(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069970
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、管理方法、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20220502BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220502BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178948
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】田口 正雄
(72)【発明者】
【氏名】恒松 克寿
(72)【発明者】
【氏名】荒井 保博
(72)【発明者】
【氏名】沼田 周
(72)【発明者】
【氏名】稲澤 宏典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】本開示の実施形態に係る管理装置は、トイレの清掃回数や清掃員の配置を最適化することを目的とする。
【解決手段】本開示の実施形態に係る管理装置は、清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得する利用情報取得部と、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得する天候情報取得部と、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶する記憶部と、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する清掃情報出力部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得する利用情報取得部と、
前記清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得する天候情報取得部と、
前記清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、前記清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び前記清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶する記憶部と、
前記判定モデルを用いて、前記現在の利用情報及び前記現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する清掃情報出力部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記清掃情報出力部は、前記清掃情報として、前記清掃場所の清掃回数を出力する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記清掃情報出力部は、前記清掃情報として、前記清掃場所に配置する清掃員の人数を出力する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち前記清掃場所に派遣する清掃員を決定する派遣清掃員決定部をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記複数の清掃員がそれぞれ有する複数の清掃員端末から前記複数の清掃員の位置情報を取得する清掃員位置情報取得部をさらに備え、
前記派遣清掃員決定部は、前記位置情報に基づいて、前記清掃場所に派遣する清掃員を決定する、
請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記位置情報は、前記清掃場所における清掃員の位置情報を含む、請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記清掃場所を含む地域における、感染症の感染者数に関する感染者情報を取得する感染者情報取得部をさらに備え、
前記機械学習は、前記感染者情報を前記教師データに含める、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記利用情報は、前記清掃場所における、利用回数、利用時間、及び利用人数に関する情報を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記天候情報は、前記清掃場所周辺の天候、気温及び湿度のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
複数の清掃員がそれぞれ有する複数の清掃員端末と、
清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び前記清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する管理装置と、
前記清掃情報に基づいて、前記複数の清掃員のうち前記清掃場所に派遣する清掃員を決定し、前記複数の清掃員端末のうち前記清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末に派遣要請を送信する清掃管理者端末と、
を有する管理システム。
【請求項11】
清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得するステップと、
前記清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得するステップと、
前記清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、前記清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び前記清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶するステップと、
前記判定モデルを用いて、前記現在の利用情報及び前記現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力するステップと、
を有する管理方法。
【請求項12】
前記清掃情報に基づいて、前記清掃場所に派遣する清掃員を決定するステップと、
前記清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末に、前記清掃場所に派遣するための情報を送信するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得するステップと、
前記清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得するステップと、
前記清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、前記清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び前記清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶するステップと、
前記判定モデルを用いて、前記現在の利用情報及び前記現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力するステップと、
を実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの清掃を管理する管理装置、管理システム、管理方法、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業の社員が勤務するオフィスビルや多数の客が来場する商業施設等においては、トイレを清潔に保つことが重要である。しかしながら、清掃対象のトイレの数が多い場合、トイレの清掃業務を効率化しながら、適切な人数の清掃員をトイレに配置したり、トイレの利用回数に応じて清掃を適切な回数行ったりすることが難しいという問題がある。
【0003】
そこで、これまでに、トイレの清掃者又は使用者の利便性を向上させる情報提供装置が報告されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、複数の便器装置のそれぞれの使用状況を示す情報を取得する使用状況情報取得部と、使用状況情報取得部により取得された複数の便器装置のそれぞれの使用状況を示す情報を提供する使用状況情報提供部と、複数の便器装置のそれぞれの使用状況に基づいて、清掃者が複数の便器装置を清掃する順序を決定して提供する清掃順序提供部と、を備える情報提供装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、従来の情報提供装置によっては、季節変動データや気象データを考慮していなかったため、トイレの清掃回数や清掃員の配置を最適化することができなかった。
【0005】
さらに、現在の清掃業者と施設管理者との間の清掃業務契約は、オフィスビルに入居する企業の社員が通常通り出社することを前提として想定される清掃回数について取り決める内容となっている。しかしながら、感染症の拡大によって、在宅勤務が推奨され、出社する社員数が大幅に減少した企業も多く現れたにもかかわらず、従来の清掃業務契約は感染症の拡大による働き方の変化に対応できていないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る管理装置は、清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得する利用情報取得部と、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得する天候情報取得部と、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶する記憶部と、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する清掃情報出力部と、を備える。
【0008】
上記の管理装置において、清掃情報出力部は、清掃情報として、清掃場所の清掃回数を出力することが好ましい。
【0009】
上記の管理装置において、清掃情報出力部は、清掃情報として、清掃場所に配置する清掃員の人数を出力することが好ましい。
【0010】
上記の管理装置において、清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所に派遣する清掃員を決定する派遣清掃員決定部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
上記の管理装置において、複数の清掃員がそれぞれ有する複数の清掃員端末から複数の清掃員の位置情報を取得する清掃員位置情報取得部をさらに備え、派遣清掃員決定部は、位置情報に基づいて、清掃場所に派遣する清掃員を決定することが好ましい。
【0012】
上記の管理装置において、位置情報は、清掃場所における清掃員の位置情報を含むことが好ましい。
【0013】
上記の管理装置において、清掃場所を含む地域における、感染症の感染者数に関する感染者情報を取得する感染者情報取得部をさらに備え、機械学習は、感染者情報を教師データに含めることが好ましい。
【0014】
上記の管理装置において、利用情報は、清掃場所における、利用回数、利用時間、及び利用人数に関する情報を含むことが好ましい。
【0015】
上記の管理装置において、天候情報は、清掃場所周辺の天候、気温及び湿度のうちの少なくとも1つに関する情報を含むことが好ましい。
【0016】
本開示の一実施形態に係る管理システムは、複数の清掃員がそれぞれ有する複数の清掃員端末と、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する管理装置と、清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所に派遣する清掃員を決定し、複数の清掃員端末のうち清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末に派遣要請を送信する清掃管理者端末と、を有する。
【0017】
本開示の一実施形態に係る管理方法は、清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得するステップと、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得するステップと、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶するステップと、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力するステップと、を有する。
【0018】
上記の管理方法において、清掃情報に基づいて、清掃場所に派遣する清掃員を決定するステップと、清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末に、清掃場所に派遣するための情報を送信するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0019】
本開示の一実施形態に係る管理プログラムは、コンピュータに、清掃場所の利用状況に関する現在の利用情報を取得するステップと、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得するステップと、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶するステップと、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力するステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の一実施形態に係る管理システムの構成概念図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図4】プロフェッショナルな清掃管理者が判断した過去の清掃場所への清掃員の配置履歴の例を示す表である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る管理装置によって出力された清掃回数及び清掃員の人数の例を示す表である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る管理システムに含まれる清掃管理者端末のブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る管理装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本開示の一実施形態の変形例1に係る管理装置のブロック図である。
【
図9】本開示の一実施形態の変形例2に係る管理装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本開示の一実施形態の変形例2に係る管理装置のブロック図である。
【
図11】本開示の一実施形態の変形例3に係る管理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本開示に係る発明(以下、本発明ともいう)の一実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0022】
図1に本開示の一実施形態に係る管理システム1000の構成概念図を示す。本実施形態に係る管理システム1000は、施設10と、清掃員端末20と、管理装置30と、清掃管理者端末40と、を有し、これらはインターネット100を介して互いに接続されている。
【0023】
施設10は、企業等が入居し複数の人間が勤務するオフィスビルや、複数の客が入場する商業施設等である。
図1には施設10の1つの階のみを示しているが、施設10には複数の階が設けられていてもよい。施設10には施設用ドア11が設けられ、施設用ドア11の近傍には施設用センサ12が設けられている。施設用センサ12は、施設10の利用者数をカウントする。施設用センサ12は、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、可視光カメラセンサ、ビーコンセンサ等の従来周知の技術により実現されてよい。
【0024】
施設10には、清掃場所であるトイレ13が設けられている。トイレ13には、トイレ用ドア14が設けられ、トイレ用ドア14の近傍にはトイレ用センサ15が設けられている。トイレ用センサ15は、トイレ13の利用者数をカウントする。トイレ用センサ15は、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、可視光カメラセンサ、ビーコンセンサ等の従来周知の技術により実現されてよい。
【0025】
トイレ13には複数の個室16が設けられている。複数の個室16のそれぞれにはドア17が設けられ、ドア17の近傍にはセンサ18が設けられている。センサ18は、個室16内に人が入っているか否かを検出する。センサ18によって個室16の利用者数をカウントすることができる。また、センサ18はドア17が閉まった時刻、及びその後ドア17が開いた時刻を検出するようにしてもよい。また、センサ18は、トイレ用センサ15が検出したトイレ13の利用者数から、センサ18が検出した個室16の利用者数を減算することにより、トイレ13内の個室16以外の洗面所や男子小用便器等の設備の利用者の数を算出することができる。センサ18は、赤外線式センサ、マグネット式センサ等の従来周知の技術により実現されてよい。
【0026】
トイレ13には通信装置19が設けられてよい。通信装置19は、施設用センサ12、トイレ用センサ15、及びセンサ18からの情報を受信し、受信した情報を、インターネット100を介して管理装置30及び清掃管理者端末40に送信する。
【0027】
複数の清掃員端末20は、複数の清掃員がそれぞれ有する携帯用の情報端末であってよい。清掃員端末20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、あるいはタブレット端末等の情報端末であってよい。清掃員端末20は、データを入力するための入力部と、管理装置30及び清掃管理者端末40と通信を行うための通信部と、表示部と、これらを制御するための制御部と、を有している。
【0028】
管理装置30は、清掃場所であるトイレ13の利用状況に関する過去の利用情報、トイレ13への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及びトイレ13周辺の天候に関する過去の天候情報を記憶してよい。管理装置30は、センサ18が検出した、ドア17が閉まった時刻から、その後開いた時刻までの時間から個室16の利用時間を算出することができる。さらに、管理装置30は、上記の過去の利用情報、配置履歴情報、及び過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶してよい。さらに、管理装置30は、この判定モデルを用いて、現在のトイレ13の利用情報、及びトイレ13周辺の現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する。清掃情報には、トイレ13について推奨される清掃回数、及びトイレ13に配置することが推奨される清掃員の人数の少なくとも一方が含まれてよい。
【0029】
清掃管理者端末40は、管理装置30が出力した清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち、清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員を決定してよい。清掃管理者端末40は、派遣することが決定された清掃員が有する清掃員端末20に派遣要請を送信する。派遣要請を受けた清掃員は、派遣要請に従ってトイレ13の清掃を実行する。派遣要請を受信した清掃員端末20は、アラームやプッシュ通知等により清掃員に派遣要請を受信したことを知らせるようにしてもよい。
【0030】
図2に、本開示の一実施形態に係る管理装置30のブロック図を示す。管理装置30は、入力部31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、制御部35と、を有する。管理装置30には、例えば、スマートフォン、タブレット端末、あるいはノート型またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等を用いることができる。管理装置30は、いわゆるサーバであってもよい。
【0031】
入力部31は、管理装置30に情報を入力する。入力部31には、マウス、キーボード、タッチパッド等を用いることができる。または、タッチパネルに表示されたキーボードを入力部31として用いるようにしてもよい。
【0032】
通信部32は、インターネット100を介して、施設10内の通信装置19、清掃員端末20、及び清掃管理者端末40との間で通信を行う。
【0033】
記憶部33は、半導体メモリやハードディスク等の記憶装置である。記憶部33は、清掃場所の利用状況に関する現在及び過去の利用情報、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報を記憶する。さらに、記憶部33は、管理装置30を制御するためのプログラムを記憶している。
【0034】
表示部34は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置である。表示部34は、制御部35により生成される画面を表示する。
【0035】
制御部35は、利用情報取得部36と、天候情報取得部37と、清掃情報出力部38と、を有し、これらは、管理装置30に設けられたCPU等のプロセッサにより記憶部33に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
利用情報取得部36は、トイレ13の利用状況に関する現在の利用情報を取得する。トイレ13の利用状況に関する現在の利用情報は、施設10の通信装置19から送信された、トイレ13における、利用回数、利用時間、及び利用人数に関する情報を含む。利用回数は、1日におけるトイレ13内の複数の個室16の利用回数の合計値とすることができる。利用時間は、トイレ13内の複数の個室16のそれぞれに設けたドア17のセンサ18の開閉時間から算出した、複数の個室16の利用時間の合計値とすることができる。利用人数は、トイレ13内の複数の個室16の利用人数の合計とすることができる。ただし、トイレ13の個室16の利用人数と相関関係が認められる場合には、個室16の利用人数の代わりに、施設10の利用者数、または、トイレ13の利用者数を用い、これらの人数に所定の係数を乗算して、個室16の利用者数を推定するようにしてもよい。
【0037】
天候情報取得部37は、清掃場所周辺の天候に関する現在の天候情報を取得する。
図3に天候情報の一例を示す。記憶部33が記憶する過去の天候情報及び天候情報取得部37が取得する現在の天候情報における天候情報には、清掃場所周辺の天候、気温及び湿度のうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0038】
天候を示す天気概況は、清掃場所周辺の地域における天候の総合的な状況を示し、一日を通しての天候の変化を表している。例えば、
図3に示した表における「雨時々曇」は、雨が降った時間が12時間より長く、その時間以外は主に曇りであったことを意味する。「曇後晴」は、天候が曇りから晴れに変化したことを意味する。「晴一時曇」は、晴れた時間が大半を占め、曇りの時間が6時間より短かったことを意味する。
【0039】
清掃場所周辺の気温は、1日における平均気温としてもよい。また、気温に関する情報として、1日における最高気温及び最低気温のうちの少なくとも一方に関する情報を含んでいてもよい。あるいは、気温に関する情報として、施設10に利用者が存在する時間帯、即ち、施設10が開場または営業している時間帯における平均気温としてもよい。
【0040】
清掃場所周辺の湿度は、1日における平均湿度としてもよい。また、湿度に関する情報として、1日における最高湿度及び最低湿度のうちの少なくとも一方に関する情報を含んでいてもよい。あるいは、湿度に関する情報として、施設10に利用者が存在する時間帯、即ち、施設10が開場または営業している時間帯における平均湿度としてもよい。
【0041】
また、天候情報には、年月日に関する情報を含むようにしてもよい。年月日の情報から、季節が春夏秋冬のいずれであるかを判別することができる。
【0042】
さらに、天候情報には、清掃場所周辺の天候に影響を与える台風に関する情報、清掃場所を含む地域に発出された天候についての警報に関する情報、1日の合計降水量に関する情報、1日の平均気圧に関する情報、1日における最大瞬間風速に関する情報等を含むようにしてもよい。台風が清掃場所周辺に接近した場合、降水量の増加等により床が汚れるため、清掃回数が増加することが考えられる。また、警報として大雨警報や大雪警報が発出された場合には、雨や雪のために床が汚れるため、清掃回数が増加することが考えられる。さらに、気圧の変化から将来の天候を予測することができる。例えば、気圧が高ければ、将来的に天候が改善することが予測され、気圧が低ければ、将来的に天候が悪化することが予測される。これらの天候の変化により、清掃回数が増減することが考えられる。また、最大瞬間風速の値が大きい場合、施設10の外部から内部に向かって、塵や埃等が侵入するため、床が汚れ、清掃回数が増加することが考えられる。
【0043】
記憶部33は、清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及び清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶する。清掃場所の利用状況に関する過去の利用情報は、トイレ13の複数の個室16に設けられたそれぞれのドア17のセンサ18やトイレ用ドア14と施設10の施設用ドア11の施設用センサ12によって算出されたトイレの利用回数、利用時間、及び利用人数に関する情報を含んでもよい。清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報は、プロフェッショナルな清掃管理者が判断した過去の清掃場所への清掃員の配置履歴に関する情報を含んでもよい。プロフェッショナルな清掃管理者とは、例えば、清掃員の配置やシフト管理などの清掃に関する管理業務の経験を有する者であってよい。
図4は、プロフェッショナルな清掃管理者が判断した過去の清掃場所への清掃員の配置履歴の一例を示す表である。例えば、プロフェッショナルな清掃管理者が判断した過去の清掃場所への清掃員の配置履歴に関する情報には、対象とする清掃場所の清掃を行った回数に関する情報、及び対象とする清掃場所に配置した清掃員の人数に関する情報を含み、清掃場所周辺の天候に関する天候情報が含まれなくともよい。管理装置30が生成する判定モデルは、例えば、過去の利用情報及びプロフェッショナルな清掃管理者が判断した過去の清掃場所への清掃員の配置履歴に関する情報に、過去の天候情報を加えて教師データとしてよい。上述したように、清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報は、季節変動データ(春夏秋冬)や気象データ(天候、気温、湿度)に関する情報を含んでもよい。なお、配置履歴情報は、例えば、清掃場所周辺の天候に関する天候情報を加味してプロフェッショナルな清掃管理者によって判断された清掃員の配置履歴に関する情報であってもよい。すなわち、管理装置30が生成する判定モデルが用いる教師データは、過去の清掃員の配置履歴と清掃場所周辺の天候情報が対応付けられたデータであればよく、上記の例に限定されない。
【0044】
ここで、上述したように、天候は清掃場所の清掃回数に大きな影響を与えると考えられる。従来技術においては、天候に関する情報を考慮していなかったため、必ずしも適切に清掃員を配置することができなかった。
【0045】
これに対し、本開示の一実施形態に係る管理装置は、清掃場所周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データに含めて機械学習により天候を特徴量とした判定モデルを有している。そのため、清掃情報出力部38は、この判定モデルを用いることにより、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する最適な清掃情報を出力することができる。具体的には、例えば、清掃情報出力部38は、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力することができる。したがって、本発明の一実施形態によれば、気候に応じた清掃員の配置を管理者に提供することができる。なお、天候情報には、晴れ、曇り、雨などの天候の種類(以下、単に天候ともいう)、気温、および湿度が含まれてよい。
【0046】
清掃情報出力部38は、清掃情報として、清掃場所について推奨される清掃回数を出力するようにしてもよい。
図5は、本開示の一実施形態に係る管理装置30によって出力された清掃回数及び清掃員の人数の例を示す表である。
図5の例では、7月19日について、施設10であるビルの入館者数が「500人」であることが予想され、さらに、天候が「雨」、気温が「25℃」、湿度が「80%」であることが予想される場合に、判定モデルによって、推奨される清掃回数が「4回」と算出された例が示されている。同様に、7月20日について、ビル入館者数が「600人」であることが予想され、さらに、天候が「曇り」、気温が「30℃」、湿度が「60%」であることが予想される場合に、判定モデルによって、推奨される清掃回数が「3回」と算出された例が示されている。
【0047】
ここで、従来技術の場合、季節に関する情報、及び気象に関する情報を考慮せずに、ビル入館者数のみに基づいて必要な清掃回数の予測を行っていた。従って、従来技術によれば、ビル入館者数のみに着目した場合、「500人」と予想される7月19日よりも、「600人」と予想される7月20日の方が清掃回数は多くなると予想されていた。しかしながら、天候が「雨」の場合は、天候が「曇り」の場合に比べて、床が濡れたり汚れたりしやすいため、清掃回数を増やした方がよい場合がある。
【0048】
これに対し、本実施形態の管理装置30で用いる判定モデルは、上述のとおり天候に関する天候情報を加味したうえで推奨する清掃回数を算出することができる。そのため、従来技術のように単純にビル入館者数のみに基づいて清掃回数を算出する場合に比べて、清掃回数が不足して清掃が十分に行えなかったり、過剰な清掃回数を予測し、コストが増加したりするという状況を回避することができる。
【0049】
上記の例では、清掃回数に影響を与え得る天候として「雨」の場合と「曇り」の場合を例にとって説明したが、このような例には限られない。例えば、天候が「雪」の場合は「雨」の場合よりもさらに床が汚れやすく、清掃回数をより増やした方がよい場合がある。また、天候が「晴れ」の場合は、「曇り」の場合よりも、清掃回数をより減らした方がよい場合がある。すなわち、判定モデルは、天候を考慮して推奨する清掃回数を算出するように構築されてよい。
【0050】
推奨される清掃回数は、季節によっても変動し得る。例えば、冬は夏よりもトイレの利用回数が増えるため、夏よりも清掃回数をより増やした方がよい場合がある。冬は、夏に比べて、汗や水蒸気となって体から出て行く水分が減り、体の水分が多くなりやすいからである。すなわち、判定モデルは、季節を考慮して、推奨する清掃回数を算出するように構築されてよい。
【0051】
推奨される清掃回数は、気温によっても変動し得る。例えば、気温が高いほど発汗量が増加し、体内の水分量が減少し、トイレの利用頻度が減少するため、清掃回数をより減らしてよい場合がある。あるいは、気温が高いほど発汗量は増加するが、水分を多めにとった結果、トイレの利用頻度が多くなる場合もある。そのため、清掃階数をより増やした方がよい場合もある。すなわち、判定モデルは、判定時の気温、判定日の平均気温、最低気温、および最高気温等を考慮して、推奨する清掃回数を算出するように構築されてよい。
【0052】
推奨される清掃回数は、湿度によっても変動し得る。例えば、湿度が高いほど床に結露が生じやすくなる結果、床が汚れやすくなる場合がある。そのため、湿度が低い場合よりも清掃回数をより増やした方がよい場合がある。すなわち、判定モデルは、湿度を考慮して、推奨する清掃回数を算出するように構築されてよい。
【0053】
なお、判定モデル天候情報には、清掃場所周辺の天候に影響を与える台風に関する情報、清掃場所を含む地域に発出された天候についての警報に関する情報、1日の合計降水量に関する情報、1日の平均気圧に関する情報、1日における最大瞬間風速に関する情報等が含まれてもよい。
【0054】
清掃情報出力部38は、清掃情報として、清掃場所について推奨される配置する清掃員の人数を出力するようにしてもよい。
図5の例では、7月19日について、施設10であるビルの入館者数が「500人」であることが予想され、さらに、天候が「雨」、気温が「25℃」、湿度が「80%」であることが予想される場合に、判定モデルによって、推奨される清掃員人数が「8人」と算出された例が示されている。同様に、7月20日について、ビル入館者数が「600人」であることが予想され、さらに、天候が「曇り」、気温が「30℃」、湿度が「60%」であることが予想される場合に、判定モデルによって、推奨される清掃員人数が「6人」と算出された例が示されている。
【0055】
ここで、従来技術の場合、季節に関する情報、及び気象に関する情報を考慮せずに、ビル入館者数のみに基づいて必要な清掃員人数の予測を行っていた。従って、従来技術によれば、ビル入館者数のみに着目した場合、「500人」と予想される7月19日よりも、「600人」と予想される7月20日の方が必要な清掃員人数は多くなると予想されていた。しかしながら、天候が「雨」の場合は、天候が「曇り」の場合に比べて、床が濡れたり汚れたりしやすいため清掃員人数を増やした方がよい場合がある。
【0056】
これに対し、本実施形態の管理装置30で用いる判定モデルは、上述のとおり天候に関する天候情報を加味したうえで推奨する清掃回数を算出することができる。そのため、従来技術のように単純にビル入館者数のみに基づいて必要な清掃員人数を算出する場合に比べて、清掃員が不足して清掃が十分に行えなかったり、過剰な清掃員人数を予測し、コストが増加したりするという状況を回避することができる。
【0057】
本実施形態に係る管理装置によれば、季節変動や気象データを考慮して生成した判定モデルによって、推奨される清掃回数及び推奨される清掃員人数を算出しているため、季節や気象が変動した場合であっても清掃回数及び清掃員人数を最適化することができる。
【0058】
図6に、本開示の一実施形態に係る管理システム1000に含まれる清掃管理者端末40のブロック図を示す。清掃管理者端末40は、入力部41と、通信部42と、制御部43と、記憶部44と、表示部45と、を有する。清掃管理者端末40には、スマートフォン、タブレット端末、あるいはノート型またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等を用いることができる。清掃管理者端末40は、いわゆるサーバであってもよい。
【0059】
入力部41には、マウス、キーボード、タッチパッド等を用いることができる。または、タッチパネルに表示されたキーボードを入力部41として用いるようにしてもよい。
【0060】
通信部42は、インターネット100を介して、施設10に設けられた通信装置19、清掃員端末20、及び管理装置30との間で通信を行う。
【0061】
制御部43は、清掃管理者端末40に設けられたCPU等のプロセッサにより記憶部44に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。制御部43は、派遣要請送信部431を有する。派遣要請送信部431は、管理装置30が生成した清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所であるトイレ13に派遣することを推奨する清掃員を決定してよい。制御部43は、清掃管理者によりトイレ13に派遣することが決定された清掃員が有する清掃員端末20に派遣要請を送信してよい。なお、制御部43は、清掃管理者に代わり、清掃情報に基づいて、トイレ13に派遣する清掃員を決定してもよい。
【0062】
記憶部44は、半導体メモリやハードディスク等の記憶装置である。記憶部44は、清掃場所であるトイレ13の利用状況に関する過去の利用情報、清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報441を記憶する。記憶部44は、清掃管理者端末40を制御するためのプログラムを記憶している。
【0063】
表示部45は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置である。表示部45は、制御部43により生成される画面を表示する。
【0064】
清掃管理者は、表示部45に表示された清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所に派遣する清掃員を決定してよい。清掃管理者端末40は、清掃場所に派遣することを決定した清掃員が有する清掃員端末20に派遣要請を送信してよい。これにより、派遣要請を受信した清掃員端末20を有する清掃員は、派遣要請に従って、指定された清掃場所であるトイレ13を清掃することができる。
【0065】
次に、本開示の一実施形態に係る管理装置の動作手順について説明する。
図7に、本開示の一実施形態に係る管理装置30の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS101において、管理装置30の利用情報取得部36が、清掃場所であるトイレ13の利用状況に関する現在の利用情報を取得する。利用情報は、トイレ13における、利用回数、利用時間、及び利用人数に関する情報を含む。
【0066】
次に、ステップS102において、管理装置30の天候情報取得部37が、清掃場所であるトイレ13の周辺の天候に関する現在の天候情報を取得する。天候情報は、トイレ13の周辺の天候、気温及び湿度のうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0067】
次に、ステップS103において、管理装置30の記憶部33が、清掃場所であるトイレ13の利用状況に関する過去の利用情報、清掃場所への清掃員の配置履歴に関する配置履歴情報、及びトイレ13の周辺の天候に関する過去の天候情報を教師データとする機械学習により生成された判定モデルを記憶する。
【0068】
次に、ステップS104において、管理装置30の清掃情報出力部38が、記憶部33に記憶された判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて、清掃作業に関する清掃情報を出力する。
【0069】
清掃管理者端末40は、管理装置30の清掃情報出力部38が出力した清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員を決定し、複数の清掃員端末20のうちトイレ13に派遣する清掃員が有する清掃員端末20に清掃場所に派遣するための情報を含む派遣要請を送信する。
【0070】
派遣要請を受信した清掃員は、派遣要請に従って、清掃場所であるトイレ13の清掃を実行する。
【0071】
本開示の一実施形態に係る管理装置30によれば、プロフェッショナルな配置管理者は過去の清掃員配置履歴において季節変動データや気象データを考慮したうえで適切な清掃員を配置しており、その配置履歴はデータとして保存されている。また、この配置履歴を記録したそれぞれの日における季節変動データや気象データは気象庁のデータベースから抽出することができる。そこで、プロフェッショナルな配置管理者が過去に行った清掃員配置履歴に関する情報と、過去の気象データを教師データとして機械学習を行って判定モデルを生成している。生成した判定モデルにおいては、施設の利用状況と気象データから最適な清掃員の人数及び清掃回数を算出することができる。従来は気象データを考慮せずに、施設の利用状況のみから清掃員の人数及び清掃回数を算出していたため、気象状況の変化により清掃員の最適化を行うことが難しいという問題があった。本開示の一実施形態に係る管理装置によれば、気象データを考慮しているため、過去のプロフェッショナルな管理者と同等の清掃員配置を通常の管理者が実行することができる。
【0072】
以上のように、本開示の一実施形態に係る管理装置30によれば、経験が浅い清掃管理者に対して、例えば気象環境の変化により判断が難しい条件下においても、プロフェッショナルな清掃管理者が持つ知見と同等の経験値により、最適な清掃回数及び清掃員人数を決定することが可能となる。
【0073】
[変形例1]
次に、本開示の実施形態の変形例1に係る管理装置について説明する。
図8に本開示の実施形態の変形例1に係る管理装置301のブロック図を示す。変形例1に係る管理装置301が
図2に示した実施形態に係る管理装置30と異なっている点は、制御部35が、さらに派遣清掃員決定部39を備えている点である。変形例1に係る管理装置301のその他の構成は、実施形態に係る管理装置30における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
派遣清掃員決定部39は、清掃情報に基づいて、複数の清掃員のうち清掃場所に派遣する清掃員を決定する。ここで、清掃情報には、清掃場所の清掃回数、及び清掃場所に配置する清掃員の人数が含まれる。従って、派遣清掃員決定部39は、トイレ13に設けられた複数の個室16を、決められた人数の清掃員によって、決められた清掃回数だけ清掃するように、清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員を決定する。
【0075】
派遣清掃員決定部39が決定した、清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員に関する情報は、管理装置301に設けられた通信部32から、複数の清掃員が有する清掃員端末20に送信することができる。清掃員端末20の表示部は、清掃を実行する清掃場所が表示されてよい。そのため、清掃員は清掃員端末20の表示部の表示に従って、指定された清掃場所に向かい清掃を実行することができる。
【0076】
上記の例では、管理装置301から、清掃場所に派遣することを決定した清掃員端末20に対して、直接、清掃場所に関する情報を送信する例を示したが、このような例には限られない。即ち、派遣清掃員決定部39が決定した、清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員に関する情報は、管理装置301に設けられた通信部32から、清掃管理者端末40の通信部42に送信するようにしてもよい。清掃管理者端末40の派遣要請送信部431は、複数の清掃員端末20のうち清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末20に派遣要請を送信する。清掃員端末20の表示部は、受信した派遣要請に基づいて清掃を実行する清掃場所を表示してよい。そのため、清掃員は表示部の表示に従って、指定された清掃場所に向かい清掃を実行することができる。
【0077】
次に、変形例1に係る管理装置301の動作手順について説明する。
図9に、変形例2に係る管理装置302の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。ステップS201からS204までは、
図7に示した実施形態に係る管理装置30の動作手順と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0078】
ステップS205において、派遣清掃員決定部39が、清掃情報に基づいて、清掃場所に派遣する清掃員を決定する。
【0079】
次に、ステップS206において、管理装置301の通信部32が、清掃場所に派遣する清掃員が有する清掃員端末20に、清掃場所に派遣するための情報を送信する。派遣要請を受信した清掃員端末20の表示部は、清掃を実行する清掃場所が表示されてよい。そのため、清掃員は表示部の表示に従って、指定された清掃場所に向かい清掃を実行することができる。
【0080】
以上説明したように、本開示の実施形態の変形例1に係る管理装置によれば、派遣清掃員決定部を備えているため、判定モデルを用いて、現在の利用情報及び現在の天候情報に基づいて出力された清掃作業に関する清掃情報に従って、複数の清掃員のうち清掃場所に派遣する清掃員を決定することができる。
【0081】
[変形例2]
次に、本開示の実施形態の変形例2に係る管理装置について説明する。
図10に、本開示の実施形態の変形例2に係る管理装置のブロック図を示す。変形例2に係る管理装置302が
図8に示した変形例1に係る管理装置301と異なっている点は、制御部35が、さらに清掃員位置情報取得部350を備えている点である。変形例2に係る管理装置302のその他の構成は、変形例1に係る管理装置301における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0082】
清掃員位置情報取得部350は、複数の清掃員がそれぞれ有する複数の清掃員端末20から複数の清掃員の位置情報を取得する。さらに、派遣清掃員決定部39は、位置情報に基づいて、清掃場所であるトイレ13に派遣する清掃員を決定する。例えば、施設10のトイレ13の清掃を行う場合、複数の清掃員のうち、施設10のトイレ13の一番近くに位置する清掃員に対して派遣要請を行うことができる。
【0083】
また、位置情報は、清掃場所であるトイレ13における清掃員の位置情報を含む。受信した複数の清掃員の位置情報が、清掃員がトイレ13内に存在していることを示している場合は、その清掃員はトイレ13を清掃作業中であると判断し、清掃場所に近い清掃員のうち、現在清掃作業中である清掃員を除外するようにしてもよい。このようにすることで、現在清掃作業中ではなく、すぐに清掃を実行することが可能な清掃員に対して確実に清掃の要請を行うことができる。
【0084】
[変形例3]
次に、変形例3に係る管理装置について説明する。
図11は、本開示の実施形態の変形例3に係る管理装置のブロック図である。変形例3に係る管理装置303が
図2に示した実施形態に係る管理装置30と異なっている点は、制御部35が、感染者情報取得部351をさらに備えている点である。変形例3に係る管理装置303のその他の構成は、実施形態に係る管理装置30における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0085】
感染者情報取得部351は、清掃場所を含む地域における、感染症の感染者数に関する感染者情報を取得する。例えば、施設10が東京都に位置している場合は、感染者情報取得部351は、清掃場所を含む地域である東京都における、感染症の感染者数に関する感染者情報を取得する。感染症の感染者数が所定の数より多い場合には、外出禁止令や緊急事態宣言が発出され、施設10に入居する企業等は出社する社員の数を制限することが考えられる。そのような場合には、施設10に入場する人数が減少し、トイレ13の清掃回数が減少することが考えられる。
【0086】
また、企業等が出社させる社員の数を制限するか否かは、感染症の感染者数に応じて決定することが考えられる。従って、感染症の感染者数に関する情報を取得し、今後予想される感染者数の推移から、施設10に入場する人数を推定することができ、推定した入場者数に基づいて清掃を行う回数や清掃員の人数を決定することができる。
【0087】
また、管理装置301の記憶部33に記憶された判定モデルを生成するための機械学習は、感染者情報を教師データに含めることが好ましい。感染者情報を教師データに含めることによって、感染者数を考慮した判定モデルを生成することができ、管理装置301は、感染者数を考慮した判定モデルにより、推奨する清掃回数を算出することができる。
【0088】
変形例3に係る管理装置によれば、感染症の感染者数を考慮して清掃場所を清掃する清掃回数や清掃員人数を決定することができるため、感染症の感染者数に応じて最適な清掃員の配置を行うことができる。これにより、経験が浅い清掃管理者に対して、例えば新型コロナ感染症等の感染者数や気象環境の変化により、清掃場所の最適な清掃回数の決定や、清掃場所に派遣する清掃員の最適な人数の決定が難しい条件下においても、プロフェッショナルな清掃管理者が持つ知見と同等の経験値によって、清掃場所の清掃回数及び清掃場所に派遣する清掃員の人数を決定することができる。
【0089】
本開示の一実施形態に係る管理装置によれば、感染症の感染者数が所定数以上の状況下にあっても、清掃場所の清掃回数及び清掃場所への清掃員の配置を最適化することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 施設
11 施設用ドア
12 施設用センサ
13 トイレ
14 トイレ用ドア
15 トイレ用センサ
16 個室
17 ドア
18 センサ
19 通信装置
20 清掃員端末
30 管理装置
31 入力部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部
35 制御部
36 利用情報取得部
37 天候情報取得部
38 清掃情報出力部
39 派遣清掃員決定部
40 清掃管理者端末
100 インターネット
350 清掃員位置情報取得部
351 感染者情報取得部