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  • 特開-体温計測システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070320
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】体温計測システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220506BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20220506BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
G08B25/04 F
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179328
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】518462237
【氏名又は名称】株式会社日星クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】加門 孝則
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE14
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA10
5C087AA40
5C087AA42
5C087BB20
5C087BB72
5C087DD06
5C087DD29
5C087DD30
5C087DD36
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF17
5C087FF24
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG83
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入場者の入場規制を適切に行うことができる体温計測システムを提供する。
【解決手段】体温計測システム100において、出入口側に配置され入出場者の体温計測を行う体温計測装置101と、室内側に配置される監視装置102と、を備える。体温計測装置101は、入出場者を撮影する第1カメラ部12、入出場者の撮像を表示する第1表示部13及び入出場者の体温を計測するセンサ部11を備える計測ユニット1と、監視装置102との間でセンサ部11での計測結果に関する通信を行う第1通信部21及び監視装置102側と通話を行う第1通話部22を備える通話ユニットを有する。。監視装置102は、体温計測装置101との間で第1センサ部11での計測結果に関する通信を行う第2通信部と、計測結果を通知する通知部(スピーカ)と、体温計測装置側101と通話を行う第2通話部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口側に配置され入出場者の体温計測を行う体温計測装置と、室内側に配置される監視装置と、を備えた体温計測システムであって、
体温計測装置は、
入出場者を撮影するカメラ部と、
前記入出場者の撮像を表示する表示部と、
前記入出場者の体温を計測するセンサ部と、
前記監視装置との間で前記センサ部での計測結果に関する通信を行う通信部と、
前記監視装置側と通話を行う通話部と、を備え、
前記監視装置は、
前記体温計測装置との間で前記センサ部での計測結果に関する通信を行う通信部と、
前記計測結果を通知する通知部と、
前記体温計測装置側と通話を行う通話部と、を備えることを特徴とする体温計測システム。
【請求項2】
前記体温計測装置は、
前記カメラ部と、前記表示部と、前記センサ部とからなる計測ユニットと、
前記通信部と、前通話部とからなる通話ユニットと、
からなることを特徴とする請求項1に従属の体温計測システム。
【請求項3】
前記通話ユニットは、前記入出場者を撮影する第2カメラ部を備えることを特徴とする請求項2に従属する従属の体温計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体温計測システム、詳しくは出入口側に配置され入場者の体温計測を行う体温計測装置と、室内側に配置される監視装置と、を備えた体温計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスの流行に伴い、病院はもちろん、高齢者施設などの施設内に入場する際、入場者の体温の計測を行い、体温の異常な人の入場を制限することが一般的に行われるようになっている。このような入場者の体温計測を行う者を専属で配置しておくことは、人件費の面や安全面であまり好ましいことではない。
【0003】
従って、このような入場者の体温計測を行う装置の開発が考えられる。そして、このような装置として、病棟などの出入口に設置され、お見舞い者の体温を計測する特許文献1の管理システムや、往来者の体温を計測する特許文献2の体温管理システムが知られている。また、非特許文献1のように実際に製品化も行われている。
【0004】
そして、非特許文献1のように製品化されている体温計測装置の基本的な構成としては、入場者を撮影するカメラ部と、入場者を表示する表示部と、入場者の顔の表面温度を非接触で計測するセンサ部と、を備えたものである。
【0005】
そして、カメラ部で撮影した入場者を表示部に表示し、温度センサ部での計測に最適な位置に誘導することで、入場者の検温を行う。そして、検温結果を表示部に表示して入場者に検温結果を知らせる装置となっている。
【0006】
この時、検温結果の表示としては、入場者の顔の表面温度を具体的に表示したり、表面温度が所定の温度よりも高い場合に警告表示したり、或いは両方で表示したり、ということが行われている。また、表面温度が所定の温度よりも高い場合に警告音によって通知することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-203885号公報
【特許文献2】特開2011-177500号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】テクノツール株式会社| NSS inc. サーモグラフィ検温システム、[令和2年10月12日検索]、インターネット〈https://cpcam.jp/security/solution/lp/face_ai_camera.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
実際に製品化された製品を施設の出入口に設置して使用してみると、問題が生じてしまった。具体的には、製品を施設の出入口に設置し、入場者に検温結果を通知したところ、入場者がその状況を理解できない場合があり、警告表示や警告音を理解できずに勝手にそのまま入場してしまうという問題が生じてしまった。また反対に、入場しても大丈夫な場合であっても、検温が行われたために、入場をためらってしまうという問題が生じてしまった。
特に病院や高齢施設への入場であれば、高齢者や小さな子供も多いため、このような状況が多数発生してしまうことも十分に考えられる。
【0010】
従って、このような状況を防ぐため、入場者の体温計測装置を導入したとしても、実際にはその横に対応する人を配置しておき、入場者へ説明、案内をすることになってしまった。
そこで、本発明は、入場者の入場規制をより適切に行うことができる体温計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一つの態様に係る体温計測システムは、出入口側に配置され入場者の体温計測を行う体温計測装置と、室内側に配置される監視装置と、を備えた体温計測システムであって、体温計測装置は、入出場者を撮影するカメラ部と、前記入出場者の撮像を表示する表示部と、前記入出場者の体温を計測するセンサ部と、前記監視装置との間で前記センサ部での計測結果に関する通信を行う通信部と、前記監視装置側と通話を行う通話部と、を備え、前記監視装置は、前記体温計測装置との間で前記センサ部での計測結果に関する通信を行う通信部と、前記計測結果を通知する通知部と、前記体温計測装置側と通話を行う通話部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
体温計測装置の計測結果が監視装置側でわかるので、危険な人(高熱の人)の場合、通話部を介して入出場できないことを伝えることができるので、体温計測装置の横に監視者がいなくても、入出場者の入出場規制をより適切に行うことができる。特に本発明のように、体温計測装置と監視装置とからなる体温計測システムで、体温計測装置と監視装置との間で通話ができる製品は、従来にはなかった全く新たな製品である。
【0013】
本発明の体温計測システムにおいては、前記体温計測装置は、前記カメラ部と、前記表示部と、前記センサ部とからなる計測ユニットと、前記通信部と、前通話部とからなる通話ユニットと、からなることが好ましい。
【0014】
このような構成により、計測ユニットとして既存の体温計測装置を用いることができる。また、仮に一方が故障した場合には、交換することが対応することができる。
【0015】
本発明の体温計測システムにおいては、前記通話ユニットは、前記入出場者を撮影する第2カメラ部を備えることが好ましい。このような構成により、第2カメラ部の撮影により、計測ユニットの(第1の)カメラ部とは異なる広範囲を撮影することができるので、入出場者の挙動や周囲の状況を知ることができる。つまり、計測ユニットの(第1の)カメラ部は、センサ部での体温計測を適切に行うために、入場者の計測部位が顔であれば、顔を中心に撮影する必要がある。一方で、室内側への入場管理を考えると、入場者の全身や、入場者の周りの状況を把握できることが好ましいため、第2カメラ部によって第1カメラ部とは異なる撮影を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】Aは第1実施形態の体温計測システムの全体の構成を示す図であり、BはAの出入口側に配置される体温計測装置の要部の構成を示すブロック図である。
図2図1Aの室内側に配置される監視装置の要部の構成を示すブロック図である。
図3】第2実施形態の体温計測システムの出入口側に配置される体温計測装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0018】
[第1実施形態]
図1図2を用いて本願の第1実施形態の体温計測システム100の要部の構成を説明する。図1Aに示すように、第1実施形態の体温計測システム100は出入口(ここで、「出入口」は、出口もしくは入口またはその両方を示す。)側に配置され入場者の体温計測を行う体温計測装置101と、室内側に配置される監視装置102と、からなる。
【0019】
図1Bに示すように、体温計測装置101は、計測ユニット1と通話ユニット2からなる。計測ユニット1は、非接触のサーモグラフィで入場者の体温を計測するセンサ部11と、入場者を撮影する第1カメラ部12と、入場者の撮像や計測された体温などを表示する第1表示部13と、入場者にアラートやメッセージの合成音声を発する第1スピーカSP1と、各部を制御する第1制御部14と、第1制御部14が実行するためのソフトやプログラムを記憶する不揮発のEEPROMの第1ROM15と、第1制御部14が実行するために必要なデータを記憶する第1RAM16と、からなる。
【0020】
このような構成により、計測ユニット1は、第1カメラ部12により入場者を撮像し、顔を認識し、センサ部11により額の温度を非接触で計測する。また、第1表示部13に撮像や計測された温度を表示し、必要に応じて、第1スピーカSP1で入場者へアラートや警告の合成音声を出力する。
【0021】
通話ユニット2は、図1Bに示すように、第1アンテナANT1を備え監視装置102とデータ信号や通話信号を通信する第1通信部21と、監視装置102と通話を行う第1通話部22と、計測ユニット1の第1カメラ部12よりも広角な第2カメラ部23と、各部を制御する第2制御部24と、第2制御部24が実行するためのソフトやプログラムを記憶する第2ROM25と、第2制御部24が実行するために必要なデータを記憶する第2RAM26と、からなる。そして、通話ユニット2の第2制御部24は計測ユニット1の第1制御部14と接続されており、相互にデータの送受信や制御ができる。
【0022】
また、第1通話部22は、第1ベースバンド部B1と、第1切替部SW1と、受話用の第2スピーカSP2と、送話用の第1マイクロホンM1と、からなる。なお、第1ベースバンド部B1は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行ったり、音声の圧縮(符号化)・伸張(復号化)を行ったり、アナログとディジタルの変換を行ったり、受話音量やマイクロホンの感度を変更する。また、第1切り替え部SW1は、第2スピーカSP2、第1マイクロホンM1と第1ベースバンド部B1との接続を第2制御部24の制御によりON/OFFする。
【0023】
このような構成により、通話ユニット2は、計測ユニット1による入場者の計測結果や画像データを第1通信部21によって監視装置102に送信することができる。また、通話ユニット2は、第1通話部22により監視装置102側と全二重通信でハンズフリーの通話をすることができる。
【0024】
監視装置102は、図2に示すように、第2アンテナANT2を備え体温計測装置101とデータ信号や通話信号を通信する第2通信部31と、体温計測装置101と通話を行う第2通話部32と、入場者の撮像や計測された体温などを表示する第2表示部33と、監視装置102の操作を行う操作部34と、室内者にアラートやメッセージの合成音声を発する第3スピーカSP3と、各部を制御する第3制御部35と、第3制御部35が実行するためのソフトやプログラムを記憶する第3ROM36と、第3制御部35が実行するために必要なデータを記憶する第3RAM37と、からなる。なお、第2表示部33や第3スピーカSP3は、体温計測装置101での入場者の体温の計測結果を室内者へ通知する通知部を兼ねている。
【0025】
また、第2通話部32は、体温計測装置101の第1通話部22と同様に、第2ベースバンド部B2と、第2切替部SW2と、第4スピーカSP4と、第2マイクロホンM2と、からなり、詳細な説明は省略する。
【0026】
このような構成により、監視装置102は、体温計測装置101から受信した体温や画像データを第2表示部33に表示し、また、受信した体温の値に基づいて、室内者にアラートやメッセージの合成音声による通知を行うことができる。また、監視装置102は、第2通話部32により体温計測装置101側と全二重通信でハンズフリーの通話をすることができる。
【0027】
次に、体温計測システム100の具体的な使用例について説明する。例えば、入場者が出入口へ来て、出入口に設置された体温計測装置101の前で停止する。体温計測装置101は、第1カメラ部12で入場者を撮影し、入場者の撮像を第1表示部13に表示する。この時、入場者は、表示された画像を確認しながら体温計測に適切な位置へ移動する。そして、体温計測装置101のセンサ部11は、例えば、温度感知距離1m、測定速度0.5秒で体温の計測を行う。そして、計測ユニット1の第1制御部13は、第1表示部13に第1カメラ部12の撮像と共に体温を表示し、入場者へその結果を知らせる。
【0028】
この時、例えば、この体温が37.5度未満であれば、第1表示部13にて緑色の背景でこの体温を表示させる。37.5度以上であれば、第1制御部13は、第1スピーカSP1により警告音のブザーを鳴動させて、赤色の背景でこの体温を表示させる。また、第1制御部13は、第1表示部13に「入室禁止」の文字を表示させ、異常であることの合成音声を第1スピーカSP1で発する。
そして、体温計測装置101は、第1通信部21でその画像と体温を監視装置102に送信する。
【0029】
これを第2通信部31で受信した監視装置102の第3制御部35は、その画像と体温を第3RAM37に保存すると共に、高温の入場者があったことを、通知部を構成する第2表示部33による表示や、第3スピーカSP3による合成音声によって室内に通知する。この時、監視装置102では、第2表示部33にその画像と体温を表示させてもよい。また、室内への通知は、第3スピーカSP3による音のみの通知でも構わない。
【0030】
そして、監視装置102での通知により、高温の入場者が出入口にいることを知った監視装置102側のスタッフ(室内者)は、監視装置102の第2通話部32と、体温計測装置101の通話ユニット2の第1通話部22を介して、入場者と通話を行う。この時、体温計測システム100は、体温計測装置101側の入場者と監視装置102側のスタッフとが直接通話できるので、入場者に対応した通話を行うことができる。
【0031】
例えば、入場者が「入室禁止」の漢字が読めない子どもであれば、やさしく入室できないことを説明することができる。また、直接通話なので、合成音声のみではできないような、入場者の話を聞いて適切な対応をすることもできる。このように体温計測システム100は、出入口に監視者がいなくても入場者と通話ができるので、人件費の削減と共に、入場者の入場規制をより適切に行うことができる。
【0032】
また、監視装置102側のスタッフは、高温の入場者の挙動や周囲の状況を知りたいと思えば、体温計測装置101の通話ユニット2の第2カメラ部23により画像データを取得することができる。従って、スタッフは、入場者の周囲の状況等を第2表示部33に表示して確認することができる。特に、第1カメラ部12はセンサ部11での検温のため入場者の顔を中心に撮影する必要があるが、第2カメラ部23はそのような制限もないので、広角な画像を撮影することで体温以外の入場管理にも利用することができる。
【0033】
このように、本実施形態の体温計測システム1は、体温計測装置101の計測結果が監視装置102側でもわかるので、高熱の入場者の場合、第1通話部22、第2通話部32を通じて直接通話を行うことができる。従って、体温計測装置101の横に監視者がいなくても、入場者の入場規制を適切に行うことができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、第1通信部21と第2通信部31は、センサ部11における計測結果に関する通信を行うが、計測結果に関する通信とは、入場者の具体的な体温である計測値のみに限定されるわけではない。例えば、計測値を基に第1制御部14により入場者が「入室禁止」に該当すると判定した場合、この判定結果を第1通信部21から第2通信部31へ送信するような場合も当然ながら含まれる。
【0035】
また、本実施形態においては、第1カメラ部12により撮影した撮像画像を監視装置102側へ送信していたが、第1カメラ部12による撮像画像の送信は必須ではない。例えば、監視装置102側のスタッフが必要とする場合に送信しても構わない。また、第2カメラ部23からの画像は、監視装置102側のスタッフが必要とする場合に送信する例を示したが、体温計測システム100は、第2カメラ部23からの画像を常に送信する構成としても構わない。
【0036】
[具体例]
次に、本実施形態の具体例を説明する。本実施形態の体温計測システム100は、体温計測装置101が、計測ユニット1と通話ユニット2で構成されている。このように体温計測装置101が、別体の計測ユニット1、通話ユニット2で構成される体温計測システム100を簡単に試作するために、本発明者は、計測ユニット1として背景技術にも記載しているような市販の体温計測装置を用い、通話ユニット2として市販のインターホン(玄関側子機)を用いた。そして、監視装置102にインターホンの親機を用いた。
【0037】
なお、体温計測システム100の試作において、通話ユニット2としてインターホン(玄関側子機)を用いたのは、インターホンが通話ユニット2に必要な、第1通信部21、第1通話部22、第2カメラ部23を備えているからである。また、監視装置102としてインターホンの親機を用いたのは、インターホンの親機が監視装置102に必要な、第2通信部31、第2通話部32、通知部としての第2表示部33や第3スピーカSP3を備えているからである。
【0038】
そして、計測ユニット1と通話ユニット2を別の筐体に納め一体化し、センサ部11や第1カメラ部12等、必要な部分をこの筐体から露出させて、体温計測装置101とした。なお、計測ユニット1と通話ユニット2を筐体内に納める場合、縦に並べて配置すると、第1カメラ部12と第2カメラ部12の高さ方向の位置が大きくずれてしまうので、計測ユニット1と通話ユニット2を横に並べて配置した方が好ましい。
【0039】
また、上記実施形態の説明においては、計測ユニット1の第1制御部14と通話ユニット2の第2制御部24とは、相互にデータの送受信や制御ができる例を説明したが、本具体例では、計測ユニット1側で、入場者が「入室禁止」に該当すると判定された場合には、この結果を基にして筐体内に設けた機械的なスイッチを動作させ、通話ユニット2であるインターホン(玄関側子機)に備わっている呼出ボタンを直接押す構成で試作を行った。そして、呼出ボタンが押されることで、監視装置102であるインターホン親機の通知部が動作して周りのスタッフに通知すると共に直接の通知が可能となる。なお、このように、呼出ボタンが押されることにより監視装置通102側へ通知される例も、上記した計測結果に関する通信に当然ながら含まれる。
【0040】
このような本実施形態の具体例である体温計測システム100を用いて実際に使用してみたところ、上記のような効果を奏することができ、また好評であった。また、計測ユニット1として既に販売されている体温計測装置を用いることがきるので、既存の製品に通話ユニット2を後付けして体温計測システム100を実現することもできる。
【0041】
なお、本具体例においては、計測ユニット1側で、入場者が「入室禁止」に該当すると判定された場合にだけ、この結果を基に機械的なスイッチを動作させ、通話ユニット2であるインターホン(玄関側子機)に備わっている呼出ボタンを押す構成としたが、例えば、入場制限が必要な場合だけでなく、計測ユニット1側で計測が行われると常に監視装置102(インターホン親機)で通知を行う構成としても構わない。しかしながら、常に通知が行われるとその都度、スタッフが対応する必要があるため、入場制限が必要な場合にだけ通知を行う構成が好ましい。
【0042】
また、本具体例において体温計測装置101(玄関側子機)側の呼出ボタンを筐体から露出させて、入場者が呼出ボタンを直接押すことができるようにしても構わない。このような構成のように、体温計測装置101に呼出ボタンを設けておくことで、監視装置102側のスタッフに適宜通知、また、通話を行ことができるようになる。そして、このような構成を採用することで、体温計測システム100を例えば、入場者の体温計測機能を備えた自宅用のインターホンとして利用することもできる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の体温計測装置101Aを図3を用いて説明する。第2実施形態の体温計測装置101Aにおいては、第1実施形態の体温計測装置101と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「A」を付す。概略、第2実施形態の体温計測装置101Aは第1実施形態の体温計測装置101の共通構成を一体にしたものである。
【0044】
図3に示すように、体温計測装置101Aは、第1通信部21、第1通話部22、センサ部11、第1カメラ部12、第1表示部13、第1スピーカSP1、第4制御部27、第4ROM28と第4RAM29からなる。第4制御部27は第4ROM28に記憶されるプログラムによって、各部を制御する。
【0045】
本実施形態の体温計測装置101Aは、このように第1実施形態の第1制御部14と第2制御部24を一つの第4制御部27にまとめ、第1ROM15と第2ROM25を1つの第4ROM28にまとめ、第1RAM16と第2RAM26を1つの第4RAM29にまとめている。また、第2カメラ部23は必須の構成ではないとして、本実施形態では省略している。これにより、本実施形態の体温計測装置101Aは小型で安価となる。
【0046】
そして、体温計測装置101Aを用いた本実施形態の体温計測システム1も、第1通話部22、第2通話部32を通じて直接通話を行うことができるので、体温計測装置101の横に監視者がいなくても、入場者の入場規制を適切に行うことができる。
【0047】
このように、本発明の体温計測システムは、体温計測装置の通話部と、監視装置側の通話部とにより、直接通話することができるので、高熱の入場者の場合、通話部を介して入出場できないことを伝えることができるので、体温計測装置の横に監視者がいなくても、入出場者の入出場規制をより適切に行うことができる。
【0048】
また、施設内の人間を施設外に出すことが難しい例えば、刑務所のような施設の場合、仮にウイルスに感染してしまうと施設内での対応が難しいため、施設内にウイルスが持ち込まれないようにするため、より厳しく入場者を監視する必要がある。本発明は、このような施設での使用にも非常に適している。
【0049】
なお、上述の実施形態では、入場者の体温を監視したが、本発明は出場者や通行者を監視することもできる。また、本発明は、監視装置102をWi-Hiルータに接続し、監視者はWi-Hiに接続されたスマートフォンの表示部や通話部を使用して、入場者の体温を監視することもできる。また、実施形態においては、第1通信部21と第2通信部31との通信は、それぞれ第1アンテナANT1、第2アンテナANT2による無線通信であったが、本発明は、無線通信に限定するわけではなく有線による通信でも構わない。
【符号の説明】
【0050】
100:体温計測システム
101、101A:体温計測装置
102:監視装置
1:計測ユニット
2:通話ユニット
11:センサ部
22:第1通話部
32:第2通話部
図1
図2
図3