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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022069982
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】梱包具および板状部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/22 20060101AFI20220502BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B65D5/22 Z
B65D5/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178968
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】514037549
【氏名又は名称】大洋紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】金丸 正明
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060AB18
3E060BA02
3E060BB03
3E060BC02
3E060CC12
3E060CC18
3E060CD04
3E060DA11
(57)【要約】
【課題】強度を向上させることができる梱包具および板状部材を提供する。
【解決手段】梱包具1は、物品50を梱包するために用いられる。梱包具1は、板状部材100を備える。板状部材100は、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、側面140と、第1支持面150とを有する。第1起立面120は、基準面110に接続する。第1起立面120は、基準面110に対して起立する。対向面130は、第1起立面120に接続する。対向面130は、基準面110に対向する。側面140は、対向面130に接続する。第1支持面150は、側面140に接続する。第1支持面150は、対向面130と基準面110とに接触する。第1支持面150は、基準面110に対して対向面130を支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を梱包するために用いられ、板状部材を備える梱包具であって、
前記板状部材は、
基準面と、
前記基準面に接続し、前記基準面に対して起立する第1起立面と、
前記第1起立面に接続し、前記基準面に対向する対向面と、
前記対向面に接続する側面と、
前記側面に接続し、前記対向面と前記基準面とに接触し、前記基準面に対して前記対向面を支持する第1支持面と
を有する、梱包具。
【請求項2】
前記第1支持面は、前記側面に対向する、請求項1に記載の梱包具。
【請求項3】
前記第1支持面は、前記側面に接触する、請求項1または請求項2に記載の梱包具。
【請求項4】
前記第1支持面は、
前記側面に接続する第1辺と、
前記第1辺に接続し、前記基準面側に位置する第2辺と、
前記第1辺に接続し、前記第2辺に対向し、前記対向面側に位置する第3辺と、
前記第2辺および前記第3辺に接続し、前記第1辺に対向する第4辺と
を有し、
前記第2辺は、前記第3辺に対して傾斜しており、
前記第2辺と前記第3辺との距離は、前記第1辺から離れるにしたがって長くなる、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の梱包具。
【請求項5】
前記板状部材は、前記側面に接続し、前記側面を介して前記対向面を支持する第2支持面をさらに有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の梱包具。
【請求項6】
前記板状部材は、
前記基準面に接続し、前記基準面に対して起立し、前記第1起立面と対向する第2起立面と、
前記対向面に接続し、前記基準面と接触する補助支持面と
をさらに有し、
前記補助支持面は、前記第2起立面に接触する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の梱包具。
【請求項7】
前記板状部材は、前記第2起立面に接続し、前記対向面の少なくとも一部を覆うカバー面をさらに有する、請求項6に記載の梱包具。
【請求項8】
前記カバー面は、
カバー本体部と、
前記カバー本体部から突起する突起部と
を有し、
前記対向面には、前記突起部が差し込み可能な差込口が形成されており、
前記対向面は、前記突起部が前記差込口に差し込まれた状態で、前記突起部の移動を規制する規制部を有する、請求項7に記載の梱包具。
【請求項9】
前記差込口は、
第1方向に延びる第1部分と、
前記第1方向における前記第1部分の両端から第2方向に延びる2つの第2部分と
を含み、
前記第2方向は、前記第1方向と交差しており、
前記規制部は、2つの前記第2部分の間に位置する、請求項8に記載の梱包具。
【請求項10】
前記突起部は、
突起本体部と、
前記突起本体部から張り出しており、前記突起本体部に対して折り曲げ可能な張出部と
を有し、
前記張出部を前記突起本体部に対して折り曲げることによって、前記突起部は前記差込口に差し込み可能であり、
前記張出部は、前記突起部が前記差込口に差し込まれた状態で、前記突起部の移動を規制する、請求項9に記載の梱包具。
【請求項11】
前記第1起立面は、
前記差込口に接続する一対の切込線と、
前記一対の切込線の間に位置する引出部と
を有する、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の梱包具。
【請求項12】
前記板状部材に取り付けられているフィルムをさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の梱包具。
【請求項13】
前記第1支持面は、前記フィルムを介して前記基準面に当接する、請求項12に記載の梱包具。
【請求項14】
前記板状部材は、折曲げ線を介して区画されており、
前記フィルムは、前記基準面の少なくとも一部を覆うように取り付けられており、
前記基準面は、
前記物品が配置される配置面と、
前記折曲げ線を介して前記配置面に隣接し折曲げ可能な折曲げ面と
を有し、
前記配置面と前記フィルムとの間の隙間に前記物品を配置可能であり、
前記配置面に対する前記折曲げ面の折曲げ状態が変化することに伴って、前記フィルムが前記物品に接触した状態で張られることにより、前記物品が前記板状部材に押し付けられるように構成されている、請求項12または請求項13記載の梱包具。
【請求項15】
物品を梱包するために用いられる梱包具用の板状部材であって、
組み立てられた状態において、
基準面と、
前記基準面に接続し、前記基準面に対して起立する第1起立面と、
前記第1起立面に接続し、前記基準面に対向する対向面と、
前記対向面に接続する側面と、
前記側面に接続し、前記対向面と前記基準面とに接触し、前記基準面に対して前記対向面を支持する第1支持面と
を構成する、板状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包具および板状部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を梱包するために段ボール箱のような梱包具が用いられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の梱包具(梱包箱)では、内フラップの1つとなる天井片に差込片が設けられている。特許文献1に記載の梱包具(梱包箱)では、差込片を差込孔に差し込むことによって、梱包具は組立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-205954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の梱包具では、強度が十分でない可能性ある。例えば、蓋面(天井片)が沈み込む可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は強度を向上させることができる梱包具および板状部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る梱包具は、物品を梱包するために用いられる。前記梱包具は、板状部材を備える。前記板状部材は、基準面と、第1起立面と、対向面と、側面と、第1支持面とを有する。前記第1起立面は、前記基準面に接続する。前記第1起立面は、前記基準面に対して起立する。前記対向面は、前記第1起立面に接続する。前記対向面は、前記基準面に対向する。前記側面は、前記対向面に接続する。前記第1支持面は、前記側面に接続する。前記第1支持面は、前記対向面と前記基準面とに接触する。前記第1支持面は、前記基準面に対して前記対向面を支持する。
【0007】
ある実施形態において、前記第1支持面は、前記側面に対向する。
【0008】
ある実施形態において、前記第1支持面は、前記側面に接触する。
【0009】
ある実施形態において、前記第1支持面は、第1辺と、第2辺と、第3辺と、第4辺とを有する。前記第1辺は、前記側面に接続する。前記第2辺は、前記第1辺に接続する。前記第2辺は、前記基準面側に位置する。前記第3辺は、前記第1辺に接続する。前記第3辺は、前記第2辺に対向する。前記第3辺は、前記対向面側に位置する。前記第4辺は、前記第2辺および前記第3辺に接続する。前記第4辺は、前記第1辺に対向する。前記第2辺は、前記第3辺に対して傾斜している。前記第2辺と前記第3辺との距離は、前記第1辺から離れるにしたがって長くなる。
【0010】
ある実施形態において、前記板状部材は、第2支持面をさらに有する。前記第2支持面は、前記側面に接続する。前記第2支持面は、前記側面を介して前記対向面を支持する。
【0011】
ある実施形態において、前記板状部材は、第2起立面と、補助支持面とをさらに有する。前記第2起立面は、前記基準面に接続する。前記第2起立面は、前記基準面に対して起立する。前記第2起立面は、前記第1起立面と対向する。前記補助支持面は、前記対向面に接続する。前記補助支持面は、前記基準面と接触する。前記補助支持面は、前記第2起立面に接触する。
【0012】
ある実施形態において、前記板状部材は、カバー面をさらに有する。前記カバー面は、記第2起立面に接続する。前記カバー面は、前記対向面の少なくとも一部を覆う。
【0013】
ある実施形態において、前記カバー面は、カバー本体部と、突起部とを有する。前記突起部は、前記カバー本体部から突起する。前記対向面には、差込口が形成されている。前記差込口には、前記突起部が差し込み可能である。前記対向面は、規制部を有する。前記規制部は、前記突起部が前記差込口に差し込まれた状態で、前記突起部の移動を規制する。
【0014】
ある実施形態において、前記差込口は、第1部分と、2つの第2部分とを含む。前記第1部分は、第1方向に延びる。前記2つの第2部分は、前記第1方向における前記第1部分の両端から第2方向に延びる。前記第2方向は、前記第1方向と交差している。前記規制部は、2つの前記第2部分の間に位置する。
【0015】
ある実施形態において、前記突起部は、突起本体部と、張出部とを有する。前記張出部は、前記突起本体部から張り出している。前記張出部は、前記突起本体部に対して折り曲げ可能である。前記張出部を前記突起本体部に対して折り曲げることによって、前記突起部は前記差込口に差し込み可能である。前記張出部は、前記突起部が前記差込口に差し込まれた状態で、前記突起部の移動を規制する。
【0016】
ある実施形態において、前記第1起立面は、一対の切込線と、引出部とを有する。前記一対の切込線は、前記差込口に接続する。前記引出部は、前記一対の切込線の間に位置する。
【0017】
ある実施形態において、前記梱包具は、フィルムをさらに備える。前記フィルムは、前記板状部材に取り付けられている。
【0018】
ある実施形態において、前記第1支持面は、前記フィルムを介して前記基準面に当接する。
【0019】
ある実施形態において、前記板状部材は、折曲げ線を介して区画されている。前記フィルムは、前記基準面の少なくとも一部を覆うように取り付けられている。前記基準面は、配置面と、折曲げ面とを有する。前記配置面には、前記物品が配置される。前記折曲げ面は、前記折曲げ線を介して前記配置面に隣接し折曲げ可能である。前記配置面と前記フィルムとの間の隙間に前記物品を配置可能である。前記配置面に対する前記折曲げ面の折曲げ状態が変化することに伴って、前記フィルムが前記物品に接触した状態で張られることにより、前記物品が前記板状部材に押し付けられるように構成されている。
【0020】
本発明に係る板状部材は、梱包具用である。前記梱包具は、物品を梱包するために用いられる。組み立てられた状態において、前記板状部材は、基準面と、第1起立面と、対向面と、側面と、第1支持面とを構成する。前記第1起立面は、前記基準面に接続する。前記第1起立面は、前記基準面に対して起立する。前記対向面は、前記第1起立面に接続する。前記対向面は、前記基準面に対向する。前記側面は、前記対向面に接続する。前記第1支持面は、前記側面に接続する。前記第1支持面は、前記対向面と前記基準面とに接触する。前記第1支持面は、前記基準面に対して前記対向面を支持する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る梱包具によれば、強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)および(b)は、本発明の実施形態1に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図2図1(a)に示す第1支持面の近傍の拡大図である。
図3】本発明の実施形態1に係る板の展開図である。
図4】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図5】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図6】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図7】(a)および(b)は、本発明の実施形態2に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図8】本発明の実施形態2に係る板の展開図である。
図9】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図10】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図11】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図12】本発明の実施形態3に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図13】本発明の実施形態3に係る板の展開図である。
図14】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図15】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図16】は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図17】本発明の実施形態4に係る梱包具の展開図である。
図18】本発明の実施形態4に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図19】(a)~(c)は、図18のXIX-XIX線に沿った模式的な断面図である。
図20】本発明の実施形態4に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図21】本発明の実施形態4に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図22】本発明の実施形態4の変形例に係る梱包具1の展開図である。
図23】(a)および(b)は、本発明の実施形態5に係る梱包具の模式的な斜視図である。
図24】本発明の実施形態5に係る板の展開図である。
図25】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図26】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図27】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図28】(a)および(b)は、梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図29】梱包具の組立て方法を示す斜視図である。
図30】(a)は、図29のXXXA-XXXA線に沿った模式的な断面図である。(b)は、差込口、規制部および突起部近傍の上面図である。
図31】第1支持面近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は鉛直上方向を示し、Z軸の負方向は鉛直下方向を示す。
【0024】
[実施形態1]
図1(a)および図1(b)を参照して、本発明の実施形態1に係る梱包具1について説明する。図1(a)および図1(b)は、本発明の実施形態1に係る梱包具1の模式的な斜視図である。図1(a)は、カバー面180を閉じた状態の梱包具1を示す。図1(b)は、カバー面180を開いた状態の梱包具1を示す。
【0025】
図1(a)および図1(b)に示すように、梱包具1は、板100を備える。板100は、「板状部材」の一例である。梱包具1は、物品を梱包するために用いられる。梱包具1は、直方体状である。
【0026】
板100は、厚みが5ミリメートル程度の、1枚の段ボール製である。板100は、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180とを有する。
【0027】
本明細書において、側面140aおよび側面140bを、側面140と総称する場合がある。また、本明細書において、第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150dを、第1支持面150と総称する場合がある。
【0028】
基準面110は、矩形状である。本実施形態では、基準面110には、物品が配置される。
【0029】
第1起立面120は、基準面110に接続する。詳しくは、第1起立面120は、基準面110の+X方向側の端部に接続する。第1起立面120は、基準面110に対して起立する。第1起立面120は、基準面110に対して+Z側方向に折り曲げられている。第1起立面120の長手方向は、Y軸に対して平行である。第1起立面120は、矩形状である。
【0030】
対向面130は、第1起立面120に接続する。対向面130は、矩形状である。対向面130は、第1起立面120に対して、-X側方向に折り曲げられている。すなわち、対向面130は、内側に折り曲げられている。対向面130は、基準面110に対向している。対向面130の長手方向は、Y軸に対して平行である。対向面130には、差込口132が形成される。差込口132は、矩形状である。差込口132は、後述する突起部182が差し込むことが可能である位置に形成される。差込口132のY軸方向に沿った長さは、突起部182のY軸方向に沿った長さと略等しい。したがって、突起部182を差込口132に差し込むことができる。
【0031】
側面140は、対向面130に接続する。詳しくは、側面140aは対向面130の-Y側方向の端部に接続する。側面140bは、対向面130の+Y側方向の端部に接続する。側面140aおよび側面140bは、矩形状である。側面140aは、対向面130に対して、-Z側方向に折り曲げられている。側面140bは、対向面130に対して、-Z側方向に折り曲げられている。すなわち、側面140aおよび側面140bは、下側に折り曲げられている。側面140aの長手方向および側面140bの長手方向は、X軸に対して平行である。
【0032】
第1支持面150は、側面140に接続する。詳しくは、第1支持面150aは、側面140aの+X側方向の端部に接続する。第1支持面150bは、側面140bの+X側方向の端部に接続する。第1支持面150cは、側面140aの-X側方向の端部に接続する。第1支持面150dは、側面140bの-X側方向の端部に接続する。第1支持面150は、対向面130と基準面110とに接触する。詳しくは、第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150dの各々は、対向面130と基準面110とに接触する。第1支持面150は、基準面110に対して対向面130を支持する。第1支持面150は、矩形状である。
【0033】
第1支持面150は、第1起立面120に対向する。詳しくは、第1支持面150aは、第1起立面120に対向する。第1支持面150bは、第1起立面120に対向する。第1支持面150は、第1起立面120に接触する。詳しくは、第1支持面150aは、第1起立面120に接触する。第1支持面150bは、第1起立面120に接触する。
【0034】
第2起立面160は、基準面110に接続する。詳しくは、第2起立面160は、基準面110の-X方向側の端部に接続する。すなわち、第2起立面160は、第1起立面120が接続する基準面110の端部とX軸方向において反対側の基準面110の端部に接続する。第2起立面160は、基準面110に対して起立する。第2起立面160は、基準面110に対して+Z側方向に折り曲げられている。第2起立面160は、第1起立面120と対向する。第2起立面160の長手方向は、Y軸に対して平行である。第2起立面160は、矩形状である。
【0035】
補助支持面170は、対向面130に接続する。詳しくは、補助支持面170aおよび補助支持面170bの各々は、対向面130のX側方向の端部に接続する。補助支持面170は、基準面110に接触する。詳しくは、補助支持面170aおよび補助支持面170bの各々は、基準面110に接触する。補助支持面170は、基準面110に対して対向面130を支持する。補助支持面170は、第2起立面160に接触する。詳しくは、補助支持面170aおよび補助支持面170bの各々は、第2起立面160に接触する。
【0036】
カバー面180は、第2起立面160に接続する。カバー面180は、対向面130の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、カバー面180は、対向面130の全てを覆う。カバー面180は、カバー本体部181と、突起部182とを有する。カバー本体部181は、矩形状である。突起部182は、カバー本体部181から突起する。突起部182は、矩形状である。突起部182を差込口132に差し込むことによって、カバー面180は対向面130に固定される。その結果、カバー面180を閉じることができる。
【0037】
図2を参照して、第1支持面150についてさらに説明する。図2は、図1(a)に示す第1支持面150aの近傍の拡大図である。図2において、境界42は、側面140aと対向面130との境界を示す。
【0038】
図2に示すように、第1支持面150aは、第1辺151と、第2辺152と、第3辺153と、第4辺154とを有する。第2辺152と、第3辺153とはY軸方向に延びる。第2辺152と、第3辺153とは対向する。第1辺151と、第4辺154とはZ軸方向に延びる。第1辺151と、第4辺154とは対向する。第1辺151は、側面140aに接続する。第2辺152は、第1辺151に接続する。第2辺152は、基準面110側に位置する。第3辺153は、第1辺151に接続する。第3辺153は、対向面130側に位置する。第4辺154は、第2辺152および第3辺153に接続する。第1辺151と第4辺154とは平行である。第2辺152と第3辺153とは平行である。第2辺152と第3辺153との距離は、一定である。
【0039】
図1(a)~図2を参照して説明したように、第1支持面150aは、対向面130と基準面110とに接触する。したがって、方向D1に力が加えられたとしても、第1支持面150aによって、対向面130が方向D1に凹むことを抑制することができる。その結果、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0040】
また、第1支持面150aは、対向面130と基準面110とに接触する。したがって、方向D2に力が加えられたとしても、第1支持面150aによって、対向面130が方向D2に凹むことを抑制することができる。その結果、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0041】
また、仮に、第1支持面150aが無かった場合、方向D3に力が加えられた場合、境界42を軸として、側面140aは方向D4へ回動する。換言すれば、第1支持面150aが無かった場合、方向D3に力が加えられた場合、側面140aの下端が方向D3へ凹む可能性がある。一方、図2に示すように、第1支持面150aがある場合、方向D3に力が加えられたとしても、第1支持面150aが、対向面130と基準面110とに接触しているため、第1支持面150aの第3辺153によって、側面140aが方向D4へ回動することを抑制することができる。したがって、方向D3に力が加えられたとしても、側面140aの下端が方向D3に凹むことを抑制することができる。その結果、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0042】
また、仮に、第1支持面150aが無かった場合、方向D5に力が加えられた場合、境界42を軸として、側面140aは方向D6へ回動する。換言すれば、第1支持面150aが無かった場合、方向D5に力が加えられた場合、側面140aの下端が方向D5へ飛び出す可能性がある。一方、図2に示すように、第1支持面150aがある場合、方向D5に力が加えられたとしても、第1支持面150aが、対向面130と基準面110とに接触しているため、第1支持面150aの第2辺152によって、側面140aが方向D6へ回動することを抑制することができる。したがって、方向D5に力が加えられたとしても、側面140aの下端が方向D5に飛び出すことを抑制することができる。その結果、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0043】
図1(a)、図1(b)および図3を参照して、本発明の実施形態1に係る板100についてさらに説明する。図3は、本発明の実施形態1に係る板100の展開図である。
【0044】
図3に示すように、板100は、シート状である。板100は、物品を梱包するために用いられる梱包具用の部材である。板100を組み立てることによって、図1(a)に示す梱包具1が組み立てられる。したがって、板100は、組み立てられた状態において、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180とを構成する。
【0045】
次に、図1(a)、図1(b)および図4(a)~図6(b)を参照して、梱包具1の組立て方法について説明する。図4(a)~図6(b)は、梱包具1の組立て方法を示す斜視図である。
【0046】
図4(a)に示す状態から、図4(b)に示すように、側面140aを+Z側方向に折り曲げる。また、側面140bを+Z側方向に折り曲げる。
【0047】
次に、図4(b)に示す状態から、図5(a)に示すように、第1支持面150aを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150bを-Y側方向に折り曲げる。第1支持面150cを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150dを-Y側方向に折り曲げる。
【0048】
次に、図5(a)に示す状態から、図5(b)に示すように、補助支持面170aおよび補助支持面170bを+Z側方向に折り曲げる。
【0049】
次に、図5(b)に示す状態から、図6(a)に示すように、対向面130を+Z側方向に折り曲げてから、第1起立面120を+Z側方向に折り曲げる。その結果、図1(a)および図1(b)を参照して説明したように、第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150dが、対向面130と基準面110とに接触する。
【0050】
次に、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示すように、第2起立面160を+Z側方向に折り曲げる。
【0051】
次に、図6(b)に示す状態から、突起部182を+X側方向に折り曲げてから、カバー面180を+X側方向に折り曲げることによって、突起部182を差込口132に差し込む。突起部182が差込口132に差し込まれることによって、カバー面180は対向面130に固定される。その結果、図1(a)に示すように、カバー面180を閉じることができる。
【0052】
以上、図1図6(b)を参照して説明したように、第1支持面150は、対向面130と基準面110とに接触する。第1支持面150は、基準面110に対して対向面130を支持する。したがって、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0053】
また、補助支持面170は、対向面130に接続し、基準面110と接触する。したがって、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0054】
[実施形態2]
図7(a)および図7(b)を参照して、本発明の実施形態2に係る梱包具1について説明する。図7(a)および図7(b)は、本発明の実施形態2に係る梱包具1の模式的な斜視図である。図7(a)は、カバー面180を閉じた状態の梱包具1を示す。図7(b)は、カバー面180を開いた状態の梱包具1を示す。板100が第2支持面190aおよび第2支持面190bを有している点で、実施形態2に係る梱包具1は、実施形態1に係る梱包具1と異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0055】
図7(a)および図7(b)に示すように、板100は、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180とに加えて、さらに、2つの第2支持面(第2支持面190aおよび第2支持面190b)を有する。
【0056】
本明細書において、第2支持面190aおよび第2支持面190bを、第2支持面190と総称する場合がある。
【0057】
第2支持面190は、側面140に接続する。詳しくは、第2支持面190aは、側面140aの-Z側方向の端部に接続する。第2支持面190bは、側面140bの-Z側方向の端部に接続する。第2支持面190aおよび第2支持面190bは、矩形状である。第2支持面190aは、側面140aに対して、+Y側方向に折り曲げられている。第2支持面190bは、側面140bに対して、-Y側方向に折り曲げられている。すなわち、第2支持面190aおよび第2支持面190bは、内側に折り曲げられている。第2支持面190aの長手方向および第2支持面190bの長手方向は、X軸に対して平行である。第2支持面190の長手方向は、側面140の長手方向と平行である。詳しくは、第2支持面190aの長手方向は、側面140aの長手方向と平行である。第2支持面190bの長手方向は、側面140bの長手方向と平行である。
【0058】
第2支持面190は、側面140を介して対向面130を支持する。詳しくは、第2支持面190aは、側面140aを介して対向面130を支持する。第2支持面190bは、側面140bを介して対向面130を支持する。したがって、対向面130の強度をさらに向上させることができる。その結果、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0059】
図7(a)、図7(b)および図8を参照して、本発明の実施形態1に係る板100についてさらに説明する。図8は、本発明の実施形態2に係る板100の展開図である。
【0060】
図8に示すように、板100は、シート状である。板100は、物品を梱包するために用いられる梱包具用の部材である。板100を組み立てることによって、図7(a)に示す梱包具1が組み立てられる。したがって、板100は、組み立てられた状態において、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180と、2つの第2支持面(第2支持面190aおよび第2支持面190b)とを構成する。
【0061】
次に、図7および図9(a)~図11(b)を参照して、梱包具1の組立て方法について説明する。図9(a)~図11(b)は、梱包具1の組立て方法を示す斜視図である。
【0062】
図9(a)に示す状態から、図9(b)に示すように、側面140aを+Z側方向に折り曲げてから、第2支持面190aを+Y側方向に折り曲げる。また、側面140bを+Z側方向に折り曲げてから、第2支持面190bを-Y側方向に折り曲げる。
【0063】
次に、図9(b)に示す状態から、図10(a)に示すように、第1支持面150aを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150bを-Y側方向に折り曲げる。第1支持面150cを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150dを-Y側方向に折り曲げる。
【0064】
次に、図10(a)に示す状態から、図10(b)に示すように、補助支持面170aおよび補助支持面170bを+Z側方向に折り曲げる。
【0065】
次に、図10(b)に示す状態から、図11(a)に示すように、対向面130を+Z側方向に折り曲げてから、第1起立面120を+Z側方向に折り曲げる。その結果、第2支持面190aおよび第2支持面190bが基準面110に当接する。
【0066】
次に、図11(a)に示す状態から、図11(b)に示すように、第2起立面160を+Z側方向に折り曲げる。
【0067】
次に、図11(b)に示す状態から、突起部182を+X側方向に折り曲げてから、カバー面180を+X側方向に折り曲げることによって、突起部182を差込口132に差し込む。突起部182が差込口132に差し込まれることによって、カバー面180は対向面130に固定される。その結果、図7(a)に示すように、カバー面180を閉じることができる。
【0068】
以上、図7図11(b)を参照して説明したように、第2支持面190は、側面140を介して対向面130を支持する。したがって、対向面130の強度をさらに向上させることができる。その結果、梱包具1の強度をさらに向上させることができる。
【0069】
[実施形態3]
図12を参照して、本発明の実施形態3に係る梱包具1について説明する。図12は、本発明の実施形態3に係る梱包具1の模式的な斜視図である。板100が2つの補助支持面170を有していない点、および、板100がカバー面180を有していない点で、実施形態3に係る梱包具1は、実施形態2に係る梱包具1と異なる。以下、実施形態3が実施形態2と異なる点を主に説明する。
【0070】
図12に示すように、板100は、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの第2支持面(第2支持面190aおよび第2支持面190b)とを有する。本実施形態では、板100は、カバー面180を有していない。したがって、本実施形態では、対向面130が天面を構成している。
【0071】
本実施形態においても、第1支持面150は、対向面130と基準面110とに接触する。第1支持面150は、基準面110に対して対向面130を支持する。したがって、梱包具1の強度を向上させることができる。
【0072】
さらに、第2支持面190は、側面140を介して対向面130を支持する。したがって、対向面130の強度をさらに向上させることができる。その結果、梱包具1の強度をさらに向上させることができる。
【0073】
図12および図13を参照して、本発明の実施形態1に係る板100についてさらに説明する。図13は、本発明の実施形態3に係る板100の展開図である。
【0074】
図13に示すように、板100は、シート状である。板100は、物品を梱包するために用いられる梱包具用の部材である。板100を組み立てることによって、図12に示す梱包具1が組み立てられる。したがって、板100は、組み立てられた状態において、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの第2支持面(第2支持面190aおよび第2支持面190b)とを構成する。
【0075】
第2起立面160は、差込部162を有する。差込部162は、台形状である。
【0076】
次に、図12および図14(a)~図16を参照して、梱包具1の組立て方法について説明する。図14(a)~図16は、梱包具1の組立て方法を示す斜視図である。
【0077】
図14(a)に示す状態から、図14(b)に示すように、側面140aを+Z側方向に折り曲げてから、第2支持面190aを+Y側方向に折り曲げる。また、側面140bを+Z側方向に折り曲げてから、第2支持面190bを-Y側方向に折り曲げる。
【0078】
次に、図14(b)に示す状態から、図15(a)に示すように、第1支持面150aを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150bを-Y側方向に折り曲げる。第1支持面150cを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150dを-Y側方向に折り曲げる。
【0079】
次に、図15(a)に示す状態から、図15(b)に示すように、対向面130を+Z側方向に折り曲げる。
【0080】
次に、図15(b)に示す状態から、図16に示すように、第1起立面120を+Z側方向に折り曲げる。その結果、第2支持面190aおよび第2支持面190bが基準面110に当接する。
【0081】
次に、図16に示す状態から、差込部162を+Z側方向に折り曲げてから、第2起立面160を+Z側方向に折り曲げることによって、差込部162を対向面130の下部に差し込む。その結果、図12に示すように、梱包具1を組み立てることができる。
【0082】
以上、図12図16を参照して説明したように、本実施形態でも、実施形態2と同様に、第2支持面190は、側面140を介して対向面130を支持する。したがって、対向面130の強度をさらに向上させることができる。その結果、梱包具1の強度をさらに向上させることができる。
【0083】
[実施形態4]
図17および図18を参照して、本発明の実施形態4に係る梱包具1について説明する。図17は、本発明の実施形態4に係る梱包具1の展開図である。図18は、本発明の実施形態4に係る梱包具1の模式的な斜視図である。図17では、図面を見易くするために、フィルム30を二点鎖線で示している。梱包具1がフィルム30を備えている点と、板100に折曲げ線21が設けられている点で、実施形態4に係る梱包具1は、実施形態1に係る梱包具1と異なる。以下、実施形態4が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0084】
図17および図18に示すように、梱包具1は、板100に加えて、さらにフィルム30を備える。図18に示すように、本実施形態では、フィルム30は筒状である。板100には、フィルム30が取り付けられている。詳しくは、板100には、フィルム30が巻かれている。
【0085】
本実施形態では、梱包具1は、フィルム30と、例えば段ボール製の板100とを組み合わせて構成されている。梱包具1は、フィルム30により物品を板100に押さえつけることにより、物品を定位置に固定することができる。板100を折り曲げた状態で板100の接地面とフィルム30との間で広がる隙間に物品を配置できる。板100の折曲げ状態が変化することに伴って、フィルム30を張り、フィルム30により物品を固定することができる。
【0086】
図17に示すように、板100には、折曲げ線21が設けられている。折曲げ線21は、例えば、いわゆる筋付けローラーや筋付け刃を押し付けることにより形成される。折曲げ線21は、ミシン目加工が行われるようにしてもよい。
【0087】
折曲げ線21は、X軸に平行に配置されている。折曲げ線21は、基準面110、第1起立面120、対向面130、第2起立面160、補助支持面170bおよびカバー面180に亘って延びている。したがって、板100は、折曲げ線21について、+Y方向側端部が上方に変位するように容易に折り曲げることができる。本実施形態では、折曲げ線21は、板100のY軸方向において中央よりも+Y方向側にオフセットされている。すなわち、折曲げ線21は、板100の中心からずれた位置に位置する。
【0088】
基準面110は、配置面111と、折曲げ面112とを有する。配置面111と、折曲げ面112との間には、折曲げ線21が配置されている。換言すると、配置面111と、折曲げ面112とは、折曲げ線21を介して区画されている。配置面111は、基準面110の-Y方向側に、折曲げ面112は、基準面110の+Y方向側にそれぞれ配置されている。
【0089】
配置面111には、物品が配置される。折曲げ面112は、折曲げ線21を介して配置面111に隣接する。折曲げ面112は、折曲げ可能である。詳しくは、基準面110は、折曲げ面112が、配置面111に対して、折曲げ線21で折り曲げ可能である。
【0090】
フィルム30は、例えばポリエチレン製で伸縮性(可撓性)を有するフィルムである。フィルム30は、無色透明であるが、これに限られず、いわゆる半透明や不透明であってもよいし、着色されていてもよい。
【0091】
フィルム30は、基準面110の少なくとも一部を覆うように取り付けられている。本実施形態では、フィルム30は、基準面110の全てを覆うように取り付けられている。詳しくは、フィルム30は、板100のうち、主に、基準面110、第2起立面160、カバー面180を囲むように配置されている。筒状のフィルム30の幅方向(周方向に直交する方向)がY軸方向になるように、フィルム30が配置されている。換言すると、フィルム30は、折曲げ線21がフィルム30が形成する筒の内部を貫くようにして、板100に巻かれている。
【0092】
フィルム30は、板100に、種々の方法で取り付けられればよい。例えば、予め環状に形成されたフィルム30の内部に板100を通すことでフィルム30が板100に取り付けられる。また、例えば、帯掛包装機などを用いて、板100に対してフィルム30を少なくとも1周巻回し、フィルム30どうしを接着することで、フィルム30が板100に取り付けられる。フィルム30が板100に取り付けられている状態で、板100は、折曲げ線21で折り曲げ可能である。
【0093】
次に、図18図21を参照して、梱包具1を用いて物品50を配置する方法について説明する。図19(a)~図19(c)は、図18のXIX-XIX線に沿った模式的な断面図である。図20および図21は、本発明の実施形態4に係る梱包具1の模式的な斜視図である。図19(a)~図19(c)において上から下に、ステップS11、S12、S13を順にたどるようにして、梱包具1を用いた物品の固定が行われる。
【0094】
図19(a)に示すように、展開状態の梱包具1は、平板状である(S11)。この状態から、図に上向き矢印で示すように、板100を折曲げ線21において折り曲げて折曲げ面112を配置面111に近づけ、折曲げ状態にする(折り曲げステップ)(図20参照)。
【0095】
次に、板100が折り曲げられた状態で、配置面111とフィルム30との間の隙間Aに、物品50が配置される(S12;配置ステップ)。このように、梱包具1は、折曲げ線21で折曲げ面112が配置面111に対して折り曲げられた状態(以下、折曲げ状態ということがある)にされる。梱包具1が折曲げ状態であるとき、フィルム30と板100の上面との間の隙間Aに物品50を配置可能である。
【0096】
その後、図に下向き矢印で示すように、折曲げ面112を配置面111に対して展開し、展開状態とする(S13)。そうすると、フィルム30が物品50の上部に接触した状態で張られる。それにより、物品50が板100に押し付けられた状態となる(展開ステップ)。
【0097】
図21は、梱包が行われて展開状態とされた梱包具1を示す斜視図である。
【0098】
図21に示すように、展開ステップが行われると、側面視で、板100の前端部、後端部、折曲げ線21の折り目部分、および物品50の上部を直線で結ぶ経路の長さが、物品50が配置されていることにより、当初の展開状態よりも大きくなる。フィルム30は、物品50の上部に接触した状態で、若干伸長しながら張られる。そのため、フィルム30により、物品50が板100に押し付けられる。このようにして、物品50を板100に固定することができる。
【0099】
図21に示すように、物品50を板100に固定した後に、図4(a)~図6(b)を参照して説明したように、梱包具1を組み立てることによって、物品50の梱包が行われる。
【0100】
本実施形態では、第1支持面150は、フィルム30を介して基準面110に当接する。このため、第1支持面150によって、フィルム30が押さえつけられる。したがって、フィルム30により、物品50が板100に押し付けられる力を強くすることができる。その結果、物品50がずれることを抑制することができる。
【0101】
図17図21を参照して説明した梱包具1では、フィルム30は、板100のうち、主に、基準面110、第2起立面160、カバー面180を囲むように配置されていたが、本発明はこれに限定されない。図22は、本発明の実施形態4の変形例に係る梱包具1の展開図である。図22に示すように、板100のうち、主に、基準面110、第2起立面160を囲むように配置されていてもよい。
【0102】
[実施形態5]
図23(a)および図23(b)を参照して、本発明の実施形態5に係る梱包具1について説明する。図23(a)および図23(b)は、本発明の実施形態5に係る梱包具1の模式的な斜視図である。図23(a)は、カバー面180を閉じた状態の梱包具1を示す。図23(b)は、カバー面180を開いた状態の梱包具1を示す。第1支持面150(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)の形状が異なる点と、カバー面180の閉じ方が異なる点と、対向面130に開口136が形成されている点とで、実施形態5に係る梱包具1は、実施形態1に係る梱包具1と異なる。以下、実施形態5が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0103】
図23(a)および図23(b)に示すように、板100は、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180とを有する。なお、図23(a)および図23(b)では、第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)とは隠れており見えていない。
【0104】
カバー面180は、カバー本体部181と、突起部182とを有する。本実施形態では、突起部182は、突起本体部1822と、張出部(張出部1824aおよび張出部1824b)とを有する。本明細書において、張出部1824aおよび張出部1824bを、張出部1824と総称する場合がある。張出部1824は、突起本体部1822から張り出している。張出部1824は、突起本体部1822に対して折り曲げ可能である。張出部1824を突起本体部1822に対して折り曲げることによって、突起部182は差込口132に差し込み可能である。
【0105】
対向面130には、差込口132が形成されている。本実施形態では、差込口132は、第1部分1322と、2つの第2部分(第2部分1324aおよび第2部分1324b)とを含む。本明細書において、第2部分1324aおよび第2部分1324bを、第2部分1324と総称する場合がある。第1部分1322は、第1方向(Y軸方向)に延びる。第1方向は、第1起立面120が延びる方向に平行である。第2部分1324は、第1方向における第1部分1322の両端から第2方向(X軸方向)に延びる。詳しくは、第2部分1324aは、第1部分1322の-Y方向側の端部から、-X方向側に延びる。第2部分1324bは、第1部分1322の+Y方向側の端部から、-X方向側に延びる。第2方向は、第1方向に交差している。本実施形態では、第2方向は、第1方向に直交している。差込口132には、突起部182が差し込み可能である。詳しくは、第1部分1322には、突起本体部1822が差し込み可能である。第2部分1324aには、張出部1824aが差し込み可能である。第2部分1324bには、張出部1824bが差し込み可能である。張出部1824は、突起部182が差込口132に差し込まれた状態で、突起部182の移動を規制する。張出部1824による突起部182の移動の規制については、図30(b)を参照して後述する。
【0106】
対向面130は、規制部134を有する。規制部134は、矩形状である。規制部134は、2つの第2部分(第2部分1324aおよび第2部分1324b)の間に位置する。規制部134は、突起部182が差込口132に差し込まれた状態で、突起部182の移動を規制する。規制部134による突起部182の移動の規制については、図30(a)を参照して後述する。
【0107】
対向面130には、開口136がさらに形成される。開口136は、略矩形状である。開口136は、角が丸みをおびている。開口136が形成されていることによって、カバー面180を開けた時に、梱包具1に梱包されている物品を視認することができる。
【0108】
第1起立面120は、一対の切込線(切込線122aおよび切込線122b)と、引出部124とを有する。本明細書において、切込線122aおよび切込線122bを、切込線122と総称する場合がある。切込線122aおよび切込線122bは、差込口132に接続する。切込線122aおよび切込線122bは、例えば、ミシン目である。引出部124は、一対の切込線122(切込線122aおよび切込線122b)の間に位置する。引出部124は、切込線122aおよび切込線122bに沿って、引出部124のY軸方向の両端部が引き裂かれることによって、手前側(+X方向側)に引き出すことができる。引出部124の上端は、第1起立面120の引出部124以外の部分に比べて突出している。したがって、引出部124の先端部を持って、引出部124を引き出しやすい。
【0109】
図23(a)、図23(b)および図24を参照して、本発明の実施形態5に係る板100についてさらに説明する。図24は、本発明の実施形態5に係る板100の展開図である。
【0110】
図24に示すように、板100は、シート状である。板100は、物品を梱包するために用いられる梱包具用の部材である。板100を組み立てることによって、図23(a)に示す梱包具1が組み立てられる。したがって、板100は、組み立てられた状態において、基準面110と、第1起立面120と、対向面130と、2つの側面(側面140aおよび側面140b)と、4つの第1支持面(第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150d)と、第2起立面160と、2つの補助支持面(補助支持面170aおよび補助支持面170b)と、カバー面180とを構成する。
【0111】
第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150dは、略台形状である。第2辺152は、第3辺153に対して傾斜している。第2辺152と第3辺153との距離は、第1辺151から離れるにしたがって長くなる。
【0112】
次に、図23および図25(a)~図30(b)を参照して、梱包具1の組立て方法について説明する。図25(a)~図29は、梱包具1の組立て方法を示す斜視図である。図30(a)は、図29のXXXA-XXXA線に沿った模式的な断面図である。図30(b)は、差込口132、規制部134および突起部182近傍の上面図である。
【0113】
図25(a)に示す状態から、図25(b)に示すように、側面140aを+Z側方向に折り曲げる。また、側面140bを+Z側方向に折り曲げる。
【0114】
次に、図25(b)に示す状態から、図26(a)に示すように、第1支持面150aを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150bを-Y側方向に折り曲げる。第1支持面150cを+Y側方向に折り曲げる。第1支持面150dを-Y側方向に折り曲げる。
【0115】
次に、図26(a)に示す状態から、図26(b)に示すように、補助支持面170aおよび補助支持面170bを+Z側方向に折り曲げる。
【0116】
次に、図26(b)に示す状態から、図27(a)に示すように、対向面130を+Z側方向に折り曲げてから、第1起立面120を+Z側方向に折り曲げる。その結果、第1支持面150a、第1支持面150b、第1支持面150cおよび第1支持面150dが、対向面130と基準面110とに接触する。
【0117】
次に、図27(a)に示す状態から、図27(b)に示すように、第2起立面160を+Z側方向に折り曲げる。
【0118】
次に、図27(b)に示す状態から、図28(a)に示すように、張出部1824aと張出部1824aとを+X側方向に折り曲げる。
【0119】
次に、図28(a)に示す状態から、図28(b)に示すように、突起本体部1822を+X側方向に折り曲げる。
【0120】
次に、カバー面180を+X側方向に折り曲げることによって、突起部182を差込口132に差し込む。詳しくは、突起部182の突起本体部1822を差込口132の第1部分1322に通過させて、かつ、突起部182の張出部1824aを差込口132の第2部分1324aに通過させて、かつ、突起部182の張出部1824bを差込口132の第2部分1324bに通過させて、突起部182を差込口132に差し込む。
【0121】
突起部182が差込口132に差し込まれると、図30(a)に示すように、規制部134の先端が突起本体部1822に接触する。このため、突起部182が差込口132に差し込まれた状態で、規制部134によって突起部182の上側への移動が規制される。したがって、突起部182が差込口132から抜けることを抑制することができる。その結果、カバー面180は対向面130に強固に固定される。このため、テープまたは糊を使用せずに図29に示すように、カバー面180を閉じることができる。
【0122】
また、突起部182が差込口132に差し込まれると、図29および図30(b)に示すように段ボールの復元力によって、張出部1824aおよび張出部1824bが開いた状態に戻る。したがって、張出部1824aは、差込口132の第2部分1324aよりも外側(-Y方向側)に位置する。また、張出部1824bは、差込口132の第2部分1324bよりも外側(+Y方向側)に位置する。このため、張出部1824が差込口132に差し込まれた状態で、張出部1824によって突起部182の上側への移動が規制される。したがって、突起部182が差込口132から抜けることを抑制することができる。その結果、カバー面180は対向面130に強固に固定される。このため、テープまたは糊を使用せずに図29に示すように、カバー面180を閉じることができる。
【0123】
カバー面180を開ける場合は、切込線122aおよび切込線122bに沿って、引出部124のY軸方向の両端部が引き裂かれることによって、手前側(+X方向側)に引き出す。したがって、突起部182を露出させることができる。突起部182を差込口132に通過させて、突起部182を上側(+Z方向側)に引き上げることができる。その結果、カバー面180を開けることができる。
【0124】
図31を参照して、第1支持面150についてさらに説明する。図31は、第1支持面150a近傍の拡大図である。
【0125】
図24を参照して説明したように、第2辺152は第3辺153に対して傾斜している。また、第2辺152と第3辺153との距離は、第1辺151から離れるにしたがって長くなる。したがって、図31に示すように、第2辺152が基準面110に接触することによって、第1辺151は、Z軸方向に対して梱包具1の内側(+Y方向側)に傾斜する。したがって、第1支持面150aに連動して、側面140aがZ軸方向に対して梱包具1の内側(+Y方向側)に傾斜するように動く。その結果、側面140aの下端149が基準面110の-Y方向側の端部119よりも内側に配置される。段ボールの復元力によって、対向面130に対して折り曲げられている側面140aは、外側に広がろうとする。その結果、側面140aの下端149と基準面110の-Y方向側の端部119との間に隙間が生じやすくなる。しかしながら、本実施形態では、第1支持面150によって、側面140aの下端149が基準面110の-Y方向側の端部119よりも内側に配置される。その結果、側面140aの下端149と基準面110の-Y方向側の端部119との間に隙間が生じることを抑制することができる。第1支持面150cは、第1支持面150aと同様の構成を有するため、第1支持面150cに連動して、側面140aの下端149が、基準面110のY軸方向の端部119よりも内側に配置される。同様に、第1支持面150bと第1支持面150dは、第1支持面150aと同様の構成を有するため、第1支持面150bと第1支持面150dに連動して、側面140bの下端149が、基準面110の+Y方向側の端部119よりも内側に配置される。その結果、側面140bの下端149と基準面110の+Y方向側の端部119との間に隙間が生じることを抑制することができる。
【0126】
以上、図23(a)~図31を参照して説明したように、カバー面180は、カバー本体部181と、突起部182とを有する。突起部182は、カバー本体部181から突起する。対向面130には、差込口132が形成されている。差込口132には、突起部182が差し込み可能である。対向面130は、規制部134を有する。規制部134は、突起部182が差込口132に差し込まれた状態で、突起部182の移動を規制する。したがって、突起部182が差込口132から抜けることを抑制することができる。その結果、カバー面180は対向面130に強固に固定される。このため、テープまたは糊を使用せずに図29に示すように、カバー面180を閉じることができる。
【0127】
なお、本実施形態でも、実施形態4と同様に、梱包具1がフィルム30をさらに備えていてもよい。この場合、実施形態4と同様に、板100に折曲げ線21が設けられる。
【0128】
以上、図面(図1図31)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0129】
(1)フィルム30は筒状であったが、フィルム30は筒状であったが本発明はこれに限定されない。例えば、フィルム30はシート状であってもよい。この場合、フィルム30を板100に接着することによって、フィルム30が板100に取り付けられるようにしてもよい。
【0130】
(2)板やフィルムの材質は、上述の実施形態に限られるものではない。板として、段ボールのほか、厚紙類を用いてもよい。また、板は、紙製に限らず、ポリエチレンまたはゴムのような樹脂製であってもよい。板が、ゴム製の場合、板を展開状態にした場合、板の反発力によってフィルムにテンションがかかるようにすることが可能となる。板は、折り曲げられ、その後再び展開できる板状部材であればよい。フィルムは、ポリエチレンまたはゴムのような樹脂製に限らず、繊維製であってもよいし、紙製であってもよい。紙製のフィルムは、例えば、上質紙、いわゆる印刷用紙である。フィルムが紙の場合、フィルムに印刷を施すことによって、容易に文字および模様をフィルムに付すことができる。また、フィルムが紙の場合、フィルムに印刷を施すことによって、容易にフィルムを着色することができる。なお、フィルムは、和紙でもよい。フィルムが和紙の場合、フィルムが伸縮性を有する。なお、フィルムは、布でもよい。フィルムは、例えば、不透明である。フィルムが樹脂製である場合、フィルムの端部は、溶着によって板に固定されてもよい。フィルムは伸縮性を有していても、有していなくてもよい。板を展開状態にした場合、フィルムにテンションがかかるようにするため、フィルムは伸縮性を有することが好ましい。
【符号の説明】
【0131】
1 梱包具
21 折曲げ線
30 フィルム
50 物品
100 板(板状部材)
110 基準面
111 配置面
112 折曲げ面
120 第1起立面
122、122a、122b 切込線
124 引出部
130 対向面
132 差込口
134 規制部
140、140a、140b 側面
150、150a、150b、150c、150d 第1支持面
151 第1辺
152 第2辺
153 第3辺
154 第4辺
160 第2起立面
170、170a、170b 補助支持面
180 カバー面
181 カバー本体部
182 突起部
190、190a、190b 第2支持面
1322 第1部分
1324、1324a、1324b 第2部分
1822 突起本体部
1824、1824a、1824b 張出部
A 隙間
図1
図2
図3
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