(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070391
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】中央凸部を有するハウジングを備えたコネクタを保護するための保護部材、及び、保護部材を配置したコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20220506BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179430
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】金 俊豪
(72)【発明者】
【氏名】小田 亨平
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AA11
5E223AA16
5E223AB16
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB33
5E223EA03
(57)【要約】
【課題】コネクタのハウジングにおける中央凸部端部の保護を向上させ、ハウジングの破損を防止するための保護部材を提供する。
【解決手段】保護部材150は、側面部450、及び、前記側面部450に連続する移行部455を有する凸部側面保護部340を備え、前記側面部450は、前記凸部端壁137の少なくとも一部と、前記第1の凸部端側壁139及び前記第2の凸部端側壁139の一方又は両方の少なくとも一部とを覆い、前記移行部455は、前記凸部端壁137と前記凸部端上面142との間の端壁接続部分143と、前記第1の凸部端側壁139及び前記凸部端上面142の間の第1の側壁接続部分144とが形成する第1の三面接続部分187、並びに、前記端壁接続部分143と、前記第2の凸部端側壁139及び前記凸部端上面142の間の第2の側壁接続部分145とが形成する第2の三面接続部分189の少なくとも一方を覆う。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ奥行方向及びコネクタ高さ方向で形成される面を有する凸部端壁と、コネクタ幅方向及び前記コネクタ高さ方向で形成される面を有する第1の凸部端側壁と、前記第1の凸部端側壁に平行である第2の凸部端側壁と、前記凸部端壁、前記第1の凸部端側壁及び前記第2の凸部端側壁と接続し、前記コネクタ幅方向及び前記コネクタ奥行方向で形成される面を有する凸部端上面とを少なくとも含む中央凸部を有するハウジングを備えたコネクタを保護するための保護部材であって、
側面部、及び、前記側面部に連続する移行部を有する凸部側面保護部を備え、
前記側面部は、前記凸部端壁の少なくとも一部と、前記第1の凸部端側壁及び前記第2の凸部端側壁の一方又は両方の少なくとも一部とを覆い、
前記移行部は、前記凸部端壁と前記凸部端上面との間の端壁接続部分と、前記第1の凸部端側壁及び前記凸部端上面の間の第1の側壁接続部分とが形成する第1の三面接続部分、並びに、前記端壁接続部分と、前記第2の凸部端側壁及び前記凸部端上面の間の第2の側壁接続部分とが形成する第2の三面接続部分の少なくとも一方を覆う、保護部材。
【請求項2】
請求項1に記載の保護部材において、
前記保護部材の前記移行部は、前記ハウジングの前記端壁接続部分の少なくとも一部を覆う凸部端壁移行部を備え、
前記保護部材の前記側面部は、
前記ハウジングにおける前記凸部端壁と前記第1の凸部端側壁とを接続する第1の端壁側壁接続部分の少なくとも一部を覆う第1の凸部端部側面保護部と、
前記ハウジングにおける前記凸部端壁と前記第2の凸部端側壁とを接続する第2の端壁側壁接続部分の少なくとも一部を覆う第2の凸部端部側面保護部と、
備えた、保護部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保護部材において、
前記保護部材の前記移行部は、
、前記第1の側壁接続部分の少なくとも一部を覆う第1の凸部端側壁移行部と、
前記第2の側壁接続部分の少なくとも一部を覆う第2の凸部端側壁移行部と、
を備えた、保護部材。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の保護部材は、
前記凸部側面保護部の前記移行部に連続する凸部上面保護部をさらに備え、
前記凸部上面保護部は、前記凸部端上面の少なくとも一部を覆い、
前記凸部側面保護部及び前記凸部上面保護部は、つなぎ目が無い、保護部材。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の保護部材において、
前記中央凸部は、端側部を有し、
前記端側部は、前記凸部端壁と、前記第1の凸部端側壁と、前記第2の凸部端側壁と、前記凸部端上面と、前記凸部端壁に平行な内側壁とを有し、前記内側壁が前記第1の凸部端側壁、前記第2の凸部端側壁、及び前記凸部端上面に連続し、
前記凸部側面保護部の前記側面部は、さらに、前記内側壁の少なくとも一部を覆い、前記移行部に連続する、保護部材。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の保護部材は、
前記凸部側面保護部に連続する端子連結部と、
前記端子連結部に連続する端子と、
をさらに有する、保護部材。
【請求項7】
コネクタであって、
請求項1~5の何れか一項に記載の保護部材と、
前記ハウジングとを備え、
前記ハウジングは、第1の端壁と、前記第1の端壁に平行である第2の端壁と、前記第1の端壁及び前記第2の端壁に連続する第1の側壁と、前記第1の側壁に平行であり、前記第1の端壁及び前記第2の端壁に連続する第2の側壁とをさらに有し、
前記第1の端壁、前記第2の端壁、前記第1の側壁、及び前記第2の側壁と、前記中央凸部との間に溝が形成され、
前記保護部材は、
前記第1の端壁に保持される被保持部と、
前記第1の端壁側において、前記凸部側面保護部と前記被保持部を連結する連結部と、
前記第1の側壁に保持される側壁被保持部と、
前記被保持部と前記側壁被保持部とを連結する側壁連結部と、
を備え、
前記保護部材が前記ハウジングにインサート成形されている、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央凸部を有するハウジングを備えたコネクタを保護するための保護部材、及び、保護部材を配置したコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスイヤホン、スマートグラスなどのウエアラブル装置や、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの携帯装置などである小型の電子装置では、電子装置に用いられる部品の小型化が求められ続けられている。部品の一部であるコネクタにも、更なる小型化が求められている。一方で、小型化により、コネクタのハウジングが破損しやすくなっている。
【0003】
特許文献1(特開2006-331679号公報)には、ハウジングの破損を防止するレセプタクル部材141、142、241、242が開示されている(
図3、4)。
図2から理解されるように、レセプタクル側のハウジング121における中央突部の短手方向の側面と、当該短手方向の側面と連続する長手方向の側面の一部と、当該短手方向の側面に連続する中央突部の上面の一部とがレセプタクル部材により保護されている。
【0004】
特許文献2(特開2017-168210号公報)にも、ハウジングの破損を防止する保護部410が開示されている(
図7、8)。
図1から理解されるように、レセプタクル側のハウジングにおける中央突部の短手方向の側面と、当該短手方向の側面に連続する中央突部の上面の一部とが保護部410により保護されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-331679号公報
【特許文献2】特開2017-168210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2のコネクタにおいて、保護部材は、ハウジングの中央突部の上面、長手方向の側面、及び、短手方向の側面が形成する三面接続部分を保護していないだけでなく、さらに、ハウジングの中央突部の上面と長手方向の側面とを接続する長手方向上面接続部分を保護していない。これら技術において、短手方向上面部分が保護されているものの、コネクタを嵌合する時、長手方向上面部分も、短手方向上面部分と同様に、相手コネクタと高い頻度で接触する。したがって、長手方向上面部分も、破損することがあり、破損により、短絡などの問題が発生することとなる。
【0007】
コネクタのハウジングにおける中央凸部端部の保護を向上させ、ハウジングの破損を防止するための保護部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例による保護部材であって、コネクタ奥行方向及びコネクタ高さ方向で形成される面を有する凸部端壁と、コネクタ幅方向及び前記コネクタ高さ方向で形成される面を有する第1の凸部端側壁と、前記第1の凸部端側壁に平行である第2の凸部端側壁と、前記凸部端壁、前記第1の凸部端側壁及び前記第2の凸部端側壁と接続し、前記コネクタ幅方向及び前記コネクタ奥行方向で形成される面を有する凸部端上面とを少なくとも含む中央凸部を有するハウジングを備えたコネクタを保護するための保護部材は、側面部、及び、前記側面部に連続する移行部を有する凸部側面保護部を備え、前記側面部は、前記凸部端壁の少なくとも一部と、前記第1の凸部端側壁及び前記第2の凸部端側壁の一方又は両方の少なくとも一部を覆い、前記移行部は、前記凸部端壁と前記凸部端上面との間の端壁接続部分と、前記第1の凸部端側壁及び前記凸部端上面の間の第1の側壁接続部分とが形成する第1の三面接続部分、並びに、前記端壁接続部分と、前記第2の凸部端側壁及び前記凸部端上面の間の第2の側壁接続部分とが形成する第2の三面接続部分の少なくとも一方を覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1c】
図1aと同様に上方から見たコネクタにおけるハウジングのみの斜視図を示す。
【
図2a】上方から見た相手コネクタの斜視図を示す。
【
図2b】下方から見た相手コネクタの斜視図を示す。
【
図3b】コネクタを示しており、
図3aにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図3a中に示される矢印方向から見た図を示す。
【
図4a】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図4b】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図4c】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図4d】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図4e】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図4f】第1の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5a】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5b】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5c】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5d】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5e】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5f】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図5g】第2の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7a】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7b】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7c】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7d】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7e】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7f】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図7g】第3の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9a】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9b】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9c】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9d】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9e】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【
図9f】第4の実施例による、様々な角度から見た保護部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[概要]
図1aは、上方から見たコネクタ100の斜視図を示す。
図1bは、下方から見たコネクタ100の斜視図を示す。
図1cは、
図1aと同様に上方から見たコネクタ100におけるハウジング105のみの斜視図を示す。コネクタ100は、樹脂などの絶縁部材を用いて形成されたハウジング105、保護部材150、電源端子155、及び、信号端子160を含む。ハウジング105は、Y方向に伸びる第1の端壁110と、第1の端壁110と平行して伸びる第2の端壁115と、第1の端壁110及び第2の端壁115と連続する第1の側壁120と、第1の側壁120と平行であり、第1の端壁110及び第2の端壁115と連続する第2の側壁125と、底壁130(
図1b参照)と、中央に島のように形成された中央凸部135とを有する。
【0011】
保護部材150は、ハウジング105にインサート成形によって保持されるものであり、第1の端壁110及び第2の端壁115の周囲に配置される。保護部材150は、ハウジングより硬い素材であることが望ましい、より好ましくは、曲げ加工、しぼり加工などを施すことができる金属板とすることができる。一実施例において、保護部材150は、導電性部材でもよい。
【0012】
電源端子155及び信号端子160は、導電性部材によって形成される。電源端子155は、信号端子160よりX方向の幅を大きくすることができ、信号より大きな電力である電源用として用いられる。信号端子160は、X方向に同ピッチ2列で配置される。他の実施例では、信号端子160は、1列又は3列以上でもよく、X方向のピッチ幅は異なっていてもよい。他の実施例において、電源端子155及び信号端子160は、図に示した以外の位置に設置されてもよい。
【0013】
ハウジング105は、底壁130を底面として、中央凸部135と、第1の端壁110、第2の端壁115、第1の側壁120、及び第2の側壁125との間に形成される溝状の相手コネクタ収容部180を有する。中央凸部135の周囲に形成される溝である相手コネクタ収容部180は、第1の端壁110及び第2の端壁115付近に嵌合部185を有する。嵌合部185は、相手コネクタを収容し、コネクタ100及び相手コネクタを嵌合するために用いられる。中央凸部135は、その両方の端部又は一方の端部に、少なくとも一部が保護部材150で覆われた端部面を有する。
図1a及び
図1cから理解されるように、それぞれの端部面は、YZ平面に平行な面を形成する凸部端壁137と、凸部端壁137に連続し、XZ平面に平行な面を形成する一対の凸部端側壁139と、凸部端壁137に連続し、XY平面に平行な面を形成する凸部端上面142とからなる4つの壁又は面で形成される。一対の凸部端側壁139それぞれは、少なくとも、保護部材150で覆われた中央凸部135の端部面において、対面する。ハウジング105における中央凸部135の端部は、凸部端壁137と凸部端上面142との間の端壁接続部分143と、凸部端側壁139の一方及び凸部端上面142の間の第1の側壁接続部分144とが形成する第1の三面接続部分(第1の角部分)187、端壁接続部分143と、凸部端側壁139の他方及び凸部端上面142の間の第2の側壁接続部分145とが形成する第2の三面接続部分(第2の角部分)189、凸部端壁137と凸部端側壁139の一方とを接続する第1の端壁側壁接続部分146、並びに、凸部端壁137と凸部端側壁139の他方とを接続する第2の端壁側壁接続部分147を有する。凸部端側壁139の第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189は、コネクタ100が相手コネクタ200と嵌合するとき、コネクタ同士が衝突することから、最も破損を起こしやすい箇所の一つである。また、第1の端壁側壁接続部分146及び第2の端壁側壁接続部分147も、コネクタ100が相手コネクタ200と嵌合するとき、破損を起こしやすい箇所の一つである。
【0014】
保護部材150の少なくとも一部は、中央凸部135の端部面に対面している。好ましくは、保護部材150の少なくとも一部は、中央凸部135の端部面に接している。より好ましくは、保護部材150の少なくとも一部は、中央凸部135の端部面に密着している。保護部材150が中央凸部135の端部面に接する、対面する、又は、密着することにより、保護部材150は、ハウジング105に保持される。他の実施例において、保護部材150は、保護部材150が中央凸部135の端部面に対面すること、保護部材150が端部面に接すること、及び、保護部材150が端部面に密着することの少なくとも2以上の組み合わせにより、ハウジング105に保持されてもよい。
【0015】
図1bから理解されるとおり、保護部材150の一部は、底壁130の裏面にて、露出している。インサート成形によって、コネクタを作成した場合、保護部材150の露出している部分の面は、底壁130の面と略面一とすることができる。
【0016】
図1bで示されるハウジングから露出している信号端子160及び電源端子155は、電子装置内の基板(図示せず)に半田付けなどにより接続される。
【0017】
図2aは、上方から見た相手コネクタ200の斜視図を示す。
図2bは、下方から見た相手コネクタ200の斜視図を示す。相手コネクタ200は、コネクタ100に対応するように、樹脂などの絶縁部材を用いて形成されたハウジング205、保護部材250、電源端子255、及び、信号端子260を含む。ハウジング205は、Y方向に伸びる第1の端壁210と、第1の端壁210と平行して伸びる第2の端壁215と、第1の端壁210及び第2の端壁215と連続する第1の側壁220と、第1の側壁220と平行であり、第1の端壁210及び第2の端壁215と連続する第2の側壁225と、底壁230(
図2b参照)とを有する。第1の端壁210、第2の端壁215、第1の側壁220、第2の側壁225及び底壁230により、中央に凹んでいる中央凹部235が形成される。相手コネクタ200の保護部材250は、後述するコネクタの係止部310-3に係止される被係止部280を有する。被係止部280は、係止部310-3に対応する形状であり、保護部材250において、凹み又は穴によって形成される。
【0018】
図1a及び
図3bを参照すると、コネクタの中央凸部135は、相手コネクタの中央凹部235に対応する形となっており、コネクタ100は、相手コネクタ200を収容することが分かる。コネクタ100及び相手コネクタ200が嵌合することにより、コネクタ100の電源端子155及び信号端子160は、それぞれ、相手コネクタ200の電源端子255及び信号端子260に接続され、電気的接続がもたらされる。
【0019】
図3aは、コネクタ100を上方から見た図である。
図3bは、コネクタ100を示しており、
図3aにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図3a中に示される矢印方向から見た図を示す。
【0020】
図3bを参照すると、保護部材150は、第1の端壁110において、ハウジングの外側に露出する端壁露出部305を有する。端壁露出部305は、Z方向に突出しており、固定部として、基板(図示せず)に半田付けなどによって固定されてもよい。露出部305は、コネクタ内側に伸び、湾曲した略逆U字形状の被保持部310に連続する。被保持部310は、露出部305からZ方向に伸びる外側被保持部310-1、U字形状の底部分に該当する湾曲被保持部310-2、係止部310-3、及び、係止部310-3から-Z方向に伸びる内側被保持部310-4を有する。係止部310-3は、相手コネクタの被係止部(
図2bの280も参照)を係止することにより、コネクタ100及び相手コネクタ200が固定される。
【0021】
湾曲被保持部310-2の湾曲により、外側被保持部310-1及び内側被保持部310-4は、大よそZ方向(YZ平面上)で対面する。内側被保持部310-4は、XY平面上に配置される連結部335に連続する。連結部335は、凸部側面保護部340に連続する。凸部側面保護部340は、凸部上面保護部345に連続する。凸部側面保護部340及び凸部上面保護部345は、保護部を形成する。本発明の実施例において、凸部側面保護部340及び凸部上面保護部345、又は、凸部側面保護部340は、つなぎ目を有していない。好ましくは、保護部材150は、全体でつなぎ目を有していない。したがって、
図1から理解されるように、凸部側面保護部340及び凸部上面保護部345は、中央凸部135の端部が有する第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189を、X方向、Y方向、及びZ方向の何れの方向からも視認されないように覆うことができる。他の実施例において、凸部側面保護部340及び凸部上面保護部345は、第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189の一方のみを覆うように構成されていてもよい。本実施例において、中央凸部135の端部が有する第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189が保護部材150により視認されないように覆われているとは、第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189が保護部材150以外の部材で覆われていることを意図していない。例えば、ハウジング105の第1の端壁110、第2の端壁115、第1の側壁120、及び第2の側壁125の少なくとも一つなどが、第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189を視認されないように覆う構成は、本発明の構成とは異なる。
【0022】
第2の端壁115における保護部材150は、第1の端壁110における保護部材150の鏡対象となるように配置される。他の実施例において、保護部材150は、第1の端壁110及び第2の端壁115の一方のみにおいて配置されてもよい。
【0023】
本実施例において、被保持部310は、略逆U字形状としたが、他の実施例として、被保持部310は、ハウジング105が被保持部310を保持できる形状であれば、略逆L字形状や、略逆J字形状などの他の形状であってもよい。被保持部310が略逆L字形状又は略逆J字形状である場合、保護部材150は、端壁露出部305を備えていない、外側被保持部310-1及び端壁露出部305を備えていない、又は、外側被保持部310-1の一部及び端壁露出部305を備えていないように構成することができる。
【0024】
他の実施例において、保護部材150は、係止部310-3を備えていなくてもよい。この場合、湾曲被保持部310-2は、内側被保持部310-4に直接接続される。
【0025】
[第1の実施例]
図4を用いて、中央凸部135の端部側を覆う保護部材150の第1の実施例を説明する。
図4a~4fは、様々な角度から見た保護部材150を示す。
【0026】
図4aにおいて、端壁露出部305が外側被保持部310-1に連続する。インサート成形により、外側被保持部310-1の一部(主に、XY平面及びYZ平面を形成する部分)は、第1の端壁110(又は第2の端壁115)に覆われている(
図1a参照)。外側被保持部310-1は、湾曲被保持部310-2に連続し、湾曲被保持部310-2は、第1の端壁110(又は第2の端壁115)の上面に沿って湾曲する。湾曲被保持部310-2は、係止部310-3を介して、内側被保持部310-4(
図4bも参照)に連続する。外側被保持部310-1のY方向端部(第1の側壁120及び第2の側壁125の近くに配置される部分)は、上面に沿って湾曲した部分において、側壁連結部405経由して、側壁被保持部410に連続する。外側被保持部310-1のY方向端部の上面に沿って湾曲した部分、及び側壁連結部405は、ハウジングに105に覆われておらず、側壁被保持部410は、第1の側壁120(又は第2の側壁125)に覆われる(
図1a参照)。外側被保持部310-1及び側壁被保持部410それぞれの少なくとも一部がハウジング105に覆われることにより、保護部材150は、ハウジング105に保持される。側壁被保持部410は、底部でXY平面を形成する側壁固定部415に連続する。側壁固定部415は、基板などに半田付けや他の手段により基板に固定されてもよい。コネクタ100は、インサート成形によって作成することができる。この場合、端壁露出部305及び側壁固定部415の底面又は底面の一部は、ハウジング105の底面とおおよそ同一面(略面一)で形成される。他の実施例において、側壁連結部405及び側壁被保持部410は、一組として、第1の側壁120及び第2の側壁125に配置されるのではなく、第1の側壁120及び第2の側壁125の一方のみに配置されてもよい。
【0027】
図4bにおいて、内側被保持部310-4は、連結部335に連続している。内側被保持部310-4及び連結部335は、ハウジングに覆われておらず、ハウジング上面で露出している(
図1a及び
図3aも参照)。他の実施例において、連結部335は、ハウジングに覆われていて、ハウジング底面(
図1bにて上面として示される面)で露出していてもよい、又は、ハウジングに覆われていて、ハウジング底面で露出していなくてもよい。
【0028】
図4a及び4bにおいて、連結部335は、被保持部310を凸部側面保護部340の第1の端壁110(又は第2の端壁115)側に連続させる。凸部側面保護部340は、側面部450及び移行部455を有する。凸部側面保護部340の側面部450は、ハウジング105の中央凸部135における凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139それぞれの少なくとも一部を覆う。側面部450は、保護対象が凸部端壁137から一対の凸部端側壁139へ移行する部分は湾曲していてもよい。すなわち、側面部450は、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139を保護している部分において、それぞれ、YZ平面及びXZ平面に平行であるが、側面部450は、移行する部分において、YZ平面からXZ平面に面の方向が変更するように形成される。面の方向の変更に関し、湾曲は例示であり、直角に曲げられてもよい。側面部450の移行する部分は、凸部端壁137と一対の凸部端側壁139とが接続する接続部分(YZ平面とXZ平面とが交差する大よそ直角の部分)を保護することができる。
【0029】
凸部側面保護部340の移行部455は、ハウジング105の保護対象を、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139から凸部端上面142に移行させる。すなわち、移行部455は、YZ平面及びXZ平面に平行な面である凸部側面保護部340の形状を、XY平面に平行な面である凸部上面保護部345に連続するように変更させる。凸部側面保護部340の移行部455は、ハウジング105における凸部端壁137と凸部端上面142とが接続する接続部分(YZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、端壁接続部分143)、及び、一対の凸部端側壁139と凸部端上面142とが接続する接続部分(XZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、第1及び第2の側壁接続部分144、145)を保護することができる。したがって、凸部側面保護部340の移行部455は、中央凸部135のYZ平面、XY平面及びXZ平面が接続する接続部分(
図4aの455-1)を保護することができる。移行部455は、曲面として形成されている。以上のとおり、移行部455は、
図4の各図及び
図1cから理解されるように、凸部端部移行部455-1、凸部端壁移行部455-2、及び凸部端側壁移行部455-3を含み、移行部455の凸部端壁137側である凸部端壁移行部455-2が端壁接続部分143の少なくとも一部を保護し、移行部455の凸部端側壁139側である凸部端側壁移行部455-3が第1及び第2の側壁接続部分144、145の少なくとも一部を保護し、移行部455の角部分である凸部端部移行部455-1が第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189の少なくとも一部を保護する。凸部側面保護部450は、凸部端部側面保護部450-1、凸部端壁側面保護部450-2、及び凸部端側壁側面保護部450-3を含み、凸部側面保護部450の凸部端壁137側である凸部端壁側面保護部450-2が凸部端壁137の少なくとも一部を保護し、凸部側面保護部450の凸部端側壁139側である凸部端側壁側面保護部450-3が凸部端側壁139の少なくとも一部を保護し、凸部側面保護部450の角部分である凸部端部側面保護部450-1が第1の端壁側壁接続部分146及び第2の端壁側壁接続部分147の少なくとも一部を保護する。
【0030】
図4cを参照し、上側から保護部材150を見ると、凸部側面保護部340の移行部455及び凸部上面保護部345が凸部端上面142の上面を覆うことができるように形成されていることが分かる。
図4eを参照すると、下側から保護部材150を見ると、凸部側面保護部340及び凸部上面保護部345が、中央凸部135の端部を収容するスペースである収容スペース460を形成していることが分かる。凸部側面保護部340の移行部455及び凸部上面保護部345は、ハウジング105の凸部端上面142の少なくとも一部を覆い、ハウジング105の中央凸部の端部上面を保護する。
【0031】
図1a、4a、4bを参照すると、保護部材150の形状から理解されるように、湾曲被保持部310-2、及び、側壁連結部405は、それぞれ、ハウジング105の第1の端壁110又は第2の端壁115の上面、及び、第1の側壁120及び第2の側壁125の上面を保護する。
【0032】
図4b及び
図4dを参照すると、連結部335が底部に配置されている。連結部335は、被保持部310を凸部側面保護部340に連結する。他の実施例において、連結部335は、側壁被保持部410を凸部側面保護部340に連結するように構成されていてもよい。この場合、連結部335は、被保持部310に接続されていなくてもよい。連結部335の底面は、ハウジングに対面、接している、又は、密着しているように配置されてもよい。
【0033】
図4fを参照すると、連結部335は、起立部420を有し、起立部420は、凸部側面保護部340のハウジング105の第1の端壁110又は第2の端壁115側に連続する。
【0034】
[第2の実施例]
図5を用いて、中央凸部135の端部側全体を覆う保護部材150の実施例2を説明する。
図5a~5gは、様々な角度から見た保護部材150を示す。
図6は、第2の実施例によるコネクタを示す。
図5gは、
図5cにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図5c中に示される矢印方向から見た保護部材150及びハウジング105を示す。以下、主に第1の実施例と異なる点について説明する。
【0035】
第2の実施例による保護部材150は、第1の実施例による保護部材150とおおよそ同じ形状であるが、保護部の形状が異なっている。具体的には、第1の実施例による保護部340、345は、ハウジング105の中央凸部135における端部側のみを覆っていたが(
図4参照)、第2の実施例による保護部540、545は、端部全体を覆っている。第2の実施例において、ハウジング105の中央凸部135は、第1の端壁110付近に配置された第1の端側部610と、第2の端壁115付近に配置された第2の端側部615と、第1の端側部610及び第2の端側部615との間に配置された中心部605とを有する(
図6参照)。第1の端側部610と中心部605との間、及び、第2の端側部615と中心部605との間には、YZ平面を形成する空間がある。当該空間は、X方向に厚みを有し、このX方向の厚みは、後述する凸部側面保護部540の側面部550の厚さ以上である。したがって、第1の端側部610及び第2の端側部615は、XZ平面上の2つの側面(一対の凸部端側壁139)とYZ平面上の2つの端面(一方の端面は凸部端壁137の面であり、他方の端面は中心部605の端面と対面する面580(端側部の内側壁)である(
図5g参照))を有する。
【0036】
凸部側面保護部540の第1の端壁110(又は第2の端壁115)側は、被保持部310に連続する。凸部側面保護部540の側面部550は、ハウジング105の中央凸部135における第1の端側部610又は第2の端側部615を覆う。
図5a、5b、5d、5eから分かるように、凸部側面保護部540の側面部550は、第1の端側部610又は第2の端側部615におけるXZ平面上の2つの側面(一対の凸部端側壁139)とYZ平面上の2つの端面(一方の端面は凸部端壁137であり、他方の端面は中心部605の端面と対面する面580である(
図5g参照))とを覆う。
【0037】
側面部550は、保護対象が凸部端壁137から一対の凸部端側壁139へ移行する部分(第1及び第2の端壁側壁接続部分146、147)と、一対の凸部端側壁139から凸部端壁137に平行な面(第1の端側部610又は第2の端側部615における中心部605の端面と対面する面580(
図5g参照))へ移行する部分とにおいて、湾曲していてもよい。すなわち、側面部550は、凸部端壁137、一対の凸部端側壁139、及び、凸部端壁137に平行な面580を保護している部分において、それぞれ、YZ平面及びXZ平面に平行であるが、側面部550は、移行する部分において、YZ平面からXZ平面に面の方向が変更するように形成される。面の方向の変更に関し、湾曲は例示であり、直角に曲げられてもよい。側面部550の移行する部分は、凸部端壁137と一対の凸部端側壁139とが接続する接続部分(第1及び第2の端壁側壁接続部分146、147)及び一対の凸部端側壁139と凸部端壁137に平行な面580(
図5g参照)とが接続する接続部分(YZ平面とXZ平面とがおおよそ直角に交差する接続部分)を保護することができる。
【0038】
図5cを参照すると、上側から保護部材150を見ると、凸部側面保護部540の移行部555及び凸部上面保護部545がハウジング105の凸部端上面142の上面を覆うことができるように形成されていることが分かる。
図5eを参照すると、下側から保護部材150を見ると、凸部側面保護部540及び凸部上面保護部545が、中央凸部135の端部である第1の端側部610又は第2の端側部615を収容するスペースである収容スペース560を形成していることが分かる。凸部側面保護部540の移行部555及び凸部上面保護部545は、ハウジング105における第1の端側部610又は第2の端側部615の上面を覆い、ハウジング105の中央凸部135の端部上面を保護する。
【0039】
[第3の実施例]
図7を用いて、中央凸部135の端部側を覆う保護部材150であって、さらに、電源端子155を備えた保護部材150の第3の実施例を説明する。
図7a~7gは、様々な角度から見た保護部材150を示す。
図8は、第3の実施例によるコネクタを示す。
図7gは、
図7cにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図7c中に示される矢印方向から見た保護部材150及びハウジング105を示す。第3の実施例による保護部材150は、第1の実施例による保護部材150とおおよそ同じ形状であるが、電源端子155に関する構成を備えている形状が異なっている。以下、主に第1の実施例と異なる点について説明する。なお、本実施例において、保護部材150が有する端子は、電源端子として説明されているが、信号端子などの他の端子であってもよい。
【0040】
図7a、7b、7dを参照すると、連結部335は、被保持部310を凸部側面保護部740の第1の端壁110(又は第2の端壁115)側に連続させる。凸部側面保護部740の側面部750は、ハウジング105の中央凸部135における凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139それぞれの少なくとも一部を覆う(
図8において、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139の接続部分(第1及び第2の端壁側壁接続部分146、147)が保護部材150で覆われていない部分があることが示されている)。他の実施例において、側面部750は、第1の実施例と同様に、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139の接続部分全体(第1及び第2の端壁側壁接続部分146、147)、及び/又、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139の全体を覆うように構成されていてもよい。凸部側面保護部740の移行部755は、ハウジング105の保護対象(端壁接続部分143の少なくとも一部、及び、第1及び第2の側壁接続部分144、145の少なくとも一部)を、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139から凸部端上面142に移行させる。凸部側面保護部740の移行部755は、ハウジング105における凸部端壁137と凸部端上面142とが接続する接続部分(YZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、端壁接続部分143の少なくとも一部)、及び、一対の凸部端側壁139と凸部端上面142とが接続する接続部分(XZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、第1及び第2の側壁接続部分144、145の少なくとも一部)を保護することができる。
【0041】
図7b、7c、7d、及び7eを参照すると、凸部側面保護部340の側面部750は、ハウジング105の一対の凸部端側壁139付近において、端子連結部760に連続する。端子連結部760は、ハウジング105の底面において、側面部750の面をXZ平面からXY平面に移行させて、さらに、XY平面を形成し、Y方向に伸びることにより、側面部750を電源端子155に連結する。端子連結部760におけるハウジング105の底面と対面する面(
図7d及び
図7eにおける760-1)は、ハウジング105と密着している、接している、対面している、又は、それら2以上の組み合わせによって構成することができる。
【0042】
図7a、7b、7dを参照すると、電源端子155は、略逆U字形状であり、端子連結部760のコネクタ外側及び電源端子のコネクタ内側においてXZ平面を形成する。電源端子155は、電源端子内側被保持部155-1と、電源端子内側被保持部155-1と対面する電源端子外側被保持部155-3と、電源端子内側被保持部155-1及び電源端子外側被保持部155-3を連結し、U字形状の底部に該当する電源端子湾曲部155-2と、電源端子外側被保持部155-3の底面で連続する電源端子コンタクト部155-4とを備える。
【0043】
図8から分かるように、電源端子内側被保持部155-1において、コネクタ内側がハウジング105から露呈しており、コネクタ外側がハウジング105と対面している。電源端子湾曲部155-2において、上面がハウジング105から露呈しており、底面がハウジング105と対面している。電源端子外側被保持部155-3は、ハウジング105に覆われている。したがって、電源端子内側被保持部155-1、電源端子湾曲部155-2、及び、電源端子外側被保持部155-3の少なくとも一部が、ハウジングの第1の側壁120又は第2の側壁125と密着している、接している、又は、対面することにより、保護部材150がハウジング105に保持される。他の実施例において、電源端子155は、コネクタ内側に突起部を有し、係止部を有していても良い。係止部が相手側コネクタの端子の非係止部(図示せず)に係止することにより、コネクタ100及び相手コネクタ200は、より強固に固定される。
【0044】
コネクタ100は、インサート成形によって作成することができる。この場合、電源端子内側被保持部155-1、電源端子外側被保持部155-3、及び電源端子コンタクト部155-4の底面又は底面の一部は、ハウジング105の底面とおおよそ同一面(略面一)で形成される。
【0045】
他の実施例において、保護部材150は、電源端子155に連結されていなくてもよい。この場合、保護部材150は、少なくとも、端子連結部760を有していない。さらに、保護部材150は、凸部側面保護部340の側面部750における端子連結部760に接続されている部分の一部又は全部を省略することができる。すなわち、ハウジング105の第1の三面接続部分187及び第2の三面接続部分189以外、又は、第1の三面接続部分187、第2の三面接続部分189、凸部端壁137及び凸部端上面142が交差するおおよそ直角の部分、及び、一対の凸部端側壁139及び凸部端上面142が交差するおおよそ直角の部分以外に対応する保護部材150の部分は省略されてもよい。
【0046】
[第4の実施例]
図9を用いて、中央凸部135の端部側の上面の一部を覆う保護部材150の第4の実施例を説明する。
図9a~9fは、様々な角度から見た保護部材150を示す。
図10は、第4の実施例によるコネクタを示す。第4の実施例による保護部材150は、第1の実施例による保護部材150とおおよそ同じ形状であるが、端部側の上面の一部を覆う保護部材150の形状が異なっている。以下、主に第1の実施例と異なる点について説明する。
【0047】
本発明の実施例による保護部材150は、少なくとも凸部側面保護部940を有する。他の実施例において、保護部材150は、
図4aなどに示される凸部上面保護部345の一部を有していてもよい。本実施例において、保護部材150は、中央凸部135の端部側の上面を部分的に覆う。凸部側面保護部940の側面部950は、ハウジング105の中央凸部135における凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139それぞれの少なくとも一部、及び、第1及び第2の端壁側壁接続部分146、147の少なくとも一部を覆う。凸部側面保護部340の移行部455は、ハウジング105の保護対象を、凸部端壁137及び一対の凸部端側壁139から凸部端上面142に移行させる。すなわち、YZ平面及びXZ平面に平行な面である凸部側面保護部940の形状を、XY平面に平行な面である凸部上面上に連続するように変更させる。凸部側面保護部940の移行部955は、ハウジング105における凸部端壁137と凸部端上面142とが接続する接続部分(YZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、端壁接続部分143)、及び、一対の凸部端側壁139と凸部端上面142とが接続する接続部分(XZ平面とXY平面とが交差するおおよそ直角の部分、第1及び第2の側壁接続部分144、145)を保護することができる(
図10参照)。
【0048】
[その他]
上記各実施例において、保護部材150は、側面部及び移行部により、ハウジング105における凸部端壁137、凸部端上面142、及び、一対の凸部端側壁139が形成する三面接続部分(角部分)、すなわち、凸部端壁137と凸部端上面142とが接続する接続部分(凸部端壁137及び凸部端上面142が交差するおおよそ直角の部分、端壁接続部分143)、及び、一対の凸部端側壁139と凸部端上面142とが接続する接続部分(一対の凸部端側壁139及び凸部端上面142が交差するおおよそ直角の部分、第1及び第2の側壁接続部分144、145)が形成する三面接続部分187,189(
図1、
図4aにおける455-1に該当する部分)を覆うことができる。当該三面接続部分は、コネクタ100及び相手コネクタを嵌合するとき、最も負荷がかかる部分であることから、最も保護すべき部分である。本発明の全ての実施例は、凸部側面保護部の側面部及び移行部がハウジングの当該三面接続部分を覆うことから、当該三面接続部分は、適切に保護される。保護部材150の凸部側面保護部は、側面部及び移行部を有することから、凸部端壁137と凸部端上面142とが接続する接続部分(端壁接続部分143)、及び、一対の凸部端側壁139と凸部端上面142とが接続する接続部分(第1及び第2の側壁接続部分144、145)を覆い、保護する。さらに、凸部上面保護部を用いた本発明の実施例において、保護部材150は、ハウジングの凸部端上面142を覆うことから、当該上面を保護する。
【0049】
第2、3及び4の実施例の構成は、第1の実施例と同様の構成することができ、例えば、側面部550、750、950は、凸部端部移行部455-1、凸部端壁移行部455-2、及び凸部端側壁移行部455-3を有し、移行部555、755、955は、凸部端部側面保護部450-1、凸部端壁側面保護部450-2、及び凸部端側壁側面保護部450-3を有する。
【0050】
上記各実施例において、側壁連結部405は、ハウジングの上面に沿って被保持部310を側壁被保持部410に連結しているが、ハウジングの底面に沿って被保持部310を側壁被保持部410に連結するように構成されてもよい。この場合、側壁連結部405は、連結部335と同様に、ハウジング底面の上面で露出していてもよいし、又は、ハウジング底面の裏面で露出していてもよい。
【0051】
特許請求の範囲に記載の「コネクタ幅方向」、「コネクタ奥行方向」及び「コネクタ高さ方向」は、明細書に記載の「X」方向、「Y」方向及び「Z」方向に該当する。
【0052】
上記実施例において、コネクタは、絶縁性部材と端子を形成する導電性部材とを用いて一体成形により形成されているが、圧入などの他の方法により形成されてもよい。
【0053】
上記実施例において、コネクタは、少なくとも絶縁性部材と端子を形成する導電性部材とを用いて一体成形により形成されているが、当業者であれば理解できるように、コネクタは、他の部材を含めて一体成形されても良い。
【0054】
上記実施例において、コネクタの底面を、略長方形として示したが、これは例示であり、略正方形や略三角形などの他の形状でもよい。コネクタ組立体は、当該コネクタ組立体が用いられる電子装置に適した形状で形成される。
【0055】
上記実施例において、コネクタを相手コネクタと嵌合することによって、コネクタ組立体とすることができる。コネクタ組立体は、基板に接続することにより、基板を実装した電子装置に用いることができる。
【0056】
上記実施例において、保護部材150は、第1の凸部端側壁139と凸部端上面142との間の第1の接続部分と、第1の凸部端側壁139に対面する第2の凸部端側壁139と凸部端上面142との間の第2の接続部分とを覆っているが、他の実施例として、保護部材150は、第1の接続部分及び第2の接続部分の一方のみを覆っていてもよい。保護部材150が、第1の接続部分及び第2の接続部分の一方のみを覆う場合、保護部材150は、第1の凸部端側壁139及び第2の凸部端側壁139の一方のみを覆うように構成されていてもよい。
【0057】
上記実施例において、保護部材150は、曲げ加工、プレス加工などによって成形される。プレス加工において、特に絞り加工が好ましい。絞り加工は、つなぎ目がない成形品を簡単に作成することができることで知られている。したがって、絞り加工、又はつなぎ目を発生させない他の加工手段により、つなぎ目を有さない凸部側面保護部、又は、つなぎ目を有さない凸部側面保護部及び凸部上面保護部、を備えた保護部材が提供される。
【0058】
以上に説明してきた各実施例に関し、各実施例の一部又は全部を組み合わせて一つの実施例として実現されてもよい。
【0059】
以上に説明してきた各実施例の要素の構造および配列は、例示にすぎない。各実施例について、当業者であれば、多くの変形を行うことが可能である。例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け配列、材料の使用、色、向きなどの変更がその一例である。
【0060】
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0061】
100 :コネクタ
105 :ハウジング
110 :第1の端壁
115 :第2の端壁
120 :第1の側壁
121 :ハウジング
125 :第2の側壁
130 :底壁
135 :中央凸部
137 :凸部端壁
139 :凸部端側壁
142 :凸部端上面
143 :端壁接続部分
144 :第1の側壁接続部分
145 :第2の側壁接続部分
146 :第1の端壁側壁接続部分
147 :第2の端壁側壁接続部分
150 :保護部材
155 :電源端子
155-1 :電源端子内側被保持部
155-2 :電源端子湾曲部
155-3 :電源端子外側被保持部
155-4 :電源端子コンタクト部
160 :信号端子
180 :相手コネクタ収容部
185 :嵌合部
187 :第1の三面接続部分
189 :第2の三面接続部分
200 :相手コネクタ
205 :ハウジング
210 :第1の端壁
215 :第2の端壁
220 :第1の側壁
225 :第2の側壁
230 :底壁
235 :中央凹部
250 :保護部材
255 :電源端子
260 :信号端子
280 :被係止部
305 :端壁露出部
310 :被保持部
310-1 :外側被保持部
310-2 :湾曲被保持部
310-3 :係止部
310-4 :内側被保持部
335 :連結部
340 :凸部側面保護部
345 :凸部上面保護部
405 :側壁連結部
410 :側壁被保持部
415 :側壁固定部
420 :起立部
450 :側面部
450-1 :凸部端部側面保護部
450-2 :凸部端壁側面保護部
450-3 :凸部端側壁側面保護部
455 :移行部
455-1 :凸部端部移行部
455-2 :凸部端壁移行部
455-3 :凸部端側壁移行部
460 :収容スペース
540 :凸部側面保護部
545 :凸部上面保護部
550 :側面部
555 :移行部
560 :収容スペース
580 :端側部の内側壁
605 :中心部
610 :第1の端側部
615 :第2の端側部
740 :凸部側面保護部
750 :側面部
755 :移行部
760 :端子連結部
940 :凸部側面保護部
950 :側面部
955 :移行部