(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070513
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
H03M 11/12 20060101AFI20220506BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220506BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H03M11/12
H04N1/00 127Z
B41J29/00 T
B41J29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179614
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三角 典子
【テーマコード(参考)】
2C061
5B020
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB10
2C061CG02
2C061CG15
2C061CQ05
2C061CQ24
5B020AA02
5B020BB05
5B020CC12
5B020DD02
5B020DD22
5B020FF13
5B020GG05
5B020GG14
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を、操作盤を介して受け付けるプリンタにおいて、操作性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】MFP1は、上キー32と下キー33と表示部31とを備え、無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力画面にて、1文字ずつの入力を受け付ける。MFP1は、入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後、最初に上キー32の操作を受け付けるとアルファベット入力となり、さらに上キー32の操作を受け付けるとアルファベット順に入力対象を切り替え、1つの文字の入力開始状態になった後、最初に下キー33の操作を受け付けると数字入力となり、さらに下キー33の操作を受け付けると数字順に従って入力対象を切り替える。MFP1は、文字の決定条件を満たした場合、入力対象として表示されている文字を決定して次の文字の入力開始状態になる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向を示す第1キーと、前記第1の方向とは逆の方向を示す第2キーと、表示デバイスと、を備える操作盤と、
無線LANに接続する通信インタフェースと、
印刷デバイスと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、
前記無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を受け付ける入力画面を前記表示デバイスに表示させ、前記入力画面では、1文字ずつの入力を受け付け、前記第1キーおよび前記第2キーの操作によって入力対象として表示される文字の切替えが可能であり、前記入力画面にて入力可能な文字であるアルファベット、数字、および記号がそれぞれ複数種類あり、入力対象となるアルファベットの順序であるアルファベット順と、入力対象となる数字の順序である数字順と、入力対象となる記号の順序である記号順と、があらかじめ決められており、さらに前記アルファベット順の末尾のアルファベットの次の入力対象が前記記号順の先頭の記号であり、前記記号順の末尾の記号の次の入力対象が前記数字順の先頭の数字であり、前記数字順の末尾の数字の次の入力対象が前記アルファベット順の先頭のアルファベットであり、
さらに前記コンピュータは、
前記入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後、最初に前記第1キーの操作を受け付けるとアルファベット入力となり、さらに前記第1キーの操作を受け付けることで前記アルファベット順に従って入力対象を切り替え、最初に前記第2キーの操作を受け付けると数字入力となり、さらに前記第2キーの操作を受け付けることで前記数字順に従って入力対象を切り替え、前記入力画面にて文字の入力を受け付けている状態で文字の決定条件を満たした場合、入力対象として表示されている文字を決定して次の文字の入力開始状態になり、複数の文字を決定することで、前記複数の文字からなる前記ネットワーク情報の入力を完了し、
さらに前記コンピュータは、
入力された前記ネットワーク情報を用いて前記無線LANと接続し、前記通信インタフェースを介して印刷ジョブを受信した場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷を前記印刷デバイスに行わせる、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載するプリンタにおいて、
さらに前記コンピュータは、
前記入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後、前記第1キーも前記第2キーも操作される前では、入力対象の文字を前記入力画面に表示しておらず、最初に前記第1キーの操作を受け付けるとアルファベット入力となり、入力対象のアルファベットを前記入力画面に表示し、さらに前記第1キーの操作を受け付けることで前記アルファベット順に従って入力対象を切り替え、最初に前記第2キーの操作を受け付けると数字入力となり、入力対象の数字を前記入力画面に表示し、さらに前記第2キーの操作を受け付けることで前記数字順に従って入力対象を切り替え、前記入力画面にて文字の入力を受け付けている状態で前記決定条件を満たした場合、入力対象として表示されている文字を決定して次の文字の入力開始状態になり、複数の文字を決定することで、前記複数の文字からなる前記ネットワーク情報の入力を完了する、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載するプリンタにおいて、
さらに前記コンピュータは、
最初の前記第1キーの操作によってアルファベット入力となると、入力対象を前記アルファベット順の先頭のアルファベットとし、さらに前記第1キーの操作を受け付けた場合、入力対象となるアルファベットを前記アルファベット順の末尾に向かって切り替え、最初の前記第2キーの操作によって数字入力となると、入力対象を前記数字順の末尾の数字とし、さらに前記第2キーの操作を受け付けた場合、入力対象となる数字を前記数字順の先頭に向かって切り替え、前記入力画面にて文字の入力を受け付けている状態で前記決定条件を満たした場合、入力対象として表示されている文字を決定して次の文字の入力開始状態になり、複数の文字を決定することで、前記複数の文字からなる前記ネットワーク情報の入力を完了する、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項3に記載するプリンタにおいて、
さらに前記コンピュータは、
入力対象が前記アルファベット順の末尾のアルファベットの際に前記第1キーの操作を受け付けた場合、記号入力となって入力対象を前記記号順の先頭の記号とし、入力対象が前記数字順の先頭の数字の際に前記第2キーの操作を受け付けた場合、記号入力となって入力対象を前記記号順の末尾の記号とする、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載するプリンタにおいて、
さらに前記コンピュータは、
前記入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後の最初の前記第1キーの操作によって入力対象が前記アルファベット順の先頭のアルファベットになった状態で前記第2キーの操作を受け付けた場合、数字入力となって入力対象を前記数字順の末尾の数字とし、前記入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後の最初の前記第2キーの操作によって入力対象が前記数字順の末尾の数字になった状態で前記第1キーの操作を受け付けた場合、アルファベット入力となって入力対象を前記アルファベット順の先頭のアルファベットとする、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記無線LANのアクセスポイントを識別する識別情報と、パスワードと、を含む前記ネットワーク情報の入力を受け付ける前記入力画面を、前記表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記ネットワーク情報には、複数のパラメータが含まれ、前記パラメータは、複数の文字で構成され、
前記入力画面は複数有り、前記入力画面のそれぞれが前記ネットワーク情報の各パラメータに対応し、
前記ネットワーク情報に含まれる各パラメータに対してそれぞれ設定可能な文字が定められており、前記入力画面では、対応する前記パラメータとして設定可能な文字の入力を受け付け、対応する前記パラメータとして設定不可な文字の入力を受け付けない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
請求項7に記載するプリンタにおいて、
前記ネットワーク情報に含まれる各パラメータに対してそれぞれ入力対象となる文字順として前記アルファベット順、前記数字順、前記記号順が決められており、それぞれの前記文字順に、対応する前記パラメータとして設定可能な文字を含め、対応する前記パラメータとして設定不可な文字を含めないことで、前記入力画面では、対応する前記パラメータとして設定可能な文字の入力を受け付け、対応する前記パラメータとして設定不可な文字の入力を受け付けない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項9】
請求項7に記載するプリンタにおいて、
前記ネットワーク情報の前記パラメータと、入力可能な文字の種類と、の対応付けを記憶する入力文字テーブルを備え、
前記コンピュータは、
前記入力画面を前記表示デバイスに表示させる場合、前記入力文字テーブルを参照して、表示する前記入力画面に対応する前記ネットワーク情報にて入力可能な文字の種類および順序を取得し、取得した文字の種類および順序に基づいて、前記アルファベット順、前記数字順、および前記記号順を決定することで、前記入力画面では、対応する前記パラメータとして設定可能な文字の入力を受け付け、対応する前記パラメータとして設定不可な文字の入力を受け付けない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
入力可能なアルファベットには、大文字と小文字があり、
前記コンピュータは、
前記アルファベット順を、1つのアルファベットについて大文字と小文字のうち一方の次に他方が続き、後続して次のアルファベットも前記大文字と前記小文字のうち前記一方の次に前記他方が続く順とする、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記操作盤は、第3キーを備え、
さらに前記コンピュータは、
前記入力画面にて文字の入力を受け付けている状態で前記第3キーの操作を受け付けると、前記決定条件を満たしたと判断する、
ことを特徴とするプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を、操作盤を介して受け付けるプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線LANと接続可能なプリンタが実用化されており、無線LANを利用するにあたってネットワーク情報の入力を受け付ける技術が知られている。無線LANのネットワーク情報の入力を行う技術を開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1には、バーコードを読み取って無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のキーによって構成される操作盤を備え、無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を、操作盤への操作を介して受け付けるプリンタの場合、ユーザによるキーの操作によって入力対象の文字であるアルファベット、数字、ないし記号を切り替える。このキーの操作は、不慣れなユーザにとっては手間であることから、操作性の向上が望まれる。特許文献1には、ネットワーク情報の入力を、操作盤を介して受け付ける構成が開示されていない。
【0005】
本明細書は、無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を、操作盤を介して受け付けるプリンタにおいて、操作性を向上させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされたプリンタは、第1の方向を示す第1キーと、前記第1の方向とは逆の方向を示す第2キーと、表示デバイスと、を備える操作盤と、無線LANに接続する通信インタフェースと、印刷デバイスと、コンピュータと、を備え、前記コンピュータは、前記無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を受け付ける入力画面を前記表示デバイスに表示させ、前記入力画面では、1文字ずつの入力を受け付け、前記第1キーおよび前記第2キーの操作によって入力対象として表示される文字の切替えが可能であり、前記入力画面にて入力可能な文字であるアルファベット、数字、および記号がそれぞれ複数種類あり、入力対象となるアルファベットの順序であるアルファベット順と、入力対象となる数字の順序である数字順と、入力対象となる記号の順序である記号順と、があらかじめ決められており、さらに前記アルファベット順の末尾のアルファベットの次の入力対象が前記記号順の先頭の記号であり、前記記号順の末尾の記号の次の入力対象が前記数字順の先頭の数字であり、前記数字順の末尾の数字の次の入力対象が前記アルファベット順の先頭のアルファベットであり、さらに前記コンピュータは、前記入力画面にて1つの文字の入力開始状態になった後、最初に前記第1キーの操作を受け付けるとアルファベット入力となり、さらに前記第1キーの操作を受け付けることで前記アルファベット順に従って入力対象を切り替え、最初に前記第2キーの操作を受け付けると数字入力となり、さらに前記第2キーの操作を受け付けることで前記数字順に従って入力対象を切り替え、前記入力画面にて文字の入力を受け付けている状態で文字の決定条件を満たした場合、入力対象として表示されている文字を決定して次の文字の入力開始状態になり、複数の文字を決定することで、前記複数の文字からなる前記ネットワーク情報の入力を完了し、さらに前記コンピュータは、入力された前記ネットワーク情報を用いて前記無線LANと接続し、前記通信インタフェースを介して印刷ジョブを受信した場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷を前記印刷デバイスに行わせる、ことを特徴としている。
【0007】
本明細書に開示されるプリンタによれば、複数の文字からなるネットワーク情報を入力する際、互いに逆の方向を示す第1キーと第2キーとの操作によって1文字ずつ入力可能な入力画面において、1つの文字の入力開始状態になった後、最初に第1キーが操作されるとアルファベット入力となり、最初に第2キーが操作されると数字入力となる。これにより、入力頻度が高い傾向にあるアルファベットおよび数字の入力が容易になり、記号がアルファベットないし数字よりも優先される構成と比較して、ネットワーク情報の入力の操作性が向上する。
【0008】
上記プリンタの機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、当該プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、無線LANへの接続に用いるネットワーク情報の入力を、操作盤を介して受け付けるプリンタにおいて、操作性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本形態のMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】セットアップ処理の手順を示すフローチャートである。
【
図4】新規SSIDの入力画面の例を示す説明図である。
【
図5】文字列入力処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態にかかる複合機(以下、「MFP」とする)について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
本形態のMFP1は、
図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。また、MFP1は、操作パネル13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、画像形成部15と、画像読取部16と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。MFP1は、プリンタの一例である。操作パネル13は、操作盤の一例であり、画像形成部15は、印刷デバイスの一例であり、CPU11は、コンピュータの一例である。
【0013】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12には、
図1に示すように、セットアッププログラム21を含む各種のプログラムや、入力文字テーブル22を含む各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリの一例である。なお、
図1に破線で示すネットワーク情報23は、MFP1の工場出荷時には、メモリ12に記憶されていない。
【0014】
メモリ12の一例は、MFP1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
通信IF14は、無線LANに接続するためのハードウェアを含む。通信IF14の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。なお、MFP1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていてもよい。
【0016】
画像形成部15は、シート等の印刷媒体に画像データに基づく画像を印刷する構成を含む。画像形成部15の画像形成方式は、例えば、電子写真方式、インクジェット方式である。画像読取部16は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する構成を含む。
【0017】
操作パネル13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。本形態のMFP1の操作パネル13は、表示部31と、上キー32と、下キー33と、OKキー34と、を備えている。表示部31は、例えば、モノクロの液晶表示ディスプレイであり、入力受け付け機能を有していない。本形態のMFP1の表示部31は、縦に2ライン分の文字列を表示可能である。表示部31は、表示デバイスの一例である。なお、本形態の操作パネル13は、さらに他の入力キーを備えていても良い。
【0018】
MFP1の操作パネル13の外観の例を、
図2に示す。本形態の操作パネル13に設けられている上キー32と下キー33とは、OKキー34を挟んで反対側に配置され、互いに逆の方向を示す指示を受け付ける入力キーである。具体的には、上キー32は、上方向または右方向へのカーソル移動指示や1加算指示等を受け付ける。下キー33は、下方向または左方向へのカーソル移動指示や1減算指示等を受け付ける。上キー32は、第1キーの一例であり、下キー33は、第2キーの一例である。上方向または右方向は、第1の方向の一例である。OKキー34は、入力決定指示や次手順への進行指示等を受け付ける。OKキー34は、第3キーの一例である。
【0019】
次に、MFP1によるセットアップの手順について、フローチャートを参照して説明する。なお、以下の処理は、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPUによる処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU11が行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。
【0020】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0021】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0022】
以下、セットアップ処理の手順について、
図3のフローチャートを参照して説明する。このセットアップ処理は、通信IF14を介した無線LANへの接続をセットアップする処理であり、操作パネル13を介してセットアップウィザードの実行指示を受け付けたことを契機に、MFP1のCPU11にて実行される。
【0023】
セットアップウィザードの実行指示を受け付けると、CPU11は、通信IF14を介して、接続可能なSSID(Service Set IDentifierの略)を検索する(S101)。SSIDは、各アクセスポイントを識別する識別情報の一例であり、ネットワーク情報に含まれるパラメータの一例である。
【0024】
そして、CPU11は、検索結果を表示部31に表示させ(S102)、SSIDの選択を受け付ける。SSIDの選択肢には、検索によって見つかったSSIDの名称の一覧からの選択を受け付ける各選択肢と、新規のSSIDの入力指示を受け付ける選択肢とが含まれる。CPU11は、例えば、上キー32または下キー33の操作を受け付けることで選択対象を切り換えて表示し、OKキー34の操作を受け付けた場合、その時点での選択対象として表示されている選択肢が選択されたと判断する。
【0025】
CPU11は、検索によって見つかったSSIDの名称の一覧からのSSIDの選択を受け付けたか否かを判断する(S103)。既存のSSIDの選択を受け付けていないと判断した場合(S103:NO)、CPU11は、新規SSIDの入力指示を受け付けたか否かを判断する(S104)。新規SSIDの入力指示も受け付けていないと判断した場合(S104:NO)、SSIDの選択と新規入力とのいずれかを受け付けるまで待機する。
【0026】
新規SSIDの入力指示を受け付けたと判断した場合(S104:YES)、CPU11は、新規SSIDの入力の受け付けを開始する入力画面を表示部31に表示させる(S105)。SSIDは、複数の文字からなる文字列であり、CPU11は、操作パネル13への操作によって1文字ずつの入力を受け付ける。
【0027】
S105では、CPU11は、例えば、
図4(A)に示すような入力画面50を表示部31に表示させる。
図4(A)に示す入力画面50には、SSIDの入力を受付中であることを示す文字列51と、下線で示されるカーソル52と、が表示され、カーソル52の上には、文字が表示されていない。なお、カーソル52の表示は、点滅表示でも点灯表示でも良い。また、カーソル52の形状は、下線に限らず、縦線や文字枠でも良い。カーソル52の位置に文字が表示されていない状態は、その位置に1つの文字の入力の受け付けを開始する状態であり、入力開始状態である。
【0028】
そして、CPU11は、文字列入力処理を実行する(S106)。文字列入力処理は、1文字以上の文字を含む文字列の入力を受け付ける処理である。文字列入力処理の手順について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
文字列入力処理では、CPU11は、表示中の入力画面にて入力可能な文字である対象文字の文字種の情報を取得する(S201)。入力を受け付ける情報の種類に応じて、設定可能な文字の種類が決まっている。例えば、SSIDに設定可能な文字は、アルファベット26種類の大文字および小文字、数字10種類、ハイフンおよびアンダーバーの記号2種類を含む64種類であって、これら以外の文字はSSIDに設定不可である。CPU11は、S201にて、メモリ12に記憶している入力文字テーブル22から入力種別に対応する文字の情報を取得する。
【0030】
本形態のMFP1は、入力文字テーブル22として、入力情報の種別ごとの、設定可能な文字種および文字の順序の情報を記憶している。入力文字テーブル22には、例えば、
図6に示すように、入力種別に対応付けて、設定可能な複数種類のアルファベットと記号と数字とが、それぞれの順序に従って記憶されている。例えば、入力種別がSSIDであれば、設定可能な全文字種であるアルファベット52種類と記号2種類と数字10種類とが記憶されている。
【0031】
さらに、本形態のMFP1では、文字の順序を、アルファベット→記号→数字の順序とする。つまり、SSIDの入力対象となる文字種全体の先頭の文字は、アルファベットの順序であるアルファベット順の先頭の文字「a」であり、アルファベット順の末尾の文字「Z」の次順の文字は、記号順の先頭の文字「-」であり、記号順の末尾の文字「_」の次順の文字は、数字順の先頭の文字「1」である。また、文字の順序は循環しており、数字順の末尾の文字「0」の次順の文字は、アルファベット順の先頭の文字「a」である。本形態では、アルファベット順を、小文字と大文字との一方の次に他方が続く順序、具体的には、各アルファベットについて小文字の次に大文字が続き、その次に後続のアルファベットの小文字が続く順序としている。
【0032】
具体的には、例えば、SSIDの入力対象の文字種と文字の順序は、以下の(例1)に示すようになる。
aAbBcCdDeEfFgGhHiIjJkKlLmMnNoOpPqQrRsStTuUvVwWxXyYzZ-_1234567890 …(例1)
また、例えば、パスワードの入力対象の文字種と文字の順序は、以下の(例2)に示すようになる。
aAbBcCdDeEfFgGhHiIjJkKlLmMnNoOpPqQrRsStTuUvVwWxXyYzZ!?@$&%#¥’”`^|{}[]();:,.~<>=+-*/_1234567890 …(例2)
また、例えば、電話番号の入力対象の文字種と文字の順序は、以下の(例3)に示すようになる。
1234567890 …(例3)
【0033】
そして、CPU11は、上キー32または下キー33へのキー入力を受け付けたか否かを判断する(S202)。上キー32へのキー入力を受け付けたと判断した場合(S202:上キー)、CPU11は、表示部31のカーソル52の上に、S201にて取得した文字順のうちの先頭の文字を、入力対象の文字として表示させる(S203)。
図4(A)に示したSSIDの入力画面50にて上キー32へのキー入力を受け付けた場合、CPU11は、
図4(B)に示すように、アルファベット順の先頭の文字である「a」をカーソル52の上に表示させ、アルファベット入力となる。
【0034】
一方、下キー33へのキー入力を受け付けたと判断した場合(S202:下キー)、CPU11は、表示部31のカーソル52の上に、S201にて取得した文字順のうち末尾の文字を表示させる(S204)。
図4(A)に示したSSIDの入力画面50にて下キー33へのキー入力を受け付けた場合、CPU11は、
図4(C)に示すように、数字順の末尾の文字である「0」をカーソル52の上に表示させ、数字入力となる。
【0035】
なお、カーソル52の上に表示されている文字は、後述するように、入力対象となる文字である。本形態では、1文字の入力開始状態から上キー32または下キー33への1回の操作を受け付けることで、アルファベット順の最初の文字、または、数字順の末尾の文字が、それぞれ入力対象として表示される。使用頻度の低い記号よりも先にアルファベットや数字が入力対象となるので、ユーザにとって分かり易い。
【0036】
S203またはS204にて1文字を表示させた後、CPU11は、上キー32または下キー33またはOKキー34へのキー入力を受け付けたか否かを判断する(S205)。上キー32への入力を受け付けたと判断した場合(S205:上キー)、CPU11は、カーソル52の上に表示される入力対象の文字を次順の文字に切り替える(S206)。一方、下キー33への入力を受け付けたと判断した場合(S205:下キー)、CPU11は、カーソル52の上に表示される入力対象の文字を前順の文字に切り替える(S207)。
【0037】
CPU11は、前述したように設定されている文字順と入力されたキー種とに応じて、例えば、
図4(D)~(G)に示すように、カーソル52上の文字を切り替える。具体的には、CPU11は、アルファベット順の先頭の文字「a」を表示している状態では、上キー32の操作でアルファベット順の2番目の文字「A」(
図4(D))を、下キー33の操作で数字順の末尾の文字「0」(
図4(E))を、表示させる。また、CPU11は、数字順の末尾の文字「0」を表示している状態では、上キー32の操作でアルファベット順の先頭の文字「a」(
図4(F))を、下キー33の操作で数字順の末尾から2番目の文字「9」(
図4(G))を、表示させる。S206またはS207にて入力対象の文字を切り替えた後、CPU11は、S205に戻って、さらにキー入力を受け付ける。
【0038】
上キー32または下キー33の操作が繰り返されることで、CPU11は、入力対象として表示される文字を文字順に従って切り替える。例えば、
図4(D)の後、上キー32の操作が繰り返され、アルファベット順の末尾のアルファベット「Z」が表示されている状態でさらに上キー32の操作を受け付けた場合、CPU11は、記号順の先頭の文字を入力対象として、記号入力となる。また、
図4(G)の後、下キー33の操作が繰り返され、数字順の先頭の数字「1」が表示されている状態でさらに下キー33の操作を受け付けた場合、CPU11は、記号順の末尾の文字を入力対象として、記号入力となる。
【0039】
また、カーソル52の上に何らかの文字が表示されている状態(例えば、
図4(B)~(G))で、OKキー34への入力を受け付けたと判断した場合(S205:OKキー)、CPU11は、カーソル52上の文字を確定してカーソル52を移動させ(S210)、次の1文字の入力を受け付ける状態となる。カーソル52の上に文字が表示されている状態でのOKキー34への入力受け付けは、決定条件を満たす状態の一例である。
【0040】
例えば、
図4(E)に示すように、「0」が表示されている状態でOKキー34が操作された場合、CPU11は、
図4の(H)に示すように、「0」を確定して、その右側にカーソル52を移動させる。
図4の(H)は、カーソル52の上に文字が表示されていない状態であり、
図4の(A)と同様に、1つの文字の入力開始状態の一例である。
【0041】
CPU11は、さらにキー入力を受け付けたか否かを判断する(S211)。1文字目の場合と同様に、上キー32への入力を受け付けたと判断した場合(S211:上キー)、CPU11は、カーソル52の上に文字順の先頭の文字を表示させる(S212)。下キー33への入力を受け付けたと判断した場合(S211:下キー)、CPU11は、カーソル52の上に文字順の末尾の文字を表示させる(S213)。S212またはS213の後、CPU11は、S205に戻って、さらにキー入力を受け付ける。
【0042】
一方、1文字以上の文字を決定した後、カーソル52の上に文字が表示されていない状態でOKキー34への入力を受け付けたと判断した場合(S211:OKキー)、CPU11は、入力済みの文字で構成される文字列に決定して(S215)、文字列入力処理を終了し、セットアップ処理に戻る。例えば、
図4の(H)に示す状態でOKキー34の入力を受け付けた場合、CPU11は、「0」のみの文字列に決定する。ただし、SSIDとしては1文字の文字列は設定できないので、CPU11は、所定の文字数が決定されるまでOKキー34の入力を受け付けない、または、OKキー34の入力を受け付けた場合でも文字列を決定しない、としても良い。
【0043】
なお、例えば、
図2に示したように、操作パネル13に、上キー32、下キー33、OKキー34以外のキーが設けられているMFP1では、CPU11は、文字列入力処理にて他のキーへの操作を受け付けて、キー種に応じた処理を行っても良い。例えば、カーソル52上に文字が表示されている状態でクリアキーへの入力を受け付けた場合、表示中の文字をクリアし、1文字の入力開始状態に戻るとしても良い。また、例えば、カーソル52上に文字が表示されていない状態でクリアキーへの入力を受け付けた場合、確定済みの文字を全てクリアするとしても良い。また、例えば、戻るキーの操作を受け付けた場合、入力の受け付けを中止してSSIDの選択に戻るとしても良い。
【0044】
図3のセットアップ処理の説明に戻る。S106の文字列入力処理の後、または、検索されたSSIDからの選択を受け付けたと判断した場合(S103:YES)、CPU11は、認証方法の選択を受け付けたか否かを判断する(S110)。本形態のMFP1は、例えば、オープンシステム認証、共有キー認証、ユーザIDとパスワードとによるユーザ認証など、複数の認証方法に対応している。S110にて、CPU11は、例えば、選択可能な認証方法の選択肢を表示部31に表示させ、OKキー34の入力による選択を受け付ける。認証方法の選択を受け付けていないと判断した場合(S110:NO)、CPU11は、受け付けるまで待機する。
【0045】
認証方法の選択を受け付けたと判断した場合(S110:YES)、CPU11は、選択された認証方法にて用いられる認証情報の入力画面を表示部31に表示させる(S111)。例えば、無線LANがWi-Fiであって、SSIDとパスワードとの組み合わせによる認証方法が選択された場合、CPU11は、S111にて、パスワードの入力の受け付けを開始する入力画面を表示部31に表示させる。パスワードは、ネットワーク情報のパラメータの一例である。
【0046】
そして、CPU11は、
図5に示した文字列入力処理を実行する(S112)。今回の文字列入力処理では、CPU11は、S201にて、
図6に示したように、パスワードとして設定可能な文字種と文字の順序とを入力文字テーブル22から読み出す。そして、CPU11は、前述したように、上キー32、下キー33、OKキー34への操作を受け付けて、1文字ずつ決定することで文字列の入力を受け付ける。
【0047】
CPU11は、S112の文字列入力処理の後、取得したネットワーク情報を用いて、無線LANへの接続を試行する(S113)。CPU11は、例えば、S106にて決定したSSIDに対応するアクセスポイントを検索し、そのアクセスポイントにS112にて取得したパスワードを送信することで、接続を試行する。そして、CPU11は、接続に成功したか否かを判断する(S114)。
【0048】
アクセスポイントから接続成功の情報を受信し、接続に成功したと判断した場合(S114:YES)、CPU11は、ネットワーク情報23の入力を完了する。つまり、CPU11は、S106にて決定したSSIDとS112にて決定したパスワードとの情報を、ネットワーク情報23としてメモリ12に記憶し(S115)、セットアップ処理を終了する。CPU11は、ネットワーク情報23を不揮発性のメモリに記憶する。これにより、MFP1は、メモリ12に記憶されているネットワーク情報23を用いて、無線LANと接続することができる。
【0049】
一方、アクセスポイントから接続成功の情報を受信できなかった場合、接続に失敗したと判断し(S114:NO)、CPU11は、S102に戻って、SSIDの選択を再度受け付ける。なお、選択された認証方法がオープンシステム認証であれば、パスワード等の追加の入力は不要であり、CPU11は、S111~S114をスキップして、SSIDをネットワーク情報23として記憶する。
【0050】
これにより、MFP1は、ネットワーク情報23を用いて無線LANと接続し、通信IF14を介して印刷ジョブを受信できる。MFP1は、印刷ジョブを受信した場合、画像形成部15にてその印刷ジョブに基づく印刷を実行する。
【0051】
以上、詳細に説明したように、本形態のMFP1は、複数の文字からなるネットワーク情報23を入力する際、互いに逆の方向を示す上キー32と下キー33との操作によって1文字ずつ入力可能な入力画面において、1つの文字の入力開始状態になった後、最初に上キー32が操作されるとアルファベット入力となり、最初に下キー33が操作されると数字入力となる。これにより、入力頻度が高い傾向にあるアルファベットおよび数字の入力が容易になり、記号がアルファベットないし数字よりも優先される構成と比較して、ネットワーク情報の入力の操作性が向上する。
【0052】
さらに、本形態のMFP1は、新たな文字の入力開始状態になった段階では入力対象を示す文字を入力画面に表示せず、最初のキーの操作の後に入力対象を示す文字を入力画面に表示する。このようにすれば、新たな文字の入力開始状態になった後、上キー32も下キー33も操作される前では入力対象の文字が決まっていないことを、ユーザが把握し易い。また、決定用のOKキー34が有るので、ユーザが決定操作をし易い。
【0053】
さらに、本形態のMFP1では、連続して上キー32を操作することで表示されるアルファベットが正順に変更され、連続して下キー33を操作することで表示される数字が逆順に変更されるので、操作手順が分かり易い。さらに、正順ではアルファベットの後、また、逆順では数字の後に、記号を配置したので、入力頻度が低い傾向にある記号よりも、アルファベットや数字の表示の優先順位を高めることができる。また、アルファベットの先頭と数字の末尾とが連続する文字順としたので、最初のキー入力を間違えた場合でも、少ない回数のキー入力で所望の文字が入力対象となる可能性が高い。特に、操作パネル13にテンキーが無いMFP1の場合、数字の入力が手間になり易いため、本形態の構成が好適に作用する。
【0054】
さらに、本形態のMFP1は、1文字ずつの入力によって、ネットワーク情報の入力を受け付ける。ネットワーク情報にSSIDとパスワードとが含まれる場合であっても、入力画面によってそれぞれの入力を受け付けるので、ユーザにとって操作が分かり易い。また、受け付ける情報ごとの入力画面にて、設定可能な文字のみが入力対象となるので、設定不可の文字の誤入力を防ぐことができる。また、入力対象となる文字を記憶する入力文字テーブル22を設けているので、情報ごとの文字種の管理が容易になる。
【0055】
さらに、本形態では、アルファベット順を、各文字の小文字大文字の順としたので、後に続く文字順を予測しやすく、ユーザの文字入力のストレスを低減できる。
【0056】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタの一例は、MFPに限らず、印刷単機能のプリンタ、コピー機、FAX装置等、印刷機能と通信機能とを備えるものであれば適用可能である。
【0057】
また、
図2に示した操作パネル13の外観は一例であり、各キーの配置やキーの数は、図示の例に限らない。例えば、本形態では、2行の文字列を表示できる表示部31の例を示しているが、1行のみまたは3行以上の文字列を表示できるものでも良い。また、上キー32と下キー33は、互いに逆の方向を示す2つのキーであれば良く、例えば、左右に配置された右キーと左キーでも良い。
【0058】
また、本形態では、アルファベット順を、各文字の小文字の次にその文字の大文字が続く順としたが、これに限らない。例えば、各文字の大文字の次にその文字の小文字が続く順でも良いし、小文字の全文字の次に大文字の全文字が続く順でも良いし、大文字の全文字の次に小文字の全文字が続く順でも良い。また、数字順は、「0」から始まる昇順であっても良いし、降順であっても良い。また、アルファベット順や数字順、記号順は、入力種別によって異なっていても良い。
【0059】
また、本形態では、OKキー34へのキー入力を受け付けたことで、1文字および文字列を決定するとしたが、これに限らない。例えば、1文字の決定と文字列の決定とでは、異なる条件で決定しても良い。例えば、文字数が予め決まっている情報の入力画面では、決定した文字がその文字数に達したら文字列を決定するとしても良い。また、例えば、OKキー34の長押し、あるいは、上キー32と下キー33との両方への同時入力にて決定するとしても良い。また、例えば、カーソル52の上に文字を表示した後、所定時間以上キー入力を受け付けなかった場合に,その文字に決定するとしても良い。文字数の到達、長押し、同時入力、所定時間の到達も、決定条件の一例である。
【0060】
また、本形態では、1文字の入力開始状態では、カーソル52の上に文字が表示されていないとしたが、例えば、アルファベット順の先頭の文字を表示させても良い。
【0061】
また、本形態では、ネットワーク情報の入力を受け付ける処理について説明したが、ネットワーク情報以外の情報を入力する別の入力画面があっても良く、その別の入力画面においても本形態と同様の文字列入力処理を行うとしても良い。
【0062】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0063】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 MFP
11 CPU
13 操作パネル
14 通信IF
15 画像形成部
31 表示部
32 上キー
33 下キー
34 OKキー