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特開2022-70612契約切替システム、契約切替方法および契約切替プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070612
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】契約切替システム、契約切替方法および契約切替プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220506BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179771
(22)【出願日】2020-10-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏憲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】サーバ装置1は、需要者の携帯端末Pから、需要者と複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、使用データ取得部が取得した需要者のサービスの利用量または利用料を各サービス提供会社が提供する料金プランに適用し、各サービス提供会社における需要者の利用料を算出する電気料金算出部134と、電気料金算出部134の算出結果に基づいて、各サービス提供会社における需要者の利用料を比較する電気料金比較部135と、受付部が委託を受け付けた場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、需要者とサービス提供会社との契約を解除および解除を通知する切替通知部136とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、
前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、
前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、
前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、
前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部と
を備えることを特徴とする契約切替システム。
【請求項2】
請求項1記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備えることを特徴とする契約切替システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、
前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部と
をさらに備え、
前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる
ことを特徴とする契約切替システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の契約切替システムにおいて、
前記サービス提供会社は、前記特定のサービスとして、電気、水道、ガス、保険および通信回線の少なくともいずれか1つを提供することを特徴とする契約切替システム。
【請求項5】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、
前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、
前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、
前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、
前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップと
を備えることを特徴とする契約切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムおよび契約切替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、近年、電力自由化が行われており、2016年には、一般家庭や店舗などの需要者も、小売電気事業者と自由に契約できるようになった。
【0003】
特許文献1には、需要家の電気料金低減に向けた行動変化に基づいて、需要家に対して電気料金プランを提案する料金プラン提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-10087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、電気、ガス、水道、保険および通信回線などのサービスを受ける場合、これらのサービスを提供するサービス提供会社とサービスを受ける旨の契約を締結する。サービス提供会社は、契約中のユーザに対して提供したサービスに応じた利用料を請求する。
【0006】
ここで、ユーザは、サービス提供会社からサービスの利用料を抑えたいと考える。しかし、サービス提供会社は、多数存在しており、その料金体系も複雑であるため、サービスの利用料を比較することが非常に困難である。
【0007】
また、ユーザは、現在利用しているサービスよりもよいサービスを提供している他のサービス提供会社を発見したとしても、契約中のサービス提供会社との契約を解除する手続と、他のサービス提供会社との契約を締結する手続を行う必要があり、ユーザの負担となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減した契約切替システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部とを備える。
【0010】
この発明によると、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、利用料算出部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が算出され、利用料比較部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較される。そして、利用料比較部の比較結果に応じて、切替通知部が、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0011】
また、前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備える、としてもよい。
【0012】
この発明によると、ユーザによる使用データの入力が不要となる。これにより、ユーザの使用データの入力の負担を軽減することができる。
【0013】
また、前記サーバ装置は、前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部とをさらに備え、前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる、としてもよい。
【0014】
この発明によると、利用量予測部によって、サービスの利用量の履歴から、ユーザの今後のサービスの利用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、料金プランの比較が行われる。これにより、ユーザの今後のサービスの利用料を抑えることができる。
【0015】
また、本発明の他の実施形態に係る契約切替方法は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップとを備える。
【0016】
この発明によると、サーバ装置は、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、各サービス提供会社におけるユーザの利用料を算出し、各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較する。そして、各サービス提供会社におけるユーザの利用料の比較結果に応じて、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図2】検針票の一例を示す図。
図3】第1実施形態に係る電気料金プラン管理サーバに格納されている電気料金プランDBの概念図。
図4】第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
図5】第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図6】第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
本発明の契約切替システムおよび契約切替方法は、本実施形態に係る電力会社切替システムとして実現されている。
【0021】
また、以下の各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者(電力会社)であり、小売電気事業者が契約中の需要者(ユーザ)に電気(特定のサービス)を供給(提供)する場合を例にして説明する。小売電気事業者は、契約中の需要者の電力使用量(サービスの利用量)を測定(検針)し、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバCおよび複数の小売電気事業者サーバRと通信可能に構成されている。
【0023】
携帯端末Pは、スマートフォンなどの通信機器であり、電気料金プランの変更を希望する需要者によって操作される端末である。携帯端末Pは、例えば、無線通信などにより、通信ネットワークNと接続されている。携帯端末Pは、図略のカメラを備え、携帯端末Pの外部を撮影可能である。
【0024】
具体的に、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、需要者の検針票Mを撮影する。図2に示すように、検針票Mには、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが記載されている。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像データをサーバ装置1に送信する。
【0025】
また、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付けると、当該承認があった旨をサーバ装置1に通知する。
【0026】
ここで、小売電気事業者の自動切り替えの承認とは、需要者が、本電力会社切替システム(または、本システムの管理者)に対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を委託する旨を承諾することを指す。すなわち、需要者は、携帯端末Pを介して、本電力会社切替システムに対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託をすることとなる。
【0027】
電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が提供している電気料金プランを管理するものである。
【0028】
電気料金プラン管理サーバFには、図3に示すような電気料金プランDB(データベース)が構成されている。この電気料金プランDBには、各小売電気事業者から提供された電気料金プランが格納されており、小売電気事業者ごとに、電気料金プランに関するデータが関連付けられている。
【0029】
図3の例では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供している。具体的に、図3では、小売電気事業者ごとに、電気料金プランにおける基本料金、昼間・夜間電気使用料金、買取料金が関連付けられている。買取料金は、需要者が電力会社に対して、余剰電力を売電した場合の電力の買取料金を示すものである。
【0030】
なお、図3では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供しているが、一の小売電気事業者が複数の電気料金プランを提供してもよい。また、電気料金プランには、前述した項目(基本料金など)の以外の料金項目が含まれてもよい。
【0031】
電気料金プラン管理サーバFは、例えば、複数の小売電気事業者サーバRと通信ネットワークNを介して接続されており、各小売電気事業者サーバRから電気料金プランの更新の通知を受けると、電気料金プランDBの更新を行う。なお、電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が管理する端末からの入力に応じて、電気料金プランを更新してもよい。
【0032】
また、電気料金プラン管理サーバFは、サーバ装置1の要求に応じて、電気料金プランDBに格納された電気料金プランに関する各種情報を提供する。
【0033】
顧客情報管理サーバCは、需要者(顧客)に関する各種情報を管理するものである。具体的に、顧客情報管理サーバCには、需要者(顧客)に関する各種情報が格納された顧客情報DB(データベース)が構成されている。この顧客情報DBには、例えば、各需要者の氏名、住所、供給地点供給番号、契約中の小売電気事業者、契約中の電気料金プランなどが格納されている。
【0034】
詳しくは後述するが、サーバ装置1は、顧客情報管理サーバCに対して、需要者に関する情報を送信する。顧客情報管理サーバCは、サーバ装置1から受信した情報に応じて、顧客情報DBを更新する。
【0035】
小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するサーバである。なお、小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するPCなどの端末であってもよい。
【0036】
小売電気事業者サーバRは、サーバ装置1から、切替情報を受信する。この切替情報には、需要者の氏名、住所、供給地点特定番号などの小売電気事業者を切り替える手続きを行う際に必要となる、需要者に関する情報が含まれている。
【0037】
小売電気事業者サーバRが切替情報を受信した場合、小売電気事業者は、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)に必要となる手続きを行う。具体的に、スイッチング支援システム(図示省略)に対して、切替情報に含まれる需要者に関する情報を入力する。
【0038】
スイッチング支援システム(https://www.occto.or.jp/system/sw_system/)は、電力広域的運営推進機関によって運用されているものであり、需要者が小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行う際の各種手続きの取り次ぎを行う。
【0039】
具体的に、需要者が小売電気事業者の切り替えを行う場合、契約の締結を行う小売電気事業者は、需要者が契約している小売電気事業者に対しては、需要者との契約を廃止する旨の通知を行い、一般送配電事業者に対しては、小売電気事業者を切り替える旨の通知を行う必要がある。スイッチング支援システムは、小売電気事業者同士の間、および、小売電気事業者と一般送配電事業者との間の取り次ぎを行う。
【0040】
小売電気事業者が、スイッチング支援システムに対して、切替情報に含まれる、需要者に関する情報を入力することで、小売電気事業者の切り替えが行われる。
【0041】
(サーバ装置1の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0042】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバC、および複数の小売電気事業者サーバRと通信を行う。
【0043】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0044】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
【0045】
また、制御部13は、画像解析部131、自動切替許可部132、電気料金プラン取得部133、電気料金算出部134、電気料金比較部135および切替通知部136を備える。
【0046】
画像解析部131は、携帯端末Pから送信された検針票Mの画像から、需要者に関するデータを検出(取得)する。例えば、具体的に、画像解析部131は、OCR(Optical Character Reader)などの文字読取技術によって、検針票Mの画像から検針票Mに記載された文字列を抽出する。画像解析部131は、抽出した文字列から各種データを検出する。画像解析部131が抽出するデータとしては、例えば、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが挙げられる。
【0047】
例えば、画像解析部131は、前記データ(需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3など)を検出する場合、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電気小売事業者の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電気小売事業者の検針票であるかを特定する。画像解析部131は、当該画像において、所定領域に配置された文字列を、前記データとして検出する。
【0048】
また、画像解析部131は、所定の文字列の直後の文字列を対応するデータとして検出してもよい。例えば、図3では、「ご使用量」の文字列の直後に配置された文字列「300kWh」を電力使用量A3として検出してもよい。また、画像解析部131は、需要者の氏名A1を示す文字列の配置を基準として、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などの前記データを検出してもよい。
【0049】
なお、図2の検針票Mには、需要者の電力使用量A3のみが記載されているが、画像解析部131は、検針票Mに需要者が売電した電力量が記載されている場合、これを読み取ってもよい。また、図2では、需要者の電力使用量が昼間、夜間の区別なく記載されているが、これらが区別されて記載されている場合、需要者の電力使用量を昼間、夜間を区別して読み取ってもよい。
【0050】
なお、画像解析部131は、検針票Mから需要者に関するデータの検出確率を向上させるために、前記データの検出前に、検針票Mの画像に対して補正を行ってもよい。
【0051】
例えば、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mの向き(横向き、縦向き)などを判定し、OCR(Optical Character Reader)による読み取りが可能となるように、検針票Mの向きを補正してもよい。具体的に、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電力会社の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電力会社の検針票であるかを特定し、両検針票に含まれる所定の文字列や模様、ロゴなどを比較することにより、当該画像に含まれる検針票Mの向きを判定することができる。また、画像解析部131は、AI(Artificial Intelligence)などを利用して、検針票Mの向きなどを判定してもよい。
【0052】
また、画像解析部131は、当該画像における検針票Mの折れ曲がりやシワなどを検出して、文字列を抽出できるように(検針票Mの折れ曲がりやシワを伸ばすように)、当該画像の補正を行ってもよい。この補正は、AIなどを利用して実現することができる。
【0053】
自動切替許可部132は、小売電気事業者の自動切替を許可する。具体的に、自動切替許可部132は、携帯端末Pから、小売電気事業者の自動切り替えの承認の通知を受信した場合、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する。すなわち、自動切替許可部132は、需要者の携帯端末Pから、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を受け付ける。
【0054】
電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する。具体的に、電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFに電気料金プランに関するデータを要求し、電気料金プラン管理サーバFから当該データを受信する。
【0055】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0056】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う。ここでは、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も低価格となる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0057】
例えば、図3では、電力使用量が少ない場合、C社またはD社の電気料金が低価格となる。一方で、電力使用量が多い場合、A社またはB社の電気料金が低価格となる。これらの場合、需要者の売電量の多寡や夜間の電力使用量によって最低価格となる電気料金が決まる。
【0058】
切替通知部136は、自動切替許可部132により小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う。具体的に、切替通知部136は、小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、小売電気事業者の切り替えの通知を行う。この通知には、切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)が含まれる。上述したように、小売電気事業者は、小売電気事業者サーバRが受信した切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0059】
サーバ装置1は、切替通知部136が小売電気事業者の切り替えの通知を行った後、顧客情報管理サーバCに、当該需要者に関する情報を送信する。具体的に、サーバ装置1は、切り替えの通知に対応する需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどの情報を顧客情報管理サーバCに送信する。なお、この需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報管理サーバCは、受信した需要者に関する情報に基づいて、顧客情報DBを更新する。
【0060】
(電力会社切替システムの動作について)
図4は第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図4図1のサーバ装置1の動作を示す。
【0061】
携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、検針票Mの撮影を行う。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像を、サーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、検針票Mの画像を受信する(ステップS1)。
【0062】
サーバ装置1の画像解析部131は、検針票Mの画像を受信すると、当該画像から、需要者に関するデータを検出する(ステップS2)。具体的に、画像解析部131は、OCRなどの文字読取技術によって、当該画像から、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などを検出する。
【0063】
携帯端末Pは、需要者から電力使用量の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、需要者からの承認を受けると、サーバ装置1に当該承認があった旨を通知する。サーバ装置1の自動切替許可部132は、携帯端末Pから自動切り替えの承認の通知を受信すると(ステップS3)、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する(ステップS4)。なお、ステップS3,S4が行われない場合、ステップS5以降の処理は実行されない。
【0064】
ステップS4の後、サーバ装置1の電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する(ステップS5)。
【0065】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する(ステップS6)。具体的に、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0066】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う(ステップS7)。電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0067】
切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う(ステップS8)。具体的に、切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、当該需要者に対応する切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)を送信する。ステップS7の後、小売電気事業者は、切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0068】
小売電気事業者の切り替えが行われると、サーバ装置1は顧客情報サーバCに需要者に関する情報を送信する(ステップS9)。需要者に関する情報には、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどが含まれる。需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報サーバCは、当該情報を受信すると、顧客情報DBを更新する。
【0069】
以上のように、第1実施形態に係る電力会社切替システムは、需要者(ユーザ)と、需要者に対して電気(特定のサービス)を供給(提供)する複数の小売電気事業者(複数のサービス提供会社)との契約を切り替える契約切替システムである。小売電気事業者は、需要者との契約中において、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求するものである。本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、需要者の携帯端末P(通信端末)から、需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付ける自動切替許可部132(受付部)と、需要者の電力使用量A3(使用データ)を取得する画像解析部131(使用データ取得部)と、各小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する電気料金プラン取得部133と、需要者の電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金(サービスの利用料)を算出する電気料金算出部134(利用料算出部)と、電気料金算出部134の算出結果に基づいて、各小売電気事業者における需要者の電気料金を比較する電気料金比較部135(利用料比較部)と、携帯電話Pが需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付けた場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、需要者と小売電気事業者との契約を解除し、需要者と他の小売電気事業者との契約を締結する旨の通知を行う切替通知部136とを備える。
【0070】
この構成では、需要者から、需要者と複数の小売電気事業者との契約の締結および解除の委託を受け付けると、電気料金算出部134によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が算出され、電気料金比較部135によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が比較される。そして、電気料金比較部135の比較結果に応じて、切替通知部136が、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、需要者から事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、需要者による電気料金の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。したがって、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0071】
また、画像解析部131は、検針票M(サービスの利用明細書)が撮影された画像から文字列を抽出し、この文字列から需要者の電力使用量を検出する。これにより、需要者による電力使用量の入力が不要となるため、需要者の電力使用量の入力の負担を軽減することができる。
【0072】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図5では、図1と異なり、画像解析部131が省略されており、サーバ装置1の制御部13に電力使用量履歴取得部137が備えられている。また、電気料金算出部134の機能と、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに格納されているデータとが、図1と異なる。
【0073】
電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する。
【0074】
図5に示す電力会社切替システムでは、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに、各需要者の電力使用量の履歴(例えば、1ヶ月ごとの電力使用量など)が格納されている。例えば、顧客情報管理サーバCは、需要者の電力使用量を管理する管理装置などと接続されており、管理装置から逐次送信される需要者の電力使用量を受信し、顧客情報DBに格納している。例えば、管理装置は、需要者の住宅に取り付けられたスマートメータと接続されており、スマートメータから需要者の使用電力量を取得するように構成されている。
【0075】
また、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測を行う。例えば、電気料金算出部134は、過去の数ヶ月間の電力使用量の平均値や、過去数年間の同時期の電力使用量の平均値などを、需要者の電力使用量として予測する。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0076】
(電力会社切替システムの動作について)
図6は第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図6図5のサーバ装置1の動作を示す。なお、図6では、図4と異なり、ステップS1,S2が省略され、ステップS4,S5の間にステップS11が実行される。また、ステップS6に代えて、ステップS13が実行される。
【0077】
ステップS3,S4の後、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する(ステップS11)。具体的に、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCに、需要者の電力使用量の履歴を要求する。顧客情報管理サーバCは、当該要求に応じて、顧客情報DBに格納された、需要者の電力使用量の履歴を、サーバ装置1に送信する。電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから送信された当該データを、需要者の電力使用量として受信(取得)する。
【0078】
ステップS11,S5の後、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的に、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴に基づいて、需要者の電力使用量を予測する。そして、電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。その後、ステップS7~S9が実行される。
【0079】
以上のように、第2実施形態に係る電力会社切替システムは、サーバ装置1は、需要者の電力使用量の履歴(サービスの利用料の履歴)を取得する電力使用量履歴取得部137(利用量履歴取得部)と、電力使用量の履歴に基づいて、需要者の今後の電力使用量を予測する電気料金算出部134(利用量予測部)とをさらに備える。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、需要者の電力使用量として各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0080】
すなわち、電気料金算出部134によって、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、需要者の電気料金の比較が行われる。これにより、需要者の今後の電気料金を抑えることができる。
【0081】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0082】
なお、上記第1および第2実施形態を組み合わせることが可能である。この場合、第1実施形態に係る処理が実行された後に、所定期間が経過する度に、第2実施形態に係る処理が実行される(この場合、ステップS3,S4は省略される)。
【0083】
この構成では、最初に、需要者の検針票に記載された電力使用量に基づいて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)が行われる。その後、所定期間ごとに、需要者の電力使用量の履歴に基づいて需要者の電力使用量の予測が行われ、予測された需要者の電力使用量に応じて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。すなわち、最初に需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を承諾しておけば、所定期間が経過する度に、各電気料金プランに応じた需要者の電気料金が自動的に算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。これにより、所定期間ごとに需要者の電気料金の見直しが自動的に行われるため、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。
【0084】
また、上記各実施形態では、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金プランを、電気料金の比較結果として出力していたがこれに限られない。例えば、電気料金比較部135は、顧客情報DBを参照して、人気が高い(契約者が多い)電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、電気料金プランに小売電気事業者の発電方法の内訳を関連付けておき、クリーンな発電方法が高い割合を占める小売電気事業者の電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、これら以外の基準を考慮して比較結果を出力してもよい。また、需要者が、電気料金比較部135が比較を行う際の基準を自由に設定できてもよいし、前記基準を組み合わせて基準を設定できてもよい。
【0085】
また、上記各実施形態では、切替通知部136が小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行うとしたが、サーバ装置1とスイッチング支援システムとが連携して、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行ってもよい。この場合、切替通知部136は、スイッチング支援システムに、小売電気事業者の切り替えの通知(需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結)を通知する。すなわち、小売電気事業者サーバRを介さずに、小売電気事業者の切り替えを行っってもよい。
【0086】
なお、本実施形態に係る電力会社切替システムを、クレジットカード決済システムや口座振替システムなどと連携させてもよい。この場合、小売電気事業者は、例えば、携帯電話Pによって、需要者のクレジットカードの番号や口座番号などの決済情報を受け付けて、クレジットカード決済システムや口座振替システムに決済情報の登録をおこなってもよい。これにより、本電力会社切替システムによって、需要者の決済情報の管理を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムに、クレジットカードを撮影した画像から、クレジットカードに関する情報を検出できる機能を備えてもよい。例えば、携帯端末Pによりクレジットカードを撮影することで、クレジットカードの番号などの決済情報が検出され、クレジットカード決済システムに決済情報が登録される。これにより、決済情報の入力を行う手間を省くことができる。
【0088】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムを、既存の顧客管理システムと連携させてもよい。これにより、例えば、需要者に対して、電力使用量に応じた電気料金の請求を行うことができる。
【0089】
また、上記各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者である場合を例にして説明したが、本発明は、サービス提供会社が、特定のサービスとして、水道、ガス、保険および通信回線をそれぞれ提供する水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、所定期間ごとに需要者(ユーザ)に対してサービスの利用料を請求するものに適用することができる。
【0090】
例えば、サービス提供会社が水道会社、ガス会社および通信会社(特に電話回線を提供する会社)である場合、水道、ガス、通信量などのサービスの利用量に応じて、料金が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用量の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用量(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、サービス提供会社が保険会社および通信会社(特にインターネットプロバイダなど)である場合、サービスの利用量に関わらず、事前に定められたサービスの利用料が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用料の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用料(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
なお、サービス提供会社が水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などである場合、検針票Mに代えて、サービス提供会社が発行した利用明細書が用いられる。
【0093】
また、サーバ装置1、顧客情報管理サーバC、電気料金プラン管理サーバF、携帯端末Pおよび小売電気事業者サーバRは、それぞれが複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える際に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 サーバ装置
12 記憶部
13 制御部
131 画像解析部
132 自動切替許可部
133 電気料金プラン取得部
134 電気料金算出部
135 電気料金比較部
136 切替通知部
137 電力使用量履歴取得部
A1 氏名
A2 供給地点特定番号
A3 電力使用量
C 顧客情報管理サーバ
F 電気料金プラン管理サーバ
P 携帯端末
R 小売電気事業者サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システム契約切替方法および契約切替プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、近年、電力自由化が行われており、2016年には、一般家庭や店舗などの需要者も、小売電気事業者と自由に契約できるようになった。
【0003】
特許文献1には、需要家の電気料金低減に向けた行動変化に基づいて、需要家に対して電気料金プランを提案する料金プラン提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-10087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、電気、ガス、水道、保険および通信回線などのサービスを受ける場合、これらのサービスを提供するサービス提供会社とサービスを受ける旨の契約を締結する。サービス提供会社は、契約中のユーザに対して提供したサービスに応じた利用料を請求する。
【0006】
ここで、ユーザは、サービス提供会社からサービスの利用料を抑えたいと考える。しかし、サービス提供会社は、多数存在しており、その料金体系も複雑であるため、サービスの利用料を比較することが非常に困難である。
【0007】
また、ユーザは、現在利用しているサービスよりもよいサービスを提供している他のサービス提供会社を発見したとしても、契約中のサービス提供会社との契約を解除する手続と、他のサービス提供会社との契約を締結する手続を行う必要があり、ユーザの負担となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減した契約切替システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部とを備える。
【0010】
この発明によると、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、利用料算出部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が算出され、利用料比較部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較される。そして、利用料比較部の比較結果に応じて、切替通知部が、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0011】
また、前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備える、としてもよい。
【0012】
この発明によると、ユーザによる使用データの入力が不要となる。これにより、ユーザの使用データの入力の負担を軽減することができる。
【0013】
また、前記サーバ装置は、前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部とをさらに備え、前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる、としてもよい。
【0014】
この発明によると、利用量予測部によって、サービスの利用量の履歴から、ユーザの今後のサービスの利用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、料金プランの比較が行われる。これにより、ユーザの今後のサービスの利用料を抑えることができる。
【0015】
また、本発明の他の実施形態に係る契約切替方法は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップとを備える。
【0016】
この発明によると、サーバ装置は、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、各サービス提供会社におけるユーザの利用料を算出し、各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較する。そして、各サービス提供会社におけるユーザの利用料の比較結果に応じて、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図2】検針票の一例を示す図。
図3】第1実施形態に係る電気料金プラン管理サーバに格納されている電気料金プランDBの概念図。
図4】第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
図5】第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図6】第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
本発明の契約切替システムおよび契約切替方法は、本実施形態に係る電力会社切替システムとして実現されている。
【0021】
また、以下の各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者(電力会社)であり、小売電気事業者が契約中の需要者(ユーザ)に電気(特定のサービス)を供給(提供)する場合を例にして説明する。小売電気事業者は、契約中の需要者の電力使用量(サービスの利用量)を測定(検針)し、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバCおよび複数の小売電気事業者サーバRと通信可能に構成されている。
【0023】
携帯端末Pは、スマートフォンなどの通信機器であり、電気料金プランの変更を希望する需要者によって操作される端末である。携帯端末Pは、例えば、無線通信などにより、通信ネットワークNと接続されている。携帯端末Pは、図略のカメラを備え、携帯端末Pの外部を撮影可能である。
【0024】
具体的に、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、需要者の検針票Mを撮影する。図2に示すように、検針票Mには、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが記載されている。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像データをサーバ装置1に送信する。
【0025】
また、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付けると、当該承認があった旨をサーバ装置1に通知する。
【0026】
ここで、小売電気事業者の自動切り替えの承認とは、需要者が、本電力会社切替システム(または、本システムの管理者)に対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を委託する旨を承諾することを指す。すなわち、需要者は、携帯端末Pを介して、本電力会社切替システムに対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託をすることとなる。
【0027】
電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が提供している電気料金プランを管理するものである。
【0028】
電気料金プラン管理サーバFには、図3に示すような電気料金プランDB(データベース)が構成されている。この電気料金プランDBには、各小売電気事業者から提供された電気料金プランが格納されており、小売電気事業者ごとに、電気料金プランに関するデータが関連付けられている。
【0029】
図3の例では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供している。具体的に、図3では、小売電気事業者ごとに、電気料金プランにおける基本料金、昼間・夜間電気使用料金、買取料金が関連付けられている。買取料金は、需要者が電力会社に対して、余剰電力を売電した場合の電力の買取料金を示すものである。
【0030】
なお、図3では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供しているが、一の小売電気事業者が複数の電気料金プランを提供してもよい。また、電気料金プランには、前述した項目(基本料金など)の以外の料金項目が含まれてもよい。
【0031】
電気料金プラン管理サーバFは、例えば、複数の小売電気事業者サーバRと通信ネットワークNを介して接続されており、各小売電気事業者サーバRから電気料金プランの更新の通知を受けると、電気料金プランDBの更新を行う。なお、電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が管理する端末からの入力に応じて、電気料金プランを更新してもよい。
【0032】
また、電気料金プラン管理サーバFは、サーバ装置1の要求に応じて、電気料金プランDBに格納された電気料金プランに関する各種情報を提供する。
【0033】
顧客情報管理サーバCは、需要者(顧客)に関する各種情報を管理するものである。具体的に、顧客情報管理サーバCには、需要者(顧客)に関する各種情報が格納された顧客情報DB(データベース)が構成されている。この顧客情報DBには、例えば、各需要者の氏名、住所、供給地点供給番号、契約中の小売電気事業者、契約中の電気料金プランなどが格納されている。
【0034】
詳しくは後述するが、サーバ装置1は、顧客情報管理サーバCに対して、需要者に関する情報を送信する。顧客情報管理サーバCは、サーバ装置1から受信した情報に応じて、顧客情報DBを更新する。
【0035】
小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するサーバである。なお、小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するPCなどの端末であってもよい。
【0036】
小売電気事業者サーバRは、サーバ装置1から、切替情報を受信する。この切替情報には、需要者の氏名、住所、供給地点特定番号などの小売電気事業者を切り替える手続きを行う際に必要となる、需要者に関する情報が含まれている。
【0037】
小売電気事業者サーバRが切替情報を受信した場合、小売電気事業者は、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)に必要となる手続きを行う。具体的に、スイッチング支援システム(図示省略)に対して、切替情報に含まれる需要者に関する情報を入力する。
【0038】
スイッチング支援システム(https://www.occto.or.jp/system/sw_system/)は、電力
広域的運営推進機関によって運用されているものであり、需要者が小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行う際の各種手続きの取り次ぎを行う。
【0039】
具体的に、需要者が小売電気事業者の切り替えを行う場合、契約の締結を行う小売電気事業者は、需要者が契約している小売電気事業者に対しては、需要者との契約を廃止する旨の通知を行い、一般送配電事業者に対しては、小売電気事業者を切り替える旨の通知を行う必要がある。スイッチング支援システムは、小売電気事業者同士の間、および、小売電気事業者と一般送配電事業者との間の取り次ぎを行う。
【0040】
小売電気事業者が、スイッチング支援システムに対して、切替情報に含まれる、需要者に関する情報を入力することで、小売電気事業者の切り替えが行われる。
【0041】
(サーバ装置1の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0042】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバC、および複数の小売電気事業者サーバRと通信を行う。
【0043】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HD
D(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0044】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を
含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
【0045】
また、制御部13は、画像解析部131、自動切替許可部132、電気料金プラン取得部133、電気料金算出部134、電気料金比較部135および切替通知部136を備える。
【0046】
画像解析部131は、携帯端末Pから送信された検針票Mの画像から、需要者に関するデータを検出(取得)する。例えば、具体的に、画像解析部131は、OCR(Optical Character Reader)などの文字読取技術によって、検針票Mの画像から検針票Mに記載された文字列を抽出する。画像解析部131は、抽出した文字列から各種データを検出する。画像解析部131が抽出するデータとしては、例えば、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが挙げられる。
【0047】
例えば、画像解析部131は、前記データ(需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3など)を検出する場合、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電気小売事業者の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電気小売事業者の検針票であるかを特定する。画像解析部131は、当該画像において、所定領域に配置された文字列を、前記データとして検出する。
【0048】
また、画像解析部131は、所定の文字列の直後の文字列を対応するデータとして検出してもよい。例えば、図3では、「ご使用量」の文字列の直後に配置された文字列「300kWh」を電力使用量A3として検出してもよい。また、画像解析部131は、需要者の氏名A1を示す文字列の配置を基準として、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などの前記データを検出してもよい。
【0049】
なお、図2の検針票Mには、需要者の電力使用量A3のみが記載されているが、画像解析部131は、検針票Mに需要者が売電した電力量が記載されている場合、これを読み取ってもよい。また、図2では、需要者の電力使用量が昼間、夜間の区別なく記載されているが、これらが区別されて記載されている場合、需要者の電力使用量を昼間、夜間を区別して読み取ってもよい。
【0050】
なお、画像解析部131は、検針票Mから需要者に関するデータの検出確率を向上させるために、前記データの検出前に、検針票Mの画像に対して補正を行ってもよい。
【0051】
例えば、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mの向き(横向き、縦向き)などを判定し、OCR(Optical Character Reader)による読み取りが可能となるように、検針票Mの向きを補正してもよい。具体的に、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電力会社の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電力会社の検針票であるかを特定し、両検針票に含まれる所定の文字列や模様、ロゴなどを比較することにより、当該画像に含まれる検針票Mの向きを判定することができる。また、画像解析部131は、AI(Artificial Intelligence)などを利用して、検針票Mの
向きなどを判定してもよい。
【0052】
また、画像解析部131は、当該画像における検針票Mの折れ曲がりやシワなどを検出して、文字列を抽出できるように(検針票Mの折れ曲がりやシワを伸ばすように)、当該画像の補正を行ってもよい。この補正は、AIなどを利用して実現することができる。
【0053】
自動切替許可部132は、小売電気事業者の自動切替を許可する。具体的に、自動切替許可部132は、携帯端末Pから、小売電気事業者の自動切り替えの承認の通知を受信した場合、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する。すなわち、自動切替許可部132は、需要者の携帯端末Pから、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を受け付ける。
【0054】
電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する。具体的に、電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFに電気料金プランに関するデータを要求し、電気料金プラン管理サーバFから当該データを受信する。
【0055】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0056】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う。ここでは、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も低価格となる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0057】
例えば、図3では、電力使用量が少ない場合、C社またはD社の電気料金が低価格となる。一方で、電力使用量が多い場合、A社またはB社の電気料金が低価格となる。これらの場合、需要者の売電量の多寡や夜間の電力使用量によって最低価格となる電気料金が決まる。
【0058】
切替通知部136は、自動切替許可部132により小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う。具体的に、切替通知部136は、小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、小売電気事業者の切り替えの通知を行う。この通知には、切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)が含まれる。上述したように、小売電気事業者は、小売電気事業者サーバRが受信した切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0059】
サーバ装置1は、切替通知部136が小売電気事業者の切り替えの通知を行った後、顧客情報管理サーバCに、当該需要者に関する情報を送信する。具体的に、サーバ装置1は、切り替えの通知に対応する需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどの情報を顧客情報管理サーバCに送信する。なお、この需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報管理サーバCは、受信した需要者に関する情報に基づいて、顧客情報DBを更新する。
【0060】
(電力会社切替システムの動作について)
図4は第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図4図1のサーバ装置1の動作を示す。
【0061】
携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、検針票Mの撮影を行う。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像を、サーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、検針票Mの画像を受信する(ステップS1)。
【0062】
サーバ装置1の画像解析部131は、検針票Mの画像を受信すると、当該画像から、需要者に関するデータを検出する(ステップS2)。具体的に、画像解析部131は、OCRなどの文字読取技術によって、当該画像から、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などを検出する。
【0063】
携帯端末Pは、需要者から電力使用量の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、需要者からの承認を受けると、サーバ装置1に当該承認があった旨を通知する。サーバ装置1の自動切替許可部132は、携帯端末Pから自動切り替えの承認の通知を受信すると(ステップS3)、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する(ステップS4)。なお、ステップS3,S4が行われない場合、ステップS5以降の処理は実行されない。
【0064】
ステップS4の後、サーバ装置1の電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する(ステップS5)。
【0065】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する(ステップS6)。具体的に、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0066】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う(ステップS7)。電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0067】
切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う(ステップS8)。具体的に、切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、当該需要者に対応する切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)を送信する。ステップS7の後、小売電気事業者は、切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0068】
小売電気事業者の切り替えが行われると、サーバ装置1は顧客情報サーバCに需要者に関する情報を送信する(ステップS9)。需要者に関する情報には、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどが含まれる。需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報サーバCは、当該情報を受信すると、顧客情報DBを更新する。
【0069】
以上のように、第1実施形態に係る電力会社切替システムは、需要者(ユーザ)と、需要者に対して電気(特定のサービス)を供給(提供)する複数の小売電気事業者(複数のサービス提供会社)との契約を切り替える契約切替システムである。小売電気事業者は、需要者との契約中において、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求するものである。本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、需要者の携帯端末P(通信端末)から、需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付ける自動切替許可部132(受付部)と、需要者の電力使用量A3(使用データ)を取得する画像解析部131(使用データ取得部)と、各小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する電気料金プラン取得部133と、需要者の電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金(サービスの利用料)を算出する電気料金算出部134(利用料算出部)と、電気料金算出部134の算出結果に基づいて、各小売電気事業者における需要者の電気料金を比較する電気料金比較部135(利用料比較部)と、携帯電話Pが需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付けた場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、需要者と小売電気事業者との契約を解除し、需要者と他の小売電気事業者との契約を締結する旨の通知を行う切替通知部136とを備える。
【0070】
この構成では、需要者から、需要者と複数の小売電気事業者との契約の締結および解除の委託を受け付けると、電気料金算出部134によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が算出され、電気料金比較部135によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が比較される。そして、電気料金比較部135の比較結果に応じて、切替通知部136が、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、需要者から事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、需要者による電気料金の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。したがって、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0071】
また、画像解析部131は、検針票M(サービスの利用明細書)が撮影された画像から文字列を抽出し、この文字列から需要者の電力使用量を検出する。これにより、需要者による電力使用量の入力が不要となるため、需要者の電力使用量の入力の負担を軽減することができる。
【0072】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図5では、図1と異なり、画像解析部131が省略されており、サーバ装置1の制御部13に電力使用量履歴取得部137が備えられている。また、電気料金算出部134の機能と、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに格納されているデータとが、図1と異なる。
【0073】
電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する。
【0074】
図5に示す電力会社切替システムでは、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに、各需要者の電力使用量の履歴(例えば、1ヶ月ごとの電力使用量など)が格納されている。例えば、顧客情報管理サーバCは、需要者の電力使用量を管理する管理装置などと接続されており、管理装置から逐次送信される需要者の電力使用量を受信し、顧客情報DBに格納している。例えば、管理装置は、需要者の住宅に取り付けられたスマートメータと接続されており、スマートメータから需要者の使用電力量を取得するように構成されている。
【0075】
また、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測を行う。例えば、電気料金算出部134は、過去の数ヶ月間の電力使用量の平均値や、過去数年間の同時期の電力使用量の平均値などを、需要者の電力使用量として予測する。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0076】
(電力会社切替システムの動作について)
図6は第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図6図5のサーバ装置1の動作を示す。なお、図6では、図4と異なり、ステップS1,S2が省略され、ステップS4,S5の間にステップS11が実行される。また、ステップS6に代えて、ステップS13が実行される。
【0077】
ステップS3,S4の後、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する(ステップS11)。具体的に、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCに、需要者の電力使用量の履歴を要求する。顧客情報管理サーバCは、当該要求に応じて、顧客情報DBに格納された、需要者の電力使用量の履歴を、サーバ装置1に送信する。電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから送信された当該データを、需要者の電力使用量として受信(取得)する。
【0078】
ステップS11,S5の後、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的に、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴に基づいて、需要者の電力使用量を予測する。そして、電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。その後、ステップS7~S9が実行される。
【0079】
以上のように、第2実施形態に係る電力会社切替システムは、サーバ装置1は、需要者の電力使用量の履歴(サービスの利用料の履歴)を取得する電力使用量履歴取得部137(利用量履歴取得部)と、電力使用量の履歴に基づいて、需要者の今後の電力使用量を予測する電気料金算出部134(利用量予測部)とをさらに備える。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、需要者の電力使用量として各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0080】
すなわち、電気料金算出部134によって、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、需要者の電気料金の比較が行われる。これにより、需要者の今後の電気料金を抑えることができる。
【0081】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0082】
なお、上記第1および第2実施形態を組み合わせることが可能である。この場合、第1実施形態に係る処理が実行された後に、所定期間が経過する度に、第2実施形態に係る処理が実行される(この場合、ステップS3,S4は省略される)。
【0083】
この構成では、最初に、需要者の検針票に記載された電力使用量に基づいて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)が行われる。その後、所定期間ごとに、需要者の電力使用量の履歴に基づいて需要者の電力使用量の予測が行われ、予測された需要者の電力使用量に応じて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。すなわち、最初に需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を承諾しておけば、所定期間が経過する度に、各電気料金プランに応じた需要者の電気料金が自動的に算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。これにより、所定期間ごとに需要者の電気料金の見直しが自動的に行われるため、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。
【0084】
また、上記各実施形態では、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金プランを、電気料金の比較結果として出力していたがこれに限られない。例えば、電気料金比較部135は、顧客情報DBを参照して、人気が高い(契約者が多い)電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、電気料金プランに小売電気事業者の発電方法の内訳を関連付けておき、クリーンな発電方法が高い割合を占める小売電気事業者の電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、これら以外の基準を考慮して比較結果を出力してもよい。また、需要者が、電気料金比較部135が比較を行う際の基準を自由に設定できてもよいし、前記基準を組み合わせて基準を設定できてもよい。
【0085】
また、上記各実施形態では、切替通知部136が小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行うとしたが、サーバ装置1とスイッチング支援システムとが連携して、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行ってもよい。この場合、切替通知部136は、スイッチング支援システムに、小売電気事業者の切り替えの通知(需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結)を通知する。すなわち、小売電気事業者サーバRを介さずに、小売電気事業者の切り替えを行ってもよい。
【0086】
なお、本実施形態に係る電力会社切替システムを、クレジットカード決済システムや口座振替システムなどと連携させてもよい。この場合、小売電気事業者は、例えば、携帯電話Pによって、需要者のクレジットカードの番号や口座番号などの決済情報を受け付けて、クレジットカード決済システムや口座振替システムに決済情報の登録をおこなってもよい。これにより、本電力会社切替システムによって、需要者の決済情報の管理を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムに、クレジットカードを撮影した画像から、クレジットカードに関する情報を検出できる機能を備えてもよい。例えば、携帯端末Pによりクレジットカードを撮影することで、クレジットカードの番号などの決済情報が検出され、クレジットカード決済システムに決済情報が登録される。これにより、決済情報の入力を行う手間を省くことができる。
【0088】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムを、既存の顧客管理システムと連携させてもよい。これにより、例えば、需要者に対して、電力使用量に応じた電気料金の請求を行うことができる。
【0089】
また、上記各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者である場合を例にして説明したが、本発明は、サービス提供会社が、特定のサービスとして、水道、ガス、保険および通信回線をそれぞれ提供する水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、所定期間ごとに需要者(ユーザ)に対してサービスの利用料を請求するものに適用することができる。
【0090】
例えば、サービス提供会社が水道会社、ガス会社および通信会社(特に電話回線を提供する会社)である場合、水道、ガス、通信量などのサービスの利用量に応じて、料金が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用量の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用量(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、サービス提供会社が保険会社および通信会社(特にインターネットプロバイダなど)である場合、サービスの利用量に関わらず、事前に定められたサービスの利用料が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用料の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用料(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
なお、サービス提供会社が水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などである場合、検針票Mに代えて、サービス提供会社が発行した利用明細書が用いられる。
【0093】
また、サーバ装置1、顧客情報管理サーバC、電気料金プラン管理サーバF、携帯端末Pおよび小売電気事業者サーバRは、それぞれが複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。
【0094】
また、サーバ装置1および携帯端末Pには、それぞれ、上記実施形態に係る機能を実現するための電力会社切替プログラムがインストールされている。サーバ装置1および携帯端末Pは、インストールされた電力会社切替プログラムを実行することにより、上記実施形態に係る各種機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える際に利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 サーバ装置
12 記憶部
13 制御部
131 画像解析部
132 自動切替許可部
133 電気料金プラン取得部
134 電気料金算出部
135 電気料金比較部
136 切替通知部
137 電力使用量履歴取得部
A1 氏名
A2 供給地点特定番号
A3 電力使用量
C 顧客情報管理サーバ
F 電気料金プラン管理サーバ
P 携帯端末
R 小売電気事業者サーバ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、
前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、
前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、
前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、
前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部と
を備える契約切替システム。
【請求項2】
請求項1記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備える契約切替システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、
前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部と
をさらに備え、
前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる契約切替システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の契約切替システムにおいて、
前記サービス提供会社は、前記特定のサービスとして、電気、水道、ガス、保険および通信回線の少なくともいずれか1つを提供する契約切替システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の契約切替システムにおいて、
前記切替通知部は、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を、前記他のサービス提供会社にのみ通知し、前記サービス提供会社には通知しない、契約切替システム。
【請求項6】
請求項4項記載の契約切替システムにおいて、
前記サービス提供会社は、前記特定のサービスとして、電気を提供し、
前記切替通知部は、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を、スイッチング支援システムに通知する、契約切替システム。
【請求項7】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、
前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、
前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、
前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、
前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップと
を備える契約切替方法。
【請求項8】
コンピュータに、
請求項7に記載の契約切替方法を実行させるための契約切替プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システム、契約切替方法および契約切替プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、近年、電力自由化が行われており、2016年には、一般家庭や店舗などの需要者も、小売電気事業者と自由に契約できるようになった。
【0003】
特許文献1には、需要家の電気料金低減に向けた行動変化に基づいて、需要家に対して電気料金プランを提案する料金プラン提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-10087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、電気、ガス、水道、保険および通信回線などのサービスを受ける場合、これらのサービスを提供するサービス提供会社とサービスを受ける旨の契約を締結する。サービス提供会社は、契約中のユーザに対して提供したサービスに応じた利用料を請求する。
【0006】
ここで、ユーザは、サービス提供会社からサービスの利用料を抑えたいと考える。しかし、サービス提供会社は、多数存在しており、その料金体系も複雑であるため、サービスの利用料を比較することが非常に困難である。
【0007】
また、ユーザは、現在利用しているサービスよりもよいサービスを提供している他のサービス提供会社を発見したとしても、契約中のサービス提供会社との契約を解除する手続と、他のサービス提供会社との契約を締結する手続を行う必要があり、ユーザの負担となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減した契約切替システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部とを備える。
【0010】
この発明によると、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、利用料算出部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が算出され、利用料比較部によって各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較される。そして、利用料比較部の比較結果に応じて、切替通知部が、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0011】
また、前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備える、としてもよい。
【0012】
この発明によると、ユーザによる使用データの入力が不要となる。これにより、ユーザの使用データの入力の負担を軽減することができる。
【0013】
また、前記サーバ装置は、前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部とをさらに備え、前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる、としてもよい。
【0014】
この発明によると、利用量予測部によって、サービスの利用量の履歴から、ユーザの今後のサービスの利用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、料金プランの比較が行われる。これにより、ユーザの今後のサービスの利用料を抑えることができる。
【0015】
また、本発明の他の実施形態に係る契約切替方法は、ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、前記サーバ装置は、前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップとを備える。
【0016】
この発明によると、サーバ装置は、ユーザの通信端末から、ユーザと複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付けると、各サービス提供会社におけるユーザの利用料を算出し、各サービス提供会社におけるユーザの利用料が比較する。そして、各サービス提供会社におけるユーザの利用料の比較結果に応じて、ユーザと小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、ユーザから事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、ユーザによるサービスの利用料の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図2】検針票の一例を示す図。
図3】第1実施形態に係る電気料金プラン管理サーバに格納されている電気料金プランDBの概念図。
図4】第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
図5】第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図。
図6】第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
本発明の契約切替システムおよび契約切替方法は、本実施形態に係る電力会社切替システムとして実現されている。
【0021】
また、以下の各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者(電力会社)であり、小売電気事業者が契約中の需要者(ユーザ)に電気(特定のサービス)を供給(提供)する場合を例にして説明する。小売電気事業者は、契約中の需要者の電力使用量(サービスの利用量)を測定(検針)し、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバCおよび複数の小売電気事業者サーバRと通信可能に構成されている。
【0023】
携帯端末Pは、スマートフォンなどの通信機器であり、電気料金プランの変更を希望する需要者によって操作される端末である。携帯端末Pは、例えば、無線通信などにより、通信ネットワークNと接続されている。携帯端末Pは、図略のカメラを備え、携帯端末Pの外部を撮影可能である。
【0024】
具体的に、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、需要者の検針票Mを撮影する。図2に示すように、検針票Mには、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが記載されている。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像データをサーバ装置1に送信する。
【0025】
また、携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、小売電気事業者の自動切り替えの承認を受け付けると、当該承認があった旨をサーバ装置1に通知する。
【0026】
ここで、小売電気事業者の自動切り替えの承認とは、需要者が、本電力会社切替システム(または、本システムの管理者)に対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を委託する旨を承諾することを指す。すなわち、需要者は、携帯端末Pを介して、本電力会社切替システムに対して、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託をすることとなる。
【0027】
電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が提供している電気料金プランを管理するものである。
【0028】
電気料金プラン管理サーバFには、図3に示すような電気料金プランDB(データベース)が構成されている。この電気料金プランDBには、各小売電気事業者から提供された電気料金プランが格納されており、小売電気事業者ごとに、電気料金プランに関するデータが関連付けられている。
【0029】
図3の例では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供している。具体的に、図3では、小売電気事業者ごとに、電気料金プランにおける基本料金、昼間・夜間電気使用料金、買取料金が関連付けられている。買取料金は、需要者が電力会社に対して、余剰電力を売電した場合の電力の買取料金を示すものである。
【0030】
なお、図3では、一の小売電気事業者が1つの電気料金プランを提供しているが、一の小売電気事業者が複数の電気料金プランを提供してもよい。また、電気料金プランには、前述した項目(基本料金など)の以外の料金項目が含まれてもよい。
【0031】
電気料金プラン管理サーバFは、例えば、複数の小売電気事業者サーバRと通信ネットワークNを介して接続されており、各小売電気事業者サーバRから電気料金プランの更新の通知を受けると、電気料金プランDBの更新を行う。なお、電気料金プラン管理サーバFは、小売電気事業者が管理する端末からの入力に応じて、電気料金プランを更新してもよい。
【0032】
また、電気料金プラン管理サーバFは、サーバ装置1の要求に応じて、電気料金プランDBに格納された電気料金プランに関する各種情報を提供する。
【0033】
顧客情報管理サーバCは、需要者(顧客)に関する各種情報を管理するものである。具体的に、顧客情報管理サーバCには、需要者(顧客)に関する各種情報が格納された顧客情報DB(データベース)が構成されている。この顧客情報DBには、例えば、各需要者の氏名、住所、供給地点供給番号、契約中の小売電気事業者、契約中の電気料金プランなどが格納されている。
【0034】
詳しくは後述するが、サーバ装置1は、顧客情報管理サーバCに対して、需要者に関する情報を送信する。顧客情報管理サーバCは、サーバ装置1から受信した情報に応じて、顧客情報DBを更新する。
【0035】
小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するサーバである。なお、小売電気事業者サーバRは、小売電気事業者が管理するPCなどの端末であってもよい。
【0036】
小売電気事業者サーバRは、サーバ装置1から、切替情報を受信する。この切替情報には、需要者の氏名、住所、供給地点特定番号などの小売電気事業者を切り替える手続きを行う際に必要となる、需要者に関する情報が含まれている。
【0037】
小売電気事業者サーバRが切替情報を受信した場合、小売電気事業者は、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)に必要となる手続きを行う。具体的に、スイッチング支援システム(図示省略)に対して、切替情報に含まれる需要者に関する情報を入力する。
【0038】
スイッチング支援システム(https://www.occto.or.jp/system/sw_system/)は、電力
広域的運営推進機関によって運用されているものであり、需要者が小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行う際の各種手続きの取り次ぎを行う。
【0039】
具体的に、需要者が小売電気事業者の切り替えを行う場合、契約の締結を行う小売電気事業者は、需要者が契約している小売電気事業者に対しては、需要者との契約を廃止する旨の通知を行い、一般送配電事業者に対しては、小売電気事業者を切り替える旨の通知を行う必要がある。スイッチング支援システムは、小売電気事業者同士の間、および、小売電気事業者と一般送配電事業者との間の取り次ぎを行う。
【0040】
小売電気事業者が、スイッチング支援システムに対して、切替情報に含まれる、需要者に関する情報を入力することで、小売電気事業者の切り替えが行われる。
【0041】
(サーバ装置1の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0042】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、携帯端末P、電気料金プラン管理サーバF、顧客情報管理サーバC、および複数の小売電気事業者サーバRと通信を行う。
【0043】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HD
D(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0044】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を
含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
【0045】
また、制御部13は、画像解析部131、自動切替許可部132、電気料金プラン取得部133、電気料金算出部134、電気料金比較部135および切替通知部136を備える。
【0046】
画像解析部131は、携帯端末Pから送信された検針票Mの画像から、需要者に関するデータを検出(取得)する。例えば、具体的に、画像解析部131は、OCR(Optical Character Reader)などの文字読取技術によって、検針票Mの画像から検針票Mに記載された文字列を抽出する。画像解析部131は、抽出した文字列から各種データを検出する。画像解析部131が抽出するデータとしては、例えば、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、小売電気事業者を示すコードや番号、現在の契約内容などが挙げられる。
【0047】
例えば、画像解析部131は、前記データ(需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3など)を検出する場合、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電気小売事業者の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電気小売事業者の検針票であるかを特定する。画像解析部131は、当該画像において、所定領域に配置された文字列を、前記データとして検出する。
【0048】
また、画像解析部131は、所定の文字列の直後の文字列を対応するデータとして検出してもよい。例えば、図3では、「ご使用量」の文字列の直後に配置された文字列「300kWh」を電力使用量A3として検出してもよい。また、画像解析部131は、需要者の氏名A1を示す文字列の配置を基準として、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などの前記データを検出してもよい。
【0049】
なお、図2の検針票Mには、需要者の電力使用量A3のみが記載されているが、画像解析部131は、検針票Mに需要者が売電した電力量が記載されている場合、これを読み取ってもよい。また、図2では、需要者の電力使用量が昼間、夜間の区別なく記載されているが、これらが区別されて記載されている場合、需要者の電力使用量を昼間、夜間を区別して読み取ってもよい。
【0050】
なお、画像解析部131は、検針票Mから需要者に関するデータの検出確率を向上させるために、前記データの検出前に、検針票Mの画像に対して補正を行ってもよい。
【0051】
例えば、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mの向き(横向き、縦向き)などを判定し、OCR(Optical Character Reader)による読み取りが可能となるように、検針票Mの向きを補正してもよい。具体的に、画像解析部131は、当該画像に含まれる検針票Mのレイアウトと、各電力会社の検針票のレイアウトとを比較して、いずれの電力会社の検針票であるかを特定し、両検針票に含まれる所定の文字列や模様、ロゴなどを比較することにより、当該画像に含まれる検針票Mの向きを判定することができる。また、画像解析部131は、AI(Artificial Intelligence)などを利用して、検針票Mの
向きなどを判定してもよい。
【0052】
また、画像解析部131は、当該画像における検針票Mの折れ曲がりやシワなどを検出して、文字列を抽出できるように(検針票Mの折れ曲がりやシワを伸ばすように)、当該画像の補正を行ってもよい。この補正は、AIなどを利用して実現することができる。
【0053】
自動切替許可部132は、小売電気事業者の自動切替を許可する。具体的に、自動切替許可部132は、携帯端末Pから、小売電気事業者の自動切り替えの承認の通知を受信した場合、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する。すなわち、自動切替許可部132は、需要者の携帯端末Pから、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を受け付ける。
【0054】
電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する。具体的に、電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFに電気料金プランに関するデータを要求し、電気料金プラン管理サーバFから当該データを受信する。
【0055】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0056】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う。ここでは、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も低価格となる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0057】
例えば、図3では、電力使用量が少ない場合、C社またはD社の電気料金が低価格となる。一方で、電力使用量が多い場合、A社またはB社の電気料金が低価格となる。これらの場合、需要者の売電量の多寡や夜間の電力使用量によって最低価格となる電気料金が決まる。
【0058】
切替通知部136は、自動切替許可部132により小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う。具体的に、切替通知部136は、小売電気事業者の自動切り替えが許可されている場合、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、小売電気事業者の切り替えの通知を行う。この通知には、切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)が含まれる。上述したように、小売電気事業者は、小売電気事業者サーバRが受信した切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0059】
サーバ装置1は、切替通知部136が小売電気事業者の切り替えの通知を行った後、顧客情報管理サーバCに、当該需要者に関する情報を送信する。具体的に、サーバ装置1は、切り替えの通知に対応する需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどの情報を顧客情報管理サーバCに送信する。なお、この需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報管理サーバCは、受信した需要者に関する情報に基づいて、顧客情報DBを更新する。
【0060】
(電力会社切替システムの動作について)
図4は第1実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図4図1のサーバ装置1の動作を示す。
【0061】
携帯端末Pは、需要者の操作に応じて、検針票Mの撮影を行う。携帯端末Pは、撮影した検針票Mの画像を、サーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、検針票Mの画像を受信する(ステップS1)。
【0062】
サーバ装置1の画像解析部131は、検針票Mの画像を受信すると、当該画像から、需要者に関するデータを検出する(ステップS2)。具体的に、画像解析部131は、OCRなどの文字読取技術によって、当該画像から、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3などを検出する。
【0063】
携帯端末Pは、需要者から電力使用量の自動切り替えの承認を受け付ける。携帯端末Pは、需要者からの承認を受けると、サーバ装置1に当該承認があった旨を通知する。サーバ装置1の自動切替許可部132は、携帯端末Pから自動切り替えの承認の通知を受信すると(ステップS3)、当該需要者の小売電気事業者の自動切り替えを許可する(ステップS4)。なお、ステップS3,S4が行われない場合、ステップS5以降の処理は実行されない。
【0064】
ステップS4の後、サーバ装置1の電気料金プラン取得部133は、電気料金プラン管理サーバFから、小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する(ステップS5)。
【0065】
電気料金算出部134は、需要者の電力使用量A3および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する(ステップS6)。具体的に、電気料金算出部134は、画像解析部131が検出した電力使用量A3を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0066】
電気料金比較部135は、電気料金算出部134が算出した電気料金の比較を行う(ステップS7)。電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金に対応する電気料金プランを比較結果として出力する。
【0067】
切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果に応じて、小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行う(ステップS8)。具体的に、切替通知部136は、電気料金比較部135の比較結果として出力された電気料金プランに対応する小売電気事業者の小売電気事業者サーバRに、当該需要者に対応する切替情報(需要者の氏名、住所、供給地点特定番号など)を送信する。ステップS7の後、小売電気事業者は、切替情報に応じて、小売電気事業者の切り替えの手続きを行う。
【0068】
小売電気事業者の切り替えが行われると、サーバ装置1は顧客情報サーバCに需要者に関する情報を送信する(ステップS9)。需要者に関する情報には、需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3、切り替え後の小売電気事業者名、切り替え後の電気料金プランなどが含まれる。需要者に関する情報における需要者の氏名A1、供給地点特定番号A2、電力使用量A3は、画像解析部131によって読み取られたデータである。顧客情報サーバCは、当該情報を受信すると、顧客情報DBを更新する。
【0069】
以上のように、第1実施形態に係る電力会社切替システムは、需要者(ユーザ)と、需要者に対して電気(特定のサービス)を供給(提供)する複数の小売電気事業者(複数のサービス提供会社)との契約を切り替える契約切替システムである。小売電気事業者は、需要者との契約中において、需要者に対して、所定期間(例えば、1ヶ月)ごとに電気料金(サービスの利用料)を請求するものである。本電力会社切替システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、需要者の携帯端末P(通信端末)から、需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付ける自動切替許可部132(受付部)と、需要者の電力使用量A3(使用データ)を取得する画像解析部131(使用データ取得部)と、各小売電気事業者が提供する電気料金プランを取得する電気料金プラン取得部133と、需要者の電力使用量A3を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金(サービスの利用料)を算出する電気料金算出部134(利用料算出部)と、電気料金算出部134の算出結果に基づいて、各小売電気事業者における需要者の電気料金を比較する電気料金比較部135(利用料比較部)と、携帯電話Pが需要者と複数の小売電気事業者との契約を締結および解除の委託を受け付けた場合、電気料金比較部135の比較結果に応じて、需要者と小売電気事業者との契約を解除し、需要者と他の小売電気事業者との契約を締結する旨の通知を行う切替通知部136とを備える。
【0070】
この構成では、需要者から、需要者と複数の小売電気事業者との契約の締結および解除の委託を受け付けると、電気料金算出部134によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が算出され、電気料金比較部135によって各小売電気事業者における需要者の電気料金が比較される。そして、電気料金比較部135の比較結果に応じて、切替通知部136が、需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結を通知する。すなわち、需要者から事前に契約の切り替えの委託を受けておくことにより、需要者による電気料金の比較と契約の切り替えの手続とを省略することができる。これにより、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。したがって、ユーザのサービスの利用料を抑えることができるようにするとともに、契約を切り替える際のユーザの負担を軽減することができる。
【0071】
また、画像解析部131は、検針票M(サービスの利用明細書)が撮影された画像から文字列を抽出し、この文字列から需要者の電力使用量を検出する。これにより、需要者による電力使用量の入力が不要となるため、需要者の電力使用量の入力の負担を軽減することができる。
【0072】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る電力会社切替システムの構成を示すブロック図である。図5では、図1と異なり、画像解析部131が省略されており、サーバ装置1の制御部13に電力使用量履歴取得部137が備えられている。また、電気料金算出部134の機能と、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに格納されているデータとが、図1と異なる。
【0073】
電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する。
【0074】
図5に示す電力会社切替システムでは、顧客情報管理サーバCの顧客情報DBに、各需要者の電力使用量の履歴(例えば、1ヶ月ごとの電力使用量など)が格納されている。例えば、顧客情報管理サーバCは、需要者の電力使用量を管理する管理装置などと接続されており、管理装置から逐次送信される需要者の電力使用量を受信し、顧客情報DBに格納している。例えば、管理装置は、需要者の住宅に取り付けられたスマートメータと接続されており、スマートメータから需要者の使用電力量を取得するように構成されている。
【0075】
また、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的には、電気料金算出部134は、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測を行う。例えば、電気料金算出部134は、過去の数ヶ月間の電力使用量の平均値や、過去数年間の同時期の電力使用量の平均値などを、需要者の電力使用量として予測する。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0076】
(電力会社切替システムの動作について)
図6は第2実施形態に係る電力会社切替システムの動作を示すフローチャートである。具体的に、図6図5のサーバ装置1の動作を示す。なお、図6では、図4と異なり、ステップS1,S2が省略され、ステップS4,S5の間にステップS11が実行される。また、ステップS6に代えて、ステップS13が実行される。
【0077】
ステップS3,S4の後、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから、需要者の電力使用量の履歴を取得する(ステップS11)。具体的に、電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCに、需要者の電力使用量の履歴を要求する。顧客情報管理サーバCは、当該要求に応じて、顧客情報DBに格納された、需要者の電力使用量の履歴を、サーバ装置1に送信する。電力使用量履歴取得部137は、顧客情報管理サーバCから送信された当該データを、需要者の電力使用量として受信(取得)する。
【0078】
ステップS11,S5の後、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴および電気料金プランに基づいて、需要者の電気料金を算出する。具体的に、電気料金算出部134は、需要者の電力使用量の履歴に基づいて、需要者の電力使用量を予測する。そして、電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用して、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。その後、ステップS7~S9が実行される。
【0079】
以上のように、第2実施形態に係る電力会社切替システムは、サーバ装置1は、需要者の電力使用量の履歴(サービスの利用料の履歴)を取得する電力使用量履歴取得部137(利用量履歴取得部)と、電力使用量の履歴に基づいて、需要者の今後の電力使用量を予測する電気料金算出部134(利用量予測部)とをさらに備える。電気料金算出部134は、予測した需要者の電力使用量を、需要者の電力使用量として各小売電気事業者が提供する電気料金プランに適用し、各電気料金プランにおける需要者の電気料金を算出する。
【0080】
すなわち、電気料金算出部134によって、電力使用量の履歴から、需要者の今後の電力使用量の予測が行われ、その予測結果に応じて、需要者の電気料金の比較が行われる。これにより、需要者の今後の電気料金を抑えることができる。
【0081】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0082】
なお、上記第1および第2実施形態を組み合わせることが可能である。この場合、第1実施形態に係る処理が実行された後に、所定期間が経過する度に、第2実施形態に係る処理が実行される(この場合、ステップS3,S4は省略される)。
【0083】
この構成では、最初に、需要者の検針票に記載された電力使用量に基づいて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)が行われる。その後、所定期間ごとに、需要者の電力使用量の履歴に基づいて需要者の電力使用量の予測が行われ、予測された需要者の電力使用量に応じて各電気料金プランにおける需要者の電気料金が算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。すなわち、最初に需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結の委託を承諾しておけば、所定期間が経過する度に、各電気料金プランに応じた需要者の電気料金が自動的に算出され、小売電気事業者の切り替えが行われる。これにより、所定期間ごとに需要者の電気料金の見直しが自動的に行われるため、需要者の電気料金を抑えることができるとともに、契約を切り替える際の需要者の負担を軽減することができる。
【0084】
また、上記各実施形態では、電気料金比較部135は、需要者の電気料金が最も安くなる電気料金プランを、電気料金の比較結果として出力していたがこれに限られない。例えば、電気料金比較部135は、顧客情報DBを参照して、人気が高い(契約者が多い)電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、電気料金プランに小売電気事業者の発電方法の内訳を関連付けておき、クリーンな発電方法が高い割合を占める小売電気事業者の電気料金プランを比較結果として出力してもよいし、これら以外の基準を考慮して比較結果を出力してもよい。また、需要者が、電気料金比較部135が比較を行う際の基準を自由に設定できてもよいし、前記基準を組み合わせて基準を設定できてもよい。
【0085】
また、上記各実施形態では、切替通知部136が小売電気事業者サーバRに小売電気事業者の切り替えの通知を行うとしたが、サーバ装置1とスイッチング支援システムとが連携して、小売電気事業者の切り替え(スイッチング)を行ってもよい。この場合、切替通知部136は、スイッチング支援システムに、小売電気事業者の切り替えの通知(需要者と小売電気事業者との契約の解除および締結)を通知する。すなわち、小売電気事業者サーバRを介さずに、小売電気事業者の切り替えを行ってもよい。
【0086】
なお、本実施形態に係る電力会社切替システムを、クレジットカード決済システムや口座振替システムなどと連携させてもよい。この場合、小売電気事業者は、例えば、携帯電話Pによって、需要者のクレジットカードの番号や口座番号などの決済情報を受け付けて、クレジットカード決済システムや口座振替システムに決済情報の登録をおこなってもよい。これにより、本電力会社切替システムによって、需要者の決済情報の管理を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムに、クレジットカードを撮影した画像から、クレジットカードに関する情報を検出できる機能を備えてもよい。例えば、携帯端末Pによりクレジットカードを撮影することで、クレジットカードの番号などの決済情報が検出され、クレジットカード決済システムに決済情報が登録される。これにより、決済情報の入力を行う手間を省くことができる。
【0088】
また、本実施形態に係る電力会社切替システムを、既存の顧客管理システムと連携させてもよい。これにより、例えば、需要者に対して、電力使用量に応じた電気料金の請求を行うことができる。
【0089】
また、上記各実施形態では、サービス提供会社が小売電気事業者である場合を例にして説明したが、本発明は、サービス提供会社が、特定のサービスとして、水道、ガス、保険および通信回線をそれぞれ提供する水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、所定期間ごとに需要者(ユーザ)に対してサービスの利用料を請求するものに適用することができる。
【0090】
例えば、サービス提供会社が水道会社、ガス会社および通信会社(特に電話回線を提供する会社)である場合、水道、ガス、通信量などのサービスの利用量に応じて、料金が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用量の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用量(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、サービス提供会社が保険会社および通信会社(特にインターネットプロバイダなど)である場合、サービスの利用量に関わらず、事前に定められたサービスの利用料が需要者に請求される。このため、電気料金プラン管理サーバFに各サービスの料金プランを格納し、顧客情報管理サーバCに需要者のサービスの利用料の履歴を格納し、小売電気事業者サーバRに代えて各サービス提供会社が管理するサーバを本システムに接続し、サーバ装置1がサービスの利用料(またはその履歴)およびサービスの料金プランに応じて、サービスの利用料を比較して、各サービス提供会社のサーバに契約の解除および締結を通知することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
なお、サービス提供会社が水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などである場合、検針票Mに代えて、サービス提供会社が発行した利用明細書が用いられる。
【0093】
また、サーバ装置1、顧客情報管理サーバC、電気料金プラン管理サーバF、携帯端末Pおよび小売電気事業者サーバRは、それぞれが複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本実施形態に係る契約切替システムは、ユーザと、水道会社、ガス会社、保険会社、通信会社などの、ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える際に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 サーバ装置
12 記憶部
13 制御部
131 画像解析部
132 自動切替許可部
133 電気料金プラン取得部
134 電気料金算出部
135 電気料金比較部
136 切替通知部
137 電力使用量履歴取得部
A1 氏名
A2 供給地点特定番号
A3 電力使用量
C 顧客情報管理サーバ
F 電気料金プラン管理サーバ
P 携帯端末
R 小売電気事業者サーバ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替システムであって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、前記ユーザに対して、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替システムは、サーバ装置を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約の締結および解除の委託を受け付ける受付部と、
前記サービスの利用明細書に記載された情報、または、前記ユーザに関する情報を管理する顧客情報管理サーバから、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得する使用データ取得部と、
前記各サービス提供会社が提供する前記サービスの料金プランを取得する料金プラン取得部と、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出する利用料算出部と、
前記利用料算出部の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較する利用料比較部と、
前記受付部が前記委託を受け付けた場合、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を通知する切替通知部と
を備える、契約切替システム。
【請求項2】
請求項1記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記サービスの利用明細書が撮影された画像から文字列を抽出し、当該文字列から前記ユーザの前記使用データを検出する画像解析部をさらに備える、契約切替システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の契約切替システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの前記サービスの利用量の履歴を取得する利用量履歴取得部と、
前記履歴に基づいて、前記ユーザの今後の利用量を予測する利用量予測部と
をさらに備え、
前記利用料算出部は、前記使用データとして前記ユーザの今後の利用量を用いる、契約切替システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の契約切替システムにおいて、
前記サービス提供会社は、前記特定のサービスとして、電気、水道、ガス、保険および通信回線の少なくともいずれか1つを提供する、契約切替システム。
【請求項5】
請求項4項記載の契約切替システムにおいて、
前記サービス提供会社は、前記特定のサービスとして、電気を提供し、
前記切替通知部は、前記利用料比較部の比較結果に応じて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結する旨を、スイッチング支援システムに通知する、契約切替システム。
【請求項6】
ユーザと、当該ユーザに対して特定のサービスを提供する複数のサービス提供会社との契約を切り替える契約切替方法であって、
前記サービス提供会社は、前記ユーザとの契約中において、所定期間ごとに前記サービスの利用料を請求するものであり、
当該契約切替方法は、サーバ装置によって実行されるものであり、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの通信端末から、前記ユーザと前記複数のサービス提供会社との契約を締結および解除の委託を受け付けるステップと、
前記サービスの利用明細書に記載された情報、または、前記ユーザに関する情報を管理する顧客情報管理サーバから、前記ユーザの前記サービスの利用量および利用料の少なくともいずれか一方を含む使用データを取得するステップと、
前記複数のサービス提供会社のそれぞれが提供する前記サービスの料金プランを取得するステップと、
前記使用データを前記各サービス提供会社の前記料金プランに適用し、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を算出するステップと、
前記ユーザの利用料の算出結果に基づいて、前記各サービス提供会社における前記ユーザの利用料を比較するステップと、
前記委託を受け付けた場合、前記使用データおよび前記料金プランに基づいて、前記ユーザと前記サービス提供会社との契約を解除し、前記ユーザと他の前記サービス提供会社との契約を締結するステップと
を備える、契約切替方法。
【請求項7】
コンピュータに、
請求項に記載の契約切替方法を実行させるための契約切替プログラム。