(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070054
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
H04M1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179070
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢朗
(72)【発明者】
【氏名】中尾 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】宮本 翔平
(72)【発明者】
【氏名】大森 幹也
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA05
5K023BB03
5K023CC02
5K023LL06
(57)【要約】
【課題】本体ケースの前面にスピーカ孔を設けなくてもよい上、本体ケースの前後方向での厚みが増すこともないインターホン機器を提供する。
【解決手段】後ケース3の後面に、前方へ凹んでいるとともに後ケース3の周面に開口する報音凹部11、13を設け、後ケース3の後面における報音凹部11内となる箇所にスピーカ孔12、12・・を開設している一方、本体ケース内において、スピーカ孔12、12・・の前側に後方を向いた姿勢でスピーカ14を設置している。したがって、従来のように本体ケースの前面にスピーカ孔を設けていないため、デザインの優れたインターホン親機1とすることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの後面を設置面側へ向けた姿勢で設置されるインターホン機器であって、
前記本体ケースの後面に、前方へ凹んでいるとともに前記本体ケースの周面に開口する報音凹部が設けられ、前記本体ケースの後面における前記報音凹部内となる箇所にスピーカ孔が開設されている一方、
前記本体ケース内において、前記スピーカ孔の前側に後方を向いた姿勢でスピーカが設置されていることを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばインターホン親機等のスピーカが内蔵されたインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン親機等の一般的なインターホン機器には、音声を報音するためのスピーカが設けられている。また、該スピーカからの報音構造としては、たとえば特許文献1に記載されているように、インターホン機器の本体ケースの前面にスリット状のスピーカ孔を設けるとともに、スピーカ孔の後側にスピーカを前方へ向けて設置して、音声を前側に報音させるようにしたものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インターホン機器におけるデザインの多様化等の理由から、本体ケースの前面にスピーカ孔を設けたくないという要望がある。そのため、本体ケースの側面等の周面にスピーカ孔を設けることも考えられるが、スピーカを側方へ向けて設置するとなると、本体ケースの前後方向での厚みが非常に厚くなってしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、本体ケースの前面にスピーカ孔を設けなくてもよい上、本体ケースの前後方向での厚みが増すこともないインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、本体ケースの後面を設置面側へ向けた姿勢で設置されるインターホン機器であって、本体ケースの後面に、前方へ凹んでいるとともに本体ケースの周面に開口する報音凹部が設けられ、本体ケースの後面における報音凹部内となる箇所にスピーカ孔が開設されている一方、本体ケース内において、スピーカ孔の前側に後方を向いた姿勢でスピーカが設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体ケースの後面に、前方へ凹んでいるとともに本体ケースの周面に開口する報音凹部を設け、本体ケースの後面における報音凹部内となる箇所にスピーカ孔を開設する一方、本体ケース内において、スピーカ孔の前側に後方を向いた姿勢でスピーカを設置している。したがって、従来のように本体ケースの前面にスピーカ孔を設けていないため、デザインの優れたインターホン機器とすることができる。また、スピーカを後方へ向けて設置するため、本体ケースの前後方向での厚みは従来と変わらない。さらに、報音凹部内にスピーカ孔を設けるとともに、報音凹部を本体ケースの周面に開口させているため、スピーカから出力される音声は本体ケースの後方へ(すなわち設置面側へ)向かって出力されるものの、その音声を十分な音量及び音質でインターホン機器の周囲に報音させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】インターホン親機の前面側を示した説明図である。
【
図2】インターホン親機の後面側を示した説明図である。
【
図3】分解状態にあるインターホン親機を前側から示した斜視説明図である。
【
図4】分解状態にあるインターホン親機を後側から示した斜視説明図である。
【
図6】
図2中のA-A線におけるスピーカ部の部分を示した断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン親機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン親機1の前面側を示した説明図である。
図2は、インターホン親機1の後面側を示した説明図である。
図3は、分解状態にあるインターホン親機1を前側から示した斜視説明図である。
図4は、分解状態にあるインターホン親機1を後側から示した斜視説明図である。
図5は、スピーカ部10を拡大して示した説明図である。
図6は、
図2中のA-A線におけるスピーカ部10の部分を示した断面説明図である。
【0011】
インターホン親機1は、前側に配置される前ケース2、前ケース2の後側に組み付けられる後ケース3、及び前ケース2の前面に組み付けられるパネル部材7で構成される本体ケースを有してなるもので、本体ケースの前面には、インターホン子機(図示せず)で撮像された映像等を表示する表示部4が設けられている。また、本体ケースの前面で表示部4の右側には、インターホン子機との間で通話するためのマイク部6が設けられている。さらに、本体ケースの前面で表示部4の下側には、インターホン子機からの呼び出しに対して応答する際に操作する応答ボタン5、及び自身の設定等のための各種ボタン9、9・・等が設けられている。一方、本体ケースの後面における左上部(前から見て)には、インターホン子機との間で通話するためのスピーカ部10が設けられている。そして、このようなインターホン親機1は、居室内の壁面等が設置面とされて、本体ケースの後面を設置面側へ向けた姿勢で設置されており、インターホン子機からの呼び出しに応じて表示部4に映像を表示するとともに、応答ボタン5が操作されたことをもって、インターホン子機との間での通話を可能な状態とする。なお、8は透明板であって、パネル部材7を構成する要素の1つである。
【0012】
ここで、本発明の要部となるスピーカ部10について説明する。
スピーカ部10は、スピーカ14と、後ケース3に設けられる報音構造とからなる。そして、報音構造として、前方へ凹んだ第1の報音凹部11が、後ケース3後面の左上部に設けられているとともに、後ケース3後面における報音凹部11内に複数のスピーカ孔12、12・・が開設されている。また、報音構造として、後ケース3後面における報音凹部11の上側に、報音凹部11よりも更に前方へ凹んだ第2の報音凹部13が設けられている。該報音凹部13は、報音凹部11に上側に隣接し、且つ、後ケース3後面の上縁にかけて設けられている。そして、報音凹部13は、後ケース3後面から後方へ突出する上壁15によって上方を閉塞されているものの、該上壁15における報音凹部13の上側となる箇所には、複数の報音孔16、16・・が報音構造として設けられており、本体ケースの上面において報音凹部11、13は開口した状態となっている(報音凹部11は、報音凹部13を介して開口している)。
【0013】
一方、後ケース3の内面で、報音凹部11の表側となる箇所には、前方へ突出する筒状のスピーカ設置部17が設けられている。そして、そのようなスピーカ設置部17に対して、スピーカ14は、後ろ向きの姿勢で設置される。すなわち、スピーカ14は、本体ケース内において、スピーカ孔12、12・・の前側に後方へ向けて設置されることになる。
【0014】
以上のような構成を有するインターホン親機1によれば、後ケース3の後面に、前方へ凹んでいるとともに後ケース3の周面に開口する報音凹部11、13を設け、後ケース3の後面における報音凹部11内となる箇所にスピーカ孔12、12・・を開設している一方、本体ケース内において、スピーカ孔12、12・・の前側に後方を向いた姿勢でスピーカ14を設置している。したがって、従来のように本体ケースの前面にスピーカ孔を設けていないため、デザインの優れたインターホン親機1とすることができる。
【0015】
また、スピーカ14は後方へ向けて設置するため、スピーカ14を前方へ向けて設置していた従来と比べると、本体ケースの前後方向での厚みが増すこともない。さらに、報音凹部11内にスピーカ孔12、12・・を設けるとともに、報音凹部11、13を後ケース3の上面に報音孔16、16・・を介して開口させているため、スピーカ14から出力される音声は本体ケースの後方へ(すなわち設置面側へ)向かって出力されるものの、その音声を十分な音量及び音質でインターホン親機1の周囲に報音させることができる。
【0016】
なお、本発明に係るインターホン機器は、インターホン機器の全体的な構成は勿論、スピーカ部に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0017】
たとえば、上記実施形態では、本体ケースの上面に報音凹部を開口させているが、本体ケースの側面や下面に開口させるように報音凹部を設けても何ら問題はないし、報音凹部の大きさや形状についても適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、深さの異なる報音凹部を設け、比較的浅い報音凹部内にスピーカ孔を開設しているが、そのように深さの異なる報音凹部を設けるのではなく、深さが均一な1つの報音凹部を設け、その報音凹部内にスピーカ孔を開設するように構成することも当然可能である。
【0018】
さらに、上記実施形態では、報音凹部の上側を上壁により塞ぐとともに、該上壁に報音孔を設けることによって報音凹部を本体ケースの周面に開口させるように構成しているが、そもそも上壁を設けることなく報音凹部をそのまま開口させるように構成しても何ら問題はなく、どのようにして報音凹部を本体ケースの周面に開口させるかについても適宜設計変更可能である。
加えて、上記実施形態ではインターホン親機について説明しているが、本発明は、スピーカ部を備えているのであれば、インターホン子機等の他のインターホン機器に対しても好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0019】
1・・インターホン親機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、3・・後ケース(本体ケース)、7・・パネル部材(本体ケース)、10・・スピーカ部、11、13・・報音凹部、14・・スピーカ、16・・報音孔。