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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070336
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】光触媒コーティング組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/02 20060101AFI20220506BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20220506BHJP
   C09D 1/00 20060101ALI20220506BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20220506BHJP
【FI】
B01J35/02 J
B01J37/04 102
C09D1/00
C09D7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179354
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】720005024
【氏名又は名称】株式会社出田精密
(72)【発明者】
【氏名】出田 光行
(72)【発明者】
【氏名】太田 修平
【テーマコード(参考)】
4G169
4J038
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BA48A
4G169BE06C
4G169DA05
4G169FA01
4G169FB06
4G169HA02
4G169HB01
4G169HC01
4G169HD10
4G169HE07
4G169HE12
4J038AA011
4J038HA211
4J038JA18
4J038MA09
4J038NA27
4J038PB07
4J038PC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた抗菌性及び抗ウイルス性並びに良好な防汚性を透明な間仕切り等に容易に付与できる光触媒コーティング組成物と、前記組成物を工業的有利に製造できる製造方法とを提供する。
【解決手段】炭素数3~5のアルコールに、0.01~0.1体積%の配合割合にて下記式(A)で表される化合物を加えて混合し、得られた混合液に、前記混合液よりも多くの量の水を加えて、光触媒コーティング組成物を製造し、アクリル板等の透明な基材にコーティングする。

(式中、Mはチタンを表し、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数3~5の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表すか、又はR、R、R及びRのうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数3~5のアルコールに、0.01~0.1体積%の配合割合にて下記式(A)で表される化合物を加えて混合し、得られた混合液に、前記混合液よりも多くの量の水を加えることを特徴とする光触媒コーティング組成物の製造方法。
【化1】
(式中、Mはチタンを表し、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数3~5の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表すか、又はR、R、R及びRのうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
【請求項2】
前記アルコールがイソプロパノールである請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記化合物が、チタンイソプロポキシドである請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記配合割合が0.05~0.1体積%である請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記混合液に対して前記水が150~500体積%の割合となるように、前記混合液に前記水を加える請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
光触媒、炭素数3~5のアルコール及び水を含む光触媒コーティング組成物であって、
実質的に無色透明な液体であることを特徴とする光触媒コーティング組成物。
【請求項7】
pHが中性である請求項6記載の光触媒コーティング組成物。
【請求項8】
前記光触媒がアモルファスTiOナノ粒子である請求項6又は7に記載の光触媒コーティング組成物。
【請求項9】
光触媒、炭素数3~5のアルコール及び水を含む光触媒コーティング組成物であって、
pHが中性であることを特徴とする光触媒コーティング組成物。
【請求項10】
光触媒コーティング組成物をコーティングされてなる製品であって、前記光触媒コーティング組成物が、請求項6~9のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とする製品。
【請求項11】
光触媒コーティング組成物を含むウイルス感染予防剤であって、前記光触媒コーティング組成物が、請求項6~9のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とするウイルス感染予防剤。
【請求項12】
光触媒コーティング組成物を被コーティング物にコーティングする方法であって、前記光触媒コーティング組成物が、請求項6~9のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とするコーティング方法。
【請求項13】
被コーティング物が、透明又は半透明である請求項12記載のコーティング方法。
【請求項14】
被コーティング物が、アクリル板である請求項12又は13に記載のコーティング方法。
【請求項15】
前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーすることにより行う請求項12~14のいずれかに記載のコーティング方法。
【請求項16】
前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーし、ついで拭くことにより行う請求項12~14のいずれかに記載のコーティング方法。
【請求項17】
前記のコーティングを、2度以上繰り返し行う請求項12~16のいずれかに記載のコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒コーティング組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等において、前部席側と後部席側とを仕切るカーテン等が知られており、冷暖房の節約や防犯等を目的として検討されている(特許文献1等)。
しかしながら、このような間仕切りは、空間を分割するには適しているが、一方で、汚れやすく、衛生面において必ずしも満足のいくものではなかった。そのため、汚れにくい間仕切りが待ち望まれており、さらには、最近では、ウイルス感染等の問題も生じてきており、上記に加え、ウイルス感染を防ぐような抗ウイルス性を有していたり、人の飛沫を防いだりするような間仕切りが待ち望まれていた。
【0003】
なお、間仕切り等に、防汚処理や抗ウイルス処理等を施すことも検討されているが、抗ウイルス作用を有する抗ウイルス剤は、間仕切り等に対し、抗ウイルス性を付与できるが、逆に透明性を損なうことになり、一方で透明性を確保しようと抗ウイルス剤の濃度を薄くすると、抗ウイルス性が持続しなかったりして、必ずしも満足のいくものではなかった。例えば、特許文献2には、光触媒前駆体のチタンテトライソプロポキシドとイソプロピルアルコールとを混合し、ついで、純水及びイソプロピルアルコールの混合液体に加え、攪拌することにより、白色のスラリー物質を得て、ろ過分離後、純水で洗浄することにより、白色粒子を得ることが記載されており、さらに、前記白色粒子に過酸化水素水を加えて、自己熱反応させ、橙色のゲル状物質を得た後、アンモニア水を加えて、橙色の透明な液体を得ることが記載されているが、透明な基材に用いることが基材の透明性を損なうため困難であり、また、白色のスラリー等の発生により、製造工程が煩雑になってしまうといった問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3002230号
【特許文献2】特開2019-6613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、優れた抗菌性及び抗ウイルス性並びに良好な防汚性を透明な間仕切り等に容易に付与できる光触媒コーティング組成物と、前記光触媒組成物を工業的有利に製造できる製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、イソプロパノールに、0.01~0.1体積%の配合割合にてチタンイソプロポキシドを加えて混合し、得られた混合液に、前記混合液よりも多くの量の水を加えて光触媒コーティング組成物を製造すると、容易に透明かつ光触媒の触媒活性に優れた光触媒コーティング組成物を得ることができ、得られた光触媒コーティング組成物が、優れた抗菌性及び抗ウイルス性並びに良好な防汚性を間仕切り等に容易に付与できることを知見し、このような光触媒コーティング組成物が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 炭素数3~5のアルコールに、0.01~0.1体積%の配合割合にて下記式(A)で表される化合物を加えて混合し、得られた混合液に、前記混合液よりも多くの量の水を加えることを特徴とする光触媒コーティング組成物の製造方法。
【化1】
(式中、Mはチタンを表し、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数3~5の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表すか、又はR、R、R及びRのうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
[2] 前記アルコールがイソプロパノールである前記[1]記載の製造方法。
[3] 前記化合物が、チタンイソプロポキシドである前記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記配合割合が0.05~0.1体積%である前記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記混合液に対して前記水が150~500体積%の割合となるように、前記混合液に前記水を加える前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 光触媒、炭素数3~5のアルコール及び水を含む光触媒コーティング組成物であって、実質的に無色透明な液体であることを特徴とする光触媒コーティング組成物。
[7] pHが中性である前記[6]記載の光触媒コーティング組成物。
[8] 前記光触媒がアモルファスTiOナノ粒子である前記[6]又は[7]に記載の光触媒コーティング組成物。
[9] 光触媒、炭素数3~5のアルコール及び水を含む光触媒コーティング組成物であって、pHが中性であることを特徴とする光触媒コーティング組成物。
[10] 光触媒コーティング組成物をコーティングされてなる製品であって、前記光触媒コーティング組成物が、前記[6]~[9]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とする製品。
[11] 光触媒コーティング組成物を含むウイルス感染予防剤であって、前記光触媒コーティング組成物が、前記[6]~[9]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とするウイルス感染予防剤。
[12] 光触媒コーティング組成物を被コーティング物にコーティングする方法であって、前記光触媒コーティング組成物が、前記[6]~[9]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を含むことを特徴とするコーティング方法。
[13] 被コーティング物が、透明又は半透明である前記[12]記載のコーティング方法。
[14] 被コーティング物が、アクリル板である前記[12]又は[13]に記載のコーティング方法。
[15] 前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーすることにより行う前記[12]~[14]のいずれかに記載のコーティング方法。
[16] 前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーし、ついで拭くことにより行う前記[12]~[14]のいずれかに記載のコーティング方法。
[17] 前記のコーティングを、2度以上繰り返し行う前記[12]~[16]のいずれかに記載のコーティング方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光触媒コーティング組成物は、優れた抗菌性及び抗ウイルス性並びに良好な防汚性を透明な間仕切り等に容易に付与でき、本発明の製造方法は、このような光触媒コーティング組成物を工業的有利に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例における試験評価の結果を示す図である。縦軸はATP量(/cm)を示す。
図2】実施例における試験評価の結果を示す図である。縦軸はATP量(/cm)を示す。
図3】実施例における試験評価の結果を示す図である。縦軸はATP量(/cm)を示す。
図4】実施例における試験評価の結果を示す図である。縦軸はATP量(/cm)を示す。
図5】実施例における試験評価の結果を示す図である。縦軸はATP量(/cm)を示す。
図6】実施例における光触媒コーティング組成物の写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の光触媒コーティング組成物の製造方法は、 炭素数3~5のアルコールに、0.01~0.1体積%の配合割合にて下記式(A)で表される化合物を加えて混合し、得られた混合液に、前記混合液よりも多くの量の水を加えることを特長とする。
【化2】
(式中、Mはチタンを表し、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数3~5の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表すか、又はR、R、R及びRのうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0011】
前記化合物(A)としては、例えばチタンアルコキシド等が挙げられるが、本発明においては、前記化合物(A)がチタンイソプロポキシドであるのが好ましい。
【0012】
前記アルコールは、炭素数3~5のアルコールであれば特に限定されないが、公知のアルコールであってよい。分岐状のアルコールであってもよい。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等が挙げられるが、本発明においては、前記アルコールが、イソプロパノールであるのが好ましい。
【0013】
前記のアルコールに対する前記化合物(A)の配合割合は、通常、約0.01~0.1体積%であるが、本発明においては、0.05~0.1体積%であるのが好ましい。このような好ましい範囲である場合、より水に対する分散性に優れた混合液を得ることができ、触媒活性をより良好なものとすることができる。
【0014】
前記水は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記水としては、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられる。
【0015】
前記混合液に対する前記水の配合量は、前記混合液よりも多くの量であれば特に限定されないが、本発明においては、前記混合液に対して前記水が150~500体積%の割合となる量であるのが好ましい。このような好ましい範囲によれば、触媒活性とコーティング液性(粘性)との両方をより良好なものとすることができる。
【0016】
上記のように得られた光触媒コーティング組成物は、光触媒、前記の炭素数3~5のアルコール及び前記水を含む光触媒コーティング組成物であって、実質的に無色透明な液体であるか、又はpHが中性であり、このような光触媒コーティング組成物も本発明に包含される。また、前記製造方法の好適な態様によれば、アモルファスTiOナノ粒子を光触媒として容易に得ることができ、光触媒の触媒活性をより良好なものとすることができる。
【0017】
前記光触媒は、通常、光を照射すると、酸化作用および還元作用の少なくともいずれかが促進されるものをいい、その結果、雑菌や細菌や臭気物質などの有機物を分解する分解作用と、表面が水に濡れやすい親水作用と、菌の繁殖を抑制するあるいは菌の活動を停止させる抗菌作用とを得ることができる。本発明においては、前記光触媒が酸化チタンであるのが好ましい。
【0018】
本発明において「実質的に無色透明」とは、着色が認められないかほとんど認められず、透き通っている状態を意味し、具体的には、可視光領域(420nm以上700nm以下の波長範囲)の光の透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることを意味する。
【0019】
また、「中性」とは、通常、25℃におけるpH5.8以上8.6以下の範囲内を意味するが、本発明においては、環境省で定められる一律排水基準における水素イオン濃度許容限度範囲(海域以外の公共用水域に排出されるもの)と同じであってよい。
【0020】
前記光触媒コーティング組成物は被コーティング物にコーティングされる。
前記被コーティング物は、材質や形状等特に限定されず、製品(中間製品を含む)の全部又は一部等であってもよい。本発明においては、前記被コーティング物が、透明又は半透明であるのが好ましく、透明であるのがより好ましく、アクリル板であるのがコーティングの相性がより良好であるので最も好ましい。前記透明とは、透き通っている状態を意味し、具体的には、可視光領域(420nm以上700nm以下の波長範囲)の光の透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることを意味する。また、前記透明又は半透明とは、具体的には、可視光領域(420nm以上700nm以下の波長範囲)の光の透過率が50%以上であることを意味する。
【0021】
また、本発明においては、前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーすることにより行うのが好ましく、前記のコーティングを、前記光触媒コーティング組成物を前記被コーティング物にスプレーし、ついで拭くことにより行うのが、よりムラなくより効率的に効果を優れたものとすることができるので、より好ましい。また、本発明においては、前記のコーティングを、2度以上繰り返し行うのが好ましい。2度以上繰り返すことにより、光触媒の触媒活性をより向上させることができる。
【実施例0022】
(実施例1)
1.光触媒コーティング組成物の調整
イソプロパノール100mLに、50μLのチタンイソプロポキシド(Ti(OPr))を滴下し、攪拌した後、混合液を得た。得られた混合液に対し、精製水を混合液と精製水との配合割合が1:2(体積比)となるように加え、液状でかつ無色透明の光触媒コーティング組成物を得た。
【0023】
2.コーティング及び抗菌性及び抗ウイルス性試験評価
上記1.で得た光触媒コーティング組成物をスプレーボトルに移し替え、無色透明なアクリル板に、光触媒コーティング組成物を吹き付けた。吹き付け後、アクリル板表面の光触媒コーティング組成物の液滴をペーパータオルで軽く拭き取った後、コーティング面を、ルミテスターPD-20(キッコーマンバイオケミファ株式会社製)を用いて、ATP(アデノシン三リン酸)の量を測定した。コーティング処理前と処理直後の結果を図1に示す。また、同様に、1時間後及び2時間後のコーティング面のATP量を測定した。図2に示す。図1及び図2からも明らかなように本発明の光触媒コーティング組成物は優れた抗菌性及び抗ウイルス性を有している。また、図6に示すように、上記1.で得た光触媒コーティング組成物1の一部をフラスコ2に入れて観察したところ、着色が認められず、透き通っている状態であることを確認し、さらに、可視光領域(420nm以上700nm以下の波長範囲)の光の透過率が90%以上であることを確認した。
【0024】
(実施例2)
精製水を混合液と精製水との配合割合が1:5(体積比)となるように加えたこと以外、実施例1と同様にして光触媒コーティング組成物を得た。そして、実施例1と同様にしてATP(アデノシン三リン酸)の量を測定した。コーティング処理前と処理直後の結果を図3に示す。水を多くしても実施例1と同様の効果があった。
【0025】
(実施例3)
実施例1と同様にして得た光触媒コーティング組成物を実施例1と同様にコーティング及びATP量を測定した。コーティング処理前と処理直後の結果を図4に示す。また、抗菌性の持続効果を確かめるため、1日経過後のコーティング面のATP量を測定した。結果を図5に示す。図4及び図5から明らかなように、1日後でも良好な抗菌性及び抗ウイルス性を有しており、本発明品が抗菌持続性にも優れていることが分かる。また、防汚性についても、コーティング処理済みのアクリル板は、未処理のアクリル板に比べ、1日後でも埃が全く付かなかった。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の光触媒コーティング組成物及びその製造方法は、抗菌処理や抗ウイルス処理が望まれる製品等に有用であり、特に透明な間仕切り等に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 光触媒コーティング組成物
2 フラスコ
図1
図2
図3
図4
図5
図6