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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069803
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】理美容鋏
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/28 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
B26B13/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178677
(22)【出願日】2020-10-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】390038209
【氏名又は名称】足立工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】足立 榮美
【テーマコード(参考)】
3C065
【Fターム(参考)】
3C065AA03
3C065BA03
3C065BA06
3C065CB02
3C065CB07
3C065CB18
3C065FA02
3C065GA11
(57)【要約】
【課題】切れ味が向上した理美容鋏を提供する。
【解決手段】理美容鋏100Aは、第一鋏部材10と、第二鋏部材20と、接続部材31を含む接続機構30と、を備える。第二鋏部材20には、接続部材31が相対移動する長穴25が設けられている。刃体部11、21の裏スキは、刃体部11、21の基端部側においては峰11b、21b側に偏位し、刃体部11、21の先端にかけて刃線11a、21aと平行に湾曲している。中間部12、22の裏スキは、中間部12、22の幅方向中央を通るように設けられている。中間部12、22の裏面のうち、裏スキと接続部材31との間の部分、及び接続部材31よりも柄部13、23側の部分に触点Pが設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有する一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が設けられており、
前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記刃体部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央と通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキと前記接続部材との間の部分、及び前記接続部材よりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【請求項2】
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有する一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が設けられており、
前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記柄部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央と通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキよりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【請求項3】
前記長穴が設けられた鋏部材の表面には、前記長穴と同方向に延びる長手状の凹部が設けられており、
前記長穴は、前記凹部よりも幅が小さく、且つ、前記凹部の底部を貫通しており、
前記凹部の底部の表面は、前記長穴が設けられた鋏部材の裏面の反りと略同じ曲率で表側に湾曲しており、
前記接続部材の一部は、前記凹部の底部の表面上に配置されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴い、前記凹部の底部の表面に沿って、前記長穴に対して相対移動する、
請求項1又は2に記載の理美容鋏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理美容鋏に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋏の切れ味をよくするために、鋏に対して様々な工夫が成されている。例えば、特許文献1には、鋏の片側にネジ付きピンを2ヶ所設けて、刃先に当たる部分は平らな面とし、鋏の反対側には、ピンに対応する箇所に長穴をあけ、刃先には切刃を取り付けた、スライドする鋏が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3-9782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、切れ味が向上した理美容鋏を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の特徴を有する。
【0006】
(項目1)
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有する一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が設けられており、
前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記刃体部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央と通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキと前記接続部材との間の部分、及び前記接続部材よりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【0007】
(項目2)
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有する一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が設けられており、
前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記柄部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央と通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキよりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【0008】
(項目3)
前記長穴が設けられた鋏部材の表面には、前記長穴と同方向に延びる長手状の凹部が設けられており、
前記長穴は、前記凹部よりも幅が小さく、且つ、前記凹部の底部を貫通しており、
前記凹部の底部の表面は、前記長穴が設けられた鋏部材の裏面の反りと略同じ曲率で表側に湾曲しており、
前記接続部材の一部は、前記凹部の底部の表面上に配置されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴い、前記凹部の底部の表面に沿って、前記長穴に対して相対移動する、
項目1又は2に記載の理美容鋏。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、切れ味が向上した理美容鋏を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1から図6は、第一実施形態の理美容鋏に関連する図であり、図7及び図8は、第二実施形態の理美容鋏に関連する図である。
【0011】
図1】閉じた状態の理美容鋏の平面図である。
図2】開いた状態の理美容鋏の平面図である。
図3】理美容鋏の分解斜視図である。
図4】(a)図1のIVa-IVa線端面図、(b)図1のIVb-IVb線断面図である。
図5】(a)第一鋏部材の裏面を表す平面図、(b)第二鋏部材の裏面を表す平面図である。
図6図4(b)のVI部分拡大図である。
図7】(a)第一鋏部材の裏面を表す平面図、(b)第二鋏部材の裏面を表す平面図である。
図8】閉じた状態の理美容鋏の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<A 第一実施形態>
図1から図6を参照して、第一実施形態の理美容鋏100Aについて説明する。
【0013】
[1-1 理美容鋏の構造]
図1から図3に示すように、理美容鋏100Aは、第一鋏部材10と、第二鋏部材20と、接続機構30と、を備える。第一鋏部材10と第二鋏部材20とは、接続機構30によって接続されている。以下では、第一鋏部材10及び第二鋏部材20それぞれにおいて、相手側の鋏部材10、20と対向する側の面を「裏面」と表記する。また、第一鋏部材10及び第二鋏部材20それぞれにおいて、裏面とは反対側の面を「表面(おもてめん)」と表記する。
【0014】
図1から図3に示すように、第一鋏部材10は、刃体部11と、中間部12と、柄部13と、を備える。刃体部11は、刃11aと、峰11bとを有し、刃11aは、後述する第二鋏部材20の刃体部21の刃21aと協働して、切断対象物(毛髪)を切断する。中間部12は、刃体部11と柄部13との間に位置する部分である。刃体部11と中間部12とは、略直線状に延びている。柄部13には、使用者の薬指を挿入するための指環部131と、小指掛け132と、が設けられている。本実施形態において、第一鋏部材10は静刃である。
【0015】
図1から図3に示すように、第二鋏部材20は、刃体部21と、中間部22と、柄部23と、を備える。刃体部21は、刃21aと、峰21bとを有し、刃21aは、第一鋏部材10の刃体部11の刃11aと協働して、切断対象物を切断する。中間部22は、刃体部21と柄部23との間に位置する部分である。刃体部21と中間部22とは、略直線状に延びている。柄部23には、使用者の親指を挿入するための指環部231が設けられている。本実施形態において、第二鋏部材20は動刃である。
【0016】
図4(a)及び(b)に示すように、第一鋏部材10の裏面10a及び第二鋏部材20の裏面20aは、凹曲面状の裏スキ(「ひぞこ」とも呼ばれる)を有する。裏スキは、例えば、裏面10a、20aを研削装置によって研削することで形成できる。また、図4(b)に示すように、第一鋏部材10の裏面10a及び第二鋏部材20の裏面20aは、相手側の鋏部材から離れるように略同じ曲率で反っており、第一鋏部材10と第二鋏部材20との間には隙間が存在する。
【0017】
図5(a)に示すように、第一鋏部材10の裏スキは、中間部12のうち後述する接続部材31(後述する貫通穴15)よりも刃体部11側の位置から、刃体部11の裏面にかけて設けられている。図5(a)では、第一鋏部材10の裏スキの凹曲面の最深部(谷底)を線L1で示している。中間部12における裏スキは、中間部12の幅方向中央を通るように設けられており、裏スキの凹曲面の最深部は、中間部12の幅方向中央を通る。刃体部11における裏スキは、刃体部11の基端側(すなわち、中間部12に近い側)では峰11b側に偏位して峰11b近傍を通り、刃体部11の先端にかけて刃11aの刃線と平行に湾曲している。最深部を示す線L1は、刃体部11の先端側では、刃体部11上から外れている。つまり、刃体部11の先端側では、裏スキの凹曲面は谷底まで到達しておらず、刃体部11の先端側の裏スキは、峰11bにかけて湾曲した形状となる。
【0018】
図5(b)に示すように、第二鋏部材20の裏スキは、中間部22のうち後述する接続部材31よりも刃体部21側の位置から、刃体部21の裏面にかけて設けられている。図5(b)では、第二鋏部材20の裏スキの凹曲面の最深部(谷底)を線L2で示している。中間部22における裏スキは、中間部22の幅方向中央を通るように設けられており、裏スキの凹曲面の最深部は、中間部22の幅方向中央を通る。刃体部21における裏スキは、刃体部21の基端側(すなわち、中間部22に近い側)では峰21b側に偏位して峰21b近傍を通り、刃体部21の先端にかけて刃21aの刃線と平行に湾曲している。最深部を示す線L2は、刃体部21の先端側では、刃体部21上から外れている。つまり、刃体部21の先端側では、裏スキの凹曲面は谷底まで到達しておらず、刃体部21の先端側の裏スキは、峰21bにかけて湾曲した形状となる。
【0019】
図4及び図5に示すように、第一鋏部材10の中間部12の裏面のうち、裏スキよりも柄部13側の部分(すなわち、中間部12の裏面のうち、裏スキと接続部材31との間の部分、及び接続部材31よりも柄部13側の部分)と、第二鋏部材20の中間部22の裏面のうち、裏スキよりも柄部23側の部分(すなわち、中間部22の裏面のうち、裏スキと接続部材31との間の部分、及び接続部材31よりも柄部23側の部分)は、理美容鋏100Aを開閉した際に互いに接触し、触点Pとして機能する。
【0020】
図2及び図3に示すように、第一鋏部材10の中間部12の裏面には、ガイド溝14が設けられている。ガイド溝14は、中間部12の長手方向に対して傾斜している。また、中間部12には、ガイド溝14よりも刃体部11側の位置に、貫通穴15が設けられている。この貫通穴15には、後述する接続部材31の軸部312が挿入される。
【0021】
図2及び図3に示すように、第二鋏部材20の中間部22には、中間部22の裏面から突出するガイド突起40が設けられている。ガイド突起40はガイド溝14内に挿入されている。本実施形態において、ガイド突起40は、中間部22に取り付けられたガイドピンである。
【0022】
図3に示すように、第二鋏部材20の中間部22の表面には、中間部22の長手方向に延びる長手状の凹部24が設けられている。凹部24の底部241には、底部241を貫通する長穴25が設けられている。長穴25は、凹部24と同方向に延び、且つ、長さ及び幅が凹部24の長さ及び幅よりも小さい。
【0023】
図6に示すように、凹部24の底部241の表面241aは、第二鋏部材20の反った裏面20aと略同じ曲率で、表側に凸となるように湾曲している。
【0024】
図3に示すように、接続機構30は、接続部材31と、カラー32と、ナット33と、ワッシャ34と、から構成されている。
【0025】
接続部材31は、例えばピン又はネジであり、円形の頭部311と、頭部311よりも小径の軸部312と、を備える。頭部311には、カラー32が被せられており、頭部311の外周面及び底面はカラー32によって覆われている。カラー32は、好ましくは、第二鋏部材20に対して摩擦抵抗が小さい材料から成り、例えば樹脂製である。頭部311及びカラー32の直径は、凹部24の幅より小さく、長穴25の幅よりも大きい。軸部312の直径は、長穴25の幅よりも小さくなっており、軸部312は、長穴25を通って、貫通穴15、ワッシャ34及びナット33に挿入される。ナット33及びワッシャ34は、第一鋏部材10の中間部12の表面側に配置されており、ナット33を締め付けることにより、接続部材31が第一鋏部材10に固定されると共に、第一鋏部材10と第二鋏部材20とを接続することができる。
【0026】
図6に示すように、ナット33が締め付けられたとき、接続部材31の頭部311及びカラー32は、凹部24内に配置される。カラー32の底面は、凹部24の底部241の表面241aに接触している。また、カラー32の外周面は、凹部24の側面に接触している。
【0027】
図3及び図6に示すように、第二鋏部材20の中間部22の表面には、凹部24を覆うカバー50が配置される。カバー50は好ましくは透明のプラスチック材料から成る。カバー50上にはカバー押さえ60が被せられ、カバー押さえ60を第二鋏部材20の中間部22に固定することにより、カバー50は中間部22に固定される。
【0028】
[1-2 理美容鋏の動作]
次に、図1及び図2を参照して理美容鋏100Aの動作について説明する。
【0029】
図1に示すように、理美容鋏100Aが最も閉じた状態では、ガイド突起40は、ガイド溝14の柄部13側の端部に位置している。また、接続部材31は、長穴25の刃体部21側の端部に位置している。
【0030】
理美容鋏100Aの開閉に伴い、ガイド突起40とガイド溝14は相対移動し、接続部材31と長穴25は相対移動する。理美容鋏100Aの開閉動作の間、接続部材31及びカラー32は、カラー32の底面と凹部24の底部241の表面241aとが接触しながら、長穴25と相対移動する。つまり、理美容鋏100Aの開閉動作の間、接続部材31の頭部311は、表側に湾曲した表面241aに沿って移動する。図2に示すように、理美容鋏100Aが最も開いた状態では、ガイド突起40はガイド溝14の刃体部11側の端部に位置する。また、接続部材31は、長穴25の柄部23側の端部に位置する。
【0031】
理美容鋏100Aを閉じる際に、接続部材31は長穴25に沿って相対移動するため、第一鋏部材10及び第二鋏部材20の一方の刃体部11、21は、他方の刃体部11、21に対してスライドしながら閉じる。
【0032】
なお、理美容鋏100Aでは、通常、動刃である第二鋏部材20が動かされるため、主としてガイド突起40がガイド溝14に対して移動する(すなわち、ガイド突起40がガイド溝14内を走行する)と共に、長穴25が接続部材31及びカラー32に対して移動することになる。
【0033】
[1-3 理美容鋏の特徴]
本発明の理美容鋏100Aでは、第一鋏部材10及び第二鋏部材20の一方の刃体部11、21が他方の刃体部11、21に対してスライドしながら閉じる。これにより、包丁によって物を切断するときのように、切断対象物をスライスしながら切断することができるため、切れ味が向上する。
【0034】
第一鋏部材10の裏面10a、及び第二鋏部材20の裏面20aが上記で説明したような裏スキを有することにより、理美容鋏100Aの開閉がスムーズになる。さらに、第一鋏部材10の裏面10a、及び第二鋏部材20の裏面20aが上記で説明したような裏スキを有することにより、理美容鋏100Aの切断力を向上させることができる。
【0035】
凹部24の底部241の表面241aが、第二鋏部材20の裏面20aの反りと略同じ曲率で表側に凸となるように湾曲していることにより、理美容鋏100Aをよりスムーズに開閉することができる。
【0036】
接続部材31の頭部311にカラー32が被せられていることにより、凹部24の底部241の表面241a及び側面との摩擦抵抗を減らすことができるため、理美容鋏100Aをスムーズに開閉できる。
【0037】
<B 第二実施形態>
図7及び図8を参照しつつ、第二実施形態の理美容鋏100Bについて説明する。なお、以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同一の構成要素又は同一の機能を有する構成要素については、上記実施形態と同一の符号を使用し、その説明を省略する。
【0038】
第二実施形態の理美容鋏100Bでは、裏スキが設けられている範囲が第一実施形態100Aとは異なる。
【0039】
図7(a)に示すように、第一鋏部材10の裏スキは、中間部12のうち接続部材31(貫通穴15)よりも柄部13側の位置から、刃体部11の裏面にかけて設けられている。また、図7(b)に示すように、第二鋏部材20の裏スキは、中間部22のうち接続部材31よりも柄部23側の位置から、刃体部21の裏面にかけて設けられている。
【0040】
図7及び図8に示すように、第一鋏部材10の中間部12の裏面のうち、裏スキよりも柄部13側の部分と、第二鋏部材20の中間部22の裏面のうち、裏スキよりも柄部23側の部分は、理美容鋏100Bを開閉した際に互いに接触し、触点Pとして機能する。
【0041】
理美容鋏100Bも、理美容鋏100Aと同様の効果を得ることができる。
【0042】
<C 変形例>
上記実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。本発明は例えば以下の変形例を採用することができる。
【0043】
(1)凹部24、長穴25及びガイド突起40が第一鋏部材10に設けられ、ガイド溝14及び貫通穴15が第二鋏部材20に設けられていてもよい。この場合、ナット33及びワッシャ34は、第二鋏部材20の中間部22の表面側に配置され、接続部材31は第二鋏部材20に固定される。
【符号の説明】
【0044】
100A 理美容鋏
100B 理美容鋏
10 第一鋏部材(鋏部材)
10a 裏面
11 刃体部
12 中間部
13 柄部
20 第二鋏部材(鋏部材)
20a 裏面
21 刃体部
22 中間部
23 柄部
24 凹部
241 底部
241a 表面
25 長穴
30 接続機構
31 接続部材
P 触点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有し、前記刃体部及び前記中間部が略直線状に延びる一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が、前記中間部の長手方向に長くなるように設けられており、
両方の前記鋏部材の前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記刃体部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキと前記接続部材との間の部分、及び前記接続部材よりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【請求項2】
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有し、前記刃体部及び前記中間部が略直線状に延びる一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が、前記中間部の長手方向に長くなるように設けられており、
両方の前記鋏部材の前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記柄部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキよりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【請求項3】
前記長穴が設けられた鋏部材の表面には、前記長穴と同方向に延びる長手状の凹部が設けられており、
前記長穴は、前記凹部よりも幅が小さく、且つ、前記凹部の底部を貫通しており、
前記凹部の底部の表面は、前記長穴が設けられた鋏部材の裏面の反りと略同じ曲率で表側に湾曲しており、
前記接続部材の一部は、前記凹部の底部の表面上に配置されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴い、前記凹部の底部の表面に沿って、前記長穴に対して相対移動する、
請求項1又は2に記載の理美容鋏。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
(項目1)
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有し、前記刃体部及び前記中間部が略直線状に延びる一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉伴って前記接続部材が相対移動する長穴が、前記中間部の長手方向に長くなるように設けられており、
両方の前記鋏部材の前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記刃体部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキと前記接続部材との間の部分、及び前記接続部材よりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
(項目2)
理美容鋏であって、
刃体部、中間部及び柄部を有し、前記刃体部及び前記中間部が略直線状に延びる一対の鋏部材と、
前記中間部において前記一対の鋏部材を接続する接続部材を含む接続機構と、
を備え、
前記一対の鋏部材の一方には、前記接続部材が挿入されると共に、前記理美容鋏の開閉に伴って前記接続部材が相対移動する長穴が、前記中間部の長手方向に長くなるように設けられており、
両方の前記鋏部材の前記中間部の裏面うち前記接続部材よりも前記柄部側の位置から前記刃体部の裏面にかけて凹曲面状の裏スキが設けられており、前記中間部の裏スキは、前記中間部の幅方向中央通るように設けられており、前記刃体部の裏スキは、前記刃体部の基端側において峰側に偏位し、且つ前記刃体部の先端にかけて刃線と平行に湾曲して設けられており、
前記中間部の裏面のうち、前記裏スキよりも前記柄部側の部分に触点が設けられている、
理美容鋏。