(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069580
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】飲料及び飲料の香味を改善する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/02 20060101AFI20220428BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20220428BHJP
C12G 3/04 20190101ALI20220428BHJP
【FI】
A23L2/02 A
A23L2/00 B
C12G3/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040646
(22)【出願日】2022-03-15
(62)【分割の表示】P 2017210978の分割
【原出願日】2017-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100211100
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 昌平
(72)【発明者】
【氏名】神部 真衣
(57)【要約】
【課題】飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善された飲料を提供すること。
【解決手段】難消化性グルカンと、酸味果汁と、を含む、飲料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難消化性グルカンと、酸味果汁と、を含む、飲料。
【請求項2】
酸味果汁が、レモン果汁、ライム果汁、柚子果汁及びウメ果汁からなる群より選ばれる
少なくとも1種である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
難消化性グルカンの含有量が、前記飲料全量に対して、0.4g/100ml以上10g/100ml以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項4】
アルコール飲料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項5】
飲料に、難消化性グルカンと酸味果汁とを配合することを含む、飲料の香味を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料に関する。本発明はまた、飲料の香味を改善する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
飲料において、栄養補助、ボディ感の付与等を目的として、食物繊維を含有させることがある。このような用途に用いられている食物繊維の1つとして、難消化性グルカンが知られている。例えば、特許文献1には、1種又は2種以上の糖質又はその誘導体を活性炭存在下で縮合させて調製される糖縮合物組成物(難消化性グルカン)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、難消化性グルカンを含有させた飲料には、口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いの点で改善の余地があることを見出した。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善された飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、難消化性グルカンと共に酸味果汁を配合することにより、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されることを見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものである。
【0007】
すなわち、本発明は、難消化性グルカンと、酸味果汁と、を含む、飲料に関する。本発明に係る飲料は、難消化性グルカンと酸味果汁とを含むため、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されている。
【0008】
本発明に係る飲料は、酸味果汁が、レモン果汁、ライム果汁、柚子果汁及びウメ果汁からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されたものとなる。
【0009】
本発明に係る飲料は、アルコール飲料であってもよい。この場合、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されたものとなる。
【0010】
本発明はまた、飲料に、難消化性グルカンと酸味果汁とを配合することを含む、飲料の味の香味を改善する方法と捉えることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善された飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明に係る飲料は、難消化性グルカンと、酸味果汁と、を含む。
【0014】
本明細書において、「難消化性グルカン」とは、澱粉分解物(好ましくは、デキストロース当量(DE)が70~100の澱粉分解物)を加熱重合させて得られる難消化性の食物繊維を意味する。この際、原料には、グルコース以外の単糖又はこれらの単糖を含むオリゴ糖等が含まれていてもよい。このような難消化性グルカンとしては、例えば、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。
【0015】
なお、本明細書における「難消化性グルカン」は、難消化性グルカンそのものであってよく、難消化性グルカンを糖質分解酵素で処理した難消化性グルカン酵素処理物であってもよく、上記難消化性グルカン酵素処理物を分画処理した難消化性グルカン分画処理物であってもよく、難消化性グルカンにおける還元末端のアルデヒド基を水酸基に還元した難消化性グルカン還元処理物であってもよい。
【0016】
本実施形態に係る飲料において、難消化性グルカンの含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、飲料全量に対して、0.1g/100ml以上、0.2g/100ml以上、0.3g/100ml以上、0.4g/100ml以上、0.5g/100ml以上、0.6g/100ml以上、0.7g/100ml以上、又は0.8g/100ml以上であってもよく、20g/100ml以下、15g/100ml以下、10g/100ml以下、8g/100ml以下、5g/100ml以下、又は2.5g/100ml以下であってもよい。難消化性グルカンの含有量は、例えば、飲料全量に対して、0.1g/100ml以上20g/100ml以下、0.2g/100ml以上15g/100ml以下、0.3g/100ml以上10g/100ml以下、0.4g/100ml以上10g/100ml以下、0.5g/100ml以上5g/100ml以下、又は0.7g/100ml以上2g/100ml以下であってもよい。
【0017】
難消化性グルカンの含有量は、日本食品分析センター「栄養表示のための成分分析のポイント(2007年10月20日発行)」第76~78頁に記載された方法に基づいて測定することができる。
【0018】
酸味果汁は、香酸柑橘類、又は、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)の別表4に記載の果実(但し、香酸柑橘類に該当するものは除く)を搾汁して得られる汁液である。酸味果汁としては、含まれるパルプ量に応じて、混濁果汁、セミクリア果汁、透明果汁があり、また、それぞれについて、濃縮果汁、濃縮還元果汁、ストレート果汁が存在する。本実施形態に係る飲料に使用する酸味果汁としては、これらのいずれかを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
香酸柑橘類としては、例えば、かぼす、清岡橙、コブミカン、三宝柑、シークヮーサー、シトロン、スダチ、ダイダイ、新姫、ブッシュカン、ヘベズ、マイヤーレモン、メキシカンライム、ゆうこう、柚柑(ユコウ)、柚子、ライム及びレモン等が挙げられる。果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)の別表4に記載の果実(但し、香酸柑橘類に該当するものは除く)としては、ウメが挙げられる。
【0020】
酸味果汁は、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されるという観点から、レモン果汁、ライム果汁、柚子果汁及びウメ果汁からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0021】
酸味果汁は、上述した香酸柑橘類、又は、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)の別表4に記載の果実のうち1種の果汁を単独で使用してもよく、2種以上の果汁を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
本実施形態に係る飲料において、酸味果汁の含有量(果汁使用率)は、特に制限されるものではないが、例えば、飲料全量に対して、0.01質量%以上30質量%以下であってよい。酸味果汁の含有量は、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されるという観点から、飲料全量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、0.25質量%以上、0.35質量%以上、1質量%以上、又は、5質量%以上であってもよく、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下であってもよい。
【0023】
酸味果汁の含有量(果汁使用率)は、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)に従って測定した糖用屈折計示度(Brix値)及び酸度に基づいて換算される値であり、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100重量/体積%(w/v%)としたときの相対濃度である。果汁含有量は、通常、製品表示に記載されている値を示す。
【0024】
酸度とは、飲料中に含まれる酸の濃度(重量/体積%)を示す値であり、クエン酸換算値である。クエン酸換算酸度は、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)に沿った中和滴定法により算出される。
【0025】
本実施形態に係る飲料において、難消化性グルカンの含有量と酸味果汁の含有量との比は、特に制限されるものではないが、例えば、難消化性グルカン100重量部あたり、酸味果汁が1重量部以上3750重量部以下であってよい。難消化性グルカンの含有量と酸味果汁の含有量との比は、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されるという観点から、難消化性グルカン100重量部あたり、酸味果汁が5重量部以上、10重量部以上、20重量部以上、又は100重量部以上であってもよく、2000重量部以下、又は1500重量部以下であってもよい。
【0026】
本実施形態に係る飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。アルコール飲料とは、飲料中のアルコール濃度が1v/v%以上である飲料を意味し、ノンアルコール飲料とは、飲料中のアルコール濃度が1v/v%未満である飲料を意味する。アルコール飲料は、例えば、蒸留アルコールを添加したものであってもよく、発酵工程を介してアルコールを含むものとなったものであってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善されることとなる。
【0027】
本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合、当該アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1v/v%以上30v/v%以下であってよい。具体的には、1v/v%以上、2v/v%以上、2.5v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、又は4v/v%以上であってよく、25v/v%以下、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、又は3v/v%以下であってよい。
【0028】
本実施形態に係る飲料がノンアルコール飲料である場合、当該ノンアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、0.5v/v%以下であってよく、0.1v/v%以下であってよく、0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。
【0029】
本実施形態に係る飲料は、飲料に通常配合される着色料、甘味料、酸化防止剤、酸味料、苦味料、香料等の添加剤を含有してもよい。
【0030】
本実施形態に係る飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm2)、又は0.235MPa(2.4kg/cm2)程度としてもよい。
【0031】
本実施形態に係る飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製等)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
【0032】
本実施形態に係る飲料は、難消化性グルカンと酸味果汁とを配合する工程(配合工程)を経て製造される。すなわち、本実施形態の飲料の製造方法は、難消化性グルカンを配合する工程、及び酸味果汁を配合する工程を少なくとも含む。両工程は、別々に実施してもよく、一緒に実施してもよい。両工程で配合する難消化性グルカン及び酸味果汁の量は、適宜設定することができ、例えば、上記記載の範囲になるように配合してもよい。
【0033】
配合工程は、飲料の製造工程中のいずれかの段階で行えばよい。例えば、原料を混合する混合タンクに配合することができる。当該混合タンクには、難消化性グルカン及び酸味果汁の配合前、配合と同時及び配合後のいずれかのタイミングで、所定量の水、アルコール、及び各種添加剤等を配合することができる。これらの配合の有無及び配合量は、適宜設定することができる。
【0034】
以下、本実施形態に係る飲料の製造方法の一例を説明する。当該製造方法は、水等の原料液、蒸留アルコール、各種添加剤等と共に、難消化性グルカンと酸味果汁とを原料タンクに配合する配合工程を含む。本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分が混合した混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ビン、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてよい。第一及び第二の殺菌工程は、飲料の香味を維持しやすいという観点から、実施しなくてもよい。
【0035】
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一の殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
【0036】
本実施形態に係る飲料は、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されているため、香味が改善されている。したがって、本発明の一実施形態として、飲料に、難消化性グルカンと酸味果汁を配合することを含む、飲料の香味を改善する方法が提供される。当該方法において、香味の改善は、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いの改善であってよい。
【実施例0037】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
[試験例1:難消化性グルカンとレモン果汁とを含有する飲料]
水に食物繊維(難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、難消化性デキストリン(パインファイバー(PF)、松谷化学工業株式会社製))、及びレモン果汁(濃縮レモン透明果汁(6.7倍濃縮、濃縮レモン透明果汁(商品名)))を表1に示す含有量又は果汁使用率(酸味果汁の含有量)となるように添加し、実施例1~6、比較例1及び参考例1の飲料を調製した。これらの飲料について、官能評価を行った。
【0039】
官能評価は、訓練された識別能力のある5名のパネルにより、「口内への付着感」、「粉っぽさ」及び「樹脂的な匂い」について5段階(5点:強く感じる、4点:やや強く感じる、3点:感じる、2点:弱く感じる、1点:全く感じない)で評価し、その平均値を評価スコアとした。参考例1の飲料を「口内への付着感」、「粉っぽさ」及び「樹脂的な匂い」の評点5点とし、比較基準として用いた。結果を表1に示す。上記評価項目では、評価スコアが低いほど、改善されていることを意味する。なお、「口内への付着感」は、評価スコアが低いほど、口内への付着感が弱いことを意味する。 なお、全ての評価項目において、官能評価はサンプルを飲んで評価した。
【0040】
【0041】
レモン果汁と共に難消化性グルカンを配合した実施例1~6の飲料は、比較例1の飲料と比べて、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されていた。
【0042】
[試験例2:難消化性グルカン量による効果]
水に難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、及びレモン果汁(濃縮レモン透明果汁(6.7倍濃縮、濃縮レモン透明果汁(商品名)))を表2に示す含有量又は果汁使用率となるように添加し、実施例7~8の飲料を調製した。これらの飲料について、試験例1と同様にして官能評価を行った。結果を表2に示す。
【0043】
【0044】
難消化性グルカンと共にレモン果汁を配合した飲料は、難消化性グルカンの含有量を増減させた場合であっても、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されていることが示された。
【0045】
[試験例3:難消化性グルカンとレモン果汁とを含有するアルコール飲料]
水に難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、原料用アルコール(サッポロビール社製、アルコール濃度:65.5v/v%、連続式蒸留)、及びレモン果汁(濃縮レモン透明果汁(6.7倍濃縮、濃縮レモン透明果汁(商品名)))を表3に示す含有量又は果汁使用率となるように添加し、実施例9~11のアルコール飲料を調製した。これらのアルコール飲料について、試験例1と同様にして官能評価を行った。結果を表3に示す。
【0046】
【0047】
難消化性グルカンと共にレモン果汁を含有する飲料は、アルコール飲料である場合、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いがより一層改善された(実施例9との対比)。
【0048】
[試験例4:各種酸味果汁による効果]
水に難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、原料用アルコール(サッポロビール社製、アルコール濃度:65.5v/v%、連続式蒸留)、及び、各種果汁(濃縮レモン透明果汁(6.7倍濃縮、濃縮レモン透明果汁(商品名))、ライム透明濃縮果汁(5倍濃縮、ライム透明濃縮果汁(商品名))、柚子透明果汁(ストレート、6°Bxゆず透明果汁S(商品名))、濃縮ウメ果汁(10倍濃縮、濃縮ウメ果汁(商品名))又は濃縮グレープフルーツ透明果汁(7倍濃縮、濃縮透明グレープフルーツ果汁2872/GT(商品名))を表4に示す含有量又は果汁使用率となるように添加し、実施例12~15及び比較例2のアルコール飲料を調製した。これらのアルコール飲料について、試験例1と同様にして官能評価を行った。結果を表4に示す。
【0049】
【0050】
難消化性グルカンを含むアルコール飲料において、酸味果汁(レモン果汁、ライム果汁、柚子果汁、ウメ果汁)を含有する実施例12~15のアルコール飲料は、酸味果汁の代わりにグレープフルーツ果汁を含有する比較例2のアルコール飲料と比べて、飲料の口内への付着感、粉っぽさ及び樹脂的な匂いが改善されていた。