(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070244
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】寄付を支援するための情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220502BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174741
(22)【出願日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2020178503
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520289567
【氏名又は名称】株式会社beero
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越島 悠介
(72)【発明者】
【氏名】市村 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】為藤 アキラ
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 直紀
(72)【発明者】
【氏名】望月 穂香
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】寄付に対するユーザのハードルを下げることができるだけでなく、寄付に対するユーザの意識を向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラムを提供する。
【解決手段】寄付管理サーバを動作させるためのプログラムにおいて、寄付のカテゴリと、当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、ユーザ端末によって商品またはサービスを選択する手段と、ユーザ端末によって任意の寄付先または寄付のカテゴリを選択する手段と、選択された商品またはサービスに対してユーザ端末に対して課金する手段と、課金された金額を、前記データ構造に基づいて、商品またはサービスを提供する装置と被寄付者端末に配分する手段と、を備えたプログラムを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄付管理サーバを動作させるためのプログラムにおいて、
寄付のカテゴリと、当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、
ユーザ端末によって商品またはサービスを選択する手段と、
ユーザ端末によって任意の寄付先または寄付のカテゴリを選択する手段と、
選択された商品またはサービスに対してユーザ端末に対して課金する手段と、
課金された金額を、前記データ構造に基づいて、商品またはサービスを提供する装置と被寄付者端末に配分する手段と、
を備えたプログラム。
【請求項2】
寄付を支援するための情報処理システムであって、
寄付のカテゴリと、当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、
ユーザ端末からより寄付先を選択する手段と、
コンテンツをユーザ端末に配信する手段と、
ユーザ端末に対して課金する手段と、
課金された金額を、前記データ構造に基づいて、商品またはサービスを提供する装置と被寄付者端末に配分する手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項3】
寄付のカテゴリと、当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、
ユーザ端末によって商品またはサービスを選択する手段と、
ユーザ端末によって任意の寄付先または寄付のカテゴリを選択する手段と、
選択された商品またはサービスに対してユーザ端末に対して課金する手段と、
課金された金額を、前記データ構造に基づいて、商品またはサービスを提供する装置と被寄付者端末に配分する手段と、
を備えた寄付管理サーバ。
【請求項4】
ユーザ端末とコンテンツ配信端末と被寄付者端末とに接続されて、寄付を支援するための情報処理装置であって、
寄付のカテゴリと、当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、
ユーザ端末からより寄付先を選択する手段と、
コンテンツをユーザ端末に配信する手段と、
ユーザ端末に対して課金する手段と、
課金された金額を、前記データ構造に基づいて、コンテンツ端末と被寄付者端末に配分する手段と、
を備えた情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄付を支援するための情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寄付やボランティアという社会貢献活動は一部の人間に限定されている。これは、人の流れやお金の流れといった経済活動と寄付やボランティアという社会貢献活動は連動性がないことが理由のひとつとして挙げられる。また、寄付をする側(本明細書では、ユーザと称する。)や寄付を受ける側(例えば、NPO法人)にも様々な課題がある。
【0003】
寄付をする側のユーザは、社会問題に関して課題を感じている人は多いものの行動に起こせていないという課題がある。例えば、ユーザの多くが地球温暖化や、気候変動に対する不安感や危機感は感じている。SDGsで目標として掲げられているエリアについて課題を感じている人もいれば、「よく知らないが、なんだかまずそう」と、何かしなくてはならないということくらいは理解している人も居る。しかし、多くは日々の生活で忙しく、寄付やボランティアといった行動のハードルも高いため、何もできていない。シェア・拡散レベルのオンライン上の行動であれば参加できるという人は多いアマゾンで起きた火災であったり、今現在で言うとオーストラリアでの火災についても、#PrayForAustraliaとハッシュタグを付けて拡散したりすることはできている。ただ、現状ではそれだけでは、世界的に日本の寄付市場が非常に小さいことからも社会貢献活動には繋がっていない。
【0004】
寄付を受ける側であるNPO法人は、活動はよくとも、情報発信が上手くできないという課題がある。志高く、せっかく良い活動ができていても、ビジョンやミッション、ストーリーや実績などの発信が適切でないと、世間に知られないケースや、賛同を得られないというケースがある。新規支援者獲得ができず、かつ既存支援者の高齢化や、離脱により運営圧迫上記のように状況から、新たな賛同者を得られないまま、これまで支援してくれていた既存会員も高齢化などで離脱が始まると、全体会員数が減少していく。その結果、寄附金額の総額も減少していき、本来の活動は価値あるものであったとしても、運用資金が思うように集まらなくなる。活動資金の圧迫により人手不足が悪化し、活動の不透明化が進む資金不足が続くと、活動も制限され、人手も減るため、団体としての情報発信の頻度、そして質が低迷する。すると、団体としての活動が不透明になっていき、さらに賛同者や寄付を集めるのが困難な状況になる。
【0005】
サービスの利用料金に寄付金を含めてユーザに課金する手法は、特許文献1に示すように、従来から検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-113020号公開公報
【0007】
しかしながら、特許文献1のようなサービスは、ユーザが寄付する主体的な意識がないと寄付の利用が見込めず、依然として、寄付に対するハードルを下げているとは言い難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような寄付をする側の課題と寄付を受ける側の課題とを同時に解決することを目的とし、例えば、本発明の一態様によると、誰でも簡単に社会貢献に参加できる環境を提供することができる情報処理装置を提供することを目的のひとつとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によると、寄付のカテゴリと当該寄付のカテゴリに関連付けられた1つ以上の寄付先とが記憶されたデータ構造を記憶する手段と、ユーザ端末によって商品またはサービスを選択する手段と、ユーザ端末によって任意の寄付先または寄付のカテゴリを選択する手段と、選択された商品またはサービスに対してユーザ端末に対して課金する手段と、課金された金額を前記データ構造に基づいて商品またはサービスを提供する装置と被寄付者端末に配分する手段と、を備えた情報処理装置、寄付管理サーバ、プログラムなどを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によると、寄付に対するユーザのハードルを下げることができるだけでなく、寄付に対するユーザの意識を向上させることができる。
【0011】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による情報処理装置を用いたシステムの概念図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による情報処理装置のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による情報処理の流れを示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による情報処理装置が提供する画面の一例を示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例による寄付の設定に関するデータ構造を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例による情報処理装置が提供する画面の一例を示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例による寄付の記録に関するデータ構造を示す。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例による
図1の情報処理装置を用いたシステムの決済フローを示す。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施例による情報処理システムの概念図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施例による情報処理の流れを示す。
【実施例0013】
図1は、本発明の一実施例による情報処理装置1000を用いたシステムのを示す。
【0014】
本実施例のシステムは、寄付を支援するための情報処理装置1000と、ユーザ端末2000と、サービス提供端末3000と、被寄付者端末4000と、ネットワーク5000とから構成されている。
【0015】
情報処理装置1000は、ユーザ端末やサービス提供端末を管理することができる。また、ユーザ端末(の識別子)やサービス提供端末(の識別子)に対して、サービス利用料を徴収することもできる。
【0016】
ユーザ端末2000は、サービス提供端末から提供されたサービス(コンテンツやグッズなど)を購入して利用することができる。
【0017】
サービス提供端末3000は、商品またはサービスをユーザ(端末)に提供する装置である。ユーザ端末にサービス(コンテンツの配信やグッズの販売など)を提供するように構成されてもよい。
【0018】
被寄付者端末4000は、ユーザ端末に対して課金された金額の一部または全部を受け取るための情報を受信することができる。
【0019】
ネットワーク5000は、情報処理装置1000と、1つ又は複数のユーザ端末2000と、1つ又は複数のサービス提供端末3000と、1つ又は複数の被寄付者端末4000とを接続することができる。本実施例のネットワークは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよく、また、専用回線でも公衆回線(インターネットなど)でもよい。
【0020】
図2は、本発明の一実施例による情報処理装置のブロック図を示す。
【0021】
本実施例の情報処理装置1000は、ユーザ端末管理処理部1010、サービス提供端末管理処理部1020、被寄付者端末管理処理部1030、サービス配信管理処理部1040、課金管理処理部1050、ユーザ端末管理DB(データベース)1110、サービス提供端末管理DB1120、被寄付者端末管理DB1130、サービス管理DB1140、課金管理DB1150、制御手段(プロセッサ)1210、インターフェイス手段1220を備える。具体的には、ユーザ端末管理処理部1010は、各ユーザ端末2000に対して固有のユーザ識別子(ID)を付与し、ユーザ識別子ごとに、ユーザ端末のサービス利用実績や課金履歴を記憶することができる。
【0022】
サービス提供端末管理処理部1020は、サービス提供端末を管理する。
【0023】
被寄付者端末管理処理部1030は、被寄付者端末を管理する。
【0024】
サービス配信管理処理部1040は、サービス提供端末から配信されるサービス(購入可能な商品や動画などのコンテンツを含んでもよい)を管理する。
【0025】
課金管理処理部1050は、課金を管理する。
【0026】
ユーザ端末管理DB(データベース)1110は、各ユーザ端末2000を管理することができる。具体的には、ユーザ端末に付与されたユーザ識別子ごとに、ユーザ端末のサービス利用実績や課金履歴を記憶することができる。
【0027】
サービス提供端末管理DB1120は、サービス提供端末の識別子などの情報を記憶する。
【0028】
被寄付者端末管理DB1130は、被寄付者端末の識別子などの情報を記憶する。
【0029】
サービス管理DB1140は、サービスを記憶する。
【0030】
課金管理DB1150は、ユーザ端末に対する課金や、サービス提供者や被寄付者に対する支払いに関するデータを記憶することができる。
【0031】
制御手段(プロセッサ)1210は、情報処理装置1000内部の各処理部、各DBおよびインターフェイスを制御する。
【0032】
インターフェイス手段1220は、ネットワーク5000を介して、ユーザ端末2000,サービス提供端末3000、被寄付者端末4000と電磁的方法により接続することができる。
【0033】
なお、本実施例では、情報処理装置1000の機能ブロック図を用いて説明したが、これらの機能ブロック図はハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせで構成されてもよい。
【0034】
図3は、本発明の一実施例による情報処理の流れを示す。
【0035】
S3010では、情報処理装置がユーザ端末に対して寄付に関する設定を促し、ユーザ端末が寄付に関する設定をおこなう。
【0036】
S3020では、ユーザ端末が、サービス提供端末から提供されたサービス(購入可能な商品や動画などのコンテンツを含んでもよい)を選択し、利用する。
【0037】
S3030では、情報処理装置1000が、ユーザ端末2000の利用したサービスに基づき課金処理をする。まず、課金した額の一定割合が、コンテンツ提供者や被寄付者に支払うことができるように処理をする。ここで、コンテンツ提供者が提供するコンテンツとは、商品・サービスを購入することを含む。本実施例においては、情報処理装置1000が、ユーザ端末2000に対して課金処理を実施すると、コンテンツ提供者と被寄付者に対して同時に決済処理をする。そして、被寄付者に対しては、ユーザが予め設定した内容に基づいて寄付金額が決定される。情報処理装置1000は、コンテンツ提供者端末3000および被寄付者端末4000に、課金処理結果を通知する。課金処理の結果は、後述する
図7のようなデータ構造に記録されてもよい。また、オプションの処理として、ある所定のユーザが、所定期間内に、被寄付者に対して一定金額以上の寄付を達成した場合には、その達成に関する情報を送信してもよい。
【0038】
S3040では、オプションの処理として、コンテンツ提供者端末3000および被寄付者端末4000が、ユーザ端末2000に対して、課金や寄付に対する感謝などを示すメッセージを送信する。
【0039】
なお、本実施例では、わかりやすく説明するために、S3020のサービス利用に関する処理の後に、S3030の課金処理が実行される例を説明したが、別の実施例として、S3020のサービス利用処理とS3030の課金処理とが並列に実行されてもよく、例えば、いわゆるネットショッピングなどの電子商取引(Electronic Commerce)サービスに本実施例を適用することにより、ECサイトで商品を購入するときに寄付もできるように構成されてもよい。更に別の実施例として、S3030の課金処理が実行された後に、S3020のサービス利用処理が実行されてもよい。例えば、S3020のサービス利用処理とS3030の課金処理とが並列に実行される例として、動画のライブ配信中に追加的に寄付ができるように構成されてもよい。また、S3030の課金処理が実行された後に、S3020のサービス利用処理が実行される例として、月額制で課金するような、いわゆるサブスクリプションのサービスを提供できるように構成されてもよいし、物販のような、ある商品を購入したお礼として、サービスが利用できるように構成されてもよい。
【0040】
図4は、本発明の一実施例による情報処理装置が提供する画面の一例を示す。
【0041】
図4は、寄付に関する寄付設定画面(支援比率の設定)の一例を示す。ユーザは、ユーザ端末を介して、情報処理装置1000が提供する寄付設定画面を操作することができる。ユーザは、関心のある寄付のエリア(本実施例では、以下、「カテゴリ」と称する)に対する比率を設定することができる。例えば、ユーザが森林保護に関する寄付に興味がある場合には、
図4の「自然・環境保護」のカテゴリの比率(%表示)を0から100%の間で設定することにより、ユーザが希望する寄付の割合を決定する。ユーザは、複数の寄付先を選択することができ、例えば、
図4においては、自然・環境保護のカテゴリへ12%、動物保護のカテゴリへ18%(以下省略)などの割合で寄付することができる。なお、例えば、ユーザが、自然・環境保護のカテゴリへ100%、動物保護のカテゴリへ100%設定した場合(すなわち、合計が100%になっていない場合)には、情報処理装置1000が内部で計算をして、実質的には、自然・環境保護のカテゴリへ50%、動物保護のカテゴリへ50%の割合の寄付比率で寄付するように調整して設定をする。ここで、寄付先とは、寄付金を受ける法人や団体を指し、具体的には、NPO法人などである。なお、
図4の実施例では、数字を直接入力することによって寄付の割合を決めてもいるが、他の実施例として、例えば、画面上に寄付のカテゴリ毎にスイッチなどの直感的な設定手段を表示し、当該スイッチをスライドを左右に動かすことによって寄付の割合を決めてもよい。
【0042】
図5は、本発明の一実施例による寄付設定に関するデータ構造500を示す。
【0043】
本実施例の寄付設定のデータ構造は、カテゴリ510、被寄付者520、重み付け530とから構成されている。カテゴリは、複数の寄付先をひとまとめにしたものである。カテゴリの名称は、例えば、自然・環境保護(以下、「森林保護」とも称する)、海洋保護、動物保護、貧困問題、教育、医療・災害、クリーンエネルギーなどがある。ここで、寄付先は、複数のカテゴリに属してもよく、例えば、あるひとつのNPO(寄付先)法人が、森林保護と海洋保護のふたつに属してもよい。
【0044】
図5のデータ構造によると、例えば、森林保護のカテゴリには、NPO1とNPO2が関連付けられている。ここで、NPO1、NPO2とは、寄付先のNPO法人の仮称である。そして、NPO1には、0.5(50%)の重み付けが付与されており、NPO2にも、0.5(50%)の重み付けが付与されている。すなわち、本実施例においては、ひとつのカテゴリにおいて、複数の法人に対する重み付けが均等になるように設定されており、1つのカテゴリにおける重み付けの合計が1(100%)になるように設定されている。これにより、例えば、ユーザが森林保護のカテゴリのみを選択しており、10,000円を寄付する場合には、重み付けにより、NPO1に5,000円、NPO2に5,000円が寄付されることになる。
【0045】
次に、ユーザが複数のカテゴリを選択している場合について説明する。例えば、ユーザが森林保護のカテゴリに対して50%の割合で寄付すると共に海洋保護のカテゴリに対して50%の割合で寄付するような選択をしていると仮定する。ここで、本実施例のデータ構造を参照すると、NPO1が重複しているが、森林保護のカテゴリと海洋保護のカテゴリそれぞれで計算した合計額が寄付されてもよい。例えば、ユーザに課金した額のうち10,000円が寄付に充てられる場合には、森林保護のカテゴリに5,000円が振り分けられ、海洋保護のカテゴリにも5,000円が振り分けられる。すなわち、各カテゴリに対して均等に振り分けられる。そして、森林保護のカテゴリにおいては、NPO1が5,000円x0.5の寄付金を受け取ることができ、更に、海洋保護のカテゴリにおいては、5,000円x0.5の寄付金も受け取ることができる。すなわち、合計5,000円の寄付金を受け取ることができる。
【0046】
また、別の実施例として、各カテゴリに対して、各NPOへの重み付けを変えて寄付が設定できるように構成されてもよい。
【0047】
図6は、本発明の一実施例による情報処理装置が提供する画面の一例を示す。
【0048】
図6は、寄付に関する寄付の実績を示す画面の一例を示す。本実施例の画面は、現在の寄付のポートフォリオおよび寄付総額を示している。
【0049】
さらに、寄付先のNPO法人から、寄付への感謝のメッセージが届いている場合には、アイコンが表示されるように構成されてもよい。
【0050】
図7は、本発明の一実施例による寄付の記録に関するデータ構造700を示す。
【0051】
本実施例の寄付の記録に関するデータ構造は、カテゴリ710、課金額720、課金額730、寄付金額740、寄付比率750、寄付先760、提供を受けたサービス770、課金日780から構成されている。
【0052】
例えば、
図7のデータ構造を利用することにより、ユーザAは、2020年11月1日に他社ECサイトAで商品を購入した場合、10,000円の課金がユーザA(User-A)に対して発生する。そして、情報処理装置によって、森林保護のカテゴリにおいてはNPO1およびNPO2に対して500円ずつ寄付しており、さらに海洋保護のカテゴリにおいてはNPO1に対して1,000円ずつ(合計2,000円)寄付したことがわかる。ここで、各寄付金額は、寄付比率750に基づいている。この寄付比率750は、
図4で各ユーザが設定した比率に基づく寄付比率に加えて、
図5に示したような重み付けに基づいて計算されている。本実施例においては、ユーザAが、森林保護のカテゴリと海洋保護のカテゴリに50%ずつ寄付金額が配分するように設定したと仮定し、且つ、森林保護のカテゴリにおけるNPO1とNPO2との配分比率が50%(重み付けが0.5)であり、海洋保護においてはNPO1のみに対して寄付される事例を示している。なお、
図7では明示されていないが、差額の8,000円については、他社ECサイトに対して、寄付(2,000円)と同時に決済処理がなされていることも理解できる。
【0053】
本実施例のように、カテゴリをキーとしたデータ構造を採用することにより、カテゴリごとに情報が整理されているので、例えば、
図6に示したような、各カテゴリにおいて各ユーザがどの程度の金額を寄付したなどの情報を容易に得ることができる。
【0054】
なお、
図7には示していないが、例えば、寄付先から寄付者へ御礼のメッセージを送信した場合には、メッセージ送信日やメッセージのカテゴリ(御礼、報告など)が記録されるように構成されてもよい。
【0055】
図8は、本発明の一実施例による
図1の情報処理装置を用いたシステムの決済フローを示す。
図8の個々の要素の概念は、
図1から7で説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
【0056】
図8において、サービス提供者(他社ECサイト)が提供する商品に、購入金額を払って、商品を購入した事例について説明する。情報処理装置1000は、購入者2000が他社ECサイト(サービス提供端末3000)で商品を購入したときに支払った金額の中から、寄付金分を他社ECサイト経由で受け取る。他社ECサイトから受領した金額に、情報処理装置1000のサービス利用料が含まれている場合には、情報処理装置1000は、NPO分のサービス利用料(例えば、送金額の15%)を差し引く。そして、情報処理装置1000は、その差額を寄付金NPOに配分する。そして、購入者2000が設定したカテゴリに基づき寄付金が分配される。ここで、購入者(ユーザ端末)2000は、事前に又は商品購入時に、寄付の割合について設定をしておく。本実施例においては、森林保護が12.34%、海洋保護が9.97%(以下省略)であり、例えば、寄付金額3,240円の場合には、森林保護に400円(=3,240円×12.34%)が配分され、さらに、NPO1と称するNPO法人に、その50%(事前に設定された重み付け)である200円が寄付されることになる。さらに、本実施例においては、付加的な構成として、指定寄付と自由寄付とが選択できるように構成されている。指定寄付とは、特定の被寄付者(NPO法人などを直接指定する場合と、特定のカテゴリを指定する場合とがある。特定の被寄付者(NPO法人などを直接指定する場合は、指定した被寄付者に寄付金が分配される。特定のカテゴリ(例えば、森林保護のカテゴリ)を指定する場合は、指定されたカテゴリ内に属する各被寄付者(NPO法人など)に、所定の重み付けに従って(均等)分配される。一方、自由寄付の場合は、例えば、
図4の設定画面に基づいて設定された割合に基づいて、各カテゴリから各被寄付者(NPO法人など)に分配される。さらに、本実施例では、商品購入の際に寄付を可能にする実施例について説明したが、付加的に、商品購入とは別に、直接寄付(単発の寄付)や月額寄付(定期的な寄付)も可能となるように構成されてもよい。
S10010では、ユーザ端末からの商品提供サーバへのアクセスにより、当該商品提供サーバが有する商品の一部または全部の情報(仕様、価格、在庫数量、送料など)をユーザ端末に提供する。
S10030では、商品提供サーバは、ユーザ端末により選択された商品の購入にあたり、決済情報をユーザ端末に提供する。決済情報とは、ユーザが支払う金額(送料、消費税込み)である。決済方法(例えば、クレジットカード決済であればクレジットカード番号の全部または一部など)が商品販売サーバに登録されていれば、決済方法なども決済情報に含めてもよい。
S10040では、商品提供サーバは、寄付管理サーバからの寄付金を促す寄付情報を受信した後に、決済情報と共に、受信した寄付情報をユーザ端末に提供する。ここで、寄付金を促す寄付情報とは、例えば、寄付金額を100円、1000円などのように具体的な金額を提示するための情報でもよく、購入金額の1%などのように割合を提示するための情報でもよく、決済金額の消費税込みの総額に1000円以下の端数が発生する場合には、その端数を切り上げるための金額を提示するための情報でもよい。
S10050では、決済情報と寄付金情報に対するユーザ端末からの入力により、ユーザが選択した決済方法により商品購入金額と寄付金額との合計金額が決済される。なお、ユーザ端末からの操作により、寄付をしない(寄付金額がゼロ円)という選択をしてもよい。商品提供サーバは、決済金額を商品購入金額と、寄付金額とに分けて、それぞれに対応する記憶領域(図示せず)に記憶する。
S10060では、商品提供サーバは、寄付をしたユーザ名(寄付管理サーバ側にユーザ名が登録されている場合)、寄付金額、寄付の日時(商品購入の日時)などの寄付受付情報を、寄付管理サーバに送信する。なお、商品提供サーバが管理するユーザ名(およびパスワード)と、寄付管理サーバが管理するユーザ名(およびパスワード)は、それぞれ個別に登録されていても、一括管理されていてもよい。
S10080では、寄付管理サーバは、寄付先からの情報(寄付の感謝のメッセージや最近の活動状況など)が更新されると、随時または定期的に、寄付をしたユーザ名に紐づいている配信先(例えば、メールアドレス)に、寄付先からの情報の一部または全部または更新の通知などを電子メールなどで配信する。メッセージの内容は、例えば、寄付に対する感謝を示す内容である。メッセージの内容に加えて、ユーザ名と紐づけられているユーザの専用ページへのリンク先の情報も配信する。また、ユーザが商品を購入したサイトにおける過去の寄付の履歴の一覧が配信されてもよい。