(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069885
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】マスク用サポート部材
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220502BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
A62B18/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178818
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】513246861
【氏名又は名称】株式会社Bfull
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】前田 直人
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上し、汎用性のあるマスク用サポート部材を提供する。
【解決手段】マスク用サポート部材1は、使用者が使用する使用状態において、撓んだ本体部材10の挟着部18が使用者の左右の耳周辺を押圧することで使用者の顔の前方で本体部材10が支持されると共に、マスク形状保持部11が使用者の口部に対向することによってマスク形状保持部11と当該使用者の口部周辺とが離間してマスク形状保持部11と口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体の左右の端部に耳掛け部が各々設けられたマスクに装着されて使用されるマスク用サポート部材であって、
左右方向に長い長尺状で可撓性を有する本体部材を備え、
前記本体部材の中央寄り部分には、前記マスク本体に添え当てられるマスク形状保持部が設けられており、
前記本体部材の両端部には、前記耳掛け部が係着される係着部が各々設けられており、
使用者が使用する使用状態において、前記マスク本体に前記マスク形状保持部が添え当てられると共に、当該マスク本体に設けられた耳掛け部が前記係着部に各々係着され、かつ、撓んだ当該本体部材の両端部が使用者の左右の耳周辺を押圧して当該使用者の頭部を当該本体部材が挟持することで使用者の顔の前方で前記本体部材が支持され、さらに前記マスク形状保持部が使用者の口部に対向することによって前記マスク形状保持部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記マスク本体と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成される
ことを特徴とするマスク用サポート部材。
【請求項2】
前記本体部材には、前記使用状態で前記マスク本体の側縁部に係着する係着用フック部が設けられている
請求項1に記載のマスク用サポート部材。
【請求項3】
前記本体部材には、前記使用状態で前記マスク本体側へ向かって突き出される係着用凸部が設けられており、
さらに、前記本体部材とは別部材からなり、前記使用状態で前記マスク本体を前記係着用凸部とで挟持するように当該係着用凸部に係着する係着片を備えている
請求項1に記載のマスク用サポート部材。
【請求項4】
前記マスク形状保持部には、前記マスク本体に添え当てられるマスク形状保持補助部が上方向及び下方向のうち少なくともいずれかの方向に突出して形成されている
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のマスク用サポート部材。
【請求項5】
前記耳掛け部が紐状体からなり、当該耳掛け部の一端がマスク本体の側縁部に取り付けられ、他端が、当該マスク本体の側縁部における前記一端よりも下側位置に取り付けられており、
前記本体部材には、前記耳掛け部の少なくとも一部を案内するガイド部が設けられており、使用者が使用する使用状態において、前記ガイド部に前記耳掛け部の少なくとも一部が案内されて前記一端を含む上側紐部分と前記他端を含む下側紐部分とがほぼ平行となる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマスク用サポート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに装着されて使用されるマスク用サポート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスクとしては、
図17に示すような口部や鼻部を覆うマスク本体の両端部に紐状の耳掛け部を備えたものがよく知られている。しかし従来のマスクは、長時間使用すると耳掛け部によって耳が前方に引っ張られて耳が痛くなるといった問題があった。また、従来のマスクは、使用状態で使用者の口部が押さえられて圧迫感を感じたり、呼吸によって蒸れやすかったり、化粧が崩れたりすることがあった。このため、従来のマスクは快適性に劣り、長時間使用することには非常に抵抗があるという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1には、いわゆるマスク紐を耳に掛けずに装着することができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成は、特別な構成を備えたマスクを使用する必要があり、広く市販されているマスクを使用することができないため汎用性に劣るという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、マスクを長期間使用しても耳に負担をかけず、着用した際の快適性や清潔性が向上し、汎用性を兼ね備えるマスク用サポート部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、マスク本体の左右の端部に耳掛け部が各々設けられたマスクに装着されて使用されるマスク用サポート部材であって、左右方向に長い長尺状で可撓性を有する本体部材を備え、前記本体部材の中央寄り部分には、前記マスク本体に添え当てられるマスク形状保持部が設けられており、前記本体部材の両端部には、前記耳掛け部が係着される係着部が各々設けられており、使用者が使用する使用状態において、前記マスク本体に前記マスク形状保持部が添え当てられると共に、当該マスク本体に設けられた耳掛け部が前記係着部に各々係着され、かつ、撓んだ当該本体部材の両端部が使用者の左右の耳周辺を押圧して当該使用者の頭部を当該本体部材が挟持することで使用者の顔の前方で前記本体部材が支持され、さらに前記マスク形状保持部が使用者の口部に対向することによって前記マスク形状保持部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記マスク本体と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成されることを特徴とするマスク用サポート部材である。
【0008】
かかる構成は、マスクを直接使用者が着用するのではなく、マスクをマスク用サポート部材に装着し、マスク用サポート部材を使用者の顔を挟むようにして着用することで耳にかかる負担をなくすものである。また、使用状態にあっては、使用者の口部とマスク本体とが接触することがなくなり、使用者がしゃべるときにマスクが唇に触れて不快に感じることを防止したり、マスクに化粧等が付着することを防止したりすることができる。なお、使用するマスクは、広く用いられているマスク紐付きのマスクを好適に使用することができる。
【0009】
また、前記本体部材には、前記使用状態で前記マスク本体の側縁部に係着する係着用フック部が設けられていてもよい。
【0010】
かかる構成とすることにより、前記係着用フック部を前記マスク本体に係着させるだけで前記マスク用サポート部材とマスク本体とが位置ずれしてしまうことを防止することができる。また、マスク本体が折れ曲がる等して、マスク本体と使用者の顔部との間に隙間が生じてしまう不具合を解消することもできる。
【0011】
また、前記本体部材には、前記使用状態で前記マスク本体側へ向かって突き出される係着用凸部が設けられており、さらに、前記本体部材とは別部材からなり、前記使用状態で前記マスク本体を前記係着用凸部とで挟持するように当該係着用凸部に係着する係着片を備えていてもよい。
【0012】
かかる構成とすることによっても、前記マスク用サポート部材を好適に前記マスク本体に係着することができる。
【0013】
さらに、前記マスク形状保持部には、前記マスク本体に添え当てられるマスク形状保持補助部が上方向及び下方向のうち少なくともいずれかの方向に突出して形成されている構成が提案される。
【0014】
かかる構成とすることにより、マスク本体がマスク形状保持補助部によって上下左右方向に押し広げられることとなり、前記口部周辺接触防止空隙をより一層安定して形成することができる。
【0015】
また、前記耳掛け部が紐状体からなり、当該耳掛け部の一端がマスク本体の側縁部に取り付けられ、他端が、当該マスク本体の側縁部における前記一端よりも下側位置に取り付けられており、前記本体部材には、前記耳掛け部の少なくとも一部を案内するガイド部が設けられており、使用者が使用する使用状態において、前記ガイド部に前記耳掛け部の少なくとも一部が案内されて前記一端を含む上側紐部分と前記他端を含む下側紐部分とがほぼ平行となる構成が提案される。
【0016】
かかる構成とすることにより、使用状態でマスク本体が上下方向に折れ曲がってマスク本体の左右に隙間が生じてしまうことを、好適に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のマスク用サポート部材は、マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上し、汎用性も兼ね備えた優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は実施例1のマスク用サポート部材を前方からみた斜視図であり、(b)は実施例1のマスク用サポート部材を後方からみた斜視図である。
【
図2】(a)は実施例1のマスク用サポート部材の側面図であり、(b)は実施例1のマスク用サポート部材の一方の端部を示す拡大図である。
【
図3】実施例1のマスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【
図4】(a)は実施例2のマスク用サポート部材を前方からみた斜視図であり、(b)は実施例2のマスク用サポート部材を後方からみた斜視図である。
【
図5】(a)は実施例2のマスク用サポート部材の側面図であり、(b)は実施例2のマスク用サポート部材の一方の端部を示す拡大図であり、(c)は実施例2の係着片の斜視図である。
【
図6】実施例2のマスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【
図7】実施例2のマスク本体が係着用凸部と係着片とによって挟持された状態を示す縦断面図である。
【
図8】(a)は実施例3のマスク用サポート部材を前方からみた斜視図であり、(b)は実施例3のマスク用サポート部材を後方からみた斜視図である。
【
図9】(a)は実施例3のマスク用サポート部材の側面図であり、(b)は実施例3のマスク用サポート部材の一方の端部を示す拡大図である。
【
図10】実施例3のマスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【
図11】(a)は実施例4のマスク用サポート部材を前方からみた斜視図であり、(b)は実施例4のマスク用サポート部材を後方からみた斜視図である。
【
図12】(a)は実施例4のマスク用サポート部材にマスクを着用した状態を示す平面図であり、(b)は実施例4のマスク用サポート部材の使用状態を示す正面図である。
【
図13】実施例4のマスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【
図14】実施例5のマスク用サポート部材を前方から見た斜視図である。
【
図15】実施例6のマスク用サポート部材を前方から見た斜視図である。
【
図16】実施例6のマスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のマスク用サポート部材を具体化した実施例を詳細に説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0020】
マスクMは、
図17に示すように、使用者の口部や鼻部を覆うシート状のマスク本体M1と、マスク本体M1の左右の端部に各々設けられた紐状体の耳掛け部M2とを備えたいわゆる汎用の市販品である。
【0021】
〔実施例1〕
【0022】
マスク用サポート部材1は、
図1~
図3に示すように、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材10を備えている。
【0023】
また、本体部材10の中央寄り部分には、上下方向にやや幅広のマスク形状保持部11が設けられている。なお、マスク形状保持部11に、マスク本体M1が添え当てられることとなる。
【0024】
さらに、マスク形状保持部11には、マスク形状保持部11の背面(使用者側となる面)と正面(前方)とを貫く複数の通気孔部12が形成されている。また、マスク形状保持部11の下端縁には、フック状の下端係着部13が正面側に向けて設けられている。さらに、マスク形状保持部11の上端縁には、正面側に向かって突き出されたフランジ部14が形成されている。
【0025】
また、本体部材10の両端部には、マスクMの耳掛け部M2が係着される係着部としての係着用フック部15が各々設けられている。また、本体部材10の両端部における背面には、使用者の左右の耳周辺を押圧することとなる挟着部18が各々設けられている。
【0026】
なお、本体部材10は、外力が加えられていない状態では背面を内側として両端部にある挟着部18を近づけた平面視で略C字状の外観を有している。
【0027】
このような本体部材10は、3Dプリンタで簡易に大量生産することができる。
【0028】
マスク用サポート部材1を用いる際には、
図2(b)、
図3に示すように、マスク用サポート部材1の正面側にマスクMを配してマスク形状保持部11をマスク本体M1に添え当てて下端係着部13にマスク本体M1の下端縁を係着し、両端の係着用フック部15に左右の耳掛け部M2をそれぞれ引っ掛けるようにして係着する。その後、本体部材10を撓ませながらマスク用サポート部材1が使用者側となるように左右の挟着部18を離間させる。そして、撓ませた状態を解除して使用者の左右の耳周辺を挟着部18で押圧するように一対の挟着部18で顔部を挟持することにより、マスク用サポート部材1が使用者の顔部に支持される。
【0029】
これにより、使用者は、耳に耳掛け部M2を掛けることなくマスクMを着用することができ、
図3に示すように、好適に使用者の口部周辺をマスク本体M1で被覆することができる。
【0030】
このように、マスク用サポート部材1は、本体部材10を弾性変形させて両端部で使用者の顔を挟み込むようにして着用できるため、快適性及び利便性に優れている。
【0031】
ここで、マスク本体M1の上端縁は使用者の眼下を通って鼻部に引っ掛けられ、マスク本体M1の下端縁はマスク用サポート部材1の下端係着部13に係着されるとともに、フランジ部14によって前方に向かって押し出される。このとき、使用者の口部周辺とマスク形状保持部11とは離間しており、マスク本体M1と口部周辺との間には口部周辺接触防止空隙S1が形成されている。これによってマスク本体M1と使用者の口部とが接触してしまうことが防止されている。
【0032】
このように、マスク用サポート部材1を使用することで、マスクMの耳掛け部M2を耳に引っ掛けることなくマスクMを着用することができるため、使用者の耳に過度な負担がかからない。
【0033】
また、マスク用サポート部材1によって、使用者の口紅等の化粧等がマスクMに付着することが防止されている。
【0034】
さらに、本体部材10は、下端係着部13によってマスクMのマスク本体M1に引っ掛けられて係着されるため、マスク用サポート部材1の位置が意図せずずれてしまうことが防止されている。
【0035】
〔実施例2〕
マスク用サポート部材2は、
図4~
図6に示すように、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材20を備えている。
【0036】
また、本体部材20の中央寄り部分には、マスク形状保持部21が設けられている。なお、マスク形状保持部21に、マスク本体M1が添え当てられることとなる。
【0037】
さらに、マスク形状保持部21には、マスク形状保持部21の背面(使用者側となる面)と正面(前方)とを貫く複数の通気孔部22が形成されている。また、マスク形状保持部21には、前方へ向かって突き出される係着手段としての係着用凸部23が複数個設けられている。
【0038】
また、本体部材20の両端部には、マスクMの耳掛け部M2が係着される係着部としての係着用溝部25が各々設けられている。また、本体部材20の両端部における背面には、使用者の左右の耳周辺を押圧することとなる挟着部28が各々設けられている。
【0039】
なお、本体部材20は、外力が加えられていない状態では背面を内側として両端部にある挟着部28を近づけた平面視で略C字状の外観を有している。
【0040】
また、マスク用サポート部材2は、
図5(c)に示すように、プラスチック製で板片状の係着手段としての係着片30を備えている。この係着片30の中央部には、係着用貫通孔31が設けられている。なお、係着片30は、一つの係着用凸部23に対して一つ備えられる。
【0041】
マスク用サポート部材2を用いる際には、
図6に示すように、マスク用サポート部材2の正面側にマスクMを配してマスク形状保持部11をマスク本体M1に添え当てる。そしてマスクMの表面(使用者とは反対側となる面)側から係着片30の係着用貫通孔31に係着用凸部23を差し込んで互いを係着する。このようにすることで、
図7に示すように、係着片30と係着用凸部23との間でマスク本体M1が挟持される。
【0042】
さらに、本体部材20の両端に形成された係着用溝部25に、マスクMの左右の耳掛け部M2をそれぞれ引っ掛けるようにして係着させる。その後、マスク用サポート部材2の本体部材20を撓ませながら左右の挟着部28間に使用者の顔部を挟み込んでマスク用サポート部材2を使用者の顔部に支持させる。これにより、耳に耳掛け部M2を掛けることなくマスクMを着用することができ、しかも好適に使用者の口部周辺をマスク本体M1で被覆することができる。ここで、使用者の口部周辺とマスク本体M1とは離間しており、マスク本体M1と口部周辺との間には口部周辺接触防止空隙S2が形成される。これによってマスク本体M1と使用者の口部とが接触してしまうことが防止される。
【0043】
なお、本体部材20は、係着用凸部23と係着片30とによってマスクMのマスク本体M1に引っ掛けられて係着するため、マスク用サポート部材2が意図せず位置ずれしてしまうことが防止されている。
【0044】
〔実施例3〕
マスク用サポート部材3は、
図8~
図10に示すように、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材40を備えている。
【0045】
また、本体部材40の中央寄り部分には、板形状のマスク形状保持部41が設けられている。なお、マスク形状保持部41に、マスク本体M1が添え当てられることとなる。
【0046】
さらに、マスク形状保持部41には、マスク形状保持部41の背面(使用者側となる面)と正面(前方)とを貫く複数の通気孔部42が形成されている。また、マスク形状保持部41には、棒状のマスク形状保持補助部43が左右一対ずつ設けられている。さらに詳述すると、マスク形状保持補助部43は、マスク形状保持部41の上端から上方向に突出して形成される部分と、マスク形状保持部41の下端から下方向に突出して形成される部分とで構成されている。
【0047】
また、本体部材40の両端部には、マスクMの耳掛け部M2が係着される係着部としての係着用溝部45が各々設けられている。また、本体部材40の両端部における背面には、使用者の左右の耳周辺を押圧することとなる挟着部48が各々設けられている。
【0048】
なお、本体部材40は、外力が加えられていない状態では背面を内側として両端部にある挟着部48を近づけた平面視で略C字状の外観を有している。
【0049】
マスク用サポート部材3を用いる際には、
図10に示すように、マスク用サポート部材3の正面側にマスクMを配してマスク形状保持部41をマスク本体M1に添え当てる。
【0050】
さらに、本体部材40の両端の係着用溝部45に左右の耳掛け部M2をそれぞれ引っ掛けるようにして係着する。その後、本体部材40を撓ませながらマスク用サポート部材3が使用者側となるようにして左右の挟着部48を離間させる。そして、撓ませた状態を解除して使用者の左右の耳周辺を挟着部48で押圧するように一対の挟着部48で顔部を挟持することにより、マスク用サポート部材3が使用者の顔部に支持される。
【0051】
これにより、使用者は、耳に耳掛け部M2を掛けることなくマスクMを着用することができ、
図10に示すように、マスク本体M1と口部周辺との間に口部周辺接触防止空隙S3を形成しつつ、好適に使用者の口部周辺をマスク本体M1で被覆することができる。
【0052】
なお、マスク形状保持補助部43がマスク形状保持部41から上下方向に突き出しており、マスク形状保持補助部43もマスク本体M1に添え当てられるため、マスク本体M1が適切に押し広げられて、口部周辺接触防止空隙S3が適切に確保される。
【0053】
〔実施例4〕
マスク用サポート部材4は、
図11に示すように、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材50を備えている。
【0054】
また、本体部材50の中央寄り部分には、横断面がほぼ円形のマスク形状保持部51が設けられている。なお、マスク形状保持部51に、マスク本体M1が添え当てられることとなる。
【0055】
詳述すると、マスク形状保持部51は、左右方向に長い主部51aと、主部51aの左右両端部から斜め下方向に湾曲して後方へ延びる第一湾曲部51b,51bと、第一湾曲部51bの後端部から斜め上方向に湾曲して後方へ延びる第二湾曲部51c,51cと、を備えている。
【0056】
また、本体部材50の両端部である第二湾曲部51cの後端部には、マスクMの耳掛け部M2が係着される係着部としての係着用フック部55が各々設けられている。
【0057】
さらに、本体部材50の両端部である第二湾曲部51cの後端部には、当該後端部から斜め上方向に湾曲して後方へ延びる挟着部58が形成されており、後述するように挟着部58が使用者の左右の耳周辺を押圧することとなる。
【0058】
なお、本体部材50は、外力が加えられていない状態では背面を内側として両端部にある挟着部58を近づけた平面視で略C字状の外観を有している。
【0059】
マスク用サポート部材4を用いる際には、マスク用サポート部材4の正面(前方)側にマスクMを配してマスク形状保持部51をマスク本体M1に添え当てる。
【0060】
さらに、
図12(a)に示すように、本体部材50の両端の係着用フック部55に左右の耳掛け部M2をそれぞれ引っ掛けるようにして係着する。その後、本体部材50を撓ませながらマスク用サポート部材4が使用者側となるようにして左右の挟着部58を離間させる。そして、
図12(b)、
図13に示すように、撓ませた状態を解除して使用者の左右の耳の後部周辺を挟着部58で押圧するように一対の挟着部58で顔部を挟持することにより、マスク用サポート部材4が使用者の顔部に支持される。
【0061】
これにより、使用者は、耳に耳掛け部M2を掛けることなくマスクMを着用することができ、
図13に示すように、マスク形状保持部51と口部周辺との間に口部周辺接触防止空隙S4を形成しつつ、好適に使用者の口部周辺をマスク本体M1で被覆することができる。
【0062】
なお、挟着部58が使用者の耳の後部周辺に好適に配置されて押圧することになるため、使用者が口を開閉する際に顎関節の動き等の影響を受けることがなく、マスク用サポート部材4が位置ずれを起こすことを防止されている。
【0063】
〔実施例5〕
以下、
図14に示すマスク用サポート部材5について説明する。なお、上記実施例4と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0064】
マスク用サポート部材5は、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材50を備えている。
【0065】
そして、本体部材50に設けられた第一湾曲部51bの外側面には、少なくとも前方に開放されたフック状の側縁係着部61が形成されている。
【0066】
なお、マスク用サポート部材5に、上記実施例4と同様にマスクMを装着した際には、マスク本体M1の側縁部を側縁係着部61に係着させることができる。
【0067】
ここで、本体部材50に設けられた係着用フック部55に左右の耳掛け部M2をそれぞれ引っ掛けると、マスク本体M1の上縁と下縁とが近づくように折れ曲がってマスク本体M1の左右側縁部と顔面との間に横方向の隙間が形成されやすくなるところ、上述のようにマスク本体M1の側縁部が側縁係着部61に係着されることで、横方向の隙間が生じる問題を好適に解消することができる。
【0068】
〔実施例6〕
以下、
図15,
図16に示すマスク用サポート部材6について説明する。なお、上記実施例4,5と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0069】
マスク用サポート部材6は、左右方向に長い長尺状で可撓性を有するプラスチック製の本体部材50を備えている。
【0070】
そして、本体部材50には、主部51aの左右両端部から斜め上方向に湾曲して後方へ延びる上方傾斜部71が設けられており、さらに上方傾斜部71の上部には、溝形状のガイド部75が形成されている。
【0071】
また、上方傾斜部71の後端部には、下方向に延びる下方傾斜部74が設けられており、下方傾斜部74の後端部に、係着用フック部55と挟着部58とが形成されている。
【0072】
ここで、本体部材50に設けられたガイド部75に耳掛け部M2を左右それぞれ部分的に引っ掛けて案内させると、耳掛け部M2の上側紐部分M21と、耳掛け部M2の下側紐部分M22とがほぼ平行となる。これにより、マスク本体M1の上縁と下縁とが近づくように折れ曲がってマスク本体M1の左右側縁部と顔面との間に横方向の隙間が形成されやすくなる、ことを好適に防止することが可能となる。
【0073】
上記実施例において各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0074】
なお、係着手段である下端係着部13、係着用凸部23、係着片30、マスク形状保持補助部43、及び側縁係着部61の数は上記実施例のものに限定されず、また必須のものではないため、これらを備えない構成であってもよい。
【0075】
また、本体部材10,20,40、50,60には別途、冷感材やクッション材等を取り付けてもよいし、冷感材等を取り付ける部位が設けられていても構わない。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3,4,5,6 マスク用サポート部材
10,20,40,50,60 本体部材
11,21,41,51,61 マスク形状保持部
12,22,42 通気孔部
13 下端係着部
14 フランジ部
15,55 係着用フック部
18,28,48,58 挟着部
23 係着用凸部
25,45 係着用溝部
30 係着片
31 系着用貫通孔
43 マスク形状保持補助部
61 側縁係着部
75 ガイド部
M マスク
M1 マスク本体
M2 耳掛け部
M21 上側紐部分
M22 下側紐部分
M3 折り返し部
S1,S2,S3,S4,S5 口部周辺接触防止空隙