(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069541
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】喫煙具用カートリッジの製造方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/70 20200101AFI20220428BHJP
【FI】
A24F40/70
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037276
(22)【出願日】2022-03-10
(62)【分割の表示】P 2019222404の分割
【原出願日】2019-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(57)【要約】
【課題】多様な芳香や味わいを簡便に楽しむことができる喫煙具用カートリッジの製造方法を提供する。
【解決手段】芳香源21を有する芳香生成体2(エアロゾル形成基材)と、芳香生成体2に接する支持部材312と、芳香生成体2及び支持部材312を被覆する円筒形状の包装部材4Aと、包装部材4Aにおける芳香生成体2と反対側の端部に配置されるフィルター部材(マウスピース)321と、を有する芳香カートリッジ(喫煙具用カートリッジ)11の製造方法であり、同軸上に並べた支持部材312とフィルター部材321に紙材を巻き付けることにより、包装部材4Aにフィルター部材321と反対側の端面を開口する充填部(収納空間)20を形成した後、この充填部20の内部に顆粒状の芳香源材21を充填する。
【選択図】
図38
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状の芳香源材を有するエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材に接する支持部材と、少なくとも前記エアロゾル形成基材及び前記支持部材を被覆する円筒形状の包装部材と、前記包装部材における前記エアロゾル形成基材と反対側の端部に配置されるマウスピースと、を有する喫煙具用カートリッジの製造方法であって、
同軸上に並べた前記支持部材と前記マウスピースに紙材を巻き付けることにより、前記包装部材に前記マウスピースと反対側の端面を開口する収納空間を形成した後、前記収納空間の内部にエアロゾル形成基材の顆粒状の芳香源材を充填する、ことを特徴とする喫煙具用カートリッジの製造方法。
【請求項2】
前記支持部材は、前記包装部材の内部における長手方向中心部を含む位置に配置されている、請求項1に記載の喫煙具用カートリッジの製造方法。
【請求項3】
前記収納空間に前記エアロゾル形成基材を充填した後、前記収納空間の前記開口が蓋体により閉塞される、請求項1または2に記載の喫煙具用カートリッジの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙具用カートリッジの製造方法に関する。
【0002】
ここでは、一般的には、「喫煙具用カートリッジ」、「電子タバコカートリッジ」、「電子タバコ互換カートリッジ」などとも称するものを「芳香カートリッジ」と称する。これは、芳香の元になるものとしては、タバコ成分のない非タバコ材料を使用するものにも適用されるためである。
なお、タバコ材料か非タバコ材料かに関わらず、芳香の元になる材料を「芳香源材」、これを加熱対象として充填して「芳香のためのエアロゾル」を生成するための芳香カートリッジ内での部位名を「芳香生成体」、芳香を生成するために「芳香源材」に基づいて所定の状態(固体、液体、ゲル状を含む)に製造され「芳香生成体」の本体として納められる状態のものを「芳香源」、加熱要素を備えて芳香カートリッジ内の芳香生成体を加熱する器具を「芳香器具」と称する。これらも、タバコ成分のない非タバコ材料を使用するものにも適用されるためである。
「芳香」は「良い香り」の意味であり、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引したときに口に漂う香り(フレーバー)、などを含む。
「喫煙」は、一般にはタバコを吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に「煙を楽しむ」「煙を味わう」「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になるものはタバコに限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。また、ここでの「煙」には、例えばエアロゾルなどの空気中に分散した液滴のように、「煙に見えるもの」「煙状のもの」も含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、タバコの禁煙を含む健康増進の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコ成分あるいは非タバコ成分を含むカートリッジを加熱して、気化したこれらの成分を吸引することで、喫煙を楽しむ製品が普及し始めている。このような加熱式の芳香カートリッジに充填するタバコ充填物の例として、均質化タバコの連続シートを用いた例が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、喫煙物品にメントール等の香料等を加え、風味を変えることも行われており、例えば、メントールをカプセル化してフィルタ内に存在させる技術が公開されている(特許文献2)。
【0005】
また、芳香カートリッジ用充填物を端部に有する芳香カートリッジを差し込んで加熱することにより喫煙をする物品が開示されている(特許文献3)。さらに、加熱式エアロゾル発生物品に関する様々な発明が知られており、例えば複数の気流経路を備える加熱式エアロゾル発生物品に係る発明が開示されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6017546号公報
【特許文献2】特表2017-506891号公報
【特許文献3】特表2017-519915号公報
【特許文献4】特表2016-538848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、健康増進の流れに加えて、個々のユーザの好みの多様化に伴い、多様な芳香や味わいを簡便に楽しむことができる芳香器具が求められている。
【0008】
このような要望に応えるべく、本発明の目的は、多様な芳香や味わいを簡便に楽しむことができる喫煙具用カートリッジ(芳香カートリッジ)の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、顆粒状の芳香源材を有するエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材に接する支持部材と、少なくとも前記エアロゾル形成基材及び前記支持部材を被覆する円筒形状の包装部材と、前記包装部材における前記エアロゾル形成基材と反対側の端部に配置されるマウスピースと、を有する喫煙具用カートリッジの製造方法であって、同軸上に並べた前記支持部材と前記マウスピースに紙材を巻き付けることにより、前記包装部材に前記マウスピースと反対側の端面を開口する収納空間を形成した後、前記収納空間の内部にエアロゾル形成基材の顆粒状の芳香源材を充填する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、多様な芳香や味わいを簡便に楽しむことができる喫煙具用カートリッジの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】芳香カートリッジ用の芳香生成体ケースの一例の断面図である。
【
図2】
図1に示す芳香生成体ケースの破断斜視図である。
【
図3】
図1に示す芳香生成体ケースに充填される芳香生成体の斜視図である。
【
図4A】
図1に示す芳香生成体ケースの作製方法の一例を示す図である。
【
図4B】
図1に示す芳香生成体ケースの作製方法の一例を示す図である。
【
図4C】
図1に示す芳香生成体ケースの作製方法の一例を示す図である。
【
図4D】
図1に示す芳香生成体ケースの作製方法の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す芳香生成体ケースの充填部に、
図3に示す芳香生成体を充填した芳香カートリッジの断面図である。
【
図6】芳香カートリッジの使用形態の一例の主要部断面図である。
【
図10】
図9に示す芳香生成体ケースに芳香生成体を充填する方法の一例を示す主要部断面図である。
【
図11】
図9に示す芳香生成体ケースに芳香生成体を充填する方法の別例を示す主要部断面図である。
【
図12】芳香器具に設けられる加熱部の形状例を示す図である。
【
図26】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の一例を示す断面図である。
【
図27】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の別例を示す断面図である。
【
図28】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の別例を示す断面図である。
【
図29】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の別例を示す断面図である。
【
図31】
図30に示す芳香生成体を充填した芳香カートリッジの断面図である。
【
図33】
図32に示す芳香生成体を充填した芳香カートリッジの断面図である。
【
図34】加熱アダプタを採用した場合の加熱アダプタ、芳香生成体及び芳香カートリッジの一例の断面図である。
【
図35】異形の加熱部対応の一例を示す、
図3 4 と同様の断面図である。
【
図36】
図35の芳香カートリッジを加熱アダプタを介して芳香器具に挿入する場合の加熱部と芳香カートリッジとの関係の一例の断面図である。
【
図37】加熱アダプタの構成が異なる別例を示す、
図36と同様の断面図である。
【
図38】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の別例の断面図である。
【
図39】芳香生成体を芳香生成体ケースに充填する方法の別例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されていて実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
図1は、芳香カートリッジ(本発明の喫煙具用カートリッジ)用の芳香生成体ケースの一例の断面図、
図2は、
図1に示す芳香生成体ケースの破断斜視図、
図3は、
図1に示す芳香生成体ケースに充填される芳香生成体の斜視図である。
【0014】
芳香生成体ケース101は、芳香生成体(本発明のエアロゾル形成基材)2が充填される空隙を有する充填部20と、当該充填部20に接する基体部30と、充填部20及び基体部30の外周を囲むカートリッジ外周部4とを備えており、全体としてスティック状に構成されている。
【0015】
基体部30は、芳香生成体2(
図3)を支持する支持部31と、吸口となるマウスピース部32とで構成されている。支持部31には、芳香生成体2から発生する芳香成分を含むエアロゾルの流路311を備えた支持部材312が挿入されており、マウスピース部32には、セルロースアセテートなどからなるフィルタ部材321が充填されている。
【0016】
支持部材312に備わる流路311の数は1個でも複数個でもよく、流路311の断面形状は、
図2のような円形に限らず、例えば多角形であってもよい。支持部材312は、好適には、例えばシリコーン樹脂を使用して形成されるが、これに限定されず、耐熱性に優れたものであれば、紙(セルロースを多く含む紙など、熱に強い紙等)、ガラス、セラミック、プラスティック等の合成樹脂、その他の樹脂材料等を使用して形成することもできる。
【0017】
図3に示すように、芳香生成体2は、当該芳香生成体2の本体である芳香源21と、芳香生成体ケース101のカートリッジ外周部4とは別個に設けられ、芳香源21の外周のみを囲む円筒状の芳香源外周部22とを備えている。
【0018】
芳香源21の形状は、例えば短冊状または棒状であり、芳香源外周部22の長手方向に沿うように詰められることが多いが、芳香源21の形状は、例えば粉末状、顆粒状など、短冊状や棒状以外の形状であってもよい。また、固体に限定されず、ゲル状や液体状であってもよい。芳香源外周部22としては、例えばタバコ紙等の薄紙を円筒形状に形成したものが使用される。
【0019】
芳香源21としては、例えば非タバコ材とエアロゾルフォーマとを含有するものが挙げられる。また、非タバコ材に代えてタバコ植物やニコチンエキスを含有する材料を使用してもよい。
【0020】
非タバコ材としては、タバコ植物以外の材料であれば特に制限はない。植物の使用部位としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
【0021】
具体的には、キントラノオ目アマ科の植物の茎葉、アオイ目アオイ科の植物の茎葉、バラ目アサ科の植物の茎葉、ショウガ目バショウ科の植物の茎葉、キジカクシ目キジカクシ科の植物の茎葉、イネ目イネ科の植物の茎葉、イネ目カヤツリグサ科の植物の茎葉、イネ目イグサ科の植物の茎葉、イネ目ホシクサ科の植物の茎葉、イネ目ガマ科の植物の茎葉、キノコ、綿、フトモモ目ジンチョウゲ科の植物の樹皮、及びバラ目クワ科の植物の樹皮から選択される少なくとも一つ以上が挙げられる。
【0022】
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ等、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク等、塊茎としては、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)等、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ等、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ等、担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)等、その他として、カブ・ゴボウ・ニンジン、ダイコン、クズ等が挙げられる。茎としては、コンニャク、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコン等が挙げられる。
【0023】
また、非タバコ材として、被子植物の果実の種子、被子植物の果実の果肉、被子植物の果実の果皮、被子植物の果実、及び、ハーブの茎葉から選択される一つ以上を含んでもよい。
【0024】
ここで、上記被子植物の果実の種子は、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、クリ、クルミ、アーモンド、ペカンナッツ、カシューナッツ、ピスタチオナッツ、ブラジルナッツ、コーヒービーンズ、カカオビーンズ、バニラビーンズ、ナツメグ、コーラナッツ、ピーナッツ、ディル、クミン、ジュニパー、キャラウェー、セロリ、カルダモン、フェンネル、フェヌグリーク、パセリ、アジョワン、及び、アニスの種子から選択される少なくとも一つ以上を含む。
【0025】
また、上記被子植物の果実の果肉は、セイヨウナシ、ワナシ、チュウゴクナシ、モモ、ムクロジ目ミカン科ミカン属の植物の果実、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、キウイフルーツ、グァバ、ドリアン、マンゴスチン、パパイヤ、スターフルーツ、ライチ、スイカ、ペピーノ、アンズ、サクランボ、カリン、メロン、マクワウリ、オランダイチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、カシス、ブドウ目ブドウ科ブドウ属のヴィニフェスカ種のブドウ、及び、ブドウ目ブドウ科ブドウ属のラブルスカ種のブドウの果肉から選択される一つ以上を含む。
【0026】
また、上記被子植物の果実は、コリアンダー、オールスパイス、スターアニス、及びコショウの果実から選択される一つ以上を含む。
【0027】
また、上記ハーブの茎葉は、タラゴン、バジル、ローズマリー、及び、ラベンダーの茎葉、並びに、オールスパイス、オレガノ、タイム、ディル、パセリ、シソ目シソ科シソ属のペパーミント系植物、シソ目シソ科シソ属のスペアミント系植物、レモンバーム、ヒソップ、セイボリー、マジョラム、レモングラス、ローリエ、セージ、及び、レモンバーベナの葉から選択される一つ以上を含む。
上記した植物及び以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、芳香源21の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム成形性向上、保存安定性向上等を図ることが可能となる。
【0028】
また、植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム等、樹液からはアラビアガム、カラヤガム等、果実からはペクチン等、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン(グルコマンナン)、大豆多糖類等を得ることができ、非タバコ材として使用できる。さらに、カチオン化グアーガムのような変性体も使用できる。
【0029】
また、海藻からは、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナンの3タイプに分類されるカラギーナン、寒天、アルギン酸等を得ることができ、非タバコ材として使用できる。また、カラギーナン金属塩、アルギン酸ナトリウムなどの塩も使用できる。
【0030】
ハーブやスパイスとして使用されている植物も使用でき、その具体例としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子等が挙げられる。また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
【0031】
さらに、下記の茶類の原料となる植物も使用することができる。その具体例としては、チャノキ、アシタバ、アマチャ、アロエ、イチョウ、ウコン、ウラジロガシ、エゾウコギ、オオバコ、カキオドシ、柿、カミツレ、カモミール、河原決明、カリン、菊、ギムネマ、グァバ、クコ、桑、黒豆、ゲンノショウコ、玄米、ゴボウ、ヒレハリソウ、昆布、桜、サフラン、シイタケ、シソ、ジャスミン、ショウガ、スギナ、セキショウ、センブリ、ソバ、タラノキ、タンポポ、ドクダミ、杜仲、ナタマメ、ニワトコ、ネズミモチ、ハトムギ、ケツメイシ、ビワ、松、マテ、麦、メグスリノキ、ヨモギ、ユーカリ、羅漢果、ルイボス、ゴーヤ等が挙げられる。
【0032】
茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なる茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これら茶類については、飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば、高価な茶類などを再利用して有効活用できる。
【0033】
上記に使用できる植物の具体例として、昆布を挙げたが、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメ等も当然使用することができる。
【0034】
上記に使用できる植物の具体例として、玄米を挙げたが、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)等の米の他の品種も当然使用することができ、粉または糠としても使用することができる。
【0035】
上記に使用できる植物の具体例として、麦を挙げたが、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)との他の麦類も当然使用することができる。
【0036】
上記に使用できる植物の具体例として、黒豆を挙げたが、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウ、キマメ、クラスタマメ、グラスピー(英:Lathyrus sativus)、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、ヘントウ等の他の菽穀類(マメ科作物の種子)も当然使用することができる。
【0037】
上記に使用できる植物の具体例として、ソバを挙げたが、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバ等のその他の植物も当然使用することができる。
【0038】
上記に使用できる植物の具体例として、シイタケを挙げたが、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケ等の他のキノコ類も当然使用することができる。
【0039】
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ材として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0040】
さらに、漢方薬として知られているものも用いられる。その具体例としては、例えば、藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁( キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果( ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボンタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)等が挙げられる。
【0041】
さらに、上記に例示した非タバコ材の抽出物、所謂エキスも使用することができる、抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0042】
次に、エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、乳酸、モノアセチン(グリセリンモノアセタート)、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、ドデカンジ二酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0043】
芳香源21中のエアロゾルフォーマの含有量は、芳香源21の総量に対して、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上35質量%以下であることが最も好ましい。
【0044】
また、芳香源21中のエアロゾルフォーマの含有量は、非タバコ材100質量部に対して、30質量部以上100質量部以下であることが好ましく、50質量部以上80質量部以下であると特に好ましい。
【0045】
本発明における一つの実施形態として、芳香源21には微結晶セルロースが含まれる。微結晶セルロースとは、例えば、繊維性植物のパルプから得られたα-セルロースを、酸で部分的に解重合した後、可溶性部分を取り除き、適宜、不溶性部分を結晶化して得られるものであり、後述の結着剤または増粘剤として用いられるセルロース類とは区別される。芳香源21に微結晶セルロースを添加すると、芳香源21が乾燥条件下で失水した場合であっても、セルロースの微結晶が芳香源21の構造を維持し、体積収縮などの構造変化を抑制する効果がある。
【0046】
さらに、必要に応じ風味を追加する風味添加剤も好ましく用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、キシリトール等が挙げられる。また、必要に応じて食品の保存料、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等を添加してもよい。これらの成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0047】
本発明における一つの実施形態では、芳香源21には、メントール及び非水溶性架橋ポリマーが含まれる。
【0048】
ここで、メントールとは、天然物から得られたものに限られず、合成物でもよい。また、薄荷、ミント、ハッカ油その他、メントールを含むものを使用してもよい。低級アルコールは、メントールを溶解する溶媒であり、特にエチルアルコールが好ましく用いられる。
【0049】
また、非水溶性架橋ポリマーとしては、ポリビニルピロリドンの架橋物であるポリビニルポリピロリドンを用いるのが好ましい。ポリビニルポリピロリドンを含んでいれば、非水溶性架橋ポリマーとして、ポリビニルポリピロリドン以外の他の非水溶性架橋ポリマーを含んでもよい。他の非水溶性架橋ポリマーとしては、水溶性の多糖類に架橋を施し非水溶性とした架橋多糖類が挙げられる。架橋多糖類としては、多糖類をエポキシ架橋したもの、エステル架橋したもの、エーテル架橋したもの等が例として挙げられる。
【0050】
メントールの含有量は、所望の風味を目標とした量を添加すれば足りる。メントールの風味付けをするには、芳香源21中のメントールの含有量が、芳香源21の総量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが目安となる。好ましくは0.2質量%以上5質量%以下であることがもう一つの目安となる。
【0051】
芳香源21において、メントール100質量部に対するポリビニルポリピロリドンの含有量は、50質量部以上600質量部以下である。換言すれば、ポリビニルポリピロリドンの含有量はメントールの含有量に対して、0.5倍以上6倍以下である。
【0052】
本発明における一つの実施形態では、芳香源21は、多糖類を含んでいることが好ましい。多糖類としては、特に水溶性であるもの、水を含んで膨潤するものや、ゲル化するものを使用することが好ましく、このようなものを用いることで成形性に寄与できる。
【0053】
多糖類としては、多糖類系高分子である、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、及び、寒天、並びに、セルロース系高分子であるメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩が例示できる。これらの多糖類は、単独でもまたは2 種以上混合しても用いることができる。特に、成形性を向上させるという観点から、多糖類として、コンニャクマンナン(グルコマンナン)を用いると好ましい。
【0054】
本発明における一つの実施形態では、上記多糖類を含む芳香源21に、さらにセルロース類(結合剤)を添加することが好ましい。ここで、セルロース類とは、セルロース、セルロース誘導体及びこれらの金属塩を含む。セルロース類としては、非タバコ材を結着(結合)させるため、特に水溶性であるものが好ましく用いられる。
【0055】
具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等の金属塩を用いることができる。これらのセルロース類は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。特に、セルロース類の金属塩を使用すると好ましく、なかでも、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種を使用するとより好ましく、入手の容易なカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用すると特に好ましい。
【0056】
芳香源21中のセルロース類の含有量は、非タバコ材100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上20質量部以下であるとより好ましく、5質量部以上20質量部以下であるとさらに好ましく、10質量部以上20質量部以下であると特に好ましい。
【0057】
図4Aは、
図1に示す芳香生成体ケース101の作製方法の一例を示す。芳香生成体ケース101を作製するには、先ず、
図4A(A)に示すように、充填部20と同一形状、同一寸法(長さは同一以上で良い)を有するダミー部材29Aと、支持部材312と、フィルタ部材321とを一列に並べ、タバコ紙等の包装部材4Aで巻き付ける。包装部材4Aの内面には、ダミー部材29Aと接する領域を除き、予め接着剤を塗布しておく。次に、
図4A(B)に示すように、包装部材4Aの一端からダミー部材29Aを抜き取ることにより、芳香生成体ケース101が完成する。
【0058】
なお、上述の例では、芳香生成体ケース101を1個ずつ作製する例を挙げたが、
図4B(A)に示すように、フィルタ部材321の2個分の長さのフィルタ部材321Bと、それを挟んで両側に各1個の計2個の支持部材312と、さらにそれらを挟んで両側に各1個の計2個の支持部材312とダミー部材29Aとを一列に並べ、2個分のカートリッジ外周部4となる包装部材4Bで巻き付け(
図4B(B))、2個分の芳香生成体ケース101を作製してから(
図4B(C))、最後に中央で2分割することで、芳香生成体ケース101を2個同時に完成させることもできる。これらの場合、芳香源21は、芳香生成体ケース101とは別に独立・並行して製造することが可能になり、芳香カートリッジ11(
図5参照)の製造コストの低減や製造期間の短縮を図ることが可能となる。また、芳香の風味等が異なる多品種の芳香源21を用意することで、喫煙者が気分に応じて好みの風味の芳香を楽しむことができる。
【0059】
別の例としては、例えば
図4C(A)に示すように、支持部材312と充填部20とを合わせた長さ以上の長さのダミー部材29Bを用意し、上述したフィルタ部材321Bと、それを挟んで両側に各1個の計2個のダミー部材29Bとを一列に並べ、2個分のカートリッジ外周部4となる包装部材4Bで巻き付け(
図4C(B))、その後、ダミー部材29Bとを抜き取ってから(
図4C(C))、フィルタ部材321Bを挟んで両側の空隙20Bに各1個の計2個の支持部材312を挿入することで、2個分の芳香生成体ケース101を作製してから(
図4B(C))、最後に中央で2分割することで、芳香生成体ケース101を2個同時に完成させることもできる。この場合、芳香源21だけでなく、さらに支持部材312も独立平行に製造してから、芳香カートリッジ11を製造可能になる。
【0060】
さらに別の例として、例えば
図4D(A)に示すように、芳香生成体ケース101の2個分以上の長さのダミー部材29Cを用意し、包装部材4Bで巻き付けたカートリッジ外周部4(2個分)を作製し(
図4D(B))、ダミー部材29Cを抜き取ってから(
図4D(C))、空隙20Cに2個分のフィルタ部材321Bを挿入し(
図4C(C))、さらに2個分の支持部材312を挿入して、2個分の芳香生成体ケース101を作製してから(
図4B(C))、最後に中央で2分割することで、芳香生成体ケース101を2個同時に完成させることもできる。この場合、芳香源21、支持部材312、フィルタ部材321Bをそれぞれ独立平行に製造してから、芳香カートリッジ11を製造可能になる。
【0061】
図5は、
図1に示す芳香生成体ケース101の充填部20に、
図3に示す芳香生成体2を充填した芳香カートリッジ11の断面図である。
【0062】
芳香カートリッジ11は、芳香生成体ケース101の充填部20に充填した芳香生成体2を基体部30に着脱自在に接合できる構成になっている。従って、芳香源21の成分が互いに異なる多種類の芳香生成体2を作製しておき、その中から好みの芳香生成体2を芳香生成体ケース101に充填することにより、一つの芳香カートリッジ11で多様な芳香を楽しむことができる。
【0063】
図6は、芳香カートリッジ11の使用形態の一例を示す。芳香カートリッジ11は、ユーザーの使用時に芳香器具5の差し込み部53に挿入される。芳香器具5内には芳香器具5に内蔵されたバッテリー(不図示)から供給される電力によって直接的または間接的に発熱する針状の加熱部51が設けられている。
【0064】
芳香カートリッジ11が芳香器具5に挿入されると、加熱部51の一部が芳香生成体2の内部(芳香源21)に刺し込まれる。そして、ユーザーがバッテリーの電源をONにすると、加熱部51の発熱によって芳香源21が温められ、芳香成分を含むエアロゾルが発生する。次に、ユーザーが芳香器具5の差し込み部53から露出する芳香カートリッジ11のマウスピース部32を口に銜えて吸い込むと、芳香源21から発生した芳香成分を含むエアロゾルが支持部材312の流路311とマウスピース部32のフィルタ部材321を通過してユーザーの口腔内に届くことになる。
【0065】
図7は、芳香生成体ケース101の別例を示す。
図7(A)は、充填部20と支持部31との間に隔壁部313を設け、充填部20に充填された芳香生成体2の芳香源21が振動等によって支持部材312の流路311内に移動する不具合を防ぐようにした例である。隔壁部313としては、芳香生成体2の芳香源21から発生した芳香成分を含むエアロゾルが通過し易い材料、例えば、通気性のよいフィルタや薄紙等が使用される。
【0066】
図7(B)は、マウスピース部32の一部にフィルタ部材321の無い空隙部314を設け、支持部31からマウスピース部32に流れる温度の高いエアロゾルを冷却するようにした例である。また、マウスピース部32の一部に空隙部314を設ける代わりに、
図7(C)に示すように、支持部31の長さを大きくすることによって、支持部31にエアロゾル冷却機能を持たせてもよい。これにより、芳香生成体ケース101内の通気性が向上し、エアロゾル中の芳香成分が吸引され易くなるという効果も得られる。
【0067】
図8は、芳香生成体2の芳香源外周部22に、芳香生成体ケース101の基体部30に対して着脱自在に接合可能な基体接合部24を設け、芳香生成体2と基体部30との接合力を強化した例を示す。基体接合部24の構造としては、支持部材312に嵌合される突起241を備えた構造(
図8(A)参照)や、支持部材312に螺合されるネジ242を備えた構造(
図8(B)参照)等が例示できる。
【0068】
図9は、芳香生成体ケース101の別例を示す。
図9に示す芳香生成体ケース101は、支持部31及びマウスピース部32からなる基体部30と、基体部30の外周を囲むカートリッジ外周部4とで構成されている。
図1及び
図2に示す芳香生成体ケース101では、空隙部(空間部)を充填部20として有していたが、ここでは、芳香生成体ケース101の芳香生成体2側の端部(の空間部)を充填部20Aとして有する。
【0069】
図9に示す芳香生成体ケース101に芳香生成体2を充填する場合は、例えば
図10に示すように、芳香生成体2の芳香源外周部22に、芳香生成体ケース101のカートリッジ外周部4に対して着脱自在に接合可能な基体接合部24を設ける。また、基体接合部24の他の構造として、支持部材312に嵌合される突起241を備えた構造(
図11(A)参照)や、支持部材312に螺合されるネジ242を備えた構造(
図11(B)参照)等が例示できる。
【0070】
図12に示すように、芳香器具5(
図6)に設けられる加熱部51の先端の形状は、針状、突起状等、種々の態様が可能である。また、図示は省略するが、例えばブレード状であってもよい。
【0071】
また、
図13~
図15に示すように、加熱部51と接する芳香生成体2の一端に、加熱部51と接合して芳香源21の少なくとも一部を加熱可能な加熱接合部23を設けてもよい。これにより、加熱部51の熱を芳香生成体2内の芳香源21に速やかに伝達することができる。
【0072】
加熱接合部23は、対応する加熱部51の形状に沿う形状に形成されることが好ましい。また、加熱接合部23の一部に、使用前の芳香源21から芳香成分が散逸するのを抑制する閉塞部26を設けてもよい。閉塞部26は、加熱前には閉塞し、且つ加熱時には加熱部51の一部が貫通できるように、例えばロウなどの材質のもので加熱接合部23の形状に沿う形状に形成されることが好ましい。
【0073】
図16~
図25に示すように、芳香生成体2は、芳香の元になる材質及び成分並びに芳香生成体2内での配置のいずれか1以上が相互に異なる2以上の副芳香源21a~21eを有してもよい。これにより、ユーザーは、複数種類の芳香が混じった多様な芳香を楽しむことができる。
【0074】
この場合、副芳香源21a~21eの一部、特に揮発し難い成分を含む副芳香源は、芳香カートリッジ11の一部として芳香器具5に装着されたときに、加熱部51の熱が直接伝達される位置に配置することが好ましい(例えば
図16の副芳香源21a、21e)。また、副芳香源21a~21eの一部、特に加熱によって容易に揮発する成分を含む副芳香源は、加熱部51からの熱が伝達される副芳香源を挟んで加熱部51と逆側に配置することが好ましい(例えば
図16の副芳香源21d)。
【0075】
また、副芳香源21a~21eの一部は、副芳香源21a~21eの他部が芳香生成体2の外部に露出することを抑制するように配置してもよい(例えば
図16の副芳香源21a、21b)。
【0076】
また、副芳香源21a~21eの一部は、芳香生成体2の芳香源外周部22の内周に沿って配置してもよい(例えば
図16の副芳香源21c)。
【0077】
副芳香源21a~21eは、芳香生成体2を芳香生成体ケース101に充填する際、予め一体に形成して芳香生成体2に充填しておいてもよいが、例えば
図26及び
図27に示すように、複数の副芳香源に分けて充填してもよい。なお、図示では、
図16(A)の形状に合わせるが、
図17(A)の形状でも同様にできる。
【0078】
また、芳香器具5(
図6)に設けられている加熱部51が、外部(周囲)から加熱するタイプの場合(
図29(A)参照)、あるいはこれと加熱針を合わせたタイプの場合(
図28(A)参照)、例えば
図28及び
図29 に示すように、芳香生成体2の一部が芳香生成体ケース101の外部に露出するように芳香生成体2を構成し、十分な加熱を確保することもできる。
【0079】
図30は、芳香器具5の加熱部51(
図6)の形状に合わせた閉塞部26を有する芳香生成体2の一例を示し、芳香生成体2の加熱接合部23側を閉塞しつつ加熱部51の形状に合わせた閉塞部26を用意し(同図(A)(B))、例えば複数の副芳香源21a~21eの構成に加えて(同図(C))、芳香生成体2を構成する(同図(D))。
図31は、
図30に示す加熱部51の形状に合わせた閉塞部26を有する芳香生成体2(同図(A)(B))を芳香生成体ケース101に充填した芳香カートリッジ11を示す(同図(C))。
【0080】
図32は、別例として、加熱部51の形状に合わせて加熱部51を挿入しやすい形状の閉塞部26を有する芳香生成体2の例を示し、
図33は、
図32に示す閉塞部26を有する芳香生成体2を芳香生成体ケース101に充填した芳香カートリッジ11を示す。
【0081】
図34は、芳香生成体2に加熱アダプタ27を挿入し、加熱部51の熱を間接的に芳香源に伝えるように構成した芳香カートリッジ11の一例を示す。また、
図35は、
図34とは別例であり、加熱部51の形状が周辺から加熱するタイプであり、上述の各例とは異形の場合に、それに対応可能な加熱アダプタ27を芳香生成体2に挿入し、加熱部51の熱を間接的に芳香源に伝えるように構成した芳香カートリッジの一例を示す。
図36は、
図35の芳香カートリッジ11を加熱アダプタ27を介して芳香器具5 の加熱部51に挿入する場合の加熱部51と芳香カートリッジ11との関係の一例を示す。
【0082】
図37は、芳香生成体ケース101の一部を覆うカバー27aを備えた加熱アダプタ27を芳香生成体2に挿入し、加熱部51の熱を加熱アダプタ27を介して間接的に芳香源に伝えるように構成した芳香生成体ケース101の一例を示す。
【0083】
芳香生成体ケース101の充填部20に芳香生成体2を充填する方法として、
図38に示すように、芳香生成体2の本体である芳香源21を直接充填する方法を採用してもよい。また、この場合、芳香源21の形状は、例えば粉末状、顆粒状、短冊状、棒状など以外の形状であってもよい。また、固体に限定されず、ゲル状や液体状であってもよい。また、例えば
図39に示すように、芳香源外周部22を有しないだけで、上述した各種の副芳香源21a~21e等を有するように充填することも可能である。
【0084】
また、芳香源21の内容としても、各種の材料(芳香源材)の組み合わせができるので、個々のユーザの好みに応じて選択できるように用意することもできる。また、構成の組み合わせで、時間の変化や芳香器具の加熱温度の設定に合わせた構成にすることもできる。
【0085】
以上、本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0086】
2:芳香生成体(エアロゾル形成基材)
4:カートリッジ外周部
4A、4B:包装部材
5:芳香器具5
11:芳香カートリッジ(喫煙具用カートリッジ)
20:充填部(空間部、空隙部)
20A:充填部(空間部)
20B、20C:空隙部(空間部)
21:芳香源
21a:副芳香源
21b:副芳香源
21c:副芳香源
21d:副芳香源
21e:副芳香源
22:芳香源外周部
23:加熱接合部
24:基体接合部
26:閉塞部
27:加熱アダプタ
27a:カバー
29A~29C:ダミー部材
30:基体部
31:支持部
32:マウスピース部
51:加熱部
53:差し込み部
101:芳香生成体ケース
241:突起
242:ネジ
311:流路
312:支持部材
313:隔壁部
321、321B:フィルタ部材