(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069846
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】棚板取付け装置
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20220502BHJP
A47F 5/00 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
A47B55/00
A47F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178739
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】595171381
【氏名又は名称】和気産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085110
【弁理士】
【氏名又は名称】千明 武
(72)【発明者】
【氏名】河西 清一
【テーマコード(参考)】
3B067
3B118
【Fターム(参考)】
3B067AB04
3B067BA01
3B067DA01
3B067EA01
3B067EA04
3B118AA14
3B118BB04
3B118CA05
3B118CA10
3B118DA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構造で棚板と棚枠を容易かつ安価に製作できるとともに、棚枠の支持強度を強化し、棚板を安定して支持し収容物品を安定して載置し得、設置後の安定性と支持強度を向上できる棚板取付け装置を提供する。
【解決手段】縦方向に複数の棚枠2を離間して配置したこと。棚枠2に複数の棚桟4を離間して配置したこと。同段の棚桟4に棚板5を掛け渡した棚板取付け装置1であること。各一対の棚枠2を離間して平行に配置したこと。棚枠2の間に複数の棚桟4連結したこと。棚板5の裏面の両側端部に係止爪9を外側に突設した金属製の補強板を固定したこと。係止爪9を前記棚枠2の間に係合可能に配置したこと。前記棚枠2,2の下端部を同一平面上に配置したこと。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に複数の棚枠を離間して配置し、該棚枠に複数の棚桟を離間して配置し、同段の棚桟に棚板を掛け渡した棚板取付け装置おいて、各一対の棚枠を離間して平行に配置し、該棚枠の間に複数の棚桟を連結し、棚板の裏面の両側端部に係止爪を外側に突設した金属製の補強板を固定し、該係止爪を前記棚枠の間に係合可能に配置し、かつ前記棚枠の下端部を同一平面上に配置したことを特徴とする棚板取付け装置。
【請求項2】
棚桟に棚板を掛け渡した一組の棚枠の下端部を床面上に自立可能に設置した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項3】
前記補強板を棚桟上に重合して配置した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項4】
各一対の棚枠を係止爪を挿入可能な間隔に離間して平行に配置した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項5】
前記棚枠を鉄線または鋼線を折り曲げて形成した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項6】
前記棚枠は、鉄線または鋼線を略U字形状または略閉合した矩形状に折り曲げ、その両端部を溶着して略矩形に形成した請求項5記載の棚板取付け装置。
【請求項7】
前記棚桟は、鉄線または鋼線を直杆状に形成し、その長さを掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項8】
前記略矩形に形成した一対の棚枠を離間して平行に配置し、該一対の棚枠の間に複数の棚桟を離間して配置し、一対の棚枠と各棚桟の接触部を溶着して連結した請求項6または7記載の棚板取付け装置。
【請求項9】
前記略矩形に形成した棚枠の横幅を、掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成した請求項6記載の棚板取付け装置。
【請求項10】
各一対の複数組の棚枠を壁面に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項11】
各一対の複数組の棚枠を背板に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡した請求項1記載の棚板取付け装置。
【請求項12】
複数の棚枠の下端部と背板の下端部を同一平面上に配置し、棚枠と背板を床面に自立可能に形成した請求項11記載の棚板取付け装置。
【請求項13】
前記背板の後方に壁面を離間して配置し、該背板と壁面の間に倒れ防止装置を設置した請求項10または11記載の棚板取付け装置。
【請求項14】
前記倒れ防止装置は背板の裏面に固定する第1金具と、壁面に固定する第2金具とを備え、前記第1金具の端部に屈曲片を形成し、第2金具の端部に前記屈曲片と係合可能な係合片を形成した請求項13記載の棚板取付け装置。
【請求項15】
前記壁面または背板に複数の棚枠を上下方向または側方に連結した請求項10または11記載の棚板取付け装置。
【請求項16】
縦方向の長さを異にした複数種の棚枠を設け、それらの横幅を各棚桟に掛け渡す棚板の数と幅に応じて同一に形成し、それらの棚桟を共用した請求項8記載の棚板取付け装置。
【請求項17】
各一対の複数組の棚枠を床面に不動に立設した複数の支柱に固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡した請求項1記載の棚板取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構造で棚板と棚枠を容易かつ安価に製作できるとともに、棚枠の支持強度を強化し床面に安定して設置できるとともに、棚枠に棚板を容易かつ安定して取付けられるようにした棚板取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下に複数の棚板を配置し、棚板に種々の物品を載置するようにした棚板取付け装置のなかに、4本の支柱を左右前後に配置し、その一対の支柱の対向面に複数の係合孔を形成するとともに、前後の支柱間にブラケットを掛け渡し、該ブラケットの両端部に上部係止片を突設し、この上部係止片を前記係合孔に差し込み、またブラケットの下部に棚板支持片を屈曲し、この棚板支持片の前後端部に前後規制片を折り曲げ、前記棚板支持片に各一対の棚板を載置し、その両側面を前後規制片に係合するとともに、その側面に形成した係合溝を前後規制片の上端に形成した跳ね上げ規制片に差し込み、一対の棚板を取付けるようにした物品保管棚がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、前記物品保管棚は、支柱と、複雑な加工を要するブラケットと、U字形断面の棚板を要し、特にブラケットには複雑な折り曲げ加工を要して手間が掛り、またブラケットを介在した棚板の取付けが煩雑になる等の問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、左右一対の支柱の前部に複数の係合溝を形成し、この支柱に複数のフックを形成したブラケット部材を片持ち状に掛け止め、このブラケット部材の先端部に折曲片を形成し、左右の折曲片間にU字形状の落下防止片を掛け止め、直下の片持ち状に支持した棚板上の物品を掛け止め可能にし、物品の落下を防止するようにした物品棚がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかし、前記物品棚は、支柱に複数の係合溝の形成を要して製作が複雑かつ高価になり、また棚板を片持ち状に支持しているため、棚板の支持強度に不安があった。
【0006】
また、前述の物品棚の他に、左右一対の支柱を床面と壁面に亘って後方に傾斜して設置し、一対の支柱間に複数の棚板を水平に配置し、各棚板の両端部直下に支持部材を配置して補強した棚組立ユニットがある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかし、前記棚組立ユニットは構成が簡単で安価に製作し得るが、一対の支柱を床面と壁面に亘って後方に傾斜して設置しているため、壁面と床面と棚板の背面との間に広い空隙部が形成され、棚組立ユニットの設置に広い設置スペースの確保が必要になる問題があった。
【0008】
これらの問題を解決するものとして、左右一対の主支柱を立設し、その上端部に内管を抜き差し可能に装着し、天井と床面の距離に応じて内管を引き出し、その伸縮変位を当接具によって天井部に固定するとともに、主支柱の前部にワイヤを網状に折り曲げ形成した梯子部を複数取付け、この梯子部の間に棚板の両端部を掛け止め、必要に応じて主支柱を側方に増設し、それらに棚板を架設して拡幅するようにした収納棚がある(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
しかし、前記収納棚は主支柱と内管を天井と床面との間に立設し、それらの間に梯子部を掛け渡す簡単な構造のため、立設した主支柱の支持強度が概して低く、主支柱間にクロスバーを掛け渡す等していたが、棚板に物品を収容すると載荷重によって主支柱が変位したり捩れを生じ易く、構造的に支持強度が不安定になるとともに、棚板上の物品が不安定になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006-204318号公報
【特許文献2】特許第5926572号公報
【特許文献3】特開2018-186907号公報
【特許文献4】意匠登録第1667270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はこのような問題を解決し、簡単な構造で棚板と棚枠を容易かつ安価に製作できるとともに、棚枠の支持強度を強化し床面に安定して設置できるとともに、棚枠に棚板を容易かつ安定して取付けられるようにした棚板取付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、縦方向に複数の棚枠を離間して配置し、該棚枠に複数の棚桟を離間して配置し、同段の棚桟に棚板を掛け渡した棚板取付け装置おいて、各一対の棚枠を離間して平行に配置し、該棚枠の間に複数の棚桟を連結して、棚枠の強度を強化し、その安定性を向上するとともに、棚板の裏面の両側端部に係止爪を外側に突設した金属製の補強板を固定し、該係止爪を前記棚枠の間に係合可能に配置して、棚板の掛け渡しを簡便に行えるとともに、棚板の移動を防止して棚板上の収容物を安定して収容でき、また各一対の棚枠の下端部を同一平面上に配置して、それらの組立後に床面に設置する際の安定性と自立性を促し、単一の棚枠を配置するものに比べて、安定性と自立性を向上するようにしている。
請求項2の発明は、棚桟に棚板を掛け渡した一組の棚枠の下端部を床面上に自立可能に設置し、組立後に床面に安定して設置し得るようにしている。
【0013】
請求項3の発明は、補強板を棚桟上に重合して配置し、棚板の支持強度を強化し、棚板上の収容物を安定して収容するようにしている。
請求項4の発明は、各一対の棚枠を係止爪を挿入可能な間隔に離間して平行に配置し、係止爪の挿入を容易に行えるとともに、棚枠の離間配置によって床面に対する接触面積を増大させ、それだけ棚枠の下端部の安定性を向上し、床面に設置した棚板取付装置の使用上の安定性を向上するようにしている。
請求項5の発明は、棚枠を鉄線または鋼線を折り曲げて形成し、棚枠の安価な製作と製作の容易化を図るようにしている。
請求項6の発明は、棚枠は、鉄線または鋼線を略U字形状または略閉合した矩形状に折り曲げ、その両端部を溶着して略矩形に形成し、棚枠製作の量産化の場合は略U字形状の折り曲げを選択し、少量製作の場合は略閉合した矩形状に折り曲げを選択し得るようにし、後者の場合は、長尺の素材使用による成形作業の合理化と部品点数の低減、およびその後の両端部のスポット溶接の手間の軽減を図るようにしている。
【0014】
請求項7の発明は、棚桟は、鉄線または鋼線を直杆状に形成し、その長さを掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成し、棚桟の構成と製作の簡潔化を図るとともに、棚板に応じた多様な棚桟の製作に応じられるようにしている。
請求項8の発明は、略矩形に形成した一対の棚枠を離間して平行に配置し、該一対の棚枠の間に複数の棚桟を離間して配置し、一対の棚枠と各棚桟の接触部を溶着して連結し、棚枠の構成の簡潔化とその合理的な製作を図るようにしている。
請求項9の発明は、略矩形に形成した棚枠の横幅を、掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成し、標準形または長尺形の多様な棚枠の製作に応じられるようにしている。
請求項10の発明は、各一対の複数組の棚枠を壁面に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡し、壁面に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を壁面に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して、使用上の安定性を図るようにしている。
【0015】
請求項11の発明は、各一対の複数組の棚枠を背板に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡し、背板に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を背板に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して、使用上の安定性を図るようにしている。
請求項12の発明は、複数の棚枠の下端部と背板の下端部を同一平面上に配置し、棚枠と背板を床面に自立可能に形成し、床面に設置する際の安定性と自立性を促し、単一の棚枠を配置するものに比べて、安定性と自立性を向上するようにしている。
請求項13の発明は、背板の後方に壁面を離間して配置し、該背板と壁面の間に倒れ防止装置を設置し、棚板取付け装置の前方への倒れを防止して、使用上の安全性を確保するようにしている。
請求項14の発明は、倒れ防止装置は背板の裏面に固定する第1金具と、壁面に固定する第2金具とを備え、前記第1金具の端部に屈曲片を形成し、第2金具の端部に前記屈曲片と係合可能な係合片を形成し、簡単な構成で容易かつ安価に製作できるとともに、容易に設置できるようにしている。
【0016】
請求項15の発明は、壁面または背板に複数の棚枠を上下方向または側方に連結し、壁面または背板の拡張または拡幅を図るようにしている。
請求項16の発明は、縦方向の長さを異にした複数種の棚枠を設け、それらの横幅を各棚桟に掛け渡す棚板の数と幅に応じて同一に形成し、それらの棚桟を共用し、種々の棚枠に対する棚桟の共用化を図って、製作の合理化を図るようにしている。
請求項17の発明は、各一対の複数組の棚枠を床面に不動に立設した複数の支柱に固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡し、床面に立設した支柱に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を支柱に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して使用上の安定性を図るようにしている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、各一対の棚枠を離間して平行に配置し、該棚枠の間に複数の棚桟を連結したから、棚枠の強度を強化し、その安定性を向上できるとともに、棚板の裏面の両側端部に係止爪を外側に突設した金属製の補強板を固定し、該係止爪を前記棚枠の間に係合可能に配置したから、棚板の掛け渡しを簡便に行えるとともに、棚板の移動を防止して棚板上の収容物を安定して収容でき、また各一対の棚枠の下端部を同一平面上に配置したから、それらの組立後に床面に設置する際の安定性と自立性を促し、単一の棚枠を配置するものに比べて、安定性と自立性を向上することができる。
請求項2の発明は、棚桟に棚板を掛け渡した一組の棚枠の下端部を床面上に自立可能に設置したから、組立後に床面に安定して設置することができる。
【0018】
請求項3の発明は、補強板を棚桟上に重合して配置したから、棚板の支持強度を強化し、棚板上の収容物を安定して収容することができる。
請求項4の発明は、各一対の棚枠を係止爪を挿入可能な間隔に離間して平行に配置したから、係止爪の挿入を容易に行なえるとともに、棚枠の離間配置によって床面に対する接触面積が増大し、それだけ棚枠の下端部の安定性を向上でき、床面に設置した棚板取付装置の使用上の安定性を確保することができる。
請求項5の発明は、棚枠を鉄線または鋼線を折り曲げて形成したから、棚枠の安価な製作と製作の容易化を図ることができる。
請求項6の発明は、棚枠は、鉄線または鋼線を略U字形状または略閉合した矩形状に折り曲げ、その両端部を溶着して略矩形に形成したから、棚枠製作の量産化の場合は略U字形状の折り曲げを選択し、少量製作の場合は略閉合した矩形状に折り曲げを選択し得るようにし、後者の場合は、長尺の素材使用による成形作業の合理化と部品点数の低減、およびその後の両端部のスポット溶接の手間の軽減を図ることができる。
【0019】
請求項7の発明は、棚桟は、鉄線または鋼線を直杆状に形成したから、その長さを掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成し、棚桟の構成と製作の簡潔化を図れるとともに、棚板に応じた多様な棚桟の製作に応じられる効果がある。
請求項8の発明は、略矩形に形成した一対の棚枠を離間して平行に配置し、該一対の棚枠の間に複数の棚桟を離間して配置し、一対の棚枠と各棚桟の接触部を溶着して連結したから、棚枠の構成の簡潔化とその合理的な製作を図ることができる。
請求項9の発明は、略矩形に形成した棚枠の横幅を、掛け渡す棚板の数と幅に応じて形成したから、標準形または長尺形の多様な棚枠の製作に応じられる効果がある。
請求項10の発明は、各一対の複数組の棚枠を壁面に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡したから、壁面に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を壁面に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して、使用上の安定性を図ることができる。
【0020】
請求項11の発明は、各一対の複数組の棚枠を背板に離間して固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡したから、背板に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を背板に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して、使用上の安定性を図ることができる。
請求項12の発明は、複数の棚枠の下端部と背板の下端部を同一平面上に配置し、棚枠と背板を床面に自立可能に形成したから、棚板取付装置を床面に設置する際の安定性と自立性を促し、単一の棚枠を配置するものに比べて、安定性と自立性を向上することができる。
請求項13の発明は、背板の後方に壁面を離間して配置し、該背板と壁面の間に倒れ防止装置を設置したから、棚板取付け装置の前方への倒れを防止して、使用上の安全性を確保することができる。
請求項14の発明は、倒れ防止装置は背板の裏面に固定する第1金具と、壁面に固定する第2金具とを備え、前記第1金具の端部に屈曲片を形成し、第2金具の端部に前記屈曲片と係合可能な係合片を形成したから、簡単な構成で容易かつ安価に製作できるとともに、容易に設置することができる。
【0021】
請求項15の発明は、壁面または背板に複数の棚枠を上下方向または側方に連結したから、壁面または背板の拡張または拡幅を図ることができる。
請求項16の発明は、縦方向の長さを異にした複数種の棚枠を設け、それらの横幅を各棚桟に掛け渡す棚板の数と幅に応じて同一に形成し、それらの棚桟を共用したから、種々の棚枠に対する棚桟の共用化を図って、製作の合理化を図ることができる。
請求項17の発明は、各一対の複数組の棚枠を床面に不動に立設した複数の支柱に固定し、該棚枠に連結した棚桟に棚板を掛け渡したから、床面に立設した支柱に対する棚板取付け装置の直接的な取付けを実現するとともに、棚枠を支柱に固定することで棚枠の支持強度を強化し、棚枠の変位や捩れの発生を防止して使用上の安定性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明を適用した棚板取付け装置の設置状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明を適用した棚板取付け装置の正面図である。
【
図3】本発明を適用した棚板取付け装置の側面図である。
【
図4】本発明を適用した棚板取付け装置の平面図である。
【0023】
【
図5】本発明装置に適用した棚枠のスポット溶接後の状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明装置の要部を分解して示す斜視図で、一対の棚枠に棚板を取付ける際の状況を示している。
【0024】
【
図10】本発明装置に適用した棚板の裏面を示す斜視図である。
【
図11】本発明装置の組み立て途中の状態を示す斜視図で、片側の棚枠に組立後の棚板を取付ける状況を示している。
【
図12】本発明装置の組み立て途中の状態を示す斜視図で、片側の棚枠に組立後の棚板の係止爪を挿入した状況を示している。
【
図13】本発明の第2実施形態に適用した棚枠の正面図で、単一の棚枠ピースを縦長矩形に形成し、その両端部を突き合わせてスポット溶接している。
【
図14】本発明装置の第3の実施形態に適用した大形の棚枠の正面図である。
【0025】
【
図16】本発明装置に適用した更に大形長尺の棚枠の正面図である。
【
図18】本発明装置の第4の実施形態を示す斜視図で、本発明装置を壁面に取付けている。
【
図19】本発明装置の第5の実施形態を示す斜視図で、本発明装置を背板に取付けている。
【
図20】本発明装置の第6の実施形態を示す斜視図で、本発明装置を壁面の前部に配置した背板に取付けている。
【
図23】(a)前記第6の実施形態に適用した倒れ防止装置の第1金具を示す斜視図、(b)前記倒れ防止装置の第2金具を示す斜視図、(c)前記倒れ防止装置の設置状態を拡大して示す断面図である。
【0026】
【
図24】本発明装置の第7の実施形態を示す斜視図で、棚板取付装置を床面に立設した支柱に取付けている。
【
図25】本発明装置の第8の実施形態を示す斜視図で、棚枠を上方に継ぎ足して拡張した途中の状況を示している。
【
図26】本発明装置の第9の実施形態の要部を示す正面図で、壁面または背板を上方へ継ぎ足して拡張した状況を示している。
【
図27】本発明装置の第9の実施形態の要部を示す正面図で、壁面または背板を側方へ継ぎ足して拡幅した状況を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図示の実施形態について説明すると、
図1乃至
図12において1は棚板取付け装置で、この取付け装置1は各一対の棚枠2,2と、棚枠2の前後部の間に配置した複数の棚桟4と、同段の左右の棚桟4に掛け渡した棚板5と、を備えている。
前記棚枠2は一対の棚枠ピース2a,2aを連結して形成され、該棚枠ピース2aは鉄線または鋼線を折り曲げて構成され、実施形態では棚枠ピース2aの量産形として鉄線または鋼線を略U字形状に折り曲げ、その両端部をスポット溶接2b,2bして縦長矩形に形成している。
【0028】
実施形態の棚枠2は、前記形成した一対の棚枠2を離間して平行に配置し、その間隙3に棚桟4を配置し、それらの接触部をスポット溶接して連結している。
前記棚板取付け装置1は、各一対の棚枠2,2を左右に離間して配置し、その各一対の棚枠ピース2a,2aは同一平面上に配置されていて、左右の棚枠2,2の棚桟4に棚板5を掛け渡して組み立てた際、各一対の棚枠ピース2a,2aの下端部を同一平面上に配置して、床面6上を自立可能にしている。
【0029】
前記間隙3は棚桟4を挿入可能な間隔に形成され、実施形態では棚桟4を丸棒の鉄線で形成して、前記間隙3を棚桟4の外径と同寸法に形成している。
前記棚桟4は鉄線または鋼線を直杆状に形成し、その長さを棚枠2の前後部の間隔幅と略同一に形成している。
そして、一対の棚枠2,2を重合し、その間隙3に棚桟4を挿入し、それらの接触部をスポット溶接して連結している。
【0030】
前記棚板5は、実施形態の場合、横長矩形の木製の2~3枚の板材を並列して配置し、その長さ方向の長さは左右に配置した棚枠2,2の間隔と略同長に形成され、その短辺方向の長さは棚枠2の幅と略同長に形成され、その両端部の裏面に金属製の補強板7をビス8で連結している。この場合、棚板5に幅広な一枚の板材を用いることも可能である。
【0031】
前記補強板7は薄厚の鉄板または鋼板を略横長矩形に形成され、その長さ方向の外端部に係止爪9を突設している。前記係止爪9は略矩形に形成され、棚板5の連結時に外側に突出して配置され、同段の棚桟4,4に棚板5を掛け渡す際、補強板7を棚桟4上に重合して配置し、係止爪9を棚枠2,2の間隙3に挿入している。
【0032】
この他、図中、10は本発明装置の設置後の棚板5上に収容する収容物品である例えば時計、11は同じく収容物品であるオーディオ機器、12は同じく収容物品である本である。
この場合、左右の棚枠2,2間に筋交いを掛け渡せば、棚枠2,2の支持強度が一層向上する。
【0033】
このように構成した本発明の棚板取付け装置を製作する場合は、棚枠2と棚板5の製作を要する。先ず、棚枠2を製作する場合は、棚板5上の収容物10~12の重量を考慮して、実施形態では直径6mmの鉄線または鋼線を使用し、これを所定寸法に切断する。
実施形態では量産形の場合、鉄線または鋼線をU字形状に折り曲げて棚枠ピース2aを製作し、この一対の棚枠ピース2a,2aを向き合わせて配置し、その両端部を突き合わせてスポット溶接し縦長矩形に形成する。
【0034】
なお、少量製作の場合は後述するように、別の成形機を用いて長尺の鉄線または鋼線を略矩形状に折り曲げて単一の棚枠ピース2aを製作し、近接配置した両端部をスポット溶接して縦長矩形に形成する。したがって、この場合は棚枠ピース2aの部品点数が低減し、スポット溶接の手間が半減する。
【0035】
棚枠2の形状寸法は、棚桟4,4に掛け渡す棚板5の幅寸法と枚数によって相違し、
図1乃至
図12の場合は、一段に2枚の棚板5を掛け渡す例を示し、この場合の棚枠2は縦406mm、横192mmに形成し、その四隅を適宜なR状に湾曲形成している。
【0036】
また、図示していないが一段に3枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦406mm、横282mmに形成し、一段に4枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦406mm、横360mmに形成する。これらの場合は縦寸法は同じで、横寸法を棚板5の枚数に応じて大きく形成する。
【0037】
次に、スポット溶接して縦長矩形に形成した二つの棚枠ピース2を用意し、それらを重合して配置し、その間隙3の所定位置に棚桟4を配置し、棚枠2と棚枠桟5の接触部をスポット溶接して連結する。
その際、実施形態では棚枠2に3本の棚桟4を上下に等間隔(100mm)で、互いに平行に配置する。棚桟5は、棚枠2と同じ直径6mmの鉄線または鋼線を使用し、これを所定長さに切断し、実施形態では192mmの直杆状に形成する。棚桟5の連結後、それらの外周面に適宜色の防錆用の塗料を塗布することが望ましい。
【0038】
また、図示していないが一段に3枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚桟5を282mmの直杆状に形成し、一段に4枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠桟5を372mmの直杆状に形成する。
【0039】
次に、棚板5を製作する。実施形態では軽量かつ安価で堅牢な木製の板材を使用し、これを所定寸法、すなわち一段に2枚の棚板5を掛け渡す場合は、例えば長さを360mm、幅を棚枠2の略内側寸法の1/2の90mm、厚さを20mmの横長矩形に切断して作製する。
【0040】
また、図示していないが一段に3枚の棚板5を掛け渡す場合は、長さを360mm、幅を棚枠2の略内側寸法の1/3の90mm、厚さ20mmに形成し、一段に4枚の棚板5を掛け渡す場合は、長さを360mm、幅を棚枠2の略内側寸法の1/4の90mm、厚さ20mmに形成する。
【0041】
こうして棚板5を切断後、これを補強板8で連結する。補強板8は厚さ1.5mmの鉄板または鋼板を縦35mm、横180mmの横長矩形に切断し、その外側端部に略矩形の係止爪9,9を突設し、その長さ方向に一対のビス孔(図示略)を形成する。
【0042】
そして、前記補強板8を用いて2枚の棚板5,5を連結する場合は、2枚の棚板5,5をその長さ方向の側面を接合して並べ、その両端部に係止爪9を端部側に配置して補強板8を位置付け、これらにビス8を挿入し、これをビス孔にねじ込んで連結する。
この状況は
図10のようで、棚板5,5の長さ方向の両端部の僅かに内側に補強板8を固定し、係止爪9,9を棚板7,7の長さ方向の端面の外側に突出配置する。
【0043】
こうして製作した棚枠2と棚板5を用いて、これらを組み立てる場合は、一対の棚枠2,2と1枚の棚板5を用意する。そして、一対の棚枠2,2を垂直に保持し、また棚板5を保持して、先ず片側の係止爪9,9を棚枠2,2の間隙3に係入する。
この係入状態を保持しながら、相対する棚枠2を垂直に保持し、棚板5の他端部を保持して、他側の係止爪9,9を棚枠2,2の間隙3に係入する。この状況は
図11,12のようである。
このようにして一段の棚板5を取付け後、二段の棚板5を前述と同じ要領で一方の係止爪9,9を棚枠2,2の間隙3に係入し、他方の係止爪9,9を他方の棚枠2,2の間隙3に係入する。
【0044】
こうして左右に離間して配置した棚枠2,2の間に、棚板5,5を上下二段に離間して取付ける。この状況は
図1のようである。
このようにすると棚板5の係止爪9,9が両側の棚枠2,2の間隙3に係入し、その両側部が棚枠2,2の周面に係合して、棚板5の長さ方向の移動を阻止し、また棚板5の側端面が棚枠2,2の内側周面に係合して、棚板5の幅方向の移動を阻止する。
しかも、金属製の補強板8が棚桟4上に重合して配置されているから、棚板5の支持強度が強化され、棚板5上の収容物10~12を安定して載置し得る。
【0045】
また、棚枠2,2は上下二位置で棚板5,5に支持され、その支持強度を強化されているから、その自立姿勢が促される。
更に、各一対の棚枠2,2の下端部は同一平面に位置して床面6に密着し得るから、棚枠2,2の自立が促され、安定した自立姿勢を形成し得る。
しかも、各一対の棚枠2,2は間隙3を維持して床面6に密着するから、間隙3分、床面6に対する接触面積が増大し、単一の棚枠2,2による自立姿勢に比べ安定した自立姿勢が得られ、横荷重に対する支持強度が向上する。
【0046】
図13乃至
図27は本発明の他の実施形態を示し、前述の構成と対応する部分に同一の符号を付している。このうち、
図13は本発明の第2の実施形態の要部を示し、この実施形態は少量製作に好適な棚枠ピース2aを示している。
この棚枠ピース2aは、前述の実施形態に使用した棚枠2の成形機(図示略)と別の成形機を用いて、長尺の鉄線または鋼線を略矩形状に折り曲げて単一の棚枠ピース2aを製作し、その両端部を近接配置してスポット溶接2bし、縦長矩形に形成する。
したがって、この場合は棚枠ピース2aは単一で足り、部品点数が低減し、スポット溶接の手間が半減する利点がある。
【0047】
図14乃至
図17は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は前述の実施形態の棚枠2に比べて長尺タイプものを示している。
先ず、
図14および
図15の棚枠2は、直径6mmの鉄線または鋼線を使用し、これを所定寸法に切断して幅広のU字形状に折り曲げ、この一対の棚枠ピース2a,2aをスポット溶接して縦長矩形に形成している。
【0048】
この棚枠2の形状寸法は、一段の棚桟4に掛け渡す棚板5の枚数によって相違し、
図14の場合は一段に2枚の棚板5を掛け渡す例を示し、この場合の棚枠2は縦606mm、横192mmに形成し、その四隅を適宜なR状に湾曲形成している。
すなわち、前述の棚枠2に比べて縦寸法のみが増大し、この縦長矩形に形成した棚
枠2に5本の棚桟4を連結している。棚枠4の材質と形状寸法、その上下間隔(100mm)は前述の棚枠2と同一で、互いに平行に配置している。
したがって、前述の形態の棚桟5と共用化を図れ、製作の合理化を図れる。
【0049】
また、図示していないが一段の棚桟4に3枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦606mm、横282mmに形成し、一段に4枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦606mm、横372mmに形成する。すなわち、これらの場合は縦寸法は同じで、横寸法を棚板5の枚数に応じて大きく形成する。
次に、スポット溶接した二つの棚枠2を用意し、それらの隙間3に5本の棚桟4を配置し、棚枠2と棚桟4の接触部をスポット溶接2bして連結する。棚桟4を連結後、それらの外周面に防錆用の適宜色の塗料を塗布する。
【0050】
図16および
図17の棚枠2は、直径6mmの鉄線または鋼線を使用し、これを所定寸法に切断して幅広のU字形状に折り曲げ、この一対の棚枠ピース2a,2aをスポット溶接2bして縦長矩形に形成する。
この棚枠2の形状寸法は、一段の棚枠桟5に2枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦906mm、横186mmに形成し、3枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦906mm、横282mmに形成し、一段に4枚の棚板5を掛け渡す場合は、棚枠2を縦906mm、横372mmに形成する。すなわち、これらの場合は縦寸法は同じで、横寸法を棚板5の枚数に応じて大きく形成する。
【0051】
次に、スポット溶接2bした二つの棚枠2を用意し、それらの隙間3に8本の棚桟4を配置し、棚枠2と棚桟4の接触部をスポット溶接2bして連結する。
棚桟4の材質と形状寸法、その上下間隔(100mm)は前述の棚枠2と同一で、互いに平行に配置している。
したがって、前述の形態の棚桟4と共用化を図れ、製作の合理化を図れる。棚桟4を連結後、それらの外周面に防錆用の適宜色の塗料を塗布する。
【0052】
図18は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は固定金具13を介して石膏ボ-ド製の不動の壁面14に棚板取付け装置1を取付けている。
固定金具13は鋼板をU字形に屈曲して形成され、屈曲片の端部は尖端状に形成されていて、板面の中央の通孔(図示略)にビス15を挿入し、これを壁面14にねじ込んで、相対する屈曲片の間に配置した一対の棚枠2,2を固定している。
【0053】
このように棚板取付け装置1を不動の壁面14に取付けることで、従来のように棚枠2,2間に筋交い部材を掛け渡すことなく、棚枠2,2を強固に支持し、その支持強度を強化するとともに、その垂直姿勢を確実に維持し、棚板5に収容物10~12を載置した際の棚枠2,2の変位と捩れを防止し、収容物10~12を安定して載置するようにしている。
【0054】
図19は本発明の第5の実施形態を示し、この実施形態は前記固定金具13を介して木製の縦長矩形の背板16に棚板取付け装置1を取付けている。前記背板16の下端部は床面6と同一面上に配置され、棚枠2,2と背板16の下端部が同一面上に配置されていて、棚枠2,2と背板16および棚板取付け装置1の床面6上における自立性を確保している。
【0055】
しかも、棚板取付け装置1を背板16に取付けることで、従来のように棚枠2,2間に筋交い部材を掛け渡すことなく、棚枠2,2を強固に支持し、その支持強度を強化するとともに、その垂直姿勢を確実に維持し、棚板5に収容物10~12を載置した際の棚枠2,2の変位と捩れを防止し、収容物10~12を安定して載置するようにしている。
【0056】
図20乃至
図23は本発明の第6の実施形態を示し、この実施形態は背板16を前記壁面14の前方に離間して配置し、それらの間に倒れ防止装置17を設置している。
前記倒れ防止装置17は背板16の裏面に取付ける第1金具18と、壁面14に取付ける第2金具19との製作を要し、これらを鉄板または鋼板を折り曲げ形成して製作する。
前記第1金具18は複数のビス孔20を形成し、その一端に屈曲片21を形成し、第2金具19はピン装着孔22を形成し、その一端に係合片23を形成する。
【0057】
前記倒れ防止装置17を設置する場合は、第1金具18を背板16の裏面にビス止めして固定し、また複数のアンカ-ピン24を壁面14に交差して押し込んで第2金具19を固定し、その頭部にキャップ25を装着する。
この後、第1金具18の屈曲片21を第2金具19の係合片23に係合し、その弾性によって第1金具18を保持させる。
【0058】
この場合、
図23(C)のように第1金具18の上端部を背板16の上端部に配置し、これに連係して第2金具19の取付け位置を位置決めし、第1および第2金具18,19の取付けの容易化を図ることが望ましい。
【0059】
このように倒れ防止装置17を介し、第1金具18の屈曲片21の変位を第2金具19の係合片23によって抑止し、棚板5に種々の収容物10~12を収容した際の重心移動に伴う棚板取付け装置1の前方への倒れを防止するようにしている。
【0060】
図24は本発明の第7の実施形態を示し、この実施形態は棚板取付け装置1を、壁面14や背板16の代わりに、床面6に立設した角管材からなる不動の支柱26,26に緊締バンド27を介して固定している。
支柱26の上端部に昇降柱28,28を摺動可能に装着し、該昇降柱28,28の上端部にフランジ状の当接片29,29を設け、該当接片29,29を天井板30に突き当て可能にして、支柱26,26を堅固に保持可能にしている。この場合、支柱26を木製にすれば、前述の固定金具13とビス15の使用が可能になる。
図中、31は支柱26の上部に設けた固定摘みで、一体の螺軸を昇降柱28の周面に圧接して、昇降柱28の伸縮長さを保持可能にしている。
【0061】
このように棚板取付け装置1を床面6と天井板30の間に架設した支柱26,26に取付けることで、棚板取付け装置1を安定かつ強固に支持し、その支持強度を強化するとともに、その垂直姿勢を確実に維持し、棚枠2,2の変位と捩れを防止して、棚板5上の収容物10~12を安定して載置するようにしている。
【0062】
図25は本発明の第8の実施形態を示し、この実施形態は前述の
図14乃至
図17のように棚枠2,2を長尺化する代わりに、同一の棚枠2,2を上方に継ぎ足して高さを拡張し、またそれらの間に掛け渡す棚板5を増加して、前述の壁面14または背板16の左右の両側に取付け、本発明装置による物品収容能力を倍増するようにしている。
【0063】
図中、32は上下一対の棚枠ジョイント金具で、それぞれU字形断面に形成され、それらの内側に上下の棚枠2,2の各一対の棚枠ピース2a,2aを収容している。
そして、上側の棚枠ジョイント金具にビス孔(図示略)を形成し、下側の棚枠ジョイント金具にネジ孔(図示略)を形成し、ビス33をビス孔に挿入し、これをネジ孔にねじ込んで一対の棚枠ジョイント金具32を固定している。
【0064】
なお、図示の場合は、背板1の片側に棚受け2を継ぎ足している中途状況を示しているが、他側にも同様な要領で棚受け2を継ぎ足している。
また、棚枠2は同段の棚桟4に2枚の棚板5を掛け渡すものに限らず、3枚、4枚の棚板5を掛け渡すタイプに適用することも可能である。
【0065】
図26および
図27は本発明の第9の実施形態を示し、この実施形態は壁面14または背板16を上下方向または側方に継ぎ足して、本発明装置の拡張または拡幅を図るようにしている。
この場合、壁面14または背板16の形状寸法は、前述の実施形態のものと同一のものを使用しているが、この他の寸法のものも使用可能であり、可及的に同形のものを使用することが製作上、望ましい。
【0066】
このうち、
図26は縦長矩形の2枚の壁面14または背板16を上下方向に継ぎ足し、壁面14または背板16の長尺化を図っている。このように壁面14または背板16を継ぎ足すことで、その両側に前述の長尺の棚枠2,2の取付けが可能になる。
その際、各壁面14または背板16の上下方向の継ぎ足し部に複数の連結金具34を配置し、これをビス35を介して壁面14または背板16にねじ込んで連結する。
【0067】
また、
図27は複数の壁面14または背板16を隣接して側方に配置し、各壁面14または背板16の側方の継ぎ足し部に複数の連結金具36を配置し、これをビス37を介して壁面14または背板16にねじ込んで連結している。
このように壁面14または背板16を側方に継ぎ足して拡幅後、各壁面14または背板16に一または複数の棚枠2を縦方向に配置し、それらの間に棚桟4を配置して棚板5を掛け渡せば、大形の棚板取付け装置1を設置することができる。
この場合、連結金具36を連結金具34と同一に構成し、ビス37をビス35と同一に構成すれば、それらの共用化を図れ製作の合理化を図れる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
このように本発明の棚板取付け装置は、簡単な構造で棚板と棚枠を容易かつ安価に製作できるとともに、棚枠の支持強度を強化し、棚板を安定して支持し収容物品を安定して載置し得、設置後の安定性と支持強度を向上できるようにしている。
【符号の説明】
【0069】
1 棚板取付け装置
2 棚枠
4 棚桟
5 棚板
6 床面
7 補強板
9 係止爪
【0070】
14 壁面
16 背板
17 倒れ防止装置
18 第1金具
19 第2金具
21 屈曲片
23 係合片
26 支柱