(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007006
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220105BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20220105BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20220105BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220105BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109638
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129CC02
2F129CC06
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC25
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD18
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD26
2F129DD27
2F129DD36
2F129DD40
2F129DD51
2F129DD63
2F129DD64
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE23
2F129EE47
2F129EE53
2F129EE59
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE82
2F129EE87
2F129EE88
2F129EE91
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF43
2F129FF47
2F129FF49
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF66
2F129FF69
2F129FF70
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181EE02
5H181EE05
5H181EE06
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】利用者の移動コストを考慮した交通サービスを提供する。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段52、所定期間の各時間帯における出発地点から到着地点までの移動経路を検索する検索手段54、検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段56、算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路をユーザに提案する提案手段58、として機能させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段、
所定期間の各時間帯における前記出発地点から前記到着地点までの移動経路を検索する検索手段、
前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段、
前記算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路を前記ユーザに提案する提案手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記検索手段は、前記出発地点から前記到着地点までに複数の交通機関を利用する各移動経路を検索する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記入力情報は、到着時間を含み、
前記検索手段は、前記到着地点に前記到着時間以前に到着する各移動経路を検索する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記入力情報は、出発時間を含み、
前記検索手段は、前記出発地点を前記出発時間以後に出発する各移動経路を検索する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザは、交通機関を利用予定の利用者である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ユーザは、交通サービスに係る運行計画者であって、
前記提案手段は、前記算出された或る移動経路に対応する移動コストが目標コストを超えている場合、当該移動コストを削減させる運行計画を前記ユーザに提案する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記運行計画には、新規に設定すべき交通手段が含まれる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記目標コストは、前記入力情報に含まれる、
請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記目標コストは、前記或る移動経路の距離に応じたコストである、
請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記目標コストは、前記算出された移動コストそれぞれの統計に応じたコストである、
請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項11】
前記移動コストは、所要時間、所要金額、混雑率の少なくとも1つの要素を含む、
請求項1乃至10の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける受付手段、
前記開催時期に基づいて、前記来場地域と前記開催地との間の各移動経路を検索する検索手段、
前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段、
前記算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、前記イベントの開催地又は開催時期の変更を前記ユーザに提案する提案手段、
として機能させるプログラム。
【請求項13】
ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段と、
所定期間の各時間帯における前記出発地点から前記到着地点までの移動経路を検索する検索手段と、
前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段と、
前記算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路を前記ユーザに提案する提案手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける受付手段と、
前記開催時期に基づいて、前記来場地域と前記開催地との間の各移動経路を検索する検索手段と、
前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段と、
前記算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、前記イベントの開催地又は開催時期の変更を前記ユーザに提案する提案手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、交通機関が運行計画(運行ダイヤ)を決定するシステムが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、営業車両の位置情報やスケジュール、利用者からの予約情報に基づいて、各営業車両の運行パターンをシミュレーションし、最適な運行計画を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者の移動コストを考慮しておらず、当該移動コストを考慮した交通サービス(例えば経路検索サービスや、交通手段の運行計画)を提供することができなかった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の移動コストを考慮した交通サービスを提供することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段、所定範囲の各時間帯における前記出発地点から前記到着地点までの移動経路を検索する検索手段、前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段、前記算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路を前記ユーザに提案する提案手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記検索手段は、前記出発地点から前記到着地点までに複数の交通機関を利用する各移動経路を検索する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記入力情報は、到着時間を含み、前記検索手段は、前記到着地点に前記到着時間以前に到着する各移動経路を検索する。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記入力情報は、出発時間を含み、前記検索手段は、前記出発地点を前記出発時間以後に出発する各移動経路を検索する。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記ユーザは、交通機関を利用予定の利用者である。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記ユーザは、交通サービスに係る運行計画者であって、前記提案手段は、前記算出された或る移動経路に対応する移動コストが目標コストを超えている場合、当該移動コストを削減させる運行計画を前記ユーザに提案する。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記運行計画には、新規に設定すべき交通手段が含まれる。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記目標コストは、前記入力情報に含まれる。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記目標コストは、前記或る移動経路の距離に応じたコストである。
【0016】
また、本発明の第十態様では、前記目標コストは、前記算出された移動コストそれぞれの統計に応じたコストである。
【0017】
また、本発明の第十一態様では、前記移動コストは、所要時間、所要金額、混雑率の少なくとも1つの要素を含む。
【0018】
また、本発明の第十二態様に係るプログラムは、コンピュータを、イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける受付手段、前記開催時期に基づいて、前記来場地域と前記開催地との間の各移動経路を検索する検索手段、前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段、前記算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、前記イベントの開催地又は開催時期の変更を前記ユーザに提案する提案手段、として機能させる。
【0019】
また、本発明の第十三態様に係る情報処理装置は、ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段と、所定期間の各時間帯における前記出発地点から前記到着地点までの移動経路を検索する検索手段と、前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段と、前記算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路を前記ユーザに提案する提案手段と、を備える。
【0020】
また、本発明の第十四態様に係る情報処理装置は、イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける受付手段と、前記開催時期に基づいて、前記来場地域と前記開催地との間の各移動経路を検索する検索手段と、前記検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段と、前記算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、前記イベントの開催地又は開催時期の変更を前記ユーザに提案する提案手段と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、利用者の移動コストを考慮した交通サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第一実施形態に係る移動経路提案システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第一実施形態に係る移動経路提案システムにおいて、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】第一実施形態に係る経路検索画面の一例を示す図である。
【
図6】第一実施形態に係る提案画面の一例を示す図である。
【
図7】第二実施形態に係る提案画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0024】
---第一実施形態---
まず、第一実施形態について説明する。
【0025】
<全体構成>
図1は、第一実施形態に係る移動経路提案システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、移動経路提案システム1は、サーバ装置10と、複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0027】
サーバ装置10は、端末装置12からの検索要求に応じて、各移動経路に対応する移動コストを検索(シミュレーション)し、移動コストの低い移動経路等を端末装置12に提案する。
【0028】
端末装置12は、ユーザが操作する装置である。これら端末装置12は、例えば、第一端末装置12Aと、第二端末装置12Bと、を含む。端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0029】
第一端末装置12Aは、第一のユーザが操作する装置である。第一のユーザとしては、交通機関を利用予定の利用者が挙げられる。
【0030】
第二端末装置12Bは、第二のユーザが操作する装置である。第二のユーザとしては、交通サービスに係る運行計画者(例えば、都市計画又は都市開発等を行う職員やコンサルタント、交通機関に所属する職員等)が挙げられる。
【0031】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0033】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0034】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0035】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0036】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0037】
<機能的構成>
図3は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、受付手段52と、検索手段54と、算出手段56と、提案手段58と、を備える。
【0039】
記憶手段50は、ウェブページ50Aと、経路情報50Bと、施設情報50Cと、を記憶する機能手段である。
【0040】
ウェブページ50Aは、ログイン画面や経路検索画面等を含む。経路情報50Bは、ノード情報とリンク情報を含む。ノード情報は、ノード毎のノードIDに対応付けて、ノード名(例えば駅名や停留所名、空港名等)、時刻表情報、位置情報(例えば住所や緯度経度)等を含む。時刻表情報は、各交通機関が運行する交通手段がノード(例えば駅や停留所等)を出発する出発時間と、ノードに到着する到着時間を含む。この交通手段としては、電車やバス、飛行機、船、タクシー等が挙げられる。リンク情報は、ノード間を接続する情報である。リンク情報は、リンク毎のリンクIDに対応付けて、リンク名(例えば路線名)、リンク長(例えば移動距離)、所要時間、所要料金(例えば運賃)、混雑情報、交通機関の種別等を含む。混雑情報は、例えば各曜日における各時間帯の混雑率(例えば乗車率や渋滞率)を含む。施設情報50Cは、各施設(例えば店舗やホテル、飲食店、体験施設等)の名称や、位置情報(例えば住所や緯度経度)、施設内及び施設周辺の人流データ等を含む。
【0041】
受付手段52は、ユーザの端末装置12から各種情報を受け付ける機能手段である。第一実施形態では、受付手段52は、ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける。この入力情報は、例えば、第一のユーザ(例えば交通機関を利用予定の利用者)が入力する場合、第一のユーザ自身が出発地点から到着地点までに利用する一又は複数の移動経路や、当該移動経路のうち移動コストが低い移動経路の提案を受けるために入力される情報である。また、入力情報は、第二のユーザ(例えば交通サービスに係る運行計画者)が入力する場合、利用者が出発地点から到着地点までに利用する移動コストが低い移動経路や、移動コストが高い移動経路について当該移動コストを削減する提案を受けるために入力される情報である。
【0042】
また、入力情報には、移動コストに関する目標コスト、又は当該目標コストを算出するための要素が含まれていてもよい。この目標コストは、例えば、0以上100以下の値である。目標コストを算出するための要素としては、例えば所要時間や所要金額、混雑率の少なくとも1つが挙げられる。目標コストは、例えば一定距離(例えば1km)あたりの所要時間や所要料金、混雑率が少ないほど低い値となる。また、入力情報には、出発地点を出発する出発時間や、到着地点に到着する到着時間が含まれていてもよい。また、入力情報には、飛行機や新幹線、有料特急等の所要料金が高額になる交通手段を利用するか否かを指定する情報が含まれてもよい。
【0043】
検索手段54は、出発地点から到着地点までの各移動経路を検索する機能手段である。第一実施形態では、検索手段54は、所定期間の各時間帯における出発地点から到着地点までの移動経路を検索する。例えば、検索手段54は、経路情報50B及び施設情報50Cを参照して、所定期間の各時間帯における出発地点から到着地点までを結ぶ一又は複数の交通手段を含む各移動経路を検索する。この時間帯としては、例えば、1秒毎、1分毎、5分毎、15分毎、30分毎、1時間毎、2時間毎等が挙げられる。例えば、検索手段54は、将来の或る所定期間(例えば検索当日から1日後、又は、1週間後まで)を対象として、出発時間を1分ずつ変更(加算)しながら、出発地点から到着地点までの移動経路を検索(シミュレーション)する。
【0044】
また、検索手段54は、出発地点から到着地点までに複数の交通機関を利用する各移動経路を検索する。言い換えれば、検索手段54は、出発地点から到着地点までの間に異なる交通手段に乗り換え(乗り継ぎ)を行う乗換地点を含む移動経路を検索する。この異なる交通手段には、異なる企業が運行する同種の交通手段(例えば電車)を用いる場合を含む。
【0045】
また、検索手段54は、入力情報に移動日が含まれる場合、当該移動日から所定期間(例えば1週間)後までを対象として、出発地点から到着地点までの移動経路を検索する。また、検索手段54は、入力情報に到着時間が含まれる場合、入力情報に含まれる移動日又は検索当日から所定期間後までを対象として、到着地点に到着時間以前(例えば到着時間から3時間前まで)に到着する各移動経路を検索する。また、検索手段54は、入力情報に出発時間が含まれる場合、入力情報に含まれる移動日又は検索当日から所定期間後までを対象として、出発地点を出発時間以後(例えば出発時間から3時間後まで)に出発する各移動経路を検索する。
【0046】
算出手段56は、移動経路に対応する移動コストを算出する機能手段である。第一実施形態では、算出手段56は、検索手段54によって検索(シミュレーション)された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する。この移動コストは、例えば、0以上100以下の値である。また、移動コストは、所要時間、所要金額、混雑率、乗換回数、着席の可否の少なくとも1つの要素を含む。例えば、算出手段56は、移動経路全体に対応する所要時間、所要金額、混雑率の少なくとも1つの要素に基づいて、当該移動経路の移動コストを算出する。具体的には、算出手段56は、移動経路全体における一定距離(例えば1km)あたりの所要時間や所要料金、混雑率が少ないほど低い値(移動コスト)を算出し、当該一定距離あたりの所要時間や所要料金、混雑率が多いほど高い値(移動コスト)を算出する。
【0047】
提案手段58は、ユーザの端末装置12に各種提案を行う機能手段である。第一実施形態では、提案手段58は、算出手段56によって算出された移動コストが最も低い移動経路をユーザに提案する。例えば、提案手段58は、当該算出された移動コストが最も低い移動経路と、2番目に低い移動経路と、3番目に低い移動経路とを第一のユーザに提案する。また、例えば、提案手段58は、当該算出された移動コストが30以下である移動経路を第二のユーザに提案する。
【0048】
また、提案手段58は、算出手段56によって算出された或る移動経路に対応する移動コストが目標コストを超えている場合、当該移動コストを削減させる運行計画をユーザに提案する。この目標コストは、入力情報に含まれる目標コスト(例えば所要時間や所要料金、混雑率)に限られず、例えば、或る移動経路の一定距離に応じたコスト(例えば1kmあたりの所要時間や所要料金、混雑率)や、算出された移動コストそれぞれの統計(例えば平均値や中央値、最頻値)に応じたコストであってもよい。
【0049】
例えば、提案手段58は、移動コストが目標コスト(例えば50)を超えている或る移動経路に対して、当該移動コストが当該目標コスト以下になる運行計画を第二のユーザ(例えば交通サービスに係る運行計画者)に提案する。この運行計画には、例えば新規に設定すべき交通手段(例えばバスや電車の新規路線)が含まれる。この場合、提案手段58は、新規に設定すべき交通手段に関して、乗車人数を推定(算出)して、最適な車両サイズや新たなルートを提案する。この乗車人数の推定は、実際の移動実績から算出する。なお、提案手段58は、新規に設定すべき交通手段が自動車系サービス(例えばタクシー)である場合、予約が混み合う時期や時間帯、渋滞で所要時間が増える時期、駐車場が借りられるかどうかなどの外部データを参照する。また、提案手段58は、新規に設定すべき交通手段が公共交通機関(バスや電車)である場合、平均的な遅延時間や混雑実績から予測データを導入する。
【0050】
また、例えば、提案手段58は、或る移動経路において、移動コストの増加に影響を与えている要素を特定し、当該要素を改善する施策を提案する。この場合、提案手段58は、当該或る移動経路に関する各施設の施設情報50Cに含まれる人流データや、各施設(商業施設や宿泊施設等)が保有する各種データ(例えば平均滞在時間)等に基づいて、当該施策を提案する。具体的には、提案手段58は、或る移動経路において、所要時間が長い場合、交通手段の運行時間を変更する(例えば運行間隔を狭くする)提案や、乗換地点周辺における商業施設(例えばスーパーマーケットや喫茶店)、又は宿泊施設(例えばホテル)を誘致する提案、新たな交通手段を新設する提案を行う。具体的には、提案手段58は、到着地点に朝までに到着する移動経路に対応する移動コストが高い場合、当該到着地点周辺に宿泊施設を誘致する提案を行う。また、例えば、提案手段58は、或る移動経路において、所要料金が高い場合、当該或る移動経路に含まれる交通手段の運賃の引き下げを提案する。また、例えば、提案手段58は、或る移動経路において、混雑率が高い場合、新たな交通手段を新設する提案や、当該交通手段の運行時間(運行間隔)を変更する提案を行う。
【0051】
また、例えば、提案手段58は、入力情報に目標コストが含まれる場合、当該目標コスト以下の移動経路を提案する。また、提案手段58は、入力情報に所要時間が含まれる場合、当該所要時間以下の移動経路を提案する。また、提案手段58は、入力情報に所要金額が含まれる場合、当該所要金額以下の移動経路を提案する。また、提案手段58は、入力情報に混雑率が含まれる場合、当該混雑率以下の移動経路を提案する。
【0052】
<処理の流れ>
図4は、第一実施形態に係る移動経路提案システム1において、
図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ユーザが端末装置12において経路検索ページを表示させる入力指示を行ったタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0053】
(ステップSP10)
受付手段52は、ユーザの端末装置12に、経路検索(シミュレーション)を実行するための経路検索画面を送信する。
【0054】
図5は、第一実施形態に係る経路検索画面60の一例を示す図である。
【0055】
図5に示すように、経路検索画面60は、地点入力領域62と、日時入力領域64と、送信ボタン66と、が設けられている。地点入力領域62には、出発地点と、到着地点とを入力する入力欄が表されている。日時入力領域64には、ユーザが移動する移動日と、出発時間又は到着時間とを入力する入力欄が表されている。なお、この移動日や出発時間、到着時間は、未入力でもよい。送信ボタン66は、ユーザにより各入力欄に入力された入力情報をサーバ装置10に送信するためのボタンである。
【0056】
(ステップSP12)
経路検索画面60において送信ボタン66が押下されたことに応じて、受付手段52は、ユーザの端末装置12から入力情報の送信を受け付ける。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP14)
検索手段54は、入力情報に含まれる出発地点から到着地点までの各移動経路を検索する。例えば、検索手段54は、経路情報50Bや施設情報50Cを参照して、検索当日から1週間後までを対象として、出発時間を1分ずつ変更しながら、出発地点から到着地点までの移動経路を検索(シミュレーション)する。なお、検索手段54は、入力情報に移動日が含まれる場合、当該移動日から1週間後までを対象として、出発時間を1分ずつ変更しながら、出発地点から到着地点までの移動経路を検索する。また、検索手段54は、入力情報に到着時間が含まれる場合、移動日又は検索当日から1週間後までを対象として、当該到着時間を1分ずつ変更(減算)しながら、到着地点に到着時間以前(例えば到着時間から3時間前まで)に到着する各移動経路を検索する。また、検索手段54は、入力情報に出発時間が含まれる場合、移動日又は検索当日から1週間後までを対象として、当該出発時間を1分ずつ変更(加算)しながら、出発地点を出発時間以後(例えば出発時間から3時間後まで)に出発する各移動経路を検索する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP16)
算出手段56は、ステップSP14において検索(シミュレーション)された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する。例えば、算出手段56は、移動経路全体における1kmあたりの所要時間が10秒未満(時速360km超)である場合、移動コストに0を加算し、当該所要時間が10秒以上30秒未満(時速120kmから360kmまで)である場合、移動コストに10を加算し、当該所要時間が30秒以上60秒未満(時速60kmから120kmまで)である場合、移動コストに20を加算し、当該所要時間が60秒以上120秒未満(時速30kmから60kmまで)である場合、移動コストに30を加算し、当該所要時間が120秒以上(時速30kmまで)である場合、移動コストに40を加算する。
また、例えば、算出手段56は、移動経路全体における1kmあたりの所要金額が10円未満である場合、移動コストに0を加算し、当該所要金額が10円以上20円未満である場合、移動コストに10を加算し、当該所要金額が20円以上30円未満である場合、移動コストに20を加算し、当該所要金額が30円以上である場合、移動コストに30を加算する。
また、例えば、算出手段56は、移動経路全体における1kmあたりの混雑率が50%未満である場合、移動コストに0を加算し、当該混雑率が50%以上70%未満である場合、移動コストに10を加算し、当該混雑率が70%以上90%未満である場合、移動コストに20を加算し、当該混雑率が90%以上である場合、移動コストに30を加算する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP18)
提案手段58は、ステップSP16において算出された移動コストが最も低い移動経路を抽出する。ここで、提案手段58は、当該移動コストが最も低い移動経路が複数ある場合、入力情報に含まれる移動日や出発時間、到着時間に最も近い移動経路を優先的に抽出する。そして、提案手段58は、抽出された移動経路を含む提案画面をユーザの端末装置12に送信する。
【0060】
図6は、第一実施形態に係る提案画面70の一例を示す図である。
【0061】
図6に示すように、提案画面70は、提案領域72が設けられている。提案領域72には、検索された移動経路のうち移動コストが最も低い移動経路が表されている。
【0062】
【0063】
<効果>
以上、第一実施形態では、コンピュータを、ユーザから、少なくとも出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける受付手段52、各時間帯における出発地点から到着地点までの移動経路を検索する検索手段54、検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段56、算出された移動コストが最も低い移動経路をユーザに提案する提案手段58、として機能させる。
【0064】
この構成によれば、各時間帯における移動経路を検索し、移動コストが最も低い時間帯の移動経路をユーザに提案するため、交通機関を利用する利用者の移動コストを考慮した交通サービスを提供することができる。このため、例えば、交通機関を利用予定の利用者は、利便性の高い移動経路の提案を受けることができる。また、例えば、交通サービスに係る運行計画者は、利便性の高い移動経路の提案を受けることができ、当該交通サービスの改善に役立てることができる。
【0065】
また、第一実施形態では、検索手段54は、出発地点から到着地点までに複数の交通機関を利用する各移動経路を検索する。
【0066】
この構成によれば、乗り換え(乗り継ぎ)によって移動コストがかかりやすい複数の交通機関を利用する各移動経路を検索し、当該検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出するため、乗り換えを含む移動コストが低い移動経路を提案することができる。
【0067】
また、第一実施形態では、入力情報は、到着時間を含み、検索手段54は、到着地点に到着時間以前に到着する各移動経路を検索する。
【0068】
この構成によれば、到着時間以前に到着する各移動経路を検索し、当該検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出するため、到着時間以前に低い移動コストで移動できる移動経路を提案することができる。
【0069】
また、第一実施形態では、入力情報は、出発時間を含み、検索手段54は、出発地点を出発時間以後に出発する各移動経路を検索する。
【0070】
この構成によれば、出発時間以後に出発する各移動経路を検索し、当該検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出するため、出発時間以後に低い移動コストで移動できる移動経路を提案することができる。
【0071】
また、第一実施形態では、ユーザは、交通機関を利用予定の利用者である。
【0072】
この構成によれば、交通機関を利用予定のユーザに対して、移動コストが低い移動経路を提案するため、当該ユーザが移動経路を検索する際に利便性の高い移動経路を提案することができる。
【0073】
また、第一実施形態では、ユーザは、交通サービスに係る運行計画者であって、提案手段58は、算出された或る移動経路に対応する移動コストが目標コストを超えている場合、当該移動コストを削減させる運行計画をユーザに提案する。
【0074】
この構成によれば、交通サービスに係る運行計画者に対して、移動コストを削除させる運行計画を提案するため、当該運行計画者は、利用者の移動コストを低下させる交通サービスを提供できるようになる。
【0075】
また、第一実施形態では、運行計画には、新規に設定すべき交通手段が含まれる。
【0076】
この構成によれば、新規に設定すべき交通手段を提案するため、交通サービスに係る運行計画者は、利用者の移動コストを削減できる新たな交通サービスを提供できるようになる。
【0077】
また、第一実施形態では、目標コストは、入力情報に含まれる。
【0078】
この構成によれば、交通サービスに係る運行計画者は、検索された移動経路のうち自ら入力した目標コストを超える移動コストの移動経路を知ることができるため、より良い交通サービスを提供できるようになる。
【0079】
また、第一実施形態では、目標コストは、或る移動経路の距離に応じたコストである。
【0080】
この構成によれば、移動経路の距離に応じて目標コストが定まるため、交通サービスに係る運行計画者は、一定の水準と比較して移動コストの高い移動経路を知ることができるため、より良い交通サービスを提供できるようになる。
【0081】
また、第一実施形態では、目標コストは、算出された移動コストそれぞれの統計に応じたコストである。
【0082】
この構成によれば、算出された移動コストそれぞれの統計に応じて目標コストが定まるため、交通サービスに係る運行計画者は、同じ出発地点から到着地点へ移動する移動経路のうち移動コストの高い移動経路を知ることができる。このため、交通サービスに係る運行計画者は、より良い交通サービスを提供できるようになる。
【0083】
また、第一実施形態では、移動コストは、所要時間、所要金額、混雑率の少なくとも1つの要素を含む。
【0084】
この構成によれば、移動コストには所要時間、所要金額、混雑率の少なくとも1つが考慮されるため、利用者の時間的負荷や経済的負荷、身体的負荷を許容幅を持って提案することができるようになる。
【0085】
---第二実施形態---
次に、第二実施形態について説明する。
【0086】
第二実施形態では、受付手段52が、イベント運営に係るユーザから入力情報を受け付ける点や、提案手段58は、イベントの開催地又は開催時期の代替案をユーザに提案する点で第一実施形態と異なる。なお、以下で説明しない第二実施形態に係る移動経路提案システムの構成及び機能は、第一実施形態に係る移動経路提案システムの構成及び機能と同様である。
【0087】
第二実施形態では、受付手段52は、イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける。このイベントとしては、スポーツイベントや音楽イベント、展示会、セミナー、会議、カンファレンス等が挙げられる。イベント運営に係るユーザとしては、イベント運営者(主催者)やセミナー等の講師、コンサルタント等が挙げられる。開催地は、例えばスタジアムやホール(展示場)等の施設である。開催時期は、開催日と、開始時間と、終了時間とを含む。来場地域としては、イベントの来場者(交通機関を利用予定の利用者)の居住地域や勤務地域が挙げられる。例えば、イベントがスポーツイベントである場合、来場地域としては、当該スポーツイベントに出場する各チームの本拠地が挙げられる。
【0088】
また、第二実施形態では、検索手段54は、開催時期に基づいて、来場地域と開催地との間(往復)の各移動経路を検索する。例えば、検索手段54は、開催時期に含まれる開催日と当該開催日の前後の所定期間(例えば前後1ヶ月)を対象として、出発地点を来場地域内の各ターミナル駅とし、到着地点を開催地又は開催地周辺の各駅として往路の各移動経路を検索する。具体的には、検索手段54は、開催日と当該開催日の前後1ヶ月を対象として、到着時間(イベントの開始時間)を1分ずつ変更しながら、到着地点に到着時間以前(例えば到着時間から3時間前まで)に到着する各移動経路を検索(シミュレーション)する。また、例えば、検索手段54は、開催時期に含まれる開催日と当該開催日の前後の所定期間(例えば前後1ヶ月)を対象として、出発地点を開催地又は開催地周辺の各駅とし、到着地点を来場地域内の各ターミナル駅として復路の各移動経路を検索する。具体的には、検索手段54は、開催日と当該開催日の前後1ヶ月を対象として、出発時間(イベントの終了時間)を1分ずつ変更しながら、出発地点を出発時間以後(例えば出発時間から3時間後まで)に出発する各移動経路を検索(シミュレーション)する。
【0089】
また、第二実施形態では、提案手段58は、算出手段56によって算出された開催日における移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、イベントの開催地又は開催時期の変更をユーザに提案する。この移動コストそれぞれの統計としては、各移動コストの平均値や中央値、最頻値が挙げられる。
【0090】
例えば、提案手段58は、移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、イベントの開催地を変更することをユーザ(例えばイベント運営者)に提案する。また、例えば、提案手段58は、移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、イベントの開催時期を変更することをユーザに提案する。具体的には、提案手段58は、算出手段56によって算出された移動コストそれぞれの最頻値が60を超えている場合、イベントの開催地又は開催時期を変更することを促す提案画面をユーザの端末装置12に送信する。
【0091】
図7は、第二実施形態に係る提案画面80の一例を示す図である。
【0092】
図7に示すように、提案画面80は、提案領域82が設けられている。提案領域82には、算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えているため、開催時期の変更を促すことが表されている。例えば、提案領域82には、ユーザによって入力された開催時期から近い日程であって、移動コストそれぞれの統計が目標コストを下回る日程に、イベント開催時期を変更するように促す提案が表されている。
【0093】
<効果>
以上、第二実施形態では、コンピュータを、イベント運営に係るユーザから、少なくとも当該イベントの開催地と、当該イベントの開催時期と、来場者の来場地域とを含む入力情報を受け付ける受付手段52、開催時期に基づいて、来場地域と開催地との間の各移動経路を検索する検索手段54、検索された移動経路それぞれに対応する移動コストを算出する算出手段56、算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、イベントの開催地又は開催時期の変更をユーザに提案する提案手段58、として機能させる。
【0094】
この構成によれば、イベント運営に係るユーザは、算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、イベントの開催地又は開催時期の変更の提案を受けることができるため、交通機関を利用する多くの利用者の移動コストを考慮してイベントを開催することができる。これにより、イベントの来場者(交通機関を利用する利用者)の移動コストを考慮した交通サービスを提供することができる。
【0095】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0096】
例えば、第一実施形態では、受付手段52は、ユーザから出発地点と到着地点とを含む入力情報を受け付ける場合を説明したが、到着地点での滞在時間(例えば、出張による打ち合わせ時間やセミナーの講演時間、ホテルのチェックインからチェックアウトまでの時間等)を受け付け、提案手段58は、移動コストが最も低い往復の移動経路を提案することとしてもよい。この場合、検索手段54は、出発地点から到着地点までの往路の各移動経路と、滞在時間の経過後における到着地点から出発地点までの復路の各移動経路とを検索(シミュレーション)する。次に、算出手段56は、往路の移動経路それぞれに対応する移動コストと、復路の移動経路それぞれに対応する移動コストとを算出する。そして、提案手段58は、往路の移動経路に対応する移動コストと、復路の移動経路に対応する移動コストとの合計値が最も低い往復の移動経路を提案する。これにより、提案手段58は、利用者の時間的負荷、経済的負荷、又は身体的負荷を考慮した往復の移動経路を提案することができ、例えば「滞在時間が2時間で移動コスト(例えば所要料金)を最低にしたい」といった利用者に対して、往復の移動コストが最も低い移動経路を提案することができる。
【0097】
また、第二実施形態では、受付手段52は、イベント運営に係るユーザから入力情報を受け付ける場合を説明したが、第一のユーザ(交通機関を利用予定の利用者)や、第二のユーザ(交通サービスに係る運行計画者)から入力情報を受け付けてもよい。この場合、例えば、提案手段58は、移動コストが最も低い往復の移動経路を第一のユーザや第二のユーザに提案してもよい。また、提案手段58は、算出された移動コストそれぞれの統計が目標コストを超えている場合、当該移動コストそれぞれの統計が目標コスト以下になる運行計画を第二のユーザに提案してもよい。この運行計画には、新規に設定すべき交通手段(例えばバスや電車の新規路線)が含まれてもよい。
【0098】
また、第一実施形態では、検索手段54は、将来の或る期間(例えば検索当日から1週間後まで)を対象として、出発地点から到着地点までの移動経路を検索する場合を説明したが、この将来の或る期間は平日のみを対象としてもよいし、休日(例えば土曜日、日曜日、又は祝日)のみを対象としてもよい。また、第二実施形態では、検索手段54は、開催日と当該開催日の前後の所定期間を対象として、各移動経路を検索する場合を説明したが、この所定期間は平日のみを対象としてもよいし、休日のみを対象としてもよい。
【0099】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、利用者の移動コストを考慮する場合を説明したが、荷物の移動コスト(運搬コスト)を考慮することとしてもよい。この場合、移動コストは、所要時間、所要金額の少なくとも1つの要素を含む。
【0100】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、目標コストや移動コストは、所要料金を要素として含む場合を説明したが、この所要料金は、一定期間や一定回数における料金(例えば定期券代や回数券代)を考慮してもよい。また、目標コストや移動コストは、移動経路の利用可能性を要素として含むこととしてもよい。
【0101】
また、第一実施形態では、算出手段56や提案手段58を備える場合を説明したが、これらを省略してもよい。
【0102】
また、第一実施形態では、提案手段58は、算出された移動コストが最も低い移動経路をユーザに提案する場合を説明したが、算出された移動コストが最も高い移動経路をユーザに提案してもよい。すなわち、提案手段58は、算出された移動コストに基づき、一以上の移動経路をユーザに提案してもよい。また、提案手段58は、移動経路を提案する代わりに、移動コストを削減させる運行計画をユーザに提案してもよい。
【0103】
また、第一実施形態では、算出手段56は、移動経路全体に対応する所要時間、所要金額、混雑情報の少なくとも1つの要素に基づいて、当該移動経路の移動コストを算出する場合を説明したが、移動経路全体に対応する所要時間及び混雑情報に基づいて、当該移動経路の移動コストを算出してもよい。また、算出手段56は、移動経路全体に対応する所要金額及び混雑情報に基づいて、当該移動経路の移動コストを算出してもよい。
【符号の説明】
【0104】
10…サーバ装置(コンピュータ)、50…記憶手段、52…受付手段、54…検索手段、56…算出手段、58…提案手段