって監視され得る1つ以上の自律車両の位置情報も取得し得る。第2の自律車両の場所情報および当局の位置情報を使用して、監視システム350のコンピュータは、第2の自律車両が当局の場所の第2の所定距離内に位置することを決定し得る。監視システム350のコンピュータは、第2の自律車両が当局に向かって運転していること、および第2の自律車両が当局の場所の第2の所定距離内にあることを決定することに応じて、自律車両から受信された当局についての情報を、第2の自律車両に送信し得、第2の所定距離は、第1の所定距離以上である。第2の自律車両に提供される当局についての情報は、第2の自律車両の適合性モジュールが、その場所における当局の存在に基づいて運転関連動作を決定することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、人間のオペレータ355または第三者人員360が、監視システム350またはインターフェース362を介して第2の自律車両に情報を送信し、特定の運転関連動作(例えば、第2の自律車両をルート変更する、または幹線道路から出る等)を実施することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、当局についての情報は、当局についての特定の情報が適切に決定されることができないことを決定することに応じて、自律車両の適合性モジュールによって送信され得る。例えば、法定当局検出モジュールが、道路上に掲げられている交通標識によって伝達される情報、またはある車両が法執行機関に属するものであるかどうかを決定することができない場合、法定当局検出モジュールは、適合性モジュールに当局の属性の決定の欠如を示し、適合性モジュールは、運転関連動作を決定することにおいて人間が支援するために、当局についての情報(例えば、画像)を監視システムに送信することができる。
【0055】
監視システムまたは司令センターは、第三者が、監視システムオペレータと、自律車両と、または人間のシステムオペレータおよび自律車両の両方と相互作用することを可能にし得る。第三者は、商品が輸送されている顧客、法執行機関もしくは緊急サービス提供者、またはサービスが必要とされるときに自律車両を支援する人であり得る。
【0056】
自律車両、特に、本明細書中で説明されるような自律車両が当てはまる規則、法律および規制を守りながらコースを安全に走行することを実行するように構成され得るアクションは、人間によって運転される自律車両によって上手く達成されるそれらのアクションを含み得る。これらのアクションまたは操作は、これらのアクションがVCU150(すなわち、車載制御コンピュータユニット)上に記憶された実行可能なプラグラミングであり得る点で、トラックの特徴として説明され得る。これらのアクションまたは特徴は、光を点灯させている緊急車両の検出に応答した適切な動き、AVに接近している1つ以上の車両を検出することに応答した適切な動き、交差点に遭遇することに応答した動きまたはアクション、隣接する車線または交通領域内の交通への合流の実行、1つ以上のセンサを清掃する必要性の検出および適切なセンサの清掃等の特定のタイプの条件または物体の検出に対する反応に関するものを含み得る。自律車両の他の特徴は、上記に列挙される反動的である特徴またはアクションを達成するために必要とされるものを含む任意のタイプの操作に関して必要とされるそれらのアクションまたは特徴を含み得る。補助的特徴と見なされ得るそのような特徴は、適切な追従距離を維持するための能力、適切な信号伝達および動きにより右折および左折するための能力等を含み得る。これらの補助的特徴および上記に列挙される反動的特徴は、ステアリング、エンジン動力出力、ブレーキまたは他の車両制御サブシステム146を制御または変更することを含み得る。
【0057】
図4は、自律車両によって実施される動作のある例示的フローチャートを例証する。動作402は、自律車両内に位置するコンピュータによって、緊急車両が、自律車両が運転されている道路上に位置することを決定することを含む。動作404は、決定することに応答して、緊急車両の周囲で動作するための自律車両の運転関連動作を取得することを含む。動作406は、自律車両内の1つ以上のデバイスに運転関連動作に関する命令を送信することによって、自律車両に運転関連動作に従って運転させるようにすることを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および自律車両に運転関連動作に従って運転させることは、(1)緊急車両が道路上に位置することを決定すること、および(2)緊急車両が自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することに応答して実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および自律車両に運転関連動作に従って運転させることは、(1)緊急車両が道路上に位置することを決定することと、(2)緊急車両が自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、(3)緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することとに応答して実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、自律車両の現在の速さが閾値より速いという第1の決定を実施することと、第1の決定に応答して、自律車両の現在の速さを閾値以下に低減させるかけられるべきブレーキ力の量の第2の決定を実施することとを含み、自律車両に運転関連動作に従って運転させる命令は、自律車両にそのブレーキ力の量をかけさせるという第1の命令を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2の決定は、第1の決定に応答して、および緊急車両が位置する領域または別の車線のすぐ隣にある道路上の車線上で自律車両が運転しているという第3の決定に応答して実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、緊急車両が位置する領域または別の車線のすぐ隣にある一方の側を有する第1の車線上の道路上で自律車両が運転しているという第1の決定を実施することと、道路が、第1の車線のすぐ隣にあり一方の側と反対の別の側にある第2の車線を含むという第2の決定を実施することと、第1の決定および第2の決定に応答して、第1の車線から第2の車線へ自律車両を操向するためにかけられるべきステアリングの量の第3の決定を実施することとを含み、自律車両に運転関連動作に従って運転させる命令は、第1の車線から第2の車線に自律車両を操向するためのステアリングの量を自律車両にかけさせるという第1の命令を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、自律車両動作に関するシステムは、方法を実装するように構成されるプロセッサを含むコンピュータを備える自律車両を含み、方法は、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、決定に応答して、緊急車両の周囲で動作させるための自律車両の運転関連動作を取得することと、自律車両内の1つ以上のデバイスに運転関連動作に関する命令を送信するように構成されるプロセッサによって、自律車両に運転関連動作に従って運転させることとを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、コンピュータのプロセッサは、自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに、緊急車両に関する情報を送信するようにさらに構成され、情報は、緊急車両の位置を示す位置情報を含み、情報は、緊急車両が自律車両の場所の第1の所定距離内に位置することを示し、第2のコンピュータは、第2の方法を実装するように構成される第2のプロセッサを備え、第2の方法は、第2の自律車両が緊急車両の位置の第2の所定距離内に位置すること、および第2の自律車両が緊急車両に向かって運転していることの決定に応答して、緊急車両に関する情報を受信することと、緊急車両に関する情報を第2の自律車両に送信することとを含み、第2の所定距離は、第1の所定距離以上である。
【0062】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得することは、自律車両が運転して向かっている領域の交通情報を受信することと、交通情報に基づいて、領域が高い交通レベルを有することを決定することと、高い交通レベルを有する領域の周囲で自律車両を運転するための代替ルートを決定することと、ステアリングシステム、ブレーキ、またはトランスミッションのうちのいずれか1つ以上に関する命令を決定して、自律車両に代替ルート上を運転させることとを行うように構成されるプロセッサによって実施される。いくつかの実施形態では、運転関連動作に関する命令は、ブレーキをかけるための第1の命令と、自律車両が運転されている道路上の車線から道路のある側に沿った領域に自律車両を操向する第2の命令とを含む。いくつかの実施形態では、緊急車両は、法執行機関車両、救急車、消防車、または消防トラックを含む。いくつかの実施形態では、緊急車両は、交通コーン、発光信号、または交通関連看板を含む静止物体を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、非一過性のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体が、コードをその上に記憶しており、コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに方法を実装させ、方法は、自律車両内に位置するコンピュータによって、自律車両が運転されている道路上に緊急車両が位置することを決定することと、決定することに応答して、緊急車両の周囲で動作するための自律車両の運転関連動作を取得することと、自律車両内の1つ以上のデバイスに運転関連動作に関する命令を送信することによって、自律車両に運転関連動作に従って運転させることとを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、運転関連動作を取得すること、および自律車両に運転関連動作に従って運転させることは、(1)緊急車両が自律車両に向かって運転していることを決定することと、(2)緊急車両が自律車両の場所の所定距離内に位置することを決定することと、(3)緊急車両がサイレンを動作させていることを決定することとに応答して実施される。いくつかの実施形態では、緊急車両は、第1の画像内の緊急車両に関連付けられる第1のピクセルの数が第2の画像内の緊急車両に関連付けられる第2のピクセルの数より少ないことを決定することに応じて、自律車両に向かって運転しているように決定され、第1の画像および第2の画像は、自律車両上のカメラによって取得され、第1の画像は、第2の画像が取得される第2の時点より前の時点である第1の時点に取得される。いくつかの実施形態では、緊急車両は、サイレンに関連付けられる第1の音レベルがサイレンに関連付けられる第2の音レベルより低いことを決定することに応じて、自律車両に向かって運転しているように決定され、第1の音レベルおよび第2の音レベルは、自律車両上のマイクロフォンによって取得され、第1の音レベルは、第2の音レベルが取得される第2の時点より前の時点である第1の時間に取得される。
【0065】
いくつかの実施形態では、運転関連動作は、自律車両の場所に基づいて、および自律車両が位置する州または領域の緊急車両に関連付けられる規則に基づいて取得される。いくつかの実施形態では、運転関連動作は、複数の州または領域に関するコンピュータ内に記憶されている予め構成された規則の組を使用して取得され、各規則は、少なくとも1つの州または少なくとも1つの領域と、少なくとも1つの緊急車両に関連付けられる対応する運転関連規則とに関連付けられ、複数の州または領域は、自律車両が位置する州または領域を含む。いくつかの実施形態では、方法は、緊急車両に関する情報を自律車両の外部に位置する第2のコンピュータに送信することをさらに含み、運転関連動作を取得することは、第2のコンピュータから、運転関連動作に関する命令を受信することを含む。いくつかの実施形態では、情報は、緊急車両の1つ以上の属性が自律車両内のコンピュータによって決定されることができないことを決定することに応答して、第2のコンピュータに送信される。
【0066】
本特許文献に説明されるような例示的システムでは、自律車両(AV)を備え、自律車両(AV)は、当局検出サブシステムと、車載制御コンピュータと、自律車両制御サブシステムとを備える。車載制御コンピュータは、法定当局検出モジュールと、適合性モジュールとを備える。いくつかの実施形態では、当局検出サブシステムは、自律車両の外部に搭載されまたは位置するマイクロフォンを備える。いくつかの実施形態では、マイクロフォンは、自律車両が休止しているときおよび自律車両が通常運転速さで移動しているときの両方のときにマイクロフォンが有効であるように搭載される。
【0067】
自律車両を動作させるためのある例示的方法は、自律車両の当局検出サブシステムによって、当局の存在を検出することと、自律車両の法定当局検出モジュールによって、当局によって与えられる指示を決定することと、自律車両の適合性モジュールによって、当局によって与えられる指示に適合するために自律車両のための軌道またはルートの変化が要求されることを決定することと、当局によって与えられる命令に適合するように自律車両の軌道またはルートを修正することとを含む。
【0068】
本文献において、「例示的」という用語は、別段言及されない限り、「~のある例」を意味し、理想的な実施形態または好ましい実施形態を意味しない。
【0069】
本明細書中で説明される実施形態のうちのいくつかは、方法またはプロセスの概略的コンテキストで説明されるが、それらは、1つの実施形態において、コンピュータ読み取り可能な媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品(プログラムコード等のコンピュータ実行可能な命令を含み、ネットワーク環境においてコンピュータによって実行される)によって実装され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、除去可能なストレージデバイスおよび除去不可能なストレージデバイスを含み得、それらは、限定ではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)等を含む。したがって、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一過性のストレージ媒体を含み得る。概して、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み得、それらは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象的データタイプを実装する。コンピュータまたはプロセッサ実行可能な命令、関連付けられたデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書中で開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表している。そのような実行可能な命令または関連付けられたデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明される機能を実装するための対応する動作の例を表している。
【0070】
開示される実施形態のうちのいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを用いたデバイスまたはモジュールとして実装され得る。例えば、ハードウェア回路実装は、個別のアナログおよび/またはデジタルコンポーネント(例えば、プリント回路基板の一部として組み込まれる)を含み得る。あるいは、または、加えて、開示されるコンポーネントまたはモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスとして実装され得る。加えて、または、あるいは、いくつかの実装は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含み、デジタルシグナルプロセッサは、本願の開示される機能性に関連付けられたデジタル信号処理の動作ニーズのために最適化されたアーキテクチャを有する専用マイクロプロセッサである。同様に、各モジュール内の種々のコンポーネントまたはサブコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアとして実装され得る。モジュール間および/またはモジュール内のコンポーネント間の接続は、限定ではないが、適切なプロトコルを用いたインターネント上の通信、有線ネットワーク、または無線ネットワークを含む当技術分野において公知である接続方法および接続媒体のうちの任意の1つを用いて提供され得る。
【0071】
本文献は、多くの詳細を含むが、これらは、請求される発明の範囲または請求され得る発明の範囲についての限定と解されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解されるべきである。別個の実施形態のコンテキストにおいて本文献で説明される特定の特徴は、単一の実施形態の組み合わせとしても実装され得る。逆に、単一の実施形態のコンテキストにおいて説明される種々の特徴は、複数の実施形態として別個にも、または適したサブコンビネーションとしても実装され得る。そのうえ、特徴は、特定の組み合わせとして実行するように上で説明され、初めにそのように請求され得るが、いくつかの実施形態では、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴が、組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変化物に向けられ得る。同様に、動作が、特定の順序で図面において描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または連続した順序で実施され、全ての例証される動作が実装されることを必要とするものとして理解されるべきではない。
【0072】
少数の実装および例のみが説明され、他の実装、強化、および変更が、本文献において説明され例証されるものに基づいてなされ得る。