(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069950
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】竹紛体製造装置
(51)【国際特許分類】
B27L 11/00 20060101AFI20220502BHJP
B27J 1/00 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B27L11/00 C
B27J1/00 K
B27J1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178919
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】520417975
【氏名又は名称】株式会社エコリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】田井 隆吾
(72)【発明者】
【氏名】堀 貞和
【テーマコード(参考)】
2B241
【Fターム(参考)】
2B241DA01
2B241DA12
2B241DA26
2B241DA33
2B241DA35
2B241DA36
2B241DA39
2B241DB01
2B241DB23
2B241DB25
(57)【要約】
【課題】竹材を供給して、多量の竹粉体を短時間で製造可能な竹粉体製造装置を提供すること。
【解決手段】竹粉体製造装置1は、竹材40の搬送方向に対して傾斜をさせて設ける切削機構10と、複数本の竹材40を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構20と、搬送機構20から送出された割り潰し後の割竹材50を収束しながら切削機構10へ導く、切削機構10と搬送機構20との間に設ける割竹材集束機構30と、を少なくとも備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構(20)と、
前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構(30)と、
前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構(10)と、
を備える竹紛体製造装置。
【請求項2】
前記切削機構(10)を、多数枚の円形刃体と、前記円形刃体の中心を軸支する刃体軸とで構成する請求項1の竹粉体製造装置。
【請求項3】
前記搬送機構(20)を、2以上の下段搬送ロール体とそれに対応する2以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置が異なることを特徴とする請求項1又は請求項2の竹粉体製造装置。
【請求項4】
前記搬送機構(20)を、3以上の下段搬送ロール体とそれに対応する3以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置を、上流側から下流側に向かって徐々に下段ロール側に接近させたことを特徴とする請求項3の竹粉体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、多量の竹粉体を短時間で製造することが可能な竹紛体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、竹粉体を製造する装置は存在する(例えば、特許文献1)が、竹材を供給し多量の竹粉体を短時間で製造することを目的とする装置は知られていないものと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の破砕機は、竹材または木材を破砕する破砕部、竹材または木材を破砕部へ搬送する材搬送部などを備え、竹材や木材を破砕し竹材やチップを製造する装置であるが、多量の竹材チップを短時間で製造する旨の記載はなく、図面では1本の竹材を竹材チップにする事例が描かれているのみである。
【0005】
竹材を粉体にするためには、木材にはない竹材特有の事情(竹の幹には節が存在すること、内部が空洞であること、表面が滑らかであること等)が存在し、多量の竹粉体を製造することは容易ではなかった。
【0006】
そこで、多量の竹粉体を短時間で製造することが可能な竹粉体製造装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は上述の課題を解決するために、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備える竹紛体製造装置を提供する。
【0008】
本願発明は上述の課題を解決するために、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記切削機構を、多数枚の円形刃体と、前記円形刃体の中心を軸支する刃体軸とで構成する竹粉体製造装置を提供する。
【0009】
本願発明は上述の課題を解決するために、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記搬送機構を、2以上の下段搬送ロール体とそれに対応する2以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置が異なる竹粉体製造装置を提供する。
【0010】
本願発明は上記の課題を解決するために、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記搬送機構を、3以上の下段搬送ロール体とそれに対応する3以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置を、上流側から下流側に向かって徐々に下段ロール側に接近させた竹粉体製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備えるため、多量の竹粉体を短時間で製造することが可能である。
【0012】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記切削機構を、多数枚の円形刃体と、前記円形刃体の中心を軸支する刃体軸とで構成するため、多量の竹粉体が短時間で製造可能である。
【0013】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記搬送機構を、2以上の下段搬送ロール体とそれに対応する2以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置が異なるため、竹材を割り潰しながら搬送する作動がより良好となる。
【0014】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された割竹材を所定の幅に縮幅又は拡幅する割竹材集束機構と、前記割竹材集束機構によって所定の幅に縮幅又は拡幅された割竹材を切削する切削機構と、を備え、さらに、前記搬送機構を、3以上の下段搬送ロール体とそれに対応する3以上の上段搬送ロール体とで構成し、当該各上段搬送ロール体の高さ方向の配設位置を、上流側から下流側に向かって徐々に下段ロール側に接近させたため、竹材を割り潰しながら搬送する作動が極めて良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は竹紛体製造装置を上方側からみた全体構成図である。
【
図2】
図2は竹紛体製造装置の正面側(手前側)からみた切断断面図である。
【
図3】
図3は竹紛体製造装置の左側面側からみた構成図である。
【
図4】
図4は竹紛体製造装置の供給作動を示す作動説明図である。
【
図5】
図5は竹紛体製造装置の搬送作動(供給から割り潰し)を示す作動説明図である。
【
図6】
図6は竹紛体製造装置の搬送作動(割り潰しから切削)を示す作動説明図である。
【
図7】
図7は竹紛体製造装置の切削作動を示す作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
多量の竹粉体を短時間で製造する竹粉体製造装置として実施する。
【実施例0017】
まずは、実施例1の竹粉体製造装置の構成について、
図1から
図3に従い説明する。
【0018】
竹紛体製造装置(1)は、竹材の搬送方向に対して傾斜をさせて設ける切削機構(10)と、前記切削機構に向けて複数本の竹材を割り潰しながら同時に搬送可能な搬送機構(20)と、前記搬送機構と前記切削機構との間に設ける割竹材集束機構(30)と、を少なくとも備える(
図1)。
【0019】
前記切削機構(10)の構成について、多数の円形刃体(11)と、当該円形刃体の中心を貫通支持する刃体軸(12)とで構成する(
図2)。
【0020】
なお、前記多数枚の円形刃体(11)は、前記刃軸体(12)の軸長方向に僅かな隙間を開けて配置した状態で、その中心を貫通支持され、前記刃体軸とともに回転することによって、竹材を切削する。
【0021】
前記円形刃体(11)の径及び種類について、510ミリメートル径のチップソーを使用する。
【0022】
前記円形刃体(11)の枚数について、本実施例では59枚を使用しているが、竹材の供給量や竹紛体の製造量、前記円形刃体の回転速度等を考慮して一定程度の増減は許容し得る。
【0023】
前記円形刃体(11)を配置した状態の前記刃体軸(12)の軸長方向長さについて、本実施例では300ミリメートルである。
【0024】
前記切削機構(10)の配置について、竹材の搬送方向に対して15度程度傾斜させて配置している。
【0025】
前記搬送機構(20)の構成について、竹材を搬送する際に当該竹材の底部と接触する、3体の下段搬送ロール体(21)と、前記下段搬送ロール体から竹材の径よりも小さい間隔を開けてその上方側に設ける3体の上段搬送ロール体(22)とで構成する(
図3)。
【0026】
前記下段搬送ロール体(21)の構成について、各々のロール体の中心を貫通し支えるロール体軸(211)と、当該ロール体軸に軸支され一緒に回転する円筒(円柱)形状の長さ1000ミリメートルの搬送ロール体(212)とで構成する(
図2)。
【0027】
3体の前記下段搬送ロール体(21)は、すべて同じものを使用している(
図2)。
【0028】
前記上段搬送ロール体(22)の構成について、各々のロール体の中心を貫通し支えるロール体軸(221)と、当該ロール体軸に軸支され一緒に回転する円筒(円柱)形状の長さ1000ミリメートルの搬送ロール体(222)とで構成する(
図2)。
【0029】
3体の前記上段搬送ロール体(22)は、すべて同じものを使用している(
図2)。
【0030】
前記上段搬送ロール体(22)の配置及び前記上段搬送ロール体と前記下段搬送ロール体(21)との高さ方向の間隔について、竹材を供給し搬送可能な間隔であれば許容する。好ましくは、供給した竹材を上下段の搬送ロール体で潰しながら搬送するような間隔及び前記上段搬送ロール体の配置である。
【0031】
前記上段搬送ロール体(22)の配置及び前記上段搬送ロール体と前記下段搬送ロール体(21)との高さ方向の間隔について、本実施例では、前記上段搬送ロール体(22)の配置を、供給側(上流側)から排出側(下流側)に向けて徐々に下げ、前記上段搬送ロール体と前記下段搬送ロール体との高さ方向の間隔を徐々に狭めることにより、供給した竹材を上下段の搬送ロール体で潰しながら搬送するように配置している(
図2)。
【0032】
前記割竹材集束機構(30)とは、前記搬送機構(20)で割り潰されながら送出された割竹材を収束しながら前記切削機構(10)に導く機構のことをいう(
図1)。
【0033】
次に、本願の竹粉体製造装置に、3本の竹材を供給し竹紛体を製造する際の作動について、
図4から
図7に従い説明する。
【0034】
下段搬送ロール体(21)及び上段搬送ロール体(22)を回転駆動させた後に、3本の竹材(40)を、前記下段搬送ロール体(21)と前記上段搬送ロール体(22)の間の空間に、上流側から供給する(
図4)。
【0035】
前記供給された3本の竹材(40)は、前記上段搬送ロール(22)と前記下段搬送ロールに挟まれた状態で割り潰されながら搬送され、割り潰された後の割竹材(50)となって下流側の割竹材集束機構(30)側に送出される(
図5)。
【0036】
さらに、前記竹材(40)を継続搬送することにより、前記割竹材集束機構(30)側に送出された割竹材(50)は、前記割竹材集束機構に沿って切削機構(10)の幅に縮幅(集束)しながら、前記切削機構に導かれる(
図6)。
【0037】
切削機構(10)を構成する円形刃体(11)が回転駆動されている状態で、前記切削機構に導かれた割竹材(50)は、前記回転刃体(11)に接触して細かく切削され竹粉体(60)となり、その自重で落下し図示しない捕集容器に回収される(
図7)。